JPH09287985A - 空気流量測定装置 - Google Patents

空気流量測定装置

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JPH09287985A
JPH09287985A JP8101776A JP10177696A JPH09287985A JP H09287985 A JPH09287985 A JP H09287985A JP 8101776 A JP8101776 A JP 8101776A JP 10177696 A JP10177696 A JP 10177696A JP H09287985 A JPH09287985 A JP H09287985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置を小型化してプラグイン方式による組付
けを可能にする。 【解決手段】 空気流量測定装置13を回路モジュール
14と流量測定体15とから構成し、流量測定体15を
2本の管を平行に並べて接合した形状とし、更にそれら
管の一端を連通させることで、逆U字状のバイパス流路
18を形成し、バイパス流路18内に発熱素子29と感
温素子30とを設置する。流量測定体15の下端にはベ
ンチュリ管部16を一体成形し、ベンチュリ管部16の
下流側周壁にバイパス流路18の流出口22を形成す
る。ベンチュリ管部16の下流側周壁のうちのバイパス
流が合流する部分に流路拡大部23を形成し、このバイ
パス流路18の流出口22にバイパス流をガイドするガ
イド部24を形成する。ベンチュリ管部16の外径は下
流側ほど大きくなり、ベンチュリ管部16の長さは流量
測定体15の主流方向の幅と略同一若しくはそれよりも
短くなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気通路内に配置
されたバイパス流路を流れる空気流量を測定すること
で、空気通路内の空気流量を測定する空気流量測定装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の空気流量測定装置
は、内燃機関の吸入空気流量を測定するのに用いられて
おり、例えば特開平7−260535号公報に示すよう
に、内燃機関の吸気通路内に配置されたバイパス流路内
に、発熱素子と感温素子とを所定の間隔で設置し、発熱
素子に供給する電力と感温素子で検出する温度とに基づ
いてバイパス流量ひいては吸入空気流量を測定するよう
になっている。このものでは、バイパス流路内の空気の
流れが不安定であると、流量測定精度が低下するため、
上記公開公報では、バイパス流路の流出口を主流方向に
対して直角方向又は斜め方向に開口させ、該バイパス流
路の流出口の両側部に主流方向と略平行な壁を形成して
いる。これにより、主空気通路(内燃機関の吸気通路)
内で生じる旋回流がバイパス流路の出口流に及ぼす影響
を小さくして、バイパス流路の出口流を安定させるよう
にしている。
【0003】この場合、流量測定精度を高めるには、バ
イパス流路内の空気の流れを安定させることに加え、バ
イパス流の流速を速くすることが好ましい。ここで、バ
イパス流の流速を速くするには、バイパス流路の流出口
の圧力を負圧にして、バイパス流路内の空気を吸い出す
ようにすれば良い。この観点から、上記公開公報では、
バイパス流路の流出口の上流側にひさし状の突起を形成
し、主流がこの突起に衝突して剥離することで、この突
起の下流側に負圧部を生じさせ、この負圧部によってバ
イパス流路の流出口に吸出し力を作用させるようにして
いる。
【0004】しかし、バイパス流路の流出口の上流側に
ひさし状の突起を形成した程度ではバイパス流路の流出
口に十分な吸出し力(負圧)を作用させることができ
ず、バイパス流の流速を速くする効果が小さい。
【0005】そこで、実開昭61−199623号公報
では、主空気通路の一部をベンチュリ管状に形成し(以
下これを「大ベンチュリ管」という)、この大ベンチュ
リ管内に小ベンチュリ管を同心状に配置すると共に、小
ベンチュリ管の外周部にバイパス流路を形成して、この
バイパス流路の流出口を小ベンチュリ管内に開口した構
成としている。これにより、大小2つのベンチュリ管に
よって小ベンチュリ内の空気の流れを速くして、バイパ
ス流路の流出口に作用する吸出し力(負圧)を大きくす
るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成で
