JPH09268452A - 軽量モケット - Google Patents

軽量モケット

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JPH09268452A
JPH09268452A JP8075808A JP7580896A JPH09268452A JP H09268452 A JPH09268452 A JP H09268452A JP 8075808 A JP8075808 A JP 8075808A JP 7580896 A JP7580896 A JP 7580896A JP H09268452 A JPH09268452 A JP H09268452A
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polyester
moquette
fiber
yarn
fibers
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JP8075808A
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Kiyoshi Iwabuchi
清 岩渕
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モケットの製織性や品質に問題がなく、超軽
量化効果のあるモケットを提供する。 【解決手段】 ポリエステル中空短繊維と熱融着繊維と
からなる、あるいはこれらと他の繊維を混紡した紡績単
糸の撚係数を3.4〜4.2とした紡績糸をモケットの地糸
に用いて製織し、熱処理によりパイルを接着し、バッキ
ング無しの軽量モケットとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の各種車
輌の座席や応接セット等の椅子張り等に用いられるモケ
ットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の各種車輌の座席や応接
セット等の各種の椅子の椅子張り地としては、なめし
革、革調に樹脂コーティングされた素材、織物、編物、
あるいは織物や編物をベースにパイルを形成させたパイ
ル布帛等、様々な形態の素材が用いられているが、近
年、特に高級化が望まれてきて、中でもパイル織物であ
るモケットは、パイル密度が大きくて、多色柄が容易に
得られるので、革製のシートに次いで高級感のあるもの
として位置づけられている。
【0003】モケットのパイルに用いられる繊維素材と
しては、ウール等の天然繊維、ナイロンやポリエステル
等の合成繊維が挙げられる。特に自動車用としては、高
い耐光堅牢度が要求されるので、これに答えることので
きるポリエステル繊維の用いられることが多くなってい
る。
【0004】一方、そのモケットの地糸に用いられてい
る繊維素材としては、通常のポリエステル短繊維とレー
ヨン短繊維の混紡からなる紡績糸が主体であり、一部通
常のポリエステル短繊維と綿との混紡紡績糸、通常のポ
リエステルのみからなる紡績糸あるいはポリエステル長
繊維糸が用いられている。
【0005】上記のパイル糸と地糸を使用してモケット
組織で製織した後、パイル抜け防止としてアクリル酸エ
ステル系樹脂を主成分とするバッキング剤を裏面にパイ
ル糸と地糸の総重量の10〜20%塗布して仕上げるの
がモケットの一般的な製法である。
【0006】近年、自動車関係では燃費削減のために、
また、電車等の車輌関係では高速化のために、車体の軽
量化を図ることが検討されてきており、それぞれの部品
そのものの軽量化も求められてきていて、椅子張り地に
も軽量化が要請されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状
に鑑みてなされたものであり、モケット用の地糸を改良
することにより軽量化されたモケットを提供することを
課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものであり、モケットの地組織を構成する紡績
糸が少なくともポリエステル中空短繊維と熱融着繊維の
混紡糸であり, その単糸の撚係数Kが3.5〜4.2で
