JP2019025648A - 有害物質含有塗装材除去システム及び有害物質含有塗装材の除去方法 - Google Patents

有害物質含有塗装材除去システム及び有害物質含有塗装材の除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】建造物の面に塗布された、少なくとも一方に有害物質が含有される下地調整剤及び表面側の弾性系塗装材を、有害物質を飛散させることなく容易に除去すること。【解決手段】壁面2に塗装された下地調整剤3a及び表面側の弾性系塗装材を除去する際に、仕切機構により回収分離タンク130と加圧タンク131とを独立状態とし、ケース121の貫通孔にグラインダ部を装着し、バキューム装置50で吸引ホース125を介してケース121内を吸引しながら、当該グラインダ部により弾性系塗装材を研削して除去する。次に、仕切機構により回収分離タンク130と加圧タンク131とを連通状態とし、ケース121の貫通孔にノズル122を装着し、グラインダ部での除去により露出した下地調整剤3aにノズル121から研削材111を噴き付けて除去する。【選択図】 図3

Description

本発明は、造物の壁面等の面に塗布される有害物質(アスベスト、重金属、PCB等)を含有する下地調整剤及び表面側の弾性系塗装材を除去する有害物質含有塗装材除去システム及び有害物質含有塗装材の除去方法に関する。
建造物の壁面等のコンクリート面に、直に弾性系塗装材を塗装すると、コンクリート面が粗すぎて塗装し難いことがある。そこで、塗装し易くするため、コンクリート面に、まず、下地調整剤を塗布して表面を滑らかにし、この上に弾性系塗装材を塗装していた。なお、下地調整剤は弾性を有さない非弾性剤である。
弾性系塗装材には、アスベスト(石綿)等の有害物質が含有されていることが多く、下地調整剤においても、有害物質が含有されている場合がある。以降、下地調整剤及び弾性系塗装材には、少なくとも一方に有害物質が含有されているとする。
アスベストは、不燃性、耐火性、断熱性や吸音性に優れていることから、過去において、建造物の外壁や外部フロアー、建造物の天井、壁、床、柱や梁などの各面に、断熱材や吸音材として噴き付けたり、塗料や下地調整剤に含有させて塗装したりすることで用いられていた。しかし、近年では、アスベストは、有害で人体の健康に悪影響を与える要因となることが指摘されており、アスベストを含有する下地調整剤及び弾性系塗装材を除去する際に、人体に安全に除去する規制が強化されている。
なお、下地調整剤及び弾性系塗装材に含まれる有害物質は、アスベストの他に、鉛等の重金属やPCB(ポリ塩化ビフェニル)等がある。
壁面等の有害物質を含有する下地調整剤及び弾性系塗装材を除去する場合、人が持って使用するディスクグラインダ(単に、グラインダともいう)や、研削材を噴き付けて研削(又は剥離)を行うブラスト装置により、壁面等の下地調整剤及び弾性系塗装材を研削して除去している。
ところで、下地調整剤及び弾性系塗装材を除去した後の面に、有害物質を含まない塗装材を塗装する場合もある。この場合、除去後の表面の仕上がりが良いことが要求される。ここで、表面の仕上がり具合は、グラインダ処理が2級であるのに対して、ブラスト処理では1級となる。1級の方が2級より仕上がりが良い。
このため、有害物質を含まない塗装材に塗装し直す等の除去後の表面を再利用する場合、下地調整剤及び弾性系塗装材の除去は、ブラスト処理で行うのが好ましい。この種のブラスト処理を行う技術として、特許文献1に記載の装置がある。
特開2003−1563号公報
上述したように建造物の面に塗装された下地調整剤及び弾性系塗装材を除去する処理を、ブラスト処理で行う場合、最初に除去を行う表面には弾性系塗装材がある。この場合、ブラスト処理を行う際に、弾性系塗装材の弾性によって、表面に噴き付けられる研削材の衝突が吸収されてしまう。このため、塗装材を除去し難いという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、建造物の面に塗布された、少なくとも一方に有害物質が含有される下地調整剤及び表面側の弾性系塗装材を、有害物質を飛散させることなく容易に除去することができる有害物質含有塗装材除去システム及び有害物質含有塗装材の除去方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、少なくとも一方に有害物質が含有された下地調整剤及び弾性系塗装材が用いられ、面に塗布された前記下地調整剤及び表面側の前記弾性系塗装材を除去する有害物質含有塗装材除去システムであって、前記弾性系塗装材を研削して除去するグラインダ部と、前記下地調整剤に研削材を噴き付けて除去するノズルと、前記グラインダ部又は前記ノズルを交換して装着可能な貫通孔を有するケースと、前記ノズルに研削材を供給する加圧タンクと、一端が前記ケースに接続され、前記除去された弾性系塗装材又は下地調整剤及び研削材を当該ケース内から吸引する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端から吸引を行うバキューム装置と、前記吸引ホースの途中に設けられると共に前記加圧タンクに連結され、前記下地調整剤及び研削材の吸引時に両者を分離して研削材を回収し、回収された研削材を当該加圧タンクへ送る回収分離タンクと、前記回収分離タンクと前記加圧タンクとを互いに分離した独立状態又は互いに連通した連通状態とする仕切機構とを備えることを特徴とする有害物質含有塗装材除去システムである。
