JPH09299999A - 汚泥の脱水方法 - Google Patents
汚泥の脱水方法Info
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Abstract
機械脱水により含水率が低い良好なケーキが得られ、安
定して処理を行うことができる汚泥の脱水方法を提供す
る。 【解決手段】有機性排水の活性汚泥処理において生成し
た余剰汚泥に無機凝集剤を添加し、さらに、ビニルアミ
ン塩単位20〜90モル%、N−ビニルホルムアミド単
位5〜75モル%及びアクリル酸又はその塩の単位2〜
40モル%を有する両性高分子凝集剤を添加して脱水す
ることを特徴とする汚泥の脱水方法。
Description
関する。さらに詳しくは、本発明は、フロックの凝集性
及び凝集汚泥のろ過性に優れ、機械脱水した後、含水率
の低い脱水ケーキを得ることができる汚泥の脱水方法に
関する。
量のカチオン性ポリマーや両性ポリマーが広く用いられ
ている。このような高分子量のカチオン性ポリマーとし
ては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
トの3級塩、4級アンモニウム塩のホモポリマー、アク
リルアミドとのコポリマーなどが挙げられる。また、高
分子量の両性ポリマーとしては、例えば、ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレートの3級塩、4級アンモニウ
ム塩とアクリル酸のコポリマーなどが挙げられる。しか
しながら、近年、下水道の整備などにより、汚泥発生量
が増加し、汚泥中の有機物量の増加、腐敗などの汚泥性
状の悪化が進んでいる。そのために、従来より使用され
ているカチオン性ポリマーには以下のような問題があ
り、処理方法の改善が求められている。すなわち、(1)
凝集フロックは大きいが、強度が弱い。そのため、重力
ろ過性が悪く汚泥の処理量が上がらず、汚泥のSSが分
離液にリークし、ろ布からのケーキの剥離性が悪く、脱
水機の運転トラブルを起こしやすい。(2)ケーキ含水率
が下がらない。そのため、ケーキの埋め立て処分の場合
には、ケーキの運搬費用が嵩み、焼却の場合には、焼却
炉のトラブルを起こしやすく、焼却のための燃料費が嵩
む。(3)汚泥の脱水処理が安定しない。これらの問題を
解決するため、特開平6−65329号公報には、両性
高分子凝集剤として、ビニルアミン、N−ビニルホルム
アミド、アクリル酸エステル及びアクリル酸単位を有す
るコポリマーが提案されているが、このような両性高分
子凝集剤を単独で脱水処理に使用しても、満足すべき凝
集汚泥の脱水性とケーキの含水率は得られていない。
好な大きい凝集フロックを形成し、機械脱水により含水
率が低い良好なケーキが得られ、安定して処理を行うこ
とができる汚泥の脱水方法を提供することを目的として
なされたものである。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、汚泥に対して無
機凝集剤を添加したのちに、ビニルアミン塩単位、N−
ビニルホルムアミド単位及びアクリル酸単位を有するコ
ポリマーからなる特定構造の両性高分子凝集剤を添加す
ることにより、ろ過性の良好なフロックが形成され、含
水率の低いケーキが得られることを見いだし、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、(1)有機性排水の活性汚泥処理において生成し
た余剰汚泥に無機凝集剤を添加し、さらに一般式[1]
で表される構成単位を有する両性高分子凝集剤を添加し
て脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法、
ル基であり、Mは水素、ナトリウム又はカリウムであ
り、Xは酸残基であり、x、y及びzは各構成単位のモ
ル%を表し、x=20〜90モル%、y=5〜75モル
%、z=2〜40モル%である。)、及び、(2)無機
凝集剤として、活性汚泥処理の処理水を無機凝集剤で凝
集処理した際に生成する無機凝集剤を含む凝集汚泥を添
加する第(1)項記載の汚泥の脱水方法、を提供するもの
である。さらに、本発明の好ましい態様として、(3)
一般式[1]で表される両性高分子凝集剤の、1N塩化
ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定した固有粘
度が、1dl/g以上である第(1)項又は第(2)項記載の
汚泥の脱水方法、を挙げることができる。
汚泥処理において生成する余剰汚泥に適用することがで
きる。有機性排水としては、例えば、下水、し尿、一般
産業排水などであり、これらの排水の活性汚泥処理によ
り発生する余剰汚泥は、通常2重量%前後のSSを含有
している。本発明方法においては、余剰汚泥に無機凝集
剤を添加する。使用する無機凝集剤には特に制限はな
く、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化
第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄などを挙げることがで
きる。添加する無機凝集剤の種類及び添加量は、処理す
べき余剰汚泥の種類や性状に応じて適宜選定することが
できる。本発明方法において、余剰汚泥に無機凝集剤を
添加する方法には特に制限はなく、例えば、活性汚泥処
理において生成した余剰汚泥に直接無機凝集剤を添加す
ることができ、あるいは、活性汚泥処理の処理水にさら
に高次凝集処理するために無機凝集剤を添加し、その際
生成する無機凝集剤を含む凝集汚泥を返送して活性汚泥
処理の余剰汚泥と混合することにより、余剰汚泥に無機
凝集剤を添加することができる。本発明方法において
は、無機凝集剤を添加した余剰汚泥に、さらに一般式
[1]で表される、ビニルアミン塩単位、N−ビニルホ
ルムアミド単位及びアクリル酸単位を有する両性高分子
凝集剤を添加する。
はメチル基であり、Mは水素、ナトリウム又はカリウム
であり、Xは酸残基であり、x、y及びzは各構成単位
のモル%を表し、x=20〜90モル%、y=5〜75
モル%、z=2〜40モル%である。一般式[1]は、
各構成単位が、x、y及びzの比率で存在することを表
すものであり、各構成単位がブロック状に結合している
ことを意味するものではない。
満であると、凝集処理において形成されるフロック径が
小さく、凝集汚泥のろ過性が不良で、ろ液中へSSがリ
ークするおそれがある。xが90モル%を超えると、一
般式[1]で表される両性高分子凝集剤の両性ポリマー
としての性質が現れず、本発明の目的が達せられないお
それがある。一般式[1]において、yが5モル%未満
であっても、yが75モル%を超えても、凝集処理にお
いて形成されるフロック径が小さく、凝集汚泥のろ過性
が不良で、ろ液中へSSがリークするおそれがある。一
般式[1]において、zが2モル%未満であると、凝集
汚泥のろ過性が不良で、脱水ケーキの含水率が高くなる
おそれがある。zが40モル%を超えると、凝集処理に
おいて形成されるフロック径が小さく、凝集汚泥のろ過
性が悪く、脱水ケーキの含水率が高くなるおそれがあ
る。本発明方法において使用する一般式[1]で表され
る両性高分子凝集剤の合成方法には特に制限はなく、公
知の方法により製造することができる。例えば、N−ビ
ニルカルボン酸アミド又はN−イソプロペニルカルボン
酸アミドと(メタ)アクリル酸又はその塩を共重合し、得
られるコポリマーのN−ビニルカルボン酸アミド単位又
はN−イソプロペニルカルボン酸アミド単位の一部を加
水分解してビニルアミン塩単位又はイソプロペニルアミ
ン塩単位とすることにより製造することができる。N−
ビニルカルボン酸アミドとしては、N−ビニルホルムア
ミド及びN−ビニルアセトアミドを挙げることができ、
N−イソプロペニルカルボン酸アミドとしては、N−イ
ソプロペニルホルムアミド及びN−イソプロペニルアセ
トアミドを挙げることができる。また、(メタ)アクリル
酸及びその塩としては、アクリル酸、メタクリル酸、そ
れらのナトリウム塩及びカリウム塩を挙げることができ
る。
れる両性高分子凝集剤は、x=20〜90モル%、y=
5〜75モル%、z=2〜40モル%の範囲にある限
り、他の共重合可能なモノマー単位を有することができ
る。他の共重合可能なモノマーとしては、適当なモノマ
ー反応性比を有するものであれば制限なく使用すること
ができ、例えば、(メタ)アクリルアミド、スチレン、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
酢酸ビニル、N−ビニルピロリドンなどのノニオン性モ
