JPH09274568A - 故障診断装置 - Google Patents

故障診断装置

Info

Publication number
JPH09274568A
JPH09274568A JP17003396A JP17003396A JPH09274568A JP H09274568 A JPH09274568 A JP H09274568A JP 17003396 A JP17003396 A JP 17003396A JP 17003396 A JP17003396 A JP 17003396A JP H09274568 A JPH09274568 A JP H09274568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
failure
cause
diagnostic
unit
coping method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17003396A
Other languages
English (en)
Inventor
Bunjiro Takashima
文次郎 高島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP17003396A priority Critical patent/JPH09274568A/ja
Publication of JPH09274568A publication Critical patent/JPH09274568A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Alarm Systems (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 診断データの問合せリストを自動生成し、現
場での確認作業をひとまとめにして行えるようにし、故
障診断の効率化を図る。 【解決手段】 この故障診断装置は、推論エンジン2が
知識ベース部1に保持される診断知識をたどりながら機
器の故障原因を推論していく際に、診断途中で複数の分
岐があった場合に、診断データ格納部4に格納されてい
る診断データに基づいてどの経路を選択するかを決定す
る。しかしながら推論エンジン2が該当する診断データ
を見出せない場合、問合せデータ生成部5が現在のノー
ドを出発点として、知識ベース部1の診断知識を先読み
して必要となる診断データを確認し、不足している診断
データについて問合せデータとしてまとめる。そして診
断データ収集部7がこの問合せデータをオペレータに提
示して、まとめて回答を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は故障診断装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータ制御によるプラント
運転監視装置では、機械の故障発生時に故障原因を追求
したり、その故障の対処方法を決定するために、専門家
が持っている知識ノウハウを知識ベースに登録してお
き、推論エンジンを用いて自動的に故障診断を行うエキ
スパートシステムを利用した故障診断装置が採用される
ようになってきている。
【0003】この従来のエキスパートシステムを利用し
た故障診断装置では、故障診断知識をたどる途中で複数
の分岐があった場合にどの経路を選択するかを決定する
ための診断データを必要とするが、そのような診断デー
タが不足する場合にはオペレータにその都度問合せを行
い、オペレータがデータの調査や確認を行って回答を入
力するという作業を繰返し、最終的に診断結果を出力す
ることが必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのような従
来の故障診断装置では、上述したように故障診断知識を
たどる途中で複数の分岐があった場合にどの経路を選択
するかを決定するための診断データが不足しているとオ
ペレータに問合せを行い、その回答を得てさらに診断を
継続する方法をとっているために、診断データの不足分
が多くなるとオペレータに対する問合せ回数が増え、そ
の問合せの度にオペレータが調査、確認を行って入力す
る作業を繰返さなければならなくてオペレータの負担が
増え、またオペレータが問合せに対する回答を得るため
に現場へ出向いて調査、確認を行わなければならない機
会も増え、最終的な診断結果を得るまでに時間がかかる
問題点もあった。
【0005】また従来のエキスパートシステムを利用し
た故障診断装置では故障診断を行うことができても、得
られるのは故障事象に対する故障原因の情報であって、
得られた故障原因に対してどのような対処方法があるの
かを自動的に推論して故障原因と共に提示する故障対処
方法決定装置は知られておらず、故障診断装置によって
得られた故障原因に対して、技術者がオペレーションマ
ニュアル、故障マニュアル、その他の各種ドキュメント
を引っぱり出して故障原因に対応する対処方法を見つけ
出して対処するようにしていたため、対処方法の決定が
非能率的である問題点があった。
【0006】また故障修理は機器の設置されている現場
で行わなければならないが、対処方法の決定のために各
種ドキュメントが保管されている居室に戻るのでは能率
が悪い問題点もあった。
【0007】さらに故障診断知識は機器の運用によって
稼動初期から運用が進むに従って補充されたり、変更さ
れたりすることがあるが、これに対応して対処方法も補
充したり変更したりする必要があり、故障原因とその対
処方法の関係を自動的に修復する機能を有する故障診断
装置があれば望ましい。
【0008】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、診断途中で複数に分岐するような場合
でその判断のもとになる診断データが不足していると
き、その後の診断に必要となるような診断データを知識
ベースから先読みし、オペレータが調査、確認しなけれ
ばならなくなるような診断データをまとめて問合せデー
タとしてオペレータに提示し、オペレータが多くの問合
せデータに対して一度にまとめて現場で調査、確認して
それらの問合せデータに対する回答を与えられるように
し、故障診断時にオペレータに要求される負担を軽減
し、また故障診断結果を得るまでの時間を短縮すること
ができる故障診断装置を提供することを目的とする。
【0009】本発明はまた、故障診断処理で導き出した
故障原因に対して、対応する対処方法を自動的に推論
し、決定して技術者に提示することができる故障診断装
置を提供することを目的とする。
【0010】本発明はまた、故障診断知識や対処方法知
識に変更があった場合、故障原因とその対処方法との関
係を自動的に修復することにより、診断知識や対処方法
知識の保守が容易である故障診断装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の故障診
断装置は、機器の種々の故障事象とその故障原因の因果
関係を中間事象も含めて診断知識として保持する知識ベ
ース部と、前記診断知識をたどる途中で1つの前記中間
事象から複数の分岐があった場合に、どの経路を選択す
るかを決定するための診断データを格納する診断データ
格納部と、与えられた故障事象に対して、前記知識ベー
ス部に保持されている診断知識をたどりながら故障原因
を推論し、かつ前記診断知識をたどる途中で前記1つの
中間事象から複数の分岐があった場合にどの経路を選択
するかを決定するための診断データを前記診断データ格
納部から獲得する推論エンジンと、前記故障事象又は1
つの前記中間事象に対して、当該故障事象又は中間事象
を故障診断の出発点として前記知識ベース部の診断知識
を先読みして故障診断に必要となる診断データをあらか
じめ確認し、当該故障診断に必要となる診断データのう
ち、前記診断データ格納部に格納されていない診断デー
タを問合せデータとしてまとめる問合せデータ生成部
と、前記問合せデータ生成部が作成した問合せデータを
出力するマンマシンインタフェースとを備えたものであ
る。
【0012】この請求項1の発明の故障診断装置では、
推論エンジンが知識ベース部に保持される診断知識をた
どりながら機器の故障原因を推論していく際に、診断途
中の1つの中間事象から複数の分岐があった場合に、診
断データ格納部に格納されている診断データに基づいて
どの経路を選択するかを決定する。
【0013】そして推論エンジンが最終的な診断原因を
見出せずに推論途上で止まった場合、問合せデータ生成
部が停止した故障事象又は中間事象を故障診断の出発点
として、さらに推論を進めて行く場合にいずれの分岐に
進むかの判断のために必要となる診断データを先読みし
て抽出し、必要となる診断データのうち診断データ格納
部に格納されていない診断データについては問合せデー
タとしてまとめてマンマシンインタフェースに出力す
る。
【0014】したがって、マンマシンインタフェースに
まとめて出力される複数の問合せデータを見てオペレー
タが現場などに出向き、集中的に複数の問合せデータに
ついて確認、調査して回答することでき、オペレータが
現場などに足を運ぶ頻度を少なくしてその負担を軽減す
ると共に、故障診断結果を得るのにかかる時間も削減す
ることができ、加えて診断データの追加ができるために
故障診断も正確に行えるようになる。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の故障診断装
置において、前記問合せデータ生成部が生成した問合せ
データをマンマシンインタフェースに出力し、それらの
問合せデータに対してマンマシンインタフェースから入
力される回答を診断データとして前記診断データ格納部
に追加格納する診断データ収集部を備えたものであり、
