JP2008029942A - アスベスト回収方法及びアスベスト回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アスベスト回収作業の作業効率及び作業環境を向上させることができるとともに、外部へのアスベストの飛散を確実に防止して、捕集効率を高めることができるアスベスト回収方法及びアスベスト回収装置を提供すること。
【解決手段】アスベストが吹き付けられた壁等の対象物に吸引ホースを接近させ、該吸引ホースの先端に吸引力を発生させて前記対象物からアスベストを剥離し、該剥離されたアスベストを前記ホースを介してレシーバタンク内に導き、該タンク内に収容された袋状のバグフィルタにより捕集し、該バグフィルタを通過したアスベストを更にHEPAフィルタ装置へと導いて捕捉する。
【選択図】図1
【解決手段】アスベストが吹き付けられた壁等の対象物に吸引ホースを接近させ、該吸引ホースの先端に吸引力を発生させて前記対象物からアスベストを剥離し、該剥離されたアスベストを前記ホースを介してレシーバタンク内に導き、該タンク内に収容された袋状のバグフィルタにより捕集し、該バグフィルタを通過したアスベストを更にHEPAフィルタ装置へと導いて捕捉する。
【選択図】図1
Description
本発明はアスベスト回収方法及びアスベスト回収装置に関し、より詳しくは、建物の壁等に吹き付けられているアスベストを吸引力を利用して剥離して回収するアスベスト回収方法及びアスベスト回収装置に関する。
アスベストは、蛇紋岩や角閃石が繊維状に変形した天然の鉱物であって、耐熱性、絶縁性、耐薬品性等の種々の特性に優れているため、建築物、電気製品、自動車、家庭用品等、多方面において広く使用されてきた。
そのうち、建築物においては、耐火性、断熱性、吸音性等の向上を目的として、柱、梁、天井、壁等に吹き付けられて使用されてきた。
そのうち、建築物においては、耐火性、断熱性、吸音性等の向上を目的として、柱、梁、天井、壁等に吹き付けられて使用されてきた。
しかし、飛散したアスベストを肺に吸い込むと、アスベスト肺(肺繊維症)、悪性中皮腫、肺癌などの病気を発症するおそれがあることが指摘されたことから、我が国においては昭和50年に吹き付けアスベストの使用が禁止された。そして、既に施工されている現場においては、アスベストの飛散防止対策が採られている。
建築物に吹き付けアスベストが使用されている場合の飛散防止法としては、吹き付けアスベストを全部除去して他の材料に代替する方法、吹き付けアスベストの表面に固化剤を吹き付ける方法、吹き付け部分を非アスベスト材で囲い込む方法があるが、第2及び第3の方法は根本的な解決法ではないため、第1の方法、即ち吹き付けアスベストを全部除去して他の材料に代替する方法が最も効果的である。
従来、吹き付けアスベストの除去作業は、吹き付けられたアスベストを作業者がへらを用いて擦り落とし、落ちたアスベストを箒で掃き集めた後、袋詰めすることにより行われていたが、この作業には大変な労力を有し、作業者の負担が非常に大きく、作業環境も悪かった。
そこで、このような問題点に鑑みて、壁面等に吹き付けられたアスベストを、吸引力を利用して剥離する方法が提案されており(下記特許文献1参照)、この方法によれば、上記した従来の方法に比べて作業者の負担を軽減することができる。
しかしながら、特許文献1の開示技術では、除去されたアスベストを容器内部に入れたビニル袋に収集する構成であるため、アスベストの外部への飛散防止対策が十分ではなく、周辺環境を汚染するおそれがあった。
また、除去されたアスベストを収容する容器は、作業現場に応じて容量を変化させることができないため、除去すべき吹き付けアスベストが少量である場合でも大容量の容器を運搬する必要があるなど作業効率が悪かった。また、容器の容量に比べて除去すべき吹き付けアスベストが少量である場合には、吸引口と排出口との間に無駄な空間が大きく形成されるために容器内において流速が低下し、捕集効率の低下を招いていた。
しかしながら、特許文献1の開示技術では、除去されたアスベストを容器内部に入れたビニル袋に収集する構成であるため、アスベストの外部への飛散防止対策が十分ではなく、周辺環境を汚染するおそれがあった。
