JPH09279334A - クロム系スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents
クロム系スパッタリングターゲットの製造方法Info
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- JPH09279334A JPH09279334A JP8088476A JP8847696A JPH09279334A JP H09279334 A JPH09279334 A JP H09279334A JP 8088476 A JP8088476 A JP 8088476A JP 8847696 A JP8847696 A JP 8847696A JP H09279334 A JPH09279334 A JP H09279334A
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Abstract
分散状態を緻密かつ均一にすることにより、スパッタリ
ングの際の放電特性が安定なクロム系スパッタリングタ
ーゲットを提供する。 【解決手段】 原料粉として酸化クロム粉末とカ−ボン
粉末とを用い、これらの混合粉の成形体を、真空焼成や
雰囲気焼成等の還元焼成した後、粉砕、成形して、再び
真空焼成や雰囲気焼成等を行うクロム系スパッタリング
ターゲットの製造方法。
Description
ル等の製造において、酸化クロム薄膜を形成する際に使
用されるスパッタリングタ−ゲットの製造方法に関する
ものである。
クマトリックス等に用いられる酸化クロム薄膜の形成に
は、金属クロムターゲットに酸素ガス等を用いた反応性
スパッタリングが採用されてきた。しかしながら、この
金属クロムターゲットを用いた反応性スパッタリングで
は、主に酸素ガス流量をコントロ−ルして、酸化クロム
薄膜を形成するが、その際、連続成膜時の成膜速度、成
膜組織、膜厚分布等に経時変化があり、安定性が十分で
なかった。
酸化クロム薄膜を形成することが可能なCr−Cr2O3
スパッタリングターゲットが開発されている。これは金
属クロム粉末と酸化クロム粉末とを混合し、非酸化性の
雰囲気下で焼結することにより得られる、スパッタリン
グターゲットである。これによれば、タ−ゲット中に酸
素が入っているために、酸素ガス流量が、少なくてすむ
ことから、スパッタのコントロ−ルも、容易にでき、連
続成膜時の各特性が、従来に比べ一部改善されてきてい
る。
方法で作製されたCr−Cr2O3スパッタリングターゲ
ットにおいて、ターゲット内での金属クロムと酸化クロ
ムとの分散状態は、例えば粒径が100ミクロン以上の
酸化クロムやその集合体が不均一に分散しているという
ものであり、このようなタ−ゲットを用いてDCスパッ
タリングあるいは、RFスパッタリングをすると、スパ
ッタリングの際に放電の局所的集中が生じやすく、パ−
ティクルの発生の原因になったり、また、放電電圧も安
定せず、その結果、連続成膜が安定にできないという問
題が新たに生じている。
問題点を解決した、主として金属クロムと酸化クロムと
からなるクロム系スパッタリングターゲット、すなわ
ち、ターゲット内の金属クロムと酸化クロムの分散状態
が緻密かつ均一であり、スパッタリングの際の放電電圧
が安定であり、連続成膜を安定に行うことができるクロ
ム系スパッタリングターゲットの製造方法を提供するこ
とを目的としている。
を解決するために鋭意検討を行なった結果、クロム酸化
物およびカ−ボンの混合粉末の成形体を還元焼成して得
た焼成物を粉砕し、この粉砕粉の成形体を、好ましくは
真空焼成又は雰囲気焼成することによって、放電電圧が
安定であり連続成膜が安定に行なうことができるクロム
系スパッタリングタ−ゲットを得られることを見出し本
発明を完成するに至った。
カ−ボンの混合粉末の成形体を還元焼成した後、粉砕
し、この粉砕粉によって得られた成形体を焼成すること
を特徴とするクロム系スパッタリングタ−ゲットの製造
方法に関する。
とカ−ボン粉末とを用い、混合−成形−第1焼成(還元
反応)−粉砕−成形−第2焼成(焼結)の一連のプロセ
スによって、クロム系スパッタリングターゲットを製造
する。
は限定されず、クロム酸化物であればよく、市販品とし
て入手の容易なCr2O3を用いることができる。原料と
して用いるカ−ボンは、市販品として入手の容易な粉末
を用いればよい。両原料粉とも1種類でもよいし、2種
類以上を混合して用いてもよい。また、原料粉の粒径
(最大粒径)は100μm以下であることが好ましく、
10μm以下であることがさらに望ましい。
ボン粉末の混合比は、少なくとも、カ−ボンが、酸化ク
ロムとの還元反応で消費されてしまうものであればよ
