JPH09301127A - 誤操作を防止される点火キー・車両間通信装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 点火錠内にある点火キーの操作中に点火キー
に設けられている操作部材の誤つた操作により、動作で
始動可能な機能装置の予期しない始動に対する誤操作防
止が行われるようにする。 【解決手段】 点火キー・車両間通信装置は、車両側点
火錠２２へ差込み可能な電子点火キーと、キー側に設け
られる操作部材４の操作により車両側機能装置３０を始
動する無線キー・車両間通信チヤネル２，７，１２，２
１，２６，３０と、点火キー１が点火錠２２に差込まれ
ているか又は点火キー１が点火錠２２内の特定の位置に
あるか否かを検知し（否でない）場合点火キー１を始動
すべき機能装置３０との間の通信を阻止状態に保つ誤操
作防止手段２，７とを持つている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両側点火錠へ差込み
可能な少なくとも１つの電子キーと、キー側に設けられ
る操作部材の操作によつて少なくとも１つの車両側機能
装置を始動するための無線キー・車両間通信チヤネル
と、キーが点火錠へ差込まれているか否か又はキーが点
火錠内の特定の位置にあるか否かを検知しかつキーが点
火錠へ差込まれているか又はキーが点火錠内の特定の位
置にある場合このキーと始動すべき機能装置との間の通
信を阻止状態に保つ誤操作防止手段とを有する、誤操作
を防止される点火キー・車両間通信装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】このような装置では、電子キーとして構
成される点火キーが車両の発進に用いられ、このため電
子キーは、走行権限を証明するため機械的に、電気導線
により又は無線により、点火錠に接続され、他方電子キ
ーは、携帯遠隔操作装置として、大抵の場合車両外から
点火キーと車両との間の無線通信チヤネルを介して少な
くとも１つの車両側機能装置を遠隔操作で始動するため
に用いられる。

【０００３】電子キーと車両との間の１つ又は複数のこ
のような無線通信チヤネルを介する１つ又は複数の車両
安全機能の始動は、特に重要な使用事例を形成する。最
近の車両安全装置は、扉錠装置又ははね蓋錠装置及び侵
入−盗難警報装置の形の電子的に始動可能なアクセス防
止装置と、いわゆる乗り逃げ防止装置の形の電子的に始
動可能な他人利用防止装置とを含んでいる。付属する機
能装置の始動は、キー側操作部材の操作を介して行わ
れ、車両用の必要なキーの利用権限を検査するため、無
線通信チヤネルを介するキー側と車両側との一方向又は
両方向データ交換を含んでいる。始動すべき車両側機能
の種類により、無線通信チヤネルは大抵の場合充分な到
達距離を持つように構成されて、車両から数ｍ離れてい
るキーによつても始動を行うことができるようになつて
いる。伝送媒体として、特に可視範囲例えば赤外範囲及
び無線範囲の電磁波が好んで使用される。

【０００４】これらの点火キー・車両間通信装置では、
点火キーに設けられる操作部材の予期しない操作の危険
が一般にあり、それにより誤つて及び場合によつてはま
ずわからずに、適当な車両側機能例えば車両扉の鎖錠又
は解錠、荷物室の開放、電子乗り逃げ防止装置の動作不
能化又は動作可能化が開始される。特に点火キーが点火
錠に差込まれ、機関の始動又は停止のため点火キーが回
されると、このような誤操作が特に容易におこる。この
ような遠隔操作による車両側機能の始動は、交通の安全
を危険にする状況を生ずるに至るまで、これらの作動状
況において大抵の場合高度に望ましくない結果となるの
で、適当な誤操作防止の必要が生ずる。例えば点火錠内
のキーの次の操作により乗り逃げ防止装置を動作不能に
した後、点火装置が電源に接続されている間、乗り逃げ
防止装置が意に反して動作可能にされることがある。

