JPH09297035A

JPH09297035A - 交差点案内装置

Info

Publication number: JPH09297035A
Application number: JP11172696A
Authority: JP
Inventors: Shoichi Tanada; 昌一棚田
Original assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date: 1996-05-02
Filing date: 1996-05-02
Publication date: 1997-11-18

Abstract

(57)【要約】【課題】ドライバの案内対象交差点に対する熟知度に応
じて、ドライバに当該交差点の案内をより分かりやすく
行う交差点案内装置を提供すること。【解決手段】案内対象交差点を進入リンクに対応させて
交差点名称または各交差点に接続している道路名称、お
よび各交差点にある施設の名称をディスクＤに記憶させ
る。従前に車両が走行した軌跡に相当するリンクを不揮
発性メモリ６６に記憶させる。車両が案内対象交差点に
近づくと、当該交差点に対応する進入リンクが走行軌跡
データに含まれるか否かを判別し、含まれる場合は、交
差点の固有名称または接続している道路の固有名称に基
づいて交差点の案内情報を報知する。また、進入リンク
が走行軌跡データに含まれない場合には、交差点にある
施設の普通名称または施設を表すランドマークに基づい
て交差点の案内情報を報知する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載されて
用いられるナビゲーション装置であって、交差点の進路
案内を行うことのできる交差点案内装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、不案内な土地での車両による走行を支援するため
に、車載ナビゲーション装置が用いられている。車載ナ
ビゲーション装置は、たとえば、方位センサ、距離セン
サ、ＧＰＳ受信機、道路地図メモリおよびコンピュータ
等を有しており、方位センサから入力される方位デー
タ、距離センサから入力される走行距離データおよびＧ
ＰＳ受信機から入力される位置データに基づいて車両位
置を検出する機能を持っている。このようなナビゲーシ
ョン装置には、搭乗者による目的地の設定入力に応じて
車両の現在位置から目的地までの経路をコンピュータに
より自動的に計算する経路計算機能が備えられる場合が
ある。この機能を用いれば、目的地までの道を知らなく
ても、計算された経路に沿って走行していけば、確実に
目的地に到達することができる。

【０００３】ところで、上記のような推奨経路を計算す
る装置は、推奨経路上の主要交差点に車両が接近する
と、交差点における車両の進路を案内することができ、
たとえば特開平６−５２４９２号公報にその技術が開示
されている。上記公報に開示されている技術は、たとえ
ば、交差点を模した図の上に車両の進路を矢印で示して
表示装置に表示したり、「次の交差点を左折です」ある
いは「この先３００ｍ、交差点を左折です」等といった
音声を出力したりして、交差点における車両の進路の案
内を行う。

【０００４】しかしながら、ドライバや同乗者（以下、
総称して「ドライバ」と略す。）の搭乗した車両がその
交差点を通過するのがはじめてであって、ドライバはそ
の交差点または交差点の様子をよく知らない場合があ
る。そのような場合に、「この先３００ｍ、交差点を左
折です」といった音声で車両の現在位置から案内の対象
となる交差点までの距離を報知されても、車両が特に速
度を出して走行していると、車両の現在位置から当該交
差点までの距離を正確につかみきれないことが多く、当
該交差点を即座に特定することが困難なときがある。

【０００５】この場合、ドライバは、案内の対象となる
交差点をドライバ自身の距離感を元に特定したり、表示
装置に表示された道路地図上の自車位置と交差点との位
置関係を、何度も確かめたりして当該交差点を特定して
いるのが現状である。そのため、案内の対象となる交差
点に車両が近づいた場合に、「次の○○という酒屋のあ
る十字路Ｆを左に曲がって下さい。」といった音声を報
知して、当該交差点における具体的な目標物名を含めた
内容の音声によって当該交差点における車両の進路の案
内を行う技術（特開昭６３−２５９４１２号公報参照）
が提案されている。

【０００６】また、交差点にある施設を表す図形、記号
等、いわゆるランドマークによって、案内の対象となる
交差点を案内する際に、道路地図上に案内対象交差点と
共に表示する技術も提案されている。上記のような案内
対象交差点の表示によって、ドライバはその交差点が不
案内であっても容易にその交差点を特定することができ
る。

【０００７】一方、ドライバの搭乗した車両が以前にそ
の案内対象交差点を通過したことがあって、ドライバは
その交差点またはその交差点の固有名称を記憶していた
り、よく知っていたりする場合がある。そのような場合
に、上述した目標物名やランドマーク等による報知より
も単に固有名称である交差点名等を報知する方が、ドラ
イバは容易にその交差点を特定できる場合もある。

【０００８】本発明は、ドライバの案内対象交差点に対
する熟知度に応じて、案内対象交差点の案内をドライバ
にとってより分かりやすく行うことのできる交差点案内
装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

(1) 前記の目的を達成するための請求項１記載の交差点
案内装置は、道路地図データを記憶する道路地図記憶手
段と、予め設定された経路に沿って車両が走行する際
に、前記経路上の交差点を案内するための案内情報を記
憶する案内情報記憶手段と、車両が案内対象交差点に近
づいたときに前記案内情報記憶手段によって記憶された
案内情報を報知する報知手段とを備えた交差点案内装置
であって、各交差点の固有名称または各交差点に接続し
ている道路の固有名称、および各交差点にある施設の名
称を記憶する名称記憶手段と、前記施設に対応し、当該
施設を表すマークを記憶するマーク記憶手段と、従前に
車両が通過した交差点を記憶する通過交差点記憶手段
と、案内対象交差点が前記通過交差点記憶手段によって
記憶された通過交差点であるか否かを判別する判別手段
とを含み、前記報知手段は、前記判別手段による判別の
結果、案内対象交差点が前記通過交差点である場合に
は、前記名称記憶手段によって記憶された、当該交差点
の固有名称、および当該交差点に接続している道路の固
有名称のうちの少なくともいずれか一方の固有名称に基
づいて案内対象交差点の案内情報を報知し、前記案内対
象交差点が前記通過交差点でない場合には、前記名称記
憶手段によって記憶された施設の名称、または前記マー
ク記憶手段によって記憶された施設のマークに基づいて
案内対象交差点の案内情報を報知するものであることを
特徴とするものである。

【００１０】前記の構成によれば、車両が案内対象交差
点に近づくと、その交差点が従前に車両が通過した交差
点であるか否かを判別する。判別の結果、当該交差点が
従前に車両が通過した交差点である場合は、当該交差点
の固有名称、および当該交差点に接続している道路の固
有名称のうちの少なくともいずれか一方の固有名称に基
づいて交差点の案内情報を報知する。また、当該交差点
が従前に車両が通過した交差点でない場合には、当該交
差点にある施設の普通名称等または当該施設のマークに
基づいて交差点の案内情報を報知する。