い。カ−ボンの混合比は重量比で19wt%以下であれ
ばよいが、良好な特性を示すクロム系スパッタリングタ
ーゲットを得るためには、カ−ボンの混合比は重量比で
3.2wt%〜18.1wt%であることが望ましい。
なぜなら、得られるスパッタリングターゲット中に未反
応カ−ボンが残留せず、酸化クロムの分散が良好とな
り、タ−ゲットが導電性を有し、かつ十分な酸素を含有
するからである。
混合する方法は特には限定されず、市販のクロスミキサ
−や、ジルコニア製やナイロン製などのボールを用いた
通常のボールミル混合を行えばよいし、これらを組み合
わせてもよい。
化クロムの還元反応を効果的に進行させるために、両者
の粉末の接触面積を高める目的で行なうものであり、例
えば金型成形法などにより成形すればよい。また必要に
応じて、冷間静水圧プレス法によって加圧処理すること
が望ましい。
焼成することにより、前記成形体中の酸化クロムがカ−
ボン粉末により還元されて、主として金属クロムと酸化
クロムからなる焼成物が得られる。
成や雰囲気焼成などをあげることができる。
内圧力を100Pa以下に保った状態で焼成を行うこと
を意味する。また、雰囲気焼成とは、焼成時に焼成物と
反応しない、例えばアルゴンガスなどの不活性ガスを導
入し、焼成炉の炉内圧力を760torr以下に保った
状態で焼成を行うことを意味する。本発明では、必要に
応じてこれら2つの方法を組み合わせてもよい。
であればよく、好ましくは、1200〜1400℃であ
り、焼成時間は1時間から20時間とすることが好まし
い。この還元焼成では、カ−ボン粉末による酸化クロム
の還元反応によりCOガスが発生する。この還元反応を
速やかに進行させるために、真空焼成の場合には、焼成
炉の炉内圧力は100Pa以下に減圧することが必要で
あるが、焼成物中の金属クロムと酸化クロムの分散状態
をより良好なものとするために、この炉内圧力を5Pa
以下に減圧することがさらに望ましい。
は特には限定されず、ジョークラッシャーや遊星型ボ−
ルミル又は、ブラウン粉砕機等を用いて、次工程での、
この粉砕粉の成形を容易に行うことができる粒子サイ
ズ、例えば、粒径150μm以下となるように粉砕を行
えばよい。
ッタリングターゲットの形状に合った成形法を選べばよ
く、例えば、金型成形法や鋳込み成形法等を例示するこ
とができる。また必要に応じて、冷間静水圧プレス法に
よって加圧処理することが望ましい。
の温度で焼成することにより、主として金属クロムと酸
化クロムとからなる焼結体が得られる。この際の焼成温
度は1200℃以上、好ましくは、1300〜1400
℃であればよく、焼成時間は特に限定されないが、1時
間から20時間とすることが好ましい。
ムが必要以上に酸化されることを防止するため、先に述
べた、真空焼成または雰囲気焼成を行うことが望まし
い。そして、焼結体中の金属クロムと酸化クロムとの分
散状態の均一性を向上させるため、真空焼成を行う場
合、炉内圧力を5Pa以下に減圧することがさらに望ま
しい。
施できるホットプレスによって焼結体を得ることもで
き、焼成時の条件は、1200℃以上、好ましくは、1
300〜1400℃であればよく、圧力は25kg/c
m2以上の面圧をかけることで高密度な焼結体を得るこ
とができる。
ずれでもよく、雰囲気焼成の場合、雰囲気はモ−ルドと
酸化クロムの反応をさけるためにArガスなどの不活性
ガスを導入し、炉内圧力を760torr以下に保った
状態で焼成することが望ましい。
り焼結体を得ることもできる。焼結条件は温度が110
0℃以上で、圧力は1000kg/cm2以上の面圧を
かけることで高密度な焼結体を得ることができる。
クロムと酸化クロムとからなる焼結体を従来法により研
削加工し、所定の寸法に整形することにより、酸化クロ
ムおよびクロムが、均一に分散しており、スパッタリン
グ時の放電電圧や放電電流が安定で、安定な成膜が可能
なクロム系スパッタリングターゲットを製造することが
できる。
てさらに具体的に説明する。
末1638.9gと市販のカ−ボン粉末(平均粒径3ミ
クロン)361.1g(カ−ボン重量比:18.1wt
%)を、クロスミキサ−で10分間混合した後、直径1
5mmφのジルコニアボールとともに、5リットルのポ
リエチレンポットに入れて、16時間ボールミル混合を
行なった。
合粉末をゴム性の袋に1kg入れこれを冷間静水圧プレ
ス法で3ton/cm2の圧力で処理した後、焼成炉の
炉内圧力を5〜10Paに減圧した状態で100℃/h
で昇温し、1400℃で10時間焼成を行った。
粗粉砕し、その後遊星型ボ−ルミルにより微粉砕するこ
とで、粒径を150μm以下に調製した。得られた粉末
を直径101mmのカ−ボンモ−ルドに充填し、ホット
プレスによる焼成を行なった。焼成条件は、Ar雰囲気
