JP4278796B2 - 異収縮混繊糸の撚糸織編物の製造方法 - Google Patents

異収縮混繊糸の撚糸織編物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異収縮混繊糸の撚糸を用いてなる優れたふくらみ及びハリ・コシを有する織編物に関する。
【0002】
【従来の技術】
収縮性の異なる2種のフィラメント糸を混繊した糸、いわゆる異収縮混繊糸を用いた織編物については、既に特許第1834067号公報、特許第2695543号公報、特開平11−181642号公報等にて開示されている。これらに開示の技術における異収縮混繊糸は、混繊糸を構成する高収縮性フィラメント糸と低収縮性フィラメント糸の各種熱物性を規制したものである。
【0003】
しかるに、撚糸織編物についていうならば、異収縮混繊糸には撚糸後撚り止めセットが施されるため、撚り止めセット工程で熱が加わり熱収縮性が低下したり、撚糸によりフィラメントの移動の自由度が失われることにより、異収縮混繊糸を構成する各フィラメント糸の熱物性の発揮が制限を受け、目的とする十分満足すべきふくらみ及びハリ・コシのある織編物が得られないという問題がある。
【0004】
従って、異収縮混繊糸の撚糸織編物においては、優れたふくらみ及びハリ・コシを得るためには、撚糸後に撚り止めセットしたときの撚糸の状態が重要な因子となることが予測されるが、かかる撚糸の状態での因子については十分検討されていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、異収縮混繊糸の撚糸織編物において、優れたふくらみ及びハリ・コシを得るために、異収縮混繊糸の撚糸後の熱セット及び製織編後の染色仕上げでの熱の影響について検討した結果に基づくものであり、本発明の目的は、収縮性を異にするポリエステルフィラメント糸から構成の異収縮混繊糸からなり、優れたふくらみ及びハリ・コシを有する撚糸織編物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の工程(1)〜(5)を有する異収縮混繊糸の撚糸織編物の製造方法、にある。
(1)単繊維繊度が2デニール以上の高収縮性ポリエステルフィラメント糸と単繊維繊度が3デニール以下の低収縮性ポリエステルフィラメント糸からなる、繊度が140〜200デニールの異収縮混繊糸に撚係数A(A=T・D1/2、T:撚糸数(回/m)、D:デ ニール)が8000〜23000の撚りを施して撚糸とする。
(2)前記撚糸に70〜90℃の湿熱下で撚り止め熱セットを行い、125℃での乾熱収縮率が4%以上、125℃での熱応力が7g以上の撚糸を得る。
(3)前記撚り止め熱セット後の撚糸を製織或いは製編して織編物を得る。
(4)前記織編物に120〜130℃の高圧液中でフリーの状態で精錬・リラックスを行う。
(5)前記精錬・リラックス後の織編物に、乾燥リラックス、中間セット、アルカリ減量加工、染色、樹脂仕上げ、仕上げセットのいずれかを含む仕上げ加工を行い、150℃での乾熱収縮率が2%以下、150℃での熱応力が3g以下の撚糸にて構成された、異収縮混繊糸の撚糸織編物を得る。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における異収縮混繊糸は、高収縮性ポリエステルフィラメント糸(以下、単に高収縮性フィラメント糸という)と、低収縮性ポリエステルフィラメント糸(以下、単に低収縮性フィラメント糸という)とから構成される。高収縮性フィラメント糸としては、高熱収縮性の、好ましくは沸水収縮率が10〜50%、より好ましくは15〜50%の高収縮性糸が挙げられる。また高収縮性フィラメント糸は、単繊維繊度が2デニール以上であることが織編物にハリ・コシを得るうえで必要である。
【0008】
高収縮性フィラメント糸が2種のポリマーよりなるコンジュゲート糸であるときには、ストレッチ性のある織編物を得ることができる。コンジュゲート糸を構成する2種のポリマーとしては、紡糸時の固有粘度の差で0.100以上あるポリエステルポリマー同士の組み合わせであることが好ましく、2種のポリマーの比率は30〜70:70〜30であることが好ましい。
【0009】
