JPH09271621A - 工事現場の集塵器具 - Google Patents

工事現場の集塵器具

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JPH09271621A
JPH09271621A JP8104628A JP10462896A JPH09271621A JP H09271621 A JPH09271621 A JP H09271621A JP 8104628 A JP8104628 A JP 8104628A JP 10462896 A JP10462896 A JP 10462896A JP H09271621 A JPH09271621 A JP H09271621A
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    • B25DPERCUSSIVE TOOLS
    • B25D17/00Details of, or accessories for, portable power-driven percussive tools
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23QDETAILS, COMPONENTS, OR ACCESSORIES FOR MACHINE TOOLS, e.g. ARRANGEMENTS FOR COPYING OR CONTROLLING; MACHINE TOOLS IN GENERAL CHARACTERISED BY THE CONSTRUCTION OF PARTICULAR DETAILS OR COMPONENTS; COMBINATIONS OR ASSOCIATIONS OF METAL-WORKING MACHINES, NOT DIRECTED TO A PARTICULAR RESULT
    • B23Q11/00Accessories fitted to machine tools for keeping tools or parts of the machine in good working condition or for cooling work; Safety devices specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, machine tools
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  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Auxiliary Devices For Machine Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】建築工事などにおけるコンクリートの破砕作業
で発生した破片や粉塵を効果的に回収することができ
る。 【解決手段】一方を大きく開口したお碗型の塵埃捕獲体
164と、塵埃捕獲体164の底の中心に開口されて破
砕工具を出没させる作業口165、166と、作業口1
65、166に固定され、破砕工具は進入させるが空気
の流動を阻止する空気閉鎖手段167、168と、塵埃
捕獲体164の開口の周囲に固定され、柔軟な材料で形
成され破砕の作業をする面に接触する密閉手段176、
177と、塵埃捕獲体164に連通され、その内部の空
気を吸引する排気手段171とから構成され、塵埃捕獲
体164の開口を破砕の作業をする面に向けて密閉手段
176、177を介して密着させ、排気手段171より
塵埃捕獲体164と作業をする面で形成された空間より
空気を吸引することにより、塵埃捕獲体164を作業を
する面に固定し、破砕する際に発生した塵埃を排気手段
171より排出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築工事などにおける
コンクリートの破砕作業で発生した破片や粉塵を効果的
に回収することができる工事現場の集塵器具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】建物の建築工事、リフォーム、ビルの解
体、管路の貫通、ハツリなどの作業において、コンクリ
ート製や石造りの床、壁、天井を破砕する作業がしばし
ば発生していた。このような破砕作業では、電動ドリル
に取り付けたドリルを床面、壁面、天井面に接触させ、
ドリルで穴を穿ったり、関通口を開口させていた。ま
た、電動ハンマーに取り付けたビットを床面、壁面、天
井面に接触させ、ビットに振動を与えることによりそれ
らの表面を剥がしたり、ハツルことがあった。このよう
な破砕作業では、コンクリート製や石造りの床、壁、天
井をドリルやビットで衝撃を与え、コンクリートや石を
破壊してしまうことができ、ハンマーとノミによる手作
業の工事よりも効率的なものであった。
【0003】このような破砕作業では、ドリルやビット
をコンクリートや石に衝撃的に衝突させ、コンクリート
や石を破砕させるため、作業現場ではコンクリートや石
の粉塵や小片が飛散することになっていた。このような
作業環境では、細かな粉塵が飛散することとなり、特
に、閉鎖した屋内で作業すると粉塵が白い霧のように漂
うことになった。この粉塵が飛散している環境で作業員
が空気を吸引すると、ジン肺などの原因となり、極めて
非衛生なものであった。このような劣悪な作業環境で健
康管理を行うために、作業員は防塵マスクを着用し、破
砕作業で発生した粉塵を吸引しないように防止してい
た。しかし、防塵マスクを着用していても、必ずしも吸
引している空気の中から全ての粉塵を除去できるもので
はなく、障害を完全に防止することはできにくいもので
あった。また、破砕作業で粉塵が発生すると、その作業
をしている周辺に粉塵が流出し、防塵マスクをしていな
い他の作業員がコンクリートの粉塵を吸引する結果とな
り、二次汚染の要因となっていた。
【0004】さらに、コンクリートや石を破砕すると、
その破砕作業の終わった作業現場の周囲の床には細かな
小片や粉塵が散らばり、作業後には掃除をしなければな
らないものであった。破砕によるコンクリートや石の粉
塵は細かな粒子であり、箒で掃いても容易には清掃でき
ず、手数が掛かるものであった。また、清掃し易いよう
に水を散布して粉塵に湿気を与えても、水と粉塵が混ざ
らすにコロイド状となり、さらに掃きにくい結果となっ
ており、清掃のための時間がかかることになっていた。
このような破砕作業においては、作業後における清掃作
業を省力化でき、衛生を向上させるために、粉塵を発生
させないのが好ましいものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コンクリー
ト製や石造りの床、壁、天井等の破砕作業を行う際に、
破砕によって発生したコンクリートや石の小片や粉塵を
効果的に回収することができるものである。そして、破
砕現場においては、小片や粉塵を周囲に撒き散らすこと
なく、真空吸引機により回収し、作業後における清掃を
解消し、衛生的な環境を保持させることができる工事現
場の集塵器具を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一方を大きく
開口したお碗型の塵埃捕獲体と、塵埃捕獲体の底の中心
に開口されて破砕工具を出没させる作業口と、作業口に
固定され、破砕工具は進入させるが空気の流動を阻止す
る空気閉鎖手段と、塵埃捕獲体の開口の周囲に固定さ
れ、柔軟な材料で形成され破砕の作業をする面に接触す
る密閉手段と、塵埃捕獲体に連通され、その内部の空気
を吸引する排気手段とから構成され、塵埃捕獲体の開口
を破砕の作業をする面に向けて密閉手段を介して密着さ
せ、排気手段より塵埃捕獲体と作業をする面で形成され
た空間より空気を吸引することにより、塵埃捕獲体を作
業をする面に固定し、空気閉鎖手段より破砕工具を挿通
して作業をする面を破砕する際に発生した塵埃を排気手
段より排出させることを特徴とする工事現場の集塵器具
を提供するものである(請求項1記載の発明)。
【0007】また、本発明は、一方を大きく開口したお
碗型の塵埃捕獲体と、塵埃捕獲体の底の中心に開口され
て破砕工具を出没させる作業口と、作業口に固定され、
破砕工具は進入させるが空気の流動を阻止する空気閉鎖
手段と、塵埃捕獲体の開口の周囲に固定され、柔軟な材
料で形成され破砕の作業をする面に接触する密閉手段
と、塵埃捕獲体に連通され、その内部の空気を吸引する
排気手段と、柔軟な材料で形成され、一方を大きく開口
して破砕の作業をする面と接触する吸盤型をした吸着手
段と、吸着手段と塵埃捕獲体を連結する結合手段と、吸
着手段の内部の空気を吸引して負圧とする吸気手段とか
ら構成され、塵埃捕獲体の開口を破砕の作業をする面に
向けて密閉手段を介して密着させ、吸気手段により吸着
手段の内部空間を負圧として吸着手段を作業をする面で
固定することで塵埃捕獲体をその位置に保持させ、排気
手段より塵埃捕獲体と作業をする面で形成された空間よ
り空気を吸引することにより、空気閉鎖手段より破砕工
具を挿通して作業をする面を破砕する際に発生した塵埃
を排気手段より排出させることを特徴とする工事現場の
集塵器具を提供するものである(請求項2記載の発
明)。
【0008】そして、本発明は、一方を大きく開口した
お碗型の塵埃捕獲体と、塵埃捕獲体をその内部に収納し
て二重の周壁を形成した、一方を大きく開口したお碗型
をした負圧発生体と、塵埃捕獲体の底の中心に開口され
て破砕工具を出没させる作業口と、作業口に固定され、
破砕工具は進入させるが空気の流動を阻止する空気閉鎖
手段と、塵埃捕獲体と負圧発生体のそれぞれの開口の周
囲に固定され、柔軟な材料で形成され破砕の作業をする
面に接触する密閉手段と、負圧発生体に連通され、塵埃
捕獲体と負圧発生体の間にある空間の空気を吸引する排
気手段と、塵埃捕獲体の側面の内外面を連通して空気の
流動を行わせる導通手段とから構成され、塵埃捕獲体と
負圧発生体のそれぞれの開口を破砕の作業をする面に向
けて密閉手段を介して密着させ、排気手段より塵埃捕獲
体と負圧発生体の間にある空間の空気を吸引することに
より、塵埃捕獲体と負圧発生体を作業をする面に固定
し、空気閉鎖手段より破砕工具を挿通して作業をする面
を破砕する際に発生した塵埃を導通手段を通過させて排
気手段より排出させることを特徴とする工事現場の集塵
器具を提供するものである(請求項3記載の発明)。
【0009】さらに、本発明は、一方を大きく開口した
お碗型の塵埃捕獲体と、塵埃捕獲体をその内部に収納し
て二重の周壁を形成した、一方を大きく開口したお碗型
をした負圧発生体と、塵埃捕獲体の底の中心に開口され
て破砕工具を出没させる作業口と、作業口に固定され、
破砕工具は進入させるが空気の流動を阻止する空気閉鎖
手段と、塵埃捕獲体と負圧発生体のそれぞれの開口の周
囲に固定され、柔軟な材料で形成され破砕の作業をする
面に接触する密閉手段と、負圧発生体に連通され、塵埃
捕獲体と負圧発生体の間にある空間の空気を吸引する排
気手段と、塵埃捕獲体に連通され、塵埃捕獲体の内部の
空気を吸引する塵埃排出手段とから構成され、塵埃捕獲
体と負圧発生体のそれぞれの開口を破砕の作業をする面
に向けて密閉手段を介して密着させ、排気手段より塵埃
捕獲体と負圧発生体の間にある空間の空気を吸引するこ
とにより、塵埃捕獲体と負圧発生体を作業をする面に固
定し、空気閉鎖手段より破砕工具を挿通して作業をする
面を破砕する際に発生した塵埃を塵埃排出手段より排出
させることを特徴とする工事現場の集塵器具を提供する
ものである(請求項4記載の発明)。
【0010】そして、本発明では、前述の空気閉鎖手段
は、弾性力のある平板をその中心から放射状に切れ目を
