JPH09285275A - イカスミを用いたレトルト食品 - Google Patents

イカスミを用いたレトルト食品

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JPH09285275A
JPH09285275A JP8124029A JP12402996A JPH09285275A JP H09285275 A JPH09285275 A JP H09285275A JP 8124029 A JP8124029 A JP 8124029A JP 12402996 A JP12402996 A JP 12402996A JP H09285275 A JPH09285275 A JP H09285275A
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retort
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裕 白井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱殺菌処理時にイカスミの凝集が生じず、
斑のない良好な色調および外観を有し、しかもざらつき
のない滑らかな食感を有し、パスタなどの麺類や米飯に
かけたりまぶしたりしたときに麺類や米飯へののりのよ
いイカスミを用いたレトルト食品を提供すること。 【解決手段】 イカスミと共に、ワキシーコーンスター
チ、キサンタンガムおよびタマリンドガムのうちの少な
くとも1種を用いてなる本発明のレトルト食品によっ
て、上記の目的が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イカスミを用いた
レトルト食品に関する。より詳細には、本発明はイカス
ミの凝集がなく、そのため麺類や米飯へののりが良好
で、ざらつきのない滑らかな食感を有するイカスミを用
いたレトルト食品に関する。
【0002】
【従来の技術】イカやタコなどの頭足類は腺組織である
墨汁嚢中に墨汁を有しており、イカ墨汁は一般に“イカ
スミ”と称されている。イカスミの主体はメラニンで毛
髪メラニンと性質がよく一致しており、蛋白質とムコ多
糖類が結合した高分子化合物であることが知られてい
る。イカスミは防腐効果を有し、また特有の味を有して
いるところから、防腐および特有の嗜好の付与などの目
的でイカ塩辛の一種である黒作りになどに用いられてい
る。しかしながら、その独特の墨色、味などによって、
一般の食品への利用は従来殆ど行われておらず、イカス
ミを用いた塩辛以外の食品としては、イカスミ入りカレ
ーソースに関する提案がなされている程度である(特開
平6−315363号公報)。
【0003】一方、近年、食生活の即席化などによって
種々のレトルト食品が開発・販売されており、その需要
がますます伸びている。それに伴って、レトルト食品の
品種の多様化に対する消費者の要望も強く、従来のレト
ルト食品にはない、新しくて美味な食感および食味を有
するレトルト食品の開発が求められている。
【0004】
【発明の内容】上記のような状況下に、本発明者らは、
イカスミを用いて、従来のレトルト食品にはない、新し
くて美味な食感および食味を有するレトルト食品を開発
することを目的として研究を続けてきた。そして、イカ
スミをレトルト食品用の材料中に単にそのまま加えて加
熱殺菌処理すると、加熱殺菌時の高温によってイカスミ
に凝集が生じて、斑のある不良な色調、ざらついた不良
な食感になり、しかも麺類や米飯へののりが不均一にな
り、高品質のレトルト食品が得られないことが判明し
た。そこで、さらに検討を重ねたところ、イカスミと共
に、ワキシーコーンスターチ、キサンタンガムおよびタ
マリンドガムのうちの少なくとも1種を用いてレトルト
食品を製造すると、高温で加熱殺菌処理してもイカスミ
の凝集が生じず、色斑が生じず、滑らかで良好な食感を
有して、しかも麺類や米飯へののりの良い、レトルト食
品が得られることを見出して本発明を完成した。
【0005】したがって、本発明は、イカスミと共に、
ワキシーコーンスターチ、キサンタンガムおよびタマリ
ンドガムのうちの少なくとも1種を用いたことを特徴と
