JPH09277530A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JPH09277530A
JPH09277530A JP9693596A JP9693596A JPH09277530A JP H09277530 A JPH09277530 A JP H09277530A JP 9693596 A JP9693596 A JP 9693596A JP 9693596 A JP9693596 A JP 9693596A JP H09277530 A JPH09277530 A JP H09277530A
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JP
Japan
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ink
liquid chamber
flow path
photosensitive resin
forming
Prior art date
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Application number
JP9693596A
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English (en)
Inventor
Shinichi Tsunoda
慎一 角田
Yoshihisa Ota
善久 太田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細で複雑なインク流路を容易に形成できな
い。 【解決手段】 ノズルプレート17に設けた第1,第2
感光性樹脂層41,42によって形成している隔壁4
5,46,47と、振動板12に設けた第3,第4感光
性樹脂層43,44によって形成している隔壁48,4
9,50,51の組合わせで加圧液室18,共通液室1
9及び流体抵抗部20を形成し、最終接合面C−Cが異
なる平面にある構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ドに関し、特にインク流路を複層構造で形成するインク
ジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録時の振
動、騒音が殆どなく、カラー化が容易なことから、コン
ピュータ等のデジタル処理装置のデータを出力するプリ
ンタの他、ファクシミリやコピー等にも用いられるよう
になっている。このようなインクジェット記録装置は、
インク滴を吐出するためのノズルと、ノズルに対応して
設けた電気機械変換素子や電気熱変換体などのアクチュ
エータ素子と、このアクチュエータ素子で加圧されるイ
ンク流路(以下、「加圧液室」と称する。)を備えたイ
ンクジェットヘッドを記録ヘッドに用いて、記録信号に
応じてノズルからインク滴を記録媒体(インク滴が付着
するもの)に吐出することによって、高速、高解像度、
高品質の記録を行なうものである。
【0003】ところで、インクジェット記録装置に対す
る高速、高画質化の要求に伴ってインクジェットヘッド
のノズルの集積度の高密度化、ノズル径の微細化が必要
になっている。そのために、液室構造の集積度の向上や
流体的にバランスをとるための流体抵抗部の微細化が不
可欠になっている。
【0004】しかし、一方で、飛翔インク滴体積を確保
しなければ画質が低下するために、加圧液室や加圧液室
にインクを供給するためのインク流路(以下、「共通液
室」と称する。)の体積をあまり縮小することができな
い。そこで、ノズル配列方向のピッチを大きくすること
で液室体積を確保することは集積度の低下を招くため
に、ノズル配列方向と垂直な方向、主に厚み方向を厚く
することによって液室体積の確保を図るようにしてい
る。
【0005】したがって、液室部には共通液室と加圧液
室との間のインク供給路となる厚さの薄い流体抵抗部
と、厚さの厚い加圧液室、共通液室が必要になり、これ
らを任意に形成するために、厚み方向に金属板或いはド
ライフィルムレジスト等の層部材から流路形成部を積層
してインク流路を形成するインクジェットヘッドが種々
提案されている(例えば、特開平4−158045号公
報、特開平4−216951号公報等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のインクジェットヘッドにあっては、1つの基板