入れ、切れ目によって弾性のある閉鎖小片を形成したこ
とを特徴とする請求項1乃至4記載の工事現場の集塵器
具を提供するものである(請求項5記載の発明)。
【0011】また、本発明では、前述の空気閉鎖手段
は、弾性力のある平板をその中心から放射状に切れ目を
入れ、切れ目によって弾性のある閉鎖小片を形成し、こ
の切れ目を入れた平板を複数枚上下に積み重ねたことを
特徴とする請求項1乃至4記載の工事現場の集塵器具を
提供するものである(請求項6記載の発明)。
【0012】さらに、本発明では、前述の空気閉鎖手段
は、弾性力のある平板をその中心から放射状に切れ目を
入れ、切れ目によって弾性のある閉鎖小片を形成し、こ
の切れ目を入れた平板を複数枚上下に積み重ね、切れ目
が上下方向で重ならないように配置したことを特徴とす
る請求項1乃至4記載の工事現場の集塵器具を提供する
ものである(請求項7記載の発明)。
【0013】そして、本発明では、前述の排気手段にエ
ゼクターを接続し、エゼクターの吸引側に吸気手段を接
続し、排気手段からエゼクターを通過する空気流により
吸気手段から空気を吸引させることを特徴とする請求項
2記載の工事現場の集塵器具を提供するものである(請
求項8記載の発明)。
【0014】
【実施の態様】以下、本発明の一実施の態様について、
図面を参照しながら説明する。この図1は実施の態様に
おける集塵器具11を上方から見た平面図であり、図2
は図1中においてAーAを矢視した断面図であり、図3
は集塵器具11を組み立てる前の各部品の構成を示す分
解斜視図である。図1は組み立てられた状態の集塵器具
11を示し、図2は組み立てられた状態の集塵器具11
を壁面Bに吸着させた状態を示している。
【0015】図1で示すように、この集塵器具11の主
要な部材である吸着体12は、その外観が金ダライを逆
さにして形状であり、金ダライの底に相当する部分であ
る上面は円形をした平面となっている。この吸着体12
の円形の上面には円形の空気閉鎖手段としてのシャッタ
ーシート16を密着してあり、このシャッターシート1
6の上面の周囲にはリング状をした薄肉金属製の止め環
17を密着して固定してある。この吸着体12の外周に
は内部が中空の排気手段としての吸気パイプ21を連結
してあり、吸気パイプ21の中心軸は吸着体12の中心
を外すように斜めに向けてある。また、吸気パイプ21
の終端には蛇腹状をしたチューブ(後述する)の先端を
接合するためのジョイント23が固着してある。さら
に、直線状となった吸気パイプ21の側面であって吸着
体12に接近した位置には、外径が小さく内部中空の塵
埃排出手段としての分岐パイプ22の一端を結合してあ
り、この分岐パイプ22はその軸線を吸気パイプ21の
軸線とは斜めになるように配置してある。この分岐パイ
プ22の他端は吸着体12の外側に挿入してあり、内部
の二重になった空間(後述する)と連通してある。こう
して、吸着体12の側面には枝別れした吸気パイプ21
と分岐パイプ22が串刺しのように連結され、フライパ
ンの柄を斜めに取り付けたような外観形状となってい
る。
【0016】次に、図2は吸着体12の内部構造を示す
ために上下で切断したものである。この吸着体12は図
2で示すように、その内部は二重の断面構造となってお
り、吸着体12は負圧発生体としての負圧発生体として
の外カバー体13と塵埃捕獲体としての内隔離体14と
で構成されている。この外カバー体13は金ダライを伏
せたような形状をしており、内隔離体14はお碗を伏せ
たような形状をしている。この外カバー体13の内部空
間は内隔離体14の外径よりも大きく、外カバー体13
に内隔離体14を収納しても両者の間には適度な隙間が
形成できるような寸法となっている。外カバー体13の
上面であって金ダライの底に相当する部分(図2で上
部)は平坦な円形をしていて、その中央には底の直径の
半分程度の穴が開口してあり、リング状の形状となって
いる。さらに、外カバー体13の周囲は太鼓の胴のよう
に円弧を帯びた曲面に形成され、その下端(図2で下
方)は水平方向に広がったリング状の平面となってい
る。この下端の平面には、スポンジのような弾力性のあ
る材料でリング状に形成された密閉手段としてのクッシ
ョンリング26を固着してあり、このクッションリング
26の下面が図2で示すように壁面Bと接触することが
できる。
【0017】また、内隔離体14はその下部がお碗状で
上部が円筒形をしており、下方に大きく開口し、上端は
円筒形をした開口があり、この上部の筒状となった開口
が作業口15となっている。このため、内隔離体14は
フラスコの底部分を切断して上下を貫通させたような形
状となっていおり、この上部の円筒形の首部分の上端を
外カバー体13の上面の円形の開口に接合してある。そ
して、内隔離体14の外周は半球形をしていて、その下
端は水平方向に広がったリング状の平面となっていて、
この平面にはスポンジのような弾力性のある材料でリン
グ状に形成された密閉手段としてのクッションリング2
7が固着してあり、このクッションリング27の下面が
図2で示すように壁面Bと接触することができる。
【0018】そして、外カバー体13の下端にある水平
方向に広がったリング状の平面と、内隔離体14の下端
にある水平方向に広がったリング状の平面とは、同じ高
さ位置に設定してある。このため、両クッションリング
26、27の平面は同じ平面位置にあり、図2で示すよ
うに、壁面Bに密着させた際には各クッションリング2
6、27が同時に壁面Bと接触することができる。ま
た、外カバー体13の内部に内隔離体14を収納してあ
るため、外カバー体13の内部空間は二重に区切られ、
クッションリング26、27が壁面Bと接触すると外カ
バー体13の内部は、外カバー体13の内側と内隔離体
14の外側により形成された空間Cと、内隔離体14の
内部に形成された空間Dに区分されることになる。
【0019】前述した外カバー体13の金ダライを伏せ
た底の部分は平坦なリング状をした平面であり、この平
面には円盤形をしたシャッターシート16を密着してあ
り、このシャッターシート16の上面の周囲にはリング
状をした止め環17が密着させてある。この止め環17
は、薄肉の金属板の中心を大きく円形に切断して開口を
形成してあり、止め環17と外カバー体13の上面をネ
ジによって締め付けることによりシャッターシート16
を上下から挟んで固定している。このシャッターシート
16は弾力性のあるやや厚肉のビニールやゴムを素材と
しており、円盤形をした中心から周囲に向かって複数の
切れ目47を放射状に切込んで加工してある。このシャ
ッターシート16の切れ目47の中心は前述した内隔離
体14の作業口15の中心線と一致させてある。これら
の切れ目47によってシャッターシート16の中央は弾
性を持たせて開閉でき、この切れ目47の中心からドリ
ルやビットを作業口15の内部に挿入することができ
る。挿入したドリルやビットの周囲には切れ目47によ
って細分化されたシャッターシート16の部材が密着し
て遮断し、空間Dから空気が逃げるのを防止することが
できる。
【0020】そして、前述の外カバー体13の太鼓状と
なった側面には吸気パイプ21の先端が連通してあり、
この吸気パイプ21の先端の開口は吸気口35となって
おり、吸気パイプ21と外カバー体13の内部の空間C
とが連通している。この吸気パイプ21の側面には、そ
の軸線とは斜めの方向に向けた分岐パイプ22が連結し
てあり、吸気パイプ21の側面と分岐パイプ22の一端
とはその内部で空気が流動できるように連通してある。
また、分岐パイプ22の他方は外カバー体13の側面の
突き抜けており、分岐パイプ22の他端は内隔離体14
の側面に連通してある。この分岐パイプ22の他端の開
口は内隔離体14の側面で吸気口44となっており、分
岐パイプ22は内隔離体14の内部の空間Dと連通して
ある。
【0021】次に、図3により、集塵器具11を構成す
る各部材を分解し、それぞれの部材の構成を詳しく説明
する。
【0022】前述した外カバー体13の全体は金ダライ
を伏せたような形状をしており、この外カバー体13に
おける金ダライの底に相当する上面はリング部31とな
っており、このリング部31は円形をしていてその中央
には開口32が貫通開口してある。この開口32の内径
はリング部31の外径の半分程度に設定してあり、リン
グ部31は平坦な環状形をしている。そして、リング部
31の周囲には等間隔にネジ穴37が開口してある。平
坦なリング部31の外周には下方に向かって膨らんだや
や円筒形の胴部33が接続してあり、胴部33は金ダラ
イの周面部に対応するものとなっている。この胴部33
は図3で示すように、下方に向かって外径が拡大してカ
ーブを描いており、胴部33の下端周縁には水平方向に
広がったリング状の圧着部34が連結してあり、圧着部
34は金ダライの縁部に対応するものとなっている。な
お、胴部33の側面には円形をした吸気口35が貫通開
口してあり、胴部33の側面であって吸気口35に接近
した位置には導通口36が貫通開口してある。
【0023】前述した内隔離体14は外カバー体13の
内部空間に収納されるものであり、この内隔離体14の
外形はフラスコの下半分を切断したような形状となって
いる。この内隔離体14の上部は円筒形をした首部41
であり、この首部41の中央の開口が図2で示す作業口
15と対応している。そして、首部41の下部にはスカ
ート部42が連続して接続してあり、スカート部42は
お碗を伏せたような形状であり、下方に向かって円弧形
となるようなカーブを描いている。スカート部42の広
がった下端の円形となった周縁には圧着部43が連結し
てあり、この圧着部43は水平方向に広がったリング形
をしている。なお、スカート部42の側面には分岐パイ
プ22を接続する吸気口44を開口してある。
【0024】外カバー体13と内隔離体14はこのよう
な形状に形成してあり、両者はFRPや強化プラスチッ
ク、或いは薄肉のアルミニュームなどを材料として成形
されている。これらの外カバー体13と内隔離体14を
組み立てるには、首部41の上端を開口32に挿入し、
首部41の上端外周と開口32の内周との間に接着剤を
注入することで両者を結合させる。こうして、外カバー
体13の内部空間に内隔離体14が収納されて固定され
吸着体12として組み立てられ、外カバー体13の内部
には図2で示すような二重の空間が区分されたことにな
る。このように外カバー体13と内隔離体14を組み立
てた状態において、圧着部34の下面と圧着部43の下
面とが同じ平面となるように設定しておく。
【0025】このように組み立てられた外カバー体13
の側面にある吸気口35には吸気パイプ21の先端を嵌
め合わせ、吸気口35の内周と吸気パイプ21の先端外
周の間に接着剤を注入することにより、吸気パイプ21
を吸気口35に連結する。吸気パイプ21を吸気口35
に嵌め込むと同時に、分岐パイプ22を導通口36に挿
入して外カバー体13の内部に挿通させ、さらに、分岐
パイプ22の先端を吸気口44の内周に嵌め合わせる。
そして、分岐パイプ22の先端外周と吸気口44の内周
との間に接着剤を注入し、分岐パイプ22を吸気口44
に固着する。なお、分岐パイプ22の一端は予め吸気パ
イプ21の側面に固着してあり、Yの字形に枝分かれし
た形状で準備されており、分岐パイプ22と吸気パイプ
21はその内部で空気が流動できるように連通させてあ
る。
【0026】次に、前述したシャッターシート16の構
成を図4と共に説明すると、シャッターシート16はや
や肉厚のビニール板やゴム板等の男性力をもつ材料を素
材とした円盤形であり、その外径はリング部31の外径
とほぼ同一となるように設定してある。このシャッター
シート16の中心から周囲に向けては放射状に複数の切
