JP2000034635A - 合撚複合糸及びそれを用いた織物 - Google Patents
合撚複合糸及びそれを用いた織物Info
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- JP2000034635A JP2000034635A JP10254767A JP25476798A JP2000034635A JP 2000034635 A JP2000034635 A JP 2000034635A JP 10254767 A JP10254767 A JP 10254767A JP 25476798 A JP25476798 A JP 25476798A JP 2000034635 A JP2000034635 A JP 2000034635A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 伸縮性のある合撚複合糸、及び膨らみ感とド
ライ感のある風合いと適度な伸縮特性を有する織物を提
供することにある。 【解決手段】 熱収縮性の異なる2成分のポリエステル
重合体を接合紡糸したポリエステル複合繊維とアセテー
ト繊維が35%以上80%以下の混率である合撚複合糸
及び、該合撚複合糸を経糸及び/又は緯糸に用いた織物
であって、該合撚複合糸を用いた方向に伸長率10%以
上50%以下、伸長回復率60%以上100%以下を満
たす伸縮特性を有する織物。
ライ感のある風合いと適度な伸縮特性を有する織物を提
供することにある。 【解決手段】 熱収縮性の異なる2成分のポリエステル
重合体を接合紡糸したポリエステル複合繊維とアセテー
ト繊維が35%以上80%以下の混率である合撚複合糸
及び、該合撚複合糸を経糸及び/又は緯糸に用いた織物
であって、該合撚複合糸を用いた方向に伸長率10%以
上50%以下、伸長回復率60%以上100%以下を満
たす伸縮特性を有する織物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸縮性のある合撚
複合糸、及び膨らみ感とドライ感のある風合いと適度な
伸縮特性を有する織物に関する。
複合糸、及び膨らみ感とドライ感のある風合いと適度な
伸縮特性を有する織物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からアセテート繊維は、高光沢でド
ライな感触、深みのある色調、及び他繊維との優れた親
和性等といった特徴を活かして、シルクライクな春夏用
衣料素材として幅広く利用されているものの、近年の衣
料用繊維素材に関しては、消費者ニーズが多様化、高級
化し、より個性的な風合いを有する素材が要求されてい
る。
ライな感触、深みのある色調、及び他繊維との優れた親
和性等といった特徴を活かして、シルクライクな春夏用
衣料素材として幅広く利用されているものの、近年の衣
料用繊維素材に関しては、消費者ニーズが多様化、高級
化し、より個性的な風合いを有する素材が要求されてい
る。
【0003】例えば、アセテート繊維を織物としたとき
にアセテート繊維独特のドライ感を維持しつつ、反撥
感、張り・腰を有し、且つウールライクな膨らみ感が表
現できるとともに、適度な伸縮特性を有する素材に対す
るニーズが挙げられる。従来、このようなニーズに対し
て単一成分からなる熱可塑性繊維、例えばポリエステ
ル等の仮撚加工糸とアセテート繊維を合撚や交絡、混繊
した複合糸を経糸及び/又は緯糸に用いた織物、ウレ
タン繊維等の伸縮特性を有する繊維にアセテート繊維を
カバリング、交絡、混繊した複合糸を経糸及び/又は緯
糸に用いた織物が検討されてきた。
にアセテート繊維独特のドライ感を維持しつつ、反撥
感、張り・腰を有し、且つウールライクな膨らみ感が表
現できるとともに、適度な伸縮特性を有する素材に対す
るニーズが挙げられる。従来、このようなニーズに対し
て単一成分からなる熱可塑性繊維、例えばポリエステ
ル等の仮撚加工糸とアセテート繊維を合撚や交絡、混繊
した複合糸を経糸及び/又は緯糸に用いた織物、ウレ
タン繊維等の伸縮特性を有する繊維にアセテート繊維を
カバリング、交絡、混繊した複合糸を経糸及び/又は緯
糸に用いた織物が検討されてきた。
【0004】しかしながら、前記は膨らみ感、適度な
ドライ感を有する織物が得られるものの、仮撚加工によ
る捲縮形態では伸縮特性が一般的に弱いものである。十
分な伸縮特性を得るためには織物規格や織物組織が制限
されるとともに、張り・腰、反撥感が不十分な織物しか
得られない。また、は伸縮性は優れるものの、ウレタ