【００１１】案内対象交差点が従前に車両が通過した交
差点である場合には、ドライバは当該交差点または当該
交差点に接続している道路を記憶している、またはよく
知っている場合が多い。したがって、交差点の固有名称
または当該交差点に接続している道路の固有名称に基づ
いて交差点の案内情報を報知することにより、ドライバ
はドライバ自身の記憶に基づいて当該交差点を確実に特
定することができる。

【００１２】一方、案内対象交差点が初めて通過する見
知らぬ交差点である場合であれば、交差点にある施設の
普通名称等および当該施設のマークに基づいて案内情報
を報知することにより、ドライバは当該交差点を特定す
ることができる。なお、前記「施設」には、たとえば
「ビル」、「公園」、「歩道橋」等の施設や建造物の他
に「畑」、「空き地」等の土地を含むものとする。ま
た、前記「案内情報」には、音声による情報または表示
による情報を含むものとする。 (2) また、請求項２記載の交差点案内装置は請求項１記
載の交差点案内装置であって、前記通過交差点記憶手段
には、従前に車両が通過した交差点が車両の進入した方
向別に記憶されていることを特徴とするものである。

【００１３】前記の構成によれば、従前に車両が通過し
た交差点が車両の進入した方向別に記憶されている。ド
ライバのその交差点に対する記憶、たとえば交差点周辺
の施設の位置、道路幅、中央分離帯の有無等からドライ
バが受ける交差点の印象が車両の進入する方向によって
異なる場合があるからであり、ドライバの記憶に、より
適した案内を行うことができる。 (3) また、請求項３記載の交差点案内装置は請求項１ま
たは２記載の交差点案内装置であって、前記通過交差点
記憶手段は、従前に車両が通過し、かつ既に案内された
実績のある交差点を記憶していることを特徴とするもの
である。

【００１４】前記の構成によれば、車両が案内対象交差
点に近づくと、その交差点が従前に車両が通過し、かつ
既に案内された実績のある交差点であるか否かが判別さ
れる。案内対象交差点が既に案内された実績のある交差
点である場合、ドライバはその交差点を記憶している可
能性が高い。そのため、既に案内された実績のある交差
点の固有名称または当該交差点に接続している道路の固
有名称に基づいて交差点の案内情報を報知することによ
って、ドライバはドライバ自身の記憶に基づいて当該交
差点をより確実に特定することができる。

【００１５】(4) また、請求項４記載の交差点案内装置
は、道路地図データを記憶する道路地図記憶手段と、予
め設定された経路に沿って車両が走行する際に、前記経
路上の交差点を案内するための案内情報を記憶する案内
情報記憶手段と、車両が案内対象交差点に近づいたとき
に前記案内情報記憶手段によって記憶された案内情報を
報知する報知手段とを備えた交差点案内装置であって、
各交差点の固有名称または各交差点に接続している道路
の固有名称、および各交差点にある施設の名称を記憶す
る名称記憶手段と、前記施設に対応し、当該施設を表す
マークを記憶するマーク記憶手段と、従前に車両が通過
した交差点の通過回数を各交差点ごとに記憶する通過回
数記憶手段と、前記通過回数記憶手段によって記憶され
た、案内対象交差点における車両の通過回数が予め設定
された規定回数以上であるか否かを判別する判別手段と
を含み、前記報知手段は、前記判別手段による判別の結
果、前記通過回数記憶手段によって記憶された、案内対
象交差点における車両の通過回数が予め設定された規定
回数以上の場合には、前記名称記憶手段によって記憶さ
れた当該交差点の固有名称、および当該交差点に接続し
ている道路の固有名称のうちの少なくともいずれか一方
の固有名称に基づいて案内対象交差点の案内情報を報知
し、前記通過回数が予め設定された規定回数未満である
場合には、前記名称記憶手段によって記憶された施設の
名称、または前記マーク記憶手段によって記憶された施
設のマークに基づいて案内対象交差点の案内情報を報知
するものであることを特徴とするものである。

【００１６】前記の構成によれば、車両が案内対象交差
点に近づくと、その交差点を従前に車両が通過した回数
が予め設定された規定回数以上であるか否かを判別す
る。判別の結果、規定回数以上である場合は、交差点の
固有名称および当該交差点に接続している道路の固有名
称のうちの少なくともいずれか一方の固有名称に基づい
て当該交差点の案内情報を報知する。また、規定回数未
満である場合は、交差点にある施設の普通名称等または
施設のマークに基づいて当該交差点の案内情報を報知す
る。

【００１７】すなわち、案内対象交差点が何度も通過し
たことのある交差点であると、ドライバはその交差点ま
たは当該交差点に接続している道路を記憶している、ま
たはよく知っている場合が多い。したがって、交差点の
固有名称または当該交差点に接続している道路の固有名
称に基づいて交差点の案内情報を報知することにより、
ドライバはドライバ自身の記憶に基づいて当該交差点を
確実に特定することができる。

【００１８】一方、案内対象交差点が通過回数の比較的
少ない交差点である場合であれば、交差点にある施設の
普通名称等および施設のマークに基づいて案内情報を報
知することにより、ドライバは当該交差点を特定するこ
とができる。 (5) また、請求項５記載の交差点案内装置は請求項４記
載の交差点案内装置であって、前記通過回数記憶手段に
は、従前に車両が通過した交差点の通過回数が車両の進
入した方向別に記憶されていることを特徴とするもので
ある。

【００１９】前記の構成によれば、従前に車両が通過し
た交差点の通過回数が車両の進入した方向別に記憶され
ている。ドライバのその交差点に対する記憶が進入する
方向によって異なる場合があるからであり、ドライバの
記憶に、より適した案内を行うことができる。 (6) また、請求項６記載の交差点案内装置は請求項４ま
たは５記載の交差点案内装置であって、前記通過回数記
憶手段は、従前に車両が通過し、かつ既に案内された実
績のある交差点の通過回数を各交差点ごとに記憶してい
ることを特徴とするものである。

【００２０】前記の構成によれば、従前に車両が通過
し、かつ案内された実績のある交差点の通過回数が各交
差点ごとに記憶され、その通過回数が予め設定された規
定回数以上であるか否かが判別される。従前に案内され
た実績のある交差点の通過回数が多いほど、ドライバは
当該交差点を記憶している可能性が高い。そのため、既
に案内された実績のある交差点の固有名称または当該交
差点に接続している道路の固有名称に基づいて交差点の
案内情報を報知することによって、ドライバはドライバ
自身の記憶に基づいて当該交差点をより確実に特定する
ことができる。