れ目47が直線状に切り込んであり、各切れ目47の終
端はシャッターシート16の周縁の少し手前で止めてあ
り、輪切りになったレモンのような形状となっている。
このようにシャッターシート16の中心より放射状に切
れ目47を切り込むことにより、シャッターシート16
の中心には二等辺三角形をした複数の閉鎖小片としての
弾性三角片49が分離されたことになる。このシャッタ
ーシート16の素材は弾性力のあるビニール板やゴム板
を素材としているので、分離された各弾性三角片49は
上側や下側に対して反復力を持って曲げることができる
(図4のように、上側に曲げた状態を参照のこと)。こ
のように、各弾性三角片49がその三角形の底辺を周囲
に結合したままで、弾性力をもって曲げることができる
ため、切れ目47の中心線にドリルやビットを挿入する
と、各弾性三角片49はそれぞれ挿入方向に曲げられる
ため、ドリルやビットの挿入に対して抵抗を生じなく進
入させることを許容する。しかも、各弾性三角片49は
復元力があるため、挿入されたドリルやビットの周囲に
密着し、空気が漏れないように遮蔽している。なお、シ
ャッターシート16の周囲には、間隔を置いて複数箇所
にネジ穴48を上下に貫通開口してある。
【0027】そして、止め環17は薄肉の金属材料を素
材とし、その外径はシャッターシート16の外径とほぼ
同一に設定してあり、その中心にはやや径の大きい開口
を開通してある。このため、止め環17は幅の狭い大径
のリング形状をしており、止め環17の周囲には、間隔
を置いて複数箇所にネジ穴50を上下に貫通開口してあ
る。
【0028】このシャッターシート16と止め環17を
吸着体12に取り付けるには、シャッターシート16を
リング部31の上面に密着させ、シャッターシート16
の上面に止め環17を密着させ、各ネジ穴37、48、
50の位置を一致させる。そして、ボルト51を止め環
17の上方からネジ穴50、48、37の順に挿入し、
各ボルト51の下端をリング部31の下面に突出させ
る。そして、リング部31の裏側よりナット52をボル
ト51にネジ込み、ナット52を締め付けることにより
リング部31にシャッターシート16と止め環17を固
定することができる。こうすると、シャッターシート1
6の上下面は止め環17とリング部31によって挟み込
まれて固定されたことになり、しかも、シャッターシー
ト16の中央部分は止め環17の中央に形成した開口で
開放されていて、外部に露出していることになる。
【0029】前述したクッションリング26、27はス
ポンジや発泡性ゴムを素材としており、弾性があり、か
つ、原型に反復できる能力を持ったいる。このクッショ
ンリング26はその外径を圧着部34の外径とほぼ同一
としたリング状をしており、クッションリング26は圧
着部34の下面に接着剤などで気密に固定してある。同
様に、クッションリング27はその外径を圧着部43の
外径とほぼ同一としたリング状をしており、クッション
リング27は圧着部43の下面に接着剤などで気密に固
定してある。各クッションリング26、27は弾性があ
るため、図2で示すように、圧着部34、43を壁面B
に向けて押し当てると、クッションリング26、27が
壁面Bと密着し、その弾性によって壁面Bの表面形状に
沿って変形し、空気が外カバー体13、内隔離体14の
内部空間より漏れ出さないように防いでいる。
【0030】このように組み立てられた本実施の態様の
集塵器具11を使用し、実際にコンクリートの壁面Bを
破砕する作業を図5と共に説明する。
【0031】コンクリート製の壁面B(例えば、完成し
たビルの屋内や躯体など)であって、これからこの壁面
Bに穴を開口しようとする位置に集塵器具11を設置す
る。この設置では、集塵器具11にあるシャッターシー
ト16の中心(切れ目47の中央のこと)を開口しよう
とする穴の位置に合わせる。そして、外カバー体13に
おけるクッションリング26と内隔離体14におけるク
ッションリング27をそれぞれ壁面Bの表面に密着させ
る。そして、ジョイント23の開口に連通ホース58の
一端を接続し、連通ホース58の他端は真空吸引機56
に設けた接続パイプ57に連結する。この真空吸引機5
6は、内部に収納した電動モーターにより駆動される吸
引ポンプを持ち、塵埃と空気を分離できる塵埃回収袋を
収納しており、従来から一般に知られている真空掃除機
と同一の構成である。通常は、この真空吸引機56を掃
除機として使用し、接続パイプ57にはホースを接続し
て、床面のゴミや塵埃を吸引して清掃作業に用いること
ができる。そして、接続パイプ57から吸引したゴミや
塵埃は紙又は布で形成された塵埃回収袋で捕獲されて分
離できる作用を持っている。
【0032】この真空吸引機56を作動させると、接続
パイプ57、連通ホース58を介して吸気パイプ21か
ら空気を真空吸引機56の方向に吸引し、集塵器具11
の内部の空気を排出することで大気圧よりも低い圧力に
維持させる。つまり、図2で示したように吸気パイプ2
1、分岐パイプ22の先端の開口の吸気口35、吸気口
44からは空気が常時真空吸引機56に吸引されてお
り、空間C、D内の空気圧を負圧となるように保持させ
る。この空気の排出において、空間Cでは外カバー体1
3と内隔離体14によって区切られ、下方(図5では壁
面Bの表面に密着した側)の開口はクッションリング2
6、27により気密性を持って壁面Bと密着しているた
め、外部からは空気の流動が無い閉鎖されたドーナッツ
状の空間となる。このように、空間Cは外部とは気密に
閉鎖され、しかも、空気が吸気口35より排出されてい
るため、大気圧は外カバー体13の外面を押さえつけ、
外カバー体13(すなわち、集塵器具11全体でもあ
る)を壁面Bから落下しないように固定することにな
る。このため、集塵器具11全体は壁面Bに保持された
まま、最初に設定した位置に止められて落下することが
ない。この真空吸引機56を作動させ、吸気口35から
空間Cの内圧を負圧に維持している限りは、集塵器具1
1は壁面Bに吸着させられ続けることになる。
【0033】このように集塵器具11を壁面Bに吸着さ
せたままの状態で、電動ハンマー61に取り付けたビッ
ト62の先端をシャッターシート16の中央に挿入する
(このビット62は超硬質合金で形成されたもので、電
動ハンマー61を駆動させることにより強力に前後進し
て、コンクリートの壁面Bに穴を穿つことができるもの
である)。このビット62をシャッターシート16の中
央に挿入すると、切れ目47で仕切られたそれぞれの弾
性三角片49はその弾性で曲げられ、ビット62の進入
を妨げることがない。このため、ビット62の先端は図
2で示す、内隔離体14の内部に位置した壁面Bの面に
接触することができる。このビット62を挿入した後で
は、それぞれの弾性三角片49がビット62の側面にそ
の弾性で密着し、空気が外部から空間Dに流入して圧力
が高くならないように抑制している。このようにビット
62を挿入したなら、電動ハンマー61を駆動させると
ビット62は壁面Bに強い衝撃力で衝突し、壁面Bに所
定の径の穴を穿つことができる。そして、このビット6
2が壁面Bに衝突してコンクリートを穿つと、コンクリ
ートの破片や粉塵が剥離し、空間Dの内部に充満するこ
とになる。この時には真空吸引機56が作動していて空
間D内の空気を吸気口44を介して吸引し、空間Dを負
圧に維持していることから、剥離した破片や粉塵は吸気
口44、分岐パイプ22、吸気パイプ21、連通ホース
58、接続パイプ57の順に空気と共に真空吸引機56
の内部に吸引される。なお、空間D内の空気が吸引され
ることにより不足した空気は、切れ目47より適度の流
量で流入し、吸引する空気の不足を補っている。
【0034】この真空吸引機56には紙又は布による塵
埃回収袋を収納してあり、接続パイプ57より吸引した
空気をこの塵埃回収袋に通過させ、塵埃回収袋で空気だ
けを外部に放出させ、コンクリートの破片や塵埃は塵埃
回収袋の表面で捕獲する。このため、ビット62で壁面
Bを穿つことによりコンクリートの破片や塵埃が発生す
るが、破片や塵埃は外部から閉鎖されて負圧となった内
隔離体14の内部で発生し、集塵器具11の外部に飛散
させることがなくなる。そして、発生した破片や塵埃は
真空吸引機56により吸引され、その塵埃回収袋で分離
させられ、清浄な空気だけが真空吸引機56より排出さ
れるので、外部に飛散させることがない。このように、
破片や塵埃の発生から捕獲までを外部から閉鎖された空
間内で処理するので、壁面Bを破砕している作業現場の
周囲には破片や塵埃を飛散させることなく、清潔に維持
したままで作業を進めることができる。
【0035】こうして、真空吸引機56を駆動させなが
ら、ビット62により壁面Bを穿っていると、切れ目4
7による隙間から空気が空間Dに流入することがあって
も、シャッターシート16の内側の空気と破片や塵埃は
外部に流出せず、これらは吸気口44より真空吸引機5
6の方向に流動して回収される。そして、破砕作業を継
続することでビット62がコンクリートの壁面Bに穴を
穿ったり、開口を貫通させたならば、電動ハンマー61
とビット62を図5において手前に引くとビット62は
シャッターシート16より抜き出される。ビット62を
シャッターシート16から抜き出すと、切れ目47によ
って区分けされた各弾性三角片49はその弾性力で元の
位置に戻り、平坦な形状に復帰し、外部の空気が空間D
に流入することを防ぐことがでる。この後、真空吸引機
56の動作を停止させると、吸気口35より空間C内の
空気の吸引が停止され、空間Cで発生していた負圧がな
くなり、大気圧による集塵器具11を押さえる圧力が解
除される。すると、集塵器具11が壁面Bに吸着してい
た力が解消されるので、集塵器具11は壁面Bより離れ
ることができ、次に破砕作業する位置に集塵器具11を
移動させることができる。
【0036】次に、図6、図7、図8、図9により本発
明の第二の実施の態様を説明する。ここで、図6は第二
の実施の態様である集塵器具71を上面から見た平面
図、図7は図6中におけるEーEを矢視した断面図、図
8は集塵器具71を構成する各部材を分解して示しす分
解斜視図、図9はこの集塵器具71に用いるエゼクター
136の構造を示す断面図である。
【0037】この第二の実施の態様は前述した第一の実
施の態様と異なり、集塵器具71の主要な部材である塵
埃捕獲体としてのカバー体72は二重構造でなく、単一
の空間を持った構造である。図6、図7で示すように、
カバー体72はその外観が金ダライを逆さにして形状で
あり、金ダライの底に相当する部分である上面は円形を
した平面となっている。このカバー体72の円形の上面
には円形の空気閉鎖手段としてのシャッターシート74
を密着してあり、このシャッターシート74の上面の周
囲にはリング状をした薄肉金属製の止め環75を密着し
て固定してある。このカバー体72の外周には内部が中
空の排気手段としての吸気パイプ77を連結してあり、
吸気パイプ77の中心軸はカバー体72の中心を外すよ
うに斜めに向けてある。また、吸気パイプ77の終端に
は蛇腹状をしたチューブ(後述する)の先端を接合する
ためのジョイント78が固着してある。こうして、カバ
ー体72の側面には吸気パイプ21が串刺しのように連
結され、フライパンの柄を斜めに取り付けたような外観
形状となっている。
【0038】そして、止め環75の上面における等間隔
に離れた三箇所には金属製の結合手段としての吸着脚8
1、82、83の一端がそれぞれ固着してあり、各吸着
脚81、82、83は図6で示すように外方に向かって
放射状に配置されている。これらの吸着脚81、82、
83は帯状をした薄肉の金属片を材料としており、それ
らの他端はそれぞれカバー体72の開口方向に向けられ
ており、吸着脚81の他端には吸着手段としての吸着キ