で700torrに減圧した状態で、昇温速度は、30
0℃/h,焼結温度は、1400℃,2時間,プレス圧
力は、57kg/cm2で行なった。得られた焼結体の
表面を平面研削盤で研削し、側面を円筒研削盤で研削し
て整形し、クロム系スパッタリングターゲットを作製し
た。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は90:10で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で96.8%であっ
た。
販のカ−ボン粉末336.7g(カ−ボン重量比:1
8.1wt%)とし、ホットプレス時のプレス圧力を2
8kg/cm2とした以外は実施例1と全く同様にして
クロム系スパッタリングターゲットを作製した。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は80:20で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で97.1%であっ
た。
例2と全く同様にしてクロム系スパッタリングターゲッ
トを作製した。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は80:20で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で94.4%であっ
た。
た以外は実施例3と全く同様にしてクロム系スパッタリ
ングターゲットを作製した。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は80:20で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で94.4%であっ
た。
例2と全く同様にしてクロム系スパッタリングターゲッ
トを作製した。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は80:20で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で84.0%であっ
た。
た以外は実施例5と全く同様にしてクロム系スパッタリ
ングターゲットを作製した。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は80:20で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で93.5%であっ
た。
した以外は実施例5と全く同様にしてクロム系スパッタ
リングターゲットを作製した。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は80:20で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で97.4%であっ
た。
販のカ−ボン粉末309.8g(カ−ボン重量比:1
5.4wt%)とし、ホットプレス時のプレス圧力を2
8kg/cm2とした以外は実施例1と全く同様にして
クロム系スパッタリングターゲットを作製した。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は70:30で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で96.9%であっ
た。
販のカ−ボン粉末246.8g(カ−ボン重量比:1
2.3wt%)とし、ホットプレス時のプレス圧力を2
8kg/cm2とした以外は実施例1と全く同様にして
クロム系スパッタリングターゲットを作製した。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は50:50で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で97.3%であっ
た。
販のカ−ボン粉末64.1g(カ−ボン重量比:3.2
wt%)とし、ホットプレス時のプレス圧力を28kg
/cm2とした以外は実施例1と全く同様にしてクロム
系スパッタリングターゲットを作製した。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は10:90で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で97.5%であっ
た。
r2O3粉末100gとを、実施例1と同様に、直径15
mmφの鉄心入りナイロンボールおよび混合媒体として
のエタノールとともに、5リットルのポリエチレンポッ
トに入れて、24時間ボールミル混合を行なった。混合