複数の問合せデータを診断データ収集部がマンマシンイ
ンタフェースに出力してオペレータに提示し、オペレー
タから回答が得られると、それらを診断データとして診
断データ格納部に追加格納して推論エンジンの故障診断
に利用させる。
【0016】請求項3の発明は、請求項1の故障診断装
置において、前記問合せデータ生成部が生成した問合せ
データをマンマシンインタフェースに出力し、それらの
問合せデータに対してマンマシンインタフェースから入
力される回答を診断データとして自身に格納する診断デ
ータ収集部を備えたものであり、複数の問合せデータを
診断データ収集部がマンマシンインタフェースに出力し
てオペレータに提示し、オペレータから回答が得られる
と、それらを追加の診断データとして診断データ収集部
自身に格納し、診断データ格納部に格納されている診断
データと共に推論エンジンの故障診断に利用させる。
【0017】請求項4の発明の故障診断装置は、機器の
種々の故障とその故障原因の因果関係を中間事象も含め
て診断知識として保持する知識ベース部と、与えられる
故障事象に対して、前記知識ベース部に保持されている
前記故障診断知識を利用して故障原因を推論する推論エ
ンジンと、前記推論エンジンが実行した前記故障事象か
ら前記故障原因に至る推論経路上の中間事象と前記故障
原因とを保存するワーキングメモリと、前記知識ベース
部に保持されている診断知識の故障原因及び中間事象そ
れぞれに対応する故障対処方法情報を保持する対処方法
情報保持部と、前記対処方法情報保持部を検索して前記
ワーキングメモリに保存されている前記推論経路上の中
間事象と前記故障原因とに対応する故障対処方法情報を
抽出する対処方法検索部と、前記推論エンジンによる故
障原因の推論結果及び前記対処方法検索部の検索結果を
出力するマンマシンインタフェースとを備えたものであ
る。
【0018】この請求項4の発明の故障診断装置では、
推論エンジンが知識ベース部の診断知識を利用して故障
原因を推論する時に、ワーキングメモリに推論経路上の
中間事象と故障原因とを保存させる。そしてこの故障原
因の推論が完了すれば、あるいは推論途上で適宜に、対
処方法検索部が対処方法情報保持部を検索して、ワーキ
ングメモリに保存されている推論経路上の中間事象と故
障原因とに対応する故障対処方法情報を抽出する。そし
てマンマシンインタフェースが推論エンジンによる故障
原因の推論結果及び対処方法検索部の検索結果を出力す
る。
【0019】したがって、オペレータはこの故障診断装
置に故障事象を入力して推論動作を行わせるだけで、故
障原因とそれに対処する方法を得ることができ、故障に
対する対応を迅速に行えるようになる。
【0020】請求項5の発明の故障診断装置は、機器の
種々の故障とその故障原因の因果関係を中間事象も含め
て診断知識としてを保持する知識ベース部と、与えられ
る故障事象に対して、前記知識ベース部に保持されてい
る前記故障診断知識を利用して故障原因を推論する推論
エンジンと、前記推論エンジンが実行した前記故障事象
から前記故障原因に至る推論経路上の中間事象と前記故
障原因とを保存するワーキングメモリと、各種の故障対
処方法情報を保持する対処方法情報保持部と、前記知識
ベース部に保持されている前記故障原因及び中間事象と
前記対処方法情報保持部に保持されている前記故障対処
方法情報との原因対処関係情報を保持する原因対処関係
保持部と、前記原因対処関係保持部の原因対処関係情報
を検索して、前記推論エンジンが推論した故障原因及び
前記ワーキングメモリに保存されている前記推論経路上
の中間事象それぞれに対応する故障対処方法情報を特定
し、前記対処方法情報保持部から該当する故障対処方法
情報それぞれを抽出する対処方法検索部と、前記推論エ
ンジンによる故障原因の推論結果及び前記対処方法検索
部の検索結果を出力する出力部とを備えたものである。
【0021】この請求項5の発明の故障診断装置では、
推論エンジンが知識ベース部の診断知識を利用して故障
原因を推論する時に、ワーキングメモリに推論経路上の
中間事象と故障原因とを保存させる。また故障原因の推
論が完了すれば、対処方法検索部が原因対処関係保持部
を検索して、ワーキングメモリに保存されている推論経
路上の中間事象と故障原因とに対応する故障対処方法情
報を特定し、対処方法情報保持部から該当する故障対処
方法情報を抽出する。そしてマンマシンインタフェース
が推論エンジンによる故障原因の推論結果及び対処方法
検索部の検索結果を出力する。
【0022】したがって、オペレータはこの故障診断装
置に故障事象を入力して推論動作を行わせるだけで、故
障原因とそれに対処する方法を得ることができ、故障に
対する対応を迅速に行えるようになる。
【0023】請求項6の発明は、請求項5の故障診断装
置において、前記知識ベース部に保持されている診断知
識又は前記対処方法情報保持部に保持されている故障対
処方法情報に変更が生じた時に、前記原因対処関係保持
部に保持されている原因対処関係情報を修正する原因対
処関係情報管理部を備えたものである。
【0024】この請求項6の発明の故障診断装置では、
診断知識に変更があったり、対処方法情報に変更があっ
た場合、原因対処関係情報管理部が原因対処関係保持部
に保持されている原因対処関係情報を修正し、常に、故
障原因及び中間事象とそれに対処するために必要な対処
方法情報との関係を最新にものに維持し、正しく適切な
故障対処方法を提示することができるようにする。
【0025】請求項7の発明は、請求項4〜6の故障診
断装置において、伝送路を通じて遠隔の端末装置に前記
推論結果及び対処方法検索結果を送信する伝送管理部を
備えたものである。
【0026】この請求項7の発明の故障診断装置によれ
ば、故障診断結果と故障対処方法の情報を伝送路を介し
て現場や部品倉庫のような実際に作業を必要とする場所
に伝送し、そこで技術者が端末を通してそれらの情報を
得て作業を行うことができ、保守作業の効率が改善でき
る。
【0027】請求項8の発明は、請求項4〜7の故障診
断装置において、前記対処方法検索部が、前記推論エン
ジンが最終故障原因まで推論を完了した後に、前記知識
ベース部の診断知識を参照して、前記故障原因から順次
診断知識を親ノード側に遡って故障原因及び各中間事象
に対応する対処方法を検索するようにしたものである。
【0028】請求項9の発明は、請求項4〜7の故障診
断装置において、前記推論エンジンの推論経路上の各中
間事象及び最終故障原因を前記ワーキングメモリに保存
し、前記対処方法検索部が、前記ワーキングメモリに保
存されている前記中間事象及び最終故障原因それぞれに
ついて対処方法を検索するようにしたものである。
【0029】請求項10の発明は、請求項4〜7の故障
診断装置において、前記対処方法検索部が、前記推論エ
ンジンが1ノード推論を進めるたびに、その中間事象又
は最終故障原因に対応する対処方法を検索して出力する
ようにしたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は本発明の1つの実施の形態の
機能構成を示すブロック図であり、この実施の形態の故
障診断装置は、図2に示すような運転制御対象となる機
器の種々の故障情報をそれらの故障原因に至るまでの因
果関係を木構造で表現した診断知識を保持している知識
ベース部1と、与えられる故障情報から知識ベース部1
の診断知識をたどりながら故障原因を推論する推論エン
ジン2と、推論エンジン2の診断途中の中間データを一
時的に保持するワーキングメモリ3と、診断知識をたど
る途中に複数の分岐があった場合にどの経路を選択する
かを決定するための診断データを格納する診断データ格
納部4を備えている。
【0031】なお、知識ベース部1に保持されている診
断知識はここでは木構造としたが、診断知識の表現形式
にはその他にも、If−Thenルール形式やフレーム
形式もある。しかしながら、これらの他の表現形式の知
識も木構造に変換することが可能であり、本発明では以
下、木構造の表現形式を用いて一般的な説明をする。
【0032】故障診断装置はまた、ワーキングメモリ2
における現在の推論状態を出発点として、知識ベース部
1の診断知識を先読みして必要となる診断データをあら
かじめ抽出し、さらに抽出した診断データのうち診断デ
ータ格納部4に格納されていない診断データをオペレー
タへの問合せのための問合せデータとしてまとめる問合
せデータ生成部5と、マンマシンインタフェースをなす
入出力装置6と、入出力装置6に問合せデータを表示さ
せ、またオペレータが入出力装置6によって入力するそ
れらの問合せデータに対する回答を受取って診断データ
として保持するデータ収集部7を備えている。
【0033】次に、上記構成の故障診断装置の動作につ
いて説明する。知識ベース1に格納されている診断知識
は図2に示すようなもので、故障事象間の因果関係を木
構造に表現していて、木構造のノード(節)11〜11
2が各事象を表し、木構造のリンク(連接)21〜21
1がノード間、つまり事象間の因果関係を示している。
ここで因果関係とは、ある故障事象が別の事象を引き起
す関係、つまりある事象が原因となって別の事象が起る
関係のことである。
【0034】一般にある故障が発生した場合、根本的な
原因と現実に現れている故障事象との間にいくつかの中
間的な事象(中間事象)が介在し、根本原因と現実に現
れている故障事象との間に直接、因果関係がある場合は
まれである。そこで、専門家が持っている故障知識の整
理を行い、診断知識として知識ベース部1に登録してお
き、これを利用してコンピュータによって故障診断の支
援を行うのである。
【0035】図2に例示された診断知識の場合、ノード
11の「緊急停止」が現実に現れている故障事象のノー
ドであり、ノード18の「負荷の急変」、ノード19の
「電源装置内の短絡」、ノード110の「冷却水の漏