ャップ84が固着してあり、吸着脚82の他端には吸着
キャップ85が固着してあり、吸着脚83の他端には吸
着キャップ86が固着してある。この吸着キャップ84
には吸気手段としての吸気ホース87の一端を接続し、
吸着キャップ85には吸気ホース88の一端を接続し、
吸着キャップ86には吸気ホース89の一端を接続して
ある。各吸気ホース87、88、89はそれぞれ空気を
流動できるように内部が中空のチューブ状をしており、
各吸気ホース87、88、89の他端はまとめられて合
流器90に接続してあり、合流器90には蛇腹状のホー
ス(後述する)に接続するためのジョイント91を接続
してある。
【0039】次に、図7は集塵器具71の内部構造を示
すために、図6中でEーEで上下に切断して矢視したも
のである。前述したカバー体72は図7で示すように、
金ダライを伏せたような形状をしている。このカバー体
72の上面であって金ダライの底に相当する部分(図7
で上部)は平坦な円形をしていて、その中央には底の直
径の半分程度の穴が開口してあり、リング状の形状とな
っている。さらに、カバー体72の周囲は太鼓の胴のよ
うに円弧を帯びた曲面に形成され、その下端(図7で下
方)は水平方向に広がったリング状の平面となってい
る。この下端の平面には、スポンジのような弾力性のあ
る材料でリング状に形成された密閉手段としてのクッシ
ョンリング79を固着してあり、このクッションリング
79の下面が図7で示すように壁面Gと接触することが
できる。このクッションリング79が壁面Gに接触した
状態では、カバー体72の内部には外部から隔離された
空間Fが形成されることになる。
【0040】さらに、カバー体72の側面であってその
厚みの半分程度の高さ位置には、このカバー体72の内
外を連通するための吸気口100が開口してあり、この
吸気口100には吸気パイプ77の一端を挿入し、接着
剤などを注入することにより両者を気密に連結してあ
る。この吸気口100は楕円形に開口してあり、断面円
形の吸気パイプ77の一端を挿入し、カバー体72の周
面に軸線を斜めにして吸気パイプ77を配置することが
できる。こうして、吸気パイプ77はカバー体72内の
空間Fと連通することになる。この吸気パイプ77は真
空吸引器に連通して空気を流動させることができるよう
に中空の形状をしており、吸気パイプ77の他端には蛇
腹等のホース(後述する)を接続するためのジョイント
78が連結してある。
【0041】前述したカバー体72の金ダライを伏せた
底の部分はその中心に作業口73を開口した平坦なリン
グ状をした平面であり、この平面には円盤形をしたシャ
ッターシート74を密着してあり、このシャッターシー
ト74の上面の周囲にはリング状をした止め環75が密
着させてある。この止め環75は、薄肉の金属板の中心
を大きく円形に切断して開口を形成したものである。こ
の止め環75の上面の三方には吸着脚81、82、83
の一端の下面が接触してある(なお、図7では吸着脚8
3は手前側にあるため図示されない)。そして、それぞ
れの吸着脚81、82、83の上面より、止め環75、
シャッターシート74、カバー体72にボルト113、
114、115を挿入し、それぞれの下端にナット11
6、117、118をネジ込んで締め付けることにより
シャッターシート74を上下から挟んでカバー体72に
固定することができる。こうすると、シャッターシート
74の上下面は止め環75とリング部96によって挟み
込まれて固定されたことになり、しかも、シャッターシ
ート74の中央部分は止め環75の中央に形成した開口
で開放されていて、外部に露出していることになる。
【0042】次に、このシャッターシート74は弾力性
のあるやや厚肉のビニールやゴムを素材としており、円
盤形をした中心から周囲に向かって複数の切れ目105
を放射状に切込んで加工してある。このシャッターシー
ト74の切れ目105の中心は作業口73の中心線と一
致させてある。これらの切れ目105によってシャッタ
ーシート74の中央は弾性を持たせて開閉でき、この切
れ目105の中心からドリルやビットを作業口73の内
部に挿入することができる。挿入したドリルやビットの
周囲には切れ目105によって細分化されたシャッター
シート74の部材が密着して遮断し、空間Fから空気が
逃げるのを防止することができる。
【0043】各吸着脚81、82、83は帯状をした細
長い薄肉の金属片より形成されており、図7で示すよう
に、各吸着脚81、82、83は側面より見てZ字形を
引き伸ばしたような形状に二箇所で交互に折り曲げられ
ている。各吸着脚81、82、83の一端の下面は止め
環75の上面に密着させてあり、他端は放射状に拡大し
て配置してある。そして、伸ばしたZ字形の吸着脚8
1、82、83の他端はカバー体72の開口方向(図7
で下方)に向けて配置してあり、吸着脚81の他端の下
面には吸着キャップ84を固着し、吸着脚82の他端の
下面には吸着キャップ85を固着し、吸着脚83の他端
の下面には吸着キャップ86を固着してある。各吸着キ
ャップ84、85、86は何れもゴムなどの柔軟な材料
で形成され、お碗を伏せたような形状となっていて、下
方に向けて大きく開口を持ち、お碗の底の部分をそれぞ
れ吸着脚81、82、83に固定してある。このため、
吸着キャップ84、85、86は吸盤のような断面形状
となっており、壁面Gの側面に吸着することができる。
なお、各吸着キャップ84、85、86のそれぞれの開
口端の位置は、図7で示すようにクッションリング79
の平面と同じ位置になるように設定してある。
【0044】そして、吸着キャップ84には吸気ホース
87の一端を接続し、吸着キャップ85には吸気ホース
88の一端を接続し、吸着キャップ86には吸気ホース
89の一端を接続してある。各吸気ホース87、88、
89は内部が中空のチューブ状をしたものであり、各吸
気ホース87、88、89の他端はまとめられて合流器
90に接続してある。この合流器90は、内部が空洞で
あり、それぞれの吸気ホース87、88、89と均一に
空気の流動を許容することができるように、その内部空
間と吸気ホース87、88、89の終端開口とを連通し
てある。また、合流器90には蛇腹などのホース(後述
する)と接続するためのジョイント91が接続してあ
る。
【0045】次に、図8によって集塵器具71を構成す
る各部材の構造をより具体的に説明する。
【0046】この集塵器具71の主要な部分であるカバ
ー体72は金ダライを伏せたような形状をしており、F
RPや強化プラスチック、或いは薄肉のアルミニューム
などを材料として成形されている。カバー体72の金ダ
ライの底に相当する上面は平坦なリング部96となって
おり、このリング部96の外周はは円形をしていて、そ
の中央には作業口73が貫通開口してある。この作業口
73の内径はリング部96の外径の半分程度に設定して
あり、リング部96は平坦な環状形をしていることにな
る。そして、リング部96の周囲には等間隔にネジ穴9
7が開口してある。この平坦なリング部96の外周から
は下方に向かって膨らんでカーブを描いた外形をした胴
部98が接続してあり、胴部98は金ダライの外周面に
対応している。この胴部98は下方に向かうにつれて径
大となるように膨らみ、その下端周縁には水平方向に広
がったリング状の圧着部99が連結してあり、圧着部9
9は金ダライの縁部に対応している。なお、胴部98の
側面には楕円形をした吸気口100が貫通開口してあ
る。これらのリング部96、胴部98、圧着部99は射
出成形等によって一体となるように形成されている。
【0047】このよう形状の外カバー体72の側面に開
口した吸気口100には吸気パイプ21の先端を嵌め合
わせてあり、吸気口100の内周と吸気パイプ21の先
端外周の間に接着剤を注入し、吸気パイプ21を吸気口
100に気密に接着する。また、圧着部99の円環形と
なった下面には、リング状のクッションリング79が密
着して固定してある。このクッションリング79はスポ
ンジや発泡性ゴム等の弾性力を持つ材料で形成され、そ
の内外径は圧着部99の内外径とほぼ同一となるように
設定してある。
【0048】次に、シャッターシート74は前述した図
4で示すシャッターシート16と同じ形状であり、厚い
ビニール板やゴム板などの弾性力のある材料で形成され
ている。シャッターシート74は円盤形をしており、中
心よりその外周方向に向けて複数の切れ目105が放射
状に切り込まれ、三角形をした複数の小片に分離してあ
る。そして、シャッターシート74の周囲にはネジ穴1
06が複数箇所に開口してある。止め環75は薄肉の金
属製板を打ち抜いて形成してあり、内径が大きいリング
状の形状をしており、止め環75の外径はシャッターシ
ート74の外径とほぼ同一となるように設定してある。
この止め環75の周囲には等間隔でネジ穴107を複数
開口してある。
【0049】このカバー体72の上部の周囲に固定され
る吸着脚81、82、83はそれぞれ同一の形状であ
り、金属製の細長い帯状をした板を交互に折り曲げるこ
とによって形成してある。すなわち、吸着脚81、8
2、83はそれぞれ帯状の細長い金属板をその前側と後
側から1/3程度の長さの位置で逆の方向に交互に折り
曲げ、引き伸ばしたような変形のZ字形に形成してあ
る。この吸着脚81の一端にはネジ穴108を開口し、
他端には挿通穴125を開口してある。また、吸着脚8
2の一端にはネジ穴109を開口し、他端には挿通穴1
26を開口してある。さらに吸着脚83の一端にはネジ
穴110を開口し、他端には挿通穴127を開口してあ
る。
【0050】これらのシャッターシート74、止め環7
5、吸着脚81、82、83をカバー体72に固定する
には、シャッターシート74の下面をリング部96の上
面に密着させ、シャッターシート74の上面外周に止め
環75の下面を密着させ、止め環75の上面に吸着脚8
1、82、83のそれぞれの一端の下面を密着させる。
この後、カバー体72の上方より、ボルト113をネジ
穴108、107、106、97に挿通し、カバー体7
2の裏面に突出したボルト113の先端にナット116
をネジ込んで締め付ける。また、ボルト114をネジ穴
109、107、106、97に挿通し、カバー体72
の裏面に突出したボルト114の先端にナット117を
ネジ込んで締め付ける。さらに、ボルト115をネジ穴
110、107、106、97に挿通し、カバー体72
の裏面に突出したボルト115の先端にナット118を
ネジ込んで締め付ける。このようにして、ボルト11
3、114、115とナット116、117、118を
締め付けることにより、シャッターシート74、止め環
75、吸着脚81、82、83は何れもカバー体72の
上面に固定され、各吸着脚81、82、83はリング部
96の中心より放射状に三方向に拡大して配置すること
ができる。
【0051】次に、前述した吸着キャップ84、85、
86はそれぞれゴム等の柔軟性のある材料で形成されて
おり、下方が大きく開口したお碗型をしており、いわゆ
る吸盤の形状である。この吸盤型をした吸着キャップ8
4のお碗の底に対応する頂部には、内部空間と連通して
空気の流動を行うことができる中空の取付けパイプ12
8が突起してあり、吸着キャップ85のお碗の底に対応
する頂部には内部空間と連通して空気の流動を行うこと
ができる中空の取付けパイプ129が突起してあり、吸
着キャップ86のお碗の底に対応する頂部には内部空間
と連通して空気の流動を行うことができる中空の取付け
パイプ130が突起してある。この吸着キャップ84を
吸着脚81に固定するには、取付けパイプ128を挿通
穴125に挿入し、突出した取付けパイプ128の先端
より固定ナット131をネジ込むことで行うことができ
る。また、吸着キャップ85を吸着脚82に固定するに
