JPH09284026A - 自動車用ガラスアンテナ - Google Patents

自動車用ガラスアンテナ

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JPH09284026A
JPH09284026A JP9706696A JP9706696A JPH09284026A JP H09284026 A JPH09284026 A JP H09284026A JP 9706696 A JP9706696 A JP 9706696A JP 9706696 A JP9706696 A JP 9706696A JP H09284026 A JPH09284026 A JP H09284026A
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JP
Japan
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frequency band
high frequency
antenna
defogger
antenna conductor
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JP9706696A
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English (en)
Inventor
Fuminori Watanabe
文範 渡辺
Takashi Yamashita
孝 山下
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】受信感度を向上させ、受信感度調整を簡単化す
る。 【解決手段】自動車の後部窓ガラス板1に、車体開口部
60に50mm以上の長さで20〜60mmの範囲に近
接している高周波帯用アンテナ導体64を設け、高周波
帯用アンテナ導体64に開口部を有する半ループ状の高
周波帯用エレメント67を付設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、AM放送、FM放
送及びテレビ放送等の受信に適し、受信感度を著しく向
上させる自動車用ガラスアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】図6に示すような自動車用FM放送受信
ガラスアンテナが従来より知られている。図6におい
て、自動車の後部窓ガラス板1には、通常、ヒータ線2
とバスバ5d、5eとからなるデフォッガが配設され、
後部窓ガラス板1の上部余白部分にアンテナ導体70が
配設されている。
【0003】アンテナ導体70は、導電性銀ペーストな
どの導電性金属含有ペーストを自動車の後部窓ガラス板
1の車内側表面にプリントし、焼き付けて形成するなど
により製造される導体パターンをアンテナとして利用す
るものである。
【0004】アンテナ導体70が受信した信号は、給電
点77から同軸ケーブルにてFM増幅器(不図示)まで
伝送される。FM増幅器は受信信号を増幅して、同軸ケ
ーブルにて受信機(不図示)まで伝送している。
【0005】アンテナ導体70はFM放送用アンテナの
みならず、AM放送用アンテナとしても機能する。アン
テナ導体70とデフォッガとは近接されており、この近
接により、アンテナ導体70とデフォッガとは、両者間
で直流電流の送受は行われないが、中高周波電流の送受
は行えるように容量結合されている。この容量結合によ
って、デフォッガはAM放送用アンテナとして機能する
ようになる。
【0006】また、デフォッガを接地(車体アース)か
ら高周波的に絶縁する高周波帯用のチョークコイル12
a、12b及びデフォッガを車体アースから中間周波的
に車体アースから絶縁するチョークコイル9が直列に接
続されて、デフォッガと車体アースとの間に挿入接続さ
れている。図6において、11はノイズ吸収用のコンデ
ンサ、10は直流電源である。なお、図6以外の図面に
おける図6と同名称の番号、符号は同名称とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図6に示すガラスアン
テナは、FM放送帯等の高周波帯の受信感度が低く、給
電点77と受信機との間に受信信号を増幅するためのF
M増幅器を設ける必要があり、生産性が悪いという問題
があった。
【0008】また、図6に示すガラスアンテナは、必要
な受信感度を得るためには、デフォッガより上部の余白
部分のほとんどを使用し、きわめて広い導体パターンエ