れ」、ノード111の「潤滑油不足」、ノード112の
「冷却装置故障」などが根本故障原因のノードであり、
これらの故障ノード11と原因ノード18〜112との
間にリンク21〜211によって階層的に関係付けられ
ているノード12〜17はいずれも中間的な事象を表す
ノードである。
【0036】そしていま、冷却水の漏れが根本原因とな
って緊急停止という故障が発生した場合を例に上げれ
ば、この場合には原因ノード110と故障ノード11と
の因果関係は次のように結びつけられる。
【0037】「冷却水の漏れ」(ノード110)→「冷
却水量が少ない」(ノード16)→「高温」(ノード1
3)→「緊急停止」(ノード11)。
【0038】また、同じ「緊急停止」という故障ノード
11でも、その根本原因が電源装置内での短絡という場
合もある。この場合、原因ノード19と故障ノード11
との因果関係は次のようになる。
【0039】「電源装置内での短絡」(ノード19)→
「電源装置にこげ、異臭がある」(ノード15)→「ヒ
ューズが切れている」(ノード12)→「緊急停止」
(ノード11)となる。
【0040】このように1つの「緊急停止」という故障
に対して複数の根本原因が考えられるので、その根本原
因が原因ノード18〜112のいずれであるかは、実際
にノード12〜ノード17の中間事象をたどっていき、
それぞれの中間事象が実際に起こっているかどうかを診
断データとしてプラントから自動的に得るか、あるいは
オペレータに問い合わせて回答してもらうかしなけれ
ば、正確に判定することができない。
【0041】そこで本発明の故障診断装置では、この故
障診断を可能な限りオペレータの負担を軽減して効率的
に行おうとするのであり、故障診断の手順は図3のフロ
ーチャートにしたがう。まずオペレータは入出力装置6
を通じて発生した故障情報を入力すると(ステップS
1)、推論エンジン2が推論を開始する(ステップS
2)。この入力は、グラフィカルインタフェース(GU
I)を用いて行うことができ、例えば、入出力装置6の
ディスプレイに機器の一覧が表示され、そこから故障が
発生した機器をマウスやカーソルの移動、さらにはタッ
チパネルを使用している場合にはオペレータが直接該当
する機器の場所を指などでタッチすることによって選択
する。この選択操作が行われると、画面は選択された機
器の故障一覧に切り替わり、オペレータはさらにこの画
面上で該当する故障が表示されている場所を指定するこ
とによってどのような故障が発生したのかをシステム側
に入力することができる。
【0042】推論エンジン2による推論が終了していな
いならば(ステップS3)、入出力装置6を通じてオペ
レータに調査や確認事項の問合せを行い(ステップS
4)、オペレータが提示された問合せ事項に対して調査
や確認を行い、入出力装置6を通じて回答を入力する
(ステップS5)。
【0043】ステップS3で推論が終了していれば、オ
ペレータに推論結果を入出力装置6を通じて提示する
(ステップS6)。
【0044】次に推論エンジン2によるステップS2の
推論動作を、図4のフローチャートに基づいて説明す
る。故障情報が入出力装置6から入力されると、この故
障を現在のノードにして、現在のノードにリンクによっ
て関連づけられた原因となるノードを知識ベース部1の
診断知識から検索する(ステップS21〜S23)。
【0045】原因となるノード(1つであることも複数
個であることもある)が見出されると、見出された原因
となるノードのうちの1つを現在のノードとし、残りの
ノードはワーキングメモリ3の候補ノードスタックに登
録する(ステップS24、S25)。
【0046】そして現在のノードが根本原因であるかど
うか判断し(ステップS26)、根本原因であると判断
すれば診断成功として入出力装置6に診断結果を出力す
る(ステップS29)。
【0047】しかしながら、現在のノードが根本原因で
はない中間ノードである場合、現在のノードが機器にお
いて現実に発生している事象であるか(真)、現実に発
生していない事象であるか(偽)を判断する根拠となる
診断データが診断データ格納部4に登録されているかど
うか判断する(ステップS27)。
【0048】このステップS27で診断データ有りと判
断されれば、次に、現在のノードの真偽を判断し(ステ
ップS28)、現在のノードが真であって現実に発生し
ている事象であれば、ステップS23の処理に戻り、現
在のノードの原因となる事象ノードを知識ベース部1か
ら検索する手順を繰返す。
【0049】ステップS28の現在のノードの真偽の判
断において、現在のノードが現実に発生していない事象
であるために偽と判断すれば、別の候補ノードについて
考慮するためにステップS210に進み、ワーキングメ
モリ3にスタックされている残りの候補ノードの1つを
取出して現在のノードとし(ステップS211)、ステ
ップS26以降の処理に戻る。
【0050】しかしながら、ステップS210で、ワー
キングメモリのスタックに候補ノードがなければ診断を
続行することはできないので、診断失敗として入出力装
置6に出力させる(ステップS213)。
【0051】ステップS26で現在のノードが最終的な
故障原因ではないと判断し、さらにステップS27で現
在のノードの事象の真偽を判断するのに必要な診断デー
タが診断データ格納部4に登録されていなければ、推論
エンジン2はデータ収集部7に診断データを要求する
(ステップS212)。
【0052】データ収集部7は診断データの要求を受け
ると、まず問合せデータ生成部5に問合せデータの生成
指示を与え、問合せデータ生成部5は図5のフローチャ
ートの処理にしたがって問合せリストを生成してデータ
収集部7に渡す。
【0053】問合せデータの生成処理は次の通りであ
る。データ収集部7から問合せ要求を受けると(ステッ
プS31)、問合せのあったノードを現在ノードとして
問合せリストに登録し(ステップS32)、またワーキ
ングメモリ3の候補ノードのスタックを問合せ候補スタ
ックにコピーする(ステップS33)。
【0054】続いて、現在のノードから先のノードを知
識ベース部1の診断知識から検索し、問合せ候補スタッ
クに登録する(ステップS34)。
【0055】続いて、問合せ候補スタックが空でなけれ
ば(ステップS35)、問合せ候補スタックから1つの
ノードを取出して現在ノードとし、この現在ノードとさ
れたノードの事象が診断データ格納部4にすでに登録さ
れているかどうか検索し(ステップS36,S37)、
登録されていなければ問合せリストに登録していく(ス
テップS38,S39)。以上のステップS34〜S3
8の処理は問合せ候補スタックが空になるまで、あるい
は問合せリストのノード数が制限値に達するまで繰返す
(ステップS35,S39)。
【0056】こうして問合せリストを生成すれば、その
結果をデータ収集部7に渡すことになる(ステップS3
10)。
【0057】データ収集部7では、こうして問合せデー
タ生成部5から受取った問合せデータリストに基づい
て、入出力装置6に図6に示すように複数の問合せデー
タを一括して表示してオペレータに提示する。
【0058】オペレータはこの問合せデータに基づいて
現場の機器を調査して確認し、その結果を入出力装置6
に入力する。データ収集部7はこの入力を受取ると、こ
れを診断データとして獲得することになる。
【0059】こうしてデータ収集部7において診断デー
タを一括して収集した後は、図4のフローチャートにお
けるステップS212のデータ収集部7に対する診断デ
ータ要求に対して該当する診断データを推論エンジン2
に与え、推論エンジン2は診断データ格納部4に登録さ
れていない診断データについてデータ収集部7に収集さ
れている診断データを参照して現在ノードの真偽を判断
し、故障診断を継続すことができるようになる(ステッ
プS28)。
【0060】以上の処理について、図2の診断知識を例
にして説明すると次のようになる。故障情報として「緊
急停止」(ノード11)が入力されたとすると、推論エ
ンジン2は故障診断処理を開始し、この「緊急停止」を
現在のノードとして、現在のノードの原因となる事象ノ
ードを知識ベース部1から検索して、リンク21、22
によって関係づけられている中間事象ノード、「ヒュー
ズが切れている」(ノード12)と「高温」(ノード1
3)を見出す(ステップS21〜S24)。なお、図2
の診断木では他のノードも「緊急停止」のノードに関係
づけられているように示されているが、以下、説明の簡
略化のために上記の2つの中間事象ノードのみが見出さ
れるものとして説明する。
【0061】2つの候補ノードを見出せば、その1つの
ノード、「ヒューズが切れている」(ノード12)を現
在のノードとし、他の1つのノード、「高温」(ノード
13)はワーキングメモリ3に候補ノードとしてスタッ
クする(ステップS25)。
【0062】次に、「ヒューズが切れている」という現
在のノードが最終的な故障原因であるかどうか判断する
(ステップS26)。ここでは、このノードは故障原因
ではないので、ステップS27に進んで、診断データ格
納部4に登録されている診断データと照らし、中間事象
である「ヒューズが切れている」という現在のノードが
真であるか偽であるかを判断する(ステップS27、S
28)。ここでは「ヒューズが切れている」という事象
ノードが真であると判断されたとする。
【0063】現在の中間事象ノードが真であれば、ステ
ップS23に戻り、「ヒューズが切れている」という事
象の原因となるノードが存在するかどうか知識ベース部
1の診断知識を検索する。
【0064】ここでは中間事象である「ヒューズが切れ
ている」というノードの原因となる事象ノードとして、
「主回路の部品が破損している」(ノード14)と「電
源装置にこげ、異臭がある」(ノード15)を見出すこ
とになる。そこで、以下、「主回路の部品が破損してい
