JPH09278757A - ヒドラゾン誘導体および剤 - Google Patents

ヒドラゾン誘導体および剤

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JPH09278757A
JPH09278757A JP8092903A JP9290396A JPH09278757A JP H09278757 A JPH09278757 A JP H09278757A JP 8092903 A JP8092903 A JP 8092903A JP 9290396 A JP9290396 A JP 9290396A JP H09278757 A JPH09278757 A JP H09278757A
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Withdrawn
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JP8092903A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Shiraishi
充 白石
Takeshi Maekawa
毅志 前川
Toshifumi Watanabe
敏文 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カリウム・チャネル開口作用を有する新規ヒド
ラゾン誘導体を提供する。 【解決手段】式 【化1】 〔式中、A環はさらに置換されていてもよいベンゼン環
を、B環は置換されていてもよいピリジン環を、Qは置
換されたアミノ基を、nは0または1を示す。〕で表さ
れる化合物またはその塩。 【効果】上記化合物は、カリウム・チャネル開口作用を
有し、狭心症、高血圧症等の循環器系疾患治療剤として
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬として有用な新
規ヒドラゾン誘導体および剤に関する。本発明の新規ヒ
ドラゾン誘導体はカリウム・チャネル開口作用に基づく
平滑筋弛緩作用、冠血流増加作用、血圧降下作用、虚血
心筋保護作用、脂質代謝改善作用を有し、狭心症、心筋
梗塞、心不全、不整脈、高血圧症等の循環器系疾患、喘
息等の呼吸器系疾患、脳血管攣縮、脳溢血、てんかん等
の脳疾患、尿失禁、消化器潰瘍、過敏性腸症候群、毛髪
喪失等の治療および予防効果を有する。
【0002】
【従来の技術】最近、カリウム・チャネル・オープナー
と呼ばれ、カリウム・チャネルを開口(活性化)するこ
とにより、平滑筋弛緩作用を発現する新しいタイプの薬
物が注目されている。例えば、特開昭58−67683
号やジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー
(J.Med.Chem.)、1986年、29巻、219
4〜2201頁やブリティシュ・ジャーナル・オブ・フ
ァーマコロジー(Br.J.Pharmac.)、1986年、8
8巻、103〜111頁には、カリウム・チャネル開口
(活性化)作用を有し、高血圧自然発症ラットに対して
血圧降下作用を示すクロマン−3−オール誘導体が、米
国特許第4057636号には、血圧降下作用を示すシ
アノグアニジン誘導体が開示されている。しかし、本発
明のようなカリウム・チャネル開口作用を示すヒドラジ
ン誘導体は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、平滑筋弛緩
作用、冠血流増加作用、血圧降下作用、虚血心筋保護作
用、脂質代謝改善作用を有し、狭心症、不整脈、心不
全、心筋梗塞、高血圧症等の循環器系疾患、脳血管攣
縮、脳溢血、てんかん等の脳疾患、喘息、尿失禁等の治
療および予防作用のほか、脱毛症の局部治療に有用な新
規ヒドラゾン誘導体およびその塩を提供するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒドラゾ
ン誘導体につき種々検討した結果、式〔I〕
【化5】 〔式中、A環はさらに置換されていてもよいベンゼン環
を、B環は置換されていてもよいピリジン環を、Qは置
換されたアミノ基を、nは0または1を示す。〕で表さ
れる新規ヒドラゾン誘導体またはその塩(以下、化合物
〔I〕と略称する)を合成し、かつこの化合物〔I〕が予
想外にも優れたカリウム・チャネル開口作用を有するこ
とを見いだし、これに基づいて本発明を完成した。すな
わち、本発明は、 (1)化合物〔I〕、 (2)Qが式
【化6】 〔式中、R1は置換されていてもよい脂肪族炭化水素基
を、R2は水素原子または置換されていてもよい脂肪族
炭化水素基を示し、R1とR2は隣接するNとともに環を
形成していてもよい。〕で表わされる基である前記
(1)記載の化合物、 (3)R1がそれぞれ置換されていてもよいC1-10アル
キル基、C3-10アルケニル基、C3-10アルキニル基、C
3-8シクロアルキル基、C5-8シクロアルケニル基または
7-12アラルキル基である前記(1)記載の化合物、 (4)R1がそれぞれ置換されていてもよい分岐状C3-8
アルキル基またはC3-8シクロアルキル基である前記
(1)記載の化合物、
【0005】(5)R1がα位で分岐するC3-8アルキル
基である前記(1)記載の化合物、 (6)R2が水素原子、C1-10アルキル基、C3-10アル
ケニル基、C3-10アルキニル基、C3-8シクロアルキル
基、C5-8シクロアルケニル基またはC7-12アラルキル
基である前記(1)記載の化合物、 (7)R2が水素原子またはC1-4アルキル基である前記
(1)記載の化合物、 (8)R1がt−ブチル基、R2が水素原子である前記
(1)記載の化合物、 (9)ベンゼン環(A環)の置換基が(1)ハロゲン原
子、(2)シアノ基、(3)ニトロ基、(4)アシル基、(5)置換
されていてもよいアミノ基、(6)置換されていてもよい
アルコキシ基、(7)エステル化またはアミド化されてい
てもよいカルボキシル基、(8)エステル化またはアミド
化されていてもよいスルフィン酸またはスルホン酸基、
(9)置換されていてもよいメルカプト基、(10)置換され
ていてもよい炭化水素基、(11)カルボニル基を介してい
てもよい2価の炭化水素基または(12)=N−O−N=で
ある前記(1)記載の化合物、 (10)ベンゼン環(A環)がハロゲン原子および/ま
たはシアノ基で置換された前記(1)記載の化合物、
【0006】(11)A環が式
【化7】 〔式中、Raはハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C
1-10アシル基、低級アルコキシ基、ハロゲノ低級アルコ
キシ基、低級アルキルチオ基、ハロゲノ低級アルキル基
または低級炭化水素基を、Rbは水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基、C1-10アシル基、アミノ基、
低級アルキルアミノ基、低級アルコキシ基、低級アルキ
ルチオ基、低級炭化水素基またはハロゲノ低級アルキル
基を示す。〕で表される環である前記(1)記載の化合
物、 (12)Raがハロゲン原子、ハロゲノ低級アルキル
基、低級アルキル基またはハロゲノ低級アルコキシ基
を、Rbが水素原子、ハロゲン原子またはシアノ基であ
る前記(11)記載の化合物、 (13)B環の置換基が(1)ハロゲン原子、(2)シアノ
基、(3)置換されていてもよいアミノ基、(4)アシル基、
(5)エステル化またはアミド化されていてもよいカルボ
キシル基、(6)置換されていてもよいアルコキシ基、(7)
置換されていてもよいメルカプト基、(8)置換されてい
てもよい炭化水素基または(9)OR3(R3は水素原子ま
たは水酸基の保護基を示す)である前記(1)記載の化
合物、 (14)ピリジン環(B環)が式
【化8】 〔式中、R3は水素原子または水酸基の保護基を、R4
ハロゲン原子、シアノ基、低級アルコキシ基、低級アル
キル基またはハロゲノ低級アルキル基を、mおよびnは
それぞれ0または1を示す。〕で表される環である前記
(1)記載の化合物、 (15)mが0である前記(9)記載の化合物、
【0007】(16)Z異性体である前記(1)記載の
化合物、 (17)(Z)−2−〔5−ブロモ−α−(t−ブチル
ヒドラゾノ)−2−ヒドロキシベンジル〕−3−ヒドロ
キシピリジン、(Z)−2−〔5−ブロモ−α−(t−
ブチルヒドラゾノ)−2−ヒドロキシベンジル〕−3−
ヒドロキシピリジン N−オキシド、(Z)−2−〔5
−ブロモ−α−(t−ブチルヒドラゾノ)−4−シアノ
−2−ヒドロキシベンジル〕−3−ヒドロキシピリジン
N−オキシド、(Z)−2−〔α−(t−ブチルヒド
ラゾノ)−5−クロロ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ
ベンジル〕−3−ヒドロキシピリジン、(Z)−2−
〔5−ブロモ−α−(t−ブチルヒドラゾノ)−4−フ
ルオロ−2−ヒドロキシベンジル〕−3−ヒドロキシピ
リジンもしくは(Z)−2−〔α−(t−ブチルヒドラ
ゾノ)−4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンジル〕
−3−ヒドロキシピリジンまたはその塩である前記
(1)記載の化合物、 (18)前記(1)記載の化合物を含有することを特徴
とする医薬組成物、 (19)循環器系疾患治療剤である前記(18)記載の
医薬組成物、 (20)循環器系疾患が狭心症である前記(19)記載
の医薬組成物および (21)循環器系疾患が高血圧症である前記(19)記
載の医薬組成物等に関する。上記式〔I〕中、Qは置換
されたアミノ基を示す。Qで示される置換されたアミノ
基としては、例えば式
【化9】 〔式中、R1は置換されていてもよい脂肪族炭化水素基
を、R2は水素原子または置換されていてもよい脂肪族
炭化水素基を示し、R1とR2は隣接するNとともに環を
形成していてもよい。〕等が挙げられる。
【0008】R1またはR2で示される置換されていても
よい脂肪族炭化水素基における脂肪族炭化水素基として
は、例えばC1-10アルキル(例えばメチル、エチル、 プ
ロピル、 イソプロピル、 ブチル、 イソブチル、t−ブチ
ル、s−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル、t−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチ
ル、1,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、