は、主空気通路の一部を大ベンチュリ管で構成し、この
大ベンチュリ管内に比較的長い小ベンチュリ管を同心状
に配置する構成となっているため、装置全体が大型化
し、これを内燃機関の吸気通路に組み付ける場合に、予
め大小2つのベンチュリ管が同心状に組み付けられた二
重ベンチュリ管ユニットを吸気通路の途中に連結する必
要があり、組立作業も面倒である。要するに、上記構成
では、吸気通路の適宜箇所に形成した取付穴に、いわゆ
るプラグイン方式で空気流量測定装置を取り付けること
ができない欠点がある。しかも、内側のベンチュリ管が
大きいため、吸気通路の通気抵抗が大きくなり、吸気効
率が低下する欠点もある。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、装置全体を小型化で
きて、プラグイン方式による組付けを可能にすると共
に、バイパス流路の流出口に作用する吸出し力(負圧)
を大きくできて、流量測定精度も向上することができ、
しかも、通気抵抗も小さくできる空気流量測定装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の空気流量測定装置は、ベンチュ
リ管部が形成された流量測定体を空気通路の周壁の取付
穴から空気通路に挿入して取り付ける。流量測定体内に
は、前記空気通路内を流れる空気の一部を該流量測定体
の側面に形成された流入口から流入させるバイパス流路
を形成し、このバイパス流路内に設置したセンサ部によ
り空気の流量を測定する。このバイパス流路の流出口を
ベンチュリ管部の周壁のうちの空気の流速が速くなる部
分近傍に形成することで、バイパス流路の流出口に作用
する吸出し力(負圧)を大きくして、バイパス流路内の
空気の流れ(バイパス流)を速くし、流量測定精度を向
上させる。更に、ベンチュリ管部の長さを空気通路内の
空気流れ方向(主流方向)の流量測定体の幅と略同一若
しくはそれよりも短く形成することで、装置全体を小型
化してプラグイン方式による組付けを可能にすると共
に、通気抵抗も小さくする。
【0009】この場合、請求項2のように、前記バイパ
ス流路を流量測定体内に逆U字状に形成することが好ま
しい。これにより、バイパス流路の全長を長くして、バ
イパス流路内の空気の慣性を大きくし、それによって、
空気通路内の空気の流れ(主流)の脈動によるバイパス
流の脈動を低減し、脈動による流量測定精度低下を防止
する。
【0010】更に、請求項3のように、前記ベンチュリ
管部の下流側周壁には、前記バイパス流路からのバイパ
ス流が合流する部分に、該ベンチュリ管部の流路断面積
を拡大する流路拡大部を形成することが好ましい。つま
り、ベンチュリ管部の下流側でバイパス流路からのバイ
パス流が合流すると、ベンチュリ管部内を流れる空気流
量が増加するため、その合流部の流路断面積を流路拡大
部によって拡大することで、合流後の流れを円滑にし、
バイパス流路の流出口に作用する吸出し力(負圧)を効
果的に大きくする。
【0011】この場合、請求項4のように、バイパス流
の合流部に形成する流路拡大部を、前記ベンチュリ管部
の周方向に沿って延在させることが好ましい。これによ
り、バイパス流路の出口流に対して吸出し力(負圧)が
作用する領域が拡大され、吸出し力が更に大きくなる。
【0012】また、請求項5では、前記バイパス流路の
流出口にガイド部を形成し、このガイド部によってバイ
パス流を前記ベンチュリ管部の下流側に向けてガイドす
る。これにより、ベンチュリ管部内の流れに対してバイ
パス流をスムーズに合流させることができ、合流時の流
れの衝突によるバイパス流の流速低下を防ぐことができ
る。
【0013】また、請求項6では、前記流量測定体の取
付側端部に、前記空気通路の周壁の取付穴周縁部に係止
(抜止め)されるフランジ部を形成している。これによ
り、万一、流量測定体を固定する手段が外れたとして
も、空気通路内に流量測定体が脱落して吸い込まれるこ
とがフランジ部によって確実に防止できる。
【0014】また、請求項7では、前記流量測定体と前
記ベンチュリ管部とを、3分割の成形型により樹脂で一
体成形し、前記流量測定体の取付側端部に形成された型
抜き用の開口部を、前記センサ部を組み付けた回路モジ
ュールで閉鎖している。この構成では、流量測定体とベ
ンチュリ管部とが1つの成形品となり、空気流量測定装
置の部品点数削減・組立能率向上も実現できる。
【0015】また、請求項8は、空気通路内にバイパス
