JPH09283317A - コイルボビンおよびその製造方法 - Google Patents

コイルボビンおよびその製造方法

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JPH09283317A
JPH09283317A JP8096357A JP9635796A JPH09283317A JP H09283317 A JPH09283317 A JP H09283317A JP 8096357 A JP8096357 A JP 8096357A JP 9635796 A JP9635796 A JP 9635796A JP H09283317 A JPH09283317 A JP H09283317A
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coil
terminal
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bobbin
coil terminal
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Kazuhiro Ichikawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品の低背化。資材費の削減。 【構成】 コイルボビン本体1のフランジ端部1aの一
端辺に凹部1cを設け、この凹部1cを挟む両側の凸部
にそれぞれコイル端子2を支持させる。コイル端子2
は、長尺の端子材を用いてインサート成形を行った後、
フランジ端部1aの外側および凹部1cにおいて切断し
て形成したものである。コイルボビン本体1のコイル巻
回部1bにコイル4を巻き付け、コイルから引き出され
るリードは、コイル端子2のコイルリード巻付部2aに
巻き付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電磁継電器
用の巻線ボビン等に用いられる小型のコイルボビンおよ
びその製造方法に関するのである。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来のコイルボビンの斜視図で
ある。図6に示すように、従来例のコイルボビンは、一
対のフランジ端部11aとコイル巻回部11bとを有す
るコイルボビン本体11と、一方のフランジ端部11a
内に垂直にかつ平行に保持された一対のコイル端子12
とから構成される。コイル端子12のフランジ部11の
上方に突出した部分はコイルリード巻付部12aとし
て、また下方に突出した端部は外部端子部12dとして
用いられる。
【0003】次に、従来のコイルボビンの製造方法につ
いて説明する。第1の方法は、インサート成形による製
造方法であって、図7に示すように、2本のコイル端子
材13をフランジ端部11aが保持するように、コイル
ボビン本体11が、1個ずつまたは複数個同時にインサ
ート成形される。インサート成形後、コイル端子材13
は切断されて図6に示すコイルボビンが製作される。第
2の方法では、図8に示すように、一方のフランジ端部
11aにコイル端子挿入穴11cの形成されたコイルボ
ビン本体11を予め成形しておき、所定の長さに切断さ
れたコイル端子12をコイル端子挿入穴11cに圧入す
る。
【0004】なお、樹脂成形体内にリード・端子等を保
持させたものとしては、次のものが公知となっている。
第1は、特開昭57−136723号公報に記載された
ものであって、これは、リードフレームに設けた短絡片
を露出させるための凹部をケースに設け、この短絡片を
後に切断するかあるいはそのまま残しておくかを選択す
ることによって光電スイッチの動作モードの切換を容易
に行いうるようにしたものである。
【0005】第2は、特開平4−78005号公報に記
載されたものであって、これは、巻線を施すボビンと端
子となる端子導体部が一体となった巻線ボビン端子にお
いて、巻線導体の端末がボビンのモールドされた巻線端
末巻き付け部と導体部の両方に巻き付けられる構造とし
たものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した図6乃至図8
に示した従来のコイルボビンには、以下の問題点があっ
た。第1に、コイル端子12のコイルリード巻付部12
aがコイルボビン本体のフランジ端部11aの上部に突
出しているため、その分高くなってしまい、電子機器の
薄型化に対して不利な形状となっていることである。第