ヘキシル、イソヘキシル、1−メチルペンチル、2−メ
チルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチル
ブチル、1,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチ
ル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−
トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、
1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メ
チルプロピル等)、 C3-10アルケニル(例えばアリル、
2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニ
ル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニ
ル、4−メチル−3−ペンテニル、2−ヘキセニル、3
−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル等)、
3-10アルキニル(例えば2−プロピニル、2−ブチニ
ル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、2−
ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メ
チル−2−ブチニル、1−メチルー3−ブチニル、2−
メチルー3−ブチニル、1,1−ジメチル−2−プロピ
ニル、1−エチル−2−プロピニル、2−ヘキシニル、
3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1
−メチル−2−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニ
ル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−3−ペ
ンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、3−メチル−
4−ペンチニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル、
1,1−ジメチル−3−ブチニル、2,2−ジメチル−
3−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、2−エチル
−3−ブチニル、1−プロピル−2−プロピニル、1−
イソプロピル−2−プロピニル、1−エチル−1−メチ
ル−2−プロピニル等)、C3-8シクロアルキル(例え
ばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル等)、C5-8シクロアルケニル(例えば2
−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1
−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘ
キセン−1−イル等)、C7-12アラルキル(例えばベン
ジル、フェネチル、4−フェニルプロピル、4−フェニ
ルブチル、1−ナフチルメチル、1−ナフチルメチル
等)等のC1-10脂肪族炭化水素基等が用いられる。
【0009】R1またはR2で示される置換されていても
よい脂肪族炭化水素基における置換基としては、例えば
(i)ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素
等)、(ii)ハロゲノC1-4アルキル(例えばCF3、C
3CF2、CH2F、CHF2等)、(iii)C1-4アルコ
キシ(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプ
ロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ
等)、(iv)C1-4アルキル(例えばメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブ
チル等)、C1-4アルコキシ(例えばメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブト
キシ、t−ブトキシ等)、水酸基、ニトロ、ハロゲン
(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ハロゲノC
1-4アルキル(例えばCF3、CF3CF2、CH2F、C
HF2等)、シアノおよびハロゲノC1-4アルコキシ(例
えばCF3O、HCF2O等)から選ばれる1ないし3個
で置換されていてもよいフェニル基、(v)CO2
7(R7は水素原子またはC1-4アルキル基を示す。)お
よび(vi)CH2OR8(R8は水素原子またはC1-4アル
キル基を示す。)等から選ばれる1ないし3個が用いら
れる。ここで、R7またはR8で示されるC1-4アルキル基
としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル等が挙げられ
る。
【0010】R1としては、それぞれ置換されていても
よいC1-10アルキル基、C3-10アルケニル基、C3-10
ルキニル基、C3-8シクロアルキル基、C5-8シクロアル
ケニル基またはC7-12アラルキル基等が好ましく、中で
もそれぞれ置換されていてもよい分岐状C3-8アルキル
基またはC3-8シクロアルキル基等がより好ましい。R1
で示される分岐状C3-8アルキル基としては、例えばイ
ソプロピル、イソブチル、t−ブチル、s−ブチル、イ
ソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、1−メチル
ブチル、2−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピ
ル、1−エチルプロピル、イソヘキシル、1−メチルペ
ンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、
1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,
2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エ
チルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチル
プロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル
−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピ
ル等が挙げられ、中でもα位で分岐するC3-8アルキル
基(例えば、イソプロピル、s−ブチル、t−ブチル、
t−ペンチル、1−メチルブチル、1−メチルペンチ
ル、1,1−ジメチルブチル等)がより好ましく、とり
わけt−ブチル基が好ましい。
【0011】R1で示されるC3-8シクロアルキル基とし
ては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。R1としては
分岐状C3-8アルキル基の方が好ましい。R1で示される
分岐状C3-8アルキル基またはC3-8シクロアルキル基の
置換基としては、R1で示される置換されていてもよい
脂肪族炭化水素基における置換基として上記したものと
同様のものが用いられる。R1としては、例えばハロゲ
ン原子、CO27(R7は水素原子またはC1-4アルキル
基を示す。)もしくはCH2OR8(R8は水素原子また
はC1-4アルキル基を示す。)でそれぞれ置換されてい
てもよい分岐状C3-8アルキル基またはC3-8シクロアル
キル基等が好ましく、さらに分岐状C3-8アルキル基が
好ましく、中でもα位で分岐するC3-8アルキル基が好
ましく、とりわけt−ブチル基が好ましい。
【0012】R2としては、例えば水素原子、C1-10
ルキル基、C3-10アルケニル基、C3-10アルキニル基、
3-8シクロアルキル基、C5-8シクロアルケニル基、C
7-12アラルキル基等が好ましく、中でも水素原子または
1-4アルキル基がより好ましく、とりわけ水素原子が
好ましい。R1とR2が隣接するNとともに形成する環と
しては、例えばピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、
チオモルホリノ等の環状アミノ基等が挙げられる。R1
およびR2としては、R1がt−ブチル基で、R2が水素
原子である場合が特に好ましい。上記式〔I〕中、A環
はさらに置換されていてもよいベンゼン環を示す。A環
で示されるベンゼン環は、例えば(1)ハロゲン原子、(2)
シアノ基、(3)ニトロ基、(4)アシル基、(5)置換されて
いてもよいアミノ基、(6)置換されていてもよいアルコ
キシ基、(7)エステル化またはアミド化されていてもよ
いカルボキシル基、(8)エステル化またはアミド化され
ていてもよいスルフィン酸またはスルホン酸基、(9)置
換されていてもよいメルカプト基および(10)置換されて
いてもよい炭化水素基等から選ばれた1ないし3個、好
ましくは1または2個で同一もしくは異なって、あるい
は(11)カルボニル基を介していてもよい2価の炭化水素
基または(12)=N−O−N=等で、置換可能な位置に置
換されていてもよい。
【0013】ここにおいて、(1)としてのハロゲン原子
としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げ
られ、中でもフッ素、塩素、臭素等が好ましく、とりわ
け塩素、臭素等が好ましい。(4)としてのアシル基とし
ては、例えばカルボン酸、スルフィン酸またはスルホン
酸から導かれるアシル基等が用いられ、好ましくは、例
えばスルホン酸から導かれるC1-10アシル基等が用いら
れる。カルボン酸から導かれるC1-10アシル基として
は、例えばC1-8アルカノイル(例えばホルミル、アセ
チル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、ピバロイル等)、C3-6シクロアルキル−カルボニ
ル(例えばシクロプロピルカルボニル、シクロブチルカ
ルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシル
カルボニル等)、 ベンゾイル等が用いられ、中でもC
1-8アルカノイル等が好ましい。
【0014】スルフィン酸から導かれるアシル基として
は、例えばC1-6アルキルスルフィニル(例えばメチル
スルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィ
ニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニ
ル、イソブチルスルフィニル、t−ブチルスルフィニ
ル、ペンチルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル
等)、C3-6シクロアルキルスルフィニル(例えばシク
ロプロピルスルフィニル、シクロブチルスルフィニル、
シクロペンチルスルフィニル、シクロヘキシルスルフィ
ニル等)、フェニルスルフィニル等が用いられ、好まし
くは、例えば低級アルキルスルフィニル(例えばメチル
スルフィニル、エチルスルフィニル、 プロピルスルフィ
ニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニ
ル、イソブチルスルフィニル、t−ブチルスルフィニル
等のC1-4アルキルスルフィニル等)等が用いられる。
【0015】スルホン酸から導かれるアシル基として
は、例えばC1-6アルキルスルホニル(例えばメチルス
ルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イ
ソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチル
スルホニル、t−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニ
ル、ヘキシルスルホニル等)、C3-6シクロアルキルス
ルホニル(例えばシクロプロピルスルホニル、シクロブ
チルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、シクロヘ
キシルスルホニル等)、 フェニルスルホニル等が用いら
れ、好ましくは、例えば低級アルキルスルホニル(例え
ばメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスル
ホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、
イソブチルスルホニル、t−ブチルスルホニル等のC
1-4アルキルスルホニル等)等が用いられる。このよう
なアシル基は、例えばハロゲンで置換可能な位置に置換
されていてもよい(例えば、CF3CO、CF3SO2
等)。
【0016】(5)としての置換されていてもよいアミノ
基としては、例えばC1-6アルキル(例えばメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C1-6アルコキ
シ(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペン
チルオキシ、ヘキシルオキシ等)、ハロゲノC1-4アル
キル(例えばCF3、CF3CF2、CH2F、CHF
2等)、C3-6シクロアルキル(例えばシクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、
水酸基、カルバモイル、フェニル、フェニルC1-4アル
キル(例えばベンジル、フェネチル、4−フェニルプロ
ピル、4−フェニルブチル等)、C1-6アルカノイル
(例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリ
ル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル等)、ニトロ
キシC2-4アルカノイル(例えば2−ニトロキシアセチ
ル、3−ニトロキシプロピオニル等)、 C3-6シクロア
ルキル−カルボニル(例えばシクロプロピルカルボニ
ル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニ
ル、シクロヘキシルカルボニル等)、 ベンゾイル、フェ
ニルC2-4アルカノイル(例えばフェニルアセチル、フ
ェニルプロピオニル等)、C1-6アルコキシ−カルボニ
ル(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブ
トキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブト
キシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシル
オキシカルボニル等)、ニトロキシC1-4アルコキシ−
カルボニル(例えば2−ニトロキシエトキシカルボニ
ル、3−ニトロキシプロポキシカルボニル等)、 フェノ
キシカルボニル、フェニルC1-4アルコキシ−カルボニ
ル(例えばベンジロキシカルボニル、フェニルエトキシ
カルボニル等)、C1-6アルキルスルフィニル(例えば
メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、 プロピルス
ルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフ
ィニル、イソブチルスルフィニル、t−ブチルスルフィ
ニル,ペンチルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル
等)、ニトロキシC1-4アルキルスルフィニル(例えば
2−ニトロキシエチルスルフィニル、3−ニトロキシプ
ロピルスルフィニル等)、 C3-6シクロアルキルスルフ
ィニル(例えばシクロプロピルスルフィニル、シクロブ
チルスルフィニル、シクロペンチルスルフィニル、シク
ロヘキシルスルフィニル等)、 フェニルスルフィニル、
1-6アルキルスルホニル(例えばメチルスルホニル、
エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピル
スルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニ
ル、t−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキ
シルスルホニル等)、ニトロキシC1-4アルキルスルホ
ニル(例えば2−ニトロキシエチルスルホニル、3−ニ
トロキシプロピルスルホニル等)、 C3-6シクロアルキ
ルスルホニル(例えばシクロプロピルスルホニル、シク
ロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、シク
ロヘキシルスルホニル等)、 C1-6アルコキシスルホニ
ル(例えばメトキシスルホニル、エトキシスルホニル、
プロポキシスルホニル、イソプロポキシスルホニル、ブ
トキシスルホニル、イソブトキシスルホニル、t−ブト
キシスルホニル、ペンチルオキシスルホニル、ヘキシル
オキシスルホニル等)およびフェニルスルホニル等から
選ばれる1ないし2個で置換されていてもよいアミノ基
等が用いられる。また、このような置換基の2個が窒素
原子と一緒になって環状アミノ基を形成する場合もあ
り、このような環状アミノ基としては、例えばピロリジ
ノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ等が用い
られる。
【0017】置換されていてもよいアミノ基としては、
例えば低級アルキル(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル等
のC1- 4アルキル等)で置換されていてもよいアミノ基
等が好ましい。(6)としての置換されていてもよいアル
コキシ基におけるアルコキシ基としては、例えばC1-6
アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、
イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキ
シ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)等が用いら
れ、好ましくは、例えば低級アルコキシ(例えばメトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、イソブトキシ、t−ブトキシ等のC1-4アルコキシ
等)等が用いられる。このようなアルコキシ基は、例え
ば低級アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−
ブトキシ等のC1-4アルコキシ等)、フェニル、フェノ
キシ、 水酸基、 ニトロ、ニトロキシ(−O−NO2)、
ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ハ
ロゲノ低級アルコキシ(例えばCF3O、HCF2O等の
ハロゲノC1-4アルコキシ等)およびシアノから選ばれ
る1ないし3個の基で、同一もしくは異なって置換可能
な位置に置換されていてもよい。
【0018】置換されていてもよいアルコキシ基として
は、例えばハロゲンで置換されていてもよい低級アルコ
キシ等が好ましい。(7)としてのエステル化されたカル
ボキシル基としては、例えばC1-6アルコキシ−カルボ
ニル(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、 プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t
−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘ
キシルオキシカルボニル等)、 ニトロキシC1-4アルコ
キシ−カルボニル(例えば2−ニトロキシエトキシカル
ボニル、3−ニトロキシプロポキシカルボニル等)、 C
3-6シクロアルコキシ−カルボニル(例えばシクロペン
チロキシカルボニル、シクロヘキシロキシカルボニル
等)、フェニルC1-4アルコキシ−カルボニル(例えば
ベンジロキシカルボニル、フェネチロキシカルボニル
等)等が用いられる。(7)としてのアミド化されたカル
ボキシル基としては、例えばカルバモイル、C1-6アルキ
ルアミノ−カルボニル(例えばメチルアミノカルボニ
ル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニ
ル、イソプロピルアミノカルボニル、ブチルアミノカル
ボニル、イソブチルアミノカルボニル、t−ブチルアミ
ノカルボニル.ペンチルアミノカルボニル、ヘキシルア
ミノカルボニル等)、 C3-6シクロアルキルアミノ−カ
ルボニル(例えばシクロプロピルアミノカルボニル、シ
クロブチルアミノカルボニル、シクロペンチルアミノカ
ルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル等)、 ニト
ロキシC1-4アルキルアミノ−カルボニル(例えば2−
ニトロキシエチルアミノカルボニル、3−ニトロキシプ
ロピルアミノカルボニル等)、 環状アミノカルボニル
(例えばモルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニ
ル、ピロリジノカルボニル、チオモルホリノカルボニル
等)、アニリノカルボニルおよびフェニルC1-4アルキ
ルアミノ−カルボニル(例えばベンジルアミノカルボニ
ル、フェネチルアミノカルボニル等)等が用いられる。
【0019】(8)としてのエステル化されたスルフィン
酸基としては、例えばC1-6アルコキシスルフィニル
(例えばメトキシスルフィニル、エトキシスルフィニ
ル、プロポキシスルフィニル、イソプロポキシスルフィ
ニル、ブトキシスルフィニル、イソブトキシスルフィニ
ル、t−ブトキシスルフィニル、ペンチルオキシスルフ
ィニル、ヘキシルオキシスルフィニル等)、C3-6シク
ロアルコキシスルフィニル(例えばシクロペンチロキシ
スルフィニル、シクロヘキシロキシスルフィニル等)、
フェニルC1-4アルコキシスルフィニル(例えばベンジ
ロキシスルフィニル、フェネチロキシスルフィニル等)
等が用いられる。(8)としてのアミド化されたスルフィ
ン酸基としては、例えばスルフィナモイル、C1-6アル
キルアミノスルフィニル(例えばメチルアミノスルフィ
ニル、エチルアミノスルフィニル、プロピルアミノスル
フィニル、イソプロピルアミノスルフィニル、ブチルア
ミノスルフィニル、イソブチルアミノスルフィニル、t
−ブチルアミノスルフィニル、ペンチルオキシスルフィ
ニル、ヘキシルオキシスルフィニル等)、C3-6シクロ
アルキルアミノスルフィニル(例えばシクロプロピルア
ミノスルフィニル、シクロブチルアミノスルフィニル、
シクロペンチルアミノスルフィニル、シクロヘキシルア
ミノスルフィニル等)、ニトロキシC1-4アルキルアミ
ノスルフィニル(例えば2−ニトロキシエチルアミノス
ルフィニル、3−ニトロキシプロピルアミノスルフィニ
ル等)、環状アミノスルフィニル(例えばモルホリノス
ルフィニル、ピペリジノスルフィニル、ピロリジノスル
フィニル、チオモルホリノスルフィニル等)、アニリノ
スルフィニル、フェニルC1-4アルキルアミノスルフィ
ニル(例えばベンジルアミノスルフィニル、フェネチル
アミノスルフィニル等)等が用いられる。
【0020】(8)としてのエステル化されたスルホン酸
基としては、例えばC1-6アルコキシスルホニル(例え
ばメトキシスルホニル、エトキシスルホニル、プロポキ
シスルホニル、イソプロポキシスルホニル、ブトキシス
ルホニル、イソブトキシスルホニル、t−ブトキシスル
ホニル、ペンチルオキシスルホニル、ヘキシルオキシス
ルホニル等)、C3-6シクロアルコキシスルホニル(例
えばシクロペンチロキシスルホニル、シクロヘキシロキ
シスルホニル等)、フェニルC1-4アルコキシスルホニ
ル(例えばベンジロキシスルホニル、フェネチロキシス
ルホニル等)等が用いられる。(8)としてのアミド化さ
れたスルホン酸基としては、例えばスルファモイル、C
1-6アルキルアミノスルホニル(例えばメチルアミノス
ルホニル、エチルアミノスルホニル、プロピルアミノス
ルホニル、イソプロピルアミノスルホニル、ブチルアミ
ノスルホニル、イソブチルアミノスルホニル、t−ブチ
ルアミノスルホニル、ペンチルアミノスルホニル、ヘキ
シルアミノスルホニル等)、C3-6シクロアルキルアミ
ノスルホニル(例えばシクロプロピルアミノスルホニ
ル、シクロブチルアミノスルホニル、シクロペンチルア
ミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル
等)、ニトロキシC1-4アルキルアミノスルホニル(例
えば2−ニトロキシエチルアミノスルホニル、3−ニト
ロキシプロピルアミノスルホニル等)、環状アミノスル
ホニル(例えばモルホリノスルホニル、ピペリジノスル
ホニル、ピロリジノスルホニル、チオモルホリノスルホ
ニル等)、アニリノスルホニルおよびフェニルC1-4
ルキルアミノスルホニル(例えばベンジルアミノスルホ
ニル、フェネチルアミノスルホニル等)等が用いられ
る。
【0021】(9)としての置換されていてもよいメルカ
プト基としては、例えばC1-6アルキル(例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、ニトロキシ
1-4アルキル(例えば2−ニトロキシエチル、3−ニ
トロキシプロピル等)、 C3-6シクロアルキル(例えば
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル等)、 フェニル、フェニルC1-4アルキル
(例えばベンジル、フェネチル、4−フェニルプロピ
ル、4−フェニルブチル等)、ハロゲノC1-4アルキル
(例えばCF3、CF3CF2、CH2F、CHF2等)等
で置換されていてもよいメルカプト基等が用いられる。
好ましくは、例えば低級アルキルチオ(例えばメチルチ
オ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブ
チルチオ、イソブチルチオ、t−ブチルチオ等のC1-4
アルキルチオ等)、ニトロキシC2-4アルキルチオ(例
えば、2−ニトロキシエチルチオ、3−ニトロキシプロ
ピルチオ等)、C3-6シクロアルキルチオ(例えばシク
ロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチ
オ、シクロヘキシルチオ等)、フェニルチオ〔例えばC
1-4アルキル(例えばメチル等)、C1-4アルコキシ(例
えばメトキシ等)、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等)、ニトロ、CF3、シアノ等で1ないし
2個置換されていてもよい〕、フェニルC1-2アルキル
チオ〔例えばメチル、メトキシ、ハロゲン(例えばフッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ニトロ、CF3またはシ
アノ等で1ないし2個置換されていてもよい。好ましく
はベンジルチオ等〕、ハロゲノC1-2アルキルチオ(例
えばトリフルオロメチルチオ、ペンタフルオロエチルチ
オ等)等が用いられ、より好ましくは、例えば低級アル
キルチオ等が用いられる。
【0022】(10)としての置換されていてもよい炭化水
素基における炭化水素基としては、例えばC1-6アルキ
ル(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル
等)、C2-6アルケニル(例えばビニル、アリル、イソ
プロペニル、3−メチル−2−ブテニル等)、C2-6
ルキニル(例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロ
ペニル等)、C3-6シクロアルキル(例えばシクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル
等)、C6-10アリール(例えばフェニル、ナフチル等)
等が用いられ、好ましくは、例えば低級アルキル(例え
ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
イソブチル、t−ブチル等のC1-4アルキル等)等が用
いられる。このような炭化水素基は、例えば低級アルキ
ル(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1-4アルキル
等)、低級アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、
t−ブトキシ等のC1-4アルコキシ等)、フェニル、フ
ェノキシ、 水酸基、 ニトロ、 ニトロキシ、 ハロゲン(例
えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ハロゲノ低級ア
ルコキシ(例えばCF3O、HCF2O等のハロゲノC
1-4アルコキシ等)およびシアノ等から選ばれる1ない
し3個の基で、同一もしくは異なって置換可能な位置に
置換されていてもよい。
【0023】炭化水素基への置換基としてのフェニル
は、さらに低級アルキル(例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル
等のC1-4アルキル等)、低級アルコキシ(例えばメト
キシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、イソブトキシ、t−ブトキシ等のC1-4アルコキシ
等)、水酸基、ニトロ、ハロゲン(例えばフッ素、塩
素、臭素、ヨウ素等)、ハロゲノ低級アルキル(例えば
CF3、CF3CF2、CH2F、CHF2等のハロゲノC
1-4アルキル等)、シアノおよびハロゲノ低級アルコキ
シ(例えばCF3O、HCF2O等のハロゲノC1-4アル
コキシ等)等から選ばれる1ないし3個の基で、同一も
しくは異なって置換可能な位置に置換されていてもよ
い。C1-6アルキルの置換基としては、例えば低級アル
コキシ、 フェニル、フェノキシ、 水酸基、ニトロ、 ニト
ロキシ、 ハロゲン、 ハロゲノ低級アルコキシおよびシア
ノ等から選ばれる1ないし3個の基等が好ましい。C
2-6アルケニルおよびC3-6シクロアルキルの置換基とし
ては、例えば低級アルキル、ハロゲンおよびフェニル等
から選ばれる1ないし3個の基等が好ましい。 C2-6
アルキニルの置換基としては、例えば低級アルキル、ハ
ロゲンおよびフェニル等から選ばれる1ないし3個の基
等が好ましく、さらにトリメチルシリル基等も用いられ
る。
【0024】置換されていてもよい炭化水素基として
は、例えばハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ
素等)で置換されていてもよい低級炭化水素基〔例えば
低級アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1-4