ン繊維は高価格であること、分散染料による堅牢度が悪
く、これを改善するための染色加工コストが高くなるこ
と等、経済的な問題があり、またウレタン繊維固有の硬
さのために風合い面でも問題があった。
ドライ感を有する織物が得られるものの、仮撚加工によ
る捲縮形態では伸縮特性が一般的に弱いものである。十
分な伸縮特性を得るためには織物規格や織物組織が制限
されるとともに、張り・腰、反撥感が不十分な織物しか
得られない。また、は伸縮性は優れるものの、ウレタ
ン繊維は高価格であること、分散染料による堅牢度が悪
く、これを改善するための染色加工コストが高くなるこ
と等、経済的な問題があり、またウレタン繊維固有の硬
さのために風合い面でも問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決し、伸縮性のある合撚複合糸、及び膨らみ感と
ドライ感のある風合いと適度な伸縮特性を有する織物を
提供するものである。
点を解決し、伸縮性のある合撚複合糸、及び膨らみ感と
ドライ感のある風合いと適度な伸縮特性を有する織物を
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の第1の要
旨は熱収縮性の異なる2成分のポリエステル重合体を複
合紡糸したポリエステル複合繊維とアセテート繊維との
合撚糸であり、該アセテート繊維が35%以上80%以
下の混率であることを特徴とする合撚複合糸にあり、第
2の要旨は該合撚複合糸を経糸及び/又は緯糸に用いた
織物であって、該合撚複合糸を用いた方向に伸長率10
%以上50%以下、伸長回復率60%以上100%以下
を満たす伸縮特性を有する織物にある。
旨は熱収縮性の異なる2成分のポリエステル重合体を複
合紡糸したポリエステル複合繊維とアセテート繊維との
合撚糸であり、該アセテート繊維が35%以上80%以
下の混率であることを特徴とする合撚複合糸にあり、第
2の要旨は該合撚複合糸を経糸及び/又は緯糸に用いた
織物であって、該合撚複合糸を用いた方向に伸長率10
%以上50%以下、伸長回復率60%以上100%以下
を満たす伸縮特性を有する織物にある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の合撚複合糸で用いられる
アセテート繊維は、酢化度53%以上57%以下のセル
ロースジアセテート繊維又は酢化度60以上62%以下
のセルローストリアセテート繊維のいずれも使用するこ
とが可能である。また、糸断面形態は特に限定されるも
のでなく、得られる織物の風合い、光沢等を考慮して、
菊型、円形、扁平、Y字等を選択すればよい。
アセテート繊維は、酢化度53%以上57%以下のセル
ロースジアセテート繊維又は酢化度60以上62%以下
のセルローストリアセテート繊維のいずれも使用するこ
とが可能である。また、糸断面形態は特に限定されるも
のでなく、得られる織物の風合い、光沢等を考慮して、
菊型、円形、扁平、Y字等を選択すればよい。
【0008】また、熱収縮性の異なる2成分のポリエス
テル重合体を複合紡糸したポリエステル複合繊維は、加
熱収縮させるとコイル状等の立体捲縮を生じるものをい
う。特にJIS L−1090A法により測定される沸
水収縮率が3%以上から25%好ましくは6%以上20
%以下のものがよい。
テル重合体を複合紡糸したポリエステル複合繊維は、加
熱収縮させるとコイル状等の立体捲縮を生じるものをい
う。特にJIS L−1090A法により測定される沸
水収縮率が3%以上から25%好ましくは6%以上20
%以下のものがよい。
【0009】この様な熱収縮性の異なる2成分からなる
ポリエステル複合繊維は、粘度の異なる2種のポリエス
テルポリマーが接合されたものである。2種のポリエス
テルポリマーは、固有粘度差で0.100以上あること
が望ましく、各ポリエステルポリマーは、エチレンテレ
フタレート単位或いはテトラメチレンテレフタレート単
位主体のポリエステルポリマーであればよいが、本発明
に用いるポリエステル複合繊維としては、ポリエチレン
テレフタレートを低粘度ポリマー及び高粘度ポリマー、
或いはポリエチレンテレフタレートを低粘度ポリマー、
第三成分を5〜15モル%共重合したエチレンテレフタ
レート単位主体の共重合ポリエステルを高粘度ポリマ
ー、とする2種のポリエステルポリマーが接合されるこ
とが好ましい。
ポリエステル複合繊維は、粘度の異なる2種のポリエス
テルポリマーが接合されたものである。2種のポリエス
テルポリマーは、固有粘度差で0.100以上あること
が望ましく、各ポリエステルポリマーは、エチレンテレ