請求項3に係る発明は、少なくとも一方に有害物質が含有された下地調整剤及び弾性系塗装材が用いられ、面に塗布された前記下地調整剤及び表面側の前記弾性系塗装材を除去する有害物質含有塗装材除去システムであって、前記弾性系塗装材を研削して除去するグラインダ部と、前記下地調整剤に研削材を噴き付けて除去するノズルと、前記グラインダ部又は前記ノズルを交換して装着可能な貫通孔を有するケースと、前記ノズルに研削材を供給する加圧タンクと、一端が前記ケースに接続され、前記除去された弾性系塗装材又は下地調整剤及び研削材を当該ケース内から吸引する吸引ホースと、前記吸引ホースの他端から吸引を行うバキューム装置と、前記吸引ホースの途中に設けられると共に前記加圧タンクに連結され、前記下地調整剤及び研削材の吸引時に両者を分離して研削材を回収し、回収された研削材を当該加圧タンクへ送る回収分離タンクと、前記回収分離タンクと前記加圧タンクとを互いに分離した独立状態又は互いに連通した連通状態とする仕切機構とを備え、前記仕切機構により前記回収分離タンクと前記加圧タンクとを独立状態とするステップと、前記ケースの貫通孔に前記グラインダ部を装着し、前記バキューム装置で前記吸引ホースを介してケース内を吸引しながら、当該グラインダ部により前記弾性系塗装材を研削して除去するステップと、前記仕切機構により前記回収分離タンクと前記加圧タンクとを連通状態とするステップと、前記ケースの貫通孔に前記ノズルを装着し、前記グラインダ部での除去により露出した前記下地調整剤に当該ノズルから前記研削材を噴き付けて除去するステップを実行することを特徴とする有害物質含有塗装材の除去方法である。
請求項1の構成及び請求項3の方法によれば、最初に、仕切機構により回収分離タンクと加圧タンクとを独立状態とし、ケースの貫通孔にグラインダ部を装着し、バキューム装置で吸引ホースを介してケース内を吸引しながら、グラインダ部により弾性系塗装材を研削して除去する。弾性系塗装材は弾性を有しているが、研削砥石等の硬いグラインダ部で弾性系塗装材を研削するので容易に研削して除去することができる。この際、仕切機構により回収分離タンクと加圧タンクとが独立状態とされているので、検索された弾性系塗装材の粉塵は、加圧タンクに入らず回収分離タンクのみを通って吸引される。この吸引先に粉塵袋を備えておけば、その粉塵が粉塵袋で回収される。次に、仕切機構により回収分離タンクと加圧タンクとが連通状態とされ、ケースの貫通孔にノズルを装着し、上記グラインダ部での除去により露出した下地調整剤に、ノズルから研削材を噴き付けて下地調整剤を剥離して除去することができる。この場合、下地調整剤は弾性を有さないので、ノズルから研削材を噴き付けることにより、容易に下地調整剤を剥離して除去できる。従って、面に塗装された下地調整剤と表面側の弾性系塗装材を、容易に除去することができる。
請求項2に係る発明は、前記ケースの貫通孔の内周に第1のネジ山を備え、前記グラインダ部の外周及び前記ノズルの外周に、前記第1のネジ山に螺合する第2のネジ山を備えることを特徴とする請求項1に記載の有害物質含有塗装材除去システムである。
この構成によれば、ケースにグラインダ部又はノズルを強固に固定することができるので、弾性系塗装材又は下地調整剤をより早く除去することができる。
本発明によれば、建造物の面に塗布された、少なくとも一方に有害物質が含有される下地調整剤及び表面側の弾性系塗装材を、有害物質を飛散させることなく容易に除去することができる。
本発明の実施形態に係る有害物質含有塗装材除去システム及び有害物質含有塗装材の除去方法を実現するためのグラインダ処理システムの構成を示す断面図である。 吸引式グラインダの構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る有害物質含有塗装材除去システム及び有害物質含有塗装材の除去方法を実現するためのブラスト処理システムの構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<実施形態の構成>
本発明は、建造物の面に塗装された下地調整剤と表面側の弾性系塗装材を除去する際に、表面側の弾性系塗装材をグラインダ処理で研削して除去し、次に、下地調整剤をブラスト処理で研削して除去するようにした。但し、下地調整剤及び弾性系塗装材には、少なくとも一方に有害物質が含有されているとする。
図1は、本発明の実施形態に係る有害物質含有塗装材除去システム及び有害物質含有塗装材の除去方法を実現するためのグラインダ処理システムの構成を示す断面図である。
図1において、建造物の外部1の壁面2には、弾性を有さない下地調整剤3aと表面側の弾性系塗装材3bとが塗布されている。下地調整剤3a及び弾性系塗装材3bは、壁面2に拘らず、壁面2に当接して外部1に設けられた床5等の露出面にも塗装されている場合もある。更には、建造物の室内の壁面、床や天井並びに柱等の露出面にも塗装されている場合もある。しかし、本実施形態では、外部1の壁面2に塗装されている場合を例に挙げて説明する。また、本実施形態において、下地調整剤3a及び弾性系塗装材3bの少なくとも一方に含まれる有害物質は、本例ではアスベストとするが、アスベストの他に、前述した鉛等の重金属やPCB等がある。
