JP2556814B2 - 知識ベースの構築方法および知識ベースによる故障診断方法 - Google Patents

知識ベースの構築方法および知識ベースによる故障診断方法

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JP2556814B2
JP2556814B2 JP5230778A JP23077893A JP2556814B2 JP 2556814 B2 JP2556814 B2 JP 2556814B2 JP 5230778 A JP5230778 A JP 5230778A JP 23077893 A JP23077893 A JP 23077893A JP 2556814 B2 JP2556814 B2 JP 2556814B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラントの故障診断を
行うのに好適な知識ベースを、故障原因および故障結果
となる事象を階層化することよって構成されたフォール
ト・トリーに基づいて構築する方法および該知識ベース
に基づいて故障の診断を行う方法に係る。
【0002】本発明は、特に、前記フォールト・トリー
を構成するトリー群が該フォールト・トリー内において
重複する場合には、該トリー群を分離して共通化し、前
記フォールト・トリーを該分離して共通化されたトリー
群(以下、重複トリー群と略する)と、それ以外のトリ
ー群(以下、原フォールト・トリー群と略する)とで階
層化(以下、分離/階層化と略する)し、該分離/階層
化されたフォールト・トリーに基づいて知識ベースを構
築する方法および該知識ベースに基づいて故障の診断を
行う方法に関する。
【0003】
【従来の技術】従来のプラントの故障診断を行うフォー
ルト・トリーでは、特開昭62−75720号公報に示
されるように、故障原因を表す事象と故障結果を表す事
象とによって構成される階層構造は一体化されており、
その中に重複する断片知識が存在する場合でも、該重複
する断片知識は共通化されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術で
は、フォールト・トリー内に重複するトリー群が存在す
る場合でも、それぞれの重複トリー群は分離/階層化さ
れていないため、フォールト・トリーが大規模になるに
したがって以下のような問題が発生する。 1.知識ベースが2次元空間に自由に拡張してゆくた
め、大規模になるに従って理解しにくいものになる。 2.重複トリー群を別々に記憶するために、ハードウェ
アとしての記憶装置の使用効率が低下し、装置が大型化
する。 3.重複トリー群を別々に推論するために、同一の推論
結果を得るにも多くの推論処理が必要となり、推論速度
が低下する。
【0005】また、フォールト・トリーの構築システム
に関しては、パーソナルコンピュータを利用した知識構
築ツールが最近開発されているが、処理速度をあまり問
題としないオフ・ライン的なフォールト・トリーを構築
するにとどまっている。
【0006】本発明の目的は、前記の問題点を解決し、
大規模のフォールト・トリーを簡単に構築することがで
き、かつ高速推論が可能な知識ベースを構築する方法お
よび該知識ベースに基づいて故障の診断を行う方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために、本発明は、フォールト・トリーに基づいて知識
ベースを構築する知識ベース構築システムにおいて、複
数の事象によって構成されるトリー群がフォールト・ト
リー内に重複して存在する場合には、該重複トリー群を
前記フォールト・トリーから分離することによって、前
記フォールト・トリーを重複トリー群と原フォールト・
トリー群とに分離/階層化し、該分離/階層化されたフ
ォールト・トリーに基づいて知識ベースを構築するよう
にした点に特徴がある。
【0008】さらに、推論を行うにあたっては、前記重