フタレート単位或いはテトラメチレンテレフタレート単
位主体のポリエステルポリマーであればよいが、本発明
に用いるポリエステル複合繊維としては、ポリエチレン
テレフタレートを低粘度ポリマー及び高粘度ポリマー、
或いはポリエチレンテレフタレートを低粘度ポリマー、
第三成分を5〜15モル%共重合したエチレンテレフタ
レート単位主体の共重合ポリエステルを高粘度ポリマ
ー、とする2種のポリエステルポリマーが接合されるこ
とが好ましい。
【0010】ポリエステル複合繊維の接合成分としての
好ましい共重合ポリエステルの第三成分としては、イソ
フタル酸、アジピン酸、2,2−ビス[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル]プロパン、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸等が挙げられる。より好ましい共重
合ポリエステルとしては、イソフタル酸、アジピン酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸を単独或いは組み合
わせて共重合したエチレンテレフタレート単位主体の共
重合ポリエステルが挙げられる。
好ましい共重合ポリエステルの第三成分としては、イソ
フタル酸、アジピン酸、2,2−ビス[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル]プロパン、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸等が挙げられる。より好ましい共重
合ポリエステルとしては、イソフタル酸、アジピン酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸を単独或いは組み合
わせて共重合したエチレンテレフタレート単位主体の共
重合ポリエステルが挙げられる。
【0011】ポリエステル複合繊維を構成する2成分の
ポリマーの染色特性に関して、特に限定されることな
く、同染色特性のポリマーの組み合わせ、或いは、異染
特性を有するポリマー(例えば、分散染料可染ポリエス
テル成分とカチオン染料可染ポリエステル成分)の組み
合わせ等、目的に応じて、且つ、上述のポリマー粘度又
は共重合ポリエステルの第三成分等に準じて、選択すれ
ばよい。
ポリマーの染色特性に関して、特に限定されることな
く、同染色特性のポリマーの組み合わせ、或いは、異染
特性を有するポリマー(例えば、分散染料可染ポリエス
テル成分とカチオン染料可染ポリエステル成分)の組み
合わせ等、目的に応じて、且つ、上述のポリマー粘度又
は共重合ポリエステルの第三成分等に準じて、選択すれ
ばよい。
【0012】ポリエステル複合繊維は、2種のポリエス
テルポリマが接合比(重量)で30/70〜70/3
0、より好ましくは40/60〜60/40に接合され
ていることが望ましい。また、ポリエステル複合繊維
は、その単繊維繊度が4デニール以上であり、単繊維繊
度が4デニール未満では、織物としたときハリ・腰感に
欠ける織物になる。
テルポリマが接合比(重量)で30/70〜70/3
0、より好ましくは40/60〜60/40に接合され
ていることが望ましい。また、ポリエステル複合繊維
は、その単繊維繊度が4デニール以上であり、単繊維繊
度が4デニール未満では、織物としたときハリ・腰感に
欠ける織物になる。
【0013】ポリエステル複合繊維は、粘度の異なる2
種のポリエステルポリマーのそれぞれの溶融流を紡糸口
金の上流部でほぼ面対称に合流させて複合流とし、該複
合流を4.5〜14cm/秒の吐出線速度で細孔部に続
く先端部が円錐状に末広に開口した形状の吐出孔より吐
出させることにより安定性よく得ることができる。
種のポリエステルポリマーのそれぞれの溶融流を紡糸口
金の上流部でほぼ面対称に合流させて複合流とし、該複
合流を4.5〜14cm/秒の吐出線速度で細孔部に続
く先端部が円錐状に末広に開口した形状の吐出孔より吐
出させることにより安定性よく得ることができる。
【0014】また、ポリエステル複合繊維は糸断面形態
は特に限定されるものでなく、得られる織物の風合いや
光沢等を考慮して、円形、扁平等を選択すればよい。
は特に限定されるものでなく、得られる織物の風合いや
光沢等を考慮して、円形、扁平等を選択すればよい。
【0015】本発明の合撚複合糸におけるアセテート繊
維の混率は35%以上80%以下、好ましくは40%以
上65%以下である。該混率が35%未満であると、ポ
