JP2009022171A - 魚類加工品およびその製造方法、ならびに魚類加工パック品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本魚類加工品の製造方法は、生または前処理された魚類を水蒸気により加熱する工程S11と、水蒸気により加熱された魚類を熱風により加熱する工程S12とを備える。本発明にかかる魚類加工品の製造方法において、熱風により加熱された魚類を脱気包装する工程S20と、脱気包装された魚類を冷凍する工程S30とをさらに備えることができる。
【選択図】図1
Description
本発明にかかる魚類加工品の製造方法の一実施形態は、図1を参照して、生または前処理された魚類を水蒸気により加熱する工程S11と、水蒸気により加熱された上記魚類を熱風により加熱する工程S12とを備える。かかる2つの加熱工程を備えることにより、中身がしっとりし表面がぱりっとした食感を有する魚類加工品が得られる。
本実施形態に用いられる魚類は、生であっても、前処理がされていてもよい。生の魚類とは未だ加熱処理されていない魚類を含み、さらに、加熱処理を経ないで冷蔵、冷凍またはパーシャルフリージングされた状態の魚類も含む。
図1を参照して、本実施形態において、生または前処理された魚類は、水蒸気により加熱される。かかる水蒸気により加熱する工程S11により、生または前処理された魚類をその水分を保持したまま加熱することが可能となり、中身がしっとりとした魚類加工品が得られる。
図1を参照して、本実施形態において、水蒸気中により加熱された魚類は、熱風により加熱される。かかる熱風により加熱する工程S12により、表面をぱりっとさせ、また、表面に適度の焦げ目を入れることができる。
図1を参照して、本実施形態において、熱風により加熱された魚類は、室温(約25℃)まで冷却された後、脱気包装される。かかる脱気包装する工程により、魚類加工品の取り扱いが容易になる。脱気包装する方法には、特に制限はないが、たとえば図4を参照して、第1の包装容器15内に魚類加工品11とそれを載せるトレー13とを配置した後、第1の包装容器15内を脱気して密封する。包装容器15が剛性のないものであれば、魚類加工品11およびトレー13はこれらに引き寄せられた包装容器15により固定される。こうして、魚類加工品11およびトレー13が包装容器15により脱気包装された魚類加工パック品が得られる。
図1を参照して、本実施形態において、脱気包装された魚類は冷凍される。かかる冷凍する工程により、魚類加工品の長期保存が可能になる。ここで、冷凍温度には、特に制限はないが、魚類加工品の長期保存の観点から、−18℃以下が好ましく、−40℃以下がより好ましい。また、魚類加工品は、長期保存の観点から、保管過程、流通過程および販売過程のいずれの過程においても、冷凍状態であることが好ましい。
本発明にかかる魚類加工品の一実施形態は、実施形態1の製造方法により得られたものである。本実施形態の魚類加工品は、その製造工程において生または前処理された魚類を水蒸気により加熱する工程および水蒸気により加熱された魚類を熱風により加熱する工程を備えるため、電子レンジなどで加熱することにより中身がしっとりし表面がぱりっとした食感が得られる。また、本実施形態の魚類加工品は、その製造工程において、熱風により加熱された魚類を脱気包装する工程および脱気包装された魚類を冷凍する工程をさらに備えるため、長期に保存することができ、さらに電子レンジなどで加熱して暖めることにより中身がしっとりし表面がぱりっとした食感が得られる。
本発明にかかる魚類加工パック品の一実施形態は、図4を参照して、実施形態2の魚類加工品11と、魚類加工品11を載せるトレー13と、魚類加工品11およびトレー13を脱気包装する第1の装容器15とを備える。本実施形態の魚類加工パック品40は、トレー13上に魚類加工品11が載せられているので、開封後そのままトレー13上で魚類加工品11を食することができる。また、本実施形態の魚類加工パック品40は、魚類加工品11が脱気包装され冷凍されているため、長期保存が可能であり、また電子レンジなどで暖めることにより、そのまま食することができる。
本発明にかかる魚類加工パック品の他の実施形態は、図5を参照して、実施形態2の魚類加工品11と、魚類加工品11を載せるトレー13と、魚類加工品11およびトレー13を脱気包装する第1の包装容器15と、薬味21と、薬味21を脱気包装する第2の包装容器25とを備え、第1の包装容器15と第2の包装容器25とが分離可能なように配置されている。本実施形態の魚類加工パック品50は、実施形態3の魚類加工パック品40と同様に、長期保存が可能であり、また電子レンジなどで暖めることにより開封後そのまま食することができる。また、脱気包装された薬味21が必要量だけ備えられているため、開封後に魚類加工品11をよりおいしく食することができる。
