JP4145068B2 - 輔受け装置およびこの軸受装置を用いたモータ - Google Patents

輔受け装置およびこの軸受装置を用いたモータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は軸受装置、及びこの軸受装置を備えるモータに関し、マイクロプロセッサ用冷却ファンモータや、ハードディスク、光ディスク回転装置の他、非接触支持が求められる種々の回転装置に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
動圧等を用いた流体軸受装置は、高い回転精度の他、非接触支持を行うことにより、寿命が長く、静かで、耐振動性が高いという利点を有することが知られている。
【0003】
図6は、従来の動圧を用いた流体軸受装置の一例を説明するための概略断面図である。図6において、軸受装置101は、スリーブ103及びハウジング104と、ハウジング104の内側底部に固定されたスラスト板106を備え、回転軸102はスリーブ103によりラジアル方向に支持され、スラスト板106の底部によりスラスト方向に支持される。スリーブ103とスラスト板106の各部材間、及び回転軸102により形成される隙間121には、オイル等の液体が注入される。回転軸102の外周面やスリーブ103の内周面には動圧溝131が形成され、この動圧溝131と液体との作用により動圧が形成される。
【0004】
モータステータに通電することにより回転軸102は回転を開始する。この回転により、動圧溝131はオイルにポンピング圧力を与え、回転軸102はこのポンピング圧力により支持され、スリーブ103に対して非接触で回転する。なお、図6ではモータを構成する構成要素、例えば回転軸102に固定されるロータやロータ磁石、モータステータやコイルは省略している。
【0005】
回転軸を回転させるには、回転軸を回転自在に支持するスリーブをハウジングに固定する必要がある。このスリーブのハウジングへの固定において、ハウジングの一部をかしめて塑性変形させ、スリーブを固定する技術が知られている。このようなかしめいよる固定技術は、例えば特開2000−352414号公報に開示されている。
【0006】
図7は、従来知られているかしめによる固定技術を説明するための概略断面図である。ハウジング104は、スリーブ103を内部に収納する収納穴108を備え、ハウジング104の環状の縁端部104aは、スリーブ103を収納する開口107を形成している。収納穴108内に収納したスリーブ103を固定するには、この収納穴108内にスリーブ103を収納した後、環状の縁端部104aを内側にかしめ、縁端部104aをスリーブ103の上端面に塑性変形させることにより行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来技術のかしめによる固定では、塑性変形させる部分がハウジングの開口した周端面であることから、かしめによって周端部104a等のハウジングの一部のみが塑性変形するのだけではなく、ハウジングの全体が変形し、そのためスリーブが変形してしまうことがあった。例えば、図7(b)に示す周端部104aの部分をスリーブ103の上端面上に向けてかしめると、塑性変形される部分は、図7(c)中の円内に示すように、周端部104aだけでなくハウジング104の全体に及ぶこととなる。このように、ハウジング104の全体が変形すると、回転軸とスリーブとの隙間を所定の精度で一様にすることが困難となるという間題が生じる。
【0008】
そこで、本発明は従来の問題を解決して、スリーブのかしめによる固定において、ハウジング全体に及ぼす変形を防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ハウジングのかしめの位置を、ハウジングの開口した端部ではなく、この端部より内部とすることによりハウジング全体の変形を防止する。
【0010】
本発明は、軸と、この軸の少なくともラジアル方向の荷重を支持するラジアル軸受面を備えたスリーブと、このスリーブを保持するハウジングとを有し、軸をスリーブとハウジングに対して相対的に回転可能に支持する軸受装置において、ハウジングは、スリーブを収納するための少なくとも一端に開口した収納穴を有し、この開口した一端から軸方向に所定距離離れた位置でハウジングの少なくとも一部を変形させてかしめを行うことにより、スリーブを固定して保持する。
【0011】
かしめによるスリーブの固定を、ハウジングの開口端から軸方向に離れた位置で行うことにより、変形する部分をハウジングの一部のみとし、ハウジング全体の変形を防止する。
【0012】