リアを必要とする欠点があった。しかも、複雑な導体パ
ターンを形成しており、この導体パターンを構成するそ
れぞれのエレメントの機能がはっきりと解明されてな
く、必要な受信感度を得るために導体パターンを調整す
るのに長時間を要した。
【0009】本発明の目的は、比較的簡単な導体パター
ンにおいてFM増幅器を使用せずに従来技術と同等以上
の性能を確保する自動車用ガラスアンテナの提供にあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動車の窓ガ
ラス板に、その一部又は全部が車体開口部に50mm以
上の長さで20〜60mmの範囲に近接している高周波
帯用アンテナ導体を設け、高周波帯用アンテナ導体に高
周波帯用エレメントを付設することを特徴とする自動車
用ガラスアンテナを提供する。
【0011】また、本発明は、自動車の窓ガラス板が後
部窓ガラス板であり、後部窓ガラス板に高周波帯用アン
テナ導体及び高周波帯用エレメント以外にヒータ線とヒ
ータ線に給電するバスバとを有する通電加熱式のデフォ
ッガを設け、バスバとデフォッガ用の直流電源の陽極と
の間、及び/又は、バスバとデフォッガ用の直流電源の
陰極との間、にチョークコイル及び/又は高周波チョー
クコイルを接続し、高周波帯用アンテナ導体及び/又は
高周波帯用エレメントがデフォッガに近接され容量結合
される上記自動車用ガラスアンテナを提供する。
【0012】また、本発明は、高周波帯用アンテナ導体
及び高周波帯用エレメントが20MHz以上の周波数帯
受信用である上記自動車用ガラスアンテナを提供する。
【0013】また、本発明は、高周波帯用エレメントが
開口部を有する半ループ状である上記自動車用ガラスア
ンテナを提供する。
【0014】また、本発明は、高周波帯用エレメントの
開口部がデフォッガと反対側を向くように設けられ、高
周波帯用エレメントがデフォッガに近接され容量結合さ
れる上記自動車用ガラスアンテナを提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に従って詳細
に説明する。図1は本発明のガラスアンテナの代表例の
構成図である。
【0016】図1において4は給電点、60は自動車の
車体開口部、64は20MHz以上の周波数帯受信用の
エレメント(高周波帯用アンテナ導体)、65は第1の
エレメント、66は第2のエレメント、67は第3のエ
レメント、68は第1のエレメント65と第2のエレメ
ント66とを接続する第1の接続導体、69は第2のエ
レメント66と第3のエレメント67とを接続する第2
の接続導体、L1 、L2 、L3 、L4 、L5 、L6 、L
7 は距離、70は必要に応じて設けるヒータ線2の短絡
線である。なお、図1以外の図面における図1と同名称
の番号、符号は同名称とする。
【0017】本発明のガラスアンテナでは、高周波帯用
アンテナ導体64は必須であるが、エレメント65、6
6、67は必要に応じて設けられるエレメントであっ
て、エレメント65、66、67のうち1つ以上が高周
波帯用の仕様にして設けられればよい。高周波帯用アン
テナ導体64と高周波帯用の仕様にしたエレメント6
5、66、67のうち1つ以上とで本発明のアンテナ導
体を構成する。
【0018】また、エレメント65、66、67以外に
もエレメント65、66、67のような形状のエレメン
トを必要に応じて設けてもよいが、視野を妨げるため、
エレメント65、66、67の3本にすることが好まし
い。また、位相調整のために高周波帯用アンテナ導体6
4、エレメント65、66、67に略T字状、略L字
状、ループ状等の導体パターンを付設してもよい。
【0019】エレメント65、66、67は前述のとお
り1つ以上が必要に応じて設けられるが、エレメント6
5、66、67のうちの1つは20MHz以上の周波数
帯受信用のエレメントであることを要する。また、エレ
メント65、66、67のうち1つを設けるとすれば、
第3のエレメント67が選ばれることが好ましい。第3
のエレメント67をデフォッガに近接させて容量結合さ
せデフォッガをアンテナとして使用することが受信感度
向上のため好ましいからである。なお、この容量結合の
場合には、デフォッガを高周波帯域で車体アースから絶
縁することを要する。この絶縁手段については後述す
る。
【0020】また、高周波帯用アンテナ導体64及びエ
レメント65、66、67のうち、例えば、FM放送帯
受信用に選ばれたものはFM放送帯内又はFM放送帯近
傍の周波数に共振するようにその仕様を設定する。ただ
