JP3744186B2 - 自動車用後部窓ガラスアンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はラジオ放送及びテレビ放送等の受信に適した自動車用後部窓ガラスアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図4に示すような自動車用後部窓ガラスアンテナにより、AM放送帯、FM放送を受信していた。しかし、この従来例では、AM放送では十分な感度が得られるものの、FM放送では十分な感度が得られない欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の有する前述の欠点を解消することを目的とし、従来知られていなかった自動車用後部窓ガラスアンテナを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ヒータ線と該ヒータ線に給電するバスバとを有する通電加熱式のデフォッガと、アンテナ導体と、給電点とが自動車の後部窓ガラス板に設けられている自動車用後部窓ガラスアンテナにおいて、
アンテナ導体は略水平エレメントとループ状エレメントとを備えていて、ループ状エレメントは略水平エレメントとデフォッガとの間に設けられており、
略水平エレメントとループ状エレメントとが給電点に接続されており、
アンテナ導体の対接地浮遊容量は45pF以下であり、
FM放送帯域の第1の周波数の波長をλ 1 とし、FM放送帯域の第2の周波数の波長をλ 2 とし、FM放送帯の中心周波数の波長をλ M とし、波長λ 1 ≦波長λ M ≦波長λ 2 とするとき、
略水平エレメントの導体長を(λ 1 /4)×K〜(λ 1 )×Kとし、ループ状エレメントの略横方向の長さを(λ 2 /4)×K〜(λ 2 )×Kとし、Kを0.64とすることを特徴とする自動車用後部窓ガラスアンテナを提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に従って詳細に説明する。以下の説明において、特に記載しない場合には、寸法の単位はmmとし、感度の単位はdBとし、方向は図面上での方向をいうものとする。図1は本発明の自動車用後部窓ガラスアンテナの一実施例の構成図である。
【0006】
図1において、1は自動車の後部窓のガラス板、2はヒータ線、3はデフォッガ、4aは略水平エレメント、4bは略長方形のループ状エレメント、4cは接続導体(ループ状エレメント4bの左側の縦方向の導体を含まない導体)、4dは給電導体、4eはFM感度調整用エレメント、5a、5bはバスバ、6はアンテナ導体4の給電点、7は車体開口縁、10は直流電源である。
【0007】
図1に示すように、アンテナ導体は略水平エレメント4aとループ状エレメント4bとを備えており、接続導体4c、給電導体4d及び後述するFM感度調整用エレメント4eもアンテナ導体に含まれる。なお、接続導体4c、給電導体4d及び後述するFM感度調整用エレメント4eは必要に応じて設けられる。
【0008】
略水平エレメント4aとループ状エレメント4b(最上部)との間隔(図1の場合、接続導体4cの長さ)は、5〜110mmの範囲が好ましい。この範囲内である場合にはこの範囲外である場合と比較して数dB、FM放送帯の感度が向上する。
【0009】
略水平エレメント4aの導体長はFM放送帯域の第1の周波数の波長をλ1 とするとき、(λ1 /4)×K〜(λ1 )×Kとすることが好ましい。この範囲内である場合にはこの範囲外である場合と比較して数dB、FM放送帯の感度が向上する。なお、Kはガラス短縮率であり、通常0.64である。なお、略水平エレメント4aは第1の周波数の近傍で共振して第1の周波数の近傍の感度が向上する。
【0010】
ループ状エレメント4bの略横方向の長さ(ループの最大幅)はFM放送帯域の第2の周波数の波長をλ2 とするとき、(λ2 /4)×K〜(λ2 )×Kとすることが好ましい。この範囲内である場合にはこの範囲外である場合と比較して数dB、FM放送帯の感度が向上する。なお、ループ状エレメント4bは第2の周波数の近傍で共振して第2の周波数の近傍の感度が向上する。
【0011】
また、FM放送帯の中心周波数の波長をλM とするとき、波長λ1 ≦波長λM ≦波長λ 2 と設定することが好ましい。このように略水平エレメント4aの共振周波数(第1の周波数)とループ状エレメント4bの共振周波数(第2の周波数)とを分離し、FM放送帯を2つに分けて分担させてFM放送帯全域の感度の向上をめざし、広帯域化を図ったものである。
【0012】
略水平エレメント4aは車体開口縁7から20mm以上離れて設けられることが好ましい。略水平エレメント4aに励起する受信信号が車体開口縁7に漏れ、感度が低下するのを防止するためである。車体開口縁7とは窓ガラス板がはめ込まれる車体の開口部の周縁であって車体アースとなるべきものをいい、例えば、金属等の導電性材料で構成されている。
【0013】
図1の実施例の場合には、ループ状エレメント4bとデフォッガ3との最短距離を20mm以上とすることが好ましい。ループ状エレメント4bに励起する受信信号がデフォッガ3を介して車体開口縁7に漏れ、感度が低下するのを防止するためである。
【0014】
また、アンテナ導体の対接地浮遊容量は45pF以下が好ましい。45pF以下の場合には、45pF超の場合と比較して感度が数dB以上向上する。
【0015】
図2は図1とは別タイプの一実施例の構成図である。図2において、9はチョークコイル、10は直流電源である。図2の実施例の場合には、ループ状エレメント4bとデフォッガ3との最短距離を0.2〜20mmの範囲内とすることが好ましい。アンテナ導体とデフォッガ3を容量結合させ、デフォッガ3をアンテナとして利用して感度向上を達成するためである。
【0016】
図2においては、バスバ5a、5bと直流電源10との間にチョークコイル9を接続し、放送帯域にてチョークコイル9のインピーダンスを大きくすることによって、直流電源10からデフォッガ3への直流電流は流すが放送周波数帯域等の受信信号電流は遮断するようにしている。