ノマー、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸などの
スルホン基を有するモノマー又はそのアルカリ金属塩な
どのアニオン性モノマー、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミドなどの3級塩若しくは4級アンモニウム塩などの
カチオン性モノマーなどを挙げることができる。一般式
[1]で表される両性高分子凝集剤の原料となるコポリ
マーの重合方法には特に制限はなく、使用するモノマー
及び生成するコポリマーの溶解性などに応じて、溶液重
合、懸濁重合、乳化重合などを選ぶことができる。多く
の場合、使用する原料モノマーも生成するコポリマーも
水溶性であるので、水溶液重合を好適に使用することが
できる。原料モノマーを水に溶解し、不活性ガスをバブ
リングし、所定温度まで昇温したのち水溶性重合開始剤
を添加することによって重合し、コポリマーを得ること
ができる。水溶液重合により得られたコポリマーは、そ
のまま又は単離したのち、加水分解に供することができ
る。また、使用するモノマーの水への溶解度が小さいと
きは、懸濁重合、乳化重合などを用いることができる。
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ
ウム、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸
塩など、一般的な開始剤を用いることができるが、アゾ
系化合物が特に好ましい。
リの存在下に加熱することにより、コポリマー中の酸ア
ミド単位を加水分解してアミン塩単位とし、一般式
[1]で表される両性高分子凝集剤を得ることができ
る。コポリマーの構造と目的の加水分解率に応じて、反
応条件を選択することが可能である。通常は上記のコポ
リマーを5〜80重量%の水溶液又は水分散液とし、加
水分解すべき酸アミド単位に対し1〜5当量倍の酸又は
アルカリを加え、40〜100℃に加熱することにより
加水分解を行うことができる。加水分解に使用する酸に
は特に制限はなく、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、
酢酸などを挙げることができる。これらの酸の残基は、
加水分解後にX-として対イオンとなる。加水分解に使
用するアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなどを挙げることができる。本発明方法
に使用する両性高分子凝集剤は、高分子量であることが
好ましく、分子量の指標となる1N塩化ナトリウム水溶
液を溶媒として30℃で測定した固有粘度が1dl/g以
上であることが好ましく、3dl/g以上であることがさ
らに好ましい。本発明方法において、両性高分子凝集剤
は、加水分解反応を終了した水溶液のまま又は濃縮若し
くは希釈した水溶液として使用することができ、油中水
型エマルションとして使用することができ、あるいは、
加水分解後の水溶液をアセトンなどの有機溶媒と混合
し、両性高分子凝集剤を沈殿せしめた後、分離、乾燥し
て粉末化して使用することができる。両性高分子凝集剤
を水溶液として使用する場合は、劣化を防止するために
酸性物質、例えば、塩酸、酢酸、スルファミン酸などを
添加することが好ましい。
される両性高分子凝集剤に、他のカチオン性ポリマー、
アニオン性ポリマー、両性ポリマーなどを加えて併用す
ることができ、これらを溶解の際にブレンドし、あるい
は各々を別々に汚泥に添加して脱水に用いることができ
る。本発明方法において、無機凝集剤及び一般式[1]
で表される両性高分子凝集剤の添加方法には特に制限は
なく、通常の汚泥脱水操作を適用することができる。無
機凝集剤及び一般式[1]で表される両性高分子凝集剤
は、いずれも短時間で余剰汚泥に急速に混合することが
望ましいので、あらかじめ水溶液として添加することが
好ましい。また、一般式[1]で表される両性高分子凝
集剤は通常は高分子量であるため、0.1〜1重量%の
水溶液として添加することが好ましい。本発明方法にお
いては、余剰汚泥に無機凝集剤を添加して混合したの
ち、続いて一般式[1]で表される両性高分子凝集剤を
添加して混合し、撹拌することにより強固で大きいフロ
ックを形成せしめることができる。本発明方法におい