するレトルト食品である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明のレトルト食品で用いるイカスミは、イカ
から得られる墨汁であればいずれでもよく、イカの種
類、イカスミの回収方法、イカスミの処理方法、イカス
ミの形態などは特に制限されない。本発明で用いるイカ
スミの例としては、スルメイカ、モンゴウイカ、ヤリイ
カ、ホタルイカ、アオリイカなどから得られるイカス
ミ、またはそれらの混合物などを挙げることができる。
また、本発明で用いるイカスミは、例えば、イカから回
収した液状のままのもの、乾燥して粉末状にしたもの、
冷凍したもの、液状のまま殺菌処理したもの、酸添加に
よりpHを調整したもの、食塩を添加して常温流通を可
能にしたものなどのいずれであってもよい。そのうちで
も、イカから回収した液状のままのもの、またはこれを
凍結したものを用いるのが風味の点から好ましい。ま
た、本発明においては、イカスミの代わりに、またはイ
カスミと共に、同じ頭足類であるタコから得られる墨汁
を用いてもよく、したがって本発明でいう「イカスミ」
は、イカの墨汁(狭義のイカスミ)およびタコの墨汁の
両方を包含する。
【0007】そして、本発明における「レトルト食品」
は、安全性、衛生性、密封性などに優れ且つ高温での加
熱殺菌に耐え得る食品用容器に食品を充填して密封前ま
たは密封後に加熱殺菌処理して得られる包装容器入りの
食品をいう。本発明のレトルト食品では、食品の種類は
特に制限されず、イカスミの風味を活かすことのできる
食品であればいずれであってもよい。特に、パスタソー
ス、リゾットなどの雑炊、シチュー、カレー、スープな
どにイカスミを加えると、イカスミの風味を活かして、
従来にない新鮮で且つ美味な食品を得ることができるの
で、本発明のレトルト食品は、それらの食品からなるレ
トルト食品であるのが好ましい。
【0008】また、本発明では、レトルト食品に用いる
包装容器の種類、材質、構造、形態、大きさなどは何ら
制限されず、レトルト食品に従来から用いられている包
装容器のいずれもが使用でき、例えばプラスチックフイ
ルムやシート、プラスチックと金属箔や紙などとの複合
材料からなるレトルトパウチ、ガラスやプラスチック製
のビン、金属缶などを用いることができる。
【0009】レトルト食品におけるイカスミの使用量
は、レトルト食品の種類などに応じて調整し得るが、一
般に、レトルト食品の全重量に基づいて、イカスミを乾
物換算で0.5〜10.0重量%の割合で用いるのが好
ましく、1〜5重量%の割合で用いるのがより好まし
い。一般に、イカスミの使用量が前記した0.5重量%
未満であるとイカスミの風味や食感をレトルト食品に付
与しにくくなり、一方10.0重量%を超えるとイカス
ミの風味や食感が強くなり過ぎて、それぞれの食品本来
の風味、食感、食味が損なわれ易くなる。
【0010】そして、本発明のレトルト食品では、イカ
スミと共に、ワキシーコーンスターチ、キサンタンガム
およびタマリンドガムのうちの少なくとも1種を用いる
ことが必要である。ワキシーコーンスターチ、キサンタ
ンガムおよびタマリンドガムのうちの少なくとも1種を
用いずに、イカスミだけを用いてレトルト食品を製造す
ると、レトルト食品の製造時における高温での加熱殺菌
処理によってイカスミの凝集が生じて、ざらついた不良
な食感となり、しかもイカスミを含有するレトルト食品
を麺類や米飯にかけたり、まぶしたり、米などと一緒に
調理したときに、麺類や米飯へののりが不均一になる。
【0011】イカスミと共に用いるワキシーコーンスタ
ーチ、キサンタンガムおよび/またはタマリンドガム
は、食品に使用可能なものであればいずれも使用でき、
その調製法などは特に制限されない。また、ワキシーコ
ーンスターチ、キサンタンガムおよび/またはタマリン
ドガムの使用量は、レトルト食品の種類などに応じて調
整することができるが、一般に、レトルト食品の全重量
に基づいて、0.05〜5.0重量%での割合で使用す
る(2種以上を併用する場合はその合計使用量)のが、
好ましく0.1〜3.0重量%の割合で使用するのがよ
り好ましい。ワキシーコーンスターチ、キサンタンガム
および/またはタマリンドガムの使用量が前記した0.