上にインク流路を形成するための感光性樹脂層や熱硬化
性樹脂層からなる流路形成部を設け、他の1つの基板を
流路形成部材に接合することによってインク流路を形成
するようにしているため、微細で複雑なインク流路を形
成することができない。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、微細で複雑なインク流路を容易に形成できるイン
クジェットヘッドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェットヘッドは、インク流路を
形成するための流路形成部を設けた第1部材と、前記イ
ンク流路を形成するための流路形成部を設けた第2部材
とを接合して前記インク流路を形成したインクジェット
ヘッドにおいて、前記第1部材の流路形成部と第2部材
の流路形成部との組合わせで前記インク流路を形成し、
最終接合面が異なる平面にある構成とした。
【0009】請求項2のインクジェットヘッドは、上記
請求項1のインクジェットヘッドにおいて、前記インク
流路が共通インク流路から加圧液室にインクを供給する
インク供給路をなす流体抵抗部である構成とした。
【0010】請求項3のインクジェットヘッドは、上記
請求項1又は2のインクジェットヘッドにおいて、前記
組合わせでインク流路を形成する第1部材及び第2部材
の流路形成部の厚みが異なる構成とした。
【0011】請求項4のインクジェットヘッドは、上記
請求項1乃至3のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、前記第1部材及び第2部材のいずれか一方に位置
合せ用の凸部を、他方にこの凸部に嵌合する凹部を形成
した。
【0012】請求項5のインクジェットヘッドは、上記
請求項1乃至3のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、前記第1部材及び第2部材にガイドライン部を形
成した。
【0013】請求項6のインクジェットヘッドは、上記
請求項1乃至5のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、共通インク流路から加圧液室にインクを供給する
インク供給路をなす流体抵抗部は、前記共通インク流路
側ではノズルを形成したノズル形成部材側で開口し、前
記加圧液室側では振動板側で開口している構成とした。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明を適用するイン
クジェットヘッドの外観斜視図、図2は図1のA−A線
に沿う要部拡大断面図、図3は図1のB−B線に沿う要
部拡大断面図である。
【0015】このインクジェットヘッドは、アクチュエ
ータユニット1と、このアクチュエータユニット1上に
接合した液室ユニット2とからなる。アクチュエータユ
ニット1は、絶縁基板3上に2つの積層型圧電素子4,
4と、これら2列の圧電素子4,4の周囲を取り囲むフ
レーム5を接着剤6によって接合している。圧電素子4
は、インクを液滴化して飛翔させるための駆動パルスが
与えられる複数のアクチュエータ素子となる駆動部7,
7…と、これらの駆動部7,7間に位置して、駆動パル
スが与えられない支柱部となる複数の非駆動部8,8…
とを交互に配置してなる。
【0016】液室ユニット2は、ダイアフラム部11を
有する振動板12上に感光性樹脂フィルム(ドライフィ
ルムレジスト)で形成した流路形成部となる第1感光性
樹脂層13、第2感光性樹脂層14、第3感光性樹脂層
15及びノズル16を有するノズルプレート17を順次
積層して各駆動部7,7…に対応するインク流路である
複数の加圧液室18,18…、各加圧液室18,18…
にインクを供給するインク流路である複数の共通液室
(共通インク流路)19,19、共通液室19と加圧液
室18を連通するインク供給路をなすインク流路である
流体抵抗部20,20をそれぞれ形成している。
【0017】この液室ユニット2の振動板12は、Ni
(ニッケル)の金属プレートからなり、エレクトロフォ
ーミング(電鋳)工法によって製造している。この振動
板12は、図3に示すように第3感光性樹脂層15側を
平坦面とし、チャンネル方向と直交する方向では駆動部
7側にそれぞれ厚みの異なるダイアフラム領域12a、
接合領域12b及び逃げ領域12cを形成して、駆動部