し、エレメント65、66、67のうちAM放送帯受信
用に選ばれたものもFM放送帯受信用エレメントの共振
に影響を与える。しかし、通常、エレメント65、6
6、67のうちAM放送帯受信用に選ばれたものは、F
M放送帯では共振しないように導体パターンの長さを調
整することが好ましい。
【0021】高周波帯用アンテナ導体64及びエレメン
ト65、66、67は、通常、図1に示すような比較的
簡単な形状の導体パターンから構成されてもよい。
【0022】本発明のガラスアンテナは、20MHz以
下の周波数帯を受信できるように、通常、エレメント6
5、66、67のうち1つ以上は20MHz以下の周波
数帯を受信用とすることが好ましいが、20MHz以下
の周波数帯受信用エレメントを設けなくても使用でき
る。
【0023】また、高周波帯用アンテナ導体64の受信
周波数に主に影響する長さは主に距離(L2 +L3 )が
該当する。距離(L2 +L3 )が車体開口部60と近接
しほぼ平行だからである。また、本発明では、高周波帯
用アンテナ導体64の一部又は全部と車体開口部60と
がある程度近接し、その近接距離が20〜60mmであ
ることを要する。この範囲内である場合には、この範囲
外である場合と比較して20MHz以上の周波数帯の平
均受信感度が、通常、0.5dB程度以上向上する。近
接距離の好ましい範囲は30〜50mmであり、この範
囲内である場合には、この範囲外である場合と比較して
20MHz以上の周波数帯の平均受信感度が、通常、1
dB程度以上向上する。
【0024】図1では、距離L4 及び距離L7 とが、高
周波帯用アンテナ導体64と車体開口部60との近接距
離に相当する。なお、距離L7 は、給電線の実装の便宜
のため、20mm未満としても使用できるが、5mm以
上とすることが受信感度が低下防止のため好ましい。
【0025】本発明において、車体開口部60とは窓ガ
ラス板がはめ込まれる車体の開口部であって車体アース
となるべきものをいい、金属等の導電性材料で構成され
ているものをいう。
【0026】なお、高周波帯用アンテナ導体64の一部
又は全部と車体開口部60との距離が20〜60mmの
範囲以外であっても、窓ガラス板に車体アースと接続さ
れているアース導体を設け、高周波帯用アンテナ導体6
4の一部又は全部とこのアース導体との距離を20〜6
0mmの範囲内としてもよい。
【0027】また、高周波帯用アンテナ導体64の導体
幅(線幅)は、0.1〜2.8mmであることが好まし
い。この範囲内である場合には、この範囲外である場合
と比較して20MHz以上の周波数帯の平均受信感度
が、通常、0.5dB程度以上向上する。高周波帯用ア
ンテナ導体64の導体幅のより好ましい範囲は0.3〜
1.5mmであり、この範囲内である場合には、この範
囲外である場合と比較して20MHz以上の周波数帯の
平均受信感度が、通常、0.3dB程度以上向上する。
【0028】車体開口部60に20〜60mmの範囲に
近接している高周波帯用アンテナ導体64の部分の長さ
は50mm以上であることが好ましい。50mm以上で
ある場合には、50mm未満である場合と比較して20
MHz以上の周波数帯の平均受信感度が、通常、1dB
程度以上向上する。より好ましいのは100mm以上で
ある。100mm以上である場合には、100mm未満
である場合と比較して20MHz以上の周波数帯の平均
受信感度が、通常、1dB程度以上向上する。
【0029】車体開口部60に20〜60mmの範囲に
近接している高周波帯用アンテナ導体64の部分の長さ
は、50mm以上であることが好ましいが、50mm以
上に亙って、換言すれば連続して50mm以上の長さが
近接していなくともよく、高周波帯用アンテナ導体64
が車体開口部60に離れたり近接したりしている場合、
近接している長さがトータルで50mm以上になればよ
い。
【0030】高周波帯用アンテナ導体64の一部である
距離L1 で表される部分は、あまり受信感度に影響しな
い。この部分が車体開口部60と近接していないからで
ある。ただし、距離L1 が500mm超となると受信感
度が通常、1dB程度悪くなる。エレメント65、66
を設けず、エレメント67のみを設ける場合には、接続
導体68、69は高周波帯用アンテナ導体64の一部で
ある距離L1 で表される部分に相当する。
【0031】また、図1に示す高周波帯用アンテナ導体
64の一部である距離L3 で表される部分は、単に給電
点4の位置を適当に移動させる目的のために設けられた
ものであり、なくてもよく、後述する図5のようにして
もよい。
【0032】20MHz以上の周波数帯受信を目的とす