また、除去されたアスベストを収容する容器は、作業現場に応じて容量を変化させることができないため、除去すべき吹き付けアスベストが少量である場合でも大容量の容器を運搬する必要があるなど作業効率が悪かった。また、容器の容量に比べて除去すべき吹き付けアスベストが少量である場合には、吸引口と排出口との間に無駄な空間が大きく形成されるために容器内において流速が低下し、捕集効率の低下を招いていた。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、アスベスト回収作業の作業効率及び作業環境を向上させることができるとともに、外部へのアスベストの飛散を確実に防止して、捕集効率を高めることができるアスベスト回収方法及びアスベスト回収装置を提供するものである。
請求項1に係る発明は、アスベストが吹き付けられた壁等の対象物に吸引ホースを接近させ、該吸引ホースの先端に吸引力を発生させて前記対象物からアスベストを剥離し、該剥離されたアスベストを前記ホースを介してレシーバタンク内に導き、該タンク内に収容された袋状のバグフィルタにより捕集し、該バグフィルタを通過したアスベストを更にHEPAフィルタ装置へと導いて捕捉することを特徴とするアスベスト回収方法に関する。
請求項2に係る発明は、前記対象物が存在する空間を密閉し、前記吸引ホース先端に吸引力を発生させるための吸引装置を、該密閉空間の外部に配置することを特徴とする請求項1記載のアスベスト回収方法に関する。
請求項3に係る発明は、前記密閉空間内にHEPAフィルタ付きの排気装置を配置し、該排気装置により該密閉空間内の空気を外部へと排気することを特徴とする請求項2記載のアスベスト回収方法に関する。
請求項4に係る発明は、アスベストが吹き付けられた壁等の対象物に接近される吸引ホースと、該吸引ホースの先端に、前記対象物からアスベストを剥離するための吸引力を発生させる吸引装置と、内部に袋状のバグフィルタを収容するとともに前記吸引装置と吸引ホースとの間に接続され、該吸引ホースを通って導かれたアスベストを捕集するレシーバタンクと、前記吸引装置とレシーバタンクとの間に接続され、該レシーバタンク内のバグフィルタを通過したアスベストを捕捉するHEPAフィルタ装置とからなることを特徴とするアスベスト回収装置に関する。
請求項5に係る発明は、前記レシーバタンクは、一端部が前記吸引ホースと接続され他端部が前記バグフィルタ内において開口する吸気管と、該吸気管の開口端の後方側において前記バグフィルタ内の空間を仕切る仕切板を有し、該仕切板は該バグフィルタ内において移動可能に構成されていることを特徴とする請求項4記載のアスベスト回収装置に関する。
請求項6に係る発明は、前記仕切板は、前記バグフィルタ内において前記吸気管に取り付けられ、該吸気管に沿って移動可能とされていることを特徴とする請求項5記載のアスベスト回収装置に関する。
請求項7に係る発明は、前記仕切板が有孔板からなることを特徴とする請求項5又は6記載のアスベスト回収装置に関する。
請求項8に係る発明は、前記吸引ホースの内径が60〜80mmの範囲であることを特徴とする請求項4乃至7いずれかに記載のアスベスト回収装置に関する。
請求項1に係る発明によれば、吸引ホースの先端に発生する吸引力により、壁等の対象物からアスベストを剥離して回収することができ、しかも吸引されたアスベストは袋状のバグフィルタに自動的に収集されるため、従来の作業方法のように、へらを用いた擦り落とし作業、箒を用いた掃き集め作業、袋詰め作業を必要とせず、作業効率を大幅に向上させることができる。
また、大部分のアスベストをバグフィルタにて捕集し、バグフィルタを通過したアスベストはHEPAフィルタにより捕捉するため、剥離されたアスベストの略全量を確実に捕集することができ、アスベストが外部へと飛散することが防がれ、周辺環境を汚染するおそれがない。
また、大部分のアスベストをバグフィルタにて捕集し、バグフィルタを通過したアスベストはHEPAフィルタにより捕捉するため、剥離されたアスベストの略全量を確実に捕集することができ、アスベストが外部へと飛散することが防がれ、周辺環境を汚染するおそれがない。