05重量%未満であると加熱殺菌処理の際にイカスミの
凝集を防止できにくくなり、一方該使用量が前記した
5.0重量%を超えると、レトルト食品の粘性が高くな
り、べとついた食感となり易い。
【0012】特に、ワキシーコーンスターチを用いる場
合は、レトルト食品の全重量に基づいて、その使用量が
0.1〜5.0重量%であるのがより好ましく、0.3
〜3.0重量%であるのが更に好ましい。また、キサン
タンガムを用いる場合は、レトルト食品の全重量に基づ
いて、その使用量が0.05〜3.0重量%であるのが
より好ましく、0.1〜2.0重量%であるのが更に好
ましい。また、タマリンドガムを用いる場合は、レトル
ト食品の全重量に基づいて、その使用量が0.05〜
3.0重量%であるのがより好ましく、0.1〜2.0
重量%であるのがより好ましい。
【0013】さらに、本発明では、上記したワキシーコ
ーンスターチ、キサンタンガムおよび/またはタマリン
ドガムと共に、必要に応じて、穀粉類(例えば小麦粉、
米粉、大麦粉、トウモロコシ粉、大豆粉、そば粉な
ど)、ワキシーコーンスターチ以外の澱粉類(例えば馬
鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、米澱粉、小
麦澱粉など)、キサンタンガムおよびタマリンドガム以
外の増粘多糖類(例えばグアガム、カラギーナン、ロー
カストビーンガムなど)のうちの1種または2種以上を
用いることができる。これらの穀粉類、他の澱粉類およ
び/または他の増粘多糖類を併用する場合は、その使用
量を、一般にレトルト食品の全重量に基づいて、穀粉類
および/または他の澱粉類の場合は5重量%以下に、ま
た他の増粘多糖類の場合は1重量%以下にしておくのが
好ましく、前記範囲を超えると加熱殺菌処理時に白濁、
過度の粘度増加などを生ずる場合がある。
【0014】本発明のレトルト食品では、レトルト食品
の製造に用いる食品素材などは特に制限されず、上記し
たイカスミ並びにワキシーコーンスターチ、キサンタン
ガムおよび/またはタマリンドガムを用いる以外は、そ
れぞれのレトルト食品において従来から用いられている
食品素材を用いて製造すればよい。上記したように、本
発明のレトルト食品がスパゲティーなどのパスタ類用の
ソース、リゾットなどのような雑炊、シチュー、カレ
ー、スープなどの食品である場合には、イカスミの風味
や食味を一層良好に活かしたものにすることができ、そ
れらの食品では、各食品に従来から用いられている野菜
類、肉類、魚介類、調味料、香辛料、アルコール類、そ
の他の食品材料を用いて製造することができる。
【0015】また、本発明のレトルト食品の調理法も特
に制限されず、それぞれのレトルト食品において従来か
ら採用されているのと同様の調理法で製造することがで
きる。その際に、イカスミの添加は、調理の初期段階か
ら最終段階のいずれの段階で加えてもよいが、調理の初
期の段階で加えるのが調理液の均一な分散、溶解の点か
ら好ましい。また、ワキシーコーンスターチ、キサンタ
ンガムおよび/またはタマリンドガムも、調理液の温度
が未だ高くなっていない初期の段階で添加するのが、ダ
マの発生防止、料理液への均一な溶解、イカスミの凝集
防止などの点から好ましい。また、限定されるものでは
ないが、本発明のレトルト食品が、例えばリゾットなど
の雑炊の場合は、容器に充填する直前に調理液に生米を
加えて加熱殺菌処理するのがよく、その際に生米として
タイ米などのようなインディカ米(長粒米)を使用する
と、米粒のくずれがなくて、サラサラとして粘りのな
い、良好な食感および食味を有する容器入りの即席リゾ
ットを円滑に得ることができる。
【0016】また、本発明のレトルト食品の製造に当た
っては、調理済みまたは半調理状態の食品の容器への充
填法も特に制限されず、レトルト食品の製造において従
来から採用されているのと同様の方法によって行うこと
ができ、例えば公知のロータリー式自動充填包装機、ピ
ストン式定量自動充填包装機などを使用して行うことが
できる。容器に充填する食品が固液分離の生じやすいも
のである場合は、撹拌下に充填を行うのよい。また、場
合によっては、固形物と液状物を別々に一つの容器に充
填するようにしてもよい。
【0017】そして、容器に充填し密封する前または密
封した後に、加熱殺菌処理(レトルト処理)を行う。加
熱殺菌処理は、レトルト食品において従来から用いられ
ているのと同様の方法、装置および条件を採用して行う
ことができ、一般に、90〜140℃、好ましくは10
2〜130℃の温度で5〜100分間、好ましくは10
〜60分間加熱殺菌処理を行えばよい。そして、そのよ