図1に示すグラインダ処理システム10は、壁面2に塗装された表面側の弾性系塗装材3bを除去するものである。このグラインダ処理システム10は、作業者4が持って使用する吸引式グラインダ20と、バグレシーバタンク30と、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)装置40と、バキューム装置50と、バキューム装置50の電源60と、収納室70とを備えて構成されている。
バグレシーバタンク30及びHEPAフィルタ装置40は、外部1の床5に配置され、この床5において、更に収納室70の中に気密状(又は密閉状ともいう)に収納されている。バキューム装置50及び電源60も床5に配置されている。
また、吸引式グラインダ20とバグレシーバタンク30は吸引ホース80aにより接続され、HEPAフィルタ装置40とバグレシーバタンク30は吸引ホース80bにより接続され、HEPAフィルタ装置40とバキューム装置50は吸引ホース80cにより接続されている。この接続により、バキューム装置50の吸引力で、吸引ホース80aの先端開口から粉塵等を含む空気が吸引されるようになっている。
吸引式グラインダ20は、図2に示すように、内部に図示せぬモータが組み込まれた本体部21、及び、本体部21から突き出たモータの軸22の先端に、中心部が連結された円盤状の研削部23を備えて成るグラインダ部24と、椀状(凹状)のケース25とが組み合わされて構成されている。この組合せ構成を説明する。グラインダ部24とケース25とは、本体部21の先端側の外周面が、ケース25の中心部に形成された貫通孔に挿通されて固定されている。更に、グラインダ部24とケース25とは、その挿通された本体部21から突き出た軸22の先端に連結された研削部23の研削面23aが、ケース25の開口25aから露出する状態で組み合わされている。モータの回転力で研削部23が回転するようになっている。研削部23は、研削砥石等の表面に凹凸を多数有する硬質材を円盤状等にして形成される。
また、ケース25の開口25aの周囲の周端には、ブラシ26が所定長さ突き出る状態で固定されている。ケース25の外面25bには、外面25bの壁を貫通して内部と連通する貫通孔25cと、吸引ホース80aの先端開口(一端)とが連通状態に接合されている。なお、ケース25は、金属材料や強化樹脂材料等の容易に破損しない材料で形成されている。吸引ホース80a〜80c(図1参照)は、可撓性を有する材料で形成されている。また、ブラシ26に代え、空気は通すが、弾性系塗装材粉塵は通さないような、スポンジ等の多孔性の柔軟材料を用いてもよい。弾性系塗装材粉塵とは、吸引式グラインダ20で弾性系塗装材3bを研削した際に分離する弾性系塗装材3bの粉末を含む粉塵のことである。以降、弾性系塗装材粉塵を、第1粉塵ともいう。
このような構成の吸引式グラインダ20は、次のように研削を行う。即ち、作業者4が本体部21を把持してモータを起動させ、この起動により回転する研削部23を収容するケース25のブラシ26を、壁面2の弾性系塗装材3bに押し当てる。更に、作業者4がブラシ26を押しつぶして変形させ、研削部23を弾性系塗装材3bに押し付けることで、研削面23aが弾性系塗装材3bを研削して除去するようになっている。これと同時に、除去された第1粉塵は、図1に示すバキューム装置50の吸引により吸引ホース80aの先端開口から吸引され、吸引ホース80a,80b,80cを通る過程で、バグレシーバタンク30及びHEPAフィルタ装置40で捕集されるようになっている。この際、ケース25と壁面2との間は、ブラシ26で塞がれているので、ケース25外からブラシ26を介してケース25内へ空気が入ってくる。この空気の流れで第1粉塵が吸引ホース80aに吸引され易くなり、第1粉塵がケース25の外へ出ることはない。
バグレシーバタンク30は、この内部に、集塵を行うバグフィルタ(図示せず)が搭載されて構成されている。バグフィルタは、第1粉塵を含む空気を、ろ布(図示せず)に通すことにより集塵を行い、ろ布の裏側から空気をぶつけて集塵した第1粉塵を集塵袋(図示せず)に払い落すようになっている。集塵袋が第1粉塵で満杯となった際に、バキューム装置50による吸引を停止し、集塵袋の口を閉じてレシーバタンクから引き出し、新しい集塵袋と交換するようになっている。なお、集塵袋を交換することを、バグフィルタを交換するという場合もある。
バグフィルタの集塵袋が満杯となったことは、バグレシーバタンク30に取り付けられた図示せぬブザー及びランプ等の警報装置によって、作業者4又は他の作業者に知らせるようになっている。この他、バグレシーバタンク30と吸引式グラインダ20とが電気的に繋がっており、集塵袋が満杯となった際に、吸引式グラインダ20が自動的に停止するインターロック機能を備えていてもよい。
HEPAフィルタ装置40は、HEPAフィルタ(図示せず)を着脱自在に内蔵している。HEPAフィルタは、JIS規格で煙草の煙(0.3μmの粒子)を試験粉塵としてフィルタを1回通過させたときの集塵率が99.97%以上のフィルタである。このHEPAフィルタでは、バグレシーバタンク30で捕集されず、吸引ホース80bを介して排出された空気中に含まれる微細な第1粉塵を略完全に捕捉することができる。このため、HEPAフィルタ装置40の排気中に含まれる第1粉塵は略皆無となる。