【０００５】このような誤操作を防止するため公知の装
置では、誤操作防止手段として車両側に、キーが点火錠
へ差込まれているか否か又はキーが点火錠の特定の位置
例えば点火装置が電源に接続されている位置にあるか否
かを検知する手段が設けられ、利用者の要求により車両
側機能装置を始動するため、公知の装置が適当な情報を
無線通信チヤネルの車両側部分へ伝送する。点火キーが
点火錠へ差込まれているか又は点火錠内の特定の位置に
あることが検知されると、車両側通信部分において通信
チヤネルが阻止される。このような装置は、米国特許第
４３８３２４２号明細書に記載されている。そこでは点
火信号が、点火装置が電源に接続される点火錠の位置に
点火キーがあることの検知信号として、無線キー・車両
間通信チヤネルの車両側通信部分の論理ゲートへ供給さ
れる。ゲートにおける信号の適当な論理結合により、点
火装置が電源に接続されている限り、点火キーの操作部
材の誤つた操作により点火錠から送信されかつ無線通信
チヤネルを介して車両側で受信される始動信号が、適当
な車両側機能特に車両安全機能の実際の始動のためには
伝送されないようにしている。その代りに、無線キー・
車両間通信チヤネルに属する車両側受信機を、これに関
して車両側に設けられる手段により、キーが点火錠へ差
込まれているか又は点火錠の特定の位置にあることが検
知される間だけ、機能しないようにすることも考えられ
る。

【０００６】点火錠へ差込まれる点火キーを検知する手
段を車両側に設け、点火錠内にキーがあると前記の通信
チヤネルを車両側で阻止すると、場合によつては望まし
くない次の性質が生ずる。まず点火錠又はそこに設けら
れて点火キーを検知する手段と無線キー・車両間通信チ
ヤネルを介して始動を阻止すべき各機能装置との間に、
電気接続が必要である。このような各装置は、更に通信
チヤネルを介して受信されるデータ信号を阻止又は無視
するように構成されねばならない。これは、この通信チ
ヤネルを介して遠隔操作で始動可能な車両安全装置へ複
数の車両側制御器が含まれている場合、それに応じた多
額の費用を意味する。更に通信チヤネルを車両側で阻止
するこの従来の方法において、車両に属する別のキーに
より車両側機能を故意に始動することはもはや不可能で
あるという事実も、特に重要である。このような始動の
希望は、例えば次のような場合、即ち人間が車両内にあ
つて点火キーを点火錠へ差込んでおり、その時車両に対
して権限を付与されかつ遠隔操作機能を持つキーを携帯
する別の人間が車両へ近づき、遠隔操作機能の開始即ち
無線キー・車両間通信チヤネルの動作により、荷物の積
みおろしのため例えば荷物室を開きたいか、又は前もつ
て乗つている人間が自身の扉のみを解錠している時扉を
遠隔操作で解錠したい場合に、生ずる。

【０００７】ドイツ連邦共和国特許出願公開第４２３８
０４２号明細書には、中央鎖錠装置を利用者の要求によ
り始動するため無線通信チヤネルを持つ点火キー・車両
間通信装置が開示されており、キーが付属の送信機を含
み、キーケースに設けられている開放電鍵及び閉鎖電鍵
を介してこの送信機が、開放指令又は閉鎖指令の信号を
送信するために始動可能である。そこには誤操作防止手
段として、開放電鍵がキーケースに揺動可能に結合され
るキー突片によりその引込み状態で覆われるか、又は開
放電鍵及び閉鎖電鍵が引込められるか又は引出されるキ
ー突片の押圧により間接に操作可能であるように、開放
電鍵及び場合によつては閉鎖電鍵も位置ぎめすることが
提案されている。機械的キー突片なしの電子キーに対し
ては、このような誤操作防止装置は使用不可能である。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の基礎になつて
いる課題は、最初にあげた種類の点火キー・車両間通信
装置において、比較的僅かな費用で、点火錠内にある点
火キーの操作中に点火キーに設けられている操作部材の
誤つた操作によつて、遠隔操作可能な機能装置の予期し
ない始動に対する便利な誤操作防止が行われ、この誤操
作防止が、１つ又は複数の車両側機能装置の始動のため
無線キー・車両間通信チヤネルを、点火錠へ点火キーが
差込まれているにもかかわらず、機能のある別のキーで
利用できるようにするである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
本発明によれば、誤操作防止手段がキー側に設けられ
て、点火錠にあるキーと始動すべき機能装置との間の通
信を阻止するため、このキーにある通信チヤネルの通信
部分を、機能装置の始動に役立つデータの伝送に関して
阻止状態に保つ。