【００２１】(7) また、請求項７記載の交差点案内装置
は、道路地図データを記憶する道路地図記憶手段と、車
両が走行する経路を設定する設定手段と、予め設定され
た経路に沿って車両が走行する際に、前記経路上の交差
点を案内するための案内情報を記憶する案内情報記憶手
段と、車両が案内対象交差点に近づいたときに前記案内
情報記憶手段によって記憶された案内情報を報知する報
知手段とを備えた交差点案内装置であって、各交差点の
固有名称または各交差点に接続している道路の固有名
称、および各交差点にある施設の名称を記憶する名称記
憶手段と、前記施設に対応し、当該施設を表すマークを
記憶するマーク記憶手段と、従前に前記設定された経路
を記憶する設定経路記憶手段と、案内対象交差点が前記
設定経路記憶手段によって記憶された経路上にあるか否
かを判別する判別手段とを含み、前記報知手段は、前記
判別手段による判別の結果、案内対象交差点が前記設定
経路記憶手段によって記憶された経路上にある場合に
は、前記名称記憶手段によって記憶された当該交差点の
固有名称、および当該交差点に接続している道路の固有
名称のうちの少なくともいずれか一方の固有名称に基づ
いて案内対象交差点の案内情報を報知し、案内対象交差
点が前記記憶された経路上にない場合には、前記名称記
憶手段によって記憶された施設の名称、または前記マー
ク記憶手段によって記憶された施設のマークに基づいて
案内対象交差点の案内情報を報知するものであることを
特徴とするものである。

【００２２】前記の構成によれば、車両が案内対象交差
点に近づくと、その交差点が従前に設定された経路上に
あるか否かを判別する。判別の結果、交差点が設定され
た経路上にある場合は、交差点の固有名称および当該交
差点に接続している道路の固有名称のうちの少なくとも
いずれか一方の固有名称に基づいて当該交差点の案内情
報を報知する。一方、交差点が設定された経路上にない
場合は、交差点にある施設の普通名称等または施設のマ
ークに基づいて当該交差点の案内情報を報知することが
できる。

【００２３】案内対象交差点が従前に設定された経路上
にある場合には、ドライバは当該交差点または当該交差
点に接続している道路を記憶している、またはよく知っ
ている場合が多い。したがって、交差点の固有名称また
は当該交差点に接続している道路の固有名称に基づいて
交差点の案内情報を報知することにより、ドライバはド
ライバ自身の記憶に基づいて当該交差点を確実に特定す
ることができる。

【００２４】一方、案内対象交差点が従前に設定された
経路上にない場合であれば、施設の普通名称等および施
設のマークに基づいて案内情報を報知することにより、
ドライバは当該交差点を特定することができる。なお、
前記「設定された経路」には、経路計算機能によって自
動的に求められる推奨経路、または、たとえばドライバ
によって手動で入力、設定される走行予定経路を含むも
のとする。 (8) また、請求項８記載の交差点案内装置は請求項７記
載の交差点案内装置であって、前記設定経路記憶手段に
は、従前に前記設定された経路上にある交差点が車両の
進入した方向別に記憶されていることを特徴とするもの
である。

【００２５】前記の構成によれば、従前に設定された経
路が交差点に対して車両の進入した方向別に記憶されて
いる。ドライバのその交差点に対する記憶が進入する方
向によって異なる場合があるからであり、ドライバの記
憶に、より適した案内を行うことができる。 (9) また、請求項９記載の交差点案内装置は請求項７ま
たは８記載の交差点案内装置であって、前記設定経路記
憶手段は、従前に設定された経路上にあり、かつ既に案
内された実績のある交差点を記憶していることを特徴と
するものである。

【００２６】前記の構成によれば、従前に設定された経
路上にある交差点が、従前に設定された経路上にあり、
かつ既に案内された実績のある交差点であるか否かが判
別される。従前に設定された経路上にある交差点が既に
案内された実績のある交差点であると、ドライバは当該
交差点を記憶している可能性が高い。そのため、既に案
内された実績のある交差点の固有名称または当該交差点
に接続している道路の固有名称に基づいて交差点の案内
情報を報知することによって、ドライバはドライバ自身
の記憶に基づいて当該交差点をより確実に特定すること
ができる。

【００２７】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
添付図面を参照して詳細に説明する。＜第１実施形態＞図１は、ナビゲーション装置に適用さ
れる、本発明の交差点案内装置の構成を示すブロック図
である。

【００２８】この交差点案内装置は、車両の移動量およ
び方位変化量をそれぞれ検出する距離センサ１および方
位センサ２等によって車両の走行位置を検出する位置検
出部５を備えている。位置検出部５では、各センサ１，
２から出力される車両の移動量データおよび方位変化量
データに基づいて、いわゆる自立航法によって車両の現
在位置データが算出される。さらに、位置検出部５は上
記車両の現在位置データに基づいて走行軌跡を算出し、
走行軌跡と後述するディスクＤに格納されている道路デ
ータとの比較に基いて、車両位置を補正する機能を有し
ている（いわゆる地図マッチング法、特開昭６４−４２
０００号公報参照）。

【００２９】また、車両の現在位置の検出には、位置検
出部５に接続されているＧＰＳ受信機４によって、ＧＰ
Ｓ衛星から送信される電波をＧＰＳアンテナ３を介して
ＧＰＳ受信機４で受信し、その電波の伝搬遅延時間に基
づいて車両の位置を検出するＧＰＳ航法を適用してもよ
い。また、ＧＰＳ航法により得られる車両の現在位置に
よって上記自立航法で得られた車両の現在位置を補正し
てもよい（特公平７−９２３８８号公報参照）。

【００３０】位置検出部５で検出される車両の現在位置
データは、制御部６に与えられる。制御部６は、このナ
ビゲーション装置の制御中枢として機能するもので、Ｃ
ＰＵ６１、ＲＡＭ６２、推奨経路を計算するための経路
計算部６３、車両が推奨経路を逸脱していないかどうか
を監視する走行監視部６４、推奨経路上の案内の対象と
なる交差点を探索する経路案内部６５および不揮発性メ
モリ６６等から構成される。

【００３１】経路計算部６３は、リモコンキー１０から
目的地等の各種計算条件が入力されると、この入力され
た目的地データ等をＲＡＭ６２に記憶させるとともに、
後述するディスクＤから経路計算用道路地図データを読
み出す。そして、経路計算部６３は、目的地と位置検出
部５で検出された現在地との間の推奨経路を、たとえば
ダイクストラ法またはポテンシャル法を用いて計算す
る。計算された推奨経路は、表示装置９に表示されてい
る道路地図上にたとえば破線で重畳表示される。

【００３２】また、制御部６には、ドライバとのインタ
ーフェースを司るマンマシンインターフェース部８が接
続されている。マンマシンインターフェース部８には、
たとえば液晶表示素子、ＣＲＴまたはプラズマ素子等で
構成される表示画面を有する表示装置９が接続されてい
る。さらに、マンマシンインターフェース部８には、経
路計算の要求入力等を行う、たとえばジョイスティック
リモコンキーで構成されるリモコンキー１０、ドライバ
に交差点の進路案内を音声で出力する音声出力装置１１
が接続されている。