なお、HEPAフィルタ装置40に吸引ホース80bを介して流入される空気は、この前段でバグレシーバタンク30を通過することにより、殆どの第1粉塵が既に除去された空気である。このため、HEPAフィルタ装置40に過度の負担がかかることがなく、その寿命が大幅に長くなっている。
HEPAフィルタが、捕集した第1粉塵で一杯となり捕集不可能状態となった場合、HEPAフィルタ装置40に取り付けられた図示せぬブザー及びランプ等の警報装置によって、作業者4又は他の作業者に知らせるようになっている。捕集不可能状態には、目詰まりも含むとする。この他、HEPAフィルタ装置40と吸引式グラインダ20とが電気的に繋がっており、集塵袋が満杯となった際に、吸引式グラインダ20が自動的に停止するインターロック機能を備えていてもよい。
以降、バグフィルタの集塵袋やHEPAフィルタの交換を、フィルタ交換とも称す。
バキューム装置50は、電源60の給電により吸引動作を行うものであり、ケーシング内に、図示せぬルーツブロワ(容積式送風機)と、電動モータと、ルーツブロワの排気管に接続された排気サイレンサとを備えて構成されている。
電動モータの駆動によりルーツブロワを作動させ、ルーツブロワの吸気管を介して吸引口に吸引力を発生させるようになっている。この発生した吸引力は、吸引ホース80c,80bを通って、HEPAフィルタ装置40及びバグレシーバタンク30を介して吸引ホース80aに伝わり、吸引ホース80aの先端開口から第1粉塵を吸引するようになっている。この際、ルーツブロワの排気音は、排気サイレンサで低減される。
なお、ルーツブロワによる吸引は真空圧が高いので、第1粉塵の吸引を効率良く行うことができ、遠距離吸引が可能となる。このため、例えば研削対象が室内等の閉鎖空間に有る場合、バキューム装置50を閉鎖空間外に設置することができる。
収納室70は、バグレシーバタンク30及びHEPAフィルタ装置40を密閉状に囲うものである。これは、バグレシーバタンク30の集塵袋が第1粉塵で満杯となった際に、新しい集塵袋と交換する場合、又は、HEPAフィルタ装置40のHEPAフィルタが第1粉塵を捕集不可能状態となった場合に、第1粉塵が外部1の空間に飛散しないようにするためである。なお、密閉状は、完全な密閉で無くとも、ほぼ密閉と見做せれる状態である。この概念は、気密状も同様である。
収納室70は、樹脂製や軽量金属等による真直ぐな複数のパイプ(図示せず)を、パイプ継手によって縦方向及び横方向に連結した直方体構造を成す骨組(図示せず)と、この骨組の6面を覆うシート(図示せず)で構成されている。シートは、ビニール製、ポリエチレン製又はポリプロピレン製等の樹脂製である。また、収納室の側面のシートには、人が出入り可能な出入口としてのL字型等のスリットに線ファスナ(図示せず)が取り付けられ、人が線ファスナを開け閉めして出入りできるようになっている。
収納室70に収納されたバグレシーバタンク30及びHEPAフィルタ装置40の吸引ホース80a,80cは、収納室70の対向する側面に各々形成された貫通孔(図示せず)を挿通して、収納室70の外部へ導かれている。
次に、ブラスト処理システムについて説明する。図3は、本発明の実施形態に係る有害物質含有塗装材除去システム及び有害物質含有塗装材の除去方法を実現するためのブラスト処理システムの構成を示す断面図である。
図3に示すブラスト処理システム(ブラスト装置)100は、ノズルヘッド120と、回収分離タンク130と、加圧タンク131と、ダストコレクタ132と、ブロワ133と、操作盤135とを備え、更に、収納室70、バキューム装置50及び電源60を、グラインダ処理システム10と共有して構成されている。
ノズルヘッド120は、研削材111を除去対象物としての下地調整剤3aに噴き付けると共に、研削材111によって剥離された下地調整剤3aの粉末を含む塗装粉塵を回収するものである。研削材111には、アルミナ(酸化アルミニウム)や、炭化珪素等のセラミックの粉末や、ガラスビーズ等やプラスチックパウダー等が用いられる。また、下地調整剤3aは、前述のグラインダ処理システム10により弾性系塗装材3bが除去された後に露出しているものとする。なお、塗装粉塵を、第2粉塵ともいう。
ノズルヘッド120は、椀状(凹状)のケース121内において、下地調整剤3aに研削材111を噴き付けるノズル122と、その噴き付けにより分離された第2粉塵を回収するための回収口123とを備えている。椀状のケース121の開口121aの周囲の周端には、ブラシ124が所定長さ突き出る状態で固定されている。
ノズル122は、ケース121の中心部に設けられた貫通孔に挿通されてケース121の内部空間に延びており、ブラシ124で囲まれた領域の中心に研削材11を噴き付けるようになっている。ケース121の外面側に突き出たノズル122の開口端には、研削材111を送り出すブラストホース126の先端開口が連通状態に接続固定されている。
回収口123は、ケース121のノズル挿通付近の壁を貫通してケース内部と連通するように形成されている。この回収口123には、ケース121の外面側において吸引ホース125の先端開口が連通状態に接続固定されている。
