JPH09272169A - 光学積層体 - Google Patents

光学積層体

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JPH09272169A
JPH09272169A JP8110349A JP11034996A JPH09272169A JP H09272169 A JPH09272169 A JP H09272169A JP 8110349 A JP8110349 A JP 8110349A JP 11034996 A JP11034996 A JP 11034996A JP H09272169 A JPH09272169 A JP H09272169A
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JP
Japan
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film
optical
silicon oxide
oxide layer
polarizing
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Application number
JP8110349A
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Inventor
Yoshihiro Kimura
佳宏 木村
Hisatoshi Yamamoto
尚俊 山本
Hirosuke Sugita
裕輔 杉田
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光学性能及び耐湿熱性に非常に優
れた光学積層体を提供すること。 【解決手段】 少なくとも光学フィルム/非晶質酸化ケ
イ素層/保護フィルムの3層からなり、この順で積層さ
れてなる光学積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学性能及び耐湿熱
性に優れた光学積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、卓上電子計算機、電子時計、ワー
プロ、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用い
られ、これらに伴い偏光板、位相差板、楕円偏光板とい
った光学積層体の需要も増大している。特に、計器類に
おいては苛酷な条件下で使用される場合が多いので高耐
久性及び高偏光度を持った光学積層体が要請されるので
ある。中でも偏光板については、現在知られている代表
的なポリビニルアルコール系偏光フィルムとして、ポリ
ビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたもの
と二色性染料を染色させたものがあり、これらはポリビ
ニルアルコールの水溶液を製膜し、これを一軸延伸させ
て染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましく
はホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられ、
該偏光フィルムの面上に透明なプラスチックフィルムが
保護フィルムとして貼り合わされている。保護フィルム
としては、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース等の酢
酸セルロース系フィルムが表面保護フィルムとして光学
的透明性、無配向性等に優れているため汎用されてい
る。
【0003】しかし、酢酸セルロース系フィルムは吸水
率及び透湿性が大きいため、高温高湿の条件下では上記
構成の偏光板では耐久性を満足しないといった問題点が
ある。このため、偏光フィルムの保護フィルムとして酢
酸セルロース系フィルムに代わるものが種々検討されて
いる。例えば、特開昭53−82433号公報では、保
護フィルムの三酢酸セルロースを用いず、ウレタン樹脂
を偏光フィルム面に塗布硬化させることによって、偏光
フィルムと該ウレタン樹脂塗膜層とが強固に接着された
偏光板が提案されている。
【0004】又、特開昭56−80001号公報でも、
三酢酸セルロースを用いず、分子内に2個以上のイソシ
アネート基を有する化合物と1分子中にイソシアネート
基と反応する活性水素及び重合性不飽和基を有する化合
物、例えばアクリル系モノマーとを反応させて製造した
いわゆるウレタンアクリル系化合物に、イソシアネート
基と反応し得る活性水素を有する樹脂を添加した組成物
を偏光フィルムに塗布し、該偏光フィルムに活性エネル
ギー線を照射して塗膜を硬化させることによって、耐湿
性や接着性が改善された偏光板が提案されている。
【0005】更に、特開昭59−151109号公報、
特開昭59−151110号公報、特開昭59−151
111号公報、特開昭59−151112号公報等に
は、耐久性を改善する目的で、偏光フィルム表面に紫外
線硬化型樹脂(ポリエステルアクリレート系樹脂、アク
リルウレタン系樹脂、等)に各種添加剤(シリカゾル、
凝集性シリカゲル、等)を含む組成物からなる硬化皮膜
層を形成することが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭53−82433号公報及び特開昭56−8000
1号公報開示の偏光板については、性能的には40〜6
0℃かつ90〜95%RH程度の条件下での耐久性しか
実現しておらず、いわゆる中耐久高偏光度タイプの偏光
板を提供するものであり、最近の高度な要求性能に対し
ては耐湿熱性の面でまだまだ満足のいくものではない。
又、特開昭59−151109号公報、特開昭59−1
51110号公報、特開昭59−151111号公報、
特開昭59−151112号公報開示技術については、
偏光板製造直後の表面強度は改善されているものの、耐
久試験評価は行っておらず、耐久性について詳細な検討
はなされていない。そこで、本発明ではこのような背景
下において、耐久性に優れた偏光板、位相差板、楕円偏
光板等の光学積層体であるとともに、耐湿熱性に優れた
高耐久高光学性能タイプの光学積層体を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかるに、本発明者等は
かかる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、少なく
とも光学フィルム/非晶質酸化ケイ素層/保護フィルム
の3層からなり、この順に積層されてなる光学積層体、
好ましくは保護フィルム/非晶質酸化ケイ素層/光学フ
ィルム/非晶質酸化ケイ素層/保護フィルムからなる光
学積層体、特に好ましくは、更に保護フィルムの外側に
非晶質酸化ケイ素層を設けてなる光学積層体が光学性能
及び耐湿熱性に優れることを見いだし、本発明を完成し
た。本発明においては、非晶質酸化ケイ素層が下記化1
で示されるシリケートオリゴマーからなる層であると
き、好ましくは該シリケートオリゴマーがテトラアルコ
キシシランに触媒、水を添加し加水分解縮合して得られ
る部分加水分解物であるとき、より好ましくは該シリケ
ートオリゴマーが溶媒、硬化触媒、水を添加し同様に加
水分解縮合して得られる完全加水分解物であるとき、本
発明の効果を顕著に発揮する。
【0008】
【化1】 ここで、nは1〜20の整数、Rは水素又は炭素数1〜
4のアルキル基、フェニル基である。
【0009】即ち、本発明においては上記化1で示され
るシリケートオリゴマーからなる層を光学フィルムと三
酢酸セルロース等の保護フィルムの間に少なくとも1層
以上設けることが最大の特徴であり、これにより、光学
フィルムの耐湿熱性が向上するのである。尚、本発明に
おいては、上記の如く光学フィルム、非晶質酸化ケイ素
層、保護フィルムが光学フィルム/非晶質酸化ケイ素層
/保護フィルムの順に積層されていればよく、各層間に