【００１０】この装置では、点火キーが点火錠へ差込ま
れているか否か又は点火錠の特定の位置にあるか否かを
検知する手段が、キーに設けられ、その検知情報によ
り、無線キー・車両間通信チヤネルのキー側部分へ作用
して、関係するキーが点火錠に差込まれているか又は点
火錠の特定の位置にある時常に、関係する機能装置の始
動に役立つデータの伝送に関して、このキー側部分が動
作不能に保たれる。この手段により、点火錠に差込まれ
ている点火キーの遠隔操作機能のみが、全体として又は
いずれにせよこのキーによる予期しない始動を防止すべ
き車両側機能装置の始動に関して、動作不能に保たれる
が、権限のある他のキーにある適当な操作部材の操作に
より、無線キー・車両間通信チヤネルは引続き利用さ
れ、１つ又は複数の車両側機能は規則正しく始動可能で
ある。これらの本発明による誤操作防止のため、車両側
電子装置へ介入する必要のないことは有利である。本発
明を実現するため技術的費用は、付加的な配線や複数の
車両側素子における並列の信号阻止手段がしばしば必要
となる従来の車両側誤操作防止におけるより一層少な
い。

【００１１】請求項２により構成される装置では、電子
点火キーが点火錠内にある時車両から外部エネルギーを
この電子点火キーへ供給することができる外部エネルギ
ー伝送装置が、キー側でキーが点火錠に差込まれている
ことを検知するために、有利に付加的に利用される。な
ぜならば、キーが点火錠に差込まれている時に、キー側
外部エネルギー受領装置の出力端に外部エネルギーが存
在し、外部エネルギーの存在はキー側にある制御装置に
より容易に検知されるからである。

【００１２】請求項３により構成される装置では、点火
キーが点火錠に差込まれている時に機能を果すことがで
きる短い到達距離の無線キー・点火錠間通信チヤネル
は、この通信チヤネルを介してデータ情報が伝送される
ことから、点火キーが点火錠に差込まれているか簡単に
検知するのに付加的に利用され、この通信チヤネルを介
するデータ情報の伝送はキー側制御装置により記録され
る。このような短い到達距離の無線キー・点火錠間通信
チヤネルは、例えば点火錠とその中へ差込まれる点火キ
ーとの間の誘導又は光伝送区間を含むことができ、車両
安全装置の始動のため、この伝送区間を介して一方向又
は両方向のデータ通信が行われる。例えばこの通信チヤ
ネルを介して、利用権限符号の照会により権限のあるこ
とがわかつた点火キーが点火錠へ差込まれる時、乗り逃
げ防止装置が自動的に動作不能にされ、点火キーを点火
錠から引抜くと再び自動的に動作可能になるように、乗
り逃げ防止装置の始動を行うことができる。

【００１３】本発明の好ましい実施例が図面に示されて
おり、以下これについて説明する。

【００１４】

【実施例】図示されている装置は、ブロツクダイヤグラ
ムで示される車両２０のためにアクセス権限及び利用権
限を付与する複数の点火キーを含み、これらの点火キー
のうち１つの点火キー１が車両２０外では位置１ａで示
され、また車両２０内では位置１ｂで示され、この位置
１ｂで点火錠２２へ差込まれている。点火キー１は、第
１に、とりわけアクセス権限符号を記憶する記憶部分９
と利用権限符号を記憶する記憶部分１０とを持つ制御装
置即ち制御兼論理装置２を含み、第２に、利用者により
操作可能にキーケースに設けられて操作信号を制御兼論
理装置２へ供給する１つ又は場合によつては複数の操作
部材としての操作電鍵４を含み、第３に、無線通信区間
１２，１３を持つ２つの異なる通信チヤネルを介して車
両２０とのデータ通信を行う送−受信装置７を含み、第
４にエネルギー供給手段５，６，８を含んでいる。エネ
ルギー供給手段は、自己電流供給用蓄電池５と、無線エ
ネルギー伝送区間１１を介して車両２０から外部エネル
ギーを受領する外部エネルギー受領装置６と、自己電流
供給と外部エネルギー供給との間の切換え用ＯＲゲート
８とを含んでいる。車両側でエネルギー伝送装置は、点
火錠２２にあるエネルギー送出装置２３を含み、点火キ
ー１が点火錠２２へ差込まれていると、点火キー１への
エネルギー伝送従つてその外部エネルギー供給が行われ
るように、無線エネルギー伝送区間 １１ が例えば交
番磁界区間として構成されている。必要な場合には蓄電
池５を同時に再充電することができる。これに反し点火
キー１が点火錠２２から引出されていると、点火キー１
へのエネルギー供給は蓄電池５により行われる。