ハウジングの収納穴は、スリーブの外周に対向する第1の内周面と、第1の内周面より軸方向の開口側の、第1の内周面の内径より大きな内径の第2の内周面とにより形成される。これにより、第1の内周面と第2の内周面との境に第1の段部を形成し、この第1の段部の少なくとも一部を変形させることによりかしめを行う。このかしめ部分の段部は、第2の内周面を設けることで形成されるため作成が容易である。
【0013】
また、このかしめ部分の段部において、第1の内周面と第2の内周面とは軸方向にオーバーラップする構成とする。この構成とすることにより、段部の肉厚を薄くすることができ、かしめの操作が容易となると共に、ハウジングの他の部分へ変形の影響を低減させることができる。
【0014】
また、スリーブは、軸方向の上端面の外周側に凹部を有し、この凹部に対してハウジングのかしめ部分の段部をかしめて塑性変形させて行う。この構成により、軸を支持するラジアル軸受面の長さを短くすることなく、かしめの位置をハウジングの端部から所定距離離すことができる。
【0015】
また、ハウジシグは、更に第1の内周面より小さな内径の第3の内周面を、第1の内周面を挟んで第2の内周面と軸方向反対側に有する。これによって、第1の内周面と第3の内周面との境に第2の段部を形成する。スリーブは、この第2の段部によって、ハウジングに対する軸方向の位置決めを行いと共に固定することができる。
【0016】
また、本発明の軸受装置において、スリーブのラジアル軸受面は、軸の外周に液体が満たされたラジアル隙間を介して軸の外周面に対向して設けられる。さらに、本発明の軸受装置は、このラジアル軸受面よりも軸方向の下方にラジアル隙間と連通して液体を蓄える底部空間を備える。この底部空間は、その中に蓄える液体が毛細管現象によりラジアル隙間に供給され得る程度の大きさと形状を有する。
【0017】
また、本発明の軸受装置は、ハウジングとスリーブとの少なくとも一方に、一端を大気に開放し、他端を底部空間に連通して液体を蓄える連通孔を備える。この連通孔は、その中に蓄えられた液体が毛細管現象により底部空間を経由してラジアル隙間に供給され得る程度の大きさと形状とを有する。この連通孔は、第2の内周面側で大気と連通し、ラジアル軸隙間から溢れた液体を取り込んで底部空間に供給し、再びラジアル軸隙に戻すことができる。また、連通孔より流出した液体は、第2の内周面により拡散させることができる。
【0018】
また、本発明の軸受装置の軸はフランジを有し、このフランジは底部空間に配置される。また、本発明の軸受装置の軸にはファンを固定することができる。
【0019】
また、本発明は、上記軸受装置を用いてモータを構成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1,2,3は、本発明の軸受装置の概略を説明するための断面図、スリーブ及びハウジングの一部を切り欠いた斜視図、及び断面図であり、ファンモータに適用した場合を示している。
【0021】
図1において、軸受装置1は、回転軸2と、この回転軸2を回転自在に支持する軸受部材を備える。この軸受部材は、回転軸2をラジアル軸隙間21を介して非接触に支持するスリーブ3と、このスリーブ3を固定するハウジング4を備える。回転軸2は、ファン16を取り付けたロータ11を固定ネジ15で固定することでファンモータを構成することができ、このモータの駆動機構は、ロータ11に取り付けられ磁石12、ハウジング4側等の固定部分に設けられたコイル及び磁心13、コイルへの駆動電流制御を行う基板14等により構成することができる。なお、磁石12とコイル及び磁心13を回転軸2の軸方向にずらして配置することで磁気吸引力を発生させる。この磁気吸引力は、回転軸2を下方に付勢するスラスト加重となる。
【0022】
スリーブ3は内部に回転軸2を収納する筒状の軸方向に貫通した収納部分を有する。スリーブ3の収納部分の内周面はラジアル軸受面3aを形成し、収納部分内に収納した回転軸2の外周面との間にラジアル軸隙間21を形成して対向させ、このラジアル軸隙間21にオイル等の液体を介在させることにより非接触で回転自在に支持する。
【0023】
ハウジング4は一方を開口7とする収納穴8を備え、この収納穴8の内部にスリーブ3を収納すると共に、スリーブ3を軸方向の所定位置に位置決めする。スリーブ3の軸方向の位置決めは、下方位置に設けた段部(第2の段部4e)にスリーブ3の下端部分を当接させることで行うことができる。
【0024】
さらに、ハウジング4は、下方位置に液体を溜めると共に、収納穴8と連通する底部空間22を備える。この底部空間22内には、回転軸2の下端部分、及びこの下端部分に取り付けられたフランジ5が収納される。底部空間22の底面にはスラスト板6が配置され、回転軸2の下端のピボット部9を点支持する。
【0025】