請求項2に係る発明によれば、吹き付けアスベストを有する対象物が存在する空間を密閉し、吸引ホース先端に吸引力を発生させるための吸引装置を、密閉空間の外部に配置することにより、作業空間の換気を補助することが可能となり、作業環境を改善することができる。
請求項3に係る発明によれば、密閉空間内にHEPAフィルタ付きの排気装置を配置し、該排気装置により該密閉空間内の空気を外部へと排気することにより、作業空間の換気が促進され、作業環境の改善効果を高めることができる。
請求項4に係る発明によれば、吸引ホースの先端に発生する吸引力を利用して、壁等の対象物からアスベストを剥離して回収し、吸引されたアスベストは袋状のバグフィルタに収集することができるため、アスベスト回収作業の効率を大きく向上させることが可能となる。
また、吸引剥離されたアスベストの大部分をバグフィルタにて捕集し、バグフィルタを通過したアスベストはHEPAフィルタにより捕捉することが可能であるため、HEPAフィルタの負担を軽減して寿命を延ばすことができるとともに、アスベストが外部へと飛散するおそれがなく、周辺環境を汚染するおそれがない。
また、吸引剥離されたアスベストの大部分をバグフィルタにて捕集し、バグフィルタを通過したアスベストはHEPAフィルタにより捕捉することが可能であるため、HEPAフィルタの負担を軽減して寿命を延ばすことができるとともに、アスベストが外部へと飛散するおそれがなく、周辺環境を汚染するおそれがない。
請求項5に係る発明によれば、レシーバタンクが、一端部が前記吸引ホースと接続され他端部がバグフィルタ内において開口する吸気管と、該吸気管の開口端の後方側においてバグフィルタ内の空間を仕切る仕切板を有し、該仕切板は該バグフィルタ内において移動可能に構成されているため、作業現場において、回収すべきアスベストの量に応じて仕切板を移動させてバグフィルタ内の空間を仕切ることができ、1台のレシーバタンクで多様な現場に対応することができる。また、仕切板を移動させることにより、容器内におけるアスベスト回収用空間の容量を適当に設定することができるため、容器内における流速の低下を抑えて捕集効率を高めることができる。
請求項6に係る発明によれば、仕切板が、バグフィルタ内において吸気管に取り付けられ、該吸気管に沿って移動可能とされているため、仕切板の配置及び移動を簡易な構成で容易に且つ正確に行うことができる。
請求項7に係る発明によれば、仕切板が有孔板からなるため、仕切板を通過する空気の流れを生じさせることができ、レシーバタンク内の空気の流れを円滑に行わせ、ホースの先端に長時間に亘って安定した吸引力を生じさせることができる。
請求項8に係る発明によれば、吸引ホースの内径が60〜80mmの範囲であることにより、人力での吸引作業を安全に行うことができるとともに、作業中にホースの目詰まりが生じにくい。
以下、本発明に係るアスベスト回収方法及びアスベスト回収装置の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係るアスベスト回収装置を用いたアスベスト回収作業の様子を示す概要図である。
本発明に係るアスベスト回収装置は、吸引ホース(1)、レシーバタンク(2)、HEPAフィルタ装置(3)、吸引装置(4)が、この順番に一連に接続されることにより構成されている。
図1は、本発明に係るアスベスト回収装置を用いたアスベスト回収作業の様子を示す概要図である。
本発明に係るアスベスト回収装置は、吸引ホース(1)、レシーバタンク(2)、HEPAフィルタ装置(3)、吸引装置(4)が、この順番に一連に接続されることにより構成されている。
吸引ホース(1)は、作業者(S)が手に持って、その先端の開口部をアスベストが吹き付けられた壁や天井等の対象物(T)に接近させることにより使用される。
吸引ホース(1)の先端の開口部には、吸引装置(4)の作動により発生する吸引力が働き、この吸引力によって対象物(T)に吹き付けられたアスベストが剥離し、吸引ホース(1)内に導かれる。
吸引ホース(1)の先端の開口部には、吸引装置(4)の作動により発生する吸引力が働き、この吸引力によって対象物(T)に吹き付けられたアスベストが剥離し、吸引ホース(1)内に導かれる。