アルキル等)、低級アルキニル(例えばエチニル、1−
プロピニル等のC2-4アルキニル等)、低級アルケニル
(例えばビニル、アリル等のC2-4アルケニル等)等〕
等が好ましく、例えばハロゲノ低級アルキル(例えばC
3、CF3CF2、CH2F、CHF2等のハロゲノC1-4
アルキル等)等がより好ましい。また、置換されていて
もよい炭化水素基としては、置換イミノメチルも用いら
れ、このような置換イミノメチルのイミノの置換基とし
ては、例えば水酸基、アミノ、C1-6アルキル(例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、t−ブチルペンチル、ヘキシル等)、C3-6
シクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、C1-6アル
コキシ(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ
プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、
ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、C3-6シクロア
ルコキシ(例えばシクロプロポキシ、シクロペンチロキ
シ、シクロヘキシロキシ等)、フェニルC1-4アルキル
(例えばベンジル、フェネチル、4−フェニルプロピ
ル、4−フェニルブチル等)、フェニルC1-4アルコキ
シ(例えばベンジロキシ、フェネロキシ等)等が用いら
れる。置換イミノメチルとしては、例えばヒドロキシイ
ミノメチル等が好ましい。
【0025】(11)としてのカルボニル基を介していても
よい2価の炭化水素基としては、例えば−CH=CH−
CH=CH−、−(CH2)a−(aは3または4である)
または−(CH2)b−CO−(bは2または3である)等
が用いられる。ここで、−CH=CH−CH=CH−は
1ないし3個のC1-4アルキル(例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t
−ブチル等)、C1-4アルコキシ(例えばメトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ
ブトキシ、t−ブトキシ等)、ニトロ、ハロゲン(例え
ばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、CF3、C1-4アル
コキシ−カルボニル(例えばメトキシカルボニル、エト
キシカルボニル、 プロポキシカルボニル、イソプロポキ
シカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカル
ボニル、t−ブトキシカルボニル等)およびシアノから
選ばれる基で置換されていてもよい。
【0026】好ましくは、例えば(例えばメチル、メト
キシ、ニトロ、ハロゲン、CF3、シアノ等で置換され
ていてもよい)−CH=CH−CH=CH−、−(C
2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)2−CO−、−(CH
2)4−CO−等が用いられる。また、A環が(12)=N−
O−N=で置換されている場合は、A環は式
【化10】 で表わされる環を示す。ベンゼン環の置換基としては、
例えば(1)ハロゲン、(2)シアノ基、(3)ニトロ基、(4)ア
シル基、(5)置換されていてもよいアミノ基、(6)置換さ
れていてもよいアルコキシ基、(9)置換されていてもよ
いメルカプト基、(10)置換されていてもよい炭化水素基
等が好ましく、例えば(1)ハロゲン、(2)シアノ基、(3)
ニトロ基、(4)C1-10アシル基、(5)低級アルキルで置換
されていてもよいアミノ基、(6)ハロゲンで置換されて
いてもよい低級アルコキシ基、(9)低級アルキルチオ
基、(10)ハロゲンで置換されていてもよい低級炭化水素
基等がより好ましく、なかでも例えばハロゲンおよび/
またはシアノ基がさらに好ましい。
【0027】A環としては、例えば式
【化11】 〔式中、Raはハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C
1-10アシル基、低級(C1-4)アルコキシ基、ハロゲノ
低級(C1-4)アルコキシ基、低級(C1-4)アルキルチ
オ基、ハロゲノ低級(C1-4)アルキル基または低級
(C1-4)炭化水素基を、Rbは水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基、C1-10アシル基、アミノ基、
低級アルキルアミノ基、低級(C1-4)アルコキシ基、
低級(C1-4)アルキルチオ基、低級(C1-4)炭化水素
基またはハロゲノ低級(C1-4)アルキル基を示す。〕
で表される環等が挙げられる。ここで、RaまたはRbで
示されるハロゲン原子、C1-10アシル基(カルボン酸、
スルフィン酸またはスルホン酸から導かれるC1-10アシ
ル基)、低級アルコキシ基、ハロゲノ低級アルコキシ
基、低級アルキルチオ基、ハロゲノ低級アルキル基およ
び低級炭化水素基は、A環で示されるベンゼン環の置換
基において上記したものと同様のものが用いられる。
【0028】Rbで示される低級アルキルアミノ基とし
ては、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルア
ミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチル
アミノ、t−ブチルアミノ等のC1-4アルキルアミノ等
が用いられる。RaおよびRbとしては、Raがハロゲン
原子、ハロゲノ低級アルキル基またはハロゲノ低級アル
コキシ基で、Rbが水素原子、ハロゲン原子またはシア
ノ基である場合が好ましい。また、ベンゼン環の置換基
としては、例えば電子吸引性基等も好ましく、A環とし
ては、例えば式
【化12】 〔式中、RxおよびRyはそれぞれ電子吸引性基を示
す。〕で表される環等も好ましい。このような電子吸引
性基としては、例えばハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロメチル基、
トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、
1-10アシル基等がより好ましい。ここにおいて電子吸
引性基として示されるハロゲン原子およびC1-10アシル
基は、A環で示されるベンゼン環の置換基において上記
したものと同様のものが用いられる。上記式〔I〕中、
B環は置換されていてもよいピリジン環を示す。
【0029】B環で示されるピリジン環は、例えば(1)
ハロゲン、(2)シアノ基、(3)置換されていてもよいアミ
ノ基、(4)アシル基、(5)エステル化またはアミド化され
ていてもよいカルボキシル基、(6)置換されていてもよ
いアルコキシ基、(7)置換されていてもよいメルカプト
基、(8)置換されていてもよい炭化水素基および(9)OR
3(R3は水素原子または水酸基の保護基を示す)等から
選ばれた1または2個で、同一もしくは異なって、置換
可能な位置に置換されていてもよい。ここにおいて、
(1)としてのハロゲン原子、(3)としての置換されていて
もよいアミノ基、(5)としてのエステル化またはアミド
化されていてもよいカルボキシル基、(6)としての置換
されていてもよいアルコキシ基、(7)としての置換され
ていてもよいメルカプト基および(8)としての置換され
ていてもよい炭化水素基は、A環で示されるベンゼン環
の置換基において上記したものと同様のものが用いられ
る。(4)としてのアシル基としては、A環で示されるベ
ンゼン環の置換基として上記したアシル基と同様の基が
用いられるが、さらに例えば1,3−ジオキソラン−2
−イル基等も用いられる。
【0030】R3で示される水酸基の保護基としては、
生体内で脱離する基であればよく、C1-6アシル基(例
えばホルミル、アセチル、プロピオニル、スクシニル、
ブチリル、イソブチリル、ピバロイル等)、SO3H、
ベンジル基等が用いられる。B環で示されるピリジン環
の置換基としては、例えば(1)ハロゲン、(2)シアノ基、
(3)アミノ基、(4)C1-10アシルまたは1,3−ジオキソ
ラン−2−イル基、(5)カルボキシル、カルバモイルま
たは低級(C1-4)アルコキシ−カルボニル基、(6)低級
(C1-4)アルコキシ基、(7)低級(C1-4)アルキルチ
オ基、(8)ヒドロキシ、ヒドロキシイミノ、ハロゲンま
たは低級(C1-4)アルコキシで置換されていてもよい
低級(C1-4)炭化水素基、(9)OR3(R3は水素原子ま
たは水酸基の保護基を示す)等が好ましい。ここにおい
て、(4)としてのC1-10アシル基、(6)としての低級アル
コキシ基、(7)としての低級アルキルチオ基としては、
A環で示されるベンゼン環の置換基において上記した基
と同様の基が用いられる。(5)としての低級アルコキシ
−カルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル、
エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロ
ポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシ
カルボニル、t−ブトキシカルボニル等のC1-6アルコ
キシ−カルボニル等が用いられる。
【0031】(8)としてのヒドロキシ、ヒドロキシイミ
ノ、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)
または低級アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、
t−ブトキシ等のC1-4アルコキシ等)で置換されてい
てもよい低級炭化水素基〔例えば低級アルキル(例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、t−ブチル等のC1-4アルキル等)、低級ア
ルキニル(例えばエチニル、2−プロピニル等のC2-4
アルキニル等)、低級アルケニル(例えばビニル、アリ
ル等のC2-6アルケニル等)等〕としては、例えば低級
アルキル、ハロゲノ低級アルキル(例えばCF3、CF3
CF2、CH2F、CHF2等のハロゲノC1-4アルキル
等)、ヒドロキシ低級アルキル(例えばヒドロキシメチ
ル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル等の