リエステル複合繊維の割合が多くなり、ポリエステル繊
維独特のヌメリ感が強く影響し、アセテート繊維のドラ
イ感が低下してしまい、目的の織物風合いが得られ難く
なる。一方、該混率が80%を越えると合撚複合糸にお
いて捲縮特性を発揮するポリエステル複合繊維の割合が
減少し、織物としたときに収縮特性、即ち伸長率、伸長
回復率が不十分なものとなる。
維の混率は35%以上80%以下、好ましくは40%以
上65%以下である。該混率が35%未満であると、ポ
リエステル複合繊維の割合が多くなり、ポリエステル繊
維独特のヌメリ感が強く影響し、アセテート繊維のドラ
イ感が低下してしまい、目的の織物風合いが得られ難く
なる。一方、該混率が80%を越えると合撚複合糸にお
いて捲縮特性を発揮するポリエステル複合繊維の割合が
減少し、織物としたときに収縮特性、即ち伸長率、伸長
回復率が不十分なものとなる。
【0016】本発明の合撚複合糸とは、いわゆる引き揃
え撚糸、カバリング撚糸等の、同量又はフィード差をつ
けて該アセテート繊維と該ポリエステル複合繊維を供給
して撚糸を施した合撚複合糸のことである。合撚条件は
加工安定性や該合撚複合糸の風合いを考慮し、又合撚複
合糸のトータル繊度等から適宜設定されるものであり、
特に限定されるものではないが、トータル繊度をDとし
た場合、合撚数の好ましい範囲は、4500/D1/2T
/m以上26000/D1/2T/m以下、更に好ましく
は7000/D1/2T/m以上21000/D1/2T/m
以下が良い。合撚数が4500/D1/2T/m未満の場
合には糸の自由度が大きいために伸縮特性は十分に得ら
れるものの撚糸効果による反撥感や張り腰等の風合いが
不十分なものとなり易く、一方、合撚数が26000/
D1/2T/mを越えると撚糸効果により糸の自由度が小
さくなり、十分な伸縮特性が得られ難くなる。
え撚糸、カバリング撚糸等の、同量又はフィード差をつ
けて該アセテート繊維と該ポリエステル複合繊維を供給
して撚糸を施した合撚複合糸のことである。合撚条件は
加工安定性や該合撚複合糸の風合いを考慮し、又合撚複
合糸のトータル繊度等から適宜設定されるものであり、
特に限定されるものではないが、トータル繊度をDとし
た場合、合撚数の好ましい範囲は、4500/D1/2T
/m以上26000/D1/2T/m以下、更に好ましく
は7000/D1/2T/m以上21000/D1/2T/m
以下が良い。合撚数が4500/D1/2T/m未満の場
合には糸の自由度が大きいために伸縮特性は十分に得ら
れるものの撚糸効果による反撥感や張り腰等の風合いが
不十分なものとなり易く、一方、合撚数が26000/
D1/2T/mを越えると撚糸効果により糸の自由度が小
さくなり、十分な伸縮特性が得られ難くなる。
【0017】本発明の織物は、経糸及び/又は緯糸に本
発明の合撚複合糸を用いる。経緯糸ともに本発明の合撚
複合糸を用いることは本発明の目的を達成するためには
最も好ましいが、例えば織物の一方向にのみに伸縮特性
が必要な場合等の理由により、経糸又は緯糸の片方のみ
本発明の合撚複合糸を用いることもできる。
発明の合撚複合糸を用いる。経緯糸ともに本発明の合撚
複合糸を用いることは本発明の目的を達成するためには
最も好ましいが、例えば織物の一方向にのみに伸縮特性
が必要な場合等の理由により、経糸又は緯糸の片方のみ
本発明の合撚複合糸を用いることもできる。
【0018】又、他の繊維と混用して織物を製造しても
よい。混用する他の繊維としては、例えば、天然繊維や
合成繊維の原糸や各種加工糸等を混用することが可能で
あり、目的の織物風合いや伸縮特性を損なわない範囲で
適宜選定すればよく、合撚複合糸の混用比率は本発明の
目的を損なわない範囲内であれば特に限定されるもので
はないが、好ましくは35%以上、さらに好ましくは5
0%以上である。
よい。混用する他の繊維としては、例えば、天然繊維や
合成繊維の原糸や各種加工糸等を混用することが可能で
あり、目的の織物風合いや伸縮特性を損なわない範囲で
適宜選定すればよく、合撚複合糸の混用比率は本発明の
目的を損なわない範囲内であれば特に限定されるもので
はないが、好ましくは35%以上、さらに好ましくは5
0%以上である。
【0019】本発明の織物は、伸縮特性として伸長率1
0%以上50%以下、伸長回復率60%以上100%以
下、好ましくは伸長率20%以上40%未満、伸長回復
率75%以上100%以下の特性を有する。伸長率10
%未満では織物の伸びが不十分なものであり、着心地を
向上させるには至らない。一方、50%を越えると衣料
としたときの寸法安定性に問題を生じ且ついわゆるパワ