あって、該熱融着繊維のバインダー成分によりパイル部
が接着されていることを特徴とする軽量モケットを要旨
とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のモケットの地組織に用いられる紡績糸は、少な
くともポリエステル中空短繊維と熱融着繊維とを含有し
ている。このポリエステル中空短繊維は、ポリエチレン
テレフタレート単位のみからなるものが一般的に用いら
れるが、その特徴が損なわれない範囲で第3成分を共重
合してなるものであってもよい。
【0010】本発明でいう中空とは、繊維の断面を観察
したときに、繊維内部に空洞部を有することをいい、代
表的な断面形状としては、図1に示すごとく、外断面も
空洞部も共に円形をしているものである。繊維内部に有
する空洞部は、図のごとく1個であっても、2個以上の
複数個であってもよく、外断面も円形に限らず、三角〜
八角等のいわゆる多葉異形断面であってもよい。
【0011】繊維断面における空洞部の比率、すなわ
ち、繊維の中空率は、大きいほど本発明の効果が発揮で
きる。繊維製造や紡績・製織工程での問題が発生しない
限り、製品になってからは製品の表面に用いられるので
はなく、製品においては、中空短繊維は熱融着繊維で接
着固定されていて、フィブリル化等による問題の発生は
ないので、中空率は大きいほど好ましい。モケットの軽
量化効果を認識できる中空率としては、15%以上であ
り、中空率がそれより小さいと、紡績糸としての嵩高性
に有意な差が認められず、モケットの軽量化にも寄与す
る割合が少なくなってしまう。一方、中空率の大きいも
のは、前記のように繊維製造における安定性に問題な
く、紡績工程やモケット製織工程における各種の衝撃に
より中空形状が破損して、その効果が減少してしまわな
い限り有効である。このように問題なく製造でき、加工
できる中空率の範囲は、使用するポリマーや製法により
限定されてくるが、中空率が30〜50%であると、軽
量化率も大きくなり、より好ましい。
【0012】ポリエステル中空短繊維の繊度としては、
1.5〜3dで、通常のポリエステル短繊維の2〜4d
の直径を有するものが一般に用いられる。繊度が大きす
ぎる場合には、繊維の曲げ剛性が大きくなりすぎて紡績
糸の毛羽立ちが目立ちやすくなり、好ましくない。
【0013】地組織に用いられる紡績糸の必須構成要素
である熱融着繊維は、ポリエステル中空短繊維やパイル
に用いる繊維の融点や分解点より低い融点を有するポリ
マーをバインダー成分として有する繊維である。この熱
融着繊維は、バインダー成分のみからなる単成分繊維で
あっても、バインダー成分が繊維の表面の全部あるいは
一部を形成している芯鞘型、サイドバイサイド型、海島
型、割繊型等の複合繊維であってもよい。
【0014】熱融着繊維のバインダー成分としては、上
記のごとくポリエステル中空短繊維やパイルに用いる繊
維の融点や分解点より融点の低いポリマーであればよ
く、その温度差は10℃以上であるのが好ましく、また
融点としては100℃、さらには130℃以上であるの
が好ましい。融点が100℃未満であると、染色工程や
後加工工程等の加熱工程により風合いが変化するなどの
障害が発生する恐れがあり好ましくない。このようなポ
リマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
共重合ナイロン、共重合ポリエステル等が挙げられ、ポ
リエステル中空短繊維やパイル糸との接着性を考慮して
選択すればよい。紡績糸の一方の構成要素がポリエステ
ル中空短繊維であるので、バインダー成分として共重合
ポリエステルが好適に用いられ、ポリエチレンテレフタ
レートにイソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、ジエ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール等から選ば
れた1種あるいは2種以上の化合物を共重合したもの、
芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルを共重合した
結晶性を有するもの、芳香族ポリエステルをハードセグ
メントとし、ポリアルキレングリコールをソフトセグメ