【００１５】第１の無線キー・車両間通信チヤネルは、
キー側に制御兼論理装置２及び送−受信装置７を含み、
車両側に対応する送−受信装置２１を含み、両者の間に
通信区間なるべく赤外線又は無線の伝送区間を持ち、こ
の伝送区間の到達距離は、点火キー１と車両２０との間
の数ｍの距離でも通信チヤネルがなお機能を果すように
充分な大きさに定められている。この長い到達距離の通
信チヤネルを介して、中央鎖錠装置及び侵入−盗難警報
装置の形のアクセス防止装置の始動、及び場合によつて
は明確に示してないそれ以外の特別機能例えば後部蓋開
放機能の始動のため、点火キー１と車両２０との間のデ
ータ通信が行われる。それぞれの車両側機能装置を始動
するためのデータ通信は、点火キー１にある操作電鍵４
の適当な押圧により遠隔操作で開始される。必要な場合
には、機能の安全性を高めるため、赤外線伝送区間及び
無線伝送区間を同時に使用して、この通信チヤネルを冗
長に構成することができる。

【００１６】点火キー１が点火錠２２へ差込まれておら
ず、従つて後述する誤操作防止機能が働いていない限
り、操作電鍵４の押圧の検知後に制御兼論理装置２が、
記憶部分９に記憶されているアクセス権限符号を含む始
動信号を発生し、送−受信装置７を介してこの始動信号
を通信区間１２へ与える。そこからこの信号は車両側送
−受信装置２１により受信され、関係する車両側機能装
置へ更に導く共通なデータ導線２６へ与えられる。例え
ば中央鎖錠装置を始動するため、データ導線２６上の信
号は、図示してない中央鎖錠装置の制御器３０へ伝送さ
れる。この中央鎖錠装置は、復号器３０ａにより、信号
に含まれているアクセス権限符号を復号し、後に接続さ
れる比較器３０ｂにより、制御器３０に記憶されている
符号と一致するかどうかについてアクセス権限符号を検
査する。一致していると、制御器３０は車両２０の扉又
ははね蓋の解錠又は鎖錠を行う。同様に始動信号が、共
通なデータ導線２６を介して、同様に詳細には示してな
い侵入−盗難警報装置の制御器３１へ供給され、この制
御器が、復号器及び比較器により、供給されるアクセス
権限符号の権限について検査し、権限のある場合警報装
置を動作不能又は動作可能にする。

【００１７】こうしてアクセス権限のある点火キー１を
介して、車両への乗車のため操作電鍵４の第１回の操作
により、中央鎖錠装置が解錠位置へ切換えられかつ侵入
−盗難警報装置が動作不能にされ、また車両を出た後操
作電鍵４の第２回の操作により、逆に中央鎖錠装置が再
び鎖錠位置へ切換えられ、侵入−盗難警報装置が動作可
能にされる。１つ又は複数の車両側機能の始動のためこ
の通信チヤネルを介して行われるデータ通信は、一方向
又は両方向に行うことができ、例えばドイツ連邦共和国
の特許第４４１１４４９号、第４４１１４５０号及び第
４４１１４５１号明細書に記載されているように、伝送
されるデータ情報を符号化するため任意の暗号法を使用
するのがよい。

【００１８】点火キー１が点火錠２２へ差込まれると、
点火錠２２にあつて適当に構成されている電気開閉接点
３が操作され、それにより点火錠２２が点火キー１の差
込まれたことを検知する。その代りに点火キー１の差込
まれたことを検知するため、例えば点火キーにある永久
磁石及び点火錠にあるホールセンサを介して、又は通路
扉が操作されていると、点火錠によるエネルギーの継続
的又は周期的な送出及び差込まれる点火キーによる応答
の待ち受けを介して、別の検知可能性が考慮される。エ
ネルギー送出装置２３はエネルギー伝送区間１１を介し
てエネルギーを点火キー１にある外部エネルギー受領装
置６へ伝送するので、外部エネルギー受領装置６の出力
端に今や外部エネルギーが存在する。ＯＲゲート８を介
して点火キー１の制御兼論理装置２は、この外部エネル
ギーの存在を検知し、これから点火キー１が点火錠２２
へ差込まれた位置１ｂにあることを、確実に検知する。
それから利用権限を与えるため、第２の無線キー・車両
間通信チヤネル、特にキー側送−受信装置７のほかに点
火錠２２にある送−受信装置２４とその間にある通信区
間としての両方向赤外線データ伝送区間１３とを含むキ
ー・点火錠間通信チヤネルを介して、１回のデータ通信
が行われる。従つてこの例では、キー側でこの通信チヤ
ネル用の通信部分が、アクセス防止機能を始動するため
の遠隔操作可能なキー・車両間通信チヤネルの通信部分
と同一である。点火錠側送−受信装置２４は点火錠２２
に隠れて収容されて、点火錠２２へ点火キー１の差込ま
れている場合にのみ付属する赤外線データ伝送区間が機
能を果す程度、例えば約２ｃｍの僅かな到達距離を持つ
ようにしている。これは故障及び盗聴の試みのような権
限のない操作に対するこの通信チヤネルの安全性を高め
る。伝送媒体として、場合によつては光波の代りに他の
電磁波も役立つ。データ通信の一部として制御兼論理装
置２は、記憶部分１０に記憶されている利用権限符号を
含む利用権限信号を発生し、送−受信装置７を介してこ
の信号をデータ伝送区間１３へ与える。