任意に接着剤層等の層が介在されてもよい。又、光学フ
ィルムと保護フィルムを上記シリケートオリゴマーから
なる溶液を接着剤として積層する場合は、該接着剤層以
外に必ずしも特に非晶質酸化ケイ素層を設けなくてもよ
い。又、本発明においては、上記光学積層体に、更に粘
着剤層を設けることができ、これにより、光学積層体の
強度、耐久性が向上したり、又、液晶表示体作製時のガ
ラス基板、又は偏光フィルムや位相差フィルム等への貼
合が簡便となり、一段と実用性に富んだ光学積層体が得
られる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の光学フィルムとしては、光学特性を有
するフィルムであれば特に限定されないが、主に偏光フ
ィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム等が好適に
使用される。偏光フィルムとしては特に制限されない
が、好ましくは、ポリビニルアルコール系フィルムの一
軸延伸フィルムである。ポリビニルアルコールは通常、
酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造
されるが、本発明では必ずしもこれに限定されるもので
はなく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミ
ド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテ
ル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能
な成分を含有していても良い。又、ポリビニルアルコー
ル系樹脂を酸の存在下でアルデヒド類と反応させたポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等の
いわゆるポリビニルアセタール樹脂及びその他ポリビニ
ルアルコール系樹脂誘導体も挙げられるが、これらに限
定されるものではない。これらのうちでは、耐熱性が良
好であるという点から、高ケン化度で高重合度のポリビ
ニルアルコールが好ましい。即ちケン化度は85〜10
0モル%、好ましくは98〜100モル%、特に好まし
くは99〜100モル%であり、又、重合度としては任
意のものが使用可能であるが、1000〜10000、
好ましくは2000〜8000、より好ましくは250
0〜5000が有利である。
【0011】本発明の偏光フィルムの製造法としては、
ポリビニルアルコールを水又は有機溶媒に溶解した原液
を流延製膜して、該フィルムを延伸してヨウ素あるいは
二色性染料の水溶液に浸漬し染色するか、延伸と染色を
同時に行うか、ヨウ素あるいは二色性染料により染色し
て延伸するかした後、ホウ素化合物処理する方法が挙げ
られる。又、染色した後ホウ素化合物の溶液中で延伸す
る方法等もあり、適宜選択して用いることができる。原
液調製に際して使用される溶媒としては、例えば水はも
ちろん、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチ
ルピロリドン、グリセリン、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロ
ールプロパン等の多価アルコール、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン等のアミン類及びこれらの混合物
が用いられる。
【0012】上記有機溶媒中には少量、例えば5〜30
重量%の水を含有させても差し支えない。原液中のポリ
ビニルアルコールの濃度は4〜50重量%が実用的であ
る。該溶剤を用いて得られたポリビニルアルコール製膜
原液は、キャスト法、押出法等任意の方法で製膜され
る。製膜方法としては乾・湿式製膜法にて、即ち、該溶
液を口金スリットから一旦空気中、又は窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性雰囲気中に吐出し次いで凝固浴
中に導いて未延伸フィルムを形成せしめる。又は口金か
ら吐出された製膜溶液は一旦ローラー、あるいはベルト
コンベアー等の上で溶剤を一部乾燥した後で凝固浴中に
導入しても差し支えない。
【0013】又、凝固浴に用いる溶媒には前記ポリビニ
ルアルコールの溶剤と混和性を有するもので、例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の
アルコール類、アセトン、ベンゼン、トルエン等が挙げ
られる。ポリビニルアルコール系フィルムを得る方法と
しては、その他ポリビニルアルコールの溶液を凝固浴中
に導入してフィルム化するいわゆるゲル製膜法等も実施
可能である。
【0014】原反フィルムとしてはその膜厚は30〜1
00μm、好ましくは50〜90μmが必要である。3
0μm以下では延伸不能となり、100μm以上では膜
厚精度が低下し不適当である。前記の如くして得られる
ポリビニルアルコール未延伸フィルムは次に延伸及び染
色、ホウ素化合物処理が施される。延伸と染色更にホウ
素化合物処理は別々に行っても同時に行っても良いが、
本発明では染色工程、ホウ素化合物処理工程の少なくと
も一方の工程中に一軸延伸を実施することが望ましい。
【0015】延伸は一軸方向に3.5〜10倍、好まし
くは4.5〜7倍延伸することが望ましい。この際、前
記と直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する
程度あるいはそれ以上の延伸)を行っても差し支えな
い。延伸時の温度条件は40〜130℃から選ぶのが望
ましい。更に、かかる延伸倍率は最終的に上記の範囲に
設定されれば良く、延伸操作は一段階のみならず、製造
工程の任意の範囲の段階に実施すれば良い。
【0016】フィルムへの染色つまり偏光素子の吸着は
フィルムに偏光素子を含有する液体を接触させることに
よって行われる。通常はヨウ素−ヨウ化カリの水溶液が
用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/l、ヨウ化カ
リの濃度は10〜50g/l、ヨウ素/ヨウ化カリの重
量比は20〜100が適当である。染色時間は30〜5
00秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜50
℃、好ましくは5〜40℃が好ましい。水溶媒以外に水
と相溶性のある有機溶媒を少量含有させても差し支えな
い。接触手段としては浸漬、塗布、噴霧等の任意の手段
が適用できる。
【0017】染色処理されたフィルムは次いでホウ素化
合物によって処理される。ホウ素化合物としてはホウ
酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は水溶液又は
水−有機溶媒混合液の形で濃度0.5〜2モル/l程度
で用いられ、液中には少量のヨウ化カリを共存させるの
が実用上望ましい。処理法は浸漬法が望ましいが勿論塗
布法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は50〜
70℃程度、処理時間は5〜20分程度が好ましく、又
必要に応じて処理中に延伸操作を行っても良い。
【0018】尚、該ホウ素化合物による処理は、ポリビ
ニルアルコール系樹脂溶液にあらかじめホウ素化合物を
添加して製膜することにより代替することも可能であ
る。このようにして、本発明に用いられるヨウ素染色さ
れたポリビニルアルコール系偏光フィルムが得られるわ
けであるが、本発明では特に該偏光フィルムが80℃、
90%RHの雰囲気中で200時間放置処理後のラマン
分光法による励起波長514.5nmのAr+レーザー
照射時の105cm-1及び157cm-1のスペクトル強
度をa1及びb1とし、該放置処理前の該スペクトル強度
をa0及びb0とした時、(b1/a1)/(b0/a0)>
0.7、好ましくは1.5>(b1/a1)/(b0