吸引ホース(1)の太さは特に限定されないが、内径が小さすぎると作業中にホースの目詰まりが生じ易くなり、内径が大きすぎると作業者が手で持って作業することが困難となり、いずれの場合も作業性が悪化する。
そのため、本発明においては、内径が60〜80mmの吸引ホース(1)が好適に用いられる。
そのため、本発明においては、内径が60〜80mmの吸引ホース(1)が好適に用いられる。
図2はレシーバタンク(2)を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)はA−A線断面図である。
レシーバタンク(2)は、有底円筒状の外容器(21)と、この外容器(21)の上部開放面を密閉する上蓋(22)と、外容器(21)の内部に収容された内容器(23)と、この内容器(23)内に収容されたバグフィルタ(24)と、吸引ホース(1)の基端部と接続される吸気管(25)と、この吸気管(25)に取り付けられた仕切板(26)と、HEPAフィルタ装置(3)の入口と接続される排気管(27)とを備えている。
レシーバタンク(2)は、有底円筒状の外容器(21)と、この外容器(21)の上部開放面を密閉する上蓋(22)と、外容器(21)の内部に収容された内容器(23)と、この内容器(23)内に収容されたバグフィルタ(24)と、吸引ホース(1)の基端部と接続される吸気管(25)と、この吸気管(25)に取り付けられた仕切板(26)と、HEPAフィルタ装置(3)の入口と接続される排気管(27)とを備えている。
外容器(21)は金属やプラスチック等の気密剛性材料から形成されており、上蓋(22)を閉じた状態では、吸気管(25)及び排気管(27)の部分を除いて密閉状態となるように構成されている。
上蓋(22)の中心には貫通孔が形成されており、吸気管(25)はこの貫通孔に挿通されてレシーバタンク(2)の内空間と外空間とを連通させている。
また、上蓋(22)の上面には、作業者が手で持つための取っ手(22a)が2つ取り付けられている。
また、上蓋(22)の上面には、作業者が手で持つための取っ手(22a)が2つ取り付けられている。
内容器(23)は、有底円筒状であってその側面には多数の小孔が形成されている。
この内容器(23)は、外容器(21)に対して固定されており、図2(b)(c)に示すように、外容器(21)との間には全周に亘って僅かな隙間が形成されている。
そして、内容器(23)の内部には、その内周面の全面に沿うように、袋状のバグフィルタ(24)が収容されている。
この内容器(23)は、外容器(21)に対して固定されており、図2(b)(c)に示すように、外容器(21)との間には全周に亘って僅かな隙間が形成されている。
そして、内容器(23)の内部には、その内周面の全面に沿うように、袋状のバグフィルタ(24)が収容されている。
吸気管(25)は、レシーバタンク外にある一端部が吸引ホース(1)との接続部となっており、レシーバタンク内にある他端部はバグフィルタ(24)内の略中心位置において下向きに開口している。
仕切板(26)はその略全面に亘って小孔が形成された円板状の有孔板からなり(図2(c)参照)、その中心を貫通するように短尺の円筒(26a)が固定されている。
円筒(26a)は、その内径が吸気管(25)の外径と略同径に設定されている。また、その周面にはねじ孔が貫通しており、このねじ孔にボルト(26b)が螺合されている。
仕切板(26)は、円筒(26a)を吸気管(25)に外嵌してボルト(26b)を締め付ける(進行させる)ことにより、吸気管(25)の他端部開口端の後方側(上方側)において該吸気管に対して固定されている。
円筒(26a)は、その内径が吸気管(25)の外径と略同径に設定されている。また、その周面にはねじ孔が貫通しており、このねじ孔にボルト(26b)が螺合されている。
仕切板(26)は、円筒(26a)を吸気管(25)に外嵌してボルト(26b)を締め付ける(進行させる)ことにより、吸気管(25)の他端部開口端の後方側(上方側)において該吸気管に対して固定されている。
そして、仕切板(26)は、ボルト(26b)の螺合を緩める(後退させる)ことにより、吸気管(25)に沿ってバグフィルタ(24)内の空間を上下方向にスライド移動可能となっている。