ーストレッチ性を求めない本発明の織物では不必要な伸
縮特性となってしまう。又、伸長回復率60%未満もし
くは100%を越えると衣料としたときの寸法安定性に
問題が生じ、形態安定性が不十分となる。
0%以上50%以下、伸長回復率60%以上100%以
下、好ましくは伸長率20%以上40%未満、伸長回復
率75%以上100%以下の特性を有する。伸長率10
%未満では織物の伸びが不十分なものであり、着心地を
向上させるには至らない。一方、50%を越えると衣料
としたときの寸法安定性に問題を生じ且ついわゆるパワ
ーストレッチ性を求めない本発明の織物では不必要な伸
縮特性となってしまう。又、伸長回復率60%未満もし
くは100%を越えると衣料としたときの寸法安定性に
問題が生じ、形態安定性が不十分となる。
【0020】本発明の織物の組織は、特に限定されるも
のではなく、平織、綾織、朱子織及びこれらの変化組織
による織物製造が可能であり、目的の織物風合い、意匠
性等を考慮して選択すればよい。又、織り密度は糸の自
由度を決定する因子であり、選択した織物の組織、及び
目的の伸縮特性、風合い等を考慮して適宜設定すればよ
い。
のではなく、平織、綾織、朱子織及びこれらの変化組織
による織物製造が可能であり、目的の織物風合い、意匠
性等を考慮して選択すればよい。又、織り密度は糸の自
由度を決定する因子であり、選択した織物の組織、及び
目的の伸縮特性、風合い等を考慮して適宜設定すればよ
い。
【0021】製織に次いで施される精練リラックス工程
及び染色仕上げ工程は、アセテート繊維とポリエステル
繊維が混用された通常織物と同様に常法に従って行えば
よい。すなわち例えばジアセテート繊維を用いた織物の
場合、精錬リラックスは60〜90℃で10〜20分の
処理をし、染色はサーキュラー染色の際は85〜100
℃で30〜60分で行えばよい。
及び染色仕上げ工程は、アセテート繊維とポリエステル
繊維が混用された通常織物と同様に常法に従って行えば
よい。すなわち例えばジアセテート繊維を用いた織物の
場合、精錬リラックスは60〜90℃で10〜20分の
処理をし、染色はサーキュラー染色の際は85〜100
℃で30〜60分で行えばよい。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例にて説明する。又、伸
長率、伸長回復率はJIS L―1096により測定し
た。
長率、伸長回復率はJIS L―1096により測定し
た。
【0023】(実施例1)平均酢化度55.2%のジア
セテートをアセトンを主とした混合溶剤に溶解し、ジア
セテート紡糸原液を作製した。この紡糸原液を用いて乾
式法により紡糸し、84dTex/21fのジアセテー
ト繊維を得た。一方、紡出時の固有粘度が0.504の
ポリエチレンテレフタレートと5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸1.0モル%及びアジピン酸12モル%をポ
リエチレンテレフタレートに共重合した紡出時の固有粘
度が0.622の共重合ポリエステルとを接合成分と
し、各成分の溶融流を紡糸口金の上流部で面対称に合流
させ、複合流を細孔部に続く先端部がテーパ角度15゜
に円錐状に末広に開口した形状の吐出孔より吐出させて
紡糸し、接合比(重量)が50/50の56dTex/
12フィラメントの円形断面のポリエステル複合繊維を
得た。ジアセテート繊維とポリエステル複合繊維を、合
撚数1200T/mで合撚加工し合撚複合糸A(合計繊
度140dTex)を得た(S撚方向の合撚複合糸を
(S)、Z方向の合撚複合糸を(Z)とする)。次いで
表1の条件で、合撚複合糸を経糸及び緯糸に用いた織物
を作り、常法に従い精練リラックス、染色仕上げ加工を
して、仕上げ幅98cm、緯糸密度99本/2.54c
mのアセテート織物を得た。
セテートをアセトンを主とした混合溶剤に溶解し、ジア
セテート紡糸原液を作製した。この紡糸原液を用いて乾
式法により紡糸し、84dTex/21fのジアセテー
ト繊維を得た。一方、紡出時の固有粘度が0.504の
ポリエチレンテレフタレートと5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸1.0モル%及びアジピン酸12モル%をポ
リエチレンテレフタレートに共重合した紡出時の固有粘
度が0.622の共重合ポリエステルとを接合成分と
し、各成分の溶融流を紡糸口金の上流部で面対称に合流
させ、複合流を細孔部に続く先端部がテーパ角度15゜
に円錐状に末広に開口した形状の吐出孔より吐出させて