複トリー群の実行によって得られた推論結果を、原フォ
ールト・トリー群を構成する事象であって、前記重複ト
リー群がリンクされる事象に複写するようにした点に特
徴がある。
【0009】
【作用】上記した構成によれば、フォールト・トリー内
に重複して存在するトリー群を該フォールト・トリーか
ら分離して共通化すると共に、該フォールト・トリー
を、さらに重複トリー群と原フォールト・トリー群とに
階層化された構造にすることができる。したがって、フ
ォールト・トリーを表示手段上に表示する場合でも重複
トリー群は共通化して表示することができるので、フォ
ールト・トリー全体の内容を容易に理解でき、フォール
ト・トリーの構築を簡単かつ容易に行うことができるよ
うになる。
【0010】また、重複トリー群に対する重複した知識
処理が回避できるため、高速推論が可能となる。さら
に、重複トリー群の重複した記憶が回避できるため、記
憶容量を節約し、装置を小型化することができる。
【0011】
【実施例】図1は、本発明のフォールト・トリー構築シ
ステムを適用した故障診断システムのブロック図であ
る。本システムは、知識ベースの表現として原因と結果
から構成されるフォールト・トリーを用いる。
【0012】フォールト・トリーを用いた知識ベース
は、CRT表示装置、キーボード、マウス等の入出力デ
バイスから成るフォールト・トリー入力装置1を用いて
入力される。該フォールト・トリー入力装置1は、フォ
ールト・トリーのベースをCRT画面上で作成すること
が可能である。フォールト・トリー入力装置1で作成さ
れたフォールト・トリーは、フォールト・トリー・デー
タ解析装置2により、階層化知識ベースとオンライン・
マッピング・テーブルとに展開される。階層化知識ベー
ス3は、ルールを制御するメタ・ルールと、推論を制御
するルール群と、中間仮定および推論結果等を格納、制
御するフレーム群とから成る。これら3種類の知識デー
タ・ベースは独立性(オブジェクト指向)が高く、互い
にメッセージ通信を行うことにより最終結論を導き出す
のに用いられる。
【0013】マッピング処理機構7は、オン・ライン・
マッピングテーブル4に格納された知識データベース変
数と、プロセス・データ・テーブル8とのアドレスの結
び付けを行うことにより、アドレッシングプロセス・デ
ータを生成し、これをオン・ライン推論機構5へ供給す
る。
【0014】換言すれば、対象となっているプラントに
は通常多数の観測点があり、これらの観測点は所定のコ
ードによって区別されている。ところが、推論を行うた
めにシステムが要求する観測点を示す該システム内にお
けるコードと、前記観測点コードとは必ずしも一致しな
いため、プラントデータをオン・ライン推論機構5に供
給するためにはこれらのコードを結び付ける必要があ
る。マッピング処理機構7は、この結び付けを行う。な
お、該マッピング処理機構7については、特願昭63−
22695号にさらに詳細に記載されている。
【0015】オン・ライン推論機構5は、マッピング処
理機構7から供給されたアドレッシング・プロセス・デ
ータと、階層化知識ベース3とに基づき、既知の適宣の
手法で推論処理を実行する。推論結果出力装置6は、C
RT、プリンター等の出力デバイス(図示せず)を用い
て、推論結果を最適なフォーマットで運転員等の観測者
に呈示する。
【0016】図2は、一般的なフォールト・トリーの構
造を示した図であり、故障原因と結果とが階層化された
構造となっている。例えば、事象“低圧ケーシング熱的
変形”は、事象“復水器真空異常”、“グランド蒸気圧
力異常”または“低圧排気室温度高”から発生し、事象
“ロータアライメント不良”は、事象“高圧ケーシング
熱的変形”または“低圧ケーシング熱的変形”から発生
することを示している。
【0017】ここで、事象“制御油圧低”および“グラ
ンド蒸気調整器異常”を下位事象とする上位事象“グラ
ンド蒸気圧力異常”は、図中表示A,Bに示すように、
事象“高圧ケーシング熱的変形”および“低圧ケーシン