る」(ノード14)についてステップS24〜S27の
処理を行い、続くステップS28の判断では偽であった
とする。
【0065】この場合、ステップS210に進み、ワー
キングメモリ3にスタックされている別の候補ノード、
「電源装置にこげ、異臭がある」(ノード15)を読出
して現在のノードとし、ステップS26以降の処理に戻
り、ステップS28で中間事象である「電源装置にこ
げ、異臭がある」の真偽を判断する。
【0066】この真偽の判断で真であると判断すれば、
再びステップS23に戻って「電源装置にこげ、異臭が
ある」の中間事象のノードの原因となるノードを知識ベ
ース部1において検索する。この場合、見出されるノー
ドは「電源装置内での短絡」(ノード19)であり、こ
れは根本故障原因となるノードである。
【0067】そこでステップS24ではYESに分岐
し、ステップS26でも故障原因であるのでYESに分
岐し、診断成功となって入出力装置6に「電源装置内で
の短絡」を故障原因とする表示を行わせることになる
(ステップS29)。
【0068】次に、問合せデータ生成処理について、同
じく図2に示す診断知識を例にして説明する。「緊急停
止」の故障に対して、診断データ格納部4にはすでに、
「高温」(ノード13)に対して、これを偽とする診断
データとして「高温ではない」というデータが登録され
ているものとする。しかしながら、「ヒューズが切れて
いる」(ノード12)、「主回路の部品が破損してい
る」(ノード14)、「電源装置にこげ、異臭がある」
(ノード15)に対してはこれらの真偽を明らかにする
診断データが登録されていないものとする。
【0069】このような場合、次のようにして問合せデ
ータの生成、そして故障診断が実行されることになる。
図4のフローチャートにおいて、「緊急停止」という故
障が発生し、その故障情報を入力すると、知識ベース部
1の診断知識を検索して「緊急停止」(ノード11)の
原因となるノードとして「ヒューズが切れている」(ノ
ード12)、「高温」(ノード13)が見出される(ス
テップS21〜S24)。
【0070】そこで、まず「高温」を現在ノードとし、
「ヒューズが切れている」のノード12はワーキングメ
モリ3にスタックすると(ステップS25)、「高温」
というノード13は最終故障原因ではないので、診断デ
ータ格納部4に該当する診断データを検索する(ステッ
プS26,S27)。
【0071】ここでは「高温でない」という診断データ
が格納されているので、ステップS28では偽と判断
し、ステップS210に進む。ステップS210ではワ
ーキングメモリ3のスタックに別の候補ノードが登録さ
れているか判断する。ここでは「ヒューズが切れてい
る」(ノード12)が登録されているので、続いてこの
「ヒューズが切れている」というノードを現在のノード
として取出してステップS26に戻る(ステップS21
2)。
【0072】ステップS26では故障原因ではないので
NOに分岐し、現在のノードである「ヒューズが切れて
いる」に対応する診断データが診断データ格納部4に登
録されているかどうか判断する(ステップS27)。こ
こでは、このノードは登録されていないと仮定したの
で、NOに分岐してステップS212に進み、データ収
集部7に診断データを要求する。
【0073】データ収集部7は診断データの要求を受け
ると、それまでに診断データの収集を行っていないの
で、問合せデータ生成部5に問合せ要求を渡し、問合せ
データ生成部5は図5に示したフローチャートに基づく
問合せリストの作成を開始する。問合せリストの作成処
理においては、「ヒューズが切れている」というノード
を現在のノードとして、問合せリストに登録し(ステッ
プS31,S32)、ワーキングメモリ3の候補ノード
のスタックを問合せ候補スタックにコピーする(ステッ
プS33)。この例ではこのような候補ノードはない。
【0074】続いて、現在のノードから先のノードを知
識ベース部1の診断木を参照して抽出し、「ヒューズが
切れている」という現在のノードの先のノードして、
「主回路の部品が破損している」(ノード14)と「電
源装置にこげ、異臭がある」(ノード15)を取出し、
問合せ候補スタックに登録する(ステップS34)。
【0075】続いて問合せ候補スタックが空ではないの
で(ステップS35)、問合せ候補スタックから1つの
ノード、ここでは現在のノードとなっている「ヒューズ
が切れている」というノードについて診断データ格納部
37に対応する診断データが登録されているかどうか判
断し(ステップS37)、登録されていないので問合せ
リストに登録し、問合せ候補スタックから別のノードを
取出し、同じようにして診断データ格納部4に登録され
ていなければ問合せリストに登録し、以下、同じ手順で
問合せ候補スタックが空になるまでか、リスト設定数に
達するまで問合せリストに診断データ格納部4に登録さ
れていない診断データのノードを登録していき(ステッ
プS35〜S39)、問合せリストが完成すれば、これ
をデータ収集部7に渡す(ステップS310)。ここで
は、問合せリストには、「ヒューズが切れている」とい
うノード12と、「主回路の部品が破損している」とい
うノード14と「電源装置にこげ、異臭がある」という
ノード15が登録されることになる。
【0076】データ収集部7では、問合せリストを受取
ると、図6に示すように入出力装置6に調査、確認を要
する問合せリストを一括して提示させる。オペレータは
この問合せリストを見て実際に調査、確認を行い、その
結果をここでは「YES」、「NO」で入力するように
している。こうして問合せリストに対する結果をオペレ
ータが入出力装置6から入力すると、データ収集部7は
回答データを診断データとして保持する。
【0077】ここで得られた診断データとしては、「ヒ
ューズが切れている」という問合せに対しては「YE
S」、「主回路の部品が破損している」という問合せに
対しては「NO」、「電源装置にこげ、異臭がある」と
いう問合せに対して「YES」という回答が与えられた
とする。
【0078】こうしてデータ収集部7が問合せリストに
よって一括して複数の問合せに対する回答を診断データ
として得た後は、図4のフローチャートにおけるステッ
プS212において現在のノードに対する診断データを
取出し、その真偽を判断することになる(ステップS2
12,S28)。ここでは、現在のノードが「ヒューズ
が切れている」というものであったので、データ収集部
7に収集された診断データから真と判断することにな
り、再び、ステップS23に戻る。
【0079】以後は上述の故障診断手順が繰返され、こ
こでは「ヒューズが切れている」というノードの原因ノ
ードとして「電源装置にこげ、異臭がある」というノー
ド15が決定され、さらにこれに対して最終的な故障原
因として「電源装置内での短絡」(ノード19)が割出
され、入出力装置6が出力することになる。
【0080】このようにしてこの実施の形態の故障診断
装置では、故障診断の途中の事象ノードで診断データ格
納部4に登録されていない診断データが必要になった場
合、問合せデータ生成部5で診断に必要となる診断デー
タに対応する問合せリストを一括して生成し、これに対
する回答をデータ収集部7で収集して診断データ格納部
4の診断データの不足を補うと共に、必要となる診断デ
ータの入力作業を可能な限り1回でまとめて行うことが
できるようにして診断処理の効率化、オペレータの負担
の軽減化が図れるようになる。
【0081】なお、上記の実施の形態ではデータ収集部
によって収集した診断データを自身で格納するようにし
たが、このデータ収集部が一括して収集した診断データ
を診断データ格納部に追加登録する方式にすることもで
きる。
【0082】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図7〜図11に基づいて説明する。この第2の実施
の形態の故障診断装置は、故障事象を入力することによ
って故障診断知識を利用して故障原因を導き出すと共
に、さらに故障事象から導き出された故障原因に至るま
でにたどった中間事象も含めて、それらに対する対処方
法をも推論することを特徴とするものである。
【0083】図7に示すように、この第2の実施の形態
の故障診断装置は、第1の実施の形態と同様の図2に示
すような診断知識を保持している知識ベース部1と、与
えられる故障情報から知識ベース部1の診断知識をたど
りながら故障原因を推論する推論エンジン2と、推論エ
ンジン2の診断途中の中間データを一時的に保持するワ
ーキングメモリ3と、診断知識をたどる途中に複数の分
岐があった場合にどの経路を選択するかを決定するため
の診断データを格納する診断データ格納部4を備えてい
る。
【0084】故障診断装置はまた、図8に示すような最
終的な故障原因や故障事象からその最終故障原因に至る
中間事象それぞれに対応して対処すべき方法が知識とし
て保存されている対処方法保持部8と、図2に示す故障
知識の各ノード番号と対処方法保持部8に保持されてい
る図8に示す対処方法知識8aの対処方法番号81との
対応関係を図9に示すようなテーブル9aにして保持し
ている原因対処関係保持部9と、推論エンジン2による
故障原因推論過程で経由した中間事象と最終原因とのそ
れぞれのノード番号に対応する対処方法番号を原因対処
関係保持部9のテーブル9aを参照して抽出し、さらに
対処方法保持部8に保持されている対処方法知識8aを
参照してそれらの対処方法番号から該当する対処方法を
抽出する対処方法検索部10を備えている。
【0085】次に、上記構成の第2の実施の形態の動作
について説明する。図10のフローチャートに示すよう
に、オペレータは入出力装置6を通じて発生した故障を
入力する(ステップS41)。この入力は第1の実施の
形態と同様に、グラフィカルインタフェース(GUI)