後、スラリーとボールを分離し、スラリーをナス型フラ
スコに入れてエバポレーターにより乾燥し、造粒し混合
粉末を得た以外は、実施例1と同様にしてクロム系スパ
ッタリングターゲットを作製した。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は90:10で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で93.5%であっ
た。
r2O3粉末500gとした以外は、比較例1と同様にし
てクロム系スパッタリングターゲットを作製した。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は50:50で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で94.3%であっ
た。
r2O3粉末900gとした以外は、比較例1と同様にし
てクロム系スパッタリングターゲットを作製した。
ろ、Cr:Cr2O3の組成比(wt%)は10:90で
あり、タ−ゲット密度は相対密度で93.3%であっ
た。
えられたタ−ゲットを、バッキングプレートにボンディ
ングしてDC又は、RFスパッタリング装置に取り付
け、放電電力を一定として放電電圧および放電電流の経
時変化を1時間観察した。DCスパッタでの評価は、実
施例1〜9、および比較例1〜2で得られたタ−ゲット
を用いて行なった。RFスパッタでの評価は、実施例1
0、および比較例3で得られたタ−ゲットを用いて行な
った。また、この連続放電試験の際に、パ−ティクルを
評価するために、スパッタ装置のチャンバ−内の、タ−
ゲットに対向するする位置にシリコン基板を装着した。
パ−ティクルは、30ミクロン以下の大きさを評価の対
象とした。
ずれにおいても、本実施例におけるタ−ゲットは、放電
電圧、放電電流とも、安定しパ−ティクルも、ほとんど
観察されなかった。これに対し、本比較例のタ−ゲット
は、放電電圧、放電電流とも、不安定であり、パ−ティ
クルも、多数付着していた。
ーゲット中に分散しているCr2O3の内部組織をSEM
によって観察した。実施例1で得られたターゲットでは
粒径約20μmのCr2O3粒子が均一に分散しており、
最大粒径でも約35μm程度であった。これに対して、
比較例1で得られたターゲットでは、粒径約50μmの
Cr2O3粒子が不均一に分散しており、最大粒径は約1
00μm程度であった。
り得られたクロム系スパッタリングターゲットは安定な
連続放電特性をもつことが明らかになった。これは、ク
ロムと酸化クロムの均一な分散状態によってこれらの特
性が得られたと考えられる。
ットの製造方法によれば、従来使用されていたCr−C
r2O3スパッタリングターゲットと比較して、ターゲッ
ト内での金属クロムと酸化クロムとの分散状態を緻密か
つ均一にすることができる。その結果、スパッタリング
の際に、放電の局所的集中がなくなり放電特性が安定す
るので、パ−ティクルが発生しにくく、連続成膜を安定
に行うことが可能となる。
Claims (6)
- 【請求項1】 クロム酸化物およびカ−ボンの混合粉末
の成形体を還元焼成した後、粉砕し、この粉砕粉によっ
て得られた成形体を焼成することを特徴とするクロム系
スパッタリングタ−ゲットの製造方法。 - 【請求項2】 還元焼成が真空焼成である、請求項1に
記載のクロム系スパッタリングタ−ゲットの製造方法。 - 【請求項3】 還元焼成が雰囲気焼成である、請求項1
に記載のクロム系スパッタリングタ−ゲットの製造方
法。 - 【請求項4】 粉砕粉によって得られた成形体を焼成す
る方法が真空焼成である、請求項1〜3のいずれかに記
載のクロム系スパッタリングタ−ゲットの製造方法。 - 【請求項5】 粉砕粉によって得られた成形体を焼成す
る方法が雰囲気焼成である、請求項1〜4のいずれかに
記載のクロム系スパッタリングタ−ゲットの製造方法。 - 【請求項6】 クロム酸化物およびカ−ボンの混合粉末
が各々Cr2O3粉末およびC粉末からなり、C粉末の混
合量が重量比で3.2wt%〜18.1wt%の範囲に
あることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載
のクロム系スパッタリングタ−ゲットの製造方法。
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- 1996-04-10 JP JP08847696A patent/JP3791041B2/ja not_active Expired - Fee Related
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