2に、インサート成形法により形成する場合、成形金型
においてコイル端子材が固定されている部分が少ないた
め注入された高圧の樹脂によって移動しやすくコイル端
子位置のバラツキが大きくなるという問題があった。ま
た、コイル端子をコイル端子挿入穴に圧入する方法で
は、生産性が低く量産するのには適していない。また、
挿入穴に圧入する際、コイル端子先端が穴周辺を削るこ
とで、異物が発生するという問題もあった。第3に、従
来のインサート成形法では、2本のコイル端子材が必要
となるため部品点数が多くなり、また切断廃棄される端
子材長が長くなり資材費が高くなるという問題点があっ
た。したがって、本発明の解決すべき課題は、第1に、
コイルボビンの低背化を図ることであり、第2に、コイ
ル端子の位置精度を向上させることであり、第3に、資
材費を低減することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題は、コイル
ボビンのフランジ端部の一端辺に凹部を設け、この凹部
を貫通するようにして、凹部両端の凸部に1本のコイル
端子材を保持させ、このコイル端子材を上記凹部におい
て切断するようにすることにより解決ことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明によるコイルボビンは、コ
イル巻回部(1b)と該コイル巻回部の両端に形成され
た一対のフランジ端部(1a)とを備えるコイルボビン
本体(1)と、一方のフランジ端部に支持された一対の
コイル端子(2)と、を有するものであって、コイル端
子を支持するフランジ端部には一端辺中央に凹部(1
c)が形成され、該凹部の両側の凸部のそれぞれにコイ
ル端子(2)が同軸上で前記凸部のそれぞれの両側壁よ
り垂直に引き出されて固定されていることを特徴として
いる。
【0009】また、本発明のコイルボビンの製造方法
は、 一本の長尺にコイル端子材を、コイルボビン本体の
一方のフランジ端部の一端辺中央に設けた凹部を貫通さ
せて該凹部の両側の凸部にて保持するように、前記コイ
ル端子材に複数のコイルボビン本体をインサート成形支
持させる工程と、 前記コイル端子材をコイルボビン本体間およびフラ
ンジ端部の凹部内において切断して、個々のコイルボビ
ンに分離するとともに各コイルボビン毎に一対のコイル
端子を形成する工程と、を備えるものである。
【0010】このような構造および製造方法によれば、
コイル端子がフランジ端部の上部より突出することがな
いため、部品の低背化を達成することができる。また、
インサート成型を行う際にフランジ端部に形成する凹部
において金型にてコイル端子材を把持することができる
ため、注入された樹脂にあおられてコイル端子材が移動
することがなくなりコイル端子の位置精度を高めること
ができる。さらに、フランジ端部の凹部にてコイル端子
材を切断して2本のコイル端子を形成するようにしたの
で、コイル端子材を1本で済ますことができ、また切断
廃棄する線長を短くすることができるため、資材費を低
減することができる。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 [第1の実施例]図1は、本発明の第1の実施例を示す
コイルボビンの斜視図、図2は凹部の拡大斜視図であ
る。図1、図2に示すように、コイルボビン本体1は円
筒形のコイル巻回部1bとその両端に設けられた概略直
方体のフランジ端部1aとにより構成されている。一方
のフランジ端部1aの一端辺には凹部1cが形成されて
おり、この凹部1cの両側の凸部にそれぞれコイル端子
2が、同軸上で、上記凸部の各側壁より所定の長さ突出
するように支持されている。二つのコイル端子2は凹部
内での切断部2bにより分離されている。コイル端子2
の凸部内の部分にはコイル端子の抜けおよび回転防止の
ためにつぶし部2cが形成されている。
【0012】コイル4から引き出されるコイルリード4
aは、まず一方のコイル端子2のコイルリード巻付部2
aに巻き付けられる。次いで、リードはコイル巻回部1
bに所定回数巻かれる。その後、コイルリードの他端は
他方のコイル端子2のコイルリード巻付部2aに巻付け
られる。その後、両コイルリード巻付部2aを半田付け
してコイルが完成する。
【0013】ここで、図2を参照して凹部1cに係る各
部の寸法を示すと、フランジ端部1aは、隣接する二辺
の長さがそれぞれ9mm、厚さが1.2mmの直方体、
凹部は、幅が5mm、高さが2.5mm、したがって、
凹部1cを挟む凸部の幅は2mmとなる。コイル端子2
の断面は一辺の長さが0.6mmの正方形であり、切断