ケース121内の空気や粉塵等は、回収口123を介して吸引ホース125で吸引されるが、これは次のように行われる。即ち、回収口123に連通する吸引ホース125の他端は、回収分離タンク130を介して粉塵ホース127と連通し、粉塵ホース127はダストコレクタ132を介して吸引ホース128と連通し、この吸引ホース128がバキューム装置50に接続されている。従って、バキューム装置50で吸引ホース128を介して吸引を行うことにより、ダストコレクタ132、粉塵ホース127、回収分離タンク130、吸引ホース125の順で吸引が行われ、末端の回収口123からケース121内の空気を吸引するようになっている。
上記構成のノズルヘッド120は、次のように下地調整剤3aを剥離して除去する。即ち、作業者4(図1参照)がケース121を把持してそのブラシ124を、壁面2の下地調整剤3aに押し当て、更に、ブラシ26が変形するまで下地調整剤3aに押し付ける。この状態で、ノズル122から研削材111を噴出し、下地調整剤3aを研削して剥離する。この剥離された第2粉塵は研削材111と共に、回収口123から吸引ホース125で吸引される。この際、ケース121と壁面2との間は、ブラシ124で塞がれているので、ケース121外からブラシ124を介してケース121内へ空気が入ってくる。この空気の流れで第2粉塵が吸引ホース125で吸引され易くなり、第2粉塵や研削材111がケース121の外へ出ることはない。なお、ブラシ124に代え、空気は通すが、第2粉塵は通さないような、スポンジ等の多孔性の柔軟材料を用いてもよい。
回収分離タンク130は、吸引ホース125の基端開口が内部に連通状態で接続されており、壁面2から剥離された第2粉塵と研削材111との混合物を、吸引ホース125を介し吸引して回収する。更に、回収分離タンク130は、その回収した混合物を、研削材111と第2粉塵とに分離する。この分離された一方の研削材111は、回収分離タンク130の下方に配置された加圧タンク131へ送られ、他方の第2粉塵は、粉塵ホース127を介してダストコレクタ32に送られるようになっている。
加圧タンク131は、回収分離タンク130から送られて来た研削材111に、エアー圧力を加え、ブラストホース126を介してノズルヘッド120のノズル122に圧送する。この圧送により、ノズル122から研削材111が噴出するようになっている。このように、研削材111は、ノズルヘッド120、吸引ホース125、回収分離タンク130、加圧タンク131、ブラストホース126を順次通過して、ノズルヘッド120から噴出される経路を循環している。
吸引ホース125とブラストホース126は、下地調整剤3aを除去する壁面2の面積に応じて長さが決定されている。面積が広くなる程にホース長が長くされている。吸引ホース125とブラストホース126は、可撓性を有する材質により構成されており、作業者4(図1参照)がノズルヘッド120を自在に動かせるようになっている。
ダストコレクタ132は、粉塵ホース127を介して回収分離タンク130で分離された第2粉塵を吸引し、この第2粉塵を、内部に配置された集塵袋(図示せず)に回収する。この際、ダストコレクタ132の上方に連通して設けられたブロワ33によって、ダストコレクタ132の内部の空気を煙突状の筒から排出するようになっている。ブロワ33には、HEPAフィルタ134が設けられており、外気への粉塵の漏出を阻止している。なお、HEPAフィルタ134は、前述したHEPAフィルタ装置40のHEPAフィルタと同等のフィルタ機能を有するものとする。
上述したブラスト処理システム100の動作は、作業者が操作盤135を操作することにより行われるようになっている。なお、操作盤135には、電源60から給電が行われるように配線接続されている。
収納室70は、回収分離タンク130と、加圧タンク131と、ダストコレクタ132と、ブロワ133と、操作盤135とを密閉状に囲うものである。但し、操作盤135は、操作部のみが収納室70の側面から操作可能なようになっている。又は、操作盤135のみが、収納室70の外に配置されていてもよい。
収納室70は、ダストコレクタ132の集塵袋が第2粉塵で満杯となった際に、新しい集塵袋と交換する場合、又は、ブロワ133のHEPAフィルタ134が第2粉塵を捕集不可能状態となって交換する場合に、第2粉塵が外部1の空間に飛散しないようにするためである。
また、本実施形態では、収納室70の内部に、ブラスト処理システム100の回収分離タンク130と、加圧タンク131と、ダストコレクタ132と、ブロワ133と、操作盤135とが配置される他、グラインダ処理システム10のバグレシーバタンク30及びHEPAフィルタ装置40も配置されているとする。或いは、収納室70を2つ用意して、一方をブラスト処理システム100用とし、他方をグラインダ処理システム10用としてもよい。
ダストコレクタ132の集塵袋が満杯となったこと、又は、HEPAフィルタ134が、捕集した第2粉塵で一杯となり捕集不可能状態となった場合、ダストコレクタ132に取り付けられた図示せぬブザー及びランプ等の警報装置によって、作業者4又は他の作業者に知らせるようになっている。この他、ダストコレクタ132とノズルヘッド120とが電気的に繋がっており、集塵袋が満杯となった場合、又は、HEPAフィルタ134が捕集不可能状態となった場合に、ノズル122からの研削材111の噴出が自動的に停止するインターロック機能を備えていてもよい。
<実施形態の動作>
次に、上述したグラインダ処理システム10及びブラスト処理システム100により、図1に示す壁面2に塗装された下地調整剤3a及び表面側の弾性系塗装材3bを除去する、有害物質含有塗装材の除去方法の作業手順を説明する。
