JPH11344589A - プラント診断システム - Google Patents

プラント診断システム

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JPH11344589A
JPH11344589A JP15252098A JP15252098A JPH11344589A JP H11344589 A JPH11344589 A JP H11344589A JP 15252098 A JP15252098 A JP 15252098A JP 15252098 A JP15252098 A JP 15252098A JP H11344589 A JPH11344589 A JP H11344589A
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JP
Japan
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plant
diagnostic
knowledge
signal
diagnostic knowledge
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Application number
JP15252098A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Hayashi
喜治 林
Koji Oga
幸治 大賀
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【課題】一般ユーザでも容易に診断知識の編集ができる
プラント診断システムを提供する。 【解決手段】プラント診断システムは、グループに属す
る異常原因のいずれかが判定されれば、グループ化した
結果が判定されたものとし、このグループ化した判定結
果とプラント信号とを併せてマッチング処理を実施す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラントで計測した
プラント信号を基にプラントの診断を実施するシステム
に係り、特に、診断知識の作成、及び修正に好適な診断
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】発電プラントを始めとする各種プラント
では、プラント信号を常時監視し、異常を早期に検知す
ると共に、計測したプラント信号の変化傾向を基に、発
生した異常の原因を同定するプラント診断システムが導
入されている。これは、システムが同定した異常原因
が、異常発生時におけるプラントの運転操作を決定する
ための重要な指針となるからである。プラントに異常が
発生した場合には、プラントを安全な状態に移行させる
ことが先決である。スクラム等によりプラントを強制的
に停止させることによって、プラントは安全な状態に移
行する。
【0003】しかし、必ずしも、スクラムによるプラン
トの運転停止が得策とは限らない。軽微な異常の場合に
はプラントを停止させる必要はなく、逆にプラントを計
画外停止させたことによる経済的損失を考慮すれば、定
格運転を続けるか、または、低出力運転に切り替える等
の操作が最善となる場合も有り得る。
【0004】このように、プラントでの異常発生時にお
ける異常回避のための運転操作としては様々な処置が考
えられる。プラント診断システムは、プラントで発生し
ている異常を検知すると共に、その原因を同定し、運転
員に提供するものである。運転員はシステムが同定した
異常原因に基づいて、異常回避のための運転操作を決定
できる。したがって、プラント診断システムは、プラン
トの安全性と経済性の両面において効果を発揮すると言
える。
【0005】プラント診断システムにおいて、診断処理
を実施するための診断知識の記述方式には様々な方法が
ある。最も一般的なものは、IF−THENルールによ
る記述であり、「もし(IF)、プラントの信号がこの
ように変化したら、その時は(THEN)、このような
異常が発生しています。」といった記述方式によって知
識が構成されている。
【0006】しかし、IF−THENルールを始めとす
る各種の記述方式は、プログラミング知識等の専門知識
を有していなければ、知識内容の理解、まして知識の作
成は困難である。運転員は、システムが出力した診断結
果について、機器の状態や信号の変化傾向と対比させな
がら、その信頼性を吟味することが必要である。
【0007】このためには、システムがどのような診断
知識を有し、どのような処理を経て、診断結果を出力し
たのかを知っておく必要がある。また、運転員が診断知
識の新規作成や追加,修正を行いたい場合、診断知識の
どの部分をどのように変更すればよいかが容易に理解で
きる知識構成にする必要がある。このような要求から、
一般ユーザでも診断知識の内容が容易に理解でき、なお
かつ、診断知識の作成,追加,修正が容易に行える知識
の実装方式が望まれていた。
【0008】このような問題を解決する手段として、デ
ィシジョンテーブルによる記述方法がある。プラントの
診断を行うためのディシジョンテーブルの一般的な形態
では、図19に示すように、各列にプラント信号、各行
に異常原因を定義する。このようにして定義した各異常
原因ごとのパターンと、プラントで計測したプラント信
号の変化傾向とのマッチング処理を実施することで、発
生している異常原因を同定する。図に示したディシジョ
ンテーブルの例から分かるように、一般ユーザでも異常
原因とプラント信号の変化パターンとの対応関係等の知
識内容が容易に理解でき、また、各異常原因に設定した
変化パターンの修正等も容易に実施できる。
【0009】さらに、ディシジョンテーブルをプラント