うな加熱殺菌処理によって、容器中の食品に含まれてい
たり、容器に付着している菌類の殺菌が行われて、長期
間保存可能な本発明のレトルト食品が得られる。
【0018】上記により得られる本発明のレトルト食品
は、容器から取り出してそのままで喫食または使用で
き、或いは容器に入れたまま又は容器から取り出して加
熱して喫食または使用することができる。そして、本発
明のレトルト食品では、イカスミの凝集が生じていない
ことにより、ざらつきのない滑らかな食感を有し、麺類
や米飯へなどにかけたりまぶしたりして用いる場合は、
麺類や米飯へののりが良好である。また、本発明のレト
ルト食品は、必要に応じて、料理済みのパスタなどの麺
類、薬味や具材などを別添または分離包装の形態で有し
ていてもよい。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが本発明はそれにより限定されない。以下の例に
おいて、特に断らない限りは、%は重量%を示す。
【0020】《試験例 1》 (1) イカスミ(白井松新薬社製「イカスミ」;冷凍
品)2重量部、下記の表1に記載する添加成分(穀粉
類、澱粉または増粘多糖類のうちの1種)4重量部およ
び水194重量部を混合した後、レトルトパウチに20
0g/袋の割合で充填し、密封後に温度130℃、圧力
1.8kg/cm2の条件下に13分間加熱殺菌処理を
行った。 (2) 上記(1)の加熱殺菌処理物を室温下に120
分間放冷した後、レトルトパウチを開封して、内容物の
凝集性および食感を下記の表1に示す評価基準にしたが
って10名のパネラーに評価してもらい、その平均値を
採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0021】
【表1】 レトルトパウチの内容物の品質の評価基準 凝集性: 4点:イカスミの凝集が全くなく、液状物部分に色斑が全くない。 3点:イカスミの凝集がわずかに生じており、液状物部分に僅かな色斑があ る。 2点:イカスミの凝集がかなり生じており、液状物部分にかなり色斑がある。 1点:イカスミの凝集が著しく、液状物部分での色斑が大きい。 食 感: 4点:ざらつきのない、極めて良好な食感である。 3点:ほぼざらつきのない、ほぼ良好な食感である。 2点:ざらつきがあり、不良な食感である。 1点:ざらつきが大きく、極めて不良な食感である。
【0022】
【表2】 実験 レトルトパウチの内容物の品質 番号 添加成分の種類 凝 集 性 食 感 ワキシーコーンスターチ 3.9 3.5 キサンタンガム 3.9 3.7 タマリンドガム 3.8 3.8 小 麦 粉 1.81) 2.3 馬鈴薯澱粉 1.2 1.4 小麦澱粉 1.7 1.6 グアガム 2.5 1.32) カラギーナン 1.8 1.6 無添加 1.1 1.5 1) 白濁しており、食品の種類により使用できず 2) 曳糸性が強く、食感が不良
【0023】上記の表2の結果から、イカスミと共にワ
キシーコーンスターチ、キサンタンガムまたはタマリン
ドガムを用いて高温での加熱殺菌処理を行った実験番号
〜の場合には、イカスミの凝集が生じず、滑らかな
食感となるのに対して、それら以外の穀粉類、澱粉類ま
たは増粘多糖類を用いた実験番号〜の場合はイカス
ミの凝集が生じ、色調および食感とも不良になることが
わかる。
【0024】《実施例 1》[容器入りリゾットの製
造] (1) ニンニク30重量部およびタマネギ300重量
部をオリーブ油60重量部で炒めた後、イカスミ(白井
松新薬社製「イカスミ」;冷凍品)4重量部、トマトペ
ースト16重量部、食塩10重量部、調味料20重量
部、香辛料1重量部、イカ細片400重量部、ワキシー
コーンスターチ20重量部および水935重量部を加
え、85℃で5分間加熱調理した。 (2) 上記(1)で調理したものに、洗って水切りし
た生米を204重量部を加えて、ロータリー式自動充填
装置を用いて撹拌下にレトルトパウチに250g/袋の
割合で充填し、密封した後、熱水式の加熱殺菌処理装置
(日阪製作所製「フレーバーエースRCS130/40
RTG」)を用いて、温度130℃、圧力1.8kg/
cm2の条件下に13分間加熱殺菌処理して、レトルト
パウチ入りのリゾットを製造した。 (3) 上記(2)で得られたレトルトパウチ入りのリ
ゾットを、室温で4週間保存した後、開封して10名の
パネラーにより上記の表1に示す評価基準にしたがって
評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表
3に示すとおりであった。
【0025】《比較例 1》[容器入りリゾットの製
造] (1) ニンニク30重量部およびタマネギ300重量