紡糸し、接合比(重量)が50/50の56dTex/
12フィラメントの円形断面のポリエステル複合繊維を
得た。ジアセテート繊維とポリエステル複合繊維を、合
撚数1200T/mで合撚加工し合撚複合糸A(合計繊
度140dTex)を得た(S撚方向の合撚複合糸を
(S)、Z方向の合撚複合糸を(Z)とする)。次いで
表1の条件で、合撚複合糸を経糸及び緯糸に用いた織物
を作り、常法に従い精練リラックス、染色仕上げ加工を
して、仕上げ幅98cm、緯糸密度99本/2.54c
mのアセテート織物を得た。
【0024】得られた織物をハンドリングにより風合い
評価した結果、反撥感、膨らみ感、サラッとした適度な
ドライ感、張り腰を有し、且つ経糸方向の伸縮特性は、
伸張率13.5%及び伸張回復率86.0%、緯糸方向
の伸縮特性は、伸長率22.5%及び伸長回復率88.
4%を有する織物であった。また、染色時の同色性も特
に問題ないものであった。
評価した結果、反撥感、膨らみ感、サラッとした適度な
ドライ感、張り腰を有し、且つ経糸方向の伸縮特性は、
伸張率13.5%及び伸張回復率86.0%、緯糸方向
の伸縮特性は、伸長率22.5%及び伸長回復率88.
4%を有する織物であった。また、染色時の同色性も特
に問題ないものであった。
【0025】
【表1】
【0026】(実施例2)実施例1と同様に、ジアセテ
ート繊維とポリエステル複合繊維を、合撚数1200T
/mで合撚加工し合撚複合糸A(合計繊度140dTe
x)を得た。次いで表2の条件で織物を作り、常法に従
い精練リラックス、染色仕上げ加工をして、仕上げ幅9
8cm、緯糸密度99本/2.54cmのアセテート織
物を得た。
ート繊維とポリエステル複合繊維を、合撚数1200T
/mで合撚加工し合撚複合糸A(合計繊度140dTe
x)を得た。次いで表2の条件で織物を作り、常法に従
い精練リラックス、染色仕上げ加工をして、仕上げ幅9
8cm、緯糸密度99本/2.54cmのアセテート織
物を得た。
【0027】得られた織物をハンドリングにより風合い
評価した結果、反撥感、膨らみ感、サラッとした適度な
ドライ感、張り腰を有し、且つ緯糸方向の伸縮特性は、
伸長率21.5%及び伸長回復率84.4%を有する織
物であった。また、染色時の同色性も問題ないものであ
った。
評価した結果、反撥感、膨らみ感、サラッとした適度な
ドライ感、張り腰を有し、且つ緯糸方向の伸縮特性は、
伸長率21.5%及び伸長回復率84.4%を有する織
物であった。また、染色時の同色性も問題ないものであ
った。
【0028】
【表2】 *沸水収縮率17.3%のポリエステル繊維
【0029】(実施例3〜4、比較例1〜2)実施例2
においてジアセテート繊維並びにポリエステル複合繊維
を表3に示した組み合わせにして、概ね14000/D
1/2T/mで、S方向並びにZ方向で2種の合撚複合糸
を得た。次いで実施例1と同様の織物組織、経糸密度、
通し巾で、各々の繊維組み合わせにより緯密度を66×
(220/D)1/2本/2.54cmとして織物を作
り、常法に従って精練リラックス並びに染色仕上げ加工
ををして、実施例3〜4並びに比較例1〜2を得た。
においてジアセテート繊維並びにポリエステル複合繊維
を表3に示した組み合わせにして、概ね14000/D
1/2T/mで、S方向並びにZ方向で2種の合撚複合糸
を得た。次いで実施例1と同様の織物組織、経糸密度、
通し巾で、各々の繊維組み合わせにより緯密度を66×
(220/D)1/2本/2.54cmとして織物を作
り、常法に従って精練リラックス並びに染色仕上げ加工
ををして、実施例3〜4並びに比較例1〜2を得た。
【0030】実施例3〜4のものは、実施例2と同様
に、反撥感、膨らみ感、サラッとした適度なドライ感、
張り・腰を有し、且つ表3で示す通り緯糸方向は伸長率
10%以上60%未満、伸長回復率60%以上100%
以下を満たす本発明の目的である伸縮特性を有するとと
もに染色時の同色性にも優れた織物であったが、比較例
1はドライ感が不十分でポリエステル繊維独特のヌメリ
感が強調された織物となり、一方、比較例2はアセテー
ト繊維独特のドライ感は保持しているものの、共に伸長
率8%及び伸長回復率75%であり伸縮特性の劣る織物
であった。
に、反撥感、膨らみ感、サラッとした適度なドライ感、
張り・腰を有し、且つ表3で示す通り緯糸方向は伸長率
10%以上60%未満、伸長回復率60%以上100%
以下を満たす本発明の目的である伸縮特性を有するとと
もに染色時の同色性にも優れた織物であったが、比較例
1はドライ感が不十分でポリエステル繊維独特のヌメリ