但し、上述したように、収納室70の内部には、図3に示すブラスト処理システム100の回収分離タンク130と、加圧タンク131と、ダストコレクタ132と、ブロワ133と、操作盤135とが配置される他、図1に示すグラインダ処理システム10のバグレシーバタンク30及びHEPAフィルタ装置40も配置されているとする。
最初に、図1に示すように、作業者(研削を行う作業者4、又は別の作業者の何れでもよい)は、電源60を投入してバキューム装置50を起動する。これにより、バキューム装置50の吸引力で、吸引式グラインダ20に取り付けられた吸引ホース80aの先端開口から吸引が開始される。
次に、作業者4は、壁面2の前方において、吸引式グラインダ20の本体部21を持ちモータを起動する。これにより図2に示す研削部23が回転するので、作業者4は、ケース25のブラシ26を壁面2の弾性系塗装材3bに押し当て、更に、ブラシ26が押しつぶれて変形するように、研削部23を弾性系塗装材3bに押し付ける。これによって、研削面23aが弾性系塗装材3bを研削する作業が開始される。
その研削により除去された第1粉塵は、吸引ホース80aの先端開口から吸引される。この吸引された第1粉塵は、まず、吸引ホース80aを通ってバグレシーバタンク30へ流入する。この流入した第1粉塵は、バグレシーバタンク30内のバグフィルタで捕集される。
この際、バグフィルタを通過した微細な第1粉塵は、吸引ホース80bを通ってHEPAフィルタ装置40へ流入する。この流入した微細な第1粉塵は、HEPAフィルタ装置40で略完全に捕捉される。このため、HEPAフィルタ装置40の吸引ホース80cへの排気中に含まれる第1粉塵は略皆無となる。従って、吸引ホース80cを通ってバキューム装置50へ流入する成分は略空気のみとなる。
このような塗装材3の研削が実施されている途中で、バグレシーバタンク30において、集塵袋が満杯になった場合は、その満杯が警報等で作業者に通報されるので、作業者4は塗装材3の研削作業を中止し、集塵袋の交換を行う。この交換は、別の作業者が行ってもよい。
集塵袋の交換を行う場合、作業者が、収納室70のL字型の線ファスナ(図示せず)を開けて収納室70の中に入り、線ファスナを閉じて密閉空間にて行う。交換した集塵袋は、作業者が収納室70の外へ搬出し、所定の場所に保管する。
一方、塗装材3の研削が実施されている途中で、HEPAフィルタ装置40のHEPAフィルタが第1粉塵を捕集不可能状態になった場合も、上記集塵袋の交換と同様に、収納室70において、作業者がHEPAフィルタ装置40のHEPAフィルタを交換して所定の場所に保管する。
このようなフィルタ交換を行った後、作業者4は塗装材3の除去作業を再開する。この除去作業を、壁面2から弾性系塗装材3bが全て除去されるまで行う。弾性系塗装材3bが全て除去されると、今度は、壁面2上の下地調整剤3aが全て露出する。
次に、下地調整剤3aを、ブラスト処理システム100により除去する場合の処理を、図3を参照して説明する。
作業者4(図1参照)が、壁面2の下地調整剤3aにノズルヘッド120を当接する。この後、他の作業者が図3に示す電源60を投入してバキューム装置50を起動すると共に、操作盤135を操作してノズルヘッド120のノズル122から研削材111を噴出させる。
この噴出された研削材111が、下地調整剤3aに衝突することにより、下地調整剤3aが壁面2から剥離する。この際、下地調整剤3aは第2粉塵として剥離され、ケース121内に飛散する。これと同時に、壁面2に衝突した研削材111も、ケース121内に飛散する。この場合、ケース121内は、回収口123を介して吸引ホース125で吸引されており、ケース121と壁面2との間は、ブラシ124で塞がれている。このため、ケース121外からブラシ124を介してケース121内へ空気が入ってくので、ブラシ124から回収口123へ空気が流れる。この空気流によって、飛散した第2粉塵及び研削材111が混合物となって、空気と供に回収口123に吸い込まれる。
この吸い込まれた混合物は、吸引ホース125を介して回収分離タンク130へ吸い込まれる。回収分離タンク130では、吸い込まれた混合物が、研削材111と第2粉塵とに分離される。この分離された一方の研削材111は加圧タンク131へ送られ、他方の第2粉塵は、粉塵ホース127を介してダストコレクタ32に送られる。
加圧タンク131では、粉塵ホース127を介して送られて来た研削材111に、エアー圧力が加えられる。このエアー圧力により研削材111は、ブラストホース126を介してノズルヘッド120のノズル122に圧送され、ノズル122から再度、下地調整剤3aへ噴出される。以降、研削材111は、ブラスト処理動作が停止されるまで、ノズルヘッド120、回収口123、吸引ホース125、回収分離タンク130、加圧タンク131、ブラストホース126を順に通過し、ノズルヘッド120に戻る順番で循環する。
一方、回収分離タンク130で分離された第2粉塵は、粉塵ホース127を介してダストコレクタ132へ吸引され、集塵袋に回収される。この際、ブロワ33によって、ダストコレクタ132の内部の空気が煙突状の筒から排出される。このような処理が、壁面2から全ての下地調整剤3aが除去されるまで行われる。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の有害物質含有塗装材の除去方法は、少なくとも何れか一方に有害物質が含有された下地調整剤3a及び弾性系塗装材3bが用いられ、面としての壁面2に塗装された下地調整剤3a及び表面側の弾性系塗装材3bを除去するものである。