底部空間22とラジアル軸隙間21とは連通しており、底部空間22内に溜められた液体は、毛細管現象によりラジアル軸隙間21内に供給される。底部空間22の大きさ及び形状は、毛細管現象によるラジアル軸隙間21内への液体供給が行われるよう形成される。
【0026】
例えば、ラジアル軸隙間21と底部空間22の連通部分においては、底部空間22の容量をラジアル軸隙間21の容量よりも充分大きくとり、毛細管現象によってラジアル軸隙間21内に向かう吸引力が大きくなるように形成する。また、底部空間22の形状は、形状により生じる毛細管現象の吸引力が、ラジアル軸隙間21内に向かう吸引力よりも大きくならないように形成する。例えば、底部空間22内に、串歯状形状のように毛細管現象を生じさせる形状部分を形成した場合には、この串歯状形状により生じる毛細管現象の吸引力が、ラジアル軸隙間21内に向かう液体の供給に影響を与えないよう形成する。
【0027】
なお、軸受部材のスリーブ3とハウジング4との間には、底部空間22を大気と連通する連通孔23が設けられ、スリーブ3aと回転軸2との隙間から液体が溢れた場合には、この連通孔23を通して底部空間22に戻される。また、連通孔23から溢れた液体は、ハウジング4の上方の内周面に拡散される。
【0028】
上記の構成において、磁石12の軸方向の中心位置と、コイル13の軸方向の中心位置とを軸方向でずらして配置することにより、磁気吸引力で回転軸2を軸受部材3側に付勢すると共に、回転軸2の下端のピボット部9をスラスト板6に当接させることにより回転軸2を保持する。本発明の軸受装置は、軸受部材を構成するスリーブ3とハウジング4は、ハウジング4の一部をスリーブ3の上端面に向けてかしめることにより行う。
【0029】
以下、本発明の軸受装置によるかしめの構成について、図2の斜視図及び断面図を用いて説明する。スリーブ3は、軸中心に回転軸2を収納するために軸方向に貫通する収納部を備え、この収納部の内周面(ラジアル軸受面3a)は回転軸2の外周面と隙間を開けて対向し、この隙間部分にオイル等の液体を充填するラジアル軸隙間21を形成する。ラジアル軸隙間21を挟むラジアル軸受面3a、又は回転軸2の外周面、あるいはこれらに両面には、例えばヘリングボーン溝等の動圧発生する動圧溝31が形成される。ラジアル軸隙間21を液体を満たした状態で回転軸2を回転させると、動圧溝31と液体との作用によって動圧が発生し、回転軸2はこの動圧により非接触支持される。
【0030】
また、スリーブ3は、外周面の軸方向の途中部分に外径を小径とした凹部3bを備える。この凹部3bは、スリーブ3をハウジング4にかしめにより固定するための部分である。
【0031】
一方、ハウジング4は、一方を開口7とし内部にスリーブ3を収納する収納穴8を備える。収納穴8の内周面は、軸方向に沿って複数の内周面(第1の内周面4a,第2の内周面4b,第3の内周面4c)を備える。第1の内周面4aは、スリーブ3の外周面に対向して形成され、スリーブ3の凹部3bから下端部分までの軸方向長さとほぼ同じ長さを有し、かしめによる変形部分の分だけ長く形成する。第2の内周面4bは、第1の内周面4aの内径より大きな内径を有し、第1の内周面4aより軸方向の開口7側に形成される。
【0032】
第1の内周面4aと第2の内周面4bとの内径を異にすることで、第1の内周面4aと第2の内周面4bの境には第1の段部4dが形成される。この第1の段部4dの少なくとも一部を変形させることでかしめを行う。この第1の段部4dにおいて、第1の内周面4aの軸方向の上端部を第2の内周面4bの軸方向の下端部よりも開口7側に延長させ、第1の内周面4aと第2の内周面4bとをそれぞれ軸方向でオーバーラップさせる。オーバーラップ部分は、図3中の符号Aで示している。
【0033】
この構成により、オーバーラップした第1の内周面4aの部分は肉厚が薄く形成され、かしめの処理が容易となると共に、ハウジングの他の部位への変形の影響を低減することができる。また、かしめを行う部分は、単に内周面の内径を異ならせることで形成することができるため、容易に成形することができる。
【0034】
また、第3の内周面4cは、第1の内周面4aより小さな内径を有し、第1の内周面4aを挟んで第2の内周面4bと軸方向の反対側に形成される。第1の内周面4aと第3の内周面4cとの内径を異にすることで、第1の内周面4aと第3の内周面4cの境には第2の段部4eが形成される。この第2の段部4eは、スリーブ3のハウジング4に対する軸方向の位置決めを行う。ハウジング4の内周面を上記構成とすることで、スリーブ3を所定位置に位置決めすると共に、ハウジング4内に固定することができる。
【0035】