感が強調された織物となり、一方、比較例2はアセテー
ト繊維独特のドライ感は保持しているものの、共に伸長
率8%及び伸長回復率75%であり伸縮特性の劣る織物
であった。
【0031】
【表3】 *合撚複合糸のアセテート繊維の混率
【0032】(実施例5)平均酢化度61.6%のトリ
アセテートを塩化メチレン及びメタノールを主とした混
合溶剤に溶解し、トリアセテート紡糸原液を作製した。
この紡糸原液を用いて乾式法により紡糸し、110dT
ex/26fのトリアセテート繊維を得た。一方、実質
的にエチレンテレフタレート単位よりなるポリエステル
成分とカチオン可染型高収縮性共重合ポリエステル成分
を各成分の溶融流を紡糸口金の上流部で面対称に合流さ
せ、複合流を細孔部に続く先端部がテーパ角度15゜に
円錐状に末広に開口した形状の吐出孔より吐出させて紡
糸し、接合比(重量)が50/50の110dTex/
24フィラメントの円形断面の異染性ポリエステル複合
繊維を得た。トリアセテート繊維と異染性ポリエステル
複合繊維を、合撚数800T/mで合撚加工し合撚複合
糸B(合計繊度220dTex)を得た。次いで表4の
条件で織物を作り、常法に従い精練リラックス、カチオ
ン染色、及び仕上げ加工をして、実施例5のアセテート
織物を得た。
アセテートを塩化メチレン及びメタノールを主とした混
合溶剤に溶解し、トリアセテート紡糸原液を作製した。
この紡糸原液を用いて乾式法により紡糸し、110dT
ex/26fのトリアセテート繊維を得た。一方、実質
的にエチレンテレフタレート単位よりなるポリエステル
成分とカチオン可染型高収縮性共重合ポリエステル成分
を各成分の溶融流を紡糸口金の上流部で面対称に合流さ
せ、複合流を細孔部に続く先端部がテーパ角度15゜に
円錐状に末広に開口した形状の吐出孔より吐出させて紡
糸し、接合比(重量)が50/50の110dTex/
24フィラメントの円形断面の異染性ポリエステル複合
繊維を得た。トリアセテート繊維と異染性ポリエステル
複合繊維を、合撚数800T/mで合撚加工し合撚複合
糸B(合計繊度220dTex)を得た。次いで表4の
条件で織物を作り、常法に従い精練リラックス、カチオ
ン染色、及び仕上げ加工をして、実施例5のアセテート
織物を得た。
【0033】得られた織物をハンドリングにより風合い
評価した結果、反撥感、膨らみ感、サラッとした適度な
ドライ感、張り腰を有し、且つ緯糸方向の伸縮特性は、
伸長率27.2%及び伸長回復率90.0%を有する織
物であった。また、異染性ポリエステル複合繊維の片側
成分のみが染色された、色彩意匠効果に富んだ織物が得
られた。
評価した結果、反撥感、膨らみ感、サラッとした適度な
ドライ感、張り腰を有し、且つ緯糸方向の伸縮特性は、
伸長率27.2%及び伸長回復率90.0%を有する織
物であった。また、異染性ポリエステル複合繊維の片側
成分のみが染色された、色彩意匠効果に富んだ織物が得
られた。
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】本発明は、アセテート繊維に熱収縮性の
異なる2成分のポリエステル重合体を接合したポリエス
テル複合繊維を合撚した合撚複合糸、並びに、該合撚複
合糸を用いて織物を得ることで、従来の加工糸を用いた
場合には困難であった、反撥感、膨らみ感、サラッとし
た適度なドライ感、張り腰を有し、且つ適度な伸縮特性
を発現するとともに染色時の同色性にも優れた織物、或
いは、色彩意匠効果を有する織物等を提供することを可
能としたものである。
異なる2成分のポリエステル重合体を接合したポリエス
テル複合繊維を合撚した合撚複合糸、並びに、該合撚複
合糸を用いて織物を得ることで、従来の加工糸を用いた
場合には困難であった、反撥感、膨らみ感、サラッとし
た適度なドライ感、張り腰を有し、且つ適度な伸縮特性
を発現するとともに染色時の同色性にも優れた織物、或
いは、色彩意匠効果を有する織物等を提供することを可
能としたものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱収縮性の異なる2成分のポリエステル
重合体を複合紡糸したポリエステル複合繊維とアセテー
ト繊維との合撚糸であり、該アセテート繊維が35%以
上80%以下の混率であることを特徴とする合撚複合
糸。 - 【請求項2】 請求項1記載の合撚複合糸を経糸及び/
又は緯糸に用いた織物であって、該合撚複合糸を用いた
方向に伸長率10%以上50%以下、伸長回復率60%