を用いて行うことができる。
【0086】故障事象が入力されると、推論エンジン2
は故障原因を究明するための故障診断処理を開始し、知
識ベース部1に保持されている診断知識を利用して、入
力された故障に対する原因を推論する(ステップS4
2)。この故障診断処理は第1の実施の形態と同じく、
図4に示したフローチャートに従って行い、推論途中で
発生する中間事象のデータは適宜、ワーキングメモリ3
に格納し、中間ノードにおいていずれのリンクに分岐す
るかの判断に必要な診断データは診断データ格納部4に
登録されている診断データを利用するが、必要に応じて
入出力装置6のディスプレイに表示してオペレータに問
い合わせも行い、その応答入力に応じてさらに推論を進
めることもある。
【0087】最終的な故障原因に到達するならば診断成
功となり、最終的な故障原因が見出せない場合には診断
処理を中止し、その旨を入出力装置6のディスプレイに
表示する(ステップS43)。
【0088】故障診断が成功すれば、故障原因を入出力
装置6のディスプレイに表示する(ステップS44)。
これと共に推論エンジン2は故障原因が得られたならば
診断結果を対照方法検索部10に渡し、対処方法検索部
10はこの診断結果に対して原因対処関係保持部9に保
持されている原因対処関係テーブル9aを参照して、故
障原因及びこれに連なる原因となった中間事象それぞれ
に対する対処方法番号を抽出し、さらに対処方法保持部
8から対応する対処方法を検索する(ステップS4
5)。
【0089】この検索によって対処方法が見出されれば
(ステップS46)、その対処方法(処置方法)を入出
力装置6に出力してディスプレイに表示させ、さらに必
要があればプリント出力することによってオペレータに
提示する(ステップS47)。
【0090】ここでステップS45に対処方法検索処理
の詳細を図8、図9及び図11のフローチャートに基づ
いて説明する。図8に示すように、対処方法保持部8に
登録されている対処方法知識データは、対処方法番号8
1とそれに対応する事象を簡単に説明するタイトル82
と対処方法の情報83とで構成され、この対処方法知識
データが対象方法保持部8に多数登録されている。
【0091】また図9に示すように、原因対処関係保持
部9に登録されている原因対処関係テーブル9aは、故
障診断知識の各ノード番号と各ノード番号に対応する対
処方法番号との対照テーブルである。そして各ノード番
号は図2に示した故障診断知識の中間事象及び最終原因
事象に付された番号であり、対処方法番号は図8に示し
た対処方法知識データ8aの各対処方法番号である。例
えば、原因対処関係テーブル9aにおいてノード番号1
2と対処方法番号51とが対照されているが、これは図
2におけるノード番号12の事象、「ヒューズが切れて
いる」という中間事象とこれに対処するための対処方法
番号51の対処方法、つまり「ヒューズ切れ」の対処方
法が関係づけられていることを示している。
【0092】そこで対処方法検索処理を示す図11のフ
ローチャートにおいて、まず故障診断結果で得られた最
終故障原因が入力されると(ステップS51)、その原
因を現在のノードにセットし(ステップS52)、原因
対処関係テーブル9aを参照して現在の故障事象ノード
に対応する対処方法番号を割り出し、その対処方法番号
が登録されていればその番号から、次に対処方法保持部
8の対処方法知識8aにアクセスして該当する対処方法
番号に登録されている対処方法情報を読出し、これを入
出力装置6に出力してディスプレイに表示させる(ステ
ップS53〜S55)。対処方法が登録されていない場
合には対処方法なしとしてステップS56に進む(ステ
ップS54)。
【0093】ステップS56では、現在の故障原因ノー
ド、若しくは中間事象ノードの親ノードを探し、それが
あればその親ノードを新たに現在のノードにセットし、
これがルートノード(図2におけるノード11)でなけ
れば、新たにセットされたノードについて、その対処方
法を検索する(ステップS57,S53〜S55)。以
上のステップS53〜ステップS56の処理はルートノ
ードに戻るまで繰り返す。
【0094】こうして対処方法の検索が最終故障原因か
らそれに連なる中間事象を経由してルートノードにまで
遡り、その間に得られた対処方法をオペレータに提示す
ることができるようになる。
【0095】以上の対処方法の検索について具体的に説
明すると、次のようになる。いま図2に示した知識デー
タにおいて、ルートノード11の緊急停止が発生し、こ
れに対して故障診断をした結果、最終故障原因としてノ
ード18の「負荷の急変」が抽出されたとする。
【0096】この場合、対処方法検索では、まず「負荷
の急変」に対応するノード番号18に対して、原因対処
関係テーブル9aを参照して対処方法番号53が抽出さ
れる。そしてこの対処方法番号53に対応する対処方法
を対処方法保持部8の対処方法知識データ8aを検索
し、タイトル「負荷の急変」となっている対処方法の内
容を読出し、これを入出力装置6に表示する。
【0097】そしてこの最終故障原因のノード18に対
しては、その親ノード14が存在するので、次にこのノ
ード14に対する対処方法を検索し、ノード14の「主
回路の部品が破損している」という中間事象に対して、
対処方法の情報として対処方法番号52「主回路部品破
損」に登録されている対処方法の内容を読み出して入出
力装置6に再度、表示させる。
【0098】そしてこのノード14に関してはさらに親
ノード12が存在し、この「ヒューズが切れている」と
いう中間事象のノード12に対して、その対処方法とし
て対処方法番号51「ヒューズ切れ」の対処方法の内容
を読み出して入出力装置6にそれまでに検索された対処
方法と共に表示してオペレータに提示する。
【0099】このノード12の親ノードはルートノード
である「緊急停止」のノード11であるので、以上で対
処方法検索処理を終了することになる。
【0100】この結果、オペレータは入出力装置6に表
示される最終故障原因の情報や、それと共に対処方法の
情報を読み取ることができ、速やかに必要な作業に取り
かかることができるようになる。またプリントアウトす
ればドキュメントとして手に持って必要な場所に移動
し、部品の調達や現場での交換作業で参考にすることが
できるようになる。
【0101】次に、本発明の第3の実施の形態を図12
〜図17に基づいて説明する。この第3の実施の形態の
特徴は、知識ベース1に登録されている診断知識が増
減、変更され、また対処方法知識が増減、変更されたた
めにノード番号と対処方法番号との対照テーブル9aに
不整合が発生した時に診断知識のノード番号と対処方法
番号との原因対処関係テーブル9aのデータを自動的に
修復、変更するための原因対処関係管理部101を新た
に設けた点にあり、その他の構成は図7に示した第2の
実施の形態と共通する。
【0102】この第3の実施の形態の動作について、説
明する。いま、知識ベース部1に登録されている木構造
の診断知識が、図2に示したものから図13に示したも
のに変更されたとする。この変更では、図2に示したよ
うに、当初の診断知識では、ルートノード11である
「緊急停止」という故障に対して、中間ノード13に
「高温」という中間事象が上げられていて、この「高
温」という中間ノード13を親ノードとする最終原因の
ノード112が上げられていたのを、このノード112
を削除し、代わりに図13に示したように、中間ノード
13の「高温」という中間事象に対して、これを親ノー
ドとしてリンク212で結ばれた別の中間ノード113
「異臭がする」を加え、この中間ノード113を親ノー
ドとする最終故障原因ノード114として「清掃不足」
を加えている。
【0103】また対処方法知識8aの変更は、図8に示
したものから図14に示したものに変更され、対処方法
番号59「潤滑油少」が削除され、また中間事象のノー
ド113に対応する対処方法として対処方法番号512
「異臭」が追加されたとする。
【0104】このような変更が発生した場合、図9に示
した当初の原因対処関係テーブル9aでは、ノード11
2が削除されたためにこのノード番号と対応させていた
対処方法番号511「冷却装置故障」が宙に浮く形にな
るので削除し、また新たに挿入されたノード番号113
「異臭がする」、ノード番号114「清掃不足」に対応
する対処方法に付けられた対処方法番号との関係付けが
新たに必要となる。
【0105】そのために原因対処関係管理部101は、
図15のフローチャートに示すように最初に、対処方法
保持部8に保持されている図14に示す新たな対処方法
が組み込まれた対処方法知識データ8aの対処方法番号
を対処方法候補集合に入れる(ステップS101)。対
処方法候補集合は、次のようになる。
【0106】{51,52,53,54,55,56,
57,58,510,511,512} 次に、対処方法知識データ8aに登録されていない(つ
まり、削除された)対処方法番号を持つ原因対処関係を
消去する(ステップS102)。ここでは、対処方法番
号59「潤滑油少」が削除されているので、図9のテー
ブル9aからノード番号17−対処方法番号59の原因
対処関係が削除される。
【0107】次に診断知識にない(つまり、削除され
た)ノード番号を原因対処関係テーブル9aから削除す
る(ステップS103)。図13の診断知識では、図2
の診断知識からノード112が削除されたので、図9の
テーブル9aからノード番号112−対処方法番号51
1が削除される。
【0108】続いて、原因対処関係にある対処方法番号
を対処方法候補集合から除く(ステップS104)。こ
の処理を行った後には、対処方法候補集合は、次の2つ
になる。つまり、テーブル9aから削除された原因対処
関係にあるノード番号112が削除された対処方法番号