ントとして共重合したエラストマー特性を有する共重合
ポリエステル、あるいは芳香族ポリエステルと脂肪族ポ
リエステルの共重合に際して脂肪族ポリエステルの比率
を多くしてエラストマー特性を有するようにした共重合
ポリエステルが用いられる。
【0015】芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステル
を共重合したポリエステルとは、ポリエチレンテレフタ
レートやポリブチレンテレフタレートを主体とし、イソ
フタル酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸や1,4ブタ
ンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール等のグリコールを共重合した芳香族ポリエステル
と、炭素数4〜11のラクトンの単独または2種以上を
共重合した脂肪族ポリエステルとを共重合したポリエス
テルであり、良好なラクトンとしてε−カプロラクト
ン、δ−バレロラクトンを挙げることができる。この共
重合ポリエステルは、結晶性を有していて、溶融接着処
理をした後においても結晶を有しているので耐熱特性に
優れ,接着性にも優れている。また、この共重合ポリエ
ステルは、脂肪族ポリエステルのモル比を上げていく
と,例えばε−カプロラクトンの場合、およそ40モル
%以上共重合するとエラストマー特性を有するようにな
る。
【0016】芳香族ポリエステルをハードセグメントと
し、ポリアルキレングリコールをソフトセグメントとし
て共重合したエラストマー特性を有する共重合ポリエス
テルポリエステルにおいて、芳香族ポリエステルとして
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエラレン2,6ナフタレート等を用いる
ことができ、ポリアルキレングリコールとしては、ポリ
エチレングリコールやポリテトラメチレングリコール等
を用いることができる。この場合のポリアルキレングリ
コールの分子量は500〜3000位が好ましく,共重
合する量は15〜70重量%とすればよい。
【0017】本発明において、上記の共重合ポリエステ
ルのエラストマー特性は、仮にそれ自体を延伸糸とした
時の伸度が70〜1000%で、50%伸長時の弾性回
復率(元の長さまで回復する場合100%、全く戻らな
い場合0%)が90%以上、あるいは200%伸長時の
弾性回復率が80%以上のものであるのが好ましい。
【0018】熱融着繊維の繊度は限定しないが,1〜1
0デニールが適当である。
【0019】また、本発明の地組織に用いる紡績糸に
は、ポリエステル中空繊維と熱融着繊維以外に他の繊維
が混紡されていてもよい。混紡する繊維としては、レー
ヨン短繊維や通常のポリエステル短繊維等が用いられ
る。これらの繊維の繊維長は、紡績方式に合わせて設定
されればよく、38〜76mmの間のものが一般には用い
られる。
【0020】本発明において、ポリエステル中空繊維の
混紡率は、40〜90%とするのが好ましく、中空率の
小さいものを使用する場合には高率混紡し、中空率の大
きいものを使用する場合には低率混紡するのが好まし
い。また、熱接着繊維の混紡率は、10〜60%とする
のが好ましい。
【0021】また、これらの混紡に際して、先染綿とし
て紡績したり、混紡綿の一部が先染綿や繊維製造工程で
着色した原着綿であってもよい。混紡する繊維の繊度、
繊維長、断面形状は、紡績方式や均一混紡性あるいは糸
物性等を考慮して決定されればよい。
【0022】本発明のモケットの地糸に用いられている
紡績糸の単糸段階での撚係数Kは、3.5〜4.2とす
る。ここで撚係数Kは、紡績糸の番手N(綿番手)と撚
数T(回/吋)との関数として次式で表されるものであ
る。 K=T/N1/2
【0023】従来のモケットの地糸として用いられてい
る紡績糸の単糸の撚係数は、3.0〜3.4で、一般の
紡績糸として使用されているものと同レベルのものであ
り、モケットの地糸としても使用上特に問題はない。
【0024】本発明のごとく、ポリエステル中空短繊維
を含有してなる紡績糸をモケットの地糸として使用する
場合に、紡績糸の単糸の撚係数を従来の紡績糸と同レベ
ルにすると、表面に毛羽が多く発生し、双糸にしてから