また、低収縮性フィラメント糸は、低熱収縮性または熱伸長性のフィラメント糸であり、特に織編物としたときのスナッギングやピリングの発生を抑え、またふくらみを得るたうえから、好ましくは沸水収縮率が−3〜5%、フィラメントの複屈折率が20×10 −3 〜170×10−3の低収縮性糸が挙げられる。低収縮性フィラメント糸が複屈折率20×10−3未満では、ポリエステル繊維織編物に適用されるアルカリ減量加工において低収縮性フィラメント糸が脆化し、170×10−3を超えると、低収縮性フィラメント糸の製糸過程で毛羽を発生する。フィラメントの複屈折率が20×10 −3 〜170×10−3という範囲であれば、複屈折率はフィラメントの長さ方向に変化してもよく或いは一定であってもよい。また収縮性フィラメント糸は、単繊維繊度が3デニール以下であることが織編物にソフト感を得るうえで必要である。
【0010】
高収縮性フィラメント糸及び低収縮性フィラメント糸は、エチレンテレフタレート単位主体のポリエステル、即ちポリエチレンテレフタレート或いはイソフタル酸、アジピン酸等の第三成分が共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートから構成される。また、高収縮性フィラメント糸と低収縮性フィラメント糸の少なくとも一方が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のスルホン酸金属塩基含有の第三成分が共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートから構成されたカチオン染料可染性糸であってもよく、カチオン染料可染性糸であるときには多色表現可能な織編物を与える。
【0011】
また、高収縮性フィラメント糸と低収縮性フィラメント糸の少なくとも一方がカチオン染料可染性糸であるときは、織編物に杢調の外観を与え、特に、高収縮性フィラメント糸と低収縮性フィラメント糸の両方がカチオン染料可染性糸であるときは、かかる構成の異収縮混繊糸の撚糸を通常の分散染料可染のポリエステルフィラメント糸と組み合わせメランジ調の外観や柄組織の織編物となる。
【0012】
また、低収縮性フィラメント糸のアルカリ減量率が高収縮性フィラメント糸の1〜15倍であることが好ましく、低収縮性フィラメント糸のアルカリ減量率が高収縮性フィラメント糸の1倍未満、即ち高収縮性フィラメント糸の減量率が低収縮性フィラメント糸より大きくなると、織編物のアルカリ減量加工において糸強度低下が生じ、またハリ・コシが失われ、また低収縮性フィラメント糸のアルカリ減量率が高収縮性フィラメント糸の15倍を超えると、織編物のアルカリ減量加工において減量率制御が極めて困難になるだけでなく、低収縮性フィラメント糸自体の消失を招く危険がある。
【0013】
本発明における異収縮混繊糸は、高収縮性フィラメント糸と低収縮性フィラメント糸とを、任意の混繊手段、例えば合糸撚糸する方法、或いはインターレース加工、流体攪乱処理加工等のエアを用いて流体噴射処理する方法等により混繊して得る。
【0014】
本発明において、異収縮混繊糸は、撚係数A(A=T・D1/2、T:撚糸数( 回/m)、D:デニール)が8000〜23000の撚りが施された撚糸とすることが必要である。撚係数Aが8000未満では、フィラメント間の拘束力の不足により織編物としたときに、ハリ・コシに欠けるものとなり、撚係数Aが23000を超えると、フィラメント間の拘束力が強すぎふくらみに欠けるものとなる。
【0015】
異収縮混繊糸は、熱を受けたときに、構成フィラメント糸の各熱特性に基づく収縮挙動の違いにより、高収縮性フィラメント糸が収縮することによって混繊糸の芯側に配されとともに、僅かな収縮若しくは伸長する低収縮性フィラメント糸が相対的に混繊糸の外側に配され、芯側の収縮したフィラメント束により主にハリ・コシを、外側のフィラメントにより主にふくらみを発現し、織編物としたときに、織編物にふくらみ及びハリ・コシを与える。
【0016】
しかしながら、かかる異収縮混繊糸を撚糸織編物とするときには、良好に製織或いは製編するためには、撚糸後に熱を加えての撚り止めセットが必須であり、通常、500回/m以上の中撚や強撚では、糸のトルク力によるビリの発生を防止するため、70〜90℃の湿熱下で撚り止め熱セットが行われる。従って、原糸の異収縮混繊糸の段階では、その構成成分である高収縮性フィラメント糸と低収縮性フィラメント糸とがそれぞれの熱特性を発揮するものであっても、撚り止め熱セット後の撚糸の段階でそれぞれの熱特性が発揮されなければ、目的とするふくらみ及びハリ・コシを有する織編物が得られない。