0)>0.7を満足することが好ましく、かかる偏光
フィルムは上述した偏光フィルムの製造条件をコントロ
ールすることによって上式を満足させることができる。
【0019】例えば、原反として高重合度のポリビニル
アルコール系樹脂を選択したり、偏光フィルムの製造時
の延伸工程において垂直方向の延伸を付加したり、2段
階以上の多段階に分けて延伸したり、三酢酸セルロース
フィルム等の保護層を積層後乾燥処理を施したりする方
法等を単独又は適宜組み合わせることによって実現する
ことができるが、これらに限定されるものではない。
尚、上記の偏光フィルムの、80℃、90%RHの雰囲
気中で200時間放置処理に当たっては、処理前の偏光
フィルムの両面に接着剤としてポリビニルアルコール水
溶液を(塗布乾燥厚み0.01μm)を用いて、表面が
アルカリケン化し中和させた三酢酸セルロースフィルム
(80μm)を貼着した積層体を試料とし、該試料を上
記の条件で放置処理を行った後、該試料をシクロヘキサ
ノン中に20℃で12時間浸漬させて両面の三酢酸セル
ロースフィルムを溶解して完全に取り除き、風乾等によ
り表面付着溶剤を完全に除去した後の偏光フィルム単体
のスペクトル強度を放置処理後のスペクトル強度とし
た。(上記三酢酸セルロースフィルムの除去に当たって
は、該フィルムを削り取る等して物理的に除去する方法
も可能である。)
【0020】又、上記の放置処理前の偏光フィルムのス
ペクトル強度測定においては偏光フィルムの製造上等の
都合により、該偏光フィルムに三酢酸セルロースフィル
ム等の保護層が積層されているときは、上記等の方法に
より該保護層を剥がして偏光フィルム単体のスペクトル
強度を測定するのである。(保護層がアクリル系樹脂の
場合には、アセトン、ベンゼン、トルエン等の溶剤を用
いることもある。)
【0021】更に詳しく説明すると、先ず、前述の如き
方法で得られた偏光フィルムをラマン分光測定器(例え
ば、日本分光社製、Jasco NR−1800M)を
用いて、励起波長として514.5nmのAr+レーザ
ーを照射(出力2mW)し、この時の105cm-1及び
157cm-1のスペクトル強度a0及びb0を室温で測定
(測定時間;16sec×5回、測定径;200μm、
測定モード;後方散乱)する。次に上記の如く該偏光フ
ィルムの両面に三酢酸セルロースフィルムを貼着後、8
0℃、90%RHの雰囲気中で200時間放置した後取
り出してシクロヘキサノン中で該三酢酸セルロースフィ
ルムを剥離した後、上記と同様にラマン分光測定器によ
り、再度偏光フィルム単体の105cm-1及び157c
-1のスペクトル強度a1及びb1を測定するのである。
【0022】上記のスペクトル強度の決定に当たって
は、上記の測定方法により得られたチャートのピークか
らそれぞれのスペクトル強度を読み取るのであるが、該
スペクトル強度の決定は最小自乗法を用いた波形分離法
により行い、その際各ピークは3変数(スペクトル位
置、スペクトル強度、半価幅)を含むローレンツ関数
を、ベースラインは2変数(切片、傾き)を含む直線関
数と仮定して波形分離を行い、各スペクトル強度を決定
するのである。そして、上記のa0、b0、a1及びb1
らなる(b1/a1)/(b0/a0)の値が0.7を越え
る偏光フィルムが本発明で有効な偏光フィルムであり、
好ましくは0.7〜1.5である。該値が0.7以下で
は偏光フィルムの耐久性が劣ることとなる。更に本発明
では、上記の(b0/a0)の値が1.1より少ないと
き、即ち(b0/a0)<1.1の条件を満たすとき、高
温・高湿時の耐久性に優れており、特に有用である。
【0023】又、本発明で用いる偏光フィルムにおい
て、偏光フィルムがポリビニルアルコール系フィルムか
らなり、かつ、偏光フィルムの両面に三酢酸セルロース
フィルムを設けた時の波長460nm及び640nmで
の平行透過率(A)と直交透過率(B)の比がともに2
000以上、好ましくは2000〜5000である偏光
フィルム、より好ましくは更に直交透過率(B)が可視
光全般にわたって0.02%以下、好ましくは0.00
01〜0.015%である偏光フィルムも好ましく用い
られる。尚、平行透過率(A)と直交透過率(B)の比
の測定に当たっては偏光フィルムの両面に三酢酸セルロ
ースフィルムを設けた偏光板として測定を行い、上記平
行透過率(A)とは2枚の偏光板をその配向方向が同一
になるように重ね合わせた場合の透過率(%)を、直交
透過率(B)とは2枚の偏光板をその配向方向が垂直に
なるように重ね合わせた場合の透過率(%)をそれぞれ
意味する。
【0024】上記偏光フィルム、即ち波長460nm及
び640nmでの平行透過率(A)と直交透過率(B)
の比がともに2000以上の偏光フィルムの製造方法と
しては特に制限されないが、例えば下記の方法が採用さ
れ得る。即ち、前述と同様に、ポリビニルアルコール系
樹脂を水又は有機溶媒に溶解した原液を流延製膜して、
該フィルムを延伸してヨウ素化合物あるいは二色性染料
の水溶液に浸漬し染色するか、延伸と染色を同時に行う
か、ヨウ素化合物あるいは二色性染料により染色して延
伸するかした後、ホウ素化合物処理する。又、染色した
後ホウ素化合物の溶液中で延伸することも可能であり、
適宜選択して用いることができる。しかる後に、水洗処
理を行い、その後再度ヨウ素化合物又は二色性染料で再
染色を行うことが重要で、これにより特定の偏光フィル
ムが得られるのである。
【0025】かかる水洗処理については、5〜30℃、
好ましくは10〜20℃で、2分間以下、好ましくは1
分間以下浸漬することにより行われる。勿論浸漬に限ら
ず、噴霧、塗布等も可能である。又、再染色処理につい
ては、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨ
ウ素の濃度は0.001〜1g/l、好ましくは0.0
1〜1g/l、ヨウ化カリウムの濃度は10〜50g/
l、好ましくは10〜30g/l、染色時間は10〜5
00秒、好ましくは30〜300秒程度が実用的であ
る。処理浴の温度は5〜30℃が好ましい。水溶媒以外
に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させても差し支
えない。接触手段としては浸漬が好ましいが、塗布、噴
霧等、任意の手段が適用できる。再染色処理後は、30
〜80℃で30〜500秒間乾燥を行うことにより、ポ
リビニルアルコール系偏光フィルムが得られる。
【0026】又、本発明において、位相差フィルムも有
効であり、位相差フィルムには特に制限されることな
く、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィ
ン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタアク
リレート、液晶ポリマー、トリアセチルセルロース系樹
脂、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物、ポリ塩化ビニル等のフィルムが採用される
が、主としてポリカーボネート、ポリビニルアルコール
系樹脂のフィルムが用いられる。
【0027】ポリビニルアルコール系樹脂としては通常
酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造
されるが、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、ア
ミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエー
テル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可
能な成分を含有していても良い。又、ポリビニルアルコ
ールを酸の存在下でアルデヒド類と反応させた、例えば
ポリブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等のい