て、活性汚泥処理の処理水に無機凝集剤を添加して高次
処理を行う場合には、その際に発生する無機凝集剤を含
む凝集汚泥を返送して余剰汚泥に添加することにより、
凝集汚泥中の無機凝集剤を利用することができ、余剰汚
泥にあたらしく無機凝集剤を添加することが不要とな
る。本発明方法において、凝集処理された余剰汚泥の脱
水に用いる脱水機には特に制限はなく、通常の汚泥処理
に使用される機器を使用することができる。このような
脱水機としては、例えば、ベルトプレス脱水機、遠心脱
水機、フィルタープレス脱水機、スクリュープレス脱水
機、真空脱水機などを挙げることができる。本発明方法
によれば、固い凝集フロックが得られ、処理された汚泥
のろ過性が良好なため固液分離が容易であり、ろ液が清
澄で含水率の低い脱水ケーキが得られ、汚泥種及び汚泥
性状の変化に対して安定した処理効果が得られる。ま
た、ろ布からのケーキの剥離性が良好で、そのため圧搾
圧力を高めることが可能であり、その結果ケーキの含水
率を一層低下し、汚泥の処理量を上げることができる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 製造例1(両性高分子凝集剤A) 撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入管をつけた5
00mlフラスコに、N−ビニルホルムアミド63.9g
(0.9モル)、アクリル酸ナトリウム9.4g(0.1
モル)及び水310gを入れ、雰囲気を窒素で置換し
た。撹拌しつつ60℃に昇温し、2,2'−アゾビス(2
−アミジノプロパン)二塩酸塩の10重量%水溶液1.0
gを添加し、60℃を保ったまま5時間重合を続けた。
その後、濃塩酸58.9g(塩化水素として0.6モル)
を加え、加熱して還流しつつ4時間反応し、ポリマー中
のビニルホルムアミド単位の0.6モル相当分を加水分
解してビニルアミンの塩酸塩単位とした。得られたポリ
マー溶液を両性高分子凝集剤Aとして、以下の実施例に
使用する。得られたポリマー溶液の一部をアセトン中に
添加し、析出したポリマーを真空乾燥した。この両性ポ
リマーの、1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒として30
℃で測定した固有粘度は、3.5dl/gであった。製造
例1と同様にして、高分子凝集剤B〜Pを合成した。実
施例及び比較例において使用した高分子凝集剤の特性
を、まとめて第1表に示す。また、実施例及び比較例に
おいて使用した汚泥の性状を、まとめて第2表に示す。
分/SS16.3重量%、pH4.9、電導度1.7mS/c
mである下水・混合生汚泥(1)200mlを300ml容のポ
リビーカーにとり、38重量%塩化第二鉄水溶液0.2m
lを添加し、タービン羽根付き撹拌機を用いて、500r
pmで20秒間撹拌した。混合物のpHは、5.0であっ
た。次に、この汚泥に0.2重量%濃度に調製した両性
高分子凝集剤Aの水溶液7.9mlを添加し、同じ撹拌機
を用いて、250rpmで30秒間撹拌した。フロック径
を測定したところ、3.5mmであった。ナイロンろ布を
敷いたヌッチェロートに内径50mmの塩化ビニル樹脂製
の円筒を置き、その中へ凝集汚泥を注ぎ込み、メスシリ
ンダーで10秒後のろ液量を測定したところ80mlであ
った。ろ布上の凝集汚泥をベルトプレス脱水機用ポリエ
ステルろ布に一定量とり、1.0kg/cm2で60秒圧搾を
行い、ケーキをへらでかき取り、含水率を測定したとこ
ろ73.9重量%であった。なお、塩化第二鉄を添加す
ることなく両性高分子凝集剤Aのみを用いて凝集したと
ころ、フロック径は0.5mmと小さく、10秒後のろ液
量は25mlであった。また、ろ布上の凝集汚泥の圧搾脱
水試験はできなかった。 比較例1 両性高分子凝集剤Aの代わりに両性高分子凝集剤Hを用
いた以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。フロッ
ク径は0.5mmであり、10秒後のろ液量は、30mlで
あった。また、ろ布上の凝集汚泥は、ベルトプレス脱水
機用ポリエステルろ布に移すことができなかった。 比較例2 下水・混合生汚泥(1)200mlを300ml容のポリビー
カーにとり、塩化第二鉄水溶液を添加することなく、
0.2重量%濃度に調製した高分子凝集剤Iの水溶液7.