【００１９】このデータ伝送区間１３を介して伝送され
る利用権限信号は、点火錠２２の送−受信装置２４によ
り受信され、共通なデータ導線２６へ与えられる。そこ
から信号は、車両２０の乗り逃げ防止装置に含まれてい
る車両側機器特に制御器へ伝送される。例えば図には機
関制御器３２及び変速機制御器３３が示されており、乗
り逃げ防止装置に含まれている図示しない別の車両側構
成素子と同様に、復号器及び後に接続される比較器によ
り、到来する利用権限符号が関係する構成素子自体に記
憶されている利用権限符号と一致するかどうかを検査さ
れる。乗り逃げ防止装置に含まれる別の構成素子は、例
えば電気かじ取りハンドル錠であつてもよい。符号が一
致していると、乗り逃げ防止装置に含まれる各構成素子
において、前もつて動作可能にされていた機能阻止が解
消され、それにより乗り逃げ防止装置が全体として動作
不能にされるので、車両を続いて運転することができ
る。点火装置の後になつての遮断は点火導線電圧を介し
て検知され、それから乗り逃げ防止装置に含まれている
車両側機器３２，３３を作動阻止状態にすることによつ
て、乗り逃げ防止装置が再び自動的に動作可能にされ
る。短い到達距離のキー・点火錠間通信チヤネルを介す
る乗り逃げ防止機能の上述したような始動は、点火キー
１が点火錠２２内にある限り、乗り逃げ防止装置の予期
しない動作可能化が不可能になるのを、自動的に保証す
る。

【００２０】上述したように、乗り逃げ防止機能を始動
するためキー・点火錠間通信チヤネルを介してデータ通
信が両方向に行われる場合、点火キー１から車両２０へ
利用権限符号を伝送するため、両方向に動作する符号化
方法を使用することができる。更に要求に応じて、点火
キー１が点火錠２２内の特定の回転位置へもたらされた
時にのみ、乗り逃げ防止装置を動作不能にするデータ通
信を行うことができる。この場合も、点火キー１が点火
装置を遮断する点火錠２２の回転位置へ回し戻された
時、乗り逃げ防止装置を自動的に動作可能にすることが
できる。キー・点火錠間通信チヤネルを介するデータ通
信過程は、点火錠２２へ点火キー１が差込まれる場合に
のみ行われるので、制御兼論理装置２は、点火キー１が
点火錠２２へ差込まれていることを、このような通信過
程の存在から、存在する外部エネルギーの検知の代りに
又はこれに加えて、検知することができる。

【００２１】制御兼論理装置２が外部エネルギー受領装
置６の出力端における外部エネルギーの存在又は短到達
距離のキー・点火錠間通信チヤネルを介するデータ通信
の存在を検知すると、それに基いて、前述したように、
点火キー１が点火錠２２に差込まれているか又はその中
で特定の回転位置にあることを検知し、それから誤操作
防止のため、操作電鍵４の押圧によりデータの出力を要
求されても、記憶部分９に記憶されているアクセス権限
符号を含みかつアクセス防止装置及び遠隔操作で始動可
能な別の特別機能の始動に役立つ始動信号を、長い到達
距離のキー・車両間通信チヤネルへ出力するのを阻止す
る。特に僅かな費用でこれを行うことができるようにす
るため、例えば点火錠２２へ点火キー１の差込まれてい
ることを制御兼論理装置２が検知すると、この制御兼論
理装置２が操作電鍵４の信号を無視する。それによつ
て、点火錠２２に差込まれている点火キー１の操作電鍵
４の誤つた操作により対応する車両側機能例えば中央鎖
錠機能又は警報機能及び場合によつては別の特別機能が
望ましくないように始動されるのを、確実にかつ僅かな
費用で防止することができる。同時にこれらの機能は、
１つの点火キー１が点火錠２２へ差込まれても、車両に
対して権限を付与する別の点火キーの操作電鍵の操作に
より、所望のように引続き有効に始動させることができ
る。これに反し乗り逃げ防止機能の始動のため短い到達
距離の赤外線データ伝送区間１３を介する利用権限デー
タの伝送に関して、点火キー１が点火錠２２に差込まれ
ると、キー側通信部分２，７が動作可能になり、点火キ
ー１が点火錠２２へ差込まれていない限り、これに関し
て動作不能に保たれる。