【００３３】また、制御部６には、たとえばＣＤ−ＲＯ
Ｍ、光磁気ディスク等で構成されたディスクＤが装填さ
れるディスク制御部７が接続されている。ディスクＤ
は、道路地図（高速自動車国道、自動車専用道、一般国
道、都道府県道、指定都市の市道、その他の生活道路を
含む。）をメッシュ状に分割し、各メッシュ単位で、た
とえば道路の交差点または折曲点等に相当するノードと
ノード同士をつなぐリンクとの組み合わせからなる位置
検出用道路地図データ、および経路計算用道路地図デー
タ等を記憶している。

【００３４】ここで、「ノード」とは、一般に道路の交
差点や折曲点を特定するための座標位置のことであり、
交差点を表すノードを交差点ノード、道路の折曲点（交
差点を除く）を表すノードを補間点ノードという。各ノ
ードをつないだベクトルが「リンク」である。リンクデ
ータは、リンク番号、リンクの始点ノードのアドレスお
よびリンクの終点ノードのアドレス、リンクの距離、リ
ンクを通過する方向、その方向における所要時間、道路
の種類もしくは種別、道路幅、一方通行、右折禁止、左
折禁止、有料道路等のデータ等を含む。

【００３５】このように、リンクデータの中にリンクの
始点ノードおよびリンクの終点ノードが入っているの
で、ノードのみによってもリンクのみによっても地点を
特定できる。なお、リンクによってリンクの始点を特定
する場合そのリンクを「退出リンク」といい、リンクの
終点を特定する場合そのリンクを「進入リンク」とい
う。さらに、リンクデータにはリンクを通過する方向が
入っているので、１つのリンクを特定することにより、
車両の進行方向も特定することができる。図２は交差点
（十字路）を特定する４つの退出リンクを、図３は交差
点（十字路）を特定する４つの進入リンクを例示してい
る。

【００３６】制御部６は、位置検出部５から車両の現在
位置データが与えられると、ディスク制御部７を駆動
し、車両の現在位置周辺の道路地図データをディスク制
御部７を介してディスクＤから読み出す。その後、この
読み出された道路地図データおよび車両の現在位置デー
タに基づいて表示データを作成し、表示データをマンマ
シンインターフェース部８を介して表示装置９に与える
と、車両の現在位置がカーマークによって道路地図と共
に表示される。

【００３７】また、ディスクＤには、主要な交差点、高
速道路の出入口等の道路地図上の座標位置に対応する案
内情報が記憶されている。案内情報には、交差点での右
左折案内情報または目的地での到着案内情報等が含まれ
る。たとえば、右左折案内情報は、車両が主要な交差点
に対応する座標位置の所定距離手前に接近したときに、
表示装置９の表示画面に当該交差点を模した表示をさせ
ることによって推奨経路の進路を表したり、または音声
出力装置１１から音声を発生したりするための情報であ
る。なお、上記案内情報は、一般に、車両が交差点を通
過する場合、車両がその交差点を右左折するときは報知
され、車両がその交差点を直進するときは報知されない
ようになっている。

【００３８】また、ディスクＤには、各交差点ごとに交
差点の固有名称および各交差点につながる道路の固有名
称が、後述する交差点情報テーブルの形で記憶されてい
る。さらに、交差点情報テーブルには、各交差点にあ
る、たとえば「銀行」、「郵便局」、「デパート」、
「ホテル」、「コンビニエンスストア」、「公園」、
「駐車場」、「ガソリンスタンド」等の建物もしくは土
地、または交差点上にある、たとえば「歩道橋」、「高
架」等の建造物（以下、建物もしくは土地または建造物
等総称して「施設」ということにする。）の各普通名称
が、各交差点ごとに記憶されている。

【００３９】図４は、案内の対象となる交差点、その交
差点に接続している道路および交差点にある施設の位置
関係の一例を示した図である。案内の対象となる交差点
（以下、「案内対象交差点」という。）とは、道路地図
データに含まれる交差点のうち、進路の案内を行うよう
に予め設定された主要交差点をいう。表１は、図４に示
す案内対象交差点に関する情報が格納される交差点情報
テーブルの一例である。

【００４０】

【表１】

【００４１】交差点情報テーブルには、「進入リンク番
号」、「交差点の固有名称」、「退出リンク番号」、
「接続道路の固有名称」および「施設の普通名称」の欄
が設けられている。この交差点情報テーブルでは、案内
対象交差点を進入リンクの終点によって特定している。
進入リンクは、そのリンクの終点によって当該交差点を
特定できる上に、上述したように車両が交差点に進入す
る方向をも特定することができるからである。そのた
め、同じ交差点であっても進入リンクが異なると異なっ
た交差点として認識される。

【００４２】「交差点の固有名称」の欄には、進入リン
クによって特定される交差点の固有名称が格納されてい
る。「退出リンク番号」の欄には、進入リンクの終点に
つながる退出リンクが格納され、「接続道路の固有名
称」の欄には、その退出リンクに対応した道路、すなわ
ち当該交差点に接続している道路の固有名称が格納され
ている。

【００４３】「施設の普通名称」の欄には、進入リンク
に対応した道路から車両が進入した場合に、ドライバが
一目でその交差点を特定できるような施設の普通名称が
予め設定されて格納されている。たとえば、面積の１番
広い施設の普通名称、高さの１番高い施設の普通名称等
が設定されている。この場合、施設の普通名称は同じ交
差点であっても進入リンクが異なると、異なった名称が
記憶される場合がある。これは、同じ交差点でも車両が
当該交差点に進入してくる方向が異なると、別の方向か
ら見えていた施設が見えなくなったりすることがあるか
らである。

【００４４】たとえば、図４および表１によると、進入
リンク１００に対応する施設の普通名称は「高架」であ
るが、進入リンク１０１に対応する施設の普通名称は
「ガソリンスタンド」である。上記交差点情報テーブル
に格納されている各情報は、案内対象交差点をドライバ
に案内する場合に用いられる（後述）。

【００４５】なお、交差点情報テーブルに格納されてい
る施設の普通名称は「銀行」、「百貨店」のような普通
名称以外に、たとえば一般的によく知られている「○○
銀行」、「××百貨店」といった固有名称であってもよ
い。銀行や百貨店の看板が目につきやすいときは、単に
「銀行」というよりも「○○銀行」という方が分かりや
すいからである。

【００４６】さらに、ディスクＤには、上記施設に対応
し、上記施設を表す道路地図上のマーク、いわゆるラン
ドマークの画像データおよびランドマークの道路地図上
の位置座標データが記憶されている。ランドマークは、
たとえば「郵便局」なら「〒」、「駐車場」なら「Ｐ」
といった一般に使用されるマークであるが、これ以外
に、たとえば「○○銀行」を特定できるような固有のサ
ービスマークであってもよいし、図形、文字等であって
もよい。これらのランドマークの画像データおよび位置
座標データは、交差点の進路案内を行う際に、ディスク
Ｄから読み出され、ランドマークを当該交差点と共に、
表示装置９に表示させるために用いられる。