7,7…に対応してダイアフラム部11、11…を形成
したものである。
【0018】この振動板12のダイアフラム領域12a
は、最も厚みの薄い領域(薄肉部)であって、厚さを3
〜10μm程度にしたダイアフラム部11のダイアフラ
ム領域(駆動部7の変位に応じて変形する弾性部分)で
ある。また、接合領域12bは、最も厚みの厚い領域
(厚肉部)であり、駆動部7,非駆動部8及びフレーム
5との接合領域であって、例えば20μm程度以上の厚
さに形成している。この場合、図4に示すようにチャン
ネル方向と直交する方向では、各接合領域12bの内、
非駆動部8に対応する部分は、液室ユニット2を非駆動
部8に接合するための梁部12eとなる。更に、逃げ領
域12cは、中間の厚さの領域であって、駆動部7との
接触を避けるための領域である。
【0019】この振動板12を形成する材料は、駆動部
7による加圧力を加圧液室18に伝搬できる弾性部分を
形成でき、インクに対する耐液性がよく、低透湿性のも
のであればよい。ただし、この振動板12としては、非
駆動部8と高い剛性で接合する上で、ヤング率を100
Kg/mm2以上とした非弾性材料を用いることが好まし
い。ここでは、上述したようにエレクトロンフォーミン
グ工法(電鋳)によって製造したNi(ニッケル)の金
属プレートを用いているが、この他SUS等の金属膜、
非常に薄い低透湿性の樹脂膜、例えばポリフェニレンサ
ルファイド、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン、ポ
リクロロトリフルオロエチレン、アラミド等の樹脂膜を
用いることもできる。
【0020】また、ノズルプレート17にはインク滴を
飛翔させるための微細孔である多数のノズル16を形成
しており、このノズル16の径はインク滴出口側の直径
で35μm以下に形成している。このノズルプレート1
7も振動板12と同様にエレクトロンフォーミング工法
(電鋳)によって製造したNi(ニッケル)の金属プレ
ートを用いているが、Si、その他の金属材料を用いる
こともできる。なお、実際には、1列32〜64個のノ
ズル16を2列配列した64〜128個構成で1つのイ
ンクジェットヘッドを製作するが、この64〜128個
のノズル16を有するノズルプレート17の品質は、イ
ンクの滴形状、飛翔特性を決定し、画像品質に大きな影
響を与えるものであり、より高品位の画像品質を得る上
で表面の均一化処理が不可欠である。
【0021】そして、このインクジェットヘッドにおい
ては、予めアクチュエータユニット1と液室ユニット2
とを別々に組付けた後、接着剤21によって両ユニット
1,2を接着接合して製造している。液室ユニット2
は、ノズルプレート17側に第1感光性樹脂層13を形
成する一方、振動板12側に第2、第3感光性樹脂層1
4、15を形成した後、これらのノズルプレート17と
振動板12とを第1、第3感光性樹脂層13、15の位
置合わせをして接着接合して形成する。
【0022】ここで、感光性樹脂を用いた液室ユニット
の製造工程について図5乃至図7を参照して説明する。
なお、ここでは、説明を簡単にするために、上記実施例
の第2感光性樹脂層14を設けない2層形態で説明す
る。
【0023】先ず、次のようにして、振動板12上に第
3感光体樹脂層15を形成した部材を製造する。 図5(a)に示すように予めエレクトロンフォーミ
ング工法(電鋳)を用いてNi(ニッケル)の金属プレ
ートからなる振動板12を製造した後、同図(b)に示
すように振動板12のフラットな面上に感光性樹脂であ
るネガ型ドライフィルムレジスト31を熱及び圧力によ
ってラミネートする。このドライフィルムレジストの厚
さは例えば20〜50μm程度である。
【0024】 同図(c)に示すようにインク流路形
状に応じたパターン(同図中、黒塗り部分が光遮蔽、白
部分が光透過)を有するマスク32を用いて紫外線(U
V光)露光をして、ドライフィルムレジスト31の露光
部分を硬化させる。これにより、ドライフィルムレジス
ト31は同図(d)に示すように溶剤不溶化領域である
硬化部分(露光部分)31aと溶剤溶化領域である未硬
化部分(未露光部分)31bとが生じる。 同図(e)に示すように未露光部分を除去できる溶
剤を用いて現像し、未露光部分31bを除去して、露光
部分31aを残すことにより、この露光部分31aで所
定のパターンを有する第3感光性樹脂層15が形成され