は、取付けパイプ129を挿通穴126に挿入し、突出
した取付けパイプ129の先端より固定ナット132を
ネジ込むことで行うことができる。さらに、吸着キャッ
プ86を吸着脚83に固定するには、取付けパイプ13
0を挿通穴127に挿入し、突出した取付けパイプ13
0の先端より固定ナット133をネジ込むことで行うこ
とができる。
【0052】このように各吸着脚81、82、83にそ
れぞれ吸着キャップ84、85、86をそれぞれ固着す
ると、各吸着脚81、82、83の他端の上面には取付
けパイプ128、129、130が突起することにな
る。この取付けパイプ128には吸気ホース87の一端
を結合し、取付けパイプ129には吸気ホース88の一
端を結合し、取付けパイプ130には吸気ホース89の
一端を結合させる。そし、これらの吸気ホース87、8
8、89のそれぞれの他端を取りまとめ、合流器90に
連通させる。この合流器90は、その内部が空洞となっ
ていて、各吸気ホース87、88、89の終端開口と空
洞が連通することにより、吸気ホース87、88、89
から流動してきた空気はこの合流器90で混合される。
前述したカバー体72における胴部98の側面には吸気
口100が貫通開口してあり、この吸気口100に吸気
パイプ77の先端を挿入して、吸気口100の内周面と
吸気パイプ77の先端外周の間に接着剤を注入して、吸
気パイプ77を胴部98に気密に固着することができ
る。
【0053】次に、図9は本実施の態様において、ジョ
イント91及び合流器90から空気を吸引するために負
圧を発生させるエゼクター136の内部構造を示したも
のである。
【0054】このエゼクター136では、その主要部は
本体パイプ137であり、この本体パイプ137は両端
が開口してその内部が中空のパイプ状であり、本体パイ
プ137の一端(図9中右側)には蛇腹などと接続する
ための接続パイプ138を連結してある。この本体パイ
プ137の内部の中央には、その内径を狭くした開口を
形成した絞り体139と140が間隔を置いて固定して
あり、この絞り体139と140の間に負圧を発生させ
るための空間Gを形成してある。そして、この本体パイ
プ137の側面であって絞り体139と140の間の位
置には、直角方向に横パイプ141が接続してあり、横
パイプ141の他端にはL字形に折り曲げられた接続パ
イプ142が接続してある。このため、接続パイプ14
2の終端開口より本体パイプ137の空間Gとは空気が
流動できるように連通されていることになる。
【0055】次に、この実施の態様における集塵器具7
1を用いて、破砕作業で使用する場合を図10と共に説
明する。
【0056】コンクリート製の壁面Gであって、これか
らこの壁面Gに穴を開口しようとする位置に集塵器具7
1を設置する。この設置では、集塵器具71にあるシャ
ッターシート74の中心(切れ目105の中央のこと)
を開口しようとする穴の位置に合わせる。すると、図7
で示すようにカバー体72のクッションリング79の平
面は壁面Gに密着させられ、同時に、各吸着キャップ8
4、85、86のそれぞれの開口も壁面Gに密着させら
れる。前述のジョイント78には蛇腹状の空気を流通さ
せる連通ホース148の一端を接続し、連通ホース14
8の他端はエゼクター136における接続パイプ138
に接続する。そして、ジョイント91には蛇腹状の空気
を流通させる吸引ホース149の一端を接続させ、吸引
ホース149の他端はエゼクター136における接続パ
イプ142に接続する。さらに、エゼクター136の他
方の開口は、真空吸引機146に突出させて外部から真
空吸引機146に向けて空気を吸引する接続パイプ14
7と接続してある。この真空吸引機146は従来から一
般に清掃の作業に用いるものであり、内蔵したモーター
を作動させることにより接続パイプ147より内部に空
気を吸引することができるものである。真空吸引機14
6の内部には、布又は紙製の塵埃回収袋を収納してお
り、接続パイプ147から吸引した空気から塵埃を捕獲
する作用を持っている。
【0057】この真空吸引機146に電源を投入して作
動させ、接続パイプ147から内部に向けて空気を吸引
すると、エゼクター136、連通ホース148、ジョイ
ント78、吸気パイプ77を通じてカバー体72内の空
間Fにある空気は吸い込まれる。そして、この空気がエ
ゼクター136内で流動すると、図9で示すように、エ
ゼクター136の内部に設けた絞り体139と140の
径の細い部分では空気は高速で通過することになる。す
ると、この高速で空気が流動することにより空間Hでは
周囲の空気が巻き込まれて吸引され、空間Hの内圧を負
圧にさせる。空間Hが負圧となることから、周囲の空気
はエゼクター136の中心を高速で流動している空気に
巻き込まれるようにして吸引され、横パイプ141、接
続パイプ142から空気を吸引する作用を発生する。
【0058】すると、接続パイプ142に接続した吸引
ホース149を介してジョイント91、合流器92より
順に空気を吸引し、合流器92に接続した各吸気ホース
87、88、89からそれぞれ空気を吸引することにな
る。この吸気ホース87の一端から空気を吸引すると、
他端に接続してある取付けパイプ128を介して吸着キ
ャップ84の内部空間の空気を排出し、吸気ホース88
の一端から空気を吸引すると、他端に接続してある取付
けパイプ129を介して吸着キャップ85の内部空間の
空気を排出し、吸気ホース89の一端から空気を吸引す
ると、他端に接続してある取付けパイプ130を介して
吸着キャップ86の内部空間の空気を排出することにな
る。各吸着キャップ84、85、86は図7で示すよう
にそれぞれ吸盤状をしていて、しかも、柔軟なゴムで形
成してあるため、それらの内部空間が負圧となると吸着
キャップ84、85、86は外部の大気圧より押されて
変形し、それぞれの開口を壁面Gの平坦な面と強力に吸
着して離れなくなる。このため、吸着キャップ84、8
5、86による吸引力は吸着脚81、83、83を介し
てカバー体72全体が壁面Gより落下しないように保持
することにになり、穿孔しようとする壁面Gの位置にカ
バー体72を固定することができる。
【0059】このように、真空吸引機146を作動させ
ると、カバー体72をその作業位置の壁面Gに保持する
ことができ、この後、電動ハンマーのビット(図10で
は省略しているが、図5において図示している)をシャ
ッターシート74の切れ目105の中心に挿入する。シ
ャッターシート74では、その平面が切れ目105によ
って複数の三角形の小片に分離されているため、ビット
は三角形の小片を弾性をもって押し広げて自由に挿入す
ることができる。このビットの先端を壁面Gの表面に接
触させ、電動ハンマーを駆動すると、ビットは強力に壁
面Gに振動を与え、コンクリートの表面に穴を穿つ作用
をする。
【0060】こうして、ビットにより壁面Gに穴を穿っ
たり、開口を貫通させる作業をすると、ビットの振動に
より壁面Gからはコンクリートの破片や粉塵が発生する
ことになる。しかし、真空吸引機146が作動されてい
て、カバー体72内の空間Fにある空気が常時吸引され
ているため、発生したコンクリートの破片や粉塵は空気
と共に吸気パイプ77の方向に流動され、ジョイント7
8、連通ホース148、接続パイプ138、接続パイプ
147を通過し、真空吸引機146にまで吸引される。
この真空吸引機146の内部には塵埃回収袋が収納して
あり、この塵埃回収袋は空気は通すが粉塵はその膜面で
捕獲して回収するため、カバー体72内の空間Fより吸
引した空気よりコンクリートの破片や粉塵を捕獲して、
外部には分散させることがない。こうして、外部からは
閉鎖されたカバー体72内の空間Fと真空吸引機146
により、壁面Gを穿ったことにより発生した破片や塵埃
は外部に流出することなく、清浄になった空気だけを排
気するので、作業現場に塵埃の煙を流出することなく、
衛生的に作業を行うことができる。なお、カバー体72
内の空間Fにある空気を排出していると、その排出した
空気に見合う量の空気はシャッターシート74の切れ目
105より流入して補充している。
【0061】そして、真空吸引機146を作動させてい
る限りは、吸着キャップ84、85、86の内部の空間
は負圧となり、カバー体72が壁面Gより落下しないよ
うに保持している。だが、集塵器具71を壁面Gから取
り外すには、真空吸引機146の動作を停止させ、吸着
キャップ84、85、86の吸盤となった内部空間で負
圧を発生しないように解除すると、各吸着キャップ8
4、85、86は壁面Gとの吸引力が解消され、集塵器
具71は壁面Gから容易に取り外すことができる。この
第二の実施の態様では、第一の実施例のように、カバー
体72内が二重にならず、カバー体72の内部空間Fを
広く使用することができる。また、吸着キャップ84、
85、86による吸引力でカバー体72を壁面Gに保持
することができるので、カバー体72を強力に固定する
ことができる。
【0062】次に、図11乃至図15は本発明の第三の
実施の態様を示すものであり、各図面を参照しながら第
三の実施の態様について説明する。図11はこの実施の
態様における集塵器具161を上方から見た平面図であ
り、図12は図11中においてJーJを矢視した断面図
であり、図13は集塵器具161を組み立てる前の各部
品の構成を示す分解斜視図である。図11は組み立てら
れた状態の集塵器具161を示し、図12は組み立てら
れた状態の集塵器具161を壁面Kに吸着させた状態を
示している。
【0063】図11で示すように、この集塵器具161
の主要な部材である吸着体162は、その外観が金ダラ
イを逆さに伏せたような形状であり、金ダライの底に相
当する部分である上面は円形をした平面となっている。
この吸着体162の底に対応する上面には円形の空気閉
鎖手段としてのシャッターシート167、168を密着
してあり、このシャッターシート167、168の上面
の周囲にはリング状をした薄肉金属製の止め環169を
密着して固定してある。この吸着体162の外周には内
部が中空の排気手段としての吸気パイプ171を連結し
てあり、吸気パイプ171の中心軸は吸着体162の中
心を外すように斜めに向けてある。また、吸気パイプ1
71の終端には蛇腹状をしたチューブ(後述する)の先
端を接合するためのジョイント173が固着してある。
こうして、吸着体162の側面には吸気パイプ171が
串刺しのように連結され、フライパンの柄を斜めに取り
付けたような外観形状となっている。
【0064】次に、図12は吸着体162の内部構造を
示すために、図11中のJーJで示す線で上下で切断し
たものである。この吸着体162は図12で示すよう
に、その内部は二重の断面構造となっており、吸着体1
62は負圧発生体としての外カバー体163と塵埃捕獲
体としての内隔離体164とで構成されている。この外
カバー体163は金ダライを伏せたような形状をしてお
り、内隔離体164はお碗を伏せたような形状をしてい
る。この外カバー体163の内部空間は内隔離体164
の外径よりも大きく、外カバー体163に内隔離体16
4を収納しても両者の間には適度な隙間が形成できるよ
うな寸法となっている。外カバー体163の上面であっ
て金ダライの底に相当する部分(図12で上部)は平坦
な円形をしていて、その中央には底の直径の半分程度の
作業口165が開口してあり、リング状の形状となって
いる。さらに、外カバー体163の周囲は太鼓の胴のよ
うに円弧を帯びた曲面に形成され、その下端(図12で
下方)は水平方向に広がったリング状の平面となってい
る。この下端の平面には、スポンジのような弾力性のあ
る材料でリング状に形成された密閉手段としてのクッシ
ョンリング176を固着してあり、このクッションリン
グ176の下面が図12で示すように壁面Kと接触する
ことができる。