わゆるポリビニルアセタール樹脂及びポリビニルアルコ
ール誘導体が挙げられる。平均重合体は500〜100
00、好ましくは1000〜5000、ケン化度は80
〜100モル%、好ましくは90〜100モル%のもの
で、無延伸フィルムのものでもよいが、1.01〜4
倍、好ましくは1.01〜3倍程度に一軸延伸されたも
のであることが望まれる。更に、本発明においては、光
学フィルムとして上記の偏光フィルムと位相差フィルム
とを組み合わせた楕円偏光フィルムを用いることも有効
である。楕円偏光フィルムの具体的な層構成としては、
例えば、(保護フィルム/)偏光フィルム/(保護フィ
ルム/)粘着剤層/(保護フィルム/)位相差フィルム
/(保護フィルム/)等が代表的である。
【0028】かかる光学フィルムと積層される非晶質酸
化ケイ素層としては特に制限されることなく任意のもの
が使用可能であるが、本発明では、例えば前記の化1で
示されるシリケートオリゴマーからなる層であることが
好ましい。該化1で示されるシリケートオリゴマーとし
ては、特に制限はなく任意の方法で調製され得る。例え
ば、下記の方法で調製される。
【0029】該シリケートオリゴマーは、例えばテトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロピ
オキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコ
キシシラン、又はテトラフェノキシシランを加水分解す
ることにより得られる。nはこの場合の加水分解率を制
御することにより調整できる。加水分解反応自体は、公
知の方法によることができ、例えば、上記テトラアルコ
キシシランに所定量の水を加えて酸触媒の存在下に、副
生するアルコールを留去しながら、通常室温程度〜10
0℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは
加水分解し、更に縮合反応によりヒドロキシル基を2以
上有する液状のシリケートオリゴマー(通常平均重合度
2〜8程度、好ましくは3〜6)が加水分解物として得
られる。加水分解の程度は、使用する水の量により適宜
調節することができるが、本発明においては通常40〜
90%程度、好適には60〜80%程度から選ばれる。
【0030】ここで、加水分解の程度は、加水分解可能
な基、即ちテトラアルコキシシランにおいてはアルコキ
シ基を全て加水分解縮合するために必要な理論水量即ち
アルコキシ基の数の1/2の水を添加したときを加水分
解率100%とし、 加水分解率(%)=(実際の添加水量/加水分解理論水
量)×100 として求める。
【0031】こうして得られたシリケートオリゴマーに
はモノマーが通常2〜10%程度含有されている。この
モノマーが含有されていると貯蔵安定性に欠け、保存中
に増粘し、膜形成が困難となるので、モノマー含有量が
1重量%以下、好ましくは0.3重量%以下になるよう
に、このモノマー除去をフラッシュ蒸留、真空蒸留で行
う。
【0032】本発明では、上記の如くテトラアルコキシ
シランに触媒、水を添加して得られる部分加水分解物が
用いられるが、特に好ましくは、完全加水分解物が用い
られる。該完全加水分解物は、例えば上記の部分加水分
解物に溶媒を配合し、次いで硬化触媒と水を添加する等
の方法により得られる。かかる溶媒としては、メチルア
ルコール、エチルアルコールを1種又は2種使用するの
が安価であること、及び得られる皮膜の特性が優れ硬度
が良好であることから好適である。イソプロピルアルコ
ール、n−ブタノール、イソブタノール、オクタノール
等も用いることができるが、得られた皮膜の硬度が低く
なる傾向にある。溶媒量は部分加水分解物100重量部
に対して50〜400重量部、好ましくは100〜25
0重量部がよい。
【0033】硬化触媒としては酸、アルカリ、有機金
属、金属アルコキシド等があるが、好ましくは酸、特に
酢酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸等が用いられ
る。添加量は部分加水分解物100重量部に対して1〜
10重量部、好ましくは1〜5重量部がよい。又、水添
加量については部分加水分解物が理論上100%加水分
解し得る量以上の量であればよく、100〜300%相
当量、好ましくは100〜200%相当量を添加するの
がよい。更に、本発明ではこれら成分を配合した後、熟
成させることが好ましく、かかる熟成工程により、テト
ラアルコキシシランの加水分解、縮合による架橋が充分
に進み、得られた皮膜の特性が優れたものとなる。
【0034】液の熟成は、液を放置すればよく、放置す
る時間は、上述の架橋が所望の膜特性を得るのに充分な
程度進行するのに充分な時間であり、具体的には用いる
触媒の種類にもよるが、塩酸では室温で1時間以上、マ
レイン酸では数時間以上、特に好ましくは8時間〜1週
間程度で充分であり、通常3日前後である。熟成を要す
る時間はまた周囲の温度にも影響を与え、極寒地では2
0℃付近まで加熱する手段を採ったほうがよいこともあ
る。一般に高温では熟成が速く進むが100℃以上にも
加熱するとゲル化が起こるので、せいぜい50〜60℃
までの加熱が適切である。又、本発明で用いるシリケー
トオリゴマーについては、上記の他に、例えばエポキシ
基、アミノ基、イソシアネート基、カルボキシル基等の
官能基を有する有機化合物(モノマー、オリゴマー、ポ
リマー)等により変性した変性物であっても差し支えな
く、単独又は上記シリケートオリゴマーと併用すること
も可能である。
【0035】かくして上記化1で示されるシリケートオ
リゴマーが得られるが、該シリケートオリゴマー中のS
iO2含有量は1〜100%、好ましくは10〜99%
であることが望まれる。かかるSiO2含有量が1%未
満では耐久性の向上が見られなくなり本発明の効果を発
揮しない。
【0036】かかるシリケートオリゴマーより上記非晶
質酸化ケイ素層を形成させる方法については特に制限さ
れないが、例えば上記シリケートオリゴマーを光学フィ
ルムの光学性能を阻害しない溶剤、例えばアルコール
(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等)、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ、メチ
ルグリコールアセテート、エチレングリコールアセテー
ト、メトキシブチルアセテート、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチレン
クロライド、トルエン、キシレン、ミネラムスピリッ
ト、クレゾール、キシレノール、フラフラール、ナフサ
等にて希釈し、バーコーター、ロールコーター、グラビ
アコーター、リバースコーター、リップコーター等、公
知の方法により基材に塗工、加熱処理することで可能で
ある。
【0037】又、保護フィルムには、光学的透明度と機
械的強度に優れたフィルムが用いられる。該保護フィル
ムとしては、従来から知られている酢酸セルロース系フ
ィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系樹脂フィ
ルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリカーボネー
ト系フィルム、ポリエーテルエーテルケトン系フィル
ム、ポリスルホン系フィルム等が挙げられるが、好適に
は三酢酸セルロースフィルム等の酢酸セルロース系フィ
ルムが用いられる。保護フィルムとしての厚みは1〜2
00μmが好適である。
【0038】更に、必要に応じて、上記樹脂フィルムに
サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノール系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート
系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤を配
合させることも可能である。又、該保護フィルムの表面
をアルカリでケン化処理したり、プラズマ処理、グロー
放電処理、コロナ放電処理、高周波処理、電子線処理等
を行うと、更に効果的である。
【0039】本発明においては、上記の如き光学フィル
ム、非晶質酸化ケイ素層及び保護フィルムが少なくとも
光学フィルム/非晶質酸化ケイ素層/保護フィルムの順
に積層されていればよく、その積層方法については限定
されず任意の方法が採用され得る。その方法としては例
えば、光学フィルムに非晶質酸化ケイ素層を形成し更に
その外側に保護フィルムを積層したり、逆に保護フィル
ムに非晶質酸化ケイ素層を形成し更に光学フィルムを積
層したりする等の方法があり、適宜選択される。光学フ
ィルムに非晶質酸化ケイ素層を形成するには、光学フィ
ルム表面に前記のシリケートオリゴマーからなる溶液を
塗布、加熱処理させる方法や、予め該シリケートオリゴ
マーからなる溶液から皮膜を作製しておき、かかる皮膜
を接着剤で貼着する方法等が採用することができ、更に
保護フィルムを積層するには形成された非晶質酸化ケイ
素層側に接着剤で保護フィルムを貼着する方法等が採用
できる。
【0040】又、保護フィルムに非晶質酸化ケイ素層を
形成するには、上記と同様に保護フィルム表面に前記の
シリケートオリゴマーからなる溶液を塗布、加熱処理さ
せる方法や、予め該シリケートオリゴマーからなる溶液
から皮膜を作製しておき、かかる皮膜を接着剤で貼着す
る方法等が採用することができ、更に光学フィルムを積
層するには形成された非晶質酸化ケイ素層側に接着剤で
光学フィルムを貼着する方法等が採用できる。
【0041】かかる接着剤としては特に制限なくポリビ
ニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ウレタ
ン系、アクリル系、エポキシ系等の親水性高分子の水溶
液、上記化1で示されるシリケートオリゴマー等が用い
られる。中でも本発明では特に上記シリケートオリゴマ
ーからなる溶液を接着剤として用いるとき、本発明の効
果が顕著に発揮される。本発明においては、該シリケー
トオリゴマーからなる溶液を接着剤として用いる場合
は、光学フィルムと保護フィルムの間に非晶質酸化ケイ
素層を必ずしも設けなくてもよく、該接着剤層を非晶質
酸化ケイ素層の代用とすることも可能である。
【0042】又、本発明では前記したように、該シリケ
ートオリゴマーからなる溶液を光学フィルムあるいは保
護フィルムに塗布し、次いで加熱処理を施し積層するわ
けであるが、勿論、浸漬、噴霧等の方法も可能で、いず
れの方法により積層されてもよい。該加熱処理は20〜
200℃、好ましくは50〜200℃、更に好ましくは
50〜180℃の条件で行われる。又、該非晶質酸化ケ
イ素層の層厚みは乾燥後の厚みで0.001〜50μ、
好ましくは0.01〜50μである。尚、以下に記載の
如き各種層構成を有する積層体においても同様に製造す
ることができる。
【0043】本発明の光学積層体の層構成としては、例
えば、光学フィルム/非晶質酸化ケイ素層/保護フィル
ム、保護フィルム/非晶質酸化ケイ素層/光学フィルム
/保護フィルム、保護フィルム/非晶質酸化ケイ素層/
光学フィルム/非晶質酸化ケイ素層、保護フィルム/非
晶質酸化ケイ素層/光学フィルム/非晶質酸化ケイ素層
/保護フィルム、等が挙げられるが、中でも保護フィル
ム/非晶質酸化ケイ素層/光学フィルム/非晶質酸化ケ
イ素層/保護フィルムが耐湿熱性の点で最も好ましい。
更に本発明では、保護フィルムの外側に、更に上記と同
様の非晶質酸化ケイ素層を設けることも有効であり、耐
湿熱性に非常に優れた効果を示す。
【0044】更に本発明では、必要に応じて非晶質酸化
ケイ素層あるいは保護フィルム中に紫外線吸収剤を含有
させたり、本発明の光学積層体の外側に反射防止層を設
けたりすることもできる。該紫外線吸収剤としては前記
のサリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノール系化
合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレー
ト系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられ、反射
防止層としては高屈折率の物質(例えばチタン、セリウ
ム、タンタル等の金属酸化物等)と低屈折率の物質(例
えば酸化ケイ素、フッ化マグネシウム等)を交互に積層
して得られる層あるいは低屈折率の物質(例えば酸化ケ
イ素、フッ化マグネシウム、フッ素含有ポリマー等)か
らなる単層のものが挙げられる。
【0045】又、本発明の光学積層体については、必要
に応じて更に粘着剤層を設けることができ、液晶表示体
作製時のガラス基板、又は偏光フィルムと位相差フィル
ムの貼合等が簡便となり、一段と実用性に富んだ光学積
層体が得られる。粘着剤層の積層に際して、光学積層体
の層構成により適宜選択されるが、例えば、光学フィル
ム層の片面に非晶質酸化ケイ素層及び保護フィルムが形
成されている場合は、該粘着剤層は耐湿熱性向上の点で
光学フィルム層表面に設けることが好ましい。又、光学
フィルム層の両面に非晶質酸化ケイ素層及び保護フィル
ムが形成されている場合は、該粘着剤層はいずれかの保
護フィルム表面(保護フィルムの外側に非晶質酸化ケイ
素層が設けられている場合は非晶質酸化ケイ素層表面)
のみでも良い。但し、これらに限定されない。
【0046】かかる粘着剤層としてはアクリル酸エステ
ル、例えばアクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等とα−
モノオレフィンカルボン酸、例えばアクリル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸、メタクリル酸、クロトン酸等との共
重合物(アクリルニトリル、酢酸ビニル、スチロールの
如きビニル単量体を添加したものも含む。)を主体とす
るものが、光学フィルムの光学特性を阻害することがな
いので特に好ましいが、これに限定されることなく、透
明性を有する粘着剤であれば使用可能で、例えばポリビ
ニルエーテル系、ゴム系等でもよい。
【0047】本発明の光学積層体は、光学フィルムと保
護フィルムの間に非晶質酸化ケイ素層、好ましくは上記
化1で示されるシリケートオリゴマーからなる層を設け
ているため、高光学特性はもとより耐湿熱性に非常に優
れ、更に粘着剤層を設けることにより非常に実用的な偏
光板、位相差板、楕円偏光板といった光学積層体とな
る。かかる特性を利用して液晶表示体の用途に用いら
れ、特に車両用途、各種工業計器類、家庭用電化製品の
表示等に有用である。
【0048】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて具体的
に説明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特
に断りのない限り重量基準である。又、本発明でいう偏
光度は [(H11−H1)/(H11+H1)]1/2×100(%) で示され、H11は2枚の偏光フィルムサンプルの重ね合
わせ時において、偏光フィルムの配向方向が同一方向に
なるように重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定
した透過率(%)、H1は2枚のサンプルの重ね合わせ
時において、偏光フィルムの配向方向が互いに直交する
方向になるように重ね合わせた状態で測定した透過率
(%)である。
【0049】非晶質酸化ケイ素層としては、下記のシリ
ケートオリゴマー(A)〜(C)を用いた。 [シリケートオリゴマー(A)の調製]撹拌機と還流用
コンデンサー及び温度計を付けた500mlの3つ口丸
底フラスコに、テトラメトキシシラン234gとメタノ
ール74gを加えて混合した後、0.05%塩酸22.