ヒドロキシC1-4アルキル等)、ヒドロキシイミノ低級
アルキル(例えばヒドロキシイミノメチル等のヒドロキ
シイミノC1-4アルキル等)、低級アルコキシ低級アル
キル(例えばメトキシメチル、エトキシエチル等のC
1-4アルコキシC1-4アルキル等)、低級アルケニル、ハ
ロゲノ低級アルケニル(例えばCF2=CF等のハロゲ
ノC2-4アルケニル等)、低級アルキニル等が用いられ
る。
【0032】B環としては、例えば式
【化13】 〔式中、R3は水素原子または水酸基の保護基を、R4
ハロゲン原子、シアノ基、低級アルコキシ基、低級アル
キル基またはハロゲノ低級アルキル基を、mおよびnは
それぞれ0または1を示す。〕で表される環等が好まし
い。R3で示される水酸基の保護基としては、生体内で
脱離する基であればよく、C1-6アシル基(例えばホル
ミル、アセチル、プロピオニル、スクシニル、ブチリ
ル、イソブチリル、ピバロイル等)、SO3H、ベンジ
ル基等が用いられる。R4で示されるハロゲン原子、低
級アルコキシ基、低級アルキル基およびハロゲノ低級ア
ルキル基は、B環で示されるピリジン環の置換基におい
て上記したものと同様のものが用いられる。R3として
は、水素原子が好ましい。mとしては、0である場合が
好ましい。上記式〔I〕中、nは0または1を示す。n
としては、0である場合が好ましい。
【0033】化合物〔I〕は、オキシムまたはイミン構
造部分にピリジル基とQ基の立体配置に基づく幾何異性
を有し、EおよびZ異性体またはそれらの混合物で存在
し得る。本発明の目的化合物には、個々の異性体および
それらの混合物を包含する。好ましくは、Z異性体およ
びE異性体とZ異性体の混合物であり、より好ましく
は、Z異性体である。化合物〔I〕の塩としては、例え
ば無機酸や有機酸との塩、アルカリ金属塩、アルカリ土
類金属塩、アンモニウムや置換アンモニウム等の塩基と
の塩等の薬理学的に許容されうる塩が挙げられる。化合
物〔I〕の好ましい具体例としては、例えば(Z)−2
−〔5−ブロモ−α−(t−ブチルヒドラゾノ)−2−
ヒドロキシベンジル〕−3−ヒドロキシピリジン、
(Z)−2−〔5−ブロモ−α−(t−ブチルヒドラゾ
ノ)−2−ヒドロキシベンジル〕−3−ヒドロキシピリ
ジン N−オキシド、(Z)−2−〔5−ブロモ−α−
(t−ブチルヒドラゾノ)−4−シアノ−2−ヒドロキ
シベンジル〕−3−ヒドロキシピリジン N−オキシ
ド、(Z)−2−〔α−(t−ブチルヒドラゾノ)−5
−クロロ−4−フルオロ−2−ヒドロキシベンジル〕−
3−ヒドロキシピリジン、(Z)−2−〔5−ブロモ−
α−(t−ブチルヒドラゾノ)−4−フルオロ−2−ヒ
ドロキシベンジル〕−3−ヒドロキシピリジンもしくは
(Z)−2−〔α−(t−ブチルヒドラゾノ)−4,5
−ジクロロ−2−ヒドロキシベンジル〕−3−ヒドロキ
シピリジンまたはその塩等が挙げられる。本文中におい
て、目的化合物〔I〕またはその塩、またはその原料化
合物あるいは合成中間体またはその塩を、“またはその
塩”を省略して、目的化合物〔I〕またはその原料化合
物あるいは合成中間体と略記する場合がある。
【0034】本発明の化合物〔I〕は、例えば式〔II〕
【化14】 〔式中の記号は前記と同意義である。〕で表される化合
物またはその塩と、式〔III〕 Q−NH2 〔III〕 〔式中の記号は前記と同意義である。〕で表される化合
物またはその塩とを反応させることにより製造すること
ができる。化合物〔III〕またはその塩は化合物〔II〕
またはその塩1モルに対して通常約1から2モル用い
る。この反応は、必要に応じ、1/10から3倍モル程
度のトリエチルアミン、ピロリジン、酢酸ナトリウム、
三フッ化ホウ素・ジエチルエーテルなどを触媒として添
加することにより、円滑に反応を進行させることもでき
る。例えば、本縮合反応は、不活性溶媒、例えばメタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
n−ブタノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、トルエ
ン、ベンゼン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢
酸、ピリジン、水など、あるいはこれらの混合溶媒の中
で行うことができる。反応は約−50℃ないし180℃
の温度範囲で行われる。
【0035】さらに、化合物〔I〕中の1個またはそれ
より多くの基例えばRaおよび/またはRbを、他のRa
および/またはRbに変換することができる。例えばそ
れ自体公知の方法に準じて、水素原子をハロゲン化によ
ってハロゲン原子に置換し、または、ニトロ化によって
ニトロ基に導くこともできる。シアノ基は、例えばリン
酸ナトリウムの存在下、水/酢酸/ピリジン中でラネー
ニッケルを使用してホルミル基に変換することもでき
る。また、ピリジル基は、メタクロロ過安息香酸、過安
息香酸、パラニトロ過安息香酸、ペンタフルオロ過安息
香酸、一過フタル酸、マグネシウム・モノパーオキシフ
タレート、過酢酸、過酸化水素などで酸化することによ
って、ピリジン−N−オキシド基に換えることができ
る。この酸化反応は、使用する酸化剤により反応条件を
変えることが望ましく、例えばメタクロロ過安息香酸を
用いる場合、不活性溶媒、例えばジクロルメタン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロルエタン、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチルなど、
あるいはこれらの混合溶媒の中で行うことができる。酸
化剤はピリジン誘導体1モルに対して約1から2モル用
いる。通常−25℃から80℃(好ましくは−25℃か
ら25℃)の温度範囲で反応は行われる。出発物質とし
て用いる化合物〔II〕は、公知の方法またはそれに準じ
た方法により製造することができ、例えば反応式Iで示
す方法並びに後記の参考例に示す方法またはそれに準じ
た方法により製造することができる。化合物〔II〕とし
ては、例えば式〔IIa
【化15】 〔式中の記号は前記と同意義である。〕で表される化合
物またはその塩等があげられる。
【0036】
【化16】 すなわち、式〔IV〕
【化17】 で表される化合物と、式〔V〕
【化18】 〔式中、M1およびM2は一方がCNで、他方が脱離基
を、R3aは水酸基の保護基を、 その他の記号は前記と同
意義である。〕で表される化合物を反応させた後、酸加
水分解反応に付して式〔VI〕
【0037】
【化19】 〔式中の記号は前記と同意義である。〕で表されるケト
ン化合物を得、さらに、化合物〔VI〕を脱保護反応に付
すことにより化合物〔II〕を製造することができる。式
〔VI〕で表されるケトン化合物は、例えば式〔VII〕
【化20】 で表される化合物と、式〔VIII〕
【化21】 〔式中、M3およびM4は一方がCHOで他方が脱離基を
示し、他の記号は前記と同意義である。〕で表される化
合物とを反応させて式〔IX〕
【化22】 〔式中の記号は前記と同意義である。〕で表わされるア
ルコール化合物を得、さらに化合物〔IX〕を酸化するこ
とにより得ることもできる。
【0038】また、式〔VI〕で表される化合物は、式
〔X〕
【化23】 〔式中の記号は前記と同意義である。〕で表される化合
物と、塩基触媒の存在下、式〔XI〕
【化24】 〔式中、Wはハロゲンを示し、他の記号は前記と同意義
である。 〕で表される化合物を反応させた後、 酸化的脱
シアノ化反応に付すことによっても得ることもできる。
【0039】さらに、nが1である化合物〔II〕は、式
〔IX〕で表される化合物を酸化して式〔XII〕
【化25】 〔式中の記号は前記と同意義である。〕で表されるN−
オキシド化合物を得、さらに化合物〔XII〕を酸化して
式〔XIII〕
【化26】 〔式中の記号は前記と同意義である。〕で表されるケト
ン化合物を得た後、化合物〔XIII〕を脱保護反応に付す
ことによっても製造することもできる。
【0040】上記式中、M1、M2、M3およびM4で表さ
れる脱離基としては好ましくは、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属またはそれらのハロゲン化金属(例えばL
i、Na、K、Ca(1/2)、MgCl、MgBr、MgI
等)、ハロゲン化亜鉛(例えばZnCl 等)、ハロゲン
化錫(例えばSnCl 等)等が挙げられる。式〔V〕、
〔VI〕、〔VIII〕、〔IX〕、〔XI〕、〔XII〕および〔X
III〕中のR3aで表される水酸基の保護基としては好ま
しくは、自体公知のフェノール性水酸基の保護基、例え
ば、メトキシジメチルメチル基、トリメチルシリル基、
t−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルエトキ
シメチル(SEM)基、メトキシメチル基、ベンジルオ
キシメチル基、テトラヒドロピラニル(THP)基等が
挙げられる。式〔XI〕中、Wで表されるハロゲンとして
は好ましくは、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられる。
【0041】以下に各工程を詳細に説明する。 (工程1)本縮合反応は不活性溶媒、例えばテトラヒド
ロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ヘキ
サン、トルエン、ベンゼン、メチレンクロリド等、ある
いはこれらの混合溶媒の中で、約−80℃ないし70℃
の温度範囲で行われる。本反応は好ましくは、不活性ガ
ス(例えば窒素、アルゴン等)雰囲気下で行われる。生
成するイミン化合物は、それ自体公知の手段により、例
えば加水分解や加アルコール分解により、ケトン化合物
に変換される。 (工程2)本縮合反応も工程1の縮合反応と同様に行わ
れる。 (工程3)工程2で生成するベンジルアルコール化合物
の酸化反応は、それ自体公知の方法、例えば酸化剤とし
て活性二酸化マンガンを用いる場合、約2から10倍重
量の酸化剤を用い、不活性溶媒、例えばベンゼン、トル
エン、クロロホルム、ジクロルメタン、1,2−ジクロ
ルエタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ヘ
キサン等、あるいはこれらの混合溶媒の中で、約0℃な
いし100℃の温度範囲で行われる。
【0042】(工程4)ベンジルシアニド化合物〔X〕
とハロゲノピリジン化合物〔XI〕の縮合反応は、不活性