本実施形態の有害物質含有塗装材の除去方法の特徴は、壁面2に塗装された下地調整剤3a及び表面側の弾性系塗装材3bを除去する際に、吸引式グラインダ20を備えるグラインダ処理システム10と、ノズルヘッド120を有するブラスト装置としてのブラスト処理システム100とを用いて行うようにした点にある。
吸引式グラインダ20は、バキューム装置50で吸引される吸引ホース80aの先端でケース25内を吸引しながら、ケース25の開口25aから研削面23aが露出するようにケース25内に収容された研削部23により、塗装材の研削を行うものである。
ノズルヘッド120は、研削材111を面に塗装された塗装材に噴き付け、この噴き付けられた研削材111によって剥離される塗装材の粉塵を回収するものである。
最初に、作業者4は吸引式グラインダ20を用い、吸引ホース80aの先端でケース25内を吸引しながら、ケース25の開口25a側を弾性系塗装材3bに押し当てて、研削部23で弾性系塗装材3bを研削して除去する第1ステップを実行する。
次に、作業者4はブラスト装置を用い、ノズルヘッド120を、第1ステップでの除去後に露出した下地調整剤3aに押し当てて、研削材111を下地調整剤3aに噴き付けることにより、下地調整剤3aを剥離して除去する第2ステップを実行する。
この方法によれば、最初に、吸引式グラインダ20を用いて、表面側の弾性系塗装材3bを除去する。この場合、塗装材3bが弾性を有しているが、研削砥石等の硬い研削部23で弾性系塗装材3bを研削するので、弾性系塗装材3bを容易に研削して除去することができる。
次に、ブラスト処理システム100を用い、弾性系塗装材3bの除去後に露出した下地調整剤3aを除去する。この場合、下地調整剤3aは弾性を有さないので、ノズルヘッド120から研削材111を噴き付けることにより、容易に下地調整剤3aを剥離して除去することができる。
従って、面に塗装された下地調整剤3a及び表面側の弾性系塗装材3bを、容易に除去することができる。また、壁面2の上に塗装された下地調整剤3aとを、表面仕上がりが1級のブラスト処理で除去する。このため、1級よりも仕上がりが悪い2級のグラインダ処理よりも、塗装除去後の壁面2の表面を良好な仕上がりとすることができる。これによって、壁面2から有害物質含有塗装材を除去し、有害物質を含まない塗装材に塗装し直す等の、除去後の壁面2の表面を、適正に再利用することができる。
また、下地調整剤3a及び弾性系塗装材3bに含まれる有害物質を吸引しながら除去するので、外部1の作業周辺の空間や、室内等の作業空間が汚染されることを防止することができる。このため、作業場所が室内であれば、従来のように、作業空間である部屋の外部側に、エアー洗浄を行うクリーンルームを設けなくても済み、その分、コスト低減を図ることができる。また、クリーンルームが不要となるので、作業員が室内と室外とを容易に移動可能となり、これにより、室外にバキューム装置等の操作員を別途配置する必用もなくなる。従って、作業員の削減を図ることができる。
更には、グラインダ処理システム10及びブラスト処理システム100では、バキューム装置50、電源60、収納室70を共用化できるので、その分、作業設備のコスト低減を図ることができる。
<実施形態の変形例>
この他、変形例として次のような構成としてもよい。図3に示すノズルヘッド120の中央部分の貫通孔に、ノズル122を抜差し自在にする。また、ノズル122を抜いた後のノズルヘッド120の貫通孔に、図2に示すグラインダ部24の本体部21を、抜差し自在な構成とする。更に、回収分離タンク130と加圧タンク131との境界に、双方のタンク130,131を上下で分離した独立状態又は連通状態とする仕切機構(図示せず)を備える。
ノズルヘッド120の貫通孔の内周には、第1のネジ山を形成し、ノズル122の外周及びグラインダ部24の本体部21の外周には、第1のネジ山に螺合する第2のネジ山を形成してもよい。この構成の場合、ノズルヘッド120にノズル122又は本体部21を第1及び第2のネジ山で螺合することにより、双方を強固且つ密着状に固定することができる。
仕切機構は、上下で連通する回収分離タンク130と加圧タンク131との境界に、仕切板を差し込んで、双方のタンク130,131を上下で分離した独立状態とし、仕切板を抜き出して、双方のタンク130,131を上下で連通状態とする機構であってもよい。
このような構成において、最初は、ノズルヘッド120の貫通孔に本体部21を差し込んでグラインダ部24を固定する。これは図2に示す吸引式グラインダ20と同等の構成となる。また、仕切機構によって回収分離タンク130と加圧タンク131とを上下で独立状態とする。この後、バキューム装置50で吸引を行いながら、壁面2の弾性系塗装材3bをグラインダ部24の研削部23で研削して除去する。
その除去された第1粉塵は、ノズルヘッド120の回収口123から吸引ホース125を介して吸引され、回収分離タンク130に回収される。この際、回収分離タンク130は、仕切機構で加圧タンク131と分離されて独立しているので、回収された第1粉塵は加圧タンク131へ送られること無く、全ての第1粉塵が粉塵ホース127を介してダストコレクタ132へ送られ、集塵袋に集塵される。このグラインダ処理を、壁面2から全ての弾性系塗装材3bが除去されるまで行う。