【００４７】また、不揮発性メモリ６６には、車両が従
前に走行した履歴、いわゆる走行軌跡のデータが後述す
る走行軌跡情報テーブルの形で格納される。不揮発性メ
モリ６６は、電気的にデータの書込み、消去が可能なＥ
ＥＰＲＯＭ等で構成されるので、走行軌跡情報テーブル
に格納される走行軌跡のデータは、たとえばドライバが
この交差点案内装置の電源を切っても故意に消去しない
限り記憶が保持される。そのため、再び、ドライバが交
差点案内装置の電源を投入すれば、前回までの車両運転
時に記憶された走行軌跡に関するデータを使用すること
ができる。

【００４８】上記走行軌跡のデータの格納は、不揮発性
メモリ６６の記憶領域の容量が一杯になるまで継続さ
れ、記憶領域の容量が一杯になった後は、最も古いデー
タから消去され、代わりに最新のデータが格納される。
これは、一般にドライバが直近に起きた出来事ほどよく
覚えていることによる。表２は、上記走行軌跡情報テー
ブルの一例である。

【００４９】

【表２】

【００５０】走行軌跡情報テーブルには、「走行日時」
および「リンク番号」の欄が設けられている。たとえ
ば、車両が道路を走行すると、車両が走行した日時が走
行軌跡情報テーブルの「走行日時」の欄に、また、上述
した地図マッチングによって特定された、車両の走行し
ている道路に対応するリンクの番号が「リンク番号」の
欄にそれぞれ格納される。

【００５１】なお、記憶された走行軌跡のデータのう
ち、任意の日時（たとえば、１カ月前）以前に記憶され
たデータは、ドライバによって「走行日時」のデータを
参照してたとえば消去装置等を用いて消去することがで
きるようにしてもよい。図５は、この交差点案内装置の
制御処理を示すフローチャートである。このフローチャ
ートは、推奨経路上の交差点を進路案内する際に、当該
交差点が走行軌跡として記憶されている交差点に含まれ
るか否かを判別し、その判別結果に基づいて、当該交差
点を交差点の固有名称もしくは当該交差点に接続してい
る道路の固有名称を含んだ音声もしくは表示によって、
または当該交差点にある施設の普通名称等を含んだ音声
もしくはその施設に対応したランドマークを含んだ表示
によって、ドライバに交差点の進路案内を行う制御処理
を表したものである。

【００５２】まず、経路計算部６３は、たとえばドライ
バのリモコンキー１０による操作によって目的地が入力
されると推奨経路を計算する（ステップＳ１）。車両の
走行中、走行監視部６４は車両が推奨経路上を逸脱して
走行していないかどうかを監視する（ステップＳ２）。
この監視における判定処理は、たとえば車両の位置から
推奨経路を構成する道路までの垂直距離が所定の基準値
より大きくなったことにより判定すればよい（特開平７
−５５４８９号公報参照）。また、車両が推奨経路を逸
脱しているか否かの判定に代えて、車両が推奨経路を逸
脱しているか否かをドライバによって判断させてもよ
い。

【００５３】次に、経路案内部６５では、位置検出部５
で得られた現在位置データに基づいて、経路計算部６３
で計算された推奨経路上の案内対象交差点を探索する
（ステップＳ３）。ステップＳ３の探索処理の結果、こ
の交差点が見つかれば（ステップＳ４）、経路案内部６
５はその旨をＣＰＵ６１に与える。また、この交差点が
見つからなければ（ステップＳ４）、ステップＳ３にも
どりこの交差点を探索し続ける。

【００５４】ＣＰＵ６１は、ディスクＤに記憶されてい
る交差点情報テーブル（表１参照）から、探索された案
内対象交差点に対応する進入リンクを読み出し、ＲＡＭ
６２の作業領域に一時的に記憶させる（ステップＳ
５）。次に、ＣＰＵ６１は、案内対象交差点に対応する
進入リンクが従前に走行した軌跡データに含まれるか否
かを調べるために、不揮発性メモリ６６の走行軌跡情報
テーブル（表２参照）を検索する。この場合、不揮発性
メモリ６６は通過交差点記憶手段として機能する。そし
て、ＣＰＵ６１は、案内対象交差点に対応している進入
リンクがその走行軌跡データに含まれているか否かの判
別処理を行う（ステップＳ６）。この場合、ＣＰＵ６１
は判別手段として機能する。

【００５５】ステップＳ６の判別の結果、案内対象交差
点に対応する進入リンクが走行軌跡データに含まれてお
れば、すなわち案内対象交差点が従前に走行した軌跡上
にある交差点であれば、再び交差点情報テーブルを参照
してその進入リンクに対応する交差点の固有名称、およ
び接続道路の固有名称を読み出す。すなわち、上記ディ
スクＤは、この場合、名称記憶手段として機能する。

【００５６】そして、これらの各固有名称が制御部６か
らマンマシンインターフェース部８へ送られる。たとえ
ば、案内対象交差点の固有名称が「本町４丁目」であっ
て、その交差点につながる道路が「中央大通り」である
と、音声出力装置１１からは「△△△の交差点を右折し
て□□□に進入して下さい」等の定型的な文の「△△
△」の部分に「本町４丁目」を、「□□□」の部分に
「中央大通り」をそれぞれ当てはめて、「本町４丁目の
交差点を右折して中央大通りに進入して下さい」等のメ
ッセージが音声として音声出力装置１１から出力される
（ステップＳ７）。

【００５７】また、表示装置９からは、たとえば図６に
示すように、推奨経路の当該交差点における進路が矢印
Ｅで表されると共に、当該交差点名である「本町４丁
目」が上部に表示される道路地図画面が出力される。す
なわち、この場合、上記音声出力装置１１および表示装
置９は報知手段に相当する。このように、車両が従前に
走行軌跡として記憶されている交差点を再度またはそれ
以上、通過する場合には、ドライバはこの交差点を記憶
している、またはよく知っている可能性が高い。そのた
め、交差点の固有名称またはその交差点に接続している
道路の固有名称を含んだ案内情報が報知されることによ
り、ドライバは当該交差点を確実に特定することができ
る。

【００５８】なお、上記音声案内のメッセージ例におい
て、たとえば、交差点名を省いて「次の交差点を右折し
て中央大通りに進入して下さい」等のメッセージが音声
出力されてもよいし、また、道路名を省いて「本町４丁
目の交差点を右折して下さい」等のメッセージが音声出
力されてもよい。ドライバは、交差点名のみ、あるいは
道路名のみが報知されることにより交差点を特定できる
ことがあるからである。