る高周波帯用アンテナ導体64の一部である距離L2
3 で表される部分は、20MHz以上である所望の受
信周波数帯の中心周波数の波長をλM 、ガラス短縮率を
Kとするとき、λM K/40〜λM Kの範囲であること
が好ましい。この範囲内である場合には、この範囲外で
ある場合と比較して20MHz以上の周波数帯の平均受
信感度が、通常、3dB程度以上向上する。
【0033】より好ましい範囲は、λM K/20〜λM
K/2の範囲であり、この範囲内である場合には、この
範囲外である場合と比較して20MHz以上の周波数帯
の平均受信感度が、通常、2dB程度以上向上する。な
お、ガラス短縮率Kは、通常、0.64である。
【0034】エレメント65、66、67が図1に示す
ような直線状又は略直線状の場合であって、エレメント
65、66、67を20MHz以下の周波数帯受信用エ
レメントとして使用する場合には、エレメント65、6
6、67のそれぞれの長さがλM K/8〜λM Kの範囲
であることが好ましい。この範囲内である場合には、エ
レメント65、66、67を付設しても20MHz以上
の周波数帯の受信に影響を与えることが少なく、この範
囲外である場合と比較して20MHz以上の周波数帯の
平均受信感度が、通常、1dB程度以上向上する。
【0035】なお、ここでは、エレメント65、66、
67を20MHz以下の周波数帯受信用として設定する
ことについて述べているが、λM は20MHz以上であ
る所望の受信周波数帯の中心周波数の波長であることは
前述のとおりである。
【0036】また、より好ましい範囲は、λM K/4〜
λM K/2の範囲であり、この範囲内である場合には、
この範囲外である場合と比較して20MHz以下の周波
数帯の平均受信感度が、通常、1dB程度以上向上す
る。
【0037】エレメント65、66、67が図1に示す
ような直線状又は略直線状の場合であって、エレメント
65、66、67を20MHz以上の周波数帯受信用エ
レメントとして使用する場合には、エレメント65、6
6、67それぞれの長さがλM K/40〜λM Kの範囲
であることが好ましい。この範囲内である場合には、こ
の範囲外である場合と比較して20MHz以上の周波数
帯の平均受信感度が、通常、3dB程度以上向上する。
【0038】より好ましい範囲は、λM K/40〜λM
K/2の範囲であり、この範囲内である場合には、この
範囲外である場合と比較して20MHz以上の周波数帯
の平均受信感度が、通常、2dB程度以上向上する。
【0039】また、図1では、エレメント65、66、
67は直線状又は略直線状とし、エレメント65、6
6、67と接続導体68、69とで略十字状又は略T字
状を構成したが、これに限られず、エレメント65、6
6、67の左右どちらかが設けられてなく、エレメント
65、66、67と接続導体68、69とで略L字状又
は略T字状パターンを構成してもよい。
【0040】図3〜5に図1とは別のタイプの本発明の
ガラスアンテナを示す。図3において661はエレメン
ト66の開口部である。図3〜5に示すエレメント6
5、66、67は略C字状であって、開口部を有する半
ループ状の導体パターンからなる。なお、図3〜5に示
すエレメント65、66、67は水平方向にループ全体
が延びているが、これに限定されず、ループ全体が水平
方向以外の方向に延びていてもよい。ここで、半ループ
状とは、完全なループでなくループの一部分が途切れて
いることをいう。また、かかる途切れた部分を開口部と
いう。
【0041】エレメント67の開口部は、デフォッガと
反対側を向くように設けられることが受信感度向上のう
えで好ましいが、これに限定されず、エレメント67の
側部又はデフォッガ側に配設されていてもよい。エレメ
ント67の開口部は、デフォッガと反対側を向くように
設けられる場合はそれ以外の場合と比較すると20MH
z以上である所望の受信周波数帯で0.5dB以上受信
感度が向上する。
【0042】エレメント65、66の開口部は、デフォ
ッガ側を向くように設けられることが受信感度向上のう
えで好ましいが、これに限定されず、エレメント67の
側部又はデフォッガと反対側に配設されていてもよい。
エレメント65、66の開口部は、デフォッガ側を向く
ように設けられる場合はそれ以外の場合と比較すると
0.5dB以上受信感度が向上する。
【0043】エレメント65、66、67が図3〜5に
示すような略C字状の場合であって、エレメント65、
66、67を20MHz以下の周波数帯受信用エレメン