る。 水洗い、乾燥の後、再度紫外線露光と加熱によって
本硬化する。
【0025】一方、振動板12側と同様にして、ノズル
プレート17側に第1感光性樹脂層13を形成した部材
を製造する。すなわち、 図6(a)に示すように予めエレクトロンフォーミ
ング工法(電鋳)を用いてNi(ニッケル)の金属プレ
ートからなるノズル16を有するノズルプレート17を
製造した後、同図(b)に示すようにノズルプレート1
7のフラットな面上に感光性樹脂であるネガ型ドライフ
ィルムレジスト33を熱及び圧力によってラミネートす
る。このドライフィルムレジストの厚さは例えば40〜
100μm程度である。
【0026】 同図(c)に示すようにインク流路形
状に応じたパターンを有するマスク34を用いて紫外線
(UV光)露光をして、ドライフィルムレジスト33の
露光部分を硬化させる。これにより、ドライフィルムレ
ジスト33は同図(d)に示すように硬化部分(露光部
分)33aと未硬化部分(未露光部分)33bとが生じ
る。 同図(e)に示すように未露光部分を除去できる溶
剤を用いて現像して、未露光部分33bを除去すること
により、露光部分33aを残すことにより、この露光部
分33aで所定のパターンを有する第1感光性樹脂層1
3が形成される。 水洗い、乾燥の後、再度紫外線露光と加熱によって
本硬化する。
【0027】そして、図7に示すように、振動板13と
ノズルプレート17に形成されたドライフィルムレジス
トからなる第1感光性樹脂層13と第3感光性樹脂層1
5の対応する面同士を接合する。この接合は位置合わせ
治具を用いて行い、加圧及び前記本硬化のときより高い
温度での加熱を行う。なお、実際には、以上の工程は、
複数個分のヘッド面積のプレートにて組付けを行う。
【0028】そこで、このようなインクジェットヘッド
に適用する本発明の実施例について図8以降を参照して
説明する。なお、上述したインクジェットヘッドと対応
する部分には同一符号を付している。図8は本発明の第
1実施例を示す液室ユニットの断面図、図9は同液室ユ
ニットの分解斜視図である。
【0029】この液室ユニット40は、インク流路を形
成するための流路形成部を第1感光性樹脂層41及び第
2感光性樹脂層42で形成した第1部材であるノズルプ
レート17と、インク流路を形成するための流路形成部
を第3感光性樹脂層43及び第4感光性樹脂層44で形
成した第2部材である振動板12とを接合して形成した
ものであり、第2感光性樹脂層42と第3感光性樹脂層
43とは厚み方向で略同じ高さ位置として、層構造とし
ては3層構造としている。
【0030】ここで、第1感光性樹脂層41は、ノズル
プレート17の周縁部に設けられて共通液室19の隔壁
を形成する周縁隔壁45と、ノズル16の導入口16a
を形成する隔壁46とを形成している。第2感光性樹脂
層42は、第1感光性樹脂層41で形成した隔壁46の
周縁部に接合されて加圧液室18を形成する隔壁47を
形成している。
【0031】一方、第4感光性樹脂層44は、振動板1
2の周縁部に設けられて共通液室19の隔壁を形成する
周縁隔壁48と、共通液室19と加圧液室18とを隔て
るとともに流体抵抗部20を形成する隔壁49とを形成
している。第3感光性樹脂層43は、第4感光性樹脂層
44で形成する周縁隔壁48に接合されて共通液室19
を形成する周縁隔壁50と、第4感光性樹脂層44で形
成する隔壁49に接合されて共通液室19と加圧液室1
8とを隔てるとともに流体抵抗部20を形成する隔壁5
1とを形成している。
【0032】この液室ユニット40の製造過程は、上述
したところから分かるように、ノズルプレート17に第
1感光性樹脂層41を形成するためのネガ型ドライフィ
ルムレジストを熱及び圧力によってラミネートし、隔壁
45,46以外の領域を露光不能とする(マスキングす
る)マスクを用いて紫外線(UV光)露光をし、この第
1感光性樹脂層41を形成するためのネガ型ドライフィ
ルムレジスト上に、第2感光性樹脂層42を形成するた
めのネガ型ドライフィルムレジストをラミネートして、
隔壁47以外の領域を露光不能とする(マスキングす
る)マスクを用いて紫外線(UV光)露光をした後、こ
れらを一括して現像することによって、露光されなかっ
た未露光部分を除去し、これを全面露光、熱処理等によ
って本硬化することにより、第1,第2感光性樹脂層4
1,42とする。
【0033】一方、同様にして、振動板12に第4感光
性樹脂層44を形成するためのネガ型ドライフィルムレ