【0017】
図3は図1とは別タイプの一実施例の構成図であり、アンテナ導体にFM感度調整用エレメント4eを設けている。FM感度調整用エレメント4eは波長λ1 と波長λ2 との間の感度が向上するようにFM感度調整用エレメント4eの導体長、形状を調整する。
【0018】
また、FM感度調整用エレメント4eとデフォッガ3との最短距離を20mm以上とすることが好ましい。アンテナ導体とFM感度調整用エレメント4eとに励起する受信信号がデフォッガ3を介して車体開口縁7に漏れ、感度が低下するのを防止するためである。
【0019】
また、図1のタイプと同様にアンテナ導体の対接地浮遊容量は45pF以下が好ましい。45pF以下の場合には、45pF超の場合と比較して感度が数dB以上向上する。なお、FM感度調整用エレメント4eが設けられる場合には、設けられない場合と比較してアンテナ導体の対接地浮遊容量が増加するが、FM感度調整用エレメント4eが設けられる場合にもアンテナ導体の対接地浮遊容量は45pF以下が好ましい。
【0020】
図1、2、3において、給電点は後部窓ガラス板1の左周縁部に配設されている。しかし、これに限定されず、後部窓ガラス板1のどの位置に配設されていてもよく、例えば、後部窓ガラス板1の左右中央の上下周縁部に配設されていてもよい。
【0021】
【実施例】
「例1(実施例)」
自動車の後部窓ガラス板1を使用し、図1に示すようなガラスアンテナを製作した。各部の寸法、定数は以下のとおりである。
【0022】
後部窓ガラス板1(略縦×略横) 800mm×1200mm、
略水平エレメント4aの導体長 900mm、
ループ状エレメント4b(略縦×略横) 30mm×1100mm、
接続導体4cの導体長 100mm、
給電導体4dの導体長 50mm、
ループ状エレメント4b(最下部)とデフォッガ3との距離 27mm、
略水平エレメント4aと車体開口縁7(最上部)との距離 22mm、
給電点(縦×横) 25mm×12mm、
アンテナ導体の対接地浮遊容量 42pF、
アンテナ導体の線幅 0.7mm。
AM放送の周波数−感度特性を表1に示し、FM放送の周波数−感度特性を表2に示す。
【0023】
「例2(比較例)」
自動車の後部窓ガラス板1を使用し、図4に示すようなガラスアンテナを製作した。各部の寸法、定数は以下のとおりである。
【0024】
後部窓ガラス板1(略縦×略横) 800mm×1200mm、
ループ状エレメント(略縦×略横) 80mm×900mm、
給電導体4dの導体長 50mm、
ループ状エレメント4b(最下部)とデフォッガ3との距離 30mm、
ループ状エレメント4b(最上部)と車体開口縁7との距離 22mm、
給電点(縦×横) 25mm×12mm、
アンテナ導体の線幅 0.7mm。
AM放送の周波数−感度特性を表1に示し、FM放送の周波数−感度特性を表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】
本発明では、AM放送も高感度で受信できるとともに、FM放送帯も広帯域で受信でき、FM放送帯の高域の感度も低下することが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用後部窓ガラスアンテナの一実施例の構成図
【図2】本発明の自動車用後部窓ガラスアンテナの別の実施例の構成図
【図3】本発明の自動車用後部窓ガラスアンテナの別の実施例の構成図
【図4】比較例であって、例2の自動車用後部窓ガラスアンテナの構成図
【符号の説明】
1:自動車の後部窓のガラス板
2:ヒータ線
3:デフォッガ
4a:略水平エレメント
4b:略長方形のループ状エレメント
4c:接続導体(ループ状エレメント4bの左の縦方向の導体を含まない導体)4d:給電導体
4e:FM感度調整用エレメント
6:アンテナ導体4の給電点
5a、5b:バスバ
10:直流電源
Claims (1)
- ヒータ線と該ヒータ線に給電するバスバとを有する通電加熱式のデフォッガと、アンテナ導体と、給電点とが自動車の後部窓ガラス板に設けられている自動車用後部窓ガラスアンテナにおいて、
アンテナ導体は略水平エレメントとループ状エレメントとを備えていて、ループ状エレメントは略水平エレメントとデフォッガとの間に設けられており、
略水平エレメントとループ状エレメントとが給電点に接続されており、
アンテナ導体の対接地浮遊容量は45pF以下であり、
FM放送帯域の第1の周波数の波長をλ 1 とし、FM放送帯域の第2の周波数の波長をλ 2 とし、FM放送帯の中心周波数の波長をλ M とし、波長λ 1 ≦波長λ M ≦波長λ 2 とするとき、
略水平エレメントの導体長を(λ 1 /4)×K〜(λ 1 )×Kとし、ループ状エレメントの略横方向の長さを(λ 2 /4)×K〜(λ 2 )×Kとし、Kを0.64とすることを特徴とする自動車用後部窓ガラスアンテナ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05851598A JP3744186B2 (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 自動車用後部窓ガラスアンテナ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11261321A JPH11261321A (ja) | 1999-09-24 |
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1998
- 1998-03-10 JP JP05851598A patent/JP3744186B2/ja not_active Expired - Fee Related
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