【００５９】一方、ステップＳ６において、案内対象交
差点が従前に走行した軌跡上にない場合、交差点情報テ
ーブル（表１参照）から当該交差点に対応する施設の普
通名称等が読み出され、制御部６からマンマシンインタ
ーフェース部８へ送られる。そして、このとき読み出さ
れた施設に対応するランドマークの画像データおよび位
置座標データがディスクＤから読み出され、制御部６か
らマンマシンインターフェース部８へ送られる。

【００６０】このとき、たとえば読み出された施設が
「高架」であったとすると、音声出力装置１１からは
「◇◇のある交差点を右折して下さい」等の定型的な文
の「◇◇」の部分に「高架」を当てはめて、「高架のあ
る交差点を右折して下さい」等の音声が音声出力装置１
１から出力される（ステップＳ８）。また、表示装置９
からは、たとえば図７に示すように、推奨経路の当該交
差点における進路が矢印Ｅで表されると共に、当該交差
点付近に「高架」を表すランドマークが表示される。

【００６１】このように、案内対象交差点を施設の普通
名称等を含んだ音声または施設を表すランドマークの表
示で案内するようにしたのは、車両がはじめてその交差
点を通過する場合には、ドライバはこの交差点をよく知
らない可能性が高い。そのため、ドライバにその交差点
の固有名称を含んだ案内情報が報知されるより、その交
差点を特徴づける施設の普通名称等または施設のランド
マークを含んだ案内情報が報知される方が、ドライバは
交差点周辺の施設の中から実際に見える施設、たとえば
「高架」をさがし出すことにより当該交差点を特定する
ことができるからである。

【００６２】以上のように、この実施形態においては、
従前に車両が走行した走行軌跡を記憶しておき案内対象
交差点に車両が同じ方向から近づいた際に、案内対象交
差点が走行軌跡として記憶されている交差点であるか否
かを判別する。そして、その判別結果に基づいて、当該
交差点を交差点の固有名称等を含んだ報知によって、ま
たは当該交差点にある施設の普通名称等を含んだ音声も
しくはその施設に対応したランドマークを含んだ表示に
よって、ドライバに交差点の進路案内を行うことができ
る。

【００６３】なお、上記の実施形態においては、案内対
象交差点が従前に記憶された走行軌跡上にあるか否かに
より交差点の進路案内の方法を変えてドライバに報知し
ていたが、たとえば車両が交差点を通過するときにドラ
イバにその交差点を案内した実績が記憶されるようにし
ておき、車両が案内対象交差点に同じ方向から近づいた
際に、その交差点が既に案内された実績のある交差点で
あるか否かを判別してもよい。

【００６４】そして、案内対象交差点が既に案内された
実績のある交差点であれば、交差点の固有名称または当
該交差点に接続している道路の固有名称を含んだ音声ま
たは表示による報知をドライバに行い、一方、案内対象
交差点が既に案内された実績のある交差点でなければ、
当該交差点にある施設の普通名称等を含んだ音声もしく
はその施設に対応したランドマークを含んだ表示による
報知をドライバに行う。案内対象交差点が既に案内さ
れた実績のある交差点である場合、ドライバは当該交差
点をよく記憶している可能性が高い。これは、案内情報
が報知される交差点は一般に車両が右左折する交差点で
あるから、ドライバにとってはその交差点をそのまま直
進するより、ドライバの印象に残りやすくなるからであ
る。そのため、ドライバはドライバ自身の記憶に基づい
て当該交差点をより確実に特定することができるからで
ある。＜第２実施形態＞次に、本発明の第２実施形態について
説明する。本実施形態においても、第１実施形態と同様
の構成の交差点案内装置が用いられるので、上述の図１
および表１を再び参照する。

【００６５】本実施形態の特徴は、表２の走行軌跡情報
テーブルに代えて、従前に車両が通過した交差点の通過
回数を各交差点ごとに不揮発性メモリ６６に記憶させて
おき、その通過回数が予め設定された規定回数を越える
か否かによって、ドライバに交差点の案内方法を変えて
報知することにある。具体的には、表３（下記参照）に
示すように、「進入リンク番号」と、「車両の通過回
数」との欄を有する交差点通過回数積算テーブルを不揮
発性メモリ６６に設ける。

【００６６】

【表３】

【００６７】たとえば、表３によると、進入リンク番号
１００の進入リンクの終点に対応する交差点に車両が進
入して通過した回数は１回であり、進入リンク番号１０
１の進入リンクの終点に対応する交差点に車両が進入し
て通過した回数は３回である。これらの回数は、車両が
進入リンクに対応する道路を通過する度に、すなわち進
入リンクの終点に対応する交差点を通過する度に更新さ
れる。

【００６８】そして、車両が案内対象交差点に近づいた
際に、当該交差点に関連する進入リンクが交差点情報テ
ーブル（表１参照）から読み出され、その進入リンクの
終点に対応する交差点が従前に車両が通過した交差点か
どうかを調べるために交差点通過回数積算テーブルが検
索される。検索された結果、進入リンクが交差点通過回
数積算テーブルにあれば、その進入リンクの通過回数が
参照される。このとき、進入リンクは車両の進行方向を
特定しているので、同じ交差点でも進入リンクが異なれ
ば、異なる交差点として認識されることになる。

【００６９】そして、進入リンクの通過回数、すなわち
車両の交差点の通過回数が予め設定された規定回数以上
である場合に、交差点情報テーブルから進入リンクに対
応する交差点の固有名称もしくは当該交差点に接続して
いる道路の固有名称を読み出し、これらの固有名称を含
んだ音声または表示によって交差点の進路案内を行う。
一方、上記通過回数が予め設定された規定回数未満の場
合には、交差点情報テーブルから進入リンクに対応する
交差点にある施設の普通名称等を読み出し、この名称を
含んだ音声または施設を表すランドマークを含んだ表示
によって交差点の進路案内を行う。

【００７０】交差点の通過回数が多いほど、ドライバは
当該交差点を記憶している、またはよく知っている可能
性が高い。そのため、交差点の固有名称を含んで進路案
内が報知されることにより、ドライバはそのドライバ自
身の記憶に基づいて交差点を確実に特定することができ
る。また、交差点の通過回数が比較的少ない、すなわち
ドライバがその交差点をあまりよく知らない場合は、交
差点にある施設の普通名称等を含んだ音声、または施設
を表すランドマークを含んだ表示によって案内情報を報
知する。そのため、ドライバは当該交差点を特定するこ
とができる。

【００７１】なお、上記規定回数の値を不揮発性メモリ
６６に記憶させておき、たとえば専用の書込み装置等に
よってその値をユーザによって変更できるようにしてお
いてもよい。そうすることにより、たとえば交差点の固
有名称での案内より、ランドマークでの案内の方がわか
りやすいとドライバが思うときは、規定回数の値を高く
設定し、交差点のランドマークでの案内が多くなるよう
にする等、ユーザの好みに応じることができる。