【0065】また、内隔離体164はお碗を伏せたよう
な形状をしており、下方に大きく開口していて、上部の
お碗の底に対応する位置には作業口166が開口してあ
り、リング状の形状となっている。この内隔離体164
の外周は半球形をしていて、その下端は水平方向に広が
ったリング状の平面となっていて、この平面の下面には
スポンジのような弾力性のある材料でリング状に形成さ
れた密閉手段としてのクッションリング177が固着し
てあり、このクッションリング177の下面が図12で
示すように壁面Kと接触することができる。
【0066】そして、外カバー体163の下端にある水
平方向に広がったリング状の平面と、内隔離体164の
下端にある水平方向に広がったリング状の平面とは、同
じ高さ位置に設定してある。このため、両クッションリ
ング176、177の平面は同じ平面位置にあり、図1
2で示すように、壁面Kに密着させた際には各クッショ
ンリング176、177が同時に壁面Kと接触すること
ができる。また、外カバー体163の内部に内隔離体1
64を収納してあるため、外カバー体163の内部空間
は二重に区切られ、クッションリング176、177が
壁面Kと接触すると外カバー体163の内部は、外カバ
ー体163の内側と内隔離体164の外側により形成さ
れた空間Lと、内隔離体164の内部に形成された空間
Mに区分されることになる。
【0067】前述した外カバー体163の金ダライを伏
せた底の部分は平坦なリング状をした平面であり、この
平面の上部には円盤形をしたシャッターシート167、
168が上下に密着してあり、このシャッターシート1
68の上面の周囲にはリング状をした止め環169を密
着してある。この止め環169は、薄肉の金属板の中心
を大きく円形に切断して開口を形成してあり、止め環1
69と外カバー体163の上面をネジによって締め付け
ることによりシャッターシート167、168を上下か
ら挟んで固定している。これらのシャッターシート16
7、168は弾力性のあるやや厚肉のビニールやゴムを
素材としており、円盤形をした中心から周囲に向かって
複数の切れ目197、199を放射状に切込んで加工し
てある。このシャッターシート167、168の切れ目
197、199の中心は前述した外カバー体163の作
業口165の中心線と一致させてある。これらの切れ目
197、199によってシャッターシート167、16
8の中央は弾性を持たせて開閉でき、この切れ目19
7、199の中心からドリルやビットを作業口165、
166の内部に挿入することができる。挿入したドリル
やビットの周囲には切れ目197、199によって細分
化されたシャッターシート167、168の部材が密着
して遮断し、空間Mから空気が逃げるのを防止すること
ができる。
【0068】そして、前述の外カバー体163の太鼓状
となった側面には吸気パイプ171の先端が連通してあ
り、この吸気パイプ171の先端の開口は外カバー体1
63の側面に開口した吸気口185と連通してあり、吸
気パイプ171と外カバー体163の内部の空間Lとが
連通している。また、内隔離体164の側面には内外壁
を貫通するように導通手段としての吸気口194が開口
してあり、この吸気口194によって内隔離体164の
空間Mと外カバー体163の内部の空間Lとを連通させ
ている。
【0069】次に、図13により、集塵器具161を構
成する各部材を分解し、それぞれの部材の構成を詳しく
説明する。
【0070】前述した外カバー体163の全体は金ダラ
イを伏せたような形状をしており、この外カバー体16
3における金ダライの底に相当する上面はリング部18
1となっており、このリング部181の外周は円形をし
ていてその中央には作業口165が貫通開口してある。
この作業口165の内径はリング部181の外径の半分
程度に設定してあり、リング部181は平坦な環状形を
している。そして、リング部181の周囲には等間隔に
ネジ穴187が開口してある。平坦なリング部181の
外周には下方に向かって膨らんだやや円筒形の胴部18
3が接続してあり、胴部183は金ダライの周面部に対
応するものとなっている。この胴部183は図13で示
すように、下方に向かって外径が拡大してカーブを描い
ており、胴部183の下端周縁には水平方向に広がった
リング状の圧着部184が連結してあり、圧着部184
は金ダライの縁部に対応するものとなっている。なお、
胴部183の側面には円形をした吸気口185が貫通開
口してあり、胴部183の側面であって吸気口185の
周囲には複数のネジ穴188を開口してある。
【0071】前述した内隔離体164は外カバー体16
3の内部空間に収納されるものであり、この内隔離体1
64の外形はお碗を伏せたような形状となっている。こ
の内隔離体164のお碗の底に対応する上面はリング部
191となっていて、このリング部191の外周は円形
をしていてその中央には作業口166を開口してある。
この作業口166は、前述した外カバー体163の作業
口165と同じ内径で貫通開口してあり、リング部19
1の周囲には等間隔でネジ穴195が開口してある。そ
して、リング部191の外周には下方に向かって拡大し
たスカート部192が連続して接続してあり、スカート
部192はお碗の外周部に対応する形状となり、下方に
向かって円弧形となるようなカーブを描いている。スカ
ート部192の広がった下端の円形となった周縁には圧
着部193が連結してあり、この圧着部193は水平方
向に広がったリング形をしている。なお、スカート部1
92の側面には吸気口194を開口してある。
【0072】次に、前述したシャッターシート167、
168の構成を図14と共に説明する。それぞれのシャ
ッターシート167、168はやや肉厚のビニール板や
ゴム板等の弾性力をもつ材料を素材とした円盤形をして
おり、それらの外径はリング部181の外径とほぼ同一
となるように設定してある。このシャッターシート16
7の中心から周囲に向けては放射状に複数の切れ目19
7が直線状に切り込んであり、各切れ目197の終端は
シャッターシート167の周縁の少し手前で止めてあ
り、輪切りになったレモンのような形状となっている。
このようにシャッターシート167の中心より放射状に
切れ目197を切り込むことにより、シャッターシート
167の中心には二等辺三角形をした複数の閉鎖小片と
しての弾性三角片201が分離されたことになる。同様
に、このシャッターシート168の中心から周囲に向け
ては放射状に複数の切れ目199が直線状に切り込んで
あり、各切れ目199の終端はシャッターシート168
の周縁の少し手前で止めてあり、輪切りになったレモン
のような形状となっている。このようにシャッターシー
ト168の中心より放射状に切れ目199を切り込むこ
とにより、シャッターシート168の中心には二等辺三
角形をした複数の閉鎖小片としての弾性三角片202が
分離されたことになる。
【0073】これらのシャッターシート167、168
の素材は弾性力のあるビニール板やゴム板を素材として
いるので、分離された各弾性三角片201、202は上
側や下側に対して反復力を持って曲げることができる
(図14のように、上側に曲げた状態を参照のこと)。
このように、各弾性三角片201、202がその三角形
の底辺を周囲に結合したままで、弾性力をもって曲げる
ことができるため、切れ目197、199の中心線にド
リルやビットを挿入すると、各弾性三角片201、20
2はそれぞれ挿入方向に曲げられるため、ドリルやビッ
トの挿入に対して抵抗を生じなく進入させることを許容
する。しかも、各弾性三角片201、202は復元力が
あるため、挿入されたドリルやビットの周囲に密着し、
空気が漏れないように遮蔽している。なお、シャッター
シート167、168の周囲には、等間隔に複数のネジ
穴198、200が上下に貫通開口してあり、シャッタ
ーシート167のネジ穴198とシャッターシート16
8のネジ穴200とは周方向にずらして位置させてあ
る。すなわち、図15で示すように、両ネジ穴198、
200を一致させてシャッターシート167、168を
重ね合わせたときに、各切れ目197は一対の切れ目1
99の間に位置するように設定しておく。この場合、両
切れ目197、199の中心は一致させた状態で、直線
状となった切れ目197と切れ目199が重ならないよ
うに配置させておく。
【0074】次に、止め環169は薄肉の金属材料を素
材とし、その外径はシャッターシート167、168の
外径(同時にリング部181の外径)とほぼ同一に設定
してあり、その中心にはやや径の大きい開口を貫通して
ある。このため、止め環169は幅の狭い大径のリング
形状をしており、この止め環169の周囲には、等間隔
に複数のネジ穴204を上下に貫通開口してある。
【0075】また、胴部183の側面に固着する吸気パ
イプ171はその内部が中空のパイプ状をしており、そ
の後端には蛇腹形をしたホース(後述する)に接続する
ジョイント173が連結してある。この吸気パイプ17
1の先端の周囲は外部に拡散した取り付け片172が固
着してあり、吸気パイプ171と取り付け片172は一
体になるように成形してある。この取り付け片172の
内面(図13で右側の面)は曲面となるように形成して
あり、この曲面は胴部183の外周が持つ曲面と同じ曲
率に設定してあり、取り付け片172の内面を胴部18
3の外周に接触させると両者を隙間無く密着させること
ができる。そして、取り付け片172の周囲にはネジ穴
174を開口させてある。
【0076】これらの外カバー体163と内隔離体16
4と吸気パイプ171は、それぞれ図13で示す形状に
形成してあり、それぞれはFRPや強化プラスチック、
或いは薄肉のアルミニュームなどを材料として成形され
ている。
【0077】次に、これらの部材を使用して集塵器具1
61を組み立てる手順を説明する。前述の外カバー体1
63の内部空間に内隔離体164を挿入し、リング部1
91の上面をリング部181の下面に密着させる。そし
て、リング部181の上面の平坦な面にシャッターシー
ト167、168を上下に重ねて載置し、シャッターシ
ート168の上面に止め環169を載置する。そして、
それぞれのネジ穴204、200、187、195の位
置を合わせ、上方からボルト211を各ネジ穴204、
200、187、195に貫通するように挿入する。リ
ング部191の下面に突出した各ボルト211の下端よ
りナット214をネジ込み、締め付けることでこれらの
部材を固定する。こうして、リング部191はリング部
181に連結されたことになり、外カバー体163の内
部に内隔離体164が収納して固定されたことになる。
このため、外カバー体163の内部には図12で示すよ
うな二重の空間が区分されたことになる。このように外
カバー体163と内隔離体164を組み立てた状態にお
いて、圧着部184の下面と圧着部193の下面とが同
じ平面となるように設定しておく。また、一対のシャッ
ターシート167、168はその上下面をリング部18
1と止め環169によって挟まれ、その中央を止め環1
69の開口で露出した状態で固定されたことになる。
【0078】このように組み立てられた外カバー体16
3の側面にある吸気口185には吸気パイプ171の先
端の開口を位置合わせし、取り付け片172の内面を外
カバー体163の外周面に密着させる。そして、ネジ穴
174と188の位置を合わせ、ネジ穴174、188
にボルト213を挿入し、外カバー体163の内面に突
出したボルト213の先端にナット214をネジ込んで
締めつける。こうして、取り付け片172は外カバー体
163の胴部183に固定され、吸気パイプ171の軸
線が外カバー体163の中心より偏位するように設定す
ることができる。なお、胴部183の外周と取り付け片
172の内面との間に接着剤を注入することにより、両