部をオリーブ油60重量部で炒めた後、実施例1で用い
たのと同じイカスミ4重量部、トマトペースト16重量
部、食塩10重量部、調味料20重量部、香辛料1重量
部、イカ細片400重量部、小麦粉40重量部および水
915重量部を加え、85℃で5分間加熱調理した。 (2) 上記(1)で調理したものに、洗って水切りし
た生米を204重量部を加えて、実施例1で使用したの
と同じ充填装置を用いて撹拌下にレトルトパウチに25
0g/袋の割合で充填し、密封した後、実施例1で使用
したのと同じ熱水式の加熱殺菌処理装置を用いて、温度
130℃、圧力1.8kg/cm2の条件下に13分間
加熱殺菌処理して、レトルトパウチ入りのリゾットを製
造した。 (3) 上記(2)で得られたレトルトパウチ入りのリ
ゾットを、室温で4週間保存した後、開封して10名の
パネラーにより上記の表1に示す評価基準にしたがって
評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表
3に示すとおりであった。
【0026】《実施例 2》[容器入りパスタソースの
製造] (1) ニンニク30重量部およびタマネギ150重量
部をオリーブ油30重量部で炒めた後、実施例1で使用
したのと同じイカスミ50重量部、アンチョビー50重
量部、トマトピューレ50重量部、食塩10重量部、ブ
イヨン300重量部、香辛料0.5重量部、イカ細片2
00重量部、キサンタンガム3重量部、白ワイン50重
量部および水75.5重量部を加え、85℃で5分間加
熱調理した。 (2) 上記(1)で調理したものを、実施例1で使用
したのと同じ充填装置を用いてレトルトパウチに250
g/袋の割合で充填し、密封した後、実施例1で使用し
たのと同じ熱水式の加熱殺菌処理装置を用いて、温度1
30℃、圧力1.8kg/cm2の条件下に13分間加
熱殺菌処理して、レトルトパウチ入りのパスタソースを
製造した。 (3) 上記(2)で得られたレトルトパウチ入りのパ
スタソースを、室温で4週間保存した後、開封して10
名のパネラーにより上記の表1に示す評価基準にしたが
って評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記
の表3に示すとおりであった。
【0027】《比較例 2》[容器入りパスタソースの
製造] (1) ニンニク30重量部およびタマネギ150重量
部をオリーブ油30重量部で炒めた後、実施例1で使用
したのと同じイカスミ50重量部、アンチョビー50重
量部、トマトピューレ50重量部、食塩10重量部、ブ
イヨン300重量部、香辛料0.5重量部、イカ細片2
00重量部、コーンスターチ30重量部、白ワイン50
重量部および水48.5重量部を加え、85℃で5分間
加熱調理した。 (2) 上記(1)で調理したものを、実施例1で使用
したのと同じ充填装置を用いてレトルトパウチに250
g/袋の割合で充填し、密封した後、実施例1で使用し
たのと同じ熱水式の加熱殺菌処理装置を用いて、温度1
30℃、圧力1.8kg/cm2の条件下に13分間加
熱殺菌処理して、レトルトパウチ入りのパスタソースを
製造した。 (3) 上記(2)で得られたレトルトパウチ入りのパ
スタソースを、室温で4週間保存した後、開封して10
名のパネラーにより上記の表1に示す評価基準にしたが
って評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記
の表3に示すとおりであった。
【0028】《実施例 3》[容器入りトマトシチュー
の製造] (1) タマネギ200重量部をオリーブ油30重量部
で炒めた後、実施例1で使用したのと同じイカスミ20
重量部、トマトピューレ300重量部、食塩10重量
部、香辛料1重量部、タマリンドガム5重量部、白ワイ
ン100重量部およびブイヨン314重量部を加え、こ
れに更にブラウンルー(ラードと小麦粉とを等重量で用
いて褐色になるまで炒めたもの)20重量部を加えて、
85℃で5分間加熱調理して調味液を調製した。 (2) レトルトパウチ1個当たり、ムキエビ2個(1
個約15g)、イカ片2個(1個約10g)、ジャガ芋
片3個(1個約10g)およびニンジン片2個(1個約
10g)を入れた後、実施例1で使用したのと同じ充填
装置を用いて上記(1)で調製した調味液を200g/
袋の割合で充填し、密封した後、実施例1で使用したの
と同じ熱水式の加熱殺菌処理装置を用いて、温度121
℃、圧力2.1kg/cm2の条件下に40分間加熱殺
菌処理して、レトルトパウチ入りの魚介類を用いたトマ
トシチューを製造した。 (3) 上記(2)で得られたレトルトパウチ入りのト