ジストを熱及び圧力によってラミネートし、隔壁48,
49以外の領域を露光不能とする(マスキングする)マ
スクを用いて紫外線(UV光)露光をし、この第4感光
性樹脂層44を形成するためのネガ型ドライフィルムレ
ジスト上に、第3感光性樹脂層43を形成するためのネ
ガ型ドライフィルムレジストをラミネートして、隔壁5
0,51以外の領域を露光不能とする(マスキングす
る)マスクを用いて紫外線(UV光)露光をした後、こ
れらを一括して現像することによって、露光されなかっ
た未露光部分を除去し、これを全面露光、熱処理等によ
って本硬化することにより、第3,第4感光性樹脂層4
3,44とする。
【0034】その後、ノズルプレート17と振動板12
とを図8の接合平面C−Cを最終接合面として接合す
る。
【0035】このように、この液室ユニット40におい
ては、ノズルプレート17に設けた第1,第2感光性樹
脂層41,42によって形成している流路形成部である
隔壁45,46,47と、振動板12に設けた第3,第
4感光性樹脂層43,44によって形成している流路形
成部である隔壁48,49,50,51の組合わせでイ
ンク流路である加圧液室18,共通液室19及び流体抵
抗部20を形成し、最終接合面C−Cが異なる平面、す
なわち、第2感光性樹脂層42と第3感光性樹脂層43
とを厚み方向に重なり合う位置関係になるようにしてい
る。
【0036】このようにすることで複雑なインク流路を
精度良く容易に形成することができる。つまり、インク
ジェットヘッドを形成する上での1つの留意点として、
気泡排出性を考慮しなければならない。加圧液室への気
泡の混入は、インクの噴射効率を著しく低下させ、場合
によっては噴射不能の原因となってしまう。そこで、気
泡を加圧液室に残留させないためには、液室の形状をノ
ズル方向に絞るような形態にすることが望ましく、一
方、インクカートリッジ等から混入してきた気泡が共通
液室から加圧液室に流入しない構成を採る必要がある。
【0037】この場合、インクジェットヘッドの使用時
にノズル面が下方に向く構成を採るとすれば、気泡はノ
ズルと反対側の基板に沿って移動すると考えられ、した
がって、加圧液室へのインクの供給はノズルプレート側
から行うことで気泡の加圧液室への混入を抑えることが
できる。即ち、この実施例のようにインク供給路である
流体抵抗部20の共通液室19側開口をノズルプレート
17側とし、加圧液室18側開口を振動板12側とする
ことで、気泡排出性の良いヘッドが得られる。
【0038】このようなインク流路を有するインクジェ
ットヘッドをドライフィルムレジスト(DFR)で平面
上に形成しようとした場合、ノズルプレート側或いは振
動板のいずれかから形成してもDFRのオーバーハング
形状が形成されて、十分な形状制御や接合強度を得るこ
とができなくなる。このような形状を精度良く形成する
方法としては、金属板を予め所望の形状に打ち抜き、貼
り合わせる方法があるが、このような方法では、この実
施例の加圧液室部のように外周から独立した島状の部分
があると、位置合わせができなくなる。
【0039】これに対して、この実施例のように絞り形
状が必要な加圧液室部は、ノズルプレート側から形成
し、共通液室からの流入部は基板側(振動板側)から形
成して、最後にこれらを組合わせて接合面C−Cで接合
することによって、上述したような複雑な形状のインク
流路であっても精度良く形成することができる。
【0040】また、このようにすることで、インク流路
の材質についても、金属、樹脂、DFR等ほとんどの材
質のもので製造することが可能になり、形状的な問題よ
りも、その他の剛性や放熱性、コスト等の要求特性や品
質の観点から材料を選定することができるようになる。
そして、接合方法に関しても、接合剤を用いることがで
きる他、樹脂であれば融着なども可能になり、金属であ
れば、拡散接合や溶接といった各種の接合工法を採用す
ることができるようになる。
【0041】次に、図10は本発明の第2実施例を示す
液室ユニットの断面図、図11は同液室ユニットの分解
断面図、図12は同液室ユニットの分解斜視図である。
この液室ユニット60は、インク流路を形成するための
流路形成部を第1感光性樹脂層61及び第2感光性樹脂
層62で形成した第1部材であるノズルプレート17
と、インク流路を形成するための流路形成部を第3感光
性樹脂層63で形成した第2部材である振動板12とを