511と、変更によって追加され、まだ原因対処関係付
けがなされていない対処方法番号512だけが残るので
ある。
【0109】{511,512} 次に、図13の診断知識にあり、原因対処関係付けのな
されていないノード番号を未対処ノード集合に入れる
(ステップS105)。ここでは、新たに追加されたノ
ード番号113及びノード番号114と、原因対処関係
テーブル9aから削除されたノード番号17が抽出さ
れ、未対処ノード集合は次のようになる。
【0110】{17,113,114} 次に、対処方法候補集合の要素(対処方法番号)と未対
処ノード集合の要素(ノード番号)との関係付けを行う
(ステップS106)。この対応付けには入出力装置6
を利用してオペレータからの介入を可能とし、例えば、
入出力装置6のディスプレイに未対処ノード集合の要
素、対処方法候補の要素それぞれを並列に表示させてオ
ペレータに提示し、オペレータはそれらの間で原因対処
関係が結べるものがあればその関係付けを行うように指
示に与えることによって原因対処関係テーブル9aに登
録されることになる。また原因対処関係が結べない未対
処ノードが残れば、それに対応する対処方法を対処方法
知識としてオペレータが入出力装置6に入力することに
より、対処方法保持部8に登録し、また原因対処関係保
持部9のテーブル9aにノード番号と対処方法番号とが
関係付けて登録されることになる。
【0111】いまの例では、未対処ノード集合に入れら
れているノード番号113「異臭がする」のノードに対
しては対処方法候補集合の対処方法番号512「異臭」
を関係付けることができるが、ノード番号17「潤滑油
量が少ない」とノード番号114「清掃不足」には関係
付けるべき対処方法が存在しないとすれば、原因対処関
係管理部101は入出力装置6に表示するこつによって
オペレータに対して、これらのノード番号17「潤滑油
量が少ない」、ノード番号114「清掃不足」について
必要な対処方法を入力するように促すことになる。
【0112】これに対してオペレータが入出力装置6を
通じて、図16に示すように対処方法番号513「潤滑
油少」と対処方法番号514「清掃不足」との対処方法
データを入力すればこれが対処方法保持部8に登録さ
れ、また原因対処関係管理部101がこれらをノード番
号17「潤滑油量が少ない」とノード番号114「清掃
不足」とにそれぞれ関係付け、最終的に図17に示すよ
うな原因対処関係テーブル9aを作成することになる。
なお、対処方法番号511「冷却装置故障」の対処方法
はそれに対応する故障診断知識側のノード番号112が
削除されたので原因対処関係付けができないまま残るこ
とになるが、これを後の必要のためにそのまま残してお
くことができる。また入出力装置6に「関係付けされた
故障ノード番号がないので削除しますか」といった問合
せを表示させ、オペレータが削除指令を与えれば削除
し、残しておく指示を与えればそのままにしておくよう
にすることもできる。
【0113】次に、本発明の第4の実施の形態を図18
に基づいて説明する。この第4の実施の形態の特徴は、
図7に示した第2の実施の形態の故障診断装置に対し
て、さらにデータ伝送機能を付与し、伝送路102に対
して伝送管理部103を介して接続し、伝送路102で
結ばれた遠隔の端末装置104に対して故障原因と対処
方法を伝送し、端末装置104に接続されている入出力
装置105に表示できるようにした点にある。
【0114】この第4の実施の形態では、第2の実施の
形態と同じように推論エンジン2が知識ベース部1に保
存されている図2に示した診断知識を利用して故障診断
を実行し、さらに得られた故障原因に対して対処方法検
索部10によって原因対処関係保持部9及び対処方法保
持部8を検索して最終故障原因に対する対処方法と共
に、それに至る中間事象それぞれに対する対処方法を導
き出す。
【0115】そして得られた故障原因については入出力
装置6のディスプレイに表示してオペレータに提示する
ことができ、また端末装置104から伝送路102を介
して故障原因送信要求を受ければ、伝送管理部103が
その要求を受け付けて推論エンジン2の故障診断結果を
送信し、端末装置104側の入出力装置105に表示さ
せる。
【0116】また端末装置104を操作しているオペレ
ータが入出力装置105を通じてさらに対処方法の検索
結果を送信するように要求すれば、伝送管理部103は
対処方法検索部10から対処方法の検索結果を取出して
端末装置104に伝送路102を通じて送信し、入出力
装置105に表示させる。
【0117】故障診断や対処方法の情報はこのような故
障診断装置が設置されているコンピュータ室や中央制御
室よりも実際に現場で点検、修理に携わっている技術者
にとって必要なものであるが、このシステムによれば、
伝送路102を通じて送信すれば部品倉庫や機器設置現
場で伝送路102に携帯型コンピュータやハンディター
ミナルのような簡易な端末装置を接続し、その入出力装
置のディスプレイに故障診断結果や対処方法を表示させ
て確認することができるようになり、保守作業が迅速に
行えるようになる。
【0118】次に、本発明の第5の実施の形態について
図19及び図20に基づいて説明する。この第5の実施
の形態は、図7、図12、図18それぞれに示した故障
診断装置における故障診断のための推論エンジン2と対
処方法検索部10とが相互に連携して故障診断のための
推論と対処方法の検索を逐次実行することを特徴とし、
図19に示すフローチャートに従い、推論エンジン2が
実行する故障診断の各ステップで真となる中間ノードが
あればその中間事象に対処する対処方法を対処方法検索
部10が検索して抽出して入出力装置6に表示させ、オ
ペレータに提示する。
【0119】すなわち、図4のフローチャートに示した
のと同様の処理に従って推論エンジン2が故障診断を実
行してステップS28に来れば、ここで現在のノードの
事象が成立しているかどうか(真又は偽)を判断し、真
であると判断した時には、次に発生している事象に対し
て対処方法検索部10がその事象のノード番号をもとに
して対処方法を検索するのである(ステップS28
a)。
【0120】この場合の対処方法検索は、図20のフロ
ーチャートに示すように簡易なものとなり、推論エンジ
ン2から対処方法検索部10が現在の事象のノード番号
を与えられると(ステップS91)、対処関係保持部9
のテーブル9aを参照して対応する対処方法番号を見出
し、その対処方法番号の対処方法内容を対処方法保持部
8から抽出して入出力装置6に出力してそのディスプレ
イに表示させ、現在の推論段階の事象とその対処方法を
オペレータに提示するのである(ステップS92〜S9
4)。なお、現在の事象のノード番号に対応する対処方
法番号が見出せない場合には、今回の対処方法検索につ
いては対処方法が見出せない旨の表示を入出力装置6に
行わせることになる(ステップS93)。
【0121】こうして1つの事象に対して対処方法検索
が完了すれば、推論エンジン2に返して続くステップS
23からの処理を再開することになる。
【0122】なお、推論エンジン2によって真と判断さ
れた推論途上の各中間事象と、対処方法検索部10によ
って見出された各対処方法とはワーキングメモリ3に保
存しておくことにより、最終原因まで推論し、その対処
方法を見出した時に、それまでの推論経過と、それぞれ
の中間事象と最終故障原因とに対処する方法を再度、一
括して入出力装置6のディスプレイに表示してオペレー
タに提示することができるようになる。
【0123】次に、本発明の第6の実施の形態につい
て、図21及び図22に基づいて説明する。この第6の
実施の形態は対処方法検索部の検索機能に特徴を有して
いる。装置自体の機能構成は図7、図12、図18それ
ぞれに示したいずれの故障診断装置にも適用することが
でき、それらにおける対処方法検索部10が図21、図
22のフローチャートに示す検索処理を実行する。
【0124】すなわち、推論エンジン2が図4に示した
フローチャートに示すステップS28までの故障診断処
理を実行してきて、現在のノードの事象が診断データに
基づいて真であると判断すれば、このノード番号をワー
キングメモリ3に保存する。そしてこの推論経路で真と
判定されたすべてのノード番号を最終原因に到達するま
で順次ワーキングメモリ3に保存しておく(ステップS
28b)。
【0125】そして推論エンジン2で故障診断が完了す
れば、検索方法検索部10がワーキングメモリ3に保存
されている推論経路上で真とされたノード番号を順次読
出し(ステップS111〜S112)、読み出したノー
ド番号について、対処関係保持部9のテーブル9aを参
照して対応する対処方法番号を見出し、その対処方法番
号の対処方法内容を対処方法保持部8から抽出して入出
力装置6に出力してそのディスプレイに表示させ、現在
の推論段階の事象とその対処方法をオペレータに提示す
るのである(ステップS113〜S115)。なお、現
在の事象のノード番号に対応する対処方法番号が見出せ
ない場合には、今回の対処方法検索については対処方法
が見出せない旨の表示を入出力装置6に行わせることに
なる(ステップS113)。
【0126】こうしてワーキングメモリ3に保存されて
いるすべてのノード番号について対処方法の検索を完了
すれば、この対処方法検索を終了することになる(ステ
ップS111)。
【0127】なおこの第6の実施の形態の場合にも、推
論エンジン2によって真と判断された推論途上の各中間
事象と、対処方法検索部10によって見出された各対処
方法とをすべてワーキングメモリ3に保存しておくこと
により、対処方法検索が完了した時に、それぞれの中間
事象と最終故障原因とに対処する方法を再度、一括して
入出力装置6のディスプレイに表示してオペレータに提
示することができるようになる。
【0128】この第6の実施の形態によれば、第2の実