【００７２】また、通過した交差点の回数を記憶させる
他に、各交差点においてドライバに案内した回数を各交
差点ごとに記憶させるようにしてもよい。そして、上記
案内回数が予め設定された規定回数以上である場合に、
当該交差点の固有名称もしくは当該交差点に接続してい
る道路の固有名称を含んだ音声または表示によって交差
点の進路案内を行う。一方、上記案内回数が予め設定さ
れた規定回数未満の場合には、当該交差点にある施設の
普通名称等を含んだ音声、または施設を表すランドマー
クを含んだ表示によって交差点の進路案内を行う。

【００７３】また、上記交差点の通過回数または案内回
数には、記憶され得る上限数（ただし、上限数≧規定回
数であることが必要。）が予め設定されていてもよい。
これによって、通過回数がむやみに増加することを抑制
することができるので、メモリ容量を節約することがで
きる。また、上記交差点の通過回数または案内回数の記
憶領域を複数設け、スイッチ等で任意選択されるように
してもよい。たとえば、表示装置９の表示画面上にドラ
イバを区別して設定できるタッチスイッチからなる設定
スイッチを設け、車両の走行前にドライバがそのドライ
バ自身に対応したスイッチを設定、またはコードを入力
することにより、以降の走行に関しては、その操作内容
に対応する記憶領域を呼び出し、そこにおいて上記交差
点の通過回数または案内回数を記憶する。そして、同じ
車両に別のドライバが乗車した場合、別のスイッチを設
定、またはコードを入力することにより、以降の走行に
関しては、当該別の操作内容に対応する記憶領域を呼び
出し、そこにおいて上記交差点の通過回数または案内回
数を記憶する。このようにすれば、たとえば１台の車両
を家族で利用する場合等、本装置の利便性を高めること
ができる。＜第３実施形態＞次に、本発明の第３実施形態について
説明する。本実施形態においても、第１および第２実施
形態と同様の構成の交差点案内装置が用いられるので、
上述の図１および表１を三たび参照する。

【００７４】本実施形態の特徴は、上述の表２の走行軌
跡情報テーブルおよび表３の交差点通過回数積算テーブ
ルに代えて、従前に計算され求められた推奨経路を不揮
発性メモリ６６に記憶させておき、その推奨経路に案内
対象交差点が含まれるか否かによって、ドライバに交差
点の案内方法を変えて報知することにある。たとえば、
従前に計算され求められた推奨経路は、表４（下記参
照）に示すように、「計算日時」および「リンク番号」
の欄が設けられた推奨経路情報テーブルの形で記憶され
る。

【００７５】

【表４】

【００７６】推奨経路が計算されると、「計算日時」の
欄に計算された日時が、「リンク番号」の欄に出発地か
ら目的地までの推奨経路に相当する道路のリンクがそれ
ぞれ格納される。そして、車両が案内対象交差点に近づ
く際に、案内対象交差点に対応する進入リンクが読み出
され、推奨経路情報テーブルが検索される。案内対象交
差点に対応する進入リンクが推奨経路情報テーブル内に
記憶されているか否か、すなわち案内対象交差点が従前
に計算によって求められた推奨経路上にあるか否かが判
別され、ある場合に当該交差点の固有名称もしくは当該
交差点に接続している道路の固有名称を含んだ音声また
は表示によって交差点の進路案内を行う。

【００７７】案内対象交差点が従前に計算によって求め
られた推奨経路上にある場合には、ドライバは当該交差
点または当該交差点に接続している道路を記憶してい
る、またはよく知っている場合が多い。したがって、交
差点の固有名称または当該交差点に接続している道路の
固有名称に基づいて交差点の案内情報を報知することに
より、ドライバはドライバ自身の記憶に基づいて当該交
差点を確実に特定することができる。

【００７８】一方、案内対象交差点が従前に計算によっ
て求められた推奨経路上にない場合には、当該交差点に
ある施設の普通名称等または施設を表すランドマークに
基づいて交差点の案内情報を報知する。なお、上記の実
施形態においては、たとえば交差点が従前に計算によっ
て求められた推奨経路に含まれていて、かつ、既に案内
された実績のある交差点のみが記憶されるようにしても
よい。そして、案内対象交差点に車両が同じ方向から近
づいた際に、その交差点が上記推奨経路に含まれ、かつ
既に案内された実績のある交差点であるか否かを判別
し、既に案内された実績のある交差点であれば、交差点
の固有名称を含んだ音声もしくは表示または当該交差点
に接続している道路の固有名称を含んだ音声をドライバ
に報知する。一方、既に案内された実績のある交差点で
なければ、当該交差点にある施設の普通名称等を含んだ
音声または施設を表すランドマークを含んだ表示をドラ
イバに報知する。

【００７９】なお、この実施形態においては、経路計算
機能によって推奨経路が求められたが、たとえばドライ
バによって走行前に手動で経由地等を入力して走行経路
を予め設定しておいてもよい。走行経路を予め設定して
おけば、上記のように走行経路上にある交差点を自動的
に案内することができる。この実施形態の説明は以上で
あるが、本発明は上記の実施形態に限られるものではな
く、その他、特許請求の範囲に記載された技術的事項の
範囲内で、種々の変更を施すことが可能である。

【００８０】

【発明の効果】以上のように、請求項１記載の発明によ
れば、案内対象交差点が従前に通過した交差点である場
合に、交差点の固有名称または当該交差点に接続してい
る道路の固有名称に基づいて交差点の案内情報が報知さ
れるので、ドライバは、ドライバ自身の記憶に基づいて
当該交差点を確実に特定することができる。また、案内
対象交差点が従前に通過した交差点でない場合に、交差
点にある施設の普通名称等または施設のマークに基づい
て交差点の案内情報が報知されるので、ドライバは当該
交差点を特定することができる。したがって、ドライバ
の案内対象交差点に対する熟知度に応じて、当該交差点
の案内をドライバにとってより分かりやすく行うことの
できる交差点案内装置を提供することができる。

【００８１】請求項２、５または８記載の発明によれ
ば、案内対象交差点が車両の進入してくる方向別に記憶
されているので、ドライバの記憶に、より適した案内を
行うことができる。請求項３、６または９記載の発明に
よれば、交差点が既に案内された実績のある交差点であ
るか否かによって判別されるので、ドライバはドライバ
自身の記憶に基づいて当該交差点をより確実に特定する
ことができる。

【００８２】請求項４記載の発明によれば、車両が案内
対象交差点に近づいた際に、従前に交差点を通過した回
数が予め設定された規定回数以上である場合に、交差点
の固有名称または当該交差点に接続している道路の固有
名称に基づいて交差点の案内情報が報知されるので、ド
ライバは、ドライバ自身の記憶に基づいて当該交差点を
確実に特定することができる。また、規定回数未満であ
れば交差点にある施設の普通名称等または施設のマーク
に基づいて交差点の案内情報が報知されるので、ドライ
バは当該交差点を特定することができる。