者をより気密に結合することができる。
【0079】前述したクッションリング176、177
はスポンジや発泡性ゴムを素材としており、弾性があ
り、かつ、原型に反復できる能力を持ったいる。このク
ッションリング176はその外径を圧着部184の外径
とほぼ同一としたリング状をしており、クッションリン
グ176は圧着部184の下面に接着剤などで気密に固
定してある。同様に、クッションリング177はその外
径を圧着部193の外径とほぼ同一としたリング状をし
ており、クッションリング177は圧着部193の下面
に接着剤などで気密に固定してある。各クッションリン
グ176、177は弾性があるため、図12で示すよう
に、圧着部184、193を壁面Kに向けて押し当てる
と、クッションリング176、177が壁面Kと密着
し、その弾性によって壁面Kの表面形状に沿って変形
し、空気が外カバー体163、内隔離体164の内部空
間より漏れ出さないように防いでいる。
【0080】このように組み立てられた集塵器具161
を使用し、コンクリートの壁面Kを破砕する作業に用い
ることができる。この作業では、コンクリート製の壁面
K(例えば、完成したビルの屋内や躯体など)であっ
て、これからこの壁面Kに穴を開口しようとする位置に
集塵器具161を設置する。この設置では、集塵器具1
61にあるシャッターシート167、168の中心(切
れ目197、199の中央のこと)を開口しようとする
穴の位置に合わせる。そして、外カバー体163におけ
るクッションリング176と内隔離体164におけるク
ッションリング177をそれぞれ壁面Kの表面に密着さ
せる。そして、ジョイント173の開口に連通ホース
(図示しないが、図5における連通ホース58と同一で
ある)の一端を接続し、連通ホースの他端は真空吸引機
(図示せず)に連結する。この真空吸引機を作動させる
と、ジョイント173を介して吸気パイプ171の空気
が吸引され、吸気口185より外カバー体163内の空
間Lに存在する空気は外部に排出され、空間L内の圧力
は大気圧より負圧となる。
【0081】この空間Lは外カバー体163と内隔離体
164によって区切られ、下方(図12では壁面Kの表
面に密着した側)の開口はクッションリング176、1
77により気密性を持って壁面Kと密着しているため、
外部から空気が流入しない閉鎖されたドーナッツ状の空
間となる。このように、空間Lは外部とは気密に閉鎖さ
れ、しかも、空気が吸気口185より排出されているた
め、大気圧は外カバー体163の外面を押さえつけ、外
カバー体163(すなわち、集塵器具161全体でもあ
る)を壁面Kから落下しないように固定することにな
る。このため、集塵器具161全体は壁面Kに保持され
たまま、最初に設定した位置に止められて落下すること
がない。この集塵器具161の保持作用は、真空吸引機
を作動させ、吸気口185から空間L内を負圧に維持し
ている限りは、集塵器具161は壁面Kに吸着させられ
続けることになる。
【0082】このように空間L内の空気を排出している
と、スカート部192の側面には吸気口194が開口し
てあるため空間Lと空間Mは連通しており、空気はこの
吸気口194を通過して流動することになる。このた
め、内隔離体164の内部にある空間Mから空気が吸引
され、空間Lに流入することになる。しかし、内隔離体
164の作業口166は外カバー体163の作業口16
5と共にシャッターシート167、168によって閉鎖
されているので、外カバー体163の外部から空気が進
入するのを防ぎ、空間Lでの負圧を維持させることがで
きる。また、シャッターシート167、168の切れ目
197、199より内隔離体164の内部に空気が流入
するが、吸気パイプ171より吸引している空気量に比
べると少ないために空間Lの圧力は集塵器具161は壁
面Kに吸着させることができる負圧に維持できる。ま
た、空間Mより空間Lに空気が流動しても、吸気口19
4の開口が絞りの役目を行うため、空間Lの圧力は空間
Mの圧力よりも負圧となっており、急激に空間Lの圧力
が上昇することはない。
【0083】このように集塵器具161を壁面Kに吸着
させたままの状態で、電動ハンマーに取り付けたビット
の先端をシャッターシート167、168の中央に挿入
する(この電動ハンマーとビットは図5で示したものと
同一である)。このビットをシャッターシート167、
168の中央に挿入すると、切れ目197、199で仕
切られたそれぞれの弾性三角片201、202はその弾
性で曲げられ、ビットの進入を妨げることがない。この
ため、ビットの先端は図12で示す、内隔離体164の
内部に位置した壁面Kの面に接触することができる。こ
のビットをシャッターシート167、168に挿入した
後では、それぞれの弾性三角片201、202がビット
の側面にその弾性で密着し、空気が外部から空間Mに流
入して圧力が高くならないように抑制している。また、
シャッターシート167、168は図15で示すよう
に、それぞれの切れ目197、199が重ならないよう
にずらして組み合わせてある。このため、切れ目197
の隙間と切れ目199の隙間は相互に相手側の弾性三角
片201、202で遮蔽され、空気が各切れ目197、
199より流動しないように極力防いでいる。そして、
ビットを切れ目197、199に挿入した際には、各弾
性三角片201、202は図12において下方に撓み、
それぞれの切れ目197、199の間隔が拡大される
が、切れ目197の隙間は弾性三角片202の中央で閉
鎖され、切れ目199の隙間は弾性三角片201の中央
で閉鎖され、空気が流入するのを防いでいる。また、上
下に重ねられた弾性三角片201、202の先端がビッ
トの周囲に接触することから、その重ね合わされた接触
面は多くなり、各切れ目197、199の中央に開口が
形成されるのを極力防止している。
【0084】このようにビットを内隔離体164の内部
に挿入したなら、電動ハンマーを駆動させるとビットは
壁面Kに強い衝撃力で衝突し、壁面Kに所定の径の穴を
穿つことができる。そして、このビットが壁面Kに衝突
してコンクリートを穿つと、コンクリートの破片や粉塵
が剥離し、空間Mの内部に充満することになる。この時
には真空吸引機がすでに作動していて空間M内の空気を
吸気口194を介して吸引していることから、剥離した
破片や粉塵は吸気口194、185、吸気パイプ171
を通じて連通ホースより真空吸引機の内部に吸引され
る。なお、空間M内の空気が吸引されることにより不足
した空気は、切れ目197、199より適度の流量で流
入し、吸引する空気の不足を補っている。
【0085】この真空吸引機には紙又は布による塵埃回
収袋を収納してあり、吸気パイプ171から吸引した空
気をこの塵埃回収袋に通過させ、塵埃回収袋で空気だけ
を外部に放出させ、コンクリートの破片や塵埃は塵埃回
収袋の表面で捕獲する。このため、ビットで壁面Kを穿
つことによりコンクリートの破片や塵埃が発生するが、
破片や塵埃は外部から閉鎖されて負圧となった内隔離体
164の内部で発生し、集塵器具161の外部に飛散さ
せることがなくなる。そして、発生した破片や塵埃は真
空吸引機により吸引され、その塵埃回収袋で分離させら
れ、清浄な空気だけが真空吸引機より排出されるので、
外部に飛散させることがない。このように、破片や塵埃
の発生から捕獲までを外部から閉鎖された空間内で処理
するので、壁面Kを破砕している作業現場の周囲には破
片や塵埃を飛散させることなく、清潔に維持したままで
作業を進めることができる。
【0086】そして、破砕作業を継続することでビット
がコンクリートの壁面Kに穴を穿ったり、開口を貫通さ
せたならば、ビットを図12において上方に引くとビッ
トはシャッターシート167、168より抜き出され
る。ビットをシャッターシート167、168から抜き
出すと、切れ目197、199によって区分けされた各
弾性三角片201、202はその弾性力で元の位置に戻
り、平坦な形状に復帰し、外部の空気が空間Mに流入す
ることを防ぐことがでる。この後、真空吸引機の動作を
停止させると、吸気口185より空間L内の空気の吸引
が停止され、空間Lで発生していた負圧がなくなり、大
気圧による集塵器具161を押さえる圧力が解除され
る。すると、集塵器具161が壁面Kに吸着していた力
が解消されるので、集塵器具161は壁面Kより離れる
ことができ、次に破砕作業する位置に集塵器具161を
移動させることができる。
【0087】
【発明の効果】以上のように本発明にによれば、破砕の
作業を行う面にお碗型の塵埃捕獲体を向け、密閉手段に
より作業を行う面と気密に密着させるため、塵埃捕獲体
の内部空間は外部から閉鎖された空間を形成することが
できる。そして、排気手段で塵埃捕獲体内の空気を吸引
することで負圧を発生させ、塵埃捕獲体をその負圧で作
業を行う面に固定することができる。この状態で空気閉
鎖手段よりドリルやビットなどの破砕工具を塵埃捕獲体
内に挿入し、破砕工具で破砕の作業を行う面に衝撃を与
えると塵埃が発生するが、塵埃捕獲体が密閉されている
ため、塵埃は外部は飛散することがない。そして、発生
した塵埃は排気手段により塵埃捕獲体の外部に流動させ
ることができ、環境を清潔にして衛生状態を向上させる
ことができる。また、塵埃が作業現場に飛散しないの
で、作業員がこの塵埃を吸引することがなくなり、ジン
肺などの障害が発生するのを防止することができる(請
求項1に記載の発明)。
【0088】また、お碗型の塵埃捕獲体には結合手段を
介して吸盤型をした吸着手段を連結してあり、この吸着
手段は吸気手段によりその内部の空気が排出されて負圧
となり、破砕の作業を行う面に強固に吸い着くことにな
る。このため、塵埃捕獲体は吸着手段により作業を行う
面の位置に保持され、落下したり、位置がずれることが
なくなる(請求項2に記載の発明)。
【0089】そして、お碗型の塵埃捕獲体の外周にはお
碗型をした負圧発生体を配置し、両者で一方が大きく開
口した二重の周壁を形成することができる。この塵埃捕
獲体と負圧発生体の間にある空間には空気を吸引する排
気手段を接続し、塵埃捕獲体の周囲にはその内外周を連
通する導通手段を開口してある。このため、排気手段で
塵埃捕獲体と負圧発生体の間に形成されたドーナツ状の
空間の空気を吸引すると、負圧発生体はその開口を破砕
の作業を行う面に強力に吸着して固定することができ
る。そして、塵埃捕獲体の内部空間で発生した塵埃は、
導通手段を通過して塵埃捕獲体と負圧発生体の間の空間
に流動し、次いで排気手段により外部に排出される。こ
の構成では、導通手段が絞りの役目をして、塵埃捕獲体
と負圧発生体の間の空間と、塵埃捕獲体の内部の圧力を
調整し、塵埃捕獲体と負圧発生体を破砕の作業を行う面
に吸着させる負圧を常時発生させることができる。ま
た、構成が簡易なため、製造が容易となる(請求項3に
記載の発明)。
【0090】さらに、お碗型の塵埃捕獲体の外周にはお
碗型をした負圧発生体を配置し、両者で一方が大きく開
口した二重の周壁を形成してあり、負圧発生体には排気
手段を接続し、塵埃捕獲体には塵埃排出手段を接続して
ある。このため、排気手段は負圧発生体の内部から空気
を排出し、塵埃排出手段は塵埃捕獲体の内部から空気を
排出することができ、それぞれが独立した機能を発揮す
ることができる。このため、負圧発生体には単独で排気
手段が接続して、その内部空間を負圧に維持することが
でき、確実に塵埃捕獲体と負圧発生体を破砕の作業を行
う面に固定することができる。また、塵埃捕獲体内で発
生した塵埃は塵埃排出手段により空気と共に外部に排出
されるので、塵埃の捕獲が確実となる(請求項4に記載
の発明)。
【0091】次に、この集塵器具では、ドリルやビット
などの破砕工具を塵埃捕獲体内に挿入させるために空気