使用しても、モケット製造工程中の整経や製織において
糸の表面に出ている毛羽が切断され、風綿状となって製
織稼働率を低下させたり、モケットに風綿が織り込まれ
て品質上の欠点が発生したりする問題が出て好ましくな
い。そこで、紡出時の単糸の撚係数Kを3.5〜4.2
にしておくと、表面の毛羽を減少することができ、モケ
ット製造上の問題も品質上の問題も回避することができ
る。なお、地糸に使用するに際して、ほとんどの場合双
糸に合撚して使用されるが、この場合の撚係数は、一般
の紡績糸より大きめの2.9〜3.2とするのがよい。
【0025】本発明のモケットの製造に際しては、地糸
の紡績糸が中空短繊維を含有していて従来の紡績糸と同
一番手であると、見掛けの紡績糸の径が大きくなってお
り、従来の紡績糸と同一の径の糸では、綿番手での番手
が大きくなっているので、この点を考慮して設計し、モ
ケットの軽量効果を出す。すなわち、実質紡出番手を大
きくした紡績糸を用いて従来と同じ密度で製織すると、
紡出番手を大きくした分だけ地糸の使用量を減少するこ
とができ、その分軽量化できることとなる。また、従来
と同一番手で紡出した糸を用いる場合には、見掛けの糸
の径が大きくなっており、織物の密度を減少させても地
糸によるパイル糸の拘束力は変わらず、パイル糸を太め
の糸にして単位面積当たりのパイル構成繊維数を変更せ
ずにモケットを生産することができ、地糸の密度を減少
させた分だけ地糸の使用量を減少させることができ、モ
ケットの軽量化を図ることができる。
【0026】モケットの製織は、通常のモケット組織で
モケット織機を使用して製織すればよく、必要に応じて
染色等を行い、毛割、シャーリングを行い、最終的に熱
融着繊維のバインダー成分の融点より高い温度で熱接着
処理して、バインダー成分により地糸の他の構成繊維及
びパイル部を接着して本発明のモケットを得ることがで
きる。熱接着処理としては、熱風循環ドライヤー、ヤン
キードラムドライヤー等を用いたり、最終テンター加工
の際に加熱蒸気で処理したり、地組織側を加熱ロールに
押しつけるようにして処理したりするのが適当である。
この熱処理条件は、熱融着繊維のバインダー成分の融点
ならびに所望の接着度合いに応じて処理温度と処理時間
を設定すればよい。
【0027】このようにして得られたモケットは、地組
織に中空繊維を含む紡績糸が用いられ、かつバッキング
剤が塗布されていないので、柔軟で軽量化されたモケッ
トとなる。特に熱融着繊維のバインダー成分をエラスト
マー特性を有するポリエステル系エラストマーとした場
合には,柔軟性が格段に優れたモケットである。
【0028】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例における各特性値の測定は、下記の方
法により行った。
【0029】(1)相対粘度 フェノールと四塩化エタンの等重量混合物を溶媒とし、
試料濃度0.5g/dl 、温度20℃で測定した。 (2)融点 示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−2
型)を用いて、昇温速度20℃/minで測定した。なお, こ
のDSC法で結晶融点を有さない非結晶のポリマーの融
点は、ホットステージ付き顕微鏡を用い目視法で測定し
た。 (3)繊 度 JIS L−1015 7.5.1Aに準じて測定し
た。 (4)中空率 繊維の断面の400倍の写真を撮り、外側断面面積と空
洞部面積を測り、空洞部面積の外側断面面積に対する割
合を百分率で表した。 (5)紡績糸番手 JIS L−1095 7.4.2に準じて測定し、綿
番手で表した。 (6)紡績糸強力 JIS L−1095 7.5.1に準じて測定した。 (7)紡績糸毛羽指数 東レ株式会社製FRAI COUNTER SPR−1
000を用いて、JIS L−1095 7.22.2
B法に準じて100m当たりの3mm以上の毛羽数を測定
した。 (8)モケットの重量 モケットの製織上がりの生機を50×50cmに裁断し、
その重量を測定した。従来のモケットの重量との重量差
の従来のモケットの重量に対する割合を百分率で表し、
軽量化率とした。 (9)パイル引き抜き強力 約3cm平方の試料を平台に固定し、表面の一束のパイル