施の形態のように対処方法検索部10において推論エン
ジン2が究明した最終故障原因のノード番号を対処方法
検索の第1段階として、順次、知識ベース部1の診断知
識を参照して自分で親ノードを見出し、それに対処する
ための対処方法を検索する代わりに、対処方法検索部1
0がワーキングメモリ3に登録されている推論経路上の
各ノード番号を取出してそれに対応する対処方法を検索
する方法をとることになる。
【0129】
【発明の効果】以上のように請求項1〜請求項3の発明
によれば、推論エンジンが故障診断のために推論を進め
て行く推論経路上で診断データが不足しているためにそ
れ以上の推論ができなくなった時には、推論が停止した
故障事象又は中間事象を故障診断の出発点として、さら
に推論を進めて行く場合にいずれの分岐に進むかの判断
のために必要となる診断データを先読みして抽出し、必
要となる診断データのうち診断データ格納部に格納され
ていない診断データについては問合せデータとしてまと
めてマンマシンインタフェースに出力するようにしたの
で、マンマシンインタフェースにまとめて出力される複
数の問合せデータを見てオペレータが現場などに出向
き、集中的に複数の問合せデータについて確認、調査し
て回答することでき、オペレータが現場などに足を運ぶ
頻度を少なくしてその負担を軽減すると共に、故障診断
結果を得るのにかかる時間も削減することができ、加え
て診断データの追加ができるために故障診断も正確に行
えるようになる。
【0130】請求項4の発明によれば、推論エンジンが
知識ベース部の診断知識を利用して故障原因を推論する
時に、推論が完了すれば、あるいは推論途上で適宜に、
推論経路上の中間事象と故障原因とに対応する故障対処
方法情報を検索してマンマシンインタフェースに出力す
るようにしたので、オペレータはこの故障診断装置に故
障事象を入力して推論動作を行わせるだけで、故障原因
とそれに対処する方法を得ることができ、故障に対する
対応を迅速に行える。
【0131】請求項5の発明によれば、故障原因や多数
の中間事象とそれらに対応する対処方法情報の対処方法
保持部における保存場所との関係付けを示す原因対処関
係データを原因対処関係保持部に保持させておき、推論
エンジンが故障診断を完了した時に、あるいは推論途上
で適宜に故障対処方法を得る必要があれば、原因対処関
係保持部に保存されている原因対処関係データを参照し
て推論経路上の中間事象と故障原因とに対応する故障対
処方法が対処方法情報保持部のどこに保存されているか
を特定し、その該当する場所から故障対処方法情報を抽
出するようにしたので、診断知識、対処方法知識それぞ
れを独立して故障診断知識ベース部と対処方法保持部と
に登録し、それらの間の関係付けは原因対処関係保持部
において手当すればよいので、これらの診断知識と対処
方法情報を漸進的に拡充することができる。
【0132】請求項6の発明によれば、請求項5の故障
診断装置において診断知識に変更があったり、対処方法
情報に変更があった場合、原因対処関係情報管理部が原
因対処関係保持部に保持されている原因対処関係情報を
修正するようにしたので、常に、故障原因及び中間事象
とそれらに対処するために必要な対処方法情報との関係
付けを最新にものに維持し、正しく適切な故障対処方法
を提示することができる。
【0133】請求項7の発明によれば、故障診断結果と
故障対処方法の情報を伝送路を介して現場や部品倉庫の
ような実際に作業を必要とする場所に伝送し、そこで技
術者が端末を通してそれらの情報を得て作業を行うこと
ができ、保守作業の効率が改善できる。
【0134】請求項8の発明によれば、推論エンジンが
最終故障原因まで推論を完了した後に、対処方法検索部
が知識ベース部の診断知識を参照して故障原因から順次
診断知識を親ノード側に遡って故障原因及び各中間事象
に対応する対処方法を検索する。
【0135】請求項9の発明によれば、推論エンジンの
推論経路上の各中間事象及び最終故障原因をワーキング
メモリに保存し、対処方法検索部がワーキングメモリに
保存されている中間事象及び最終故障原因それぞれにつ
いて対処方法を検索する。
【0136】請求項10の発明によれば、推論エンジン
が1ノード推論を進めるたびに、対処方法検索部がその
中間事象又は最終故障原因に対応する対処方法を検索し
て出力する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の機能ブロック図。
【図2】上記の実施の形態において知識ベース部に登録
されている診断知識の木構造を示す説明図。
【図3】上記の実施の形態において推論エンジンが実行
する故障診断処理のメインルーチンのフローチャート。
【図4】上記の実施の形態において推論エンジンが実行
する故障診断の推論処理のフローチャート。
【図5】上記の実施の形態において問合せデータ生成部
が実行する問合せリスト生成処理のフローチャート。
【図6】上記の実施の形態においてデータ収集部が入出
力装置に提示させる問合せリストの説明図。
【図7】本発明の第2の実施の形態の機能ブロック図。
【図8】上記の実施の形態における対処方法保持部の対
処方法データの構造を示す説明図。
【図9】上記の実施の形態における原因対処関係保持部
の原因対処関係テーブルを示す説明図。
【図10】上記の実施の形態における推論エンジンによ
る故障診断処理のフローチャート。
【図11】上記の実施の形態における対処方法検索部の
対処方法検索処理のフローチャート。
【図12】本発明の第3の実施の形態の機能ブロック
図。
【図13】上記の実施の形態における知識ベース部に登
録されている診断知識の木構造を示す説明図。
【図14】上記の実施の形態における対処方法保持部に
登録されている対処方法データの変更途上の構造を示す
説明図。
【図15】上記の実施の形態における原因対処関係管理
部による原因対処関係テーブルの修正処理のフローチャ
ート。
【図16】上記の実施の形態における対処方法保持部に
登録されている対処方法データの変更後の最終形態の構
造を示す説明図。
【図17】上記の実施の形態における原因対処関係保持
部に登録されている原因対処関係テーブルの修正過程を
示す説明図。
【図18】本発明の第4の実施の形態の機能ブロック
図。
【図19】本発明の第5の実施の形態における推論エン
ジンによる故障診断処理のフローチャート。
【図20】上記の実施の形態における対処方法検索部の
対処方法検索処理のフローチャート。
【図21】本発明の第6の実施の形態における推論エン
ジンによる故障診断処理のフローチャート。
【図22】上記の実施の形態における対処方法検索部の
対処方法検索処理のフローチャート。
【符号の説明】
1 知識ベース部 2 推論エンジン 3 ワーキングメモリ 4 診断データ格納部 5 問合せデータ生成部 6 入出力装置 7 データ収集部 8 対処方法保持部 8a 対処方法データ 9 原因対処関係保持部 9a 原因対処関係テーブル 10 対処方法検索部 101 原因対処関係管理部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G08B 31/00 G08B 31/00 A

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機器の種々の故障事象とその故障原因の
    因果関係を中間事象も含めて診断知識として保持する知
    識ベース部と、 前記診断知識をたどる途中で1つの前記中間事象から複
    数の分岐があった場合に、どの経路を選択するかを決定
    するための診断データを格納する診断データ格納部と、 与えられた故障事象に対して、前記知識ベース部に保持
    されている診断知識をたどりながら故障原因を推論し、
    かつ前記診断知識をたどる途中で前記1つの中間事象か
    ら複数の分岐があった場合にどの経路を選択するかを決
    定するための診断データを前記診断データ格納部から獲
    得する推論エンジンと、 前記故障事象又は1つの前記中間事象に対して、当該故
    障事象又は中間事象を故障診断の出発点として前記知識
    ベース部の診断知識を先読みして故障診断に必要となる
    診断データをあらかじめ確認し、当該故障診断に必要と
    なる診断データのうち、前記診断データ格納部に格納さ
    れていない診断データを問合せデータとしてまとめる問
    合せデータ生成部と、 前記問合せデータ生成部が作成した問合せデータを出力
    するマンマシンインタフェースとを備えて成る故障診断
    装置。
  2. 【請求項2】 前記問合せデータ生成部が生成した問合
    せデータをマンマシンインタフェースに出力し、それら
    の問合せデータに対してマンマシンインタフェースから
    入力される回答を診断データとして前記診断データ格納
    部に追加格納する診断データ収集部を備えて成る請求項
    1記載の故障診断装置。
  3. 【請求項3】 前記問合せデータ生成部が生成した問合
    せデータをマンマシンインタフェースに出力し、それら
    の問合せデータに対してマンマシンインタフェースから
    入力される回答を診断データとして自身に格納する診断
    データ収集部を備えて成る請求項1記載の故障診断装
    置。
  4. 【請求項4】 機器の種々の故障とその故障原因の因果
    関係を中間事象も含めて診断知識として保持する知識ベ
    ース部と、 与えられる故障事象に対して、前記知識ベース部に保持
    されている前記故障診断知識を利用して故障原因を推論
    する推論エンジンと、 前記推論エンジンが実行した前記故障事象から前記故障
    原因に至る推論経路上の中間事象と前記故障原因とを保
    存するワーキングメモリと、 前記知識ベース部に保持されている診断知識の故障原因