閉鎖手段を設けてある。この空気閉鎖手段では、弾力性
のある平板に放射状に切れ目を加工してあり、この切れ
目の中心で分離された小片を押し除けて破砕工具を塵埃
捕獲体内に挿通することができる。この構成では、弾力
性のある平板は常時は平坦な面を維持していて、空気が
塵埃捕獲体に進入するのを阻止しており、破砕工具を挿
通する際には切れ目によって分離された小片が弾力をも
って曲がり、破砕工具が進入するのを妨げない。そし
て、各小片はその弾力で破砕工具に密着するため、空気
が外部から塵埃捕獲体に侵入するのを極力防いでおり、
塵埃捕獲体の内部が負圧になるの維持することができる
(請求項5に記載の発明)。
【0092】また、この空気閉鎖手段は平板状をしたも
のを複数枚用い、それらの平板を上下に重ね合わせて使
用することができる。このため、各平板の切れ目によっ
て形成された小片の数が多くなり、破砕工具に密着する
小片の数と接触面積が増加する。このため、塵埃捕獲体
に挿入した破砕工具の側面に密着する面積が多くなり、
空気の侵入をより効果的に妨げることができる(請求項
6に記載の発明)。さらに、上下に複数枚積み重ねた平
板状の空気閉鎖手段は、その切れ目が重ならないように
ずらして配置してあるので、切れ目から塵埃捕獲体に侵
入しようとする空気は他の空気閉鎖手段の小片に阻止さ
れ、塵埃捕獲体の内部に流入することが少なくなり、塵
埃捕獲体内の負圧を効果的に保持することができる(請
求項7に記載の発明)。
【0093】そして、請求項2記載の発明による集塵器
具では、排気手段にエゼクターを接続してあり、エゼク
ターの吸引側に吸気手段を接続してある。このため、排
気手段からエゼクターに空気が通過すると、その通過す
る空気の速度によりその内部で負圧が発生し、吸気手段
から空気を吸引することができる。このため、空気を排
出するための機構を排気手段と吸気手段のそれぞれに独
立して接続することがなく、単一の排出機構をエゼクタ
ーに接続すれば排気手段と吸気手段から同時に空気を吸
引することができ、機構が簡易となる(請求項8に記載
の発明)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の態様である工事現場の集
塵器具を示す平面図である。
【図2】本発明の第一の実施の態様である工事現場の集
塵器具を壁面に吸着した状態を示す、図1におけるAー
A矢視した断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の態様である工事現場の集
塵器具の主要な部材を分解して示した分解斜視図であ
る。
【図4】本発明の第一の実施の態様である工事現場の集
塵器具に用いるシャッターシートを示す斜視図である。
【図5】本発明の第一の実施の態様である工事現場の集
塵器具を用い、壁面に電動ハンマーで穴を穿つ作業を示
す説明図である。
【図6】本発明の第二の実施の態様である工事現場の集
塵器具を示す平面図である。
【図7】本発明の第二の実施の態様である工事現場の集
塵器具を壁面に吸着した状態を示す、図6におけるEー
E矢視した断面図である。
【図8】本発明の第二の実施の態様である工事現場の集
塵器具の主要な部材を分解して示した分解斜視図であ
る。
【図9】本発明の第二の実施の態様である工事現場の集
塵器具に用いるエゼクターの構造を示す断面図である。
【図10】本発明の第二の実施の態様である工事現場の
集塵器具を用い、壁面に穴を穿つ作業を示す説明図であ
る。
【図11】本発明の第三の実施の態様である工事現場の
集塵器具を示す平面図である。
【図12】本発明の第三の実施の態様である工事現場の
集塵器具を壁面に吸着した状態を示す、図11における
JーJ矢視した断面図である。
【図13】本発明の第三の実施の態様である工事現場の
集塵器具の主要な部材を分解して示した分解斜視図であ
る。
【図14】本発明の第三の実施の態様である工事現場の
集塵器具に用いるシャッターシートを示す斜視図であ
る。
【図15】本発明の第三の実施の態様である工事現場の
集塵器具に用いる二枚のシャッターシートを組み合わせ
た状態を示す説明図である。 11 集塵器具 13 負圧発生体としての外カバー体 14 塵埃捕獲体としての内隔離体 15 作業口 16 空気閉鎖手段としてのシャッターシート 21 排気手段としての吸気パイプ 22 塵埃排出手段としての分岐パイプ 26 密閉手段としてのクッションリング 27 密閉手段としてのクッションリング 47 切れ目 49 閉鎖小片としての弾性三角片 72 塵埃捕獲体としてのカバー体 73 作業口 74 空気閉鎖手段としてのシャッターシート 79 密閉手段としてのクッションリング 77 排気手段としての吸気パイプ 84 吸着手段としての吸着キャップ 81 結合手段としての吸着脚 82 結合手段としての吸着脚 83 結合手段としての吸着脚 87 吸気手段としての吸気ホース 88 吸気手段としての吸気ホース 89 吸気手段としての吸気ホース 136 エゼクター 161 集塵器具 164 塵埃捕獲体としての内隔離体 163 負圧発生体としての外カバー体 165 作業口 166 作業口 167 空気閉鎖手段としてのシャッターシート 168 空気閉鎖手段としてのシャッターシート 176 密閉手段としてのクッションリング 177 密閉手段としてのクッションリング 171 排気手段としての吸気パイプ 194 導通手段としての吸気口 197 切れ目 199 切れ目 201 閉鎖小片としての弾性三角片 202 閉鎖小片としての弾性三角片

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方を大きく開口したお碗型の塵埃捕獲
    体と、塵埃捕獲体の底の中心に開口されて破砕工具を出
    没させる作業口と、作業口に固定され、破砕工具は進入
    させるが空気の流動を阻止する空気閉鎖手段と、塵埃捕
    獲体の開口の周囲に固定され、柔軟な材料で形成され破
    砕の作業をする面に接触する密閉手段と、塵埃捕獲体に
    連通され、その内部の空気を吸引する排気手段とから構
    成され、塵埃捕獲体の開口を破砕の作業をする面に向け
    て密閉手段を介して密着させ、排気手段より塵埃捕獲体
    と作業をする面で形成された空間より空気を吸引するこ
    とにより、塵埃捕獲体を作業をする面に固定し、空気閉
    鎖手段より破砕工具を挿通して作業をする面を破砕する
    際に発生した塵埃を排気手段より排出させることを特徴
    とする工事現場の集塵器具。
  2. 【請求項2】 一方を大きく開口したお碗型の塵埃捕獲
    体と、塵埃捕獲体の底の中心に開口されて破砕工具を出
    没させる作業口と、作業口に固定され、破砕工具は進入
    させるが空気の流動を阻止する空気閉鎖手段と、塵埃捕
    獲体の開口の周囲に固定され、柔軟な材料で形成され破
    砕の作業をする面に接触する密閉手段と、塵埃捕獲体に
    連通され、その内部の空気を吸引する排気手段と、柔軟
    な材料で形成され、一方を大きく開口して破砕の作業を
    する面と接触する吸盤型をした吸着手段と、吸着手段と
    塵埃捕獲体を連結する結合手段と、吸着手段の内部の空
    気を吸引して負圧とする吸気手段とから構成され、塵埃
    捕獲体の開口を破砕の作業をする面に向けて密閉手段を
    介して密着させ、吸気手段により吸着手段の内部空間を
    負圧として吸着手段を作業をする面で固定することで塵
    埃捕獲体をその位置に保持させ、排気手段より塵埃捕獲
    体と作業をする面で形成された空間より空気を吸引する
    ことにより、空気閉鎖手段より破砕工具を挿通して作業
    をする面を破砕する際に発生した塵埃を排気手段より排
    出させることを特徴とする工事現場の集塵器具。
  3. 【請求項3】 一方を大きく開口したお碗型の塵埃捕獲
    体と、塵埃捕獲体をその内部に収納して二重の周壁を形
    成した、一方を大きく開口したお碗型をした負圧発生体
    と、塵埃捕獲体の底の中心に開口されて破砕工具を出没
    させる作業口と、作業口に固定され、破砕工具は進入さ
    せるが空気の流動を阻止する空気閉鎖手段と、塵埃捕獲
    体と負圧発生体のそれぞれの開口の周囲に固定され、柔
    軟な材料で形成され破砕の作業をする面に接触する密閉
    手段と、負圧発生体に連通され、塵埃捕獲体と負圧発生
    体の間にある空間の空気を吸引する排気手段と、塵埃捕
    獲体の側面の内外面を連通して空気の流動を行わせる導
    通手段とから構成され、塵埃捕獲体と負圧発生体のそれ
    ぞれの開口を破砕の作業をする面に向けて密閉手段を介
    して密着させ、排気手段より塵埃捕獲体と負圧発生体の
    間にある空間の空気を吸引することにより、塵埃捕獲体
    と負圧発生体を作業をする面に固定し、空気閉鎖手段よ
    り破砕工具を挿通して作業をする面を破砕する際に発生
    した塵埃を導通手段を通過させて排気手段より排出させ
    ることを特徴とする工事現場の集塵器具。
  4. 【請求項4】 一方を大きく開口したお碗型の塵埃捕獲
    体と、塵埃捕獲体をその内部に収納して二重の周壁を形
    成した、一方を大きく開口したお碗型をした負圧発生体
    と、塵埃捕獲体の底の中心に開口されて破砕工具を出没
    させる作業口と、作業口に固定され、破砕工具は進入さ
    せるが空気の流動を阻止する空気閉鎖手段と、塵埃捕獲
    体と負圧発生体のそれぞれの開口の周囲に固定され、柔
    軟な材料で形成され破砕の作業をする面に接触する密閉
    手段と、負圧発生体に連通され、塵埃捕獲体と負圧発生
    体の間にある空間の空気を吸引する排気手段と、塵埃捕
    獲体に連通され、塵埃捕獲体の内部の空気を吸引する塵
    埃排出手段とから構成され、塵埃捕獲体と負圧発生体の
    それぞれの開口を破砕の作業をする面に向けて密閉手段
    を介して密着させ、排気手段より塵埃捕獲体と負圧発生
    体の間にある空間の空気を吸引することにより、塵埃捕
    獲体と負圧発生体を作業をする面に固定し、空気閉鎖手
    段より破砕工具を挿通して作業をする面を破砕する際に
    発生した塵埃を塵埃排出手段より排出させることを特徴
    とする工事現場の集塵器具。
  5. 【請求項5】 前述の空気閉鎖手段は、弾性力のある平
    板をその中心から放射状に切れ目を入れ、切れ目によっ
    て弾性のある閉鎖小片を形成したことを特徴とする請求
    項1乃至4記載の工事現場の集塵器具。
  6. 【請求項6】 前述の空気閉鎖手段は、弾性力のある平
    板をその中心から放射状に切れ目を入れ、切れ目によっ
    て弾性のある閉鎖小片を形成し、この切れ目を入れた平
    板を複数枚上下に積み重ねたことを特徴とする請求項1
    乃至4記載の工事現場の集塵器具。
  7. 【請求項7】 前述の空気閉鎖手段は、弾性力のある平
    板をその中心から放射状に切れ目を入れ、切れ目によっ
    て弾性のある閉鎖小片を形成し、この切れ目を入れた平
    板を複数枚上下に積み重ね、切れ目が上下方向で重なら
    ないように配置したことを特徴とする請求項1乃至4記
    載の工事現場の集塵器具。
  8. 【請求項8】 前述の排気手段にエゼクターを接続し、
    エゼクターの吸引側に吸気手段を接続し、排気手段から
    エゼクターを通過する空気流により吸気手段から空気を
    吸引させることを特徴とする請求項2記載の工事現場の
    集塵器具。
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