トとして使用する場合には、開口部の幅は、10mm〜
λM K/4であることが好ましい。この範囲内である場
合には、エレメント65、66、67を付設しても20
MHz以上の周波数帯の受信に影響を与えることが少な
く、この範囲外である場合と比較して20MHz以上の
周波数帯の平均受信感度が、通常、1dB程度以上向上
する。
【0044】エレメント65、66、67の半ループの
幅(図3〜5における横方向の寸法)は、所望の受信周
波数帯の最高周波数の波長をλH 、所望の受信周波数帯
の最低周波数の波長をλL とするとき、λH K/8〜λ
L K/2の範囲が好ましい。この範囲内である場合に
は、エレメント65、66、67を付設しても20MH
z以上の周波数帯の受信に影響を与えることが少なく、
この範囲外である場合と比較して20MHz以上の周波
数帯の平均受信感度が、通常、1dB程度以上向上す
る。
【0045】より好ましい範囲はλH K/4〜λL K/
2である。この範囲内である場合には、エレメント6
5、66、67を付設しても20MHz以上の周波数帯
の受信に影響を与えることがほとんどなく、この範囲外
である場合と比較して20MHz以上の周波数帯の平均
受信感度が、通常、1dB程度以上向上する。
【0046】半ループの縦幅(図3〜5における縦方向
の寸法)については、5〜300mmの範囲が好まし
い。この範囲内である場合には、この範囲外である場合
と比較して20MHz以上の周波数帯の平均受信感度
が、通常、0.5dB程度以上向上する。
【0047】また、エレメント65、66、67が図3
〜5に示すような略C字状の場合であって、エレメント
65、66、67を20MHz以上の周波数帯受信用エ
レメントとして使用する場合には、開口部の幅及び半ル
ープの幅はほとんど受信感度に関係がなく、エレメント
65、66、67の半ループの長さのみが受信感度に関
係する。エレメント65、66、67を20MHz以上
の周波数帯受信用エレメントとして使用する場合には、
エレメント65、66、67のそれぞれの長さがλM
/4〜2λM Kの範囲であることが好ましい。この範囲
内である場合には、この範囲外である場合と比較して2
0MHz以上の周波数帯の平均受信感度が、通常、2d
B程度以上向上する。
【0048】より好ましい範囲は、λM K/3〜1.5
λM Kの範囲であり、この範囲内である場合には、この
範囲外である場合と比較して20MHz以上の周波数帯
の平均受信感度が、通常、2dB程度以上向上する。
【0049】また、エレメント65、66、67の1つ
以上が直線状、略直線状、略C字状のどれであってもよ
く、直線状、略直線状、略C字状のエレメントを組み合
わせて使用してもよい。
【0050】図1ではエレメント67の最下部とデフォ
ッガの最高位のヒータ線2とは、通常、容量結合の近接
範囲である0.1〜50mm程度の所定間隔をおいて離
間されている。デフォッガは、この容量結合によって見
かけ上アンテナの一部として機能するようになる。特
に、20MHz以下の周波数帯に対しては、アンテナの
実効長が長くなるため、受信電波を多く受けられ受信感
度が向上する。
【0051】図1におけるエレメント67とデフォッガ
との容量結合については、エレメント67と最高位のヒ
ータ線2とを直接近接させることにより行っているが、
これに限定されず、例えば、ヒータ線2又はバスバ5
d、5eに略T字状、略L字状等の導体パターンを付設
し、この導体パターンとエレメント67とを直接近接さ
せることにより容量結合させてもよい。図4にヒータ線
2に略T字状の導体パターンを付設した例を示す。
【0052】また、エレメント67に略T字状、略L字
状等の導体パターンを付設し、この導体パターンとヒー
タ線2又はバスバ5d、5eとを直接近接させることに
より容量結合させてもよい。さらには、エレメント67
に付設された略T字状、略L字状等の導体パターンとヒ
ータ線2又はバスバ5d、5eに付設された略T字状、
略L字状等の導体パターンとを直接近接させることによ
り容量結合させてもよい。また、これらの手段に限定さ
れず、その他の手段であってもよい。
【0053】図1〜5では、給電点4が窓ガラス板1の
右上に設けられているが、左上に設けられていてもよ
い。図1ではバスバを2つ有するいわゆるハの字状のデ
フォッガを採用しているが、デフォッガはこれに限定さ
れず、図2に示すようなバスバを3つ有するいわゆるコ
の字状であっても本発明に利用できる。
【0054】図2は本発明の自動車用ガラスアンテナ利
用した装置の代表例の構成図である。図2において、1