のような大規模システムに適用するように改良した例と
して、特開平3−179526 号公報記載の方法がある。この
方法を図20に模式的に示した。この発明では、ディシ
ジョンテーブルを、例えば、プラントを構成する機能又
は機器又は部品を単位とするオブジェクトごとに分割し
て実装すると共に、各オブジェクトでの診断結果を他の
オブジェクトが取り込み、プラント信号と取り込んだ他
オブジェクトの診断結果とを併せてマッチング処理を実
施する。図の例では、プラントの復水ポンプを診断する
ためのディシジョンテーブルを、復水ポンプの駆動モー
タに関連するディシジョンテーブルと、復水ポンプ自身
のディシジョンテーブルに分割している。
【0010】この方法よってディシジョンテーブルのオ
ブジェクトごとの管理が実現できる。診断知識を変更し
たい場合には、変更の対象とするオブジェクトを選択
し、選択したオブジェクトに該当する診断知識に対して
変更を加えることで実現できる。これは、プラントのよ
うに大規模システムに対して有効な方法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のごと
く、ディシジョンテーブルを分割し、ディシジョンテー
ブルの判定要素として他のディシジョンテーブにおける
判定結果を取り込む方式では、取り込む側でのディシジ
ョンテーブルの判定要素の数、すなわち、テーブルの列
数が多くなる。例えば、図4に示したようなプラント運
転機能を階層的に表現した機能階層モデルに基づいてデ
ィシジョンテーブルを分割した場合、上位レベルのディ
シジョンテーブルほど、下位レベルから取り込む判定結
果が多くなる。
【0012】このため、ユーザが知識内容を理解するこ
とを試みても、ディシジョンテーブル自体が大きすぎ
て、内容を把握することが難しく、知識の変更作業にお
いてもディシジョンテーブルの中で変更すべき箇所を見
つけ出すことすら困難であった。このため、機能又は機
器又は部品のオブジェクトごとにディシジョンテーブル
を分割したとしても、本来のメリットである知識内容の
把握や変更の容易さを保持できる構成とすることが課題
になっていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によるプラント診
断システムでは、上記の問題を鑑み、ディシジョンテー
ブルの判定要素として、他のディシジョンテーブルでの
診断結果を設定する場合に、ディシジョンテーブルで判
定した各異常原因を判定要素とするのではなく、異常原
因をグループ化した結果を判定要素とする。つまり、グ
ループに属する異常原因のいずれかが判定されれば、グ
ループ化した結果が判定されたものとし、このグループ
化した判定結果とプラント信号とを併せてマッチング処
理を実施する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0015】図1は、本発明の第1実施形態に係るプラ
ント診断システムである。図1において、1が診断の対
象とするプラントである。2が本発明によるプラント診
断システムである。3はプラント診断システム2が推定
した診断結果を運転員に通知するための出力装置であ
る。4はプラント診断システム2に実装した診断知識を
編集するために使用する入出力装置である。次に、プラ
ント診断システム2について説明する。21はプラント
からプラント信号を取り込み、信号値の記憶を実施する
データ記憶部である。22はデータ記憶部21によって
プラントから取り込まれた信号値を一時的に格納するプ
ラントデータベースである。23はプラントデータベー
ス22に格納された信号値のうち、アナログ信号に対し
てしきい値判定を実施するしきい値判定部である。24
はしきい値判定部23が実施したアナログ信号のしきい
値判定結果を格納する判定結果データベースである。
【0016】25は、デジタル信号のデータをプラント
データベース22から、また、アナログ信号のデータを
判定結果データベース24から取り込み、取り込んだデ
ータのパターンに対してマッチング処理を行うことによ
りプラント1の診断を実施するマッチング処理部であ
る。26はマッチング処理部25が実施するマッチング
処理に必要な情報を格納した診断知識データベースであ
る。27はマッチング処理部25の診断結果、及び、診
断結果に対する関連情報について、出力装置3への表示
を制御する表示情報制御部である。
【0017】まず、プラント診断時における装置全体の
処理の流れについて説明する。プラント診断システム2
では、データ記憶部21がプラントからプラント信号値
を取り込み、プラントデータベース22に格納する。図
2(a),(b)は、プラントデータベース22の構成で
ある。プラントデータベース22では、同図(a)と
(b)の如くプラント信号値をアナログ信号とデジタル
信号とに分けて格納している。各プラント信号には信号
IDが設定されている。例えば、「主蒸気流量」は“A
001”、「給水流量」は“A002”といった具合で
ある。
【0018】プラントから取り込まれた信号値は、対応
する信号IDの欄に格納される。格納される値は、アナ
ログ信号値の場合、計測した信号値を工学変換した値で
あり、また、デジタル信号の場合、「0」または「1」
のいずれかである。データ記憶部21によるプラントデ
ータベース22へのプラント信号値の格納処理は周期的
に実施する。格納処理では、プラントデータベース22
に既に記録されていたプラント信号値は上書きされる。
つまり、プラントデータベース22には、常に最新値の
みが格納される。
【0019】しきい値判定部23は、プラントデータベ
ース22からアナログ信号についてのプラント信号値を
取り込み、しきい値判定を行う。しきい値判定を実施す