の一方を、バネ秤(0〜500g) にとりつけた鰐口クラン
プでつかんで引っ張ってパイルが抜けるのに要する荷重
(g)を測定する。測定結果は、10cm以上離れた異なる
5か所よりサンプリングした試料の測定値の平均値で示
す。 (10) 剛軟度 幅2.5cm,長さ20cmの試料をたて方向とよこ方向からそれ
ぞれ3枚づつサンプリングする。片端が45°の斜面とな
り上面が滑らかな水平面をもつ台上に斜面の最上端に試
料の短辺を合わせて置く。次に試料と同じ大きさの押さ
え板で試料を押さえて、斜面方向に10mm/secの速度で滑
らせ、試料の一端が斜面と接した時の試料の水平移動距
離(mm)を測定する。試料の上下をひっくりかえして測定
し、全ての測定値の平均値でモケット剛軟度とする。
【0030】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略記
する。)よりなる繊度2デニール、繊維長51mm、中空
率29%の図1の断面を有するポリエステル中空短繊維
A、PETを芯部に、バインダー成分としてテレフター
ル酸とイソフタール酸を酸成分モル比6/4で共重合し
た共重合ポリエステル(目視法による融点110℃)を
鞘部に配した繊度2デニール、繊維長51mmの熱融着繊維
B、カーボン系黒色顔料を含有するPETからなる繊度
1.5d、繊維長51mm、丸断面のポリエステル黒原着
非中空短繊維C及びカーボン系黒色顔料を含有する繊度
2デニール、繊維長51mmのレーヨン黒原着非中空短繊
維Dの4者を、A/B/C/D=50/20/15/1
5の混紡率で、通常の2吋紡績装置を用いて撚係数3.
8で綿番手34番の紡績糸とし、これを撚係数3.0で
ダブルツイスターで双糸としてモケットの経緯の地糸と
して用い、パイル糸としては、分散染料を用いてグレー
に染色した通常のポリエステル紡績糸30番手双糸を用
いて、モケット織機にて、筬密度30羽/吋、緯密度4
7本/吋、パイル長1.5mmのモケット規格で製織し
た。得られたモケットの生機を毛割、シャーリングの
後、2連の加熱ロール(190℃、60m/分) に地組織
側を押しつけて熱融着繊維のバインダー成分によりパイ
ルと地組織を接着し、本発明の軽量モケットを得た。
【0031】比較例1 実施例1において、中空短繊維A及びに熱融着繊維Bに
代えてPETからなる繊度1.5d、繊維長51mm、丸断
面のポリエステル非中空短繊維Eを用いること、紡績時
の撚係数を3.8に代えて3.2、双糸の撚係数を3.
0に代えて2.8紡出番手を34番に代えて30番とす
ること及び加熱ロールによる接着処理をすることに代え
てアクリル酸エステル系樹脂をバッキング剤としてバッ
キングすること以外は、実施例1と同様にして比較例の
モケット(従来のモケット)を得た。
【0032】実施例2 実施例1において、熱融着繊維Bのバインダー成分をテ
レフタール酸とイソフタール酸の共重合ポリエステルに
代えてエチレンテレフタレート単位/ブチレンテレフタ
レート単位(モル比1/1)に対しε−カプロラクトン
を20モル%共重合した共重合ポリエステル(DSC法
による融点144℃)とすること以外は、実施例1と同
様にして本発明の軽量モケットを得た。
【0033】実施例3 実施例1において、熱融着繊維Bのバインダー成分をテ
レフタール酸とイソフタール酸の共重合ポリエステルに
代えてPET40モル%に対しポリε−カプロラクトン
を60モル%共重合したエラストマー特性を有する共重
合ポリエステル(DSC法による融点184℃)とする
こと以外は、実施例1と同様にして本発明の軽量モケッ
トを得た。
【0034】実施例4 実施例1において、熱融着繊維Bのバインダー成分をテ
レフタール酸とイソフタール酸の共重合ポリエステルに
代えて、ハードセグメントとしてPETを75重量%、
ソフトセグメントとして分子量2000のポリエチレン
グリコールを25重量%、架橋成分として無水マレイン
酸を4モル%を配合して共重合したエラストマー特性を
有する共重合ポリエステル(DSC法による融点178
℃)とすること以外は、実施例1と同様にして本発明の
軽量モケットを得た。
【0035】実施例5 実施例1において、熱融着繊維Bのバインダー成分をテ