グ熱的変形”の原因(下位事象)となっている。このよ
うな重複した断片知識は、一般的に知識ベースのスケー
ルが大きくなればなるほど知識ベース内に占める割合が
高くなり、前記したような問題が発生する。
【0018】そこで本発明では、これらの問題点を解決
するために、図2に示されたような重複した断片的知識
(同図AおよびB)を有するフォールト・トリーを、図
3に示す如く、該重複した断片的知識を重複トリー群と
して共通化すると共に、原フォールト・トリー群である
上位トリー群と、重複トリー群として共通化された下位
トリー群とに分離/階層化し、該分離/階層化されたフ
ォールト・トリーに基づいて知識ベースを構築する。
【0019】なお、図3において各事象名の後に付され
た番号(1) 〜(12)は、同一のトリー群内に同一名の事象
が存在した場合に、これらを区別するための識別符号で
あり、例えば、2つの“グランド蒸気圧力異常”には、
それぞれ異なる番号(6) 、(8) を割り付けることによっ
て両者を確実に区別する。また、分離/階層化されたト
リー群を、原フォールト・トリー群の所定の事象にリン
クさせる場合、リンクの対象となる事象(接続点)によ
って異常波及に寄与する度合が一般的には異なる。例え
ば図3において、事象“制御油圧低(11)”あるいは“グ
ランド蒸気調整器異常(12)”により推論された異常の上
位事象への波及度合は、“高圧ケーシング熱的変形(4)
”の下位事象である“グランド蒸気圧力異常(6) ”に
寄与する場合と“低圧ケーシング熱的変形(5) ”の下位
事象である“グランド蒸気圧力異常(6) ”に寄与する場
合とでは異なることが多い。
【0020】そこで、本システムでは、上位トリー群内
の接続点への下位トリー群の異常の波及度合を示す係数
として、後に図8に関して詳細に説明する異常度伝達係
数βを定義可能とした。これにより本システムでは、同
一空間に存在した原フォールト・トリー群を分離/階層
化し、その後にこれらをリンクして推論する場合でも、
確率の高い推論が可能となる。
【0021】以下に、図1に示した故障診断システムを
用いて、図2に示したような重複トリー群を有するフォ
ールト・トリーを構築する方法について、図10のフロ
ーチャートに沿って説明する。
【0022】ステップS1では、フォールト・トリー入
力装置1に接続されたキーボード、マウス等の入出力デ
バイスを用いて、CRT画面上で図3に示される原フォ
ールト・トリー群(上位トリー群)を作成する。このと
き、上位トリー群の最下位事象であり、重複トリー群で
ある下位事象とリンクされる事象(接続点)、すなわち
“グランド蒸気圧力異常(6) ”および“グランド蒸気圧
力異常(8) ”は、後に図8を用いて説明するフレームを
作成せずにダミー事象とし、それ以外の事象について
は、それぞれの事象のフレ−ムも作成する。
【0023】ステップS2では、ステップS1と同様に
してCRT画面上で図3に示される重複トリー群(下位
トリー群)を作成し、さらにそれぞれの事象のフレ−ム
も作成する。ステップS3では、フォールト・トリー・
データ解析装置2において、前記フォールト・トリーを
メタ・ルール、ルールおよびフレームに展開する。
【0024】以下、フォールト・トリーの展開方法につ
いて詳細に説明する。
【0025】メタ・ルールとは、ルール群の制御を司る
ものであり、どのルール群を推論の対象にするかを決定
するための知識である。図6は、図3に示した分離/階
層化フォールト・トリーを展開した場合のメタルールフ
ァイルの内容を示した図であり、推論動作はSTART
の指令にて起動される。メタ・ルールの実行部(THE
N以下)は、ルール群名と優先度から構成される。
【0026】図6において、ルール群名とは活性化する
ルール群名であり、それらルール群を活性化する順序は
優先度にて決定される。また、優先度とは、数が大きい
ものほどレベルが高いことを示し、図6の例では、最初
にルール群名“グランド蒸気圧力異常”が活性化され、