仕切板(26)を上方向に移動させると、吸気管(25)の開口端から排出されるアスベストを受け入れるためのバグフィルタ(24)内の空間が大きくなる。一方、下方向に移動させると、アスベストを受け入れるためのバグフィルタ(24)内の空間が小さくなる。
仕切板(26)を上方向に移動させると、吸気管(25)の開口端から排出されるアスベストを受け入れるためのバグフィルタ(24)内の空間が大きくなる。一方、下方向に移動させると、アスベストを受け入れるためのバグフィルタ(24)内の空間が小さくなる。
上記の構成によって、回収すべきアスベストの量に応じて仕切板(26)を移動させて、バグフィルタ内の空間容積を調整することができる。
そのため、作業現場において、回収すべきアスベストの量が多い場合には、仕切板(26)を上方向に移動させてバグフィルタ(24)内の空間を大きくし、少ない場合には、仕切板(26)を下方向に移動させてバグフィルタ(24)内の空間を小さくすることが可能となり、1台のレシーバタンクで多様な現場に対応することができる。
また、回収すべきアスベストの量が少ない場合に、バグフィルタ(24)内の空間を小さくすることにより、容器内の無駄な空間を極力少なくして流速の低下を抑え、捕集効率を高めることができる。
そのため、作業現場において、回収すべきアスベストの量が多い場合には、仕切板(26)を上方向に移動させてバグフィルタ(24)内の空間を大きくし、少ない場合には、仕切板(26)を下方向に移動させてバグフィルタ(24)内の空間を小さくすることが可能となり、1台のレシーバタンクで多様な現場に対応することができる。
また、回収すべきアスベストの量が少ない場合に、バグフィルタ(24)内の空間を小さくすることにより、容器内の無駄な空間を極力少なくして流速の低下を抑え、捕集効率を高めることができる。
尚、仕切板(26)は有孔板であるため、仕切板(26)によりバグフィルタ(24)内の空間を仕切った場合でも、仕切板(26)を通過する空気の流れが若干生じる。
そのため、バグフィルタ(24)内に蓄積したアスベストの量が多くなった場合でも、レシーバタンク内の空気の流れが停滞することが防がれて、吸引ホース(1)の先端に長時間に亘って安定した吸引力を生じさせることができる。
そのため、バグフィルタ(24)内に蓄積したアスベストの量が多くなった場合でも、レシーバタンク内の空気の流れが停滞することが防がれて、吸引ホース(1)の先端に長時間に亘って安定した吸引力を生じさせることができる。
排気管(27)は、外容器(21)の下端部近傍位置に設けられており、その一端側は
外容器(21)と内容器(23)との間の空間において開口しており、他端部は外容器(21)の外部において開口してHEPAフィルタ装置(3)との接続部となっている。
外容器(21)と内容器(23)との間の空間において開口しており、他端部は外容器(21)の外部において開口してHEPAフィルタ装置(3)との接続部となっている。
図3はHEPAフィルタ装置(3)を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
HEPAフィルタ装置(3)は、ケーシング(31)と、このケーシング(31)内に収容されたHEPAフィルタ(32)と、レシーバタンク(2)の排気管(27)から排出された空気をHEPAフィルタ(32)へと導く吸気管(33)と、HEPAフィルタ(32)を通過した空気を外部に取り出す排気管(34)と、ケーシング(31)内の圧力を測定する圧力計(35)を備えている。
HEPAフィルタ装置(3)は、ケーシング(31)と、このケーシング(31)内に収容されたHEPAフィルタ(32)と、レシーバタンク(2)の排気管(27)から排出された空気をHEPAフィルタ(32)へと導く吸気管(33)と、HEPAフィルタ(32)を通過した空気を外部に取り出す排気管(34)と、ケーシング(31)内の圧力を測定する圧力計(35)を備えている。
HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)(32)は、JIS規格で煙草の煙(0.3μmの粒子)を試験粉塵としてフィルタを1回通過させたときの集塵率が99.97%以上のフィルタであり、レシーバタンク(2)の排気管(27)から排出された空気中に含まれるアスベストを略完全に捕捉することができ、排気管(34)からの排気中に含まれるアスベストは略皆無となる。