るプラント信号及び判定を行うためのしきい値は、図1
に示す診断知識データベース26に格納している。診断
知識データベース26、及び、格納されている診断知識
の詳細については後述する。しきい値判定部23は、診
断知識データベース26から、しきい値判定を行うプラ
ント信号のID、及び、それらの信号に対するしきい値
を取り込む。取り込み処理は、診断処理の開始時のみに
行い、それ以後は始めに取り込んだプラント信号のID
としきい値を基に、しきい値判定を実施する。
【0020】しきい値判定部23が、診断知識データベ
ース26から取り込むしきい値は、上限値と下限値の2
種類がある。信号値が、上限値より高い場合には
「1」、下限値より低い場合には「−1」、下限値と上
限値の間にある場合には「0」とする。つまり、判定結
果が「0」の場合には、信号値が正常な範囲にあり、
「1」の場合には正常値より高く、「−1」の場合には
正常値よりも低いことを意味している。しきい値判定部
23は、しきい値判定結果である「1」,「0」,「−1」
の値を判定結果データベース24に格納する。
【0021】図3は、判定結果データベース24の構成
を示す図である。プラントデータベース22での格納フ
ォーマットと同様に、プラント信号IDと、しきい値判
定結果が対応する形で記述されている。
【0022】マッチング処理部25は、プラント1で計
測したプラント信号について、診断知識データベース2
6に格納した診断知識を基にパターンマッチングを実施
する。診断知識には、各異常事象ごとのプラント信号の
変化パターンが記述されている。これと、現在のプラン
ト信号の変化傾向とを比較することにより、プラントに
発生している異常の原因を同定する。マッチング処理に
使用するプラント信号は、デジタル信号の場合、計測値
そのもの、すなわち、二値化された「0」,「1」の値を使
用する。
【0023】これに対し、アナログ信号の場合には、計
測値を用いるのではなく、しきい値判定部23が前記処
理により3パターンに分類した「−1」,「0」,「1」の
値を使用する。マッチング処理部25は、デジタル信号
をプラントデータベース22から、アナログ信号のしき
い値判定結果を判定結果データベース24から取得す
る。診断知識の中には、パターンマッチングで使用する
プラント信号の信号IDが記述されており、マッチング
処理部25は、この信号IDに対応するデータを、前記
2つのデータベースから取得する。
【0024】次いで、マッチング処理部25は、マッチ
ング処理によって得られた診断結果と共に、診断結果に
対する関連情報、例えば診断に使用したプラント信号の
トレンド情報を表示情報制御部27に出力する。診断知
識、及び診断処理の詳細については後述する。
【0025】表示情報制御部27は、マッチング処理部
25から送られた診断結果、及び診断結果に対する関連
情報について取り込み、これらを出力装置3に表示す
る。診断結果はメッセージ形式の出力,診断結果に対す
る関連情報はトレンド等のグラフ形式となる。
【0026】以上が、プラント診断時における処理の大
まかな流れである。プラント診断時には、診断知識編集
部28は動作しない。診断知識編集部28は、診断知識
データベース26に格納された診断知識を編集する場合
に動作する。診断知識の編集は、一度、診断処理を停止
させた上で実施する。以下に、診断知識の編集処理につ
いて説明すると共に、これと併せて、診断知識の記述形
式,マッチング処理の詳細について説明する。
【0027】診断知識の編集は、入出力装置4を用いて
実施する。ユーザが診断知識の編集を開始する場合、入
出力装置4の初期画面には図4のような階層的なネット
ワークが示される。この図は、プラントの運転機能を、
機能・機器・部品といったレベルごとに階層的に分けて
表現したモデルであり、機能階層モデルと呼ばれる。ま
ず、機能階層モデルについて説明する。プラントの正常
な運転には、給水制御401による給水機能、また、出
力制御402による出力調整機能等の各機能が働くこと
により達成される。このうち、給水制御の場合、これを
復水ポンプ403やタービン駆動給水ポンプ404等の各
機器によって実現する。さらに、復水ポンプ403は、
ポンプを駆動するためのモータ405や軸受406等の
部品から構成されており、それぞれの部品が正常に動作
することにより、各機器がそれぞれの役割を実現でき
る。
【0028】このように、プラントの運転は、機能・機
器・部品といったレベルに応じて階層的に表現できる。
なお、ここでは、各レベルにおける機器・部品等のまと
まり、すなわち、「復水ポンプ」,「モータ」等の単位を
オブジェクトと呼び、図に示すネットワークをオブジェ
クト構成図と呼ぶ。
【0029】本実施例におけるプラント診断システムの
診断知識は、機能階層モデルに基づいたオブジェクトご
とに管理している。つまり、復水ポンプのモータに関す
る診断知識,軸受に関する診断知識、また、復水ポンプ
全般に関する診断知識といった具合に、診断知識を、機
能階層モデルで定義したオブジェクトごとに分割して実
装する。
【0030】ユーザは入出力装置4に表示されたオブジ
ェクト構成図について、オブジェクトをマウス等により
クリックすると、そのオブジェクトに対応する診断知識
が表示される。
【0031】図5は、図4のオブジェクト構成図におい
て「復水ポンプ」オブジェクト403をクリックした場合
に表示される診断知識の例である。診断知識は、図のよ
うにテーブル形式で表現される。各列はパターンマッチ
ングに用いる判定要素を表す。図の場合、判定要素に用
いるプラント信号としては、501で示す「復水ポンプ
トリップ」信号、502で示す「復水流量」がある。ま
た503から506で示す判定要素は、下位レベル、例
えば、機器レベルに位置する「復水ポンプ」オブジェク