レフタール酸とイソフタール酸の共重合ポリエステルに
代えて、ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタ
レートを40重量%、ソフトセグメントとして分子量1
000のポリテトラメチレングリコールを60重量%を
配合して共重合したエラストマー特性を有する共重合ポ
リエステル(DSC法による融点161℃)とすること
以外は、実施例1と同様にして本発明の軽量モケットを
得た。
【0036】実施例6 実施例4において、ポリエステル中空短繊維A、熱融着
繊維B、ポリエステル黒原着非中空短繊維C及びレーヨ
ン黒原着非中空短繊維Dの4者の混紡率を、A/B/C
/D=50/20/15/15に代えてA/B/C/D
=60/10/15/15とすること以外は実施例4と
同様にして本発明の軽量モケットを得た。
【0037】実施例7 実施例4において、ポリエステル中空短繊維A、熱融着
繊維B、ポリエステル黒原着非中空短繊維C及びレーヨ
ン黒原着非中空短繊維Dの4者の混紡率を、A/B/C
/D=50/20/15/15に代えてA/B/C/D
=40/30/15/15とすること以外は実施例4と
同様にして本発明の軽量モケットを得た。
【0038】実施例8 実施例4において、ポリエステル中空短繊維A、熱融着
繊維B、ポリエステル黒原着非中空短繊維C及びレーヨ
ン黒原着非中空短繊維Dの4者の混紡率を、A/B/C
/D=50/20/15/15に代えてA/B/C/D
=20/50/15/15とすること以外は実施例4と
同様にして本発明の軽量モケットを得た。
【0039】実施例9 実施例4において、ポリエステル中空短繊維Aの中空率
を29%から15%に代えること以外は、実施例4と同
様にして本発明の軽量モケットを得た。
【0040】実施例10 実施例4において、ポリエステル中空短繊維Aの中空率
を29%に代えて40%とし、紡出番手を34番に代え
て36番としたこと以外は、実施例4と同様にして本発
明の軽量モケットを得た。
【0041】比較例2 実施例1において、紡績時の撚係数を3.8に代えて
3.2とすること以外は、実施例1と同様にして比較例
としてのモケットを得た。
【0042】実施例1〜10および比較例1、2で用い
た繊維種、混率、紡績単糸の撚係数、強力、毛羽および
モケットの重量、軽量化率、パイルの引き抜き強力、剛
柔度を併せて表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1より明らかなごとく、各実施例のモケ
ットは、従来のモケットである比較例1に対して非常に
軽量なものであり、引き抜き強力も出ていてパイル部を
充分に接着していて、剛柔度をみても柔軟性があり良好
なものであった。特にエラストマー特性を有する共重合
ポリエステルをバインダー成分に用いた実施例4〜10
は柔軟性に優れたものであった。紡績単糸の撚係数の小
さい比較例2は、紡績糸の毛羽が多く、製織性に劣り、
品質面でも懸念のあるものであった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、モケットの製織性や品
質に問題がなく、超軽量化効果のあるモケットを提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることのできる代表的な繊維断面
図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モケットの地組織を構成する紡績糸が少
    なくともポリエステル中空短繊維と熱融着繊維の混紡糸
    であり, その単糸の撚係数Kが3.5〜4.2であっ
    て、該熱融着繊維のバインダー成分によりパイル部が接
    着されていることを特徴とする軽量モケット。
  2. 【請求項2】 熱融着繊維のバインダー成分が芳香族ポ
    リエステルと脂肪族ポリエステルとの共重合ポリエステ
    ルである請求項1記載の軽量モケット。
  3. 【請求項3】 熱融着繊維のバインダー成分がエラスト
    マー特性を有する共重合ポリエステルである請求項1記
    載の軽量モケット。
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