以上100%以下を満たす伸縮特性を有する織物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10254767A JP2000034635A (ja) | 1998-05-11 | 1998-09-09 | 合撚複合糸及びそれを用いた織物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-127596 | 1998-05-11 | ||
JP12759698 | 1998-05-11 | ||
JP10254767A JP2000034635A (ja) | 1998-05-11 | 1998-09-09 | 合撚複合糸及びそれを用いた織物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000034635A true JP2000034635A (ja) | 2000-02-02 |
Family
ID=26463517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10254767A Pending JP2000034635A (ja) | 1998-05-11 | 1998-09-09 | 合撚複合糸及びそれを用いた織物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000034635A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002266206A (ja) * | 2001-03-14 | 2002-09-18 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | アセテート複合織編物 |
JP2004353097A (ja) * | 2003-05-27 | 2004-12-16 | Ni Teijin Shoji Co Ltd | 制電性と撥水性を有する防水織物 |
KR100467652B1 (ko) * | 2001-06-18 | 2005-01-24 | 에스케이케미칼주식회사 | 흡습성이 우수한 신축성 직물의 제조방법 |
JP2008280646A (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd | 複合織編物 |
US7488365B2 (en) | 2001-12-03 | 2009-02-10 | Donaldson Company, Inc. | Filter element using corrugated media sheet |
JP2012046862A (ja) * | 2000-03-01 | 2012-03-08 | Invista Technologies Sarl | 複合効果糸およびそのファブリック |
-
1998
- 1998-09-09 JP JP10254767A patent/JP2000034635A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012046862A (ja) * | 2000-03-01 | 2012-03-08 | Invista Technologies Sarl | 複合効果糸およびそのファブリック |
JP2002266206A (ja) * | 2001-03-14 | 2002-09-18 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | アセテート複合織編物 |
KR100467652B1 (ko) * | 2001-06-18 | 2005-01-24 | 에스케이케미칼주식회사 | 흡습성이 우수한 신축성 직물의 제조방법 |
US7488365B2 (en) | 2001-12-03 | 2009-02-10 | Donaldson Company, Inc. | Filter element using corrugated media sheet |
JP2004353097A (ja) * | 2003-05-27 | 2004-12-16 | Ni Teijin Shoji Co Ltd | 制電性と撥水性を有する防水織物 |
JP2008280646A (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd | 複合織編物 |
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