接合して形成したものであり、第2感光性樹脂層62と
第3感光性樹脂層63とは厚み方向で略同じ高さ位置と
して、層構造としては2層構造としている。
【0042】ここで、第1感光性樹脂層61は、ノズル
プレート17の周縁部に設けられて共通液室の隔壁を形
成する周縁隔壁65と、共通液室とノズル16の導入口
16aを形成する隔壁66とを形成している。第2感光
性樹脂層42は、第1感光性樹脂層61で形成した隔壁
66に接合されて加圧液室及び流体抵抗部20を形成す
る隔壁67を形成している。
【0043】一方、第3感光性樹脂層63は、振動板1
2の周縁部に設けられて共通液室の隔壁を形成する周縁
隔壁68と、共通液室と加圧液室とを隔てるとともに流
体抵抗部20を形成する隔壁69とを形成している。
【0044】そして、この液室ユニット60は、図11
に示すように第1,第2感光性樹脂層61,62を設け
たノズルプレート17と第3感光性樹脂層63を設けた
振動板12とを接合することで形成する。このとき、第
2感光性樹脂層62による隔壁67と第3感光性樹脂層
63による隔壁67とが組合わさって加圧液室を形成す
ると共に流体抵抗部20を形成する。
【0045】このようにすることで微細な流体抵抗部を
精度良く形成することができる。つまり、流体抵抗部は
インクの逆流を防ぐためにノズルと同程度の断面積にす
ることが要求され、そのため極めて微細構造が要求され
る。この場合、図13及び図14に示すようにノズルプ
レート17側に第1感光性樹脂層61による隔壁66を
振動板12側に第3感光性樹脂層63による隔壁69を
形成して両社を同一平面で接合することで流体抵抗部2
0を形成しようとすると、アスペクト比(溝深さ/溝
幅)は1程度が限界になる。
【0046】これに対して、この実施例のように第2感
光性樹脂層62による隔壁67と第3感光性樹脂層63
による隔壁69とを組合わせて異なる平面で接合する、
つまり、隔壁69,69間に隔壁67を入り込ませて接
合することによって、アスペクト比の高い溝からなる流
体抵抗部を形成することが可能になる。なお、この実施
例では、加圧液室をほぼ2等分した形状にしているが、
第1部材及び第2部材のいずれか一方に大部分の流路を
形成して、他方に微細部だけを形成するようにすること
もできる。
【0047】次に、図15は本発明の第3実施例を示す
液室ユニットの断面図、図16は同液室ユニットの分解
断面図である。この第3実施例においては、上記第2実
施例の第3感光性樹脂層63で形成する隔壁69の2つ
の組合わせで加圧液室及びこれに通じる流体抵抗部を形
成するようにすると共に、各加圧液室の流体抵抗部を第
3感光性樹脂層63で形成する隔壁69,69間に、こ
の隔壁69よりも厚み方向の厚さを薄くした第2感光性
樹脂層62で形成する隔壁67を入り込ませて微細構造
としたものである。
【0048】流路形状が複雑になるに従って接合時の変
形や接合剤のはみ出しが大きな問題になるので、微細で
変形を嫌う流体抵抗部に、厚さの薄い隔壁(流路形成
部)を設けることによって、この部分が接合時に加圧さ
れず、加圧に起因する変形や接合剤のはみ出しを防止す
ることができ、バラツキの少ない優れた特性のインクジ
ェットヘッドを得ることができる。
【0049】次に、図17は本発明の第4実施例を示す
液室ユニットの分解斜視図である。この第4実施例にお
いては、上記第2実施例の液室ユニット60において、
ノズルプレート17側には第1感光性樹脂層61で形成
する周縁隔壁65の角部2箇所に位置合わせ用凸部71
を設け、振動板12側には第3感光性樹脂層63で形成
する周縁隔壁68の角部2箇所に位置合わせ用凹部72
を形成したものである。
【0050】この液室ユニットでは、接合前にノズルプ
レート17側の凸部71と振動板12側の凹部72とを
嵌合させることによって、容易に組合わせ位置を決める
ことができ、より高精度の液室ユニットを得ることがで
きる。この場合、これらの凸部71や凹部72は他の流
路形成部と同時に形成するためにコスト的にも増加を招
かない。なお、位置合わせ用の凸部及び凹部は、複数
段、例えば2段にして、1段面で概略の位置合わせを行
わせ、2段面で精密位置合わせを行うようにしたり、テ
ーパ状に形成したりすることもできる。
【0051】次に、図18は本発明の第5実施例を示す
液室ユニットの分解斜視図である。この第5実施例にお
いては、上記第2実施例の液室ユニット60において、