次に、ルール群名“タービン振動大”が活性化されるこ
とを示している。ここで活性化とは、具体的には、示さ
れたルール群名に登録されたルール群を実行することを
意味する。
【0027】これらのルール群名は、図3に示した分離
/階層化フォールト・トリーに対応しており、分離方法
により決定される。また、優先度は階層構造の階層具合
により決定される。そして、このように構成することに
よって、分離/階層化フォールト・トリーによる推論は
下位トリー群から実行される。
【0028】次に、分離/階層化されたそれぞれのトリ
ー群を、図7に示すようなルール群に展開する方法につ
いて説明する。
【0029】例えば、図3に示すような分離/階層化フ
ォールト・トリーでは、ルール群名“タービン振動大”
は、下位に従属されている事象“ロータ・アライメント
不良”、“高圧ケーシング熱的変形”等の複数の事象か
ら構成される。なお、図7においては説明を簡略化する
ために、ルール群名“タービン振動大”にはルール1、
ルール2の2つのみを記載し、その他のルールは記載を
省略した。
【0030】ここで、図7に示されたルール・ファイル
は、推論時に次のような動作を行う論理体系となる、 未展開の最下位事象をサーチし、最下位事象が複数存
在する場合には、任意の一事象を選択する。 選択された最下位事象名および識別符号をフレーム名
とするフレームの実行の可否を調べ、未実行である場合
には、該フレームを実行可能状態とするために活性化す
る。 今回選択された最下位事象を展開済とする。 未展開事象の有無を調査し、有る場合にはへ戻り、
無い場合にはルール展開を終了する。
【0031】ここで、こうして展開されたルール群の実
行に先立ち、ルールの有効範囲であり対象であるフレー
ム群名を、図8に関して後述するように活性化する必要
がある。従って、ルール群の前に活性化フレーム群名を
定義する。以上をまとめると、1つのフォールト・トリ
ーは、図7に示すように次の構成をもつルール・ファイ
ルへ展開される。 (a) ルール群名:トリー群名 (b) 活性化フレーム群名:トリー群名 (c)ルールi:トリー群内の事象 図8に図3の分離/階層化フォールト・トリーをフレー
ム・ファイルに展開した例を示す。
【0032】フレーム・ファイルは、各トリー群名を表
わすフレーム群名と、そのトリー群内に存在する事象を
表わすフレーム名とから構成される。各フレームは、下
位事象群からコンバイン関数処理により推測された事象
の異常度を格納する入力スロットY、上位事象への異常
の伝播の程度を格納する異常度伝達係数スロットβ、お
よびプロセス量により計算された異常度と入力スロット
Yとの最大値により決定される異常推論結果スロットα
より成る。
【0033】例えば、下位トリー群内の事象“制御油圧
低”は、フレーム群名“グランド蒸気圧力異常”に属す
るフレームの1番目(フレーム1)として“制御油圧低
(11)”のフレームに展開される。ここで“(11)”は、下
位トリー群の内部にて決定された識別符号のうち、“制
御油圧低”に与えられた番号である。
【0034】さらに、下位トリー群内の事象“グランド
蒸気調整器異常”は、フレーム群名“グランド蒸気圧力
異常”に属するフレームの2番目(フレーム2)とし
て、“グランド蒸気調整器異常(12)”のフレームに展開
される。また、下位トリー群内の最上位事象“グランド
蒸気圧力異常”は、フレーム群名“グランド蒸気圧力異
常”に属するフレームの3番目(フレーム3)として、
“グランド蒸気圧力異常(10)”のフレームに展開され
る。
【0035】ここで、フレーム1“制御油圧低(11)”と
フレーム2“グランド蒸気調整器異常(12)”とは最下位
事象であり下位事象からの異常度の伝達がないために、
コンバイン関数処理のみが定義される。ステップS4で
は、本願発明の特徴であるスロット複写処理に関する処
理手段が、重複トリー群の最上位事象の各フレームに追
加される。スロット複写処理とは、本システムによって