流路とベンチュリ管部とを設け、前記バイパス流路の流
出口を前記ベンチュリ管部の周壁のうちの空気の流速が
速くなる部分に形成すると共に、該ベンチュリ管部の下
流側周壁には、前記バイパス流路からのバイパス流が合
流する部分に、該ベンチュリ管部の流路断面積を拡大す
る流路拡大部を形成したことを構成要件とするものであ
る。これにより、空気流量測定装置の小型化と流量測定
精度向上とを両立できる。
【0016】この場合、請求項9のように、前記ベンチ
ュリ管部の外径を下流側が大きくなるように形成すると
良い。この構成では、ベンチュリ管部の外周面と空気通
路の内周面との間の空気流路がベンチュリ管部の下流側
ほど狭くなるため、該空気流路の空気流(主流)がベン
チュリ管部の下流側ほど速くなり、その主流によってベ
ンチュリ管部の流出口に作用する吸出し力(負圧)が大
きくなる。これにより、ベンチュリ管部内の空気の流速
が益々速くなり、バイパス流路の流出口に作用する吸出
し力(負圧)が益々大きくなる。
【0017】また、請求項10のように、前記ベンチュ
リ管部の流入口と前記バイパス流路の流入口とを、互い
に空気通路の中心軸を挟んで近接させて設けることが好
ましい。これにより、空気通路を流れる空気がベンチュ
リ管部の流入口とバイパス流路の流入口との双方にバラ
ンス良く流入し、バイパス流が安定して確保される。ま
た、空気通路内の主流の速度分布は空気通路の曲りによ
って変化するが、ベンチュリ管部の流入口とバイパス流
路の流入口とを空気通路の中心軸を挟んで近接させれ
ば、ベンチュリ管部の上流側の空気通路の曲りによって
主流の速度分布が変化しても平均的なバイパス流を確保
でき、安定した流量測定が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を内燃機関の吸入空
気流量測定装置に適用した一実施形態を図面に基づいて
説明する。内燃機関の吸気管11(空気通路)の所定位
置に形成された取付穴12に空気流量測定装置13がプ
ラグイン方式で組み付けられている。空気流量測定装置
13は、回路モジュール14と流量測定体15とからな
る。流量測定体15は全体として取付穴12から吸気管
11の中心軸C付近まで延びる縦長の長方形断面の棒状
に形成されている。この流量測定体15は、吸気管11
の径方向に沿って延在する2本の管を吸気管11の空気
流れ方向に沿って並べて接合壁17で接合した如き形状
に形成され、その接合壁17の回路モジュール14側で
ある上部を連通させることで、回路モジュール14側を
ターン部とする逆U字状のバイパス流路18を形成して
いる。この流量測定体15の上流側側面には、吸気管1
1内を流れる空気(主流)の一部をバイパス流路18内
に流入させる流入口19が吸気管11の中心軸Cに隣接
するように形成されている。また、流量測定体15の上
端外周部にはフランジ部20が形成され、このフランジ
部20が取付穴12の周縁部上面に係止(抜止め)され
るようになっている。
【0019】流量測定体15の下端にはベンチュリ管部
16が主流方向に平行に形成され、該ベンチュリ管部1
6の流入口21とバイパス流路18の流入口19とが互
いに吸気管11の中心軸Cを挟んで近接している。ベン
チュリ管部16内の空気の流速が最も速くなる喉部(絞
り部)から下流側の周壁には、バイパス流路18の流出
口22が形成され、ベンチュリ管部16の下流側、すな
わち喉部の近傍でバイパス流路18の流れ(バイパス
流)がベンチュリ管部16内の流れ(ベンチュリ流)と
合流するようになっている。
【0020】更に、ベンチュリ管部16の下流側周壁に
は、バイパス流路18からのバイパス流が合流する部分
に、該ベンチュリ管部16の流路断面積を拡大する流路
拡大部23[図2(c)及び図3参照]が形成されてい
る。本実施形態では、流路拡大部23は、ベンチュリ管
部16の周方向に沿って略180°の範囲で延在するよ
うに形成されている。尚、流路拡大部23の延在範囲は
略180°に限定されず、これより広くても狭くても良
いが、合流後の流れを円滑にするためには流路拡大部2
3の延在範囲は広い方が良い。
【0021】また、本実施形態では、流路拡大部23の
上流側端面を上流から下流に向けて小径になる円錐面に
よって斜面状に形成することで、バイパス流路18の流
出口22に、バイパス流をベンチュリ管部16の下流側
に向けてガイドするガイド部24[図1(b)参照]が
形成されている。ベンチュリ管部16は、外径が下流側