【0017】
本発明においては、撚り止め熱セット後の撚糸の125℃での乾熱収縮率が4%以上、125℃での熱応力が7g以上である撚糸にて織編物が構成されることを要件とする。撚り止め熱セット後の撚糸の125℃での乾熱収縮率が4%未満、125℃での熱応力が7g未満では、満足すべきふくらみ及びハリ・コシを有する織編物を得ることができない。
【0018】
撚り止め熱セットされた撚糸は、公知の製織手段或いは製編手段により織物或いは編物にされる。織物を例にすれば、例えばウオータージェットルーム、エアージェットルーム、レピアルーム等により製織される。ウオータージェットルームによる製織される場合、製織上がりの生機は乾燥されるが、その乾燥温度は、撚り止め熱セットでの温度より低い温度であり、乾燥工程で異収縮混繊糸撚糸の高収縮性フィラメント糸と低収縮性フィラメント糸とのそれぞれの熱特性が発揮されることはない。
【0019】
製織或いは製編された織編物は、精練・リラックス、乾燥リラックス、中間セット、アルカリ減量加工、染色、或いはさらに樹脂仕上げ、仕上げセット等の仕上げ加工が施される。精練・リラックスは、120〜130℃の高圧液中でフリーの状態で行われ、また染色は、織編物の構成フィラメント糸の染色性にもよるが、通常120〜130℃の高圧液中で行われることから、織編物を構成する撚り止め熱セットされた異収縮混繊糸撚糸中の高収縮性フィラメント糸が大きく収縮し、低収縮性フィラメント糸が僅かに収縮若しくは伸長するという各構成フィラメント糸の熱特性を発揮させるには、織編物が最初に高温に曝され、フリーな状態になる精練・リラックス工程で行うことが好ましい。
【0020】
また、本発明においては、仕上げ加工後の撚糸の150℃での乾熱収縮率が2%以下、150℃での熱応力が3g以下の撚糸にて織編物が構成されることを要件とする。染色加工後の撚糸の150℃での乾熱収縮率が2%を超え、150℃での熱応力が3gを超えると、仕上げ加工後の織編物に熱収縮性が残留し、縫製のプレスセットで収縮が生じ、寸法安定に欠けた織編物となる。
【0021】
本発明の撚糸織編物は、製織或いは製編後の仕上げ加工の工程で織編物を構成する異収縮混繊糸の撚糸での各構成フィラメント糸の熱特性が十分に発揮され、優れたふくらみ及びハリ・コシを有しており、しかも異収縮混繊糸を構成するフィラメント糸がカチオン染料可染性糸であるときには、優れた視覚上の外観効果をを呈する。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例における評価項目の測定は、以下の方法に拠った。
【0023】
〔乾熱収縮率〕
JIS L1013に準拠し、試料糸を乾熱125℃、150℃でそれぞれ熱処理したときの糸長手方向の収縮率を測定した。なお、150℃での乾熱収縮率は仕上げ加工後の織編物から張力がかからないように抜き取った糸で測定した。
【0024】
〔熱応力〕
初荷重1g、加熱速度120秒/300℃で、125℃、150℃でのそれぞれの応力を測定した。なお、150℃での熱応力は仕上げ加工後の織編物から張力がかからないように抜き取った糸で測定した。
【0025】
(実施例1)
酸化チタン0.5重量%含有のセミダル75デニール/18フィラメント(単繊維繊度4.2デニール)の高収縮性ポリエチレンテレフタレート糸(沸水収縮率20%)と、酸化チタン0.5重量%含有のセミダル120デニール/72フィラメント(単繊維繊度1.7デニール)の低収縮性ポリエチレンテレフタレート糸(沸水収縮率−2%、複屈折率30〜150×10−3)を、エアー圧2kg/cmでインターレース加工して混繊糸を得た。得られた混繊糸は、糸繊度2 00デニール、交絡数50ケ/mであった。この混繊糸にダブルツイスター撚糸機で1200回/m(撚係数A:16971)の撚りを施し、70℃で撚り止め熱セットして撚糸とした。得られた撚糸は、125℃での乾熱収縮率6%、熱応力10gであった。
【0026】