は自動車の後部窓ガラス板、2はヒータ線、2aは最高
位のヒータ線、3はデフォッガ、4はアンテナ導体の給
電点、5a、5b、5cはバスバ、6は本発明のアンテ
ナ導体、7は20MHz以下の周波数帯用の共振回路、
8はリアクタンス回路、9はチョークコイル、10は直
流電源、11はコンデンサ、12a、12bは高周波チ
ョークコイル、14はコイル、15は抵抗、16はコン
デンサ、19は直流阻止用コンデンサ、20は受信機、
21は整合回路、25は給電線、30、31はダンピン
グ抵抗である。
【0055】この例では、20MHz以下の周波数帯で
アンテナの受信感度の不足を補償するため、後部窓ガラ
ス板1にヒータ線2とヒータ線2に給電するバスバとを
有する通電加熱式のデフォッガ3と近接させて容量結合
させたアンテナ導体6とを設け、バスバとデフォッガ3
用の直流電源10間にリアクタンス回路8を挿入し、ア
ンテナ導体6の給電端子4と受信機20との間の給電線
25の好適な部位に共振回路7を挿入接続し、アンテナ
導体6、デフォッガ3、車体のそれぞれが相互に形成す
る主に静電容量からなるインピーダンスと、リアクタン
ス回路8のインピーダンスとによって、反共振するよう
にし、アンテナ導体の給電点4と受信機20との間に挿
入させた共振回路7のインピーダンスと、受信機20の
入力インピーダンスと、共振回路7からアンテナ導体6
側をみたインピーダンスとによって、共振させている。
【0056】さらに、20MHz以上の周波数帯でアン
テナの受信感度の不足を補償するため、整合回路21で
インピーダンスマッチングさせ受信感度を向上させてい
る。
【0057】図2においては、バスバ5a、5bとデフ
ォッガ用の直流電源10間にチョークコイル9及び高周
波帯用のチョークコイル12a、12bを挿入し、高周
波帯域にてチョークコイル9及び高周波帯用のチョーク
コイル12a、12bのインピーダンスを大きくするこ
とによって、直流電源10からデフォッガへの直流電流
は流すが放送周波数帯域等の高周波帯域の電流は遮断す
るようにしている。
【0058】このようにして、チョークコイル9及び高
周波帯用のチョークコイル12a、12bによりデフォ
ッガのヒータ線2とバスバ5a、5bとを車体アースか
ら高周波的に絶縁でき、ヒータ線2及びバスバ5a、5
bに誘起されたラジオ周波数帯域等の高周波帯域の受信
電流が車体アースへ流れるのを防止できて、この受信電
流を漏れなく受信機に送ることができる。
【0059】また、20MHz以下の周波数帯、例え
ば、中波帯のみを受信する場合であれば、高周波帯用の
チョークコイル12a、12bは通常不要であり、チョ
ークコイル9のみでよく、20MHz以上の周波数帯の
みを受信する場合であれば、高周波帯用のチョークコイ
ル12a、12bのみでよい。また、中波帯及び20M
Hz以上の周波数帯両方を受信する場合であっても、チ
ョークコイル9及び高周波帯用のチョークコイル12
a、12b両方の機能を満足するコイルがあればかかる
コイルでもよい。
【0060】アンテナ導体6については、図1の場合
は、ガラス板1のデフォッガ3より上部の余白部にアン
テナ導体6が設けられている。アンテナ導体6とデフォ
ッガ3の最上のヒータ線2とは、所定間隔をおいて近接
されており、この近接によりアンテナ導体6とデフォッ
ガ3とは、両者間で直流電流の送受は行われないが、中
高周波電流の送受は行われるように容量結合されている
ことが好ましい。
【0061】容量結合されている場合には、アンテナ導
体6とデフォッガ3の最上のヒータ線2とは、通常、容
量結合の範囲である0.1〜50mm程度の所定間隔を
おいて離間されている。デフォッガ3は、この容量結合
によって見かけ上、アンテナの一部として機能するよう
になる。特に20MHz以下の周波数帯に対しては、デ
フォッガ3もAM放送用アンテナの一部として機能し
て、AM放送用アンテナの実効長が長くなるため、受信
電波を多く受けられ受信感度が向上する。
【0062】図1に示す本発明の代表例において、アン
テナ導体6の設けられるガラス板1の位置については、
図1では、ガラス板1のデフォッガ3より上部の余白部
にアンテナ導体6を設けた例について示したが、図1に
示す位置に限定されず、ガラス板1のデフォッガ3より
下部の余白部であってもよい。また、デフォッガ3の上
下部にそれぞれ設けてもよく、その他の余白部に設けて
もよい。
【0063】換言すると、図1に示す本発明の代表例に
おいて、ガラス板1のデフォッガ3より上下左右部の余
白部のどこにアンテナ導体6を設けてもよく、ガラス板
1に設けられるアンテナ導体6の数は限定されない。