9mlを添加し、タービン羽根付き撹拌機を用いて、25
0rpmで30秒間撹拌した。フロック径を測定したとこ
ろ、2.0mmであった。ナイロンろ布を敷いたヌッチェ
ロートに内径50mmの塩化ビニル樹脂製の円筒を置き、
その中へ凝集汚泥を注ぎ込み、メスシリンダーで10秒
後のろ液量を測定したところ58mlであった。ろ布上の
凝集汚泥をベルトプレス脱水機用ポリエステルろ布に一
定量とり、1.0kg/cm2で60秒圧搾を行い、ケーキを
へらでかき取り、含水率を測定したところ76.3重量
%であった。 比較例3 高分子凝集剤Iの代わりに高分子凝集剤Jを用いた以外
は、比較例2と同じ操作を繰り返した。フロック径は
2.0mmであり、10秒後のろ液量は54mlであり、ケ
ーキの含水率は77.5重量%であった。 比較例4 両性高分子凝集剤Hの代わりに高分子凝集剤Kを用いた
以外は、比較例1と同じ操作を繰り返した。フロック径
は3.5mmであり、10秒後のろ液量は72mlであり、
ケーキの含水率は75.2重量%であった。実施例1及
び比較例1〜4の結果を、まとめて第3表に示す。
両性高分子凝集剤Aを用いて下水・混合生汚泥を処理し
た実施例1では、フロック径が大きく、凝集汚泥のろ過
性が良好で、ケーキの含水率が低い。これに対して、ア
クリル酸ナトリウム単位が50モル%である両性高分子
凝集剤Hを用いた比較例1ではフロック径が小さく、凝
集汚泥のろ過速度が極めて小さい。また、従来の両性高
分子凝集剤であるジメチルアミノエチルメタクリレート
の四級化物/アクリルアミド/アクリル酸のコポリマー
Kを用いた比較例4では、フロック径は実施例1と同じ
であったものの、凝集汚泥のろ過性がやや悪く、ケーキ
の含水率もやや高い。塩化第二鉄水溶液を添加すること
なく、アクリル酸ナトリウム単位を有しない高分子凝集
剤Iを用いた比較例2、及び、同様に塩化第二鉄水溶液
を添加することなく、カチオン性高分子凝集剤Jを用い
た比較例3では、フロック径が小さく、凝集汚泥のろ過
性が悪く、ケーキの含水率も高い。 実施例2 SS1.71重量%、VSS/SS66.4重量%、繊維
分/SS11.6重量%、pH5.5、電導度2.1mS/c
mである下水・混合生汚泥(2)200mlを300ml容のポ
リビーカーにとり、38重量%塩化第二鉄水溶液0.4m
lを添加し、タービン羽根付き撹拌機を用いて、500r
pmで20秒間撹拌した。混合物のpHは、4.7であっ
た。次に、この汚泥に0.2重量%濃度に調製した両性
高分子凝集剤Bの水溶液17.1mlを添加し、同じ撹拌
機を用いて、250rpmで30秒間撹拌した。フロック
径を測定したところ、10mmであった。ナイロンろ布を
敷いたヌッチェロートに内径50mmの塩化ビニル樹脂製
の円筒を置き、その中へ凝集汚泥を注ぎ込み、メスシリ
ンダーで10秒後のろ液量を測定したところ156mlで
あった。ろ布上の凝集汚泥をベルトプレス脱水機用ポリ
エステルろ布に一定量とり、1.0kg/cm2で60秒圧搾
を行い、ケーキをへらでかき取り、含水率を測定したと
ころ70.0重量%であった。 比較例5〜8 高分子凝集剤H、I、J及びKを用い、第4表に示す条
件で下水・混合生汚泥(2)の処理を行った。得られた結
果を第4表に示す。
両性高分子凝集剤Bを用いて下水・混合生汚泥を処理し
た実施例2では、フロック径が大きく、凝集汚泥のろ過
性が良好で、ケーキの含水率が低い。これに対して、ア
クリル酸ナトリウム単位が50モル%である両性高分子
凝集剤Hを用いた比較例5ではフロック径が小さく、凝
集汚泥のろ過性が悪く、ケーキの含水率が高い。従来の
両性高分子凝集剤であるジメチルアミノエチルメタクリ
レートの四級化物/アクリルアミド/アクリル酸のコポ