2gを加え、内温度65℃、2時間加水分解反応を行っ
た。次いで、コンデンサーを抽出管に切り替え、内温度
が150℃になるまで昇温し、メタノールで抽出させ更
に150℃、3時間加熱し縮合して加水分解物を得た。
(重合度は3〜6でヒドロキシル基10以上、テトラメ
トキシシランオリゴマー中のモノマー量は5%であっ
た。) 引き続き100〜150℃に加熱したジャケットでテト
ラメトキシシランオリゴマーを煮沸させて、気化したモ
ノマーを不活性ガスと共に系外に排出し、こうしてテト
ラメトキシシランオリゴマーを得た。得られたテトラメ
トキシシランオリゴマー中のモノマー量は0.2%であ
った。
【0050】[シリケートオリゴマー(B)の調製]上
記で得られたテトラメトキシシランオリゴマー33.7
8gにエタノール19.16g配合し、次いでマレイン
酸0.35g及び脱塩素水7.28gを添加した。水添
加量はテトラメトキシシランオリゴマーを理論上100
%加水分解し得る量に対し113%である。その後室温
で2日放置し熟成し、(B)を得た。
【0051】[シリケートオリゴマー(C)の調製]前
記のテトラメトキシシランに代えてテトラエトキシシラ
ンを使用し、上記(B)の調製と同様にして、シリケー
トオリゴマー(C)を得た。
【0052】実施例1 平均重合度1700、平均ケン化度99.5モル%のポ
リビニルアルコールを水に溶解し、5.0重量%濃度の
水溶液を得た。該液をポリエチレンテレフタレートフイ
ルム上に流延後、乾燥して膜厚60μのフイルムを得
た。このフイルムを10cm巾に切断しチャックに装着
した。該フイルムをヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリ6
0g/lよりなる水溶液中に30℃にて4分間浸漬し
た。次いでホウ酸70g/l、ヨウ化カリ30g/lの
組成の水溶液に55℃にて5分間浸漬すると共に、先ず
2.2倍に延伸し、次いで1.7倍に延伸して、更に
1.5倍に延伸した後、20℃で10秒間水洗し、風乾
で24時間乾燥を行って偏光フィルムを得た。そして、
予め表面をアルカリ処理し酸で中和した三酢酸セルロー
スフィルム(80μm厚)をポリビニルアルコール接着
剤(3%水溶液、乾燥塗布厚0.01μm)を用いて該
偏光フィルムの両面に貼着後100℃で1分間乾燥させ
て偏光板を得た。次に該偏光板をシクロヘキサノン中に
20℃で12時間浸漬させて該三酢酸セルロースフィル
ムを完全に取り除いて偏光フィルム(F−1)を得た。
【0053】尚、該偏光フィルム(F−1)(20mm
×20mm)をラマン分光測定器(日本分光社製、Ja
sco NR−1800M)を用いて、励起波長として
514.5nmのAr+レーザーを照射して本文中に記
載の条件にて105cm-1及び157cm-1のスペクト
ル強度を室温で測定したところ、37.81(a0)及
び29.88(b0)であった。更に該偏光フィルムの
両面に保護フィルムとして上記の三酢酸セルロースフィ
ルムを再度ポリビニルアルコール接着剤で上記の方法と
同様に接着して三酢酸セルロース/偏光フィルム/三酢
酸セルロースの3層積層体(偏光板)を得、次に該3
層積層体を80℃、90%RHの雰囲気中で200時間
放置して処理後の3層積層体を得た後、該積層体をシク
ロヘキサノン中に20℃で12時間浸漬させて該保護層
を取り除いて偏光フィルム単体として、同様にラマン分
光測定器により、再度該偏光フィルムの105cm-1
び157cm-1のスペクトル強度を測定したところ、3
0.94(a1)及び28.38(b1)で、これらの測
定値より(b0/a0)及び(b1/a1)/(b0/a0
の値を算出すると0.79及び1.16であった。
【0054】一方、膜厚80μmの三酢酸セルロースフ
ィルムの片面にシリケートオリゴマー(A)のメタノー
ルとエタノールの混合溶液(濃度10%)をバーコータ
ーにより塗布し、その後150℃で1時間加熱処理し、
三酢酸セルロースフィルムとシリケートオリゴマー
(A)の積層体(シリケートオリゴマー(A)層の厚
み:乾燥後の厚みで3.0μm)を得た。
【0055】上記偏光フィルム(F−1)の両面に、上
記三酢酸セルロースフィルムとシリケートオリゴマー
(A)層の積層体のシリケートオリゴマー(A)層面
を、接着剤としてポリビニルアルコール水溶液(濃度
2.7%)を用いて貼合し、更にその一方の三酢酸セル
ロースフィルムの外面にアクリル系粘着剤(組成:アク
リル酸n−ブチル/アクリル酸=95/5(重量比)1
00部に対してコロネートL(日本ポリウレタン社製)
1部を添加したもの)層を設け、ガラス板に貼合した。
(初期偏光度は99.6%であった。) これより得られた偏光板を80℃、90%RHに350
時間放置した後、該偏光板の偏光度変化及び外観変化を
測定することで耐湿熱性を評価した。尚、外観変化につ
いては、上記耐久試験後の偏光板の色抜けを目視により
4段階(◎〜×)で評価した。
【0056】実施例2 実施例1において、平均重合度2600、平均ケン化度
99.5モル%のポリビニルアルコールを用い、延伸工
程において最初の延伸倍率を2倍に変更して得られる偏
光フィルム(F−2)を用い、又、シリケートオリゴマ
ー(A)を(B)に代え、シリケートオリゴマー(B)
層の厚みを2.0μmに代えた以外は、実施例1と同様
の操作を行い、偏光板を得、耐湿熱性及び外観変化を評
価した。尚、ラマン分光測定器によりa0、b0、a1
びb1を測定したところ、a0=42.23、b0=3
6.32、a1=27.42、b1=22.53でこれら
の測定値より(b0/a0)及び(b1/a1)/(b0
0)の値を算出すると0.86及び0.95であっ
た。
【0057】実施例3 実施例2において、シリケートオリゴマー(B)を
(C)に代え、シリケートオリゴマー(C)層の厚みを
3.0μmに代えた以外は同様の操作を行い、偏光板を
得、耐湿熱性及び外観変化を評価した。
【0058】実施例4 実施例1において、平均重合度4000、平均ケン化度
99.5モル%のポリビニルアルコールを用い、延伸工
程において先ず3倍に延伸し、次いで1.7倍に延伸す
る2段のみの延伸処理とし、三酢酸セルロースフィルム
積層後の乾燥温度を60℃に変更して得られる偏光フィ
ルム(F−3)を用い、シリケートオリゴマー(A)層
の厚みを2.0μmに代えた以外は、実施例1と同様の
操作を行い、偏光板を得、耐湿熱性及び外観変化を評価
した。尚、ラマン分光測定器によりa0、b0、a1及び
1を測定したところ、a0=35.27、b0=31.