尚、HEPAフィルタ(32)へと導入される空気は、先にバグフィルタ(24)を通過することにより殆どのアスベストが既に除去された空気であるため、HEPAフィルタ(32)に過度の負担がかかることがなく、その寿命を大幅に延ばすことができる。
尚、HEPAフィルタ(32)へと導入される空気は、先にバグフィルタ(24)を通過することにより殆どのアスベストが既に除去された空気であるため、HEPAフィルタ(32)に過度の負担がかかることがなく、その寿命を大幅に延ばすことができる。
図4は吸引装置(4)を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
吸引装置(4)は、ケーシング(41)と、このケーシング(41)内に夫々配置されたルーツブロワ(42)、電動モータ(43)、排気サイレンサ(44)と、ケーシング(41)の表面に取り付けられた操作盤(45)を備えている。
吸引装置(4)は、ケーシング(41)と、このケーシング(41)内に夫々配置されたルーツブロワ(42)、電動モータ(43)、排気サイレンサ(44)と、ケーシング(41)の表面に取り付けられた操作盤(45)を備えている。
ケーシング(41)には吸引口(41a)が開口されており、この吸引口(41a)の外側にはHEPAフィルタ装置(3)の排気管(34)が接続され、内側にはルーツブロワ(42)の吸気管が接続されている。また、ルーツブロワ(42)の排気管は、排気サイレンサ(44)と接続されている。
吸引装置(4)は、電動モータ(43)の駆動によりルーツブロワ(42)を作動させることによって、ルーツブロワ(42)の吸気管を介して吸引口(41a)に吸引力を発生させることができる。
発生した吸引力は、HEPAフィルタ装置(3)及びレシーバタンク(2)を介して吸引ホース(1)の先端開口部において、壁や天井等に吹き付けられたアスベストを剥離させる作用を発揮する。
ルーツブロワ(42)による吸引は真空圧が高いので、アスベストの剥離を効率良く行うことができるとともに、遠距離吸引が可能となるために、吸引装置(4)を作業空間外に設置することができる。
発生した吸引力は、HEPAフィルタ装置(3)及びレシーバタンク(2)を介して吸引ホース(1)の先端開口部において、壁や天井等に吹き付けられたアスベストを剥離させる作用を発揮する。
ルーツブロワ(42)による吸引は真空圧が高いので、アスベストの剥離を効率良く行うことができるとともに、遠距離吸引が可能となるために、吸引装置(4)を作業空間外に設置することができる。
以下、上記構成からなるアスベスト回収装置を用いたアスベスト回収方法について、主に図1を参照しつつ説明する。
先ず、アスベストが吹き付けられた壁や天井等の対象物(T)が存在する空間(K)をビニルシートで囲う等して密閉する。そして、本発明に係るアスベスト回収装置をこの空間(K)内に配置する。このとき、吸引装置(4)は、空間(K)の外部に設置する。これにより、作業空間の換気を補助することができ、また吸引装置(4)からの排気によって作業空間にアスベストが飛散するおそれがない。
先ず、アスベストが吹き付けられた壁や天井等の対象物(T)が存在する空間(K)をビニルシートで囲う等して密閉する。そして、本発明に係るアスベスト回収装置をこの空間(K)内に配置する。このとき、吸引装置(4)は、空間(K)の外部に設置する。これにより、作業空間の換気を補助することができ、また吸引装置(4)からの排気によって作業空間にアスベストが飛散するおそれがない。
次いで、作業者(S)が吸引ホース(1)を持ち、アスベストが吹き付けられた壁や天井等の対象物(T)に対して吸引ホース(1)の先端を接近させる。
そして、吸引装置(4)を作動することにより、吸引ホース(1)の先端開口部に吸引力を発生させ、吸引力により対象物(T)からアスベストを剥離する。
そして、吸引装置(4)を作動することにより、吸引ホース(1)の先端開口部に吸引力を発生させ、吸引力により対象物(T)からアスベストを剥離する。
対象物(T)から剥離されたアスベストは、吸引ホース(1)を通ってレシーバタンク(2)内に導かれる。