構築された知識ベースを用いて故障診断(推論)を行う
場合に、前記重複トリー群の実行によって得られた推論
結果を、該重複トリー群が接続される原フォールト・ト
リー内の最下位事象に複写する処理のことを意味する。
【0036】たとえば図8では、図3に示したフォール
ト・トリーにおいてフレーム3の“グランド蒸気圧力異
常(10)”が、上位トリー群である原フォールト・トリー
の“グランド蒸気圧力異常(6) ”および“グランド蒸気
圧力異常(8) ”とリンクされる事象であるため、これら
の事象に”グランド蒸気圧力異常(10)”の異常度を結び
付けるための2つのスロット複写処理が追加されてい
る。なお、このようにしてフレームに追加されたスロッ
ト複写処理を用いての推論方法に関しては、後に詳細に
説明する。
【0037】ステップS5では、このようにして展開さ
れたメタ・ルール、ルールおよびフレームが知識ベース
として階層化知識ベース3に記憶される。なお、図8に
おいては説明を簡略化するために、フレーム群名“ター
ビン振動大”には2つのフレームのみを記載し、その他
のフレームは記載を省略した。
【0038】このように本発明においては、フォールト
・トリー内に重複するトリー群が存在する場合でも、重
複トリー群の1つだけを作成し、これを共通化して扱う
ので、記憶装置の記憶容量を小さくすることができる。
【0039】さらに本発明によれば、推論を行う場合で
も、重複トリー群の推論は1回だけ行われ、重複トリー
群の接続点となるその他の事象には、その推論結果がス
ロット複写処理によって複写されるので、推論に要する
時間を大幅に短縮することができる。
【0040】続いて、分離/階層化されたフォールト・
トリーの接続関係を表示装置上で確認、作成する場合の
CRT上での表示方法を以下に2例を示すが、実際のシ
ステムにおいては、これらに限ったものではない。
【0041】図4(a) ,(b) は、それぞれ表示装置上に
実際に分離/階層化されて表示されるフォールト・トリ
ーを示し、同図(a) は、図3に示したフォールト・トリ
ーを分離、階層化した場合の原フォールト・トリー群
(上位トリー群)、同図(b) は重複トリー群(下位トリ
ー群)を示している。
【0042】各トリー群をリンクするための接続点とな
る事象(本実施例では“グランド蒸気圧力異常”)は、
色、その他の表示方法を異ならせることによってマーキ
ングが施され、両トリー群の接続関係が明らかにされて
いる。例えば、重複トリー群の上位事象である“グラン
ド蒸気圧力異常”は、原フォールト・トリー群の2ケ所
の“グランド蒸気圧力異常”事象に接続されているた
め、表示色(図においてはハッチングの有無)が、重複
トリー群の他事象と異なったものとして表示されてい
る。
【0043】同様に、原フォールト・トリー群の事象群
のうち、前記重複トリー群との接続点となる事象“グラ
ンド蒸気圧力異常”は、他のものとは異なる色彩で表示
され、オペレータが容易に理解できるようにしてある。
なお、上記したような他事象との区別は、色彩による区
別に限定されるものではなく、輝度の差、あるいはブリ
ンクの有無等によって行うようにしても良い。
【0044】図5は、図3に示した分離/階層化された
トリー群の関係を、表示装置上に表形式で示したもので
ある。このように、本実施例では、あるトリー群と、こ
れが接続される上位トリー群との関係を表形式で表示装
置上に表わすことにより、トリー群間の接続関係を明示
することを可能としている。
【0045】例えば、図5において、下位トリー群名欄
に表示されている事象“グランド蒸気圧力異常”の右欄
には、対応する上位トリー群名として事象“高圧ケーシ
ング熱的変形”と“低圧ケーシング熱的変形”とが表示
されており、前記の事象“グランド蒸気圧力異常”に
は、リンクの対象となる上位トリーが2つ存在すること
がわかる。
【0046】図4、図5で説明したように、分離/階層
化されたフォールト・トリーの接続関係は、表示装置上
で定義、確認が可能なため、重複トリー群を有するフォ