69、a1=39.63、b1=27.05でこれらの測
定値より(b0/a0)及び(b1/a1)/(b0/a0
の値を算出すると0.90及び0.76であった。
【0059】実施例5 実施例4において、シリケートオリゴマー(A)を
(B)に代え、シリケートオリゴマー(B)層の厚みを
3.0μmに代えた以外は同様の操作を行い、偏光板を
得、耐湿熱性及び外観変化を評価した。
【0060】実施例6 実施例4において、シリケートオリゴマー(A)を
(C)に代え、シリケートオリゴマー(C)層の厚みを
2.0μmに代えた以外は同様の操作を行い、偏光板を
得、耐湿熱性及び外観変化を評価した。
【0061】実施例7 実施例1において、下記偏光フィルム(F−4)を用い
た以外は同様に行い、偏光板を得、耐湿熱性及び外観変
化を評価した。平均重合度3800、ケン化度99.5
モル%のポリビニルアルコールを水に溶解し、5.0%
の溶液を得た。該溶液をポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に流延後乾燥し原反フィルム(80μm)を得
た。該フィルムをチャックに装着し、ヨウ素0.2g/
l、ヨウ化カリウム60g/lよりなる水溶液中に30
℃にて240秒浸漬し、次いでホウ酸70g/l、ヨウ
化カリウム30g/lの組成の水溶液に浸漬すると共
に、同時に6.0倍に一軸延伸しつつ5分間にわたって
ホウ酸処理を行った。次に、20℃の水洗槽に20秒間
浸漬した後、ヨウ素0.05g/l、ヨウ化カリウム2
0g/lよりなる水溶液中に20℃にて20秒間浸漬
し、最後に室温で24時間乾燥し、偏光フィルム(F−
4)を得た。
【0062】尚、該偏光フィルム(F−4)の両面に三
酢酸セルロースフィルムをポリビニルアルコール系接着
剤(4%水溶液)により接着し、偏光板を得たときの、
該偏光板の、波長460nm及び640nmにおける平
行透過率(A)と直交透過率(B)とを高速多波長複屈
折測定装置(大塚電子(株)製:RETS−2000)
により測定し、各々の波長における(A)/(B)の値
を算出したところ460nmでは2483(32.29
/0.013)、640nmでは4366(34.93
/0.008)であった。
【0063】実施例8 実施例7において、シリケートオリゴマー(A)を
(B)に代え、シリケートオリゴマー(B)層の厚みを
2.0μmに代えた以外は同様の操作を行い、偏光板を
得、耐湿熱性及び外観変化を評価した。
【0064】実施例9 実施例7において、シリケートオリゴマー(A)を
(C)に代え、シリケートオリゴマー(C)層の厚みを
3.0μmに代えた以外は同様の操作を行い、偏光板を
得、耐湿熱性及び外観変化を評価した。
【0065】実施例10 実施例7において、平均重合度1700、ケン化度9
9.7モル%のポリビニルアルコールに代えて得られる
偏光フィルム(F−5)を用い、又、シリケートオリゴ
マー(A)を(C)に代え、シリケートオリゴマー
(C)層の厚みを2.0μmに代えた以外は同様の操作
を行い、偏光板を得、耐湿熱性及び外観変化を評価し
た。
【0066】尚、偏光フィルム(F−5)の両面に三酢
酸セルロースフィルムをポリビニルアルコール系接着剤
(4%水溶液)により接着し、偏光板を得たときの、該
偏光板の、波長460nm及び640nmにおける平行
透過率(A)と直交透過率(B)とを高速多波長複屈折
測定装置(大塚電子(株)製:RETS−2000)に
より測定し、各々の波長における(A)/(B)の値を
算出したところ460nmでは2014(30.22/
0.015)、640nmでは4178(33.43/
0.008)であった。
【0067】実施例11 実施例6において、接着剤としてのポリビニルアルコー
ル水溶液(濃度2.7%)をシリケートオリゴマー
(A)のメタノールとエタノールの混合溶液(濃度10
%)に代えた以外は同様に行い、偏光板を得、耐湿熱性
及び外観変化を評価した。
【0068】実施例12 実施例6において、三酢酸セルロースフィルムの片面に
シリケートオリゴマー(A)層を設けた三酢酸セルロー
スフィルムとシリケートオリゴマー(A)の積層体を、
三酢酸セルロースフィルムの両面にシリケートオリゴマ
ー(A)層を設けたシリケートオリゴマー(A)/三酢
酸セルロースフィルム/シリケートオリゴマー(A)の
積層体に代えた以外は同様に行い、偏光板を得、耐湿熱
性及び外観変化を評価した。
【0069】比較例1〜5 表1に示す如き偏光フィルム(F−1〜5)を用いて、
シリケートオリゴマーの層を設けなかった以外は実施例
1と同様に行い、耐湿熱性を評価した。
【0070】比較例6 実施例1において、シリケートオリゴマー(A)層の代
わりにポリエステルポリオールとヘキサメチレンジイソ
シアネートからなるウレタン樹脂塗膜層(乾燥後の厚み
で3.0μ)を設けた以外は同様に行い、耐湿熱性を評
価した。
【0071】実施例13 実施例1において、偏光フィルムを、平均重合度170
0、平均ケン化度99.5モル%、2倍延伸のポリビニ
ルアルコールフィルム(膜厚50μm)からなる位相差
フィルムに代えた以外は同様に行った。これより得られ
た位相差板を55℃、95%RHに300時間放置した
後、該位相差板の光学特性変化及び外観変化を測定する
ことで耐湿熱性を評価した。
【0072】尚、位相差板の光学特性については、レタ
ーデーション値(RD)を測定した。位相差フィルムの
レターデーション値(RD)とは、主延伸方向(MD方
向)及びこれに垂直な方向(TD方向)における屈折率
(IIMD−IITD)と位相差フィルムの厚さ(d)との積で
定義され、バビネ型コンペンサーター付の偏光顕微鏡
(ニコンPOH−1型)を用い補償法にて測定した(光
源は白色光)。
【0073】実施例14 実施例2において、偏光フィルムを、平均重合度380
0、平均ケン化度99.5モル%、2.2倍延伸のポリ
ビニルアルコールフィルム(膜厚50μm)からなる位
相差フィルムに代えた以外は同様に行った。これより得
られた位相差板を実施例13と同様に光学特性変化及び
外観変化を測定することで耐湿熱性を評価した。
【0074】実施例15 実施例3において、偏光フィルムを、平均重合度260
0、平均ケン化度99.5モル%、2.1倍延伸のポリ
ビニルアルコールフィルム(膜厚50μm)からなる位
相差フィルムに代えた以外は同様に行った。これより得
られた位相差板を実施例13と同様に光学特性変化及び
外観変化を測定することで耐湿熱性を評価した。
【0075】比較例7 実施例13において、シリケートオリゴマー(A)から
なる層を設けなかった以外は同様に行い、光学特性変化
及び外観変化を測定することで耐湿熱性を評価した。
【0076】実施例16 実施例1で用いた偏光フィルム及び実施例13で用いた