トの場合には、部品レベルに位置する各オブジェクトの
診断結果である。
【0032】図の場合、判定要素503から505につ
いては、プラント信号と区別するために、<>付きで表
現している。図の507〜508はプラント信号IDで
ある。判定要素501,502はプラント信号であるた
め、対応する信号IDを記述している。デジタル信号の
信号IDは「D」で始まるIDを設定しており、アナロ
グ信号の場合には「A」で始まるIDを設定している。
プラント信号の取り込み処理は、ここに記述した信号I
Dを基に実施する。
【0033】前記したように、マッチング処理部25
は、判定結果データベース24からアナログ信号のデー
タを、プラントデータベース22からデジタル信号のデ
ータを取得する。マッチング処理部25は信号IDによ
って、診断知識の判定要素がアナログ信号か、デジタル
信号かを判別し、それぞれのデータベースにアクセスす
る。また、判定要素が、下位レベルのオブジェクトにお
ける診断結果である場合には、信号IDの欄には何も記
述されない。
【0034】以上に述べたように、診断知識の各列は、
パターンマッチングに使用する判定要素を表している。
これに対して、各行は、復水ポンプで発生する異常原因
の項目を表している。例えば、図の509で示す異常原
因項目でのマッチング処理を説明する。この異常原因
は、復水ポンプの駆動モータに故障が発生し、ポンプの
機能が低下したため、復水流量低下に至った異常を示し
ている。
【0035】この異常に対応する信号パターンでは、
「復水ポンプトリップ」が「正常」を示している。「復
水ポンプトリップ信号」はデジタル信号であり、マッチ
ングに使用するデータはプラントデータベース22から
取得する。前記したように、デジタル信号の場合には、
計測信号値、すなわち、「1」または「0」の二値化さ
れた値をそのまま取り込む。「復水ポンプトリップ」信
号の例では、「正常」が「0」,「トリップ」が「1」に
対応する。つまり、この異常事象にマッチングする場合
には、プラントデータベース22に格納された「復水ポ
ンプトリップ」信号の値が「0」でなくてはならない。
なお、デジタル信号値「0/1」と、「正常/トリッ
プ」等の機器の状態との対応関係の設定方法については
後述する。
【0036】また、この信号パターンでは、「復水流
量」が「低」である。これは、復水流量の値が正常範囲
を下回る状態にあることを示す。「復水流量」信号はア
ナログ信号であり、前記したように、マッチングに使用
するデータは判定結果データベース24から取り込む。
判定結果データベース24には、しきい値判定部23に
よってしきい値判定された結果、すなわち、「1」,
「0」、または、「−1」のいずれかの値が既に格納さ
れている。「1」が「高」,「−1」が「低」,「0」が
「正常」に対応する。つまり、この異常事象にマッチン
グする場合には、判定結果データベースに格納24に格
納された「復水流量」のしきい値判定結果が「−1」でなけ
ればならない。
【0037】次に、「<復水ポンプモータ故障>」,「<
復水ポンプモータリレーON>」,「<復水ポンプ軸受
故障>」であるが、この判定要素は下位レベルでのオブ
ジェクトでの診断結果である。「復水ポンプ」オブジェ
クトは機器レベルに位置しているため、この判定要素
は、機器レベルより一段下位の部品レベルに位置し、か
つ、「復水ポンプ」オブジェクトとのリンクが張られて
いる「モータ」,「軸受」等の診断結果である。
【0038】本実施例では、ディシジョンテーブルに設
定した各異常原因、すなわち、各行の項目に対して、グ
ループ化を実施する。例えば、図の510に示したよう
に、異常原因「復水ポンプモータ故障、復水流量低
下」、及び「復水ポンプ軸受故障、復水流量低下」につ
いては、「復水ポンプ故障、復水流量低下」としてグル
ープ化する。グループ化の基準としては、図4に示した
オブジェクト構成図における上位オブジェクト、すなわ
ち、「復水ポンプ」オブジェクトの場合には機能レベル
にある「給水制御」オブジェクトから観て、異常原因に
よる影響が同じものを1つにまとめる。
【0039】グループ化した2つの異常原因は、いずれ
も、復水ポンプを構成する「モータ」,「軸受」等の部品
が故障したために、復水流量の低下に至った事象であ
る。これら2つの異常が給水制御機能に及ぼす影響から
観れば、どの部品が故障しているかはあまり関係がな
く、復水ポンプが故障し、復水流量が正常時に比べ低下
しているという共通の現象に大きく関係している。
【0040】以上の点から、これら2つの異常原因を1
つにグループ化している。これに対し、異常原因「復水
ポンプモータリレーON、復水ポンプトリップ」では、
復水ポンプがトリップし、復水流量の値が0になる。他
の2つの異常原因が給水制御機能に及ぼす影響とは異な
るため、これについては他のグループとして定義してい
る。
【0041】次に、「復水ポンプ」オブジェクトの下位
に位置する「モータ」オブジェクトでの診断知識の例を
図6に示す。「モータ」オブジェクトでは、モータに関
連するプラント信号を取り込み、診断を実施している。
「モータ」オブジェクトが位置する部品レベルは、オブ
ジェクト構成図の最下層になるので、下位オブジェクト
における診断結果は判定要素としていない。ここでは、
デジタル信号である「復水ポンプモータリレー」信号
と、アナログ信号である「復水ポンプモータ巻線温度」,
「復水ポンプモータ冷却量」の合計三種類のプラント信
号のパターンマッチングにより診断処理を行っている。
例えば、「復水ポンプモータリレー」信号が「OFF」,
「復水ポンプモータ巻線温度」が「高」,「復水ポンプモ
ータ冷却量」が「低」となっている場合には、発生して
いる異常として「モータ冷却水不足」がマッチング処理