次に、本体部21をノズルヘッド120の貫通口から抜いて、ノズル122を貫通孔に差し込めば、図3に示すようにノズルヘッド120がノズル122を有する構成となる。この際、回収分離タンク130と加圧タンク131を、仕切機構を解放して連通状態とすれば、前述したように、下地調整剤3aをブラスト処理により除去することができる。
このように、ブラスト処理システム100にグラインダ部24を組み合わせるシステムは、グラインダ処理システム10及びブラスト処理システム100の双方を用いるシステムよりも、簡略化された構成となる。この簡略化されたシステムで、壁面2から下地調整剤3a及び表面側の弾性系塗装材3bを容易に除去することができるといったメリットを有する。
なお、下地調整剤3aの上に、弾性系塗装材3bに代え、有害物質を含有又は含有しない非弾性系塗装材(図示せず)が塗布されている場合もある。この場合は、グラインダ処理システム10及びブラスト処理システム100の何れか一方を用いて非弾性系塗装材を除去し、この後、ブラスト処理システム100によって下地調整剤3aを除去することが可能である。
10 グラインダ処理システム
20 吸引式グラインダ
21 本体部
23 研削部
24 グラインダ部
30 バグレシーバタンク
40 HEPAフィルタ装置
50 バキューム装置
60 電源
70 収納室
80a〜80c 吸引ホース
100 ブラスト処理システム
111 研削材
120 ノズルヘッド
121 ケース
122 ノズル
123 回収口
125,128 吸引ホース
126 ブラストホース
127 粉塵ホース
130 回収分離タンク
131 加圧タンク
132 ダストコレクタ
133 ブロワ
134 HEPAフィルタ
135 操作盤

Claims (3)

  1. 少なくとも一方に有害物質が含有された下地調整剤及び弾性系塗装材が用いられ、面に塗布された前記下地調整剤及び表面側の前記弾性系塗装材を除去する有害物質含有塗装材除去システムであって、
    前記弾性系塗装材を研削して除去するグラインダ部と、
    前記下地調整剤に研削材を噴き付けて除去するノズルと、
    前記グラインダ部又は前記ノズルを交換して装着可能な貫通孔を有するケースと、
    前記ノズルに研削材を供給する加圧タンクと、
    一端が前記ケースに接続され、前記除去された弾性系塗装材又は下地調整剤及び研削材を当該ケース内から吸引する吸引ホースと、
    前記吸引ホースの他端から吸引を行うバキューム装置と、
    前記吸引ホースの途中に設けられると共に前記加圧タンクに連結され、前記下地調整剤及び研削材の吸引時に両者を分離して研削材を回収し、回収された研削材を当該加圧タンクへ送る回収分離タンクと、
    前記回収分離タンクと前記加圧タンクとを互いに分離した独立状態又は互いに連通した連通状態とする仕切機構と
    を備えることを特徴とする有害物質含有塗装材除去システム。
  2. 前記ケースの貫通孔の内周に第1のネジ山を備え、
    前記グラインダ部の外周及び前記ノズルの外周に、前記第1のネジ山に螺合する第2のネジ山を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の有害物質含有塗装材除去システム。
  3. 少なくとも一方に有害物質が含有された下地調整剤及び弾性系塗装材が用いられ、面に塗布された前記下地調整剤及び表面側の前記弾性系塗装材を除去する有害物質含有塗装材除去システムであって、
    前記弾性系塗装材を研削して除去するグラインダ部と、
    前記下地調整剤に研削材を噴き付けて除去するノズルと、
    前記グラインダ部又は前記ノズルを交換して装着可能な貫通孔を有するケースと、
    前記ノズルに研削材を供給する加圧タンクと、
    一端が前記ケースに接続され、前記除去された弾性系塗装材又は下地調整剤及び研削材を当該ケース内から吸引する吸引ホースと、
    前記吸引ホースの他端から吸引を行うバキューム装置と、
    前記吸引ホースの途中に設けられると共に前記加圧タンクに連結され、前記下地調整剤及び研削材の吸引時に両者を分離して研削材を回収し、回収された研削材を当該加圧タンクへ送る回収分離タンクと、
    前記回収分離タンクと前記加圧タンクとを互いに分離した独立状態又は互いに連通した連通状態とする仕切機構と
    を備え、
    前記仕切機構により前記回収分離タンクと前記加圧タンクとを独立状態とするステップと、
    前記ケースの貫通孔に前記グラインダ部を装着し、前記バキューム装置で前記吸引ホースを介してケース内を吸引しながら、当該グラインダ部により前記弾性系塗装材を研削して除去するステップと、
    前記仕切機構により前記回収分離タンクと前記加圧タンクとを連通状態とするステップと、
    前記ケースの貫通孔に前記ノズルを装着し、前記グラインダ部での除去により露出した前記下地調整剤に当該ノズルから前記研削材を噴き付けて除去するステップを実行する
    ことを特徴とする有害物質含有塗装材の除去方法。
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