ほど大きくなるように形成され、ベンチュリ管部16の
外周面と吸気管11の内周面との間の空気流路がベンチ
ュリ管部16の下流側ほど狭くなっている。
【0022】また、ベンチュリ管部16の長さは、流量
測定体15の主流方向の幅よりも若干短く形成されてい
る。これは、ベンチュリ管部16の外径が下流側ほど大
きくなるため、取付穴12内に挿入できるように、ベン
チュリ管部16の下流側の一部をカットしたものであ
る。従って、取付穴12をもう少し大きく形成すれば、
ベンチュリ管部16の長さを流量測定体15の主流方向
の幅と略同一にしても良い。
【0023】この場合、図2(b)に示すように、ベン
チュリ管部16とフランジ部20とを有する流量測定体
15は、3分割の成形型25,26,27により樹脂で
一体成形されている。すなわち、上下方向にスライドす
る第1の成形型25は、流量測定体15の内部を成形
し、左右方向にスライドする第2の成形型26は、ベン
チュリ管部16の外周面と上流側内周面を成形し、同じ
く、左右方向にスライドする第3の成形型27はベンチ
ュリ管部16の下流側内周面を成形する。そして、流量
測定体15の外周面は、第2及び第3の成形型26,2
7によって成形する。
【0024】一方、流量測定体15の上端部に形成され
た型抜き用の開口部は、図1に示すように回路モジュー
ル14で閉鎖されている。この回路モジュール14の下
面には、センサ部を構成する発熱素子29と感温素子3
0とがそれぞれ支持部材31,32によって所定間隔で
組み付けられ、これら発熱素子29と感温素子30とが
バイパス流路18のうちの上端屈曲部よりも上流側寄り
の位置に設置されている。そして、回路モジュール14
の内部には、発熱素子29と感温素子30への通電を制
御する回路基板33が設けられ、回路モジュール14の
側部には、ワイヤハーネス(図示せず)を接続するため
のコネクタ34がインサート成形されている。また、回
路モジュール14の下面側には、吸気温センサ35[図
1(a)参照]が下方に突出するようにインサート成形
され、この吸気温センサ35が流量測定体15の側方に
位置して吸気管11内を流れる空気の温度(吸気温度)
を検出する。
【0025】尚、流量測定体15の上端のフランジ部2
0は回路モジュール14の下面の嵌合凸部36と融着又
は接着等により接合され、嵌合凸部36の外周に装着し
たOリング37によって取付穴12の内周部がシールさ
れている。そして、回路モジュール14の側部に形成し
た固定片部38のネジ挿通孔にネジ39を挿通して吸気
管11に形成した取付フランジ40のネジ孔に締め込む
ことで、空気流量測定装置13をプラグイン方式で吸気
管11の取付穴12に組み付けている。
【0026】以上のように構成した空気流量測定装置1
3では、吸気管11内を流れる空気の一部がバイパス流
路18とベンチュリ管部16に分かれて流入する。バイ
パス流路18に流入した空気(バイパス流)は、ベンチ
ュリ管部16のうちの空気の流速が速くなる下流側で、
ベンチュリ管部16内の空気の流れ(ベンチュリ流)と
合流する。この合流部では、ベンチュリ流によってバイ
パス流路18の流出口22に吸出し力(負圧)が作用
し、バイパス流の流速を速くする。そして、このバイパ
ス流に晒される発熱素子29に供給する電力と感温素子
30で検出する温度とに基づいてバイパス流量ひいては
吸入空気流量を測定する。つまり、発熱素子29の電流
(発熱温度)を感温素子30の検出温度(吸気温度)と
の温度差が一定となるように制御し、そのときの発熱素
子29の電流値によって吸入空気流量を測定する。
【0027】ここで、ベンチュリ管部16内の空気の流
れについて考察する。図4に示すように、ベンチュリ管
部16の喉部(絞り部)の流路断面積をA1 、流出口側
の流路断面積をA2 、流入口と喉部との圧力差をΔP1
、流入口と流出口との圧力差をΔP2 とすると、次式
のような関係がある。 ΔP1 =(A2 /A1 )2 ・ΔP2
【0028】この圧力差ΔP1 ,ΔP2 を実測すると、
図4に示すような測定結果が得られた。ベンチュリ管部
16の流入口からの圧力差は喉部で最大となり、喉部で
ベンチュリ流の流速が最大となる。バイパス流路18の
流出口22に作用する吸出し力(負圧)は、ベンチュリ
流速が速くなるほど大きくなるため、バイパス流路18
の流出口22は、ベンチュリ流速が最大となる喉部付近
に形成することが好ましい。
【0029】但し、図5(b)に示すように、バイパス