かしめによる固定は、図3(b)に示すように、スリーブ3をハウジング4の収納穴8内に収納し、スリーブ3の下端面の一部を第2の段部4eに当接させることで行われる。スリーブ3の下端面の一部を第2の段部4eに当接させることにより、スリーブ3の凹部3bはハウジング4の第1の段部4dの位置に配置される。第1の内周面4aの軸方向の長さを、スリーブ3の下端部から凹部3bまでの長さよりわずかに長くすることで、第1の段部4dの上端部分を収納したスリーブ3の凹部3bの上面より軸方向に突出させることができる(図3(b)中の符号Bで示す部分)。
【0036】
第1の段部4dは、第1の内周面4aの全周に沿って環状に形成することも、第1の内周面4aの周に沿って一部にのみ形成することもできる。この後、図3(c)に示すように、第1の段部4dの突出部分をスリーブ3の凹部3bの上面に向けてかしめることにより塑性変形させ、スリーブ3をハウジング4の収納穴8内に固定する。
【0037】
かしめ部分を行う位置はハウジング4の開口7から軸方向の内側部分であり、また、かしめにより変形する部分はハウジング4の一部分であるため、かしめによる変形はハウジング4全体に及ぶことがない。そのため、ハウジング4が変形することによって、スリーブ3と回転軸2との隙間間隔がずれるといった現象を防止することができる。
【0038】
また、スリーブ3の軸方向の上端面の外周側をかしめで固定するため、回転軸を支持するラジアル軸受面の長さを短くすることなしに、かしめの位置をハウジングの端部から所定距離離すことができる。
【0039】
次に、本発明の軸受装置において、ラジアル軸隙間にオイル等の液体を供給する構成を、図4,5を用いて説明する。なお、図4(a),図5(a)は上方から見た図であり、図4(b),図5(b)は一部断面図である。
【0040】
発明の軸受装置は、液体供給のための構成として、回転軸2の下方端部からラジアル軸隙間21内に液体を毛細管現象による吸引力で供給する構成部分と、この供給部分に対して液体を供給する構成部分を備える。
【0041】
回転軸2の下方端部からラジアル軸隙間21内に液体を供給する構成部分は、回転軸2の下方端部と対向するハウジング4の底部部分に形成した底部空間22とすることができる。ハウジング4は、内部にスリーブ3を固定するハウジング筒部4gと、このハウジング筒部4gに下方に形成されるハウジング底部4fを備える。ハウジング底部4fとハウジング筒部4gとの境界部分には第2の段部4eが形成され、この第2の段部4eは、ハウジング4内においてスリーブ3の下端位置を位置決めする。
【0042】
底部空間22は、この第2の段部4eで位置決めされたスリーブ3の下端部、このスリーブ3で固定された回転軸2の端部、及びハウジング底部4fで囲まれる空間部分により形成される。
【0043】
この底部空間22内には液体が満たされ、この液体の上面は、スリーブ3と回転軸2との間に形成されるラジアル軸隙間21の下端の開口部分と接触し、このラジアル軸隙間21内には毛細管現象により液体が供給される。
【0044】
また、供給部分に対して液体を供給する構成部分は、スリーブ3の外周面とハウジング筒部4gとの間に形成した連通孔23,26とすることができる。連通孔23は、図4に示すように、ハウジング筒部4g側に形成した溝24により形成することができ、また、連通孔26は、図5に示すように、スリーブ3の外周面側に形成した溝25により形成することができる。なお、溝24,25の径は、底部空間22内に溜められる液体が毛細管現象によってこの溝で形成される連通孔23,26内に吸引されることがない程度に十分な径に形成する。
【0045】
ラジアル軸隙間21の上端部分から溢れ出た液体は、この溝24,25で形成される連通孔23,26内を通り、底部空間22内に戻される。底部空間22内に戻された液体は、再びラジアル軸隙間21内に供給される。これによって、用液体は底部空間22から供給された後、ラジアル軸隙間21、及び連通孔23,26を通って再び底部空間22に戻される。なお、図4(a),図5(a)に示す例では、溝24,25を周方向に3つ配置した例を示しているが、配置数は任意とすることができる。
【0046】
本発明の態様によれば、かしめの位置をハウジングの開口した端部ではなくそれより内部で行い、また、ハウジングの一部のみを塑性変形することによりハウジング全体が変形することを防止することができる。 また、発明の軸受装置が備える回転軸はフランジを備え、このフランジを底部空間に配置し、これにより回転軸の抜けを防止する。また、本発明の軸受装置は、回転軸にファンを固定することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、かしめの位置をハウジングの開口した端部ではなく、それより内部で行うことによりハウジング全体の変形を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸受装置の概略を説明するための断面図である。