溶媒、例えばベンゼン、トルエン、クロロホルム、 ジク
ロルメタン、1,2−ジクロルエタン、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、DMF等、あるいはこれらの
混合溶媒中で塩基の存在下、約0℃ないし100℃の温
度範囲で行われる。塩基としては、水素化リチウム、水
素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエ
トキシド、カリウムt−ブトキシド等を用いることがで
きる。この反応は、必要に応じ、1から3倍モル程度の
ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフ
ィン酸ナトリウム等を添加することにより、 円滑に反応
を進行させることもできる。本反応は好ましくは、 不活
性ガス(例えば窒素、アルゴン等)雰囲気下で行われ
る。その後の酸化的脱シアノ化反応は好ましくは、例え
ば不活性有機溶媒(ジクロロメタン、1,2−ジクロロ
エタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、DMF、
DMSO等)、あるいはこれらの混合溶媒(含水溶媒)
中、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム等)の存在下、必要に応じ相間
移動触媒(硫酸水素テトラブチルアンモニウム、塩化ベ
ンジルトリエチルアンモニウム等)を加えることによ
り、約10℃ないし50℃の温度範囲で行われる。
【0043】(工程5)本反応で使用する酸化剤として
は、例えば、メタクロロ過安息香酸、過安息香酸、パラ
ニトロ過安息香酸、ペンタフルオロ過安息香酸、一過フ
タル酸、マグネシウム・モノパーオキシフタレート、過
酢酸、過酸化水素等が挙げられる。本反応は、使用する
酸化剤により反応条件を変えることが望ましく、例え
ば、メタクロロ過安息香酸を用いる場合、不活性溶媒、
例えばジクロルメタン、クロロホルム、1,2−ジクロ
ルエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ア
セトン、酢酸エチル等、あるいはこれらの混合溶媒の中
で、−25℃から80℃の温度範囲で反応は行われる。 (工程6)水酸基の脱保護反応は、常法に従って酸性加
水分解またはテトラブチルアンモニウムフロリド、フッ
化カリウム等のフッ素化塩試薬により行われる。
【0044】ただし、上述の製造法において、ベンゼン
環の置換基として、カルボン酸から導かれるアシル基を
有する場合は、予めそれ自体公知の方法によりカルボニ
ル部分を例えば1,3−ジオキソラン−2−イル基で保
護して反応を行った後、それ自体公知の方法により例え
ば1,3−ジオキソラン−2−イル基の場合、酸加水分
解を行い、脱保護することによりカルボニルアシル基に
戻すことができる。上記目的化合物〔I〕またはその原
料化合物あるいは合成中間体のうち、塩基性化合物は、
常法に従い酸を使用して塩に変換することができる。こ
の反応に対する適当な酸は、好ましくは、薬理学的に許
容されうる塩を与える酸である。例えば塩酸、臭化水素
酸、リン酸、硫酸、硝酸またはスルファミン酸等の無機
酸、酢酸、酒石酸、クエン酸、フマール酸、マレイン
酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸または
グルタミン酸等の有機酸が挙げられる。また、得られる
化合物が塩である場合は常法に従って遊離塩基へ変換し
てもよい。また、目的化合物〔I〕またはその原料化合
物あるいは合成中間体のうち、例えば−COOH、−S
2Hまたは−SO3H等の酸性基を有する化合物は常法
に従い塩に変換することができる。このような塩の好ま
しい例としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ア
ンモニウム、置換アンモニウム等との薬理学的に許容さ
れうる塩が挙げられ、さらに詳しくは、例えばナトリウ
ム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、
アルミニウム、亜鉛、アンモニウム、トリ−C1-4アル
キルアンモニウム(例えばトリメチルアンモニウム、ト
リエチルアンモニウム等)、トリエタノールアンモニウ
ム等との塩が挙げられる。
【0045】上記の各反応は、特に記載されていない場
合には、原料は通常等モル用い、反応時間は通常1から
24時間程度である。かくして得られる本発明の目的化
合物〔I〕または原料化合物は、反応混合物から通常の
分離精製手段、例えば抽出、濃縮、中和、ろ過、再結
晶、カラム(あるいは薄層)クロマトグラフィー等の手
段を用いることによって単離できる。本発明の化合物
〔I〕は、動物とりわけ哺乳動物(例、ヒト、サル、イ
ヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラットまたはマウス
等)に対してカリウム・チャネル開口(活性化)作用に
基づくと考えられる平滑筋弛緩作用、冠血流増加作用、
血圧降下作用、虚血心筋保護作用、脂質代謝改善作用を
示し、例えば、狭心症、心筋梗塞、うっ血性心不全、高
血圧症、喘息、脳血管攣縮、不整脈、脳溢血、月経困
難、腎不全、末梢血管閉塞、尿失禁、胃腸障害(特に過
敏性腸症候群)、てんかん、毛髪喪失等の治療剤および
予防剤として有用である。
【0046】本発明の化合物〔I〕は毒性が低く、経口
投与でも吸収がよく、安定性にもすぐれているので、前
記の医薬として用いる場合、それ自体あるいは適宜の薬
理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合し、粉
末、顆粒、錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイク
ロカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤等の医薬組成
物として経口的または非経口的に安全に投与することが
できる。投与量は、投与対象、投与ルート、症状によっ
ても異なるが、例えば狭心症あるいは高血圧症の治療の
目的で成人患者に経口投与する場合、通常1回量とし
て、約0.001ないし10mg/kg、好ましくは0.00
1ないし0.2mg/kg、さらに好ましくは、0.001な
いし0.02mg/kg程度であり、これらの服用量を症状
に応じて1日約1ないし3回程度投与するのが望まし
い。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に、出発物質の製造を示す参
考例、式〔I〕で表わされる本発明の目的化合物の製造
を示す実施例および化合物〔I〕の薬理作用を示す実験
例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
参考例1 2−(5−ブロモ−α−ヒドロキシ−2−メトキシメト
キシベンジル)−3−メトキシメトキシピリジン(1.
87g)、70% m−クロロ過安息香酸(1.41g)
およびクロロホルム(40mL)の混合物を、室温で終夜
撹拌した。亜硫酸ナトリウム水溶液を注ぎ30分間撹拌
し、続いて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和
食塩水で順次洗浄後、乾燥(硫酸ナトリウム)、濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル−ヘ
キサン)で精製し、2−(5−ブロモ−α−ヒドロキシ
−2−メトキシメトキシベンジル)−3−メトキシメト
キシピリジン 1−オキシド(1.71g)を黄色油状物
質として得た。スペクトルデータを以下に示す。1 H-NMR(CDCl3);δ 3.36(3H,s), 3.44(3H,s), 5.06(1H,
d,J=6.8Hz), 5.09(1H,d,J=6.8Hz), 5.19(1H,d,J=7.0H
z), 5.24(1H,d,J=7.0Hz),6.54(1H,s), 6.95(1H,d,8.8H
z), 7.13-7.22(2H,m), 7.32(1H,dd,J=2.4&8.8Hz), 7.77
(1H,d,J=2.4Hz), 7.93(1H,dd,J=2.0&5.6Hz).
【0048】参考例2 2−(5−ブロモ−α−ヒドロキシ−2−メトキシメト
キシベンジル)−3−メトキシメトキシピリジン 1−
オキシド(1.60g)、活性二酸化マンガン(8.00
g)およびクロロホルム(40mL)の混合物を室温で終
夜撹拌した後、濾過した。得られた母液を、減圧下留去
し、残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル−ヘキサン)
で精製し、2−(5−ブロモ−2−メトキシメトキシベ
ンゾイル)−3−メトキシメトキシピリジン 1−オキ
シド(1.35g)を得た。物性およびスペクトルデー
タを以下に示す。 融点 144−145℃1 H-NMR(CDCl3);δ 3.29(3H,s), 3.39(3H,s), 4.92(2H,
s), 5.16(2H,s), 7.03(1H,d,J=8.8Hz), 7.18-7.21(2H,
m), 7.58(1H,dd,J=2.6&8.8Hz), 7.89(1H,dd,J=1.6&5.6H
z), 8.19(1H,d,J=2.6Hz).
【0049】参考例3 2−(5−ブロモ−2−メトキシメトキシベンゾイル)
−3−メトキシメトキシピリジン 1−オキシド(1.2
7g)、3.6N−硫酸(5mL)およびアセトン(30m
L)の混合物を5時間還流した後、反応液を水に注ぎ、水
酸化ナトリウム水溶液で中和し、続いて、酢酸エチルで
抽出した。抽出液を、水、飽和食塩水で順次洗浄後、乾
燥(硫酸ナトリウム)、濃縮した。残渣をシリカゲルカ
ラム(酢酸エチル−ヘキサン)で精製し、2−(5−ブ
ロモ−2−ヒドロキシベンゾイル)−3−ヒドロキシピ
リジン 1−オキシド(0.82g)を得た。物性および
スペクトルデータを以下に示す。 融点 230−239℃1 H-NMR(DMSO-d6);δ 6.09(1H,d,J=8.2Hz), 6.98(1H,d
d,J=0.6&8.6Hz), 7.32(1H,dd,J=6.4&8.6Hz), 7.61-7.67
(2H,m), 7.82(1H,dd,J=0.6&6.4Hz), 10.91(2H,br.s). IR(KBr):3600-3300, 3110, 1650, 1580, 1430(cm-1).