【0064】また、ガラス板1に設けられるアンテナ導
体6は、AM、FM放送用に限定されず、テレビVHF
帯用、テレビUHF帯用及び電話用等に応用できる。
【0065】また、本発明において、アンテナ導体が設
けられる窓ガラス板は後部窓ガラス板に限定されず、サ
イド窓ガラス板、前部窓ガラス板、ルーフ窓ガラス板等
であってもよく、アンテナ導体が設けられる窓ガラス板
にデフォッガが設けられていなくともよい。
【0066】また、RV車のような後部窓ガラス板の面
積が狭い自動車の場合には、サイド窓ガラス板にアンテ
ナ導体が設けられることが好ましい。この場合には、サ
イド窓ガラス板にデフォッガが設けられていなくともよ
い。
【0067】また、アンテナ導体6、ヒータ線2とバス
バ5a、5b、5cとは、通常、導電性銀ペースト等の
導電性金属含有ペーストを窓ガラス板1の車内側表面に
プリントし、焼付けて形成する等により製造するが、か
かる形成方法に限定されず、銅線等の導電性の線状体又
は箔状体を窓ガラス板1の車内側又は車外側表面に形成
してもよく、窓ガラス板1の内部に設けてもよい。
【0068】図1、3、4、5において、高周波帯用ア
ンテナ導体及び/又は高周波帯用エレメントがデフォッ
ガに近接され容量結合される場合には、必要に応じて備
えられるべきチョークコイル9、直流電源10、コンデ
ンサ11及び高周波チョークコイル12a、12bは省
略してあり、記載されていない。
【0069】図1、3、4、5に点線で示される短絡線
70はヒータ線2に必要に応じて設けられ、インピーダ
ンスの調整機能を有する。
【0070】
【実施例】
(例1)図1のような形状のガラスアンテナを製作し
た。アンテナ導体は、図1に示すようなパターンとし
た。76〜108MHzの周波数帯(日本と米国の2カ
国を網羅)の中心周波数を92MHzとし、92MHz
で共振するように、図1における高周波帯用アンテナ導
体64についての距離L1 は50mm、距離L2 600
mm、距離L3 50mm、距離L4 40mm、距離L7
20mm、給電点4の縦寸法は27mm、給電点4の横
寸法は12mm、給電点4と車体開口部60との最短距
離(車体開口部60の右端との距離)は14mmとし
た。また、第3のエレメント67と最高位のヒータ線2
との距離は10mmとし、両者を容量結合させた。
【0071】第1のエレメント65の横寸法は700m
mとし、第1のエレメント65の左端と第1の接続導体
68との最短距離は、500mmとした。第2のエレメ
ント66の横寸法は1000mmとし、第1の接続導体
68は、エレメント66の中央に位置させた。第3のエ
レメント67の横寸法は800mmとし、第2の接続導
体69は、エレメント67の中央に位置させた。
【0072】アンテナ導体6の線幅はすべて0.7mm
とし、給電線25は50Ωのものを使用した。また、第
1の接続導体68と第2の接続導体69の寸法は、とも
に50mmとした。また、ヒータ線2は30mm等間隔
であり、全12本とし、短絡線70も設けた。
【0073】一方、従来使用されていた図6と同形状の
ガラスアンテナを比較例1とした。アンテナ導体70全
体の略横方向の寸法は1000mm、略縦方向の寸法は
140mmである。
【0074】これらの76〜108MHzの周波数帯域
における平均受信感度を比較した。偏波面が垂直、水平
の両偏波において、例1は比較例1に対して約2.5d
BμVの向上がみられた。
【0075】(例2)アンテナ導体は、図3に示すよう
なパターンとした。76〜108MHzの周波数帯の中
心周波数を92MHzとし、92MHzで共振するよう
に、図3における高周波帯用アンテナ導体64と給電点
4については例1と全く同様の寸法とした。また、エレ
メント67と最高位のヒータ線2との距離は10mmと
し、両者を容量結合させた。
【0076】エレメント65の横寸法は700mm、縦
寸法は25mm、略C字状の開口部の横寸法は50m
m、第1のエレメント65の左端と第1の接続導体68
との最短距離は、500mmとした。エレメント66の
横寸法は1000mm、縦寸法は25mm、略C字状の
開口部の横寸法は50mmとし、第1の接続導体68
は、エレメント66の略C字状の開口部の中央に位置さ
せた。エレメント67の横寸法は1000mm、縦寸法
は10mm、略C字状の開口部の横寸法は900mmと
し、第2の接続導体69は、エレメント67の略C字状
の開口部の中央に位置させた。
【0077】アンテナ導体6の線幅はすべて0.7mm
とし、給電線25は50Ωのものを使用した。また、第