リマーKを用いた比較例8では、フロック径は実施例2
より大きいものの、凝集汚泥のろ過性が悪く、ケーキの
含水率もやや高い。塩化第二鉄水溶液を添加することな
く、アクリル酸ナトリウム単位を有しない高分子凝集剤
Iを用いた比較例6、及び、同様に塩化第二鉄水溶液を
添加することなく、カチオン性高分子凝集剤Jを用いた
比較例7では、フロック径が小さく、凝集汚泥のろ過性
が悪く、ケーキの含水率も高い。 実施例3 SS2.10重量%、VSS/SS75.5重量%、繊維
分/SS2.6重量%、pH6.7、電導度1.4mS/cm
であるし尿・3次混合汚泥(3)200mlを300ml容の
ポリビーカーにとり、38重量%塩化第二鉄水溶液0.
2mlを添加し、タービン羽根付き撹拌機を用いて、50
0rpmで20秒間撹拌した。混合物のpHは、5.0であっ
た。次に、この汚泥に0.2重量%濃度に調製した両性
高分子凝集剤Cの水溶液23.1mlを添加し、同じ撹拌
機を用いて、250rpmで30秒間撹拌した。フロック
径を測定したところ、4.0mmであった。ナイロンろ布
を敷いたヌッチェロートに内径50mmの塩化ビニル樹脂
製の円筒を置き、その中へ凝集汚泥を注ぎ込み、メスシ
リンダーで10秒後のろ液量を測定したところ108ml
であった。ろ布上の凝集汚泥をベルトプレス脱水機用ポ
リエステルろ布に一定量とり、1.0kg/cm2で60秒圧
搾を行い、ケーキをへらでかき取り、含水率を測定した
ところ77.2重量%であった。 比較例9〜12 高分子凝集剤H、I、J及びKを用い、第5表に示す条
件でし尿・3次混合汚泥(1)の処理を行った。得られた
結果を第5表に示す。
両性高分子凝集剤Cを用いてし尿・3次混合汚泥を処理
した実施例3では、フロック径が大きく、凝集汚泥のろ
過性が良好で、ケーキの含水率が低い。これに対して、
アクリル酸ナトリウム単位が50モル%である両性高分
子凝集剤Hを用いた比較例9ではフロック径が小さく、
凝集汚泥のろ過性が悪く、ケーキの含水率がやや高い。
従来の両性高分子凝集剤であるジメチルアミノエチルメ
タクリレートの四級化物/アクリルアミド/アクリル酸
のコポリマーKを用いた比較例12では、フロック径は
実施例3より大きいものの、凝集汚泥のろ過性が悪く、
ケーキの含水率もやや高い。塩化第二鉄水溶液を添加す
ることなく、アクリル酸ナトリウム単位を有しない高分
子凝集剤Iを用いた比較例10、及び、同様に塩化第二
鉄水溶液を添加することなく、カチオン性高分子凝集剤
Jを用いた比較例11では、フロック径は実施例3と同
程度の大きさであるが、凝集汚泥のろ過性がやや悪く、
ケーキの含水率が高い。 実施例4 SS1.80重量%、VSS/SS77.4重量%、繊維
分/SS0.9重量%、pH6.6、電導度2.4mS/cm
であるし尿・3次混合汚泥(4)200mlを300ml容の
ポリビーカーにとり、0.2重量%濃度に調製した両性
高分子凝集剤Dの水溶液25.2mlを添加し、タービン
羽根付き撹拌機を用いて、250rpmで30秒間撹拌し
た。フロック径を測定したところ、6mmであった。ナイ
ロンろ布を敷いたヌッチェロートに内径50mmの塩化ビ
ニル樹脂製の円筒を置き、その中へ凝集汚泥を注ぎ込
み、メスシリンダーで10秒後のろ液量を測定したとこ
ろ128mlであった。また、このろ液は、完全に清澄で
あった。ろ布上の凝集汚泥をベルトプレス脱水機用ポリ
エステルろ布に一定量とり、0.5kg/cm2で60秒圧搾
を行い、ケーキをへらでかき取り、含水率を測定したと
ころ80.4重量%であった。 実施例5〜7 両性高分子凝集剤E、F及びGを用い、実施例4と同様
にして、し尿・3次混合汚泥(2)の処理を行った。処理