ールト・トリーに基づいた大規模な知識ベースの作成が
表示装置上で可能となる。
【0047】次に、本発明による具体的な推論処理につ
いて説明する。
【0048】図3において、下位トリー群の最下位事象
である“制御油圧低(11)”と“グランド蒸気調整器異常
(12)”とは、下位事象が存在せず、これからの推論異常
度が0であるため、制御油圧低(11)/Yおよびグランド
蒸気調整器異常(12)/Yは、共に0になる(制御油圧低
(11)/Yという表現方法は、フレーム“制御油圧低(1
1)”のスロットYを意味する)。
【0049】また、下位トリー群内の異常度伝達係数β
は、知識ベース作成時に定義されるものであり、本実施
例では全ての異常度伝達係数βを80%(自分自身の異
常が100%になったものと仮定した場合、上位事象の
異常度に影響する程度が80%)に定義されたものとす
る。また、プロセス量により求められた事象の異常度を
格納する入力スロットαは、推論処理に先立ち定義式の
計算結果が下記のように格納されているものとする。 制御油圧低(11)/α=0.3 グランド蒸気調整器異常(12)/α=0.5 グランド蒸気圧力異常(10)/α=0.1 ここで、ルールによりフレーム群名“グランド蒸気圧力
異常(10)”のフレーム1が活性化されると、フレーム
“制御油圧低(11)”は次のように動作する。 1.自事象の異常度を決定:制御油圧低(11)/αと制御
油圧低(11)/Yのうちの最大値(MAX)を制御油圧低
(11)/αに代入する。すなわち、Y=0、α=0.3よ
り、 α=MAX(0、0.3)=0.3 2.上位事象への伝達異常度Aを計算:制御油圧低(11)
/αと制御油圧低(11)/βとを乗ずる。(α=0.3、
β=0.8より、A=0.24) 3.コンバイン関数処理による“グランド蒸気圧力異常
(10)”の推論異常度計算:伝達異常度A、上位事象
“グランド蒸気圧力異常(10)”の異常推論結果Y(グラ
ンド蒸気圧力異常(10)/Y)より、推論異常度を次のコ
ンバイン関数を用いて計算する。 コンバイン関数CF(x1 ,x2 )=1−(1−x1
×(1−x2 ) 但し、x1 ,x2 は下位事象異常度 グランド蒸気圧力異常(10)/Y=CF(x1 ,x2 )=
1−(1−A)×(1−グランド蒸気圧力異常(10)/
Y)=1−(1−0.24)×(1−0)=0.24 次のルールによりフレーム2が活性化されると、フレー
ム“グランド蒸気調整器異常(12)”は同様に以下のよう
に動作する。 1.自事象の異常度を決定: グランド蒸気調整器異常(12)/α=MAX(グランド蒸
気調整器異常(12)/α、グランド蒸気調整器異常(12)/
Y)=MAX(0.5、0)=0.5 2.上位事象への伝達異常度Aを計算: A=(グランド蒸気調整器異常(12)/α)×(グランド
蒸気調整器異常(12)/β)=0.5×0.8=0.4 3.コンバイン関数処理による推論異常度計算: グランド蒸気圧力異常(10)/Y=1−(1−A)×(1
−グランド蒸気圧力異常(10)/Y)=1−(1−0.
4)×(1−0.24)=0.544 また、次のルールによりフレーム3が活性化されると、
フレーム“グランド蒸気圧力異常(10)”は同様に以下の
ように動作する。 1.自事象の異常度を決定: グランド蒸気圧力異常(10)/α=MAX(グランド蒸気
圧力異常(10)/α、グランド蒸気圧力異常(10)/Y)=
MAX(0.1、0.544)=0.544 2.上位事象への伝達異常度Aを計算:コンバイン関数
処理は、最上位事象であるため実行せず。 3.スロット複写処理:このようにして下位トリー群の
異常度が計算されると、この値はスロット複写処理によ
って“グランド蒸気圧力異常(6) ”および“グランド蒸
気圧力異常(8) ”に複写される。
【0050】ここで、この異常度の上位事象への波及度
合は、“高圧ケーシング熱的変形(4) ”の下位事象であ
る“グランド蒸気圧力異常(6) ”に寄与する場合が0.