流路18の流出口をベンチュリ流に対して直角に形成す
ると、バイパス流路18の流出口でバイパス流がベンチ
ュリ流と直角に衝突して、バイパス流の流勢がそがれ、
バイパス流速が低下してしまう。
【0030】これに対し、図5(a)に示すように、バ
イパス流路18の流出口にバイパス流をベンチュリ管部
16の下流側に向けてガイドするガイド部24を形成す
ると、バイパス流の合流角度がベンチュリ流の流れ方向
に近付いて、バイパス流をスムーズにベンチュリ流に合
流させることができ、合流時の流れの衝突によるバイパ
ス流の流速低下を防ぐことができる。これにより、バイ
パス流路18の流出口に作用する吸出し力(負圧)を有
効に利用してバイパス流速を速くすることができて、図
5(c)の測定結果に示すように、バイパス流速を向上
させることができる。
【0031】以上説明した本実施形態の空気流量測定装
置13によれば、ベンチュリ管部16の長さを流量測定
体15の主流方向の幅と略同一若しくはそれよりも短く
形成したので、空気流量測定装置13全体を小型化でき
て、プラグイン方式による組付けを行うことができる。
従って、空気流量測定装置13の組付箇所は、吸気管1
1に限らず、エアクリーナ、スロットルボディ等、吸気
通路の一部を構成する他の部材でも、所定寸法の取付穴
を形成すれば、空気流量測定装置13を極めて簡単に組
み付けることができ、空気流量測定装置13の共通化・
コストダウンが可能となる。しかも、ベンチュリ管部1
6が小さいため、吸気管11の通気抵抗を小さくでき、
吸気効率を向上できる。
【0032】また、ベンチュリ管部16の下流側でバイ
パス流が合流すると、ベンチュリ管部16内を流れる空
気流量が増加することを考慮し、ベンチュリ管部16の
下流側周壁のうちのバイパス流が合流する部分に流路拡
大部23を形成しているので、合流後の流量増加に見合
った流路断面積を確保できて、合流後の流れを円滑にで
き、バイパス流路18の流出口22に作用する吸出し力
(負圧)を効果的に大きくできる。
【0033】更に、ベンチュリ管部16の外径を下流側
が大きくなるように形成しているので、ベンチュリ管部
16の外周面と吸気管11の内周面との間の空気流路が
ベンチュリ管部16の下流側ほど狭くなる。このため、
吸気管11内の空気流(主流)がベンチュリ管部16の
下流側ほど速くなり、その主流によってベンチュリ管部
16の流出口に作用する吸出し力(負圧)を大きくでき
て、ベンチュリ管部16内の空気の流速を速くでき、バ
イパス流路18の流出口に作用する吸出し力(負圧)を
大きくできる。
【0034】また、流量測定体15の上端部に一体成形
したフランジ部20を吸気管11の取付穴12の周縁部
に係止させるようにしたので、万一、流量測定体15と
回路モジュール14との接合が剥がれたとしても、吸気
管11内に流量測定体15やOリング37が脱落して内
燃機関に吸い込まれることがフランジ部20によって確
実に防止され、故障を未然に防止できる。
【0035】また、吸気管11内の主流の速度分布が吸
気管11の曲りによって変化することを考慮し、ベンチ
ュリ管部16の流入口21とバイパス流路18の流入口
19とを吸気管11の中心軸Cを挟んで近接させている
ので、吸気管11の曲り等によって主流の速度分布が変
化しても平均的なバイパス流を確保でき、安定した流量
測定を行うことができる。
【0036】尚、本発明は、内燃機関の吸入空気量を測
定する装置に限定されず、種々の空気通路を流れる空気
流量を測定する装置として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態における空気流量
測定装置の組付状態を示す縦断左側面図、(b)は同縦
断正面図である。
【図2】(a)は流量測定体とベンチュリ管部との一体
成形品の左側面図、(b)は3分割の成形型による成形
時の状態を示すA−A断面図、(c)は一体成形品の右
側面図である。
【図3】ベンチュリ管部と流量測定体の下部を示す斜視
図である。
【図4】ベンチュリ管部の流入口からの圧力差と吸気管
流量との関係を説明する図である。
【図5】バイパス流路の流出口に形成するガイド部の作
用を説明する図である。
【符号の説明】
11…吸気管、12…取付穴、13…空気流量測定装
置、14…回路モジュール、15…流量測定体、16…
ベンチュリ管部、17…接合壁、18…バイパス流路、
20…フランジ部、23…流路拡大部、24…ガイド