によって選ばれる。
【0042】「モータ」オブジェクトでは、異常原因
「モータ冷却水不足」601と「モータ過負荷」602
を1つにグループ化している。これらの異常原因は、
「モータ」オブジェクトの上位に位置する「復水ポンプ」
オブジェクトから見れば、復水ポンプの機能が低下し、
結果として復水流量が低下するという点で変わりはな
い。このため、これら2つの異常原因を1つのグループ
とする。これに対し、「モータリレーON」603は、
復水ポンプがトリップするという点で、他2つの異常原
因項目とは「復水ポンプ」オブジェクトに与える影響が
異なるため、別グループとして設定する。
【0043】図6の「モータ」オブジェクトの診断知識
に記述された異常事象のうち、604で示す「モータ故
障」については、前記の「復水ポンプ」オブジェクトで
の判定要素、すなわち、図5における503とリンクし
ている。つまり、「復水ポンプ」オブジェクトは、下位オ
ブジェクトの診断結果を監視する。診断知識では、判定
された場合を「YES」、判定されない場合を「NO」
として表現し、プラント信号の場合と同様にして、パタ
ーンマッチング処理に使用する。
【0044】図5に示す異常原因「復水ポンプモータ故
障、復水流量低下」509の例では、下位オブジェクト
については「復水ポンプモータ故障」のみが「YES」
となっている。この場合、「モータ」オブジェクトでの
診断結果が「モータ故障」と判定されている、すなわ
ち、「モータ冷却水不足」または「モータ過負荷」と判
定されていることが、この項目にマッチングする条件と
なっている。
【0045】以上が、診断知識の記述内容、及びマッチ
ング処理についての説明である。次に、図1に示す入出
力装置4、及び診断知識編集部28による診断知識の編
集処理について説明する。
【0046】初期画面は、図4に示したオブジェクト構
成図である。ここでは、「復水ポンプ」オブジェクトの
診断知識を編集する場合を想定する。オブジェクト構成
図において、診断知識の編集の対象となるオブジェク
ト、ここでは「復水ポンプ」403をマウスでクリック
することで編集モードに入る。
【0047】診断知識を何も実装していない場合、図7
に示すような空のテーブルが表示される。この空のテー
ブルをベースとして診断知識を作成する。
【0048】まず、テーブルの1列目の判定要素を設定
する。この場合、設定したい判定要素の枠をマウスでク
リックすると、図8の801に示す判定要素設定画面が
表示される。判定要素設定画面では、名称、及び判定要
素の種類を定義する。名称は、ユーザが診断知識の内容
を理解するのに容易となるキーワード、例えば、プラン
ト信号名称を設定する。判定要素とプラント信号値との
対応付けは、プラント信号IDを基に行うので、名称の
欄は、ユーザが任意に設定して構わない。次いで、判定
要素の種類、すなわち、設定する判定要素がアナログ信
号,デジタル信号,下位オブジェクトの診断結果のいず
れかを選択する。図8の例では、デジタル信号である
「復水ポンプトリップ」信号を判定要素として設定する
ため、名称の欄には「復水ポンプトリップ」と設定し、
デジタル信号を選択している。
【0049】マウスで設定ボタンをクリックすると、図
9に示すデジタル信号設定画面901が表示される。デジ
タル信号設定画面では、プラント信号ID、及び、知識
の表記形式を設定する。プラント信号IDには、判定要
素として設定したいプラント信号のIDを入力する。全
プラント信号には、それぞれ異なるIDが割り振られて
いるため、プラント信号IDを設定することで、判定要
素とするプラント信号を特定できる。
【0050】次に、ディシジョンテーブル上での表記形
式を設定する。プラント信号がデジタルの場合、信号値
は「0」または「1」のいずれかであるが、プラント信
号の種類によって「0」,「1」が意味するものは異な
る。例えば、プラント信号がスイッチ状態を示す場合、
「0」は「OFF」を、「1」は「ON」を表し、ま
た、弁の開閉状態を示す場合、「0」は「閉」を、
「1」は「開」を表す。「復水ポンプトリップ」信号の
場合、「0」はトリップしていない状態、すなわち「正
常」を表し、「1」は「トリップ」を表すので、設定画
面の中で表現形式を「トリップ/正常」に選択する。以
上の処理で、判定要素の設定は終了である。
【0051】次いで、テーブルの2列目の判定要素にア
ナログ信号である「復水流量」を設定する方法を説明す
る。前記のごとく、該当する判定要素の名称欄をマウス
でクリックし、図10で示すように判定要素設定画面1
01を表示させる。この場合には、名称として「復水流
量」、判定要素の種類として「アナログ信号」を選択す
る。マウスで設定ボタンをクリックすると、図11に示
すアナログ信号設定画面111が表示される。ユーザ
は、この画面を通して、プラント信号ID、及び、しき
い値を設定する。プラント信号IDの設定方法は、前記
のデジタル信号の場合と同様である。しきい値は上限値
と下限値を設定する。図1のしきい値判定部23では、
アナログ信号の信号値を「高」,「正常」,「低」の3つに
分類する。つまり、しきい値判定部は、信号値が上しき
い値を超えた場合には「高」、下しきい値を下回った場
合には「低」、下しきい値と上しきい値の間にある場合
には「正常」と判定する。以上の処理で判定要素の設定
は終了である。
【0052】次いで、テーブルの3列目の判定要素に下
位オブジェクトでの判定結果を設定する方法を説明す
る。前記のごとく、該当する判定要素の名称欄をマウス
でクリックし、図12に示す判定要素設定画面121を
表示させる。名称として「<復水ポンプモータ故障
>」、判定要素の種類として、「下位オブジェクト」を
選択する。マウスにより設定ボタンをクリックすると、