    及び中間事象それぞれに対応する故障対処方法情報を保
    持する対処方法情報保持部と、 前記対処方法情報保持部を検索して前記ワーキングメモ
    リに保存されている前記推論経路上の中間事象と前記故
    障原因とに対応する故障対処方法情報を抽出する対処方
    法検索部と、 前記推論エンジンによる故障原因の推論結果及び前記対
    処方法検索部の検索結果を出力するマンマシンインタフ
    ェースとを備えて成る故障診断装置。
  5. 【請求項5】 機器の種々の故障とその故障原因の因果
    関係を中間事象も含めて診断知識としてを保持する知識
    ベース部と、 与えられる故障事象に対して、前記知識ベース部に保持
    されている前記故障診断知識を利用して故障原因を推論
    する推論エンジンと、 前記推論エンジンが実行した前記故障事象から前記故障
    原因に至る推論経路上の中間事象と前記故障原因とを保
    存するワーキングメモリと、 各種の故障対処方法情報を保持する対処方法情報保持部
    と、 前記知識ベース部に保持されている前記故障原因及び中
    間事象と前記対処方法情報保持部に保持されている前記
    故障対処方法情報との原因対処関係情報を保持する原因
    対処関係保持部と、 前記原因対処関係保持部の原因対処関係情報を検索し
    て、前記推論エンジンが推論した故障原因及び前記ワー
    キングメモリに保存されている前記推論経路上の中間事
    象それぞれに対応する故障対処方法情報を特定し、前記
    対処方法情報保持部から該当する故障対処方法情報それ
    ぞれを抽出する対処方法検索部と、 前記推論エンジンによる故障原因の推論結果及び前記対
    処方法検索部の検索結果を出力するマンマシンインタフ
    ェースとを備えて成る故障診断装置。
  6. 【請求項6】 前記知識ベース部に保持されている診断
    知識又は前記対処方法情報保持部に保持されている故障
    対処方法情報に変更が生じた時に、前記原因対処関係保
    持部に保持されている原因対処関係情報を修正する原因
    対処関係情報管理部を備えて成る請求項5記載の故障診
    断装置。
  7. 【請求項7】 伝送路を通じて遠隔の端末装置に前記推
    論結果及び対処方法検索結果を送信する伝送管理部を備
    えて成る請求項4〜6のいずれか記載の故障診断装置。
  8. 【請求項8】 前記対処方法検索部が、前記推論エンジ
    ンが最終故障原因まで推論を完了した後に、前記知識ベ
    ース部の診断知識を参照して、前記故障原因から順次診
    断知識を親ノード側に遡って故障原因及び各中間事象に
    対応する対処方法を検索することを特徴とする請求項4
    〜7のいずれか記載の故障診断装置。
  9. 【請求項9】 前記推論エンジンの推論経路上の各中間
    事象及び最終故障原因を前記ワーキングメモリに保存
    し、前記対処方法検索部が、前記ワーキングメモリに保
    存されている前記中間事象及び最終故障原因それぞれに
    ついて対処方法を検索することを特徴とする請求項4〜
    7のいずれか記載の故障診断装置。
  10. 【請求項10】 前記対処方法検索部が、前記推論エン
    ジンが1ノード推論を進めるたびに、その中間事象又は
    最終故障原因に対応する対処方法を検索して出力するこ
    とを特徴とする請求項4〜7のいずれか記載の故障診断
    装置。
JP17003396A 1996-02-07 1996-06-28 故障診断装置 Pending JPH09274568A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17003396A JPH09274568A (ja) 1996-02-07 1996-06-28 故障診断装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2138796 1996-02-07
JP8-21387 1996-02-07
JP17003396A JPH09274568A (ja) 1996-02-07 1996-06-28 故障診断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09274568A true JPH09274568A (ja) 1997-10-21

Family

ID=26358438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17003396A Pending JPH09274568A (ja) 1996-02-07 1996-06-28 故障診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09274568A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007257285A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Omron Corp 要因推定装置、要因推定方法、プログラムおよびコンピュータ読取可能記録媒体
JP2007334694A (ja) * 2006-06-15 2007-12-27 Omron Corp 要因推定装置、要因推定プログラム、要因推定プログラムを記録した記録媒体、および要因推定方法
WO2018083756A1 (ja) * 2016-11-02 2018-05-11 日本郵船株式会社 船舶における異常な事象の発生防止のための装置、プログラム、および記録媒体
CN111474870A (zh) * 2019-01-23 2020-07-31 庄瑛 一种基于机器学习的故障诊断、检测系统
CN113467408A (zh) * 2020-03-30 2021-10-01 湖州职业技术学院 一种基于智能系统的液压机故障诊断装置及方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007257285A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Omron Corp 要因推定装置、要因推定方法、プログラムおよびコンピュータ読取可能記録媒体
JP2007334694A (ja) * 2006-06-15 2007-12-27 Omron Corp 要因推定装置、要因推定プログラム、要因推定プログラムを記録した記録媒体、および要因推定方法
WO2018083756A1 (ja) * 2016-11-02 2018-05-11 日本郵船株式会社 船舶における異常な事象の発生防止のための装置、プログラム、および記録媒体
JPWO2018083756A1 (ja) * 2016-11-02 2018-11-01 日本郵船株式会社 船舶における異常な事象の発生防止のための装置、プログラム、および記録媒体
CN111474870A (zh) * 2019-01-23 2020-07-31 庄瑛 一种基于机器学习的故障诊断、检测系统
CN113467408A (zh) * 2020-03-30 2021-10-01 湖州职业技术学院 一种基于智能系统的液压机故障诊断装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2016039219A1 (ja) 異常検知手順開発装置および異常検知手順開発方法
JP6951101B2 (ja) 情報処理装置、制御装置、情報処理装置の制御方法、制御プログラム、および記録媒体
JPH03213891A (ja) フォールト・トリー表示方法、フォールト・トリー表示装置およびプロセス診断支援システム
KR100354786B1 (ko) 네트워크를 이용한 공조 및 냉동/냉장 설비의통합관리시스템 및 그 제어방법
CN112836972A (zh) 一种it设备故障缺陷处理系统及故障缺陷处理方法
JPH09274568A (ja) 故障診断装置
JPH08221295A (ja) 障害支援装置
JPH06309584A (ja) プラント運転支援装置
JP2003216923A (ja) 故障診断装置
CN112529217A (zh) 电力设备信息查询方法、系统、装置、设备及存储介质
JPH0728781A (ja) 故障修理支援システム
JP5951726B2 (ja) プラント管理支援システム
JP2556814B2 (ja) 知識ベースの構築方法および知識ベースによる故障診断方法
JP2022034392A (ja) 故障診断装置、故障診断方法、および学習済みモデル
Bouhalouan et al. Knowledge-Intensive Decision Support System for Manufacturing Equipment Maintenance.
JPH11344589A (ja) プラント診断システム
JPH06309172A (ja) 知識ベース装置および知識ベース構築方法
JP3145526B2 (ja) 知識獲得装置およびそれを用いた診断型エキスパートシステム
JP3455276B2 (ja) 故障診断装置
JP2018160178A (ja) プラント操作監視装置およびプラント操作監視方法
JP2516265B2 (ja) 故障に対する分解点検計画のためのエキスパ―トシステム
JP2001075970A (ja) 遠方監視制御装置の診断装置及び記録媒体
JP3137722B2 (ja) 故障診断システム
CN113342329A (zh) 一种多语言融合建模系统
JPH11345237A (ja) 情報提示方法及び装置、情報提示システム、記録媒体