【００２２】もちろん本発明は、上述した例のほかに、
図示した例に対して変更された別のキー・車両間通信チ
ヤネルも含み、これらのキー・車両間通信チヤネルの特
徴について共通なことは、点火キーにある１つ又は複数
の操作部材の誤操作防止手段、従つて１つ又は複数の対
応する車両側機能の予期しない始動の防止手段がキー側
に設けられて、点火錠へ点火キーの差込まれている場合
関係する始動データの伝送を目的に合わせてキー側で阻
止するが、他の点火キーと通信するための通信チヤネル
の車両側部分が機能を果せる状態にあることである。

【図面の簡単な説明】

【図１】キー側で誤操作を防止される無線キー・車両間
通信チヤネルを持つ点火キー・車両間通信装置のブロツ
クダイヤグラムである。

【符号の説明】

１ 点火キー ２，７ 誤操作防止手段 ２，７，１２，２１，２６，３０ キー・車両間通信チ
ヤネル ４ 操作部材（操作電
鍵） ２２ 点火錠 ３０ 機能装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ホルスト・ブリンクマイエル ドイツ連邦共和国ヴアイプリンゲン・ドル フヴエーク14

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両側点火錠（２２）へ差込み可能な少
   なくとも１つの電子キー（１）と、キー側に設けられる
   操作部材（４）の操作によつて少なくとも１つの車両側
   機能装置（３０）を始動するための無線キー・車両間通
   信チヤネル（２，７，１２，２１，２６，３０）と、キ
   ーが点火錠へ差込まれているか否か又はキーが点火錠内
   の特定の位置にあるか否かを検知しかつキーが点火錠へ
   差込まれているか又はキーが点火錠内の特定の位置にあ
   る場合このキーと始動すべき機能装置（３０）との間の
   通信を阻止状態に保つ誤操作防止手段（２，７）とを有
   するものにおいて、誤操作防止手段（２，７）がキー側
   に設けられて、点火錠（２２）にあるキー（１）と始動
   すべき機能装置（３０）との間の通信を阻止するため、
   このキーにある通信チヤネルの通信部分（２，７）を、
   機能装置（３０）の始動に役立つデータの伝送に関して
   阻止状態に保つことを特徴とする、誤操作を防止される
   点火キー・車両間通信装置。
2. 【請求項２】 誤操作防止手段がキー側制御装置（２）
   を含み、この制御装置（２）が、キー側外部エネルギー
   受領装置（６）の出力端における受信外部エネルギーの
   存在を検知し、外部エネルギーの存在を検知するとキー
   ・車両間通信チヤネル（２，７，１２，２１，２６，３
   ０）のキー側部分（２，７）を、機能装置（３０）の始
   動に役立つデータの伝送に関して阻止状態に保ち、キー
   （１）が点火錠（２２）に差込まれているか又は点火錠
   内の特定の位置にある時、外部エネルギーが車両側エネ
   ルギー送出装置（２３）からエネルギー伝送区間（１
   １）を介して外部エネルギー受領装置（６）へ伝送され
   ることを特徴とする、請求項１に記載の点火キー・車両
   間通信装置。
3. 【請求項３】 誤操作防止手段がキー側制御装置（２）
   を含み、キー側制御装置（２）が無線キー・点火錠間通
   信チヤネル（２，７，１３，２４，３２）におけるデー
   タ伝送を検知する時常に、キー側制御装置（２）が、無
   線キー・車両間通信チヤネル（２，７，１２，２１，２
   ６，３０）のキー側部分（２，７）を、機能装置（３
   ０）の始動に役立つデータの伝送に関して阻止状態に保
   ち、キー（ｉ）が点火錠（２２）へ差込まれか又は点火
   錠内の特定の位置にある時、このキー・点火錠間通信チ
   ヤネルにおけるデータ通信が動作可能になることを特徴
   とする、請求項１又は２に記載の点火キー・車両間通信
   装置。