【図2】本発明の軸受装置の概略を説明するためのスリーブ及びハウジングの一部を切り欠いた斜視図である。
【図3】本発明の軸受装置の概略を説明するためのスリーブ及びハウジングの断面図である。
【図4】本発明の軸受装置のラジアル軸隙間に液体を供給する構成を説明するための図である。
【図5】本発明の軸受装置のラジアル軸隙間に液体を供給する構成を説明するための一部断面図である。
【図6】従来の動圧を用いた流体軸受装置の一例を説明するための概略断面図である。
【図7】従来知られているかしめによる固定技術を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1 軸受装置
2 回転軸
3 スリーブ
3a ラジアル軸受面
3b 凹部
4 ハウジング
4a 第1の内周面
4b 第2の内周面
4c 第3の内周面
4d 第1の段部
4e 第2の段部
4f ハウジング底部
4g ハウジング筒部
5 フランジ
6 スラスト板
7 開口
8 収納穴
9 ピボット部
11 ロータ
12 磁石
13 コイル及び磁心
14 基板
15 固定ネジ
16 ファン
21 ラジアル軸隙間
22 底部空間
23、26 連通孔
24 ,25 溝

Claims (11)

  1. 軸と、当該軸の少なくともラジアル方向の荷重を支持するラジアル軸受面を備えたスリーブと、当該スリーブを保持するハウジングとを有し、前記軸を前記スリーブと前記ハウジングに対して相対的に回転可能に支持する軸受装置において、
    前記ハウジングは、前記スリーブを収納する上方に開口した収納穴を有し、前記開口の上端から前記軸方向の下方に所定距離離れた位置において前記ハウジングの少なくとも一部を変形させてかしめて前記スリーブを固定し、当該かしめ位置はスリーブの最上端面よりも所定量下方に位置し、
    前記スリーブの最上端面は、前記ハウジングの最上端面よりも所定量下方に位置し、
    前記ラジアル軸受面は、前記軸の外周に液体が満たされたラジアル隙間を介して前記軸の外周面に対向して設けられたことを特徴とする、軸受装置。
  2. 前記収納穴は、前記スリーブの外周に対向する第1の内周面と、
    前記第1の内周面の内径より大きな内径の第2の内周面を、前記第1の内周面より前記軸方向の前記開口側に有し、これら第1の内周面と第2の内周面との境に形成される第1の段部の少なくとも一部を変形させることで前記かしめを行うことを特徴とする、請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記第1の内周面と前記第2の内周面とが、前記軸方向にオーバーラップしていることを特徴とする、請求項2に記載の軸受装置。
  4. 前記スリーブは、前記軸方向の上端面の外周側に凹部を有し、当該凹部において前記かしめが行われることを特徴とする請求項1から請求項3の少なくとも一つに記載の軸受装置。
  5. 前記ハウジシグは、更に前記第1の内周面より小さな内径の第3の内周面を、前記第1の内周面を挟んで前記第2の内周面と前記軸方向反対側に有し、
    前記スリーブは、前記第1の内周面と前記第3の内周面との境に形成される第2の段部により前記ハウジングに対して前記軸方向の位置決めがされて固定されることを特徴とする、請求項2又は請求項4に記載の軸受装置。
  6. 前記ラジアル軸受面よりも前記軸方向の下方に前記ラジアル隙間と連通して前記液体を蓄える底部空間を設けると共に、当該底部空間は、その中の前記液体が毛細管現象により前記ラジアル隙間に供給され得る程度の大きさと形状を有することを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか一つに記載の軸受装置。
  7. 前記ハウジングと前記スリーブとの少なくとも一方に、一端を大気に開放し、他端を前記底部空間に連通して前記液体を蓄える連通孔を設け、当該連通孔は、その中に蓄えられた前記液体が毛細管現象により前記底部空間を経由して前記ラジアル隙間に供給され得る程度の大きさと形状とを有することを特徴とする、請求項に記載の軸受装置。
  8. 前記連通孔は、前記第2の内周面側で大気に連通していることを特徴とする請求項に記載の軸受装置。
  9. 前記軸はフランジを有し、このフランジが前記底部空間に配置されたことを特徴とする請求項6から請求項8の何れか一つに記載の軸受装置。
  10. 前記軸にファンが固定されたことを待徴とする請求項1から請求項9の何れか一つに記載の軸受装置。
  11. 請求項1から請求項10の何れか一つに記載の軸受装置を用いたことを特徴とする、モータ。
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