図19に示す下位オブジェクト設定画面191が表示さ
れる。ユーザは、この画面を通して、判定要素として結
び付ける下位オブジェクト、及び異常原因グループ項目
を選択する。
【0053】下位オブジェクト設定画面131の下位オ
ブジェクト一覧には、「復水ポンプ」オブジェクトの一段
下位に位置するオブジェクト、つまり、図4に示したオ
ブジェクト構成図の例では、「モータ」、及び「軸受」
オブジェクトがリストに挙げられる。このうち、「モー
タ」オブジェクトを選択すると、異常原因グループ項目
一覧には、「モータ」オブジェクトで設定されている異
常原因をグループ化した項目が表示される。この中か
ら、異常原因グループ項目をマウスでクリックすること
により選択し、判定要素として設定する。以上の処理で
判定要素の設定は終了である。
【0054】これまでは、診断知識の編集処理のうち、
ディシジョンテーブルの各列、すなわち、判定要素の設
定方法について説明した。続いて、各行、すなわち、異
常原因項目の設定方法について説明する。
【0055】まず、設定したい異常原因項目の枠をマウ
スでクリックし、図14に示す異常原因設定画面141
を表示させる。ユーザは、この画面を通して異常原因の
名称を設定する。図14の例では、「復水ポンプモータ
故障、復水流量低下」としている。次いで、この項目で
設定したパターンにマッチングした場合に、出力装置3
に表示する情報を設定する。異常原因設定画面141の
「表示情報」ボタンをマウスでクリックすると、図15
で示すような表示情報設定画面が表示される。出力メッ
セージの設定枠では、マッチング時に出力装置3に表示
する診断結果のメッセージについて設定する。図15で
は、出力メッセージを「復水ポンプ駆動モータ故障、機
能低下により復水流量低下」と設定している。また、診
断結果のメッセージと併せて表示するトレンドについて
も設定できる。この場合には、出力トレンドの設定枠
に、トレンド表示したいプラント信号のIDを記述す
る。以上で、該当項目にマッチングした時の表示情報の
設定処理は終了である。
【0056】次いで、プラント信号、及び下位オブジェ
クトでの診断結果について、変化パターンを設定する方
法について説明する。変化パターンを設定するには、図
16に示すように、マウスを用いてカーソルを設定した
い枠に移動させ、クリックする。この時、該当する列に
おける判定要素がアナログ信号の場合、枠内をクリック
するごとに「高」,「低」,「正常」の表示が順にでるの
で、ユーザが希望する状態に設定することができる。デ
ジタル信号の場合には、図9のデジタル信号設定画面で
指定した表示形式に従い、マウスでクリックするごとに
設定状態が順に表示される。例えば、「復水ポンプトリ
ップ」と設定した判定要素については、「正常」、また
は「トリップ」の表示となる。判定要素が下位オブジェ
クトである場合にも同様に、「YES」,「NO」が表示
される。
【0057】上記した方法により設定した異常原因に対
してグループ化を実施するには、異常原因グループの欄
をマウスでクリックし、図17に示す異常原因グループ
設定画面を表示させる。ここでは、グループ化した異常
原因に対する名称を設定すると共に、グループ化する異
常原因を番号で指定する。
【0058】以上に述べた処理によって、診断知識の作
成,修正、または追加を実施することができる。
【0059】次に、前記処理によって組み込んだ診断知
識を基に診断処理を行い、診断結果、及び診断結果に対
する関連情報を出力装置4に表示する一連の処理につい
て、復水ポンプで発生した異常を例にとって説明する。
【0060】まず、図6で示す診断知識を設定した「モ
ータ」オブジェクトにおいて、プラント信号「復水ポン
プモータ巻線温度」が設定しきい値を超え「高」の状態
となり、かつ、「復水ポンプモータ冷却量」が「低」に
なった場合を想定する。プラント信号「復水ポンプモー
タリレー」は、通常「OFF」であることから、「モー
タ」オブジェクトでのマッチング処理では、図6の診断
知識に示す異常原因項目の「モータ冷却水不足」601
が発生していると診断する。この時、出力装置4では
「モータ冷却水不足」に設定した診断結果のメッセージ
が表示される。このメッセージが図18に示す表示例で
の181である。マッチングした時刻が13時50分で
あったため、メッセージ出力でも同時刻が併せて記述さ
れる。
【0061】次いで、「モータ」オブジェクトの上位に
位置する「復水ポンプ」オブジェクトでの診断処理につ
いて説明する。「復水ポンプ」オブジェクトでは、図5
に示した診断知識が設定されている。冷却水流量低下に
よって復水ポンプの駆動モータの機能が次第に低下し、
結果として復水流量の低下に至った異常を想定する。
「モータ」オブジェクトにおいて、「モータ故障」と診断
したのは13時50分である。その後、次第に復水ポン
プの機能が低下していき、15分後の14時05分に復
水流量が設定しきい値以下になった場合、プラント信
号、及び下位オブジェクトの診断結果の変化パターンが
図5に示す異常原因「復水ポンプモータ故障、復水流量
低下」509に合致する。
【0062】この時、この異常原因項目に対応するメッ
セージを時刻と共に、図18の182のような形式で表
示する。表示メッセージは、前記した表示情報設定画面
にて設定したものである。また、診断結果に対する関連
情報としてトレンド183を表示する。トレンドについ
ても、前記した表示情報設定画面にてプラント信号ID
を用いて設定している。ここでは、プラント信号「復水
流量」に対応するプラント信号IDを設定したため、
「復水流量」のトレンドが表示されている。
【0063】以上のように、本実施例によれば、診断に
用いる知識について、プラント信号の変化パターンを各
異常原因ごとに記述したテーブル、すなわち、ディシジ