ノズルプレート17側には第1感光性樹脂層61で形成
する周縁隔壁65の角部にL字状のガイドライン部73
を設けている。
【0052】このようにすることで、ガイドライン部7
3に沿って振動板12をスライドさせてノズルプレート
17と所定位置に合わせて接合することができる。つま
り、この実施例のようなパターンであれば、隔壁67と
隔壁69との間ではY軸方向にスライド可能であるの
で、先ず、Y軸で概略を合わせた後、X軸方向に突き当
てるようにして振動板12とノズルプレート17とを合
わせ、次にY軸方向にスライドさせてガイドライン部7
3を突き当てることによって位置合わせが完了する。
【0053】なお、ガイドライン部はL字状に限るもの
ではなく、複数本設けることもできる。この場合、複数
本のガイドライン部の内の一本のガイドライン部は、ス
ライド可能な方向に沿っている方が作業性が向上する。
また、上記第4実施例で説明した位置合わせ用の凹部及
び凸部を併用することもできる。
【0054】上記実施例では、アクチュエータ素子とし
て圧電素子を用いたインクジェットヘッドで説明してい
るが、アクチュエータ素子はこれに限るものでなく発熱
抵抗体等のその他のアクチュエータ素子を使用するイン
クジェットヘッドにも本発明は同様に適用することがで
きる。また、流路形成部を感光性樹脂で形成した例で説
明しているが、その他金属材料等も用いることができ
る。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェットヘッドによれば、第1部材の流路形成部と第2
部材の流路形成部との組合わせでインク流路を形成し、
最終接合面が異なる平面にある構成としたので、厚さ方
向の複雑で微細なインク流路の形成が可能になり、微細
で複雑なインク流路を容易に形成できる。
【0056】請求項2のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1のインクジェットヘッドにおいて、イ
ンク流路が共通インク流路から加圧液室にインクを供給
するインク供給路をなす流体抵抗部である構成としたの
で、微細でかつ変形の少ない流体抵抗部形状を得ること
ができる。
【0057】請求項3のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1又は2のインクジェットヘッドにおい
て、組合わせでインク流路を形成する第1部材及び第2
部材の流路形成部の厚みが異なる構成としたので、アス
ペクト比の高いインク流路形状や島部を有する構造も容
易に形成することができ、剛性の高い複雑なインク流路
を形成することができる。
【0058】請求項4のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1乃至3のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、第1部材及び第2部材のいずれか一方に
位置合せ用の凸部を、他方にこの凸部に嵌合する凹部を
形成したので、工程を増加することなく、位置決めを容
易に行うことができて生産性が向上する。
【0059】請求項5のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1乃至3のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、第1部材及び第2部材にガイドライン部
を形成したので、位置合わせを極めて容易に行うことが
できる。
【0060】請求項6のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1乃至5のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、共通インク流路から加圧液室にインクを
供給するインク供給路をなす流体抵抗部は、共通インク
流路側ではノズルを形成したノズル形成部材側で開口
し、加圧液室側では振動板側で開口している構成とした
ので、気泡の混入が少ない安定した噴射特性を有するイ
ンクジェットヘッドを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するインクジェットヘッドの外観
斜視図
【図2】同インクジェットヘッドの分解斜視図
【図3】図1のA−A線に沿う要部拡大断面図
【図4】図1のB−B線に沿う要部拡大断面図