さんまみりんを、腹を下向きにして、ジェットオーブン(株式会社フジマック製FGJOA5)を用いて、加熱温度170℃、熱風流量10.5m/秒、および加熱時間3.33分(3分20秒)の条件で加熱した。次に、加熱したさんまみりんを腹を上向きにして室温(25℃)まで冷却した後、PP/PAフィルムで脱気包装して、−40℃で24時間冷凍保存した。次に、脱気包装された冷凍さんまみりんを500Wの電子レンジで60秒間加熱して暖め、10人のパネラーが食して評価を行なった。比較例1のさんまみりんは、中身は水分が極めて少なくなって固くなりまた表面の焦げ目が極めて多くなり、パネラーによる総合評価は不可であった。結果を表1にまとめた。
さんまみりんを、スチームコンベクションオーブン(株式会社エフ・エム・アイ製OES−6.10)を用いて、腹を下向きにして、加熱温度105℃、水蒸気100%、加熱時間6.0分の条件で加熱した。次に、ジェットオーブン(株式会社フジマック製FGJOA5)を用いて、腹を下向きにして、加熱温度170℃、熱風流量10.5m/秒、および加熱時間2.0分の条件で加熱した。次に、加熱したさんまみりんを比較例1と同様にして、室温まで冷却し、脱気包装し、冷凍保存した。次に、脱気包装された冷凍さんまみりんを比較例1と同様にして暖め、10人のパネラーが食して総合評価を行なった。実施例1のさんまみりんは、比較例1に比べ食感(この食感とは、魚類加工品の中身がしっとりし表面がぱりっとした食感をいう。以下、実施例において同じ。)が向上し、パネラーによる総合評価は可であった。ただし、さんまみりんは中身の水分が多く表面の焦げ目がほとんどなかった。結果を表1にまとめた。
スチームコンベクションオーブンを用いた加熱の条件を、加熱温度110℃、水蒸気100%、加熱時間5.0分としたこと以外は、実施例1と同様にして、スチームコンベクションオーブンを用いた加熱、ジェットオーブンを用いた加熱、室温までの冷却および脱気包装、冷凍保存を行なった。次に、脱気包装された冷凍さんまみりんを比較例1と同様にして暖め、10人のパネラーが食して総合評価を行なった。実施例2のさんまみりんは、比較例1に比べ食感がたいへん向上し、パネラーによる総合評価は良であった。ただし、さんまみりんは中身の水分が多めで表面の焦げ目が少なかった。結果を表1にまとめた。
スチームコンベクションオーブンを用いた加熱の条件を、加熱温度115℃、水蒸気100%、加熱時間4.5分としたこと以外は、実施例1と同様にして、スチームコンベクションオーブンを用いた加熱、ジェットオーブンを用いた加熱、室温までの冷却および脱気包装、冷凍保存を行なった。次に、脱気包装された冷凍さんまみりんを比較例1と同様にして暖め、10人のパネラーが食して総合評価を行なった。実施例3のさんまみりんは、比較例1に比べ食感がたいへん向上し、パネラーによる総合評価は良であった。ただし、さんまみりんは中身の水分が多めで表面の焦げ目が少なめであった。結果を表1にまとめた。
スチームコンベクションオーブンを用いた加熱の条件を、加熱温度120℃、水蒸気100%、加熱時間4.0分としたこと以外は、実施例1と同様にして、スチームコンベクションオーブンを用いた加熱、ジェットオーブンを用いた加熱、室温までの冷却および脱気包装、冷凍保存を行なった。次に、脱気包装された冷凍さんまみりんを比較例1と同様にして暖め、10人のパネラーが食して総合評価を行なった。実施例4のさんまみりんは、比較例1に比べ食感がきわめて向上し、パネラーによる総合評価は優であった。すなわち、さんまみりんの中身は水分が最適で非常にしっとりし表面は非常にぱりっとして焦げ目が最適であった。結果を表1にまとめた。
スチームコンベクションオーブンを用いた加熱の条件を、加熱温度125℃、水蒸気100%、加熱時間3.5分としたこと以外は、実施例1と同様にして、スチームコンベクションオーブンを用いた加熱、ジェットオーブンを用いた加熱、室温までの冷却および脱気包装、冷凍保存を行なった。次に、脱気包装された冷凍さんまみりんを比較例1と同様にして暖め、10人のパネラーが食して総合評価を行なった。実施例5のさんまみりんは、比較例1に比べ食感がたいへん向上し、パネラーによる総合評価は良であった。ただし、さんまみりんは中身の水分が少なめで表面の焦げ目が多めであった。結果を表1にまとめた。