条件及び得られた結果を第6表に示す。 比較例13〜17 高分子凝集剤L、M、N、O及びPを用い、実施例4と
同様にして、し尿・3次混合汚泥(2)の処理を行った。
処理条件及び得られた結果を第6表に示す。
E、F又はGを用いてし尿・3次混合汚泥を処理した実
施例4〜7では、凝集汚泥のろ過性が良好で、ろ液はす
べて完全に清澄であり、ケーキの含水率が低い。これに
対して、N−ビニルホルムアミド単位が80モル%であ
る両性高分子凝集剤Lを用いた比較例13及びアクリル
酸ナトリウム単位が1モル%である両性高分子凝集剤M
を用いた比較例14は、いずれもフロック径がやや小さ
く、凝集汚泥のろ過性が悪く、ろ液がかすかに濁ってい
て、ケーキの含水率がやや高い。従来のカチオン性高分
子凝集剤であるジメチルアミノエチルメタクリレートの
四級化物ポリマーNを用いた比較例15、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレートの四級化物/アクリルアミドの
コポリマーO又はPを用いた比較例16及び比較例17
では、凝集汚泥のろ過性が悪く、ケーキの含水率が高
い。
成し、含水率の低い脱水ケーキが得られる。また、ろ布
からのケーキの剥離性が良く、圧搾圧力を高くすること
ができ、その結果、よりケーキの含水率が下がるので、
汚泥の処理量が向上する。
Claims (2)
- 【請求項1】有機性排水の活性汚泥処理において生成し
た余剰汚泥に無機凝集剤を添加し、さらに一般式[1]
で表される構成単位を有する両性高分子凝集剤を添加し
て脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。 【化1】 (ただし、式中、R1、R2、R3及びR4は水素又はメチ
ル基であり、Mは水素、ナトリウム又はカリウムであ
り、Xは酸残基であり、x、y及びzは各構成単位のモ
ル%を表し、x=20〜90モル%、y=5〜75モル
%、z=2〜40モル%である。) - 【請求項2】無機凝集剤として、活性汚泥処理の処理水
を無機凝集剤で凝集処理した際に生成する無機凝集剤を
含む凝集汚泥を添加する請求項1記載の汚泥の脱水方
法。
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---|---|---|---|
JP14826896A JP3722245B2 (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | 汚泥の脱水方法 |
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JP14826896A JP3722245B2 (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | 汚泥の脱水方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019107593A (ja) * | 2017-12-15 | 2019-07-04 | 水ing株式会社 | 脱臭処理システム及び有機物処理方法 |
-
1996
- 1996-05-17 JP JP14826896A patent/JP3722245B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019107593A (ja) * | 2017-12-15 | 2019-07-04 | 水ing株式会社 | 脱臭処理システム及び有機物処理方法 |
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