部2bの間隙は0.5mm乃至それ以上に設定される。
コイルリード巻付部2aの長さは1.0mm程度であ
り、その先端は、外部端子5と機械的・電気的に接続す
るために1mm程度の余裕が設けられる。また、つぶし
部2cは1.2mm×1.0mmの楕円形状になされて
いる。
【0014】次に、本発明の第1の実施例のコイルボビ
ンの製造方法について説明する。図3は、インサート成
型後の状態を示す斜視図である。複数のコイルボビン本
体1が、成型するのに必要なピッチを隔てて、フランジ
端部1aに設けた凹部1cを貫通する状態で1本のコイ
ル端子材3によりつながれている。まず、角形のコイル
端子材3を用意し、所定の間隔をおいてつぶし部2cを
形成した後、成型金型内に設置してインサート成型を行
う。この際、凹部1c(の形成領域)において、成型金
型のスライドコアによりコイル端子材3を把持する。そ
のため、高温・高圧の成型樹脂の流れを受けても端子材
がシフトしたり変形したりしてしまうことはない。凹部
1cを形成するのに、スライドコアを用いる場合には、
樹脂のコイル端子材への付着を防止するためにコイル端
子材3は角材とすることが望ましい。
【0015】インサート成型後、各コイルボビン本体1
間および凹部1cにおいてコイル端子材3を切断し、本
実施例のコイルボビンが完成する。その後、巻き線を行
う前あるいは巻き線後に図2に示す外部端子5を接続す
る。外部端子5の接続は、凹部1c内に突出したコイル
端子2の残部と行うことも可能であり、この場合、コイ
ルボビンの外形幅を小さくできる。
【0016】[第2の実施例]図4は、本発明の第2の
実施例を示す部分拡大斜視図である。同図において、図
2の部分と同等の部分には同一の参照番号が付せられて
いる。第2の実施例では、図2に示す第1の実施例で切
断していたコイルリード巻付部2a側の端子端部を切断
せずに下方に曲げて外部端子部2dとしている。この実
施例によれば、第1の実施例のように外部端子を別部材
にて用意する必要がなく、コイル端子材3を有効活用し
て部品点数を削減することができる。この実施例では、
コイル端子2の曲げ加工の際、コイルリード巻付部2a
と治具との接触から生じるコイルリード4aの断線を避
けるため、治具のつかみ代を1mm程度とる必要があ
る。
【0017】[第3の実施例]図5は、本発明の第3の
実施例を示す拡大斜視図である。同図に示されるよう
に、凹部1cを貫通するコイル端子材3を切断して左右
のコイル端子2に分離する際に切断部両側を曲げ加工し
てフランジ部2の端面より突出させ、コイルリード巻付
部2aを形成する。そして、先の実施例と同様に、コイ
ルリード4aを巻き付けし半田で固着した後、左右のコ
イル端子2を下方へ曲げ外部端子部2dを形成する。本
実施例では、凹部内にあったコイル端子材をコイルリー
ド巻付部2aとして利用するため、コイルリードの接触
の信頼性を向上させるこの部分に成形樹脂が付着するの
を防止する必要があり、そのため本実施例では端子材に
角材を用いることは特に望ましい。また、本実施例では
コイル端子2の曲げ方向が交差するため、正方形の断面
形状の方が曲げ加工がやりやすくなる。この第3の実施
例では、コイルリード巻付部をコイル端子2の凹部側に
設けたため、第2の実施例に比較して両側のコイルリー
ド巻付部2aの長さ分だけ外形幅を小さくできる。但
し、本実施例の場合にも、外部端子部2dを形成する際
の曲げ荷重によってフランジ端部1aが破損することを
避けるため、コイル端子2につかみ代を取る必要があ
る。
【0018】上記第2、第3の実施例では、コイルリー
ド巻付部2aにコイルリードを巻き付けた後に外部端子
部2dを形成するための曲げ加工を行っていたが、この
順序を逆にしてもよい。また、第2、第3の実施例で
は、THD(スルーホールマウントデバイス)型に外部
端子部を加工していたが、コイル端子2の外部端子部側
を2個所で折り曲げ、先端部がコイルボビン本体のコイ
ル巻回部1bと平行または直交しかつその底面がフラン
ジ端部1aの底面と一致するようにしてSMD(サーフ
ェスマウントデバイス)型に加工してもよい。
【0019】最後に、材料について付言すると、コイル
ボビン本体1の材料としては、ガラス繊維強化(10〜
30%グラスファイバーwt%)されたポリブチレンテ
レフタレートもしくは液晶ポリマーを用いる。ただし、
耐熱性や外界からの吸水によるコイルボビンの寸法変化
が問題とならない場合にはナイロンを用いることもでき
る。また、コイル端子材3の材料としては、Ni−Cu
合金の他、半田ぬれ性がよくかつ曲げ加工により破損し