ョンテーブルを用いて表現でき、なおかつ、プラントの
機能階層モデルを基に機能,機器,部品等の単位で分割
したオブジェクトごとに、ディシジョンテーブルを分割
してシステムに実装できる。これによって、ユーザが診
断知識の作成,追加,または変更等のメンテナンスを実
施する場合に、メンテナンスの対象とする機能,機器、
または部品に該当するオブジェクトを選択し、該オブジ
ェクトに実装した診断知識についてメンテナンスを実施
すればよい。
【0064】さらに、本実施例によれば、ディシジョン
テーブルに設定した異常原因項目をグループ化し、上位
オブジェクトにおいては、このグループを基に下位オブ
ジェクトでの診断結果を判定要素として設定できる。こ
れにより、下位オブジェクトから上位オブジェクトへの
診断結果の取り込みが縮約され、ディシジョンテーブル
の判定要素の数、すなわち列数を少なくすることがで
き、診断知識の簡素化を実現できる。このため、診断知
識の編集作業の負担が低減できると共に、診断知識の内
容を把握することが容易になる。
【0065】このため、プラントのように多数のプラン
ト信号を扱うため膨大な量となる診断知識であっても、
メンテナンス箇所を特定することが容易であり、メンテ
ナンス作業に対するユーザの負担を大幅に低減できる。
なおかつ、各オブジェクトに実装した診断知識の記述内
容である、発生異常原因とプラント信号の変化パターン
との対応関係が、テーブルによって表現されているた
め、知識内容が容易に理解でき、プラント信号の変化パ
ターンを修正する作業に加え、判定に用いるプラント信
号の追加,判定結果である異常原因項目の追加,他のオ
ブジェクトとのリンクを設定する作業等が容易に実現で
きる。このため、従来、診断知識のメンテナンスを実施
するのにはプログラミング等の専門知識が必要であった
が、本発明によって専門知識を有していない一般ユーザ
であっても、容易にメンテナンスを実現することができ
る。
【0066】また、本発明によるプラント診断システム
によれば、プラントを構成する機器または部品で異常が
発生し、異常による影響が時間的に緩やかに波及するよ
うな状況においても、診断知識を機能・機器・部品等の
オブジェクト単位で分割して実装し、それぞれのオブジ
ェクトで診断処理を実施しているため、あるオブジェク
トで発生した異常が他のオブジェクトへと波及していく
異常の進展状況を把握することができる。
【0067】本発明による実施例では、プラントを機
能,機器,部品ごとに階層的に分けたオブジェクトに対
応して診断知識を実装し、診断処理を実施したが、必ず
しもオブジェクトを階層的に用意する必要はない。例え
ば、プラントの構成機器ごとにオブジェクトを設定し、
本実施例と同様の処理を行えば、診断知識を機器ごとに
分けて実装できる。この場合、オブジェクト間のリンク
は、機器の間の因果関係を基に設定する。例えば、プラ
ントの構成機器である給水ポンプと復水ポンプをオブジ
ェクトとして設定した場合、給水ポンプは復水ポンプの
下流にあることから、「給水ポンプ」オブジェクトの判
定要素には「復水ポンプ」オブジェクトの診断結果を設
定する。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プラントの診断を行うための診断知識について、ディシ
ジョンテーブルをプラントの機能,機器,部品等を単位
としたオブジェクトごとに分割して実装でき、なおか
つ、各ディシジョンテーブルでの診断結果についてグル
ープ化を行った結果を基に、他のディシジョンテーブル
との結合を図ることができる。これによって、ディシジ
ョンテーブルの判定要素の数を大幅に縮約できるため、
ユーザが診断知識の内容を理解することが容易になり、
なおかつ、編集ツールを用いることで診断知識の作成、
または修正が容易に実施できる。また、オブジェクトご
とに診断処理を実施でき、異常の進展状況を把握するこ
とができる。
【0069】本発明によって、診断知識の作成・修正作
業の負担が軽減できることによる経済的効果、及び、運
転員が診断知識の内容を理解することが容易になり、シ
ステムが出力した診断結果に対して検討を加えることが
可能となること、また、異常の進展状況という詳細な診
断情報を運転員に提供できることによるプラントの安全
性、及び信頼性の向上という効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例になるプラント診断装置
の構成図である。
【図2】(a)及び(b)は図1のプラントデータベー
スの構成を示すアナログ信号及びデジタル信号の図であ
る。
【図3】図2の判定結果データベースの構成を示す図で
ある。
【図4】本発明のオブジェクト構成を示す図である。
【図5】復水ポンプのオブジェクトにおける診断知識を
示す図である。
【図6】モータのオブジェクトにおける診断知識を示す
図である。
【図7】診断知識を実装する際の基盤となるディシジョ
ンテーブルを示す図である。
【図8】ディシジョンテーブルにデジタル信号を設定す
る方法を示す図である。
【図9】ディシジョンテーブルにデジタル信号を設定す
る方法を示す図である。
【図10】ディシジョンテーブルにアナログ信号を設定
する方法を示す図である。
【図11】ディシジョンテーブルにアナログ信号を設定
する方法を示す図である。
【図12】ディシジョンテーブルに下位オブジェクトの
診断結果を設定する方法を示す図である。
【図13】ディシジョンテーブルに下位オブジェクトの
診断結果を設定する方法を示す図である。
【図14】ディシジョンテーブルに異常原因を設定する
方法を示す図である。
【図15】ディシジョンテーブルに表示情報を設定する
方法を示す図である。
【図16】ディシジョンテーブルに判定要素のパターン