【0050】実施例1(化合物10、11の製造) 2−(5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシベン
ゾイル)−3−ヒドロキシピリジン(0.89g)、t
−ブチルヒドラジン・塩酸塩(0.53g)、トリエチ
ルアミン(1.2mL)およびエタノール(13mL)の混
合物を5時間還流した後、反応液を水に注ぎ、酢酸エチ
ルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄し、
乾燥(硫酸ナトリウム)後、減圧下、溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル−ヘキサン)で精
製し、(E)−2−(5−ブロモ−α−t−ブチルヒドラ
ゾノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシベンジル)−3−
ヒドロキシピリジン(0.38g)および(Z)−2−
(5−ブロモ−α−t−ブチルヒドラゾノ−4−フルオ
ロ−2−ヒドロキシベンジル)−3−ヒドロキシピリジ
ン(0.60g)を得た(化合物11、10)。物性お
よびスペクトルデータを〔表1〕ないし〔表3〕に示
す。同様にして、〔表1〕に示す化合物1ないし化合物
9、化合物12ないし化合物14を製造した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】つぎに化合物〔I〕の薬理効果を示す実験
例を挙げる。 実験例1 ラット大動脈標本における血管弛緩作用 テトラエチルアンモニウムクロリド(TEA)および塩
化バリウム(BaCl2)で惹起した収縮に対する作用 実験方法:雄性ウイスターラット(10ないし13週
齢)を用いて実験を行った。脱血後に大動脈を滴出し、
リング標本(5mm長)を作成した後に、 酸素(95%O
2−5%CO2)付加クレブス溶液(36℃)を満たした
液槽中に懸垂した。リング標本は一端を固定し、他端を
張力測定用トランスデューサー(日本光電)に接続し、
その張力を測定した。1時間の安定期間後にTEA(3
0−45mM)とBa(0.3mM)を液槽に添加し血管弛
緩収縮を発生させた。収縮が定常状態に達した(約15
分後)後、試験化合物を添加し、その弛緩作用を調べ
た。 実験結果:〔表4〕に抑制率で示す。これより、本発明
化合物が血管弛緩作用を示すことは明らかである。
【0055】実験例2 ラット大動脈標本における血管
弛緩作用 塩化カリウム(KCl)で惹起した収縮に対する作用 実験方法:実験例1で用いたTEAとBaCl2のかわ
りにKCl(80mM)を用いて実験を行った。その他
の方法は実験例1と同様である。 実験結果:〔表5〕に抑制率で示す。これより、本発明
化合物の血管弛緩作用がカリウム・チャネル開口作用に
基づくことは明らかである。 実験例3 麻酔犬での冠血流量増加作用(冠動脈内投
与) 実験方法:ビーグル犬(10ないし12kg)をペント
バルビタールで麻酔した後、人工呼吸下で開胸した。左
冠動脈と左頚動脈との間に電磁流量計(日本光電)を装
着したバイパスを作成して冠血流量を測定した。試験化
合物は50%ポリエチレングリコール生理食塩水、50
%DMF生理食塩水あるいはDMFに溶解して、バイパ
スから冠動脈内投与した(30μg/dog)。 実験結果:投与前値に対する最大変化率(%of basal f
low)と持続時間(作用が半減する時間(T1/2)で示
す。)を〔表6〕に示す。これより、本発明化合物が冠
血流量増加作用を示すことは明らかである。
【表4】
【表5】
【表6】
【0056】
【発明の効果】本発明によって、カリウム・チャネル開
口作用による狭心症、高血圧症等の循環器系疾患等の治
療剤として有用な新規ヒドラジン誘導体が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/44 ABR A61K 31/44 ABR ABS ABS ABU ABU ACD ACD ACJ ACJ ACL ACL ACV ACV AED AED C07D 213/53 C07D 213/53 213/61 213/61

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、A環はさらに置換されていてもよいベンゼン環
    を、B環は置換されていてもよいピリジン環を、Qは置
    換されたアミノ基を、nは0または1を示す。〕で表さ
    れる化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】Qが式 【化2】 〔式中、R1は置換されていてもよい脂肪族炭化水素基
    を、R2は水素原子または置換されていてもよい脂肪族
    炭化水素基を示し、R1とR2は隣接するNとともに環を
    形成していてもよい。〕で表わされる基である請求項1
    記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1がそれぞれ置換されていてもよいC
    1-10アルキル基、C3-10アルケニル基、C3-10アルキニ
    ル基、C3-8シクロアルキル基、C5-8シクロアルケニル
    基またはC7-12アラルキル基である請求項1記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】R1がそれぞれ置換されていてもよい分岐
    状C3-8アルキル基またはC3-8シクロアルキル基である
    請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】R1がα位で分岐するC3-8アルキル基であ
    る請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】R2が水素原子、C1-10アルキル基、C
    3-10アルケニル基、C3-10アルキニル基、C3-8シクロ
    アルキル基、C5-8シクロアルケニル基またはC7-12
    ラルキル基である請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】R2が水素原子またはC1-4アルキル基であ
    る請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】R1がt−ブチル基、R2が水素原子である
    請求項1記載の化合物。
  9. 【請求項9】ベンゼン環の置換基が(1)ハロゲン原子、
    (2)シアノ基、(3)ニトロ基、(4)アシル基、(5)置換され
    ていてもよいアミノ基、(6)置換されていてもよいアル
    コキシ基、(7)エステル化またはアミド化されていても
    よいカルボキシル基、(8)エステル化またはアミド化さ
    れていてもよいスルフィン酸またはスルホン酸基、(9)
    置換されていてもよいメルカプト基、(10)置換されてい
    てもよい炭化水素基、(11)カルボニル基を介していても
    よい2価の炭化水素基または(12)=N−O−N=である
    請求項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】ベンゼン環がハロゲン原子および/また
    はシアノ基で置換された請求項1記載の化合物。
  11. 【請求項11】A環が式 【化3】 〔式中、Raはハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C
    1-10アシル基、低級アルコキシ基、ハロゲノ低級アルコ
    キシ基、低級アルキルチオ基、ハロゲノ低級アルキル基
    または低級炭化水素基を、Rbは水素原子、ハロゲン原
    子、シアノ基、ニトロ基、C1-10アシル基、アミノ基、
    低級アルキルアミノ基、低級アルコキシ基、低級アルキ
    ルチオ基、低級炭化水素基またはハロゲノ低級アルキル
    基を示す。〕で表される環である請求項1記載の化合
    物。
  12. 【請求項12】Raがハロゲン原子、ハロゲノ低級アル
    キル基、低級アルキル基またはハロゲノ低級アルコキシ
    基を、Rbが水素原子、ハロゲン原子またはシアノ基で
    ある請求項11記載の化合物。
  13. 【請求項13】B環の置換基が(1)ハロゲン原子、(2)シ
    アノ基、(3)置換されていてもよいアミノ基、(4)アシル
    基、(5)エステル化またはアミド化されていてもよいカ
    ルボキシル基、(6)置換されていてもよいアルコキシ
    基、(7)置換されていてもよいメルカプト基、(8)置換さ
    れていてもよい炭化水素基または(9)OR3(R3は水素
    原子または水酸基の保護基を示す)である請求項1記載
    の化合物。
  14. 【請求項14】ピリジン環が式 【化4】 〔式中、R3は水素原子または水酸基の保護基を、R4
    ハロゲン原子、シアノ基、低級アルコキシ基、低級アル
    キル基またはハロゲノ低級アルキル基を、mおよびnは
    それぞれ0または1を示す。〕で表される環である請求
    項1記載の化合物。
  15. 【請求項15】mが0である請求項9記載の化合物。
  16. 【請求項16】Z異性体である請求項1記載の化合物。
  17. 【請求項17】(Z)−2−〔5−ブロモ−α−(t−
    ブチルヒドラゾノ)−2−ヒドロキシベンジル〕−3−
    ヒドロキシピリジン、(Z)−2−〔5−ブロモ−α−
    (t−ブチルヒドラゾノ)−2−ヒドロキシベンジル〕
    −3−ヒドロキシピリジン N−オキシド、(Z)−2
    −〔5−ブロモ−α−(t−ブチルヒドラゾノ)−4−
    シアノ−2−ヒドロキシベンジル〕−3−ヒドロキシピ
    リジン N−オキシド、(Z)−2−〔α−(t−ブチ
    ルヒドラゾノ)−5−クロロ−4−フルオロ−2−ヒド
    ロキシベンジル〕−3−ヒドロキシピリジン、(Z)−
    2−〔5−ブロモ−α−(t−ブチルヒドラゾノ)−4
    −フルオロ−2−ヒドロキシベンジル〕−3−ヒドロキ
    シピリジンもしくは(Z)−2−〔α−(t−ブチルヒ
    ドラゾノ)−4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンジ
    ル〕−3−ヒドロキシピリジンまたはその塩である請求
    項1記載の化合物。
  18. 【請求項18】請求項1記載の化合物を含有することを
    特徴とする医薬組成物。
  19. 【請求項19】循環器系疾患治療剤である請求項18記
    載の医薬組成物。
  20. 【請求項20】循環器系疾患が狭心症である請求項19
    記載の医薬組成物。
  21. 【請求項21】循環器系疾患が高血圧症である請求項1
    9記載の医薬組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3992185A4 (en) * 2019-06-28 2022-08-17 Shenzhen Cell Inspire Pharmaceutical Development Co., Ltd. HYDRAZONAMIDE DERIVATIVES AND THEIR USE IN THE MANUFACTURE OF MEDICATIONS FOR THE PREVENTION AND TREATMENT OF ALOPECIA

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