8であり、“低圧ケーシング熱的変形(5) ”の下位事象
である“グランド蒸気圧力異常(6) ”に寄与する場合は
0.5であるために、それぞれの事象の異常推論結果ス
ロットαは以下のようになる。 (a) タービン振動大/グランド蒸気圧力異常(6) /α=
グランド蒸気圧力異常/グランド蒸気圧力異常(10)/α
×β(=0.8)=0.544×0.80.44 (b) タービン振動大/グランド蒸気圧力異常(8) /α=
グランド蒸気圧力異常/グランド蒸気圧力異常(10)/α
×β(=0.5)=0.544×0.50.27 ここで、実際に分離/階層化フォールト・トリーを実現
している処理がスロットの複写処理である。
【0051】このように本発明によれば、推論を行う場
合でも、重複トリー群の推論は1回だけ行われ、重複ト
リー群の接続点となるその他の事象には、その推論結果
がスロット複写処理によって複写されるので、推論に要
する時間を大幅に短縮することができる。
【0052】次に、本推論処理の全体の流れを図9を用
いて説明する。なお、フレーム群内に示されたF1、F
2・・・は、それぞれ図8を用いて説明したフレーム
1、フレーム2・・・に対応しており、その他の記号、
すなわちフレーム群名“タービン振動大”におけるF3
は事象“復水器真空異常(7) ”に、F4は“グランド蒸
気圧力異常(8) ”に、F5は”低圧排気室温度高(9)
“に、F6は“低圧ケーシング熱的変形(5) ”に、F7
は“高圧ケーシング熱的変形(4) にそれぞれ対応してい
る。
【0053】同図において、全体のグループを制御する
のがメタ・ルールであり、該メタ・ルールによってルー
ル群が次々と活性化される。該活性化されたルール群
は、実体を表すフレーム群を活性化する。該活性化され
たフレームFiは、フレーム間でデータ通信を行って推
論を継続する。
【0054】本実施例においては、フレーム群“グラン
ド蒸気圧力異常”が活性化されると、F1、F2が活性
化され、続いてF3が活性化される。さらに、F3の情
報はデータ通信によってフレーム群“タービン振動大”
のF1、F4に伝達され、その後は同様に各フレームが
順次活性化される。
【0055】このように、本実施例によれば分離/階層
化されたフォールト・トリーをメタ・ルール、ルール
群、フレーム群に展開することによって推論が実現され
る。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、フォールト・トリーを階層化して構築、表
示、保存することができるので、次のような効果を達成
することができる。 (1) 大規模あるいは複雑なフォールト・トリーであって
も、重複する事象は階層化して表示することができるの
で、全体の内容を容易に理解でき、フォールト・トリー
の構築が簡単かつ容易になる。 (2) フォールト・トリー内の重複する事象に対する重複
した知識処理が回避できるため、高速推論が可能とな
る。 (3) フォールト・トリー内の重複する事象の重複した記
憶が回避できるため、記憶容量を節約し、装置を小型化
することができる。 (4) 重複トリー群を原フォールト・トリー群にリンクさ
せる場合には、異常度伝達係数に基づいて異常波及の度
合いが決定されるので、確率の高い推論が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した故障診断システムのブロッ
ク図である。
【図2】 階層化されていないフォールト・トリーを示
した図である。
【図3】 階層化フォールト・トリーを示した図であ
る。
【図4】 階層化フォールト・トリーの表現方法の一実
施例である。
【図5】 階層化フォールト・トリーの他の表現方法で
ある。
【図6】 メタ・ルールの内容を示した図である。
【図7】 ルールの内容を示した図である。
【図8】 フレームの内容を示した図である。
【図9】 推論処理の概略を示した図である。
【図10】 知識ベースの構築方法を示したフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1…フォールト・トリー入力装置、2…フォールト・ト
リー・データ解析装置、3…階層化知識ベース、4…オ
ン・ライン・マッピングテーブル、5…オン・ライン推
論機構、6…推論結果出力装置、7…マッピング処理機

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 システムの故障原因となる事象と故障結
    果となる事象とを結び付けて構成されるフォールト・ト
    リーを作成し、該フォールト・トリーに基づいて知識ベ
    ースを構築する知識ベース構築方法において、 フォールト・トリーを入力し、 前記フォールト・トリー内に重複して存在するトリー群
    を前記フォールト・トリーから分離して共通化し、 前記重複トリー群とそれ以外のトリー群である原フォー
    ルト・トリー群とを階層化して分離/階層化フォールト
    ・トリーを作成し、 前記重複トリー群は、該重複トリー群の実行によって得
    られた推論結果を、前記原フォールト・トリー群を構成
    する事象であって前記重複トリー群がリンクされる事象
    に複写することを特徴とする知識ベース構築方法。
  2. 【請求項2】 システムの故障原因となる事象と故障結
    果となる事象とを結び付けて構成されるフォールト・ト
    リーを用いた知識ベースによる故障診断方法において、 前記フォールト・トリー内の重複トリー群の実行によっ
    て得られた推論結果を、重複トリー群以外のトリー群で
    ある原フォールト・トリー群を構成する事象であって前
    記重複トリー群がリンクされる事象に複写することを特
    徴とする知識ベースによる故障診断方法。
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