部、25…第1の成形型、26…第2の成形型、27…
第3の成形型、29…発熱素子(センサ部)、30…感
温素子(センサ部)、35…吸気温センサ、37…Oリ
ング、40…取付フランジ。
フロントページの続き (72)発明者 河野 泰 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気通路の周壁に形成された取付穴から
    空気通路に挿入して取り付けられる流量測定体と、 前記流量測定体内に形成され、前記空気通路内を流れる
    空気の一部を該流量測定体の側面に形成された流入口か
    ら流入させて該流量測定体内を通過させるバイパス流路
    と、 前記バイパス流路内に設置され、空気の流量を測定する
    センサ部と、 前記流量測定体に支持され、前記空気通路内の空気流れ
    方向に略平行に形成されて前記空気通路内を流れる空気
    の一部を通過させるベンチュリ管部とを備え、 前記バイパス流路の流出口を前記ベンチュリ管部の周壁
    のうちの空気の流速が速くなる部分近傍に形成すると共
    に、前記ベンチュリ管部の長さを前記空気通路内の空気
    流れ方向の前記流量測定体の幅と略同一若しくはそれよ
    りも短く形成したことを特徴とする空気流量測定装置。
  2. 【請求項2】 前記バイパス流路は、前記流量測定体内
    に逆U字状に形成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の空気流量測定装置。
  3. 【請求項3】 前記ベンチュリ管部の下流側周壁には、
    前記バイパス流路からのバイパス流が合流する部分に、
    該ベンチュリ管部の流路断面積を拡大する流路拡大部が
    形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の空気流量測定装置。
  4. 【請求項4】 前記流路拡大部は、前記ベンチュリ管部
    の周方向に沿って延在していることを特徴とする請求項
    3に記載の空気流量測定装置。
  5. 【請求項5】 前記バイパス流路の流出口には、バイパ
    ス流を前記ベンチュリ管部の下流側に向けてガイドする
    ガイド部が形成されていることを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれかに記載の空気流量測定装置。
  6. 【請求項6】 前記流量測定体の取付側端部には、前記
    空気通路の周壁の取付穴周縁部に係止されるフランジ部
    が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれかに記載の空気流量測定装置。
  7. 【請求項7】 前記流量測定体と前記ベンチュリ管部と
    は、3分割の成形型により樹脂で一体成形され、前記流
    量測定体の取付側端部に形成された型抜き用の開口部
    は、前記センサ部を組み付けた回路モジュールで閉鎖さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに
    記載の空気流量測定装置。
  8. 【請求項8】 空気通路内に設置され、該空気通路内を
    流れる空気の一部を流入させるバイパス流路と、 前記バイパス流路内に設置され、空気の流量を測定する
    センサ部と、 前記空気通路内に空気の流れ方向に略平行に設置され、
    該空気通路内を流れる空気の一部を通過させるベンチュ
    リ管部とを備え、 前記バイパス流路の流出口を前記ベンチュリ管部の周壁
    のうちの空気の流速が速くなる部分近傍に形成すると共
    に、該ベンチュリ管部の下流側周壁には、前記バイパス
    流路からのバイパス流が合流する部分に、該ベンチュリ
    管部の流路断面積を拡大する流路拡大部を形成したこと
    を特徴とする空気流量測定装置。
  9. 【請求項9】 前記ベンチュリ管部を外径が下流側ほど
    大きくなるように形成したことを特徴とする請求項8に
    記載の空気流量測定装置。
  10. 【請求項10】 前記ベンチュリ管部の流入口と前記バ
    イパス流路の流入口とは、互いに前記空気通路の中心軸
    を挟んで近接していることを特徴とする請求項8又は9
    に記載の空気流量測定装置。
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