【図5】液室ユニットの製造工程のうちの振動板の製造
工程を説明する工程図
【図6】液室ユニットの製造工程のうちのノズルプレー
トの製造工程を説明する工程図
【図7】液室ユニットの製造工程のうちの振動板とノズ
ルプレートの接合を説明する工程図
【図8】本発明の第1実施例に係る液室ユニットの断面
【図9】同液室ユニットの分解斜視図
【図10】本発明の第2実施例に係る液室ユニットの断
面図
【図11】同液室ユニットの分解断面図
【図12】同液室ユニットの分解斜視図
【図13】本発明を適用しない液室ユニットの断面図
【図14】同液室ユニットの分解断面図
【図15】本発明の第3実施例に係る液室ユニットの断
面図
【図16】同液室ユニットの分解断面図
【図17】本発明の第4実施例に係る液室ユニットの分
解断面図
【図18】本発明の第5実施例に係る液室ユニットの分
解断面図
【符号の説明】
1…アクチュエータユニット、2…液室ユニット、7…
圧電素子、12…振動板、13…第1感光性樹脂層、1
4…第2感光性樹脂層、15…第3感光性樹脂層、16
…ノズル、17…ノズルプレート、18…加圧液室、1
9…共通液室、20…流体抵抗部、41…第1感光性樹
脂層、42…第2感光性樹脂層、43…第3感光性樹脂
層、44…第4感光性樹脂層、45,46,47,4
8,49,50,51…隔壁。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク流路を形成するための流路形成部
    を設けた第1部材と、前記インク流路を形成するための
    流路形成部を設けた第2部材とを接合して前記インク流
    路を形成したインクジェットヘッドにおいて、前記第1
    部材の流路形成部と第2部材の流路形成部との組合わせ
    で前記インク流路を形成し、最終接合面が異なる平面に
    あることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記インク流路が共通インク流路から加圧液
    室にインクを供給するインク供給路をなす流体抵抗部で
    あることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    ヘッドにおいて、前記組合わせでインク流路を形成する
    第1部材及び第2部材の流路形成部の厚みが異なること
    を特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記第1部材及び第2部材
    のいずれか一方に位置合せ用の凸部を、他方にこの凸部
    に嵌合する凹部を形成したことを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記第1部材及び第2部材
    にガイドライン部を形成したことを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、共通インク流路から加圧液
    室にインクを供給するインク供給路をなす流体抵抗部
    は、前記共通インク流路側ではノズルを形成したノズル
    形成部材側で開口し、前記加圧液室側では振動板側で開
    口していることを特徴とするインクジェットヘッド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100645426B1 (ko) * 2000-09-29 2006-12-19 삼성전자주식회사 잉크젯 프린터 헤드
JP2015168188A (ja) * 2014-03-08 2015-09-28 株式会社リコー 液体吐出ヘッド、液体吐出装置
US9592687B2 (en) 2014-10-02 2017-03-14 Ricoh Company, Ltd. Head device, apparatus incorporating the head device, liquid discharge device, and apparatus for discharging liquid

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JP2015168188A (ja) * 2014-03-08 2015-09-28 株式会社リコー 液体吐出ヘッド、液体吐出装置
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