マトシチューを、室温で4週間保存した後、開封して1
0名のパネラーにより上記の表1に示す評価基準にした
がって評価してもらい、その平均値を採ったところ、下
記の表3に示すとおりであった。
【0029】《比較例 3》[容器入りトマトシチュー
の製造] (1) タマネギ200重量部をオリーブ油30重量部
で炒めた後、実施例1で使用したのと同じイカスミ20
重量部、トマトピューレ300重量部、食塩10重量
部、香辛料1重量部、馬鈴薯澱粉20重量部、白ワイン
100重量部およびブイヨン299重量部を加え、これ
に実施例3で使用したのと同じブラウンルー20重量部
を加えて、85℃で5分間加熱調理して調味液を調製し
た。 (2) レトルトパウチ1個当たり、ムキエビ2個(1
個約15g)、イカ片2個(1個約10g)、ジャガ芋
片3個(1個約10g)およびニンジン片2個(1個約
10g)を入れた後、実施例1で使用したのと同じ充填
装置を用いて上記(1)で調製した調味液を200g/
袋の割合で充填し、密封した後、実施例1で使用したの
と同じ熱水式の加熱殺菌処理装置を用いて、温度121
℃、圧力2.1kg/cm2の条件下に40分間加熱殺
菌処理して、レトルトパウチ入りの魚介類を用いたトマ
トシチューを製造した。 (3) 上記(2)で得られたレトルトパウチ入りのト
マトシチューを、室温で4週間保存した後、開封して1
0名のパネラーにより上記の表1に示す評価基準にした
がって評価してもらい、その平均値を採ったところ、下
記の表3に示すとおりであった。
【0030】
【表3】 レトルト食品の品質 食品の種類 添加成分 凝集性 食 感 実施例1 リゾット ワキシーコーンスターチ 3.9 3.7 比較例1 リゾット 小 麦 粉 1.8 2.5 実施例2 パスタソース キサンタンガム 3.8 3.9 比較例2 パスタソース コーンスターチ 1.5 2.2 実施例3 トマトシチュー タマリンドガム 3.9 3.8 比較例3 トマトシチュー 馬鈴薯澱粉 2.0 2.3
【0031】上記の表3の結果から、イカスミと共にワ
キシーコーンスターチ、キサンタンガムまたはタマリン
ドガムを用いてレトルトパウチ入りのリゾット、パスタ
ソースまたはトマトシチューを製造している実施例1〜
実施例3の場合には、高温での加熱殺菌処理を行って
も、イカスミの凝集が生じず、食感および外観の良好な
レトルトパウチ入りのリゾット、パスタソースまたはト
マトシチューが得られることがわかる。それに対して、
小麦粉、コーンスターチまたは馬鈴薯澱粉を用いた比較
例1〜比較例3のレトルトパウチ入りのリゾット、パス
タソースまたはトマトシチューの場合は、高温での加熱
殺菌処理によってイカスミの凝集が生じ、色調および食
感とも不良になることがわかる。
【0032】
【発明の効果】本発明のレトルト食品においては、加熱
殺菌処理時にイカスミの凝集が生じないため、斑のない
良好な色調および外観を有し、ざらつきのない滑らかな
食感を有し、しかもパスタなどの麺類や米飯にかけたり
まぶしたりして食する場合は麺類や米飯へののりが良好
である。本発明による場合は、イカスミを用いているこ
とによって、従来のレトルト食品にない、新しくて、し
かも食感および食味に優れるレトルト食品を提供するこ
とができる。イカスミは、蛋白質の1種であるため栄養
的にも優れており、しかも防腐作用を有しているので、
そのようなイカスミを用いている本発明のレトルト食品
は、栄養面および保存性においても優れている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イカスミと共に、ワキシーコーンスター
    チ、キサンタンガムおよびタマリンドガムのうちの少な
    くとも1種を用いたことを特徴とするレトルト食品。
  2. 【請求項2】 レトルト食品の全重量に基づいて、イカ
    スミ(乾物換算)を0.5〜10.0重量%、並びにワ
    キシーコーンスターチ、キサンタンガムおよびタマリン
    ドガムのうちの少なくとも1種を0.05〜5.0重量
    %の割合で用いた請求項1のレトルト食品。
  3. 【請求項3】 穀粉類、ワキシーコーンスターチ以外の
    澱粉類、並びにキサンタンガムおよびタマリンドガム以
    外の増粘多糖類のうちの少なくとも1種を更に用いた請
    求項1または2のレトルト食品。
  4. 【請求項4】 レトルト食品が、パスタソース、雑炊、
    シチュー、カレー、またはスープである請求項1〜3の
    いずれか1項のレトルト食品。
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