レシーバタンク(2)内に導かれたアスベストを含む空気は、吸気管(25)を通って袋状のバグフィルタ(24)内に導入される。そして、バグフィルタ(24)と内容器(23)の有孔側面を通過する際に、空気中に含まれるアスベストはバグフィルタ(24)内に捕集され、アスベストが除去された後の空気が排気管(27)を通ってレシーバタンク外へと排出される。
ここで、吸引ホース(1)を通ってレシーバタンク(2)内に導いたアスベストが袋状のバグフィルタ(24)に捕集されることにより、吸引と同時に袋詰めが行われることになる。
レシーバタンク(2)内に導かれたアスベストを含む空気は、吸気管(25)を通って袋状のバグフィルタ(24)内に導入される。そして、バグフィルタ(24)と内容器(23)の有孔側面を通過する際に、空気中に含まれるアスベストはバグフィルタ(24)内に捕集され、アスベストが除去された後の空気が排気管(27)を通ってレシーバタンク外へと排出される。
ここで、吸引ホース(1)を通ってレシーバタンク(2)内に導いたアスベストが袋状のバグフィルタ(24)に捕集されることにより、吸引と同時に袋詰めが行われることになる。
回収すべきアスベストの量が少ない場合には、作業前に仕切板(26)を移動させてバグフィルタ(24)内の空間を小さくしておくことにより、容器内の無駄な空間を極力少なくして流速の低下を抑え、捕集効率を高めることができる。
また、レシーバタンク(2)内においては、仕切板(26)の下方において吸気管(25)から排気管(27)へと向かう空気の流れが生じるが、仕切板(26)の下方の空間にアスベストが蓄積すると、この空気の流れが停滞し、吸引ホース(1)の先端に生じる吸引力が時間の経過に伴って低下していくおそれがある。しかし、本発明では、仕切板(26)が有孔板であるため、仕切板(26)の下方の空間にアスベストが蓄積しても仕切板(26)の孔を通過する空気の流れが生じ、長時間に亘って安定した吸引力を生じさせることができる。
尚、仕切板(26)の孔を通過する空気の流れに乗って一部のアスベストが上昇するが、バグフィルタ(24)は仕切板(26)の上方にも存在しているため、上昇したアスベストは仕切板(26)の上部にあるバグフィルタ(24)によって捕捉される。
尚、仕切板(26)の孔を通過する空気の流れに乗って一部のアスベストが上昇するが、バグフィルタ(24)は仕切板(26)の上方にも存在しているため、上昇したアスベストは仕切板(26)の上部にあるバグフィルタ(24)によって捕捉される。
排気管(27)を通ってレシーバタンク(2)外へと排出された空気は、吸気管(33)からHEPAフィルタ装置(3)へと導入される。
HEPAフィルタ装置(3)に導入された空気は、HEPAフィルタ(32)を通過することにより、バグフィルタ(24)に捕集されなかった微細なアスベストが捕捉され、清浄な空気となって排気サイレンサ(44)を介して外部へと放出される。
HEPAフィルタ装置(3)に導入された空気は、HEPAフィルタ(32)を通過することにより、バグフィルタ(24)に捕集されなかった微細なアスベストが捕捉され、清浄な空気となって排気サイレンサ(44)を介して外部へと放出される。
本発明においては、図1に示すように、密閉された作業空間(K)内にHEPAフィルタ付きの排気装置(5)を配置し、この排気装置(5)により空間(K)内の空気を外部へと排気すると、作業空間の換気を促進することができる。
排気装置(5)には吸引のためのファン(52)が内蔵されており、更に排気装置(5)の吸気口を覆うようにHEPAフィルタ(51)が取り付けられている。これにより、ファン(52)の駆動により吸引された空間(K)内のアスベストは、排気装置(5)内に導入される前にHEPAフィルタ(51)に捕捉される。
排気装置(5)は、密閉された作業空間(K)内の空気を外部へと排気して当該空間内を負圧にし、飛散したアスベストの外部への漏れ出しを防ぐ役割を果たすものであるが、本発明においては、レシーバタンク(2)、HEPAフィルタ装置(3)、吸引装置(4)からなるユニットが、この排気装置(5)が果たす役割を補助することができる。