を設定する方法を示す図である。
【図17】ディシジョンテーブルの異常原因のグループ
化を設定する方法を示す図である。
【図18】出力装置による診断結果の表示例である。
【図19】一般的なディシジョンテーブルの例を示す図
である。
【図20】従来技術によるディシジョンテーブルの例を
示す図である。
【符号の説明】
1…プラント、2…プラント診断システム、3…出力装
置、4…入出力装置、21…データ記憶部、22…プラ
ントデータベース、23…しきい値判定部、24…判定
結果データベース、25…マッチング処理部、26…診
断知識データベース、27…表示情報制御部、28…診
断知識編集部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異常原因とプラントに関する情報に係る判
    定要素との関係を与えるテーブル形式の診断知識をあら
    かじめ用意し、プラントに係わる情報を取り込み、該診
    断知識と比較することにより、異常原因を同定し、同定
    した異常原因を運転員に提供するプラント診断システム
    において、該診断知識を複数の部分、すなわちオブジェ
    クトに分割して用意すると共に、前記判定要素として用
    いるプラントに係わる情報として、プラント信号の変化
    状態を記号化処理した結果、または他のオブジェクトで
    判定する項目をグループ化した結果を用いることを特徴
    とするプラント診断システム。
  2. 【請求項2】異常原因とプラントに関する情報に係る判
    定要素との関係を与えるテーブル形式の診断知識を記憶
    する手段と、プラントに係わる情報の取り込み手段と、
    該プラントに関する情報と該診断知識とを比較し、異常
    原因を同定する手段と、同定した異常原因を運転員に提
    供する手段を有するプラント診断システムにおいて、プ
    ラントの構成を基に設定した複数のオブジェクトの関連
    を記憶する手段と、該診断知識を各オブジェクトに分割
    して実装する手段と、記号化処理されたプラント信号の
    変化状態、または他のオブジェクトで判定する項目をグ
    ループ化した結果を前記のプラントに係わる情報として
    設定する手段を有する特徴とするプラント診断システ
    ム。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のプラント診断システ
    ムは、オブジェクトが、プラントの機能か、系統か、機
    器か、部品かのいずれか1つの単位とすることを特徴と
    するプラント診断システム。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載のプラント診断システ
    ムは、プラントの機能か、系統か、機器か、部品かのい
    ずれか1つごとに階層的に分けた構成を基にオブジェク
    トを定義し、各オブジェクトは下位の階層に属するオブ
    ジェクトの診断結果をグループ化した結果を取り込むこ
    とを特徴とするプラント診断システム。
  5. 【請求項5】請求項1又は2記載のプラント診断システ
    ムは、診断知識に判定結果として設定する異常原因に対
    応して、該異常原因に関連するプラント信号をあらかじ
    め設定しておき、該異常原因が同定された時は、前記方
    法により設定したプラント信号のトレンドをユーザに提
    供することを特徴とするプラント診断システム。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載のプラント診断システ
    ムは、診断知識を編集する機能を備えたことを特徴とす
    るプラント診断システム。
  7. 【請求項7】請求項6記載のプラント診断システムにお
    ける診断知識の編集機能は、オブジェクトの構成を図示
    した画面を表示し、画面上のオブジェクトを指定するこ
    とにより、指定されたオブジェクトに対応する診断知識
    が表示され、表示された診断知識の内容が編集できるこ
    とを特徴とするプラント診断システム。
  8. 【請求項8】請求項6記載のプラント診断システムにお
    ける診断知識の編集機能は、画面上に表示されたテーブ
    ル形式の診断知識において、診断知識の判定要素に任意
    のプラント信号を設定できるか、判定要素に設定された
    プラント信号の計測値を記号化処理するためのしきい値
    を設定できるか、画面上におけるプラント信号の変化状
    態の表記形式を設定できるかのいずれか1つを選ぶこと
    を特徴とするプラント診断システム。
  9. 【請求項9】請求項6記載のプラント診断システムにお
    ける診断知識の編集機能は、画面上に表示されたテーブ
    ル形式の診断知識において、他のオブジェクトを指定す
    ることにより、該オブジェクトに設定している判定結果
    が表示され、表示された判定結果の項目から1つ以上指
    定することにより、表示されている診断知識の判定要素
    として設定できることを特徴とするプラント診断システ
    ム。
  10. 【請求項10】請求項1又は2記載のプラント診断シス
    テムは、各オブジェクトにおいて同定した異常原因の結
    果を運転員に提供する際に、同定した時刻も併せて提供
    することを特徴とするプラント診断システム。
JP15252098A 1998-06-02 1998-06-02 プラント診断システム Pending JPH11344589A (ja)

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