1の接続導体68と第2の接続導体69の寸法は、とも
に50mmとした。また、ヒータ線2は30mm等間隔
であり、全12本とし、短絡線70も設けた。
【0078】窓ガラス板1の寸法を上の方向に25mm
広いものを使用して、距離L4 を65mmとした以外
は、例2とまったく同様の仕様のガラスアンテナを製作
し、比較例2とした。これらの76〜108MHzの周
波数帯域における平均受信感度を比較した。偏波面が垂
直、水平の両偏波において、例2は比較例2に対して約
4dBμVの向上がみられた。
【0079】
【発明の効果】本発明では、自動車の窓ガラス板に、そ
の一部又は全部が車体開口部60に50mm以上の長さ
で20〜60mmの範囲に近接している高周波帯用アン
テナ導体を設け、該高周波帯用アンテナ導体に高周波帯
用エレメントを付設するため、高周波帯用アンテナ導体
と高周波帯用エレメントからなるアンテナ導体に誘起さ
れた電波の受信電圧を効率よく受信機に送ることがで
き、高周波帯での受信感度が著しく向上する。特に20
MHz以上の周波数帯の受信に際しては、FM増幅器を
必要とすることなく、受信感度を著しく向上させうる。
また、偏波面が垂直、水平の両偏波において、FM放送
波の受信感度向上を達成できる。
【0080】また、本発明の自動車用ガラスアンテナ
は、比較的簡単な導体パターンから構成されているた
め、必要な受信感度を得るために導体パターンを調整す
るのに長時間を要せず、生産性がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用ガラスアンテナの基本的構成
の平面図
【図2】本発明の自動車用ガラスアンテナを利用した自
動車用高周波ガラスアンテナ装置の代表例の基本的構成
【図3】図1とは別のタイプの本発明の自動車用ガラス
アンテナの基本的構成の平面図
【図4】図1とは別のタイプの本発明の自動車用ガラス
アンテナの基本的構成の平面図
【図5】図1とは別のタイプの本発明の自動車用ガラス
アンテナの基本的構成の平面図
【図6】従来の自動車用ガラスアンテナ装置の代表例の
構成図
【符号の説明】
1:自動車の後部窓のガラス板 2:ヒータ線 3:デフォッガ 4:アンテナ導体の給電点 5a、5b、5c:バスバ 6:アンテナ導体 9:チョークコイル 10:直流電源 11:コンデンサ 12a、12b:高周波チョークコイル 20:受信機 60:自動車の後部窓ガラス板の車体開口部 64:20MHz以上の周波数帯受信用のエレメント
(高周波帯用アンテナ導体) 65:第1のエレメント 66:第2のエレメント 67:第3のエレメント 68:第1の接続導体 69:第2の接続導体 L1 、L2 、L3 、L4 、L5 、L6 、L7 :距離 70:必要に応じて設けるヒータ線2の短絡線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の窓ガラス板に、その一部又は全部
    が車体開口部に50mm以上の長さで20〜60mmの
    範囲に近接している高周波帯用アンテナ導体を設け、高
    周波帯用アンテナ導体に高周波帯用エレメントを付設す
    ることを特徴とする自動車用ガラスアンテナ。
  2. 【請求項2】自動車の窓ガラス板が後部窓ガラス板であ
    り、後部窓ガラス板に高周波帯用アンテナ導体及び高周
    波帯用エレメント以外にヒータ線とヒータ線に給電する
    バスバとを有する通電加熱式のデフォッガを設け、 バスバとデフォッガ用の直流電源の陽極との間、及び/
    又は、バスバとデフォッガ用の直流電源の陰極との間、
    にチョークコイル及び/又は高周波チョークコイルを接
    続し、 高周波帯用アンテナ導体及び/又は高周波帯用エレメン
    トがデフォッガに近接され容量結合される請求項1の自
    動車用ガラスアンテナ。
  3. 【請求項3】高周波帯用アンテナ導体及び高周波帯用エ
    レメントが20MHz以上の周波数帯受信用である請求
    項1又は2の自動車用ガラスアンテナ。
  4. 【請求項4】高周波帯用エレメントが開口部を有する半
    ループ状である請求項1、2又は3の自動車用ガラスア
    ンテナ。
  5. 【請求項5】高周波帯用エレメントの開口部がデフォッ
    ガと反対側を向くように設けられ、高周波帯用エレメン
    トがデフォッガに近接され容量結合される請求項4の自
    動車用ガラスアンテナ。
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