ない程度の強度をもつものを用いる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるコイ
ルボビンは、一方のフランジ端部の一端辺に設けた凹部
を貫通する一本のコイル端子材を凹部にて切断して2本
のコイル端子を形成するものであるので、フランジ端部
の上部にコイル端子のコイルリード巻付部を突出させな
いようにすることができ、部品の低背化が可能になる。
また、インサート成形の際に1本のコイル端子材を用い
るだけであり、さらに切断廃棄される端子材部分を少な
くすることができるので資材費を低減することができ
る。さらに、インサート成形時に、凹部形成部において
コイルリード材を金型にて把持することができるため、
注入樹脂による端子材の移動・変形を防止することがで
き、コイル端子の位置精度の高いコイルボビンを提供す
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のコイルボビンの斜視
図。
【図2】本発明の第1の実施例のコイルボビンの部分拡
大斜視図。
【図3】本発明のコイルボビンの製造方法を説明するた
めの斜視図。
【図4】本発明の第2の実施例のコイルボビンの部分拡
大斜視図。
【図5】本発明の第3の実施例のコイルボビンの部分拡
大斜視図。
【図6】従来のコイルボビンの斜視図。
【図7】コイルボビンの従来の一製造方法を説明するた
めの斜視図。
【図8】コイルボビンの従来の他の製造方法を説明する
ための斜視図。
【符号の説明】
1、11 コイルボビン本体 1a、11a フランジ端部 1b、11b コイル巻回部 1c 凹部 11c コイル端子挿入穴 2、12 コイル端子 2a、12a コイルリード巻付部 2b 切断部 2c つぶし部 2d 12d 外部端子部 3、13 コイル端子材 4 コイル 4a コイルリード 5 外部端子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル巻回部と該コイル巻回部の両端に
    形成された一対のフランジ端部とを備えるコイルボビン
    本体と、一方のフランジ端部に支持された一対のコイル
    端子と、を有するコイルボビンにおいて、コイル端子を
    支持するフランジ端部には一端辺中央に凹部が形成さ
    れ、該凹部の両側の凸部のそれぞれにコイル端子が同軸
    上で前記凸部のそれぞれの両側壁より垂直に引き出され
    て固定されていることを特徴とするコイルボビン。
  2. 【請求項2】 前記コイル端子の前記凸部の内側に引き
    出された端部は前記コイルボビン本体のコイル巻回部の
    長手方向と平行になるように直角に折り曲げられてコイ
    ルリード巻付部になされていることを特徴とする請求項
    1記載のコイルボビン。
  3. 【請求項3】 前記コイル端子の前記凸部の外側に引き
    出された端部は前記コイル巻回部の長手方向と直交する
    ようにかつ前記フランジ端部の前記コイル端子の引き出
    された側面と平行になるように折り曲げられて外部端子
    部になされていることを特徴とする請求項1記載のコイ
    ルボビン。
  4. 【請求項4】 前記コイル端子は断面が四角形状である
    ことを特徴とする請求項1記載のコイルボビン。
  5. 【請求項5】 前記コイル端子には前記フランジ端部の
    前記凸部内においてつぶし加工が施されていることを特
    徴とする請求項1記載のコイルボビン。
  6. 【請求項6】 一本の長尺にコイル端子材を、コイルボ
    ビン本体の一方のフランジ端部の一端辺中央に設けた凹
    部を貫通させて該凹部の両側の凸部にて保持するよう
    に、前記コイル端子材に複数のコイルボビン本体をイン
    サート成形により支持させる工程と、前記コイル端子材
    をコイルボビン本体間およびフランジ端部の凹部内にお
    いて切断して、個々のコイルボビンに分離するとともに
    各コイルボビン毎に一対のコイル端子を付与する工程
    と、を有することを特徴とするコイルボビンの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記コイル端子材を切断する際若しくは
    切断後に、コイル端子の内側および/または外側端部を
    垂直に曲げ加工することを特徴とする請求項6記載のコ
    イルボビンの製造方法。
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