スチームコンベクションオーブンを用いた加熱の条件を、加熱温度130℃、水蒸気100%、加熱時間3.0分としたこと以外は、実施例1と同様にして、スチームコンベクションオーブンを用いた加熱、ジェットオーブンを用いた加熱、室温までの冷却および脱気包装、冷凍保存を行なった。次に、脱気包装された冷凍さんまみりんを比較例1と同様にして暖め、10人のパネラーが食して総合評価を行なった。実施例6のさんまみりんは、比較例1に比べ食感が向上し、パネラーによる総合評価は可であった。ただし、さんまみりんは中身の水分が少なく表面の焦げ目が多かった。結果を表1にまとめた。
さんまの開きを、スチームコンベクションオーブン(株式会社エフ・エム・アイ製OES−6.10)を用いて、腹を上向きにして、加熱温度120℃、水蒸気100%、加熱時間4.0分の条件で加熱した。次に、ジェットオーブン(株式会社フジマック製FGJOA5)を用いて、腹を上向きにして、加熱温度230℃、熱風流量10.5m/秒、および加熱時間2.0分の条件で加熱した。次に、加熱したさんまの開きを比較例1と同様にして、室温まで冷却し、脱気包装し、冷凍保存した。次に、脱気包装された冷凍のさんまの開きを比較例1と同様に500Wの電子レンジで60秒加熱して暖め、10人のパネラーが食して総合評価を行なった。パネラーによる総合評価は優であった。すなわち、さんまの開きの中身は水分が最適で非常にしっとりし表面は非常にぱりっとして焦げ目が最適であった。結果を表1にまとめた。
真鯛の西京漬けを、スチームコンベクションオーブン(株式会社エフ・エム・アイ製OES−6.10)を用いて、腹を下向きにして、加熱温度105℃、水蒸気100%、加熱時間6.0分の条件で加熱した。次に、ジェットオーブン(株式会社フジマック製FGJOA5)を用いて、腹を下向きにして、加熱温度170℃、熱風流量11.5m/秒、および加熱時間2.0分の条件で加熱した。次に、加熱した真鯛の西京漬けを比較例1と同様にして、室温まで冷却し、脱気包装し、冷凍保存した。次に、脱気包装された冷凍の真鯛の西京漬けを500Wの電子レンジで120秒加熱して暖め、10人のパネラーが食して総合評価を行なった。パネラーによる総合評価は優であった。すなわち、真鯛の西京漬けの中身は水分が最適で非常にしっとりし表面は非常にぱりっとして焦げ目が最適であった。結果を表1にまとめた。
まぐろの生のステーキ(切り身)を、タレに一晩(約17時間)漬けた後に、スチームコンベクションオーブン(株式会社エフ・エム・アイ製OES−6.10)を用いて、加熱温度105℃、水蒸気100%、加熱時間6.0分の条件で加熱した。次に、ジェットオーブン(株式会社フジマック製FGJOA5)を用いて、加熱温度170℃、熱風流量10.5m/秒、および加熱時間2.0分の条件で加熱した。得られたまぐろの加熱後のステーキにさらにタレを塗り、まぐろの照焼が得られた。次に、得られたまぐろの照焼を比較例1と同様にして、室温まで冷却し、脱気包装し、冷凍保存した。次に、脱気包装された冷凍のまぐろの照焼を500Wの電子レンジで120秒加熱して暖め、10人のパネラーが食して総合評価を行なった。パネラーによる総合評価は優であった。すなわち、まぐろの照焼の中身は水分が最適で非常にしっとりし表面は非常にぱりっとして焦げ目が最適であった。結果を表1にまとめた。
Claims (7)
- 生または前処理された魚類を水蒸気により加熱する工程と、水蒸気により加熱された前記魚類を熱風により加熱する工程と、を備える魚類加工品の製造方法。
- 前記熱風により加熱された前記魚類を脱気包装する工程と、脱気包装された前記魚類を冷凍する工程と、をさらに備える請求項1に記載の魚類加工品の製造方法。
- 前記水蒸気により加熱する工程は、加熱温度が105℃以上130℃以下および加熱時間が4分以上8分以下の条件で行なわれる請求項1または請求項2に記載の魚類加工品の製造方法。
- 前記熱風により加熱する工程は、加熱温度が150℃以上250℃以下および加熱時間が1分以上5分以下の条件で行なわれる請求項1から請求項3までのいずれかに記載の魚類加工品の製造方法。
- 請求項1から請求項4までのいずれかの製造方法により得られた魚類加工品。
- 請求項5の魚類加工品と、前記魚類加工品を載せるトレーと、前記魚類加工品および前記トレーを脱気包装する第1の包装容器と、を備える魚類加工パック品。
- 薬味と、前記薬味を脱気包装する第2の包装容器と、をさらに備え、
前記第1の包装容器と前記第2の包装容器とが分離可能なように配置されている請求項6に記載の魚類加工パック品。
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