排気装置(5)には吸引のためのファン(52)が内蔵されており、更に排気装置(5)の吸気口を覆うようにHEPAフィルタ(51)が取り付けられている。これにより、ファン(52)の駆動により吸引された空間(K)内のアスベストは、排気装置(5)内に導入される前にHEPAフィルタ(51)に捕捉される。
排気装置(5)は、密閉された作業空間(K)内の空気を外部へと排気して当該空間内を負圧にし、飛散したアスベストの外部への漏れ出しを防ぐ役割を果たすものであるが、本発明においては、レシーバタンク(2)、HEPAフィルタ装置(3)、吸引装置(4)からなるユニットが、この排気装置(5)が果たす役割を補助することができる。
尚、図1においては、レシーバタンク(2)及びHEPAフィルタ装置(3)の組み合わせを1組だけ設置して作業を行っている様子を示しているが、多量のアスベストを回収する作業現場においては、2組以上設置して作業を行ってもよい。
本発明は、建物の壁や天井等に吹き付けられたアスベストを効率良く安全に回収するための技術として好適に利用される。
1 吸引ホース
2 レシーバタンク
24 バグフィルタ
25 吸気管
26 仕切板
3 HEPAフィルタ装置
4 吸引装置
5 排気装置
T 対象物
2 レシーバタンク
24 バグフィルタ
25 吸気管
26 仕切板
3 HEPAフィルタ装置
4 吸引装置
5 排気装置
T 対象物
Claims (8)
- アスベストが吹き付けられた壁等の対象物に吸引ホースを接近させ、
該吸引ホースの先端に吸引力を発生させて前記対象物からアスベストを剥離し、
該剥離されたアスベストを前記ホースを介してレシーバタンク内に導き、該タンク内に収容された袋状のバグフィルタにより捕集し、
該バグフィルタを通過したアスベストを更にHEPAフィルタ装置へと導いて捕捉することを特徴とするアスベスト回収方法。 - 前記対象物が存在する空間を密閉し、
前記吸引ホース先端に吸引力を発生させるための吸引装置を、該密閉空間の外部に配置することを特徴とする請求項1記載のアスベスト回収方法。 - 前記密閉空間内にHEPAフィルタ付きの排気装置を配置し、該排気装置により該密閉空間内の空気を外部へと排気することを特徴とする請求項2記載のアスベスト回収方法。
- アスベストが吹き付けられた壁等の対象物に接近される吸引ホースと、
該吸引ホースの先端に、前記対象物からアスベストを剥離するための吸引力を発生させる吸引装置と、
内部に袋状のバグフィルタを収容するとともに前記吸引装置と吸引ホースとの間に接続され、該吸引ホースを通って導かれたアスベストを捕集するレシーバタンクと、
前記吸引装置とレシーバタンクとの間に接続され、該レシーバタンク内のバグフィルタを通過したアスベストを捕捉するHEPAフィルタ装置とからなることを特徴とするアスベスト回収装置。 - 前記レシーバタンクは、一端部が前記吸引ホースと接続され他端部が前記バグフィルタ内において開口する吸気管と、
該吸気管の開口端の後方側において前記バグフィルタ内の空間を仕切る仕切板を有し、
該仕切板は該バグフィルタ内において移動可能に構成されていることを特徴とする請求項4記載のアスベスト回収装置。 - 前記仕切板は、前記バグフィルタ内において前記吸気管に取り付けられ、該吸気管に沿って移動可能とされていることを特徴とする請求項5記載のアスベスト回収装置。
- 前記仕切板が有孔板からなることを特徴とする請求項5又は6記載のアスベスト回収装置。
- 前記吸引ホースの内径が60〜80mmの範囲であることを特徴とする請求項4乃至7いずれかに記載のアスベスト回収装置。
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JP2006205298A JP2008029942A (ja) | 2006-07-27 | 2006-07-27 | アスベスト回収方法及びアスベスト回収装置 |
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- 2006-07-27 JP JP2006205298A patent/JP2008029942A/ja active Pending
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