位相差フィルムを用いて、三酢酸セルロースフィルム/
シリケートオリゴマー(C)層/偏光フィルム/シリケ
ートオリゴマー(C)層/三酢酸セルロースフィルム/
粘着剤層/三酢酸セルロースフィルム/シリケートオリ
ゴマー(C)層/位相差フィルム/シリケートオリゴマ
ー(C)層/三酢酸セルロースフィルム/粘着剤層の構
成をもった楕円偏光板を作製し、該楕円偏光板を62
℃、93%RHに290時間放置した後、光学特性変化
(RD値で評価)及び外観変化を測定し、耐湿熱性を評
価した。実施例、比較例の結果をまとめて表1、2に示
す。
【0077】
【表1】 (偏光板) 偏光 シリケート シリケートオリ 偏光度変化 外観 フィルム オリゴマー ゴマー層の 初期 耐久後 変化率 変化 厚み(μ) (%) (%) (%) 実施例 1 F-1 (A) 3.0 99.6 84.4 15.2 ◎ 〃 2 F-2 (B) 2.0 99.7 92.8 6.9 ◎ 〃 3 F-2 (C) 3.0 99.7 92.9 6.8 ◎ 〃 4 F-3 (A) 2.0 99.9 96.9 3.0 ◎ 〃 5 F-3 (B) 3.0 99.9 96.8 3.1 ◎ 〃 6 F-3 (C) 2.0 99.9 96.9 3.0 ◎ 〃 7 F-4 (A) 3.0 99.8 96.4 3.4 ◎ 〃 8 F-4 (B) 2.0 99.8 96.3 3.5 ◎ 〃 9 F-4 (C) 3.0 99.8 96.5 3.3 ◎ 〃 10 F-5 (C) 2.0 99.7 84.8 14.9 ◎ 〃 11 F-3 (C) 2.0 99.9 97.1 2.8 ◎ 〃 12 F-3 (C) 2.0 99.9 97.1 2.8 ◎ 比較例 1 F-1 −− −− 99.6 45.0 54.6 × 〃 2 F-2 −− −− 99.7 74.9 24.8 × 〃 3 F-3 −− −− 99.9 80.5 19.4 × 〃 4 F-4 −− −− 99.8 80.1 19.7 × 〃 5 F-5 −− −− 99.7 45.7 54.0 × 〃 6 F-1(ウレタン樹脂)(3.0) 99.6 80.4 19.2 ×
【0078】 注)F−1:実施例1で用いた偏光フィルム F−2:実施例2で用いた偏光フィルム F−3:実施例4で用いた偏光フィルム F−4:実施例7で用いた偏光フィルム F−5:実施例10で用いた偏光フィルム
【0079】
【表2】 (位相差板、楕円偏光板) シリケート シリケートオリゴマー 光学特性変化 外観変化 オリゴマー 層の厚み 初期 耐久後 変化率 (μ) (nm) (nm) (%) 実施例13 (A) 3.0 390 360 30 ◎ 〃 14 (B) 2.0 390 362 28 ◎ 〃 15 (C) 3.0 390 361 29 ◎ 比較例 7 −− −− 390 349 41 × 実施例16 (C) 3.0 390 360 30 ◎
【0080】
【発明の効果】本発明の光学積層体は、光学フィルムと
保護フィルムの間に非晶質酸化ケイ素層を設けたことに
より、高光学性能に加えて、耐久性、耐湿熱性に非常に
優れた光学積層体である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光学フィルム/非晶質酸化ケ
    イ素層/保護フィルムの3層からなり、この順に積層さ
    れてなることを特徴とする光学積層体。
  2. 【請求項2】 保護フィルム/非晶質酸化ケイ素層/光
    学フィルム/非晶質酸化ケイ素層/保護フィルムからな
    ることを特徴とする請求項1記載の光学積層体。
  3. 【請求項3】 更に、保護フィルムの外側に非晶質酸化
    ケイ素層を設けてなることを特徴とする請求項1又は2
    載の光学積層体。
  4. 【請求項4】 非晶質酸化ケイ素層が下記化1で示され
    るシリケートオリゴマーからなる層であることを特徴と
    する請求項1、2又は3記載の光学積層体。 【化1】 ここで、nは1〜20の整数、Rは水素又は炭素数1〜
    4のアルキル基、フェニル基である。
  5. 【請求項5】 上記化1で示されるシリケートオリゴマ
    ーがテトラアルコキシシランに触媒、水を添加し加水分
    解縮合して得られる部分加水分解物であることを特徴と
    する請求項4記載の光学積層体。
  6. 【請求項6】 上記化1で示されるシリケートオリゴマ
    ーがテトラアルコキシシランに溶媒、硬化触媒、水を添
    加し加水分解縮合して得られる完全加水分解物であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の光学積層体。
  7. 【請求項7】 光学フィルムが偏光フィルム、位相差フ
    ィルム、楕円偏光フィルムのいずれかであることを特徴
    とする請求項1〜6いずれか記載の光学積層体。
  8. 【請求項8】 偏光フィルムがポリビニルアルコール系
    フィルムからなり、かつ、80℃、90%RHの雰囲気
    中で200時間放置後のラマン分光法による励起波長5
    14.5nmのAr+レーザー照射時の105cm-1
    び157cm-1のスペクトル強度をそれぞれa1及びb1
    とし、該偏光フィルム放置処理前の該スペクトル強度を
    それぞれa0及びb0とする時、(b1/a1)/(b0
    0)>0.7を満足することを特徴とする請求項7記
    載の光学積層体。
  9. 【請求項9】 偏光フィルムがポリビニルアルコール系
    フィルムからなり、かつ、偏光フイルムの両面に三酢酸
    セルロースフイルムを設けた時の波長460nm及び6
    40nmでの平行透過率(A)と直交透過率(B)の比
    がともに2000以上であることを特徴とする請求項7
    記載の光学積層体。
  10. 【請求項10】 ポリビニルアルコール系フィルムが重
    合度2000〜8000のポリビニルアルコール系樹脂
    からなるフィルムであることを特徴とする請求項8又は
    9記載の光学積層体。
  11. 【請求項11】 ポリビニルアルコール系フィルムが重
    合度2500〜5000のポリビニルアルコール系樹脂
    からなるフィルムであることを特徴とする請求項8又は
    9記載の光学積層体。
  12. 【請求項12】 保護フィルムが酢酸セルロース系フィ
    ルムであることを特徴とする請求項1〜11いずれか記
    載の光学積層体。
  13. 【請求項13】 最外層の少なくとも一方の外側に粘着
    剤層を設けたことを特徴とする請求項1〜12いずれか
    記載の光学積層体。
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