【００８３】請求項７記載の発明によれば、案内対象交
差点が従前に予め設定された経路上にある場合に、交差
点の固有名称または当該交差点に接続している道路の固
有名称に基づいて交差点の案内情報が報知されるので、
ドライバはドライバ自身の記憶に基づいて当該交差点を
確実に特定することができる。また、経路上にない場合
であれば交差点にある施設の普通名称等または施設のマ
ークに基づいて交差点の案内情報が報知されるので、ド
ライバは当該交差点を特定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の交差点案内装置の構成を示すブロック
図である。

【図２】交差点における退出リンクの例を示す図であ
る。

【図３】交差点における進入リンクの例を示す図であ
る。

【図４】案内対象交差点、交差点に接続している道路お
よび交差点にある施設の位置関係を示した図である。

【図５】本発明の交差点案内装置の制御手順を示すフロ
ーチャートである。

【図６】案内対象交差点を交差点名と共に表示した場合
の図である。

【図７】案内対象交差点をランドマークと共に表示した
場合の図である。

【符号の説明】

５位置検出部６制御部８マンマシンインターフェース部９表示装置１１音声出力装置６１ＣＰＵ６２ＲＡＭ６３経路計算部６４走行監視部６５経路案内部６６不揮発性メモリＤディスク

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】道路地図データを記憶する道路地図記憶手
段と、予め設定された経路に沿って車両が走行する際
に、前記経路上の交差点を案内するための案内情報を記
憶する案内情報記憶手段と、車両が案内対象交差点に近
づいたときに前記案内情報記憶手段によって記憶された
案内情報を報知する報知手段とを備えた交差点案内装置
であって、各交差点の固有名称または各交差点に接続している道路
の固有名称、および各交差点にある施設の名称を記憶す
る名称記憶手段と、前記施設に対応し、当該施設を表すマークを記憶するマ
ーク記憶手段と、従前に車両が通過した交差点を記憶する通過交差点記憶
手段と、案内対象交差点が前記通過交差点記憶手段によって記憶
された通過交差点であるか否かを判別する判別手段とを
含み、前記報知手段は、前記判別手段による判別の結果、案内対象交差点が前記
通過交差点である場合には、前記名称記憶手段によって
記憶された、当該交差点の固有名称、および当該交差点
に接続している道路の固有名称のうちの少なくともいず
れか一方の固有名称に基づいて案内対象交差点の案内情
報を報知し、前記案内対象交差点が前記通過交差点でな
い場合には、前記名称記憶手段によって記憶された施設
の名称、または前記マーク記憶手段によって記憶された
施設のマークに基づいて案内対象交差点の案内情報を報
知するものであることを特徴とする交差点案内装置。
【請求項２】前記通過交差点記憶手段には、従前に車両
が通過した交差点が車両の進入した方向別に記憶されて
いることを特徴とする請求項１記載の交差点案内装置。
【請求項３】前記通過交差点記憶手段は、従前に車両が通過し、かつ既に案内された実績のある交
差点を記憶していることを特徴とする請求項１または２
記載の交差点案内装置。
【請求項４】道路地図データを記憶する道路地図記憶手
段と、予め設定された経路に沿って車両が走行する際
に、前記経路上の交差点を案内するための案内情報を記
憶する案内情報記憶手段と、車両が案内対象交差点に近
づいたときに前記案内情報記憶手段によって記憶された
案内情報を報知する報知手段とを備えた交差点案内装置
であって、各交差点の固有名称または各交差点に接続している道路
の固有名称、および各交差点にある施設の名称を記憶す
る名称記憶手段と、前記施設に対応し、当該施設を表すマークを記憶するマ
ーク記憶手段と、従前に車両が通過した交差点の通過回数を各交差点ごと
に記憶する通過回数記憶手段と、前記通過回数記憶手段によって記憶された、案内対象交
差点における車両の通過回数が予め設定された規定回数
以上であるか否かを判別する判別手段とを含み、前記報知手段は、前記判別手段による判別の結果、前記通過回数記憶手段
によって記憶された、案内対象交差点における車両の通
過回数が予め設定された規定回数以上である場合には、
前記名称記憶手段によって記憶された当該交差点の固有
名称、および当該交差点に接続している道路の固有名称
のうちの少なくともいずれか一方の固有名称に基づいて
案内対象交差点の案内情報を報知し、前記通過回数が予
め設定された規定回数未満である場合には、前記名称記
憶手段によって記憶された施設の名称、または前記マー
ク記憶手段によって記憶された施設のマークに基づいて
案内対象交差点の案内情報を報知するものであることを
特徴とする交差点案内装置。
【請求項５】前記通過回数記憶手段には、従前に車両が
通過した交差点の通過回数が車両の進入した方向別に記
憶されていることを特徴とする請求項４記載の交差点案
内装置。
【請求項６】前記通過回数記憶手段は、従前に車両が通過し、かつ既に案内された実績のある交
差点の通過回数を各交差点ごとに記憶していることを特
徴とする請求項４または５記載の交差点案内装置。
【請求項７】道路地図データを記憶する道路地図記憶手
段と、車両が走行する経路を設定する設定手段と、予め
設定された経路に沿って車両が走行する際に、前記経路
上の交差点を案内するための案内情報を記憶する案内情
報記憶手段と、車両が案内対象交差点に近づいたときに
前記案内情報記憶手段によって記憶された案内情報を報
知する報知手段とを備えた交差点案内装置であって、各交差点の固有名称または各交差点に接続している道路
の固有名称、および各交差点にある施設の名称を記憶す
る名称記憶手段と、前記施設に対応し、当該施設を表すマークを記憶するマ
ーク記憶手段と、従前に前記設定手段により設定された経路を記憶する設
定経路記憶手段と、案内対象交差点が前記設定経路記憶手段によって記憶さ
れた経路上にあるか否かを判別する判別手段とを含み、前記報知手段は、前記判別手段による判別の結果、案内対象交差点が前記
設定経路記憶手段によって記憶された経路上にある場合
には、前記名称記憶手段によって記憶された当該交差点
の固有名称、および当該交差点に接続している道路の固
有名称のうちの少なくともいずれか一方の固有名称に基
づいて案内対象交差点の案内情報を報知し、案内対象交
差点が前記記憶された経路上にない場合には、前記名称
記憶手段によって記憶された施設の名称、または前記マ
ーク記憶手段によって記憶された施設のマークに基づい
て案内対象交差点の案内情報を報知するものであること
を特徴とする交差点案内装置。
【請求項８】前記設定経路記憶手段には、従前に前記設
定された経路上にある交差点が車両の進入した方向別に
記憶されていることを特徴とする請求項７記載の交差点
案内装置。
【請求項９】前記設定経路記憶手段は、従前に設定された経路上にあり、かつ既に案内された実
績のある交差点を記憶していることを特徴とする請求項
７または８記載の交差点案内装置。