得られた撚糸を経糸及び緯糸に用い、綾組織の織物に製織し、130℃で40分の精練・リラックス、95℃で40分での減量率20%のアルカリ減量加工、130℃で40分の分散染料による染色を順次行った。得られた織物は、ふくらみとハリ・コシのあるものであった。得られた織物からの経糸の撚糸は、150℃での乾熱収縮率が1%、熱応力が1gであり、また緯糸の撚糸は、150℃での乾熱収縮率が0%、熱応力が0.5gであった。この織物にて婦人用スーツを縫製したが、140℃でプレスセットでの寸法変化もなく、規格通りの製品が得られた。
【0027】
(実施例2)
酸化チタン0.5重量%含有、5−ナトリウムスルホイソフタル酸2モル%共重合のポリエチレンテレフタレートからなるセミダル75デニール/18フィラメント(単繊維繊度4.2デニール)の高収縮性カチオン染料可染性ポリエステル糸(沸水収縮率18%)と、酸化チタン0.5重量%含有のセミダル80デニール/36フィラメント(単繊維繊度2.2デニール)の低収縮性ポリエチレンテレフタレート糸(沸水収縮率−1%、複屈折率30〜140×10−3)を、エアー圧2kg/cmでインターレース加工して混繊糸を得た。得られた混繊糸 は、糸繊度160デニール、交絡数45ケ/mであった。この混繊糸にダブルツイスター撚糸機で1400回/m(撚係数A:17709)の撚りを施し、70℃で撚り止め熱セットして撚糸とした。得られた撚糸は、125℃での乾熱収縮率7%、熱応力8gであった。
【0028】
得られた撚糸を緯糸に用い、実施例1で得られた撚糸を経糸に用い、平織組織の織物に製織し、130℃で40分の精練・リラックス、95℃で40分での減量率20%のアルカリ減量加工、120℃で40分のカチオン染料による染色、130℃で40分の分散染料による染色を順次行った。得られた織物は、ふくらみとハリ・コシがあり、シャンブレー調の外観効果のあるものであった。得られた織物からの経糸の撚糸は、150℃での乾熱収縮率が1%、熱応力が1gであり、また緯糸の撚糸は、150℃での乾熱収縮率が0.5%、熱応力が0.5gであった。この織物にて婦人用スーツを縫製したが、140℃でプレスセットでの寸法安定性も特に問題なかった。
【0029】
(実施例3)
酸化チタン0.5重量%含有、5−ナトリウムスルホイソフタル酸2モル%共重合のポリエチレンテレフタレートからなるセミダル50デニール/12フィラメント(単繊維繊度4.2デニール)の高収縮性カチオン染料可染性ポリエステル糸(沸水収縮率18%)と、酸化チタン0.5重量%含有、5−ナトリウムスルホイソフタル酸2モル%共重合のポリエチレンテレフタレートからなるセミダル80デニール/36フィラメント(単繊維繊度2.2デニール)の低収縮性カチオン染料可染性ポリエステル糸(沸水収縮率−1%、複屈折率30〜140×10−3)を、エアー圧5kg/cmで流体攪乱処理加工して混繊糸を得た。得られ た混繊糸は、糸繊度140デニールであった。この混繊糸にダブルツイスター撚糸機で1600回/m(撚係数A:18931)の撚りを施し、70℃で撚り止め熱セットして撚糸とした。得られた撚糸は、125℃での乾熱収縮率6%、熱応力8gであった。
【0030】
得られた撚糸を経糸及び緯糸に用い、平織組織の織物に製織し、120℃で40分の精練・リラックス、中間セット後95℃で40分での減量率10%のアルカリ減量加工、125℃で40分のカチオン染料による染色を順次行った。得られた織物は、ふくらみとハリ・コシがあり、鮮明な外観効果を有するものであった。得られた織物からの経糸の撚糸は、150℃での乾熱収縮率が0.5%、熱応力が0.5gであり、また緯糸の撚糸は、150℃での乾熱収縮率が0%、熱応力が0gであった。この織物にて婦人用スーツを縫製したが、140℃でプレスセットでの寸法安定性も特に問題なかった。
【0031】
(実施例4)
紡糸時の固有粘度が0.490と0.675のポリエチレンテレフタレートより接合比50:50に複合紡糸して得た100デニール/24フィラメント(単繊維繊度4.2デニール)の高収縮性ポリエチレンテレフタレートコンジュゲート糸(沸水収縮率15%)と、酸化チタン0.5重量%含有、5−ナトリウムスルホイソフタル酸2モル%共重合のポリエチレンテレフタレートからなるセミダル80デニール/36フィラメント(単繊維繊度2.2デニール)の低収縮性カチオン染料可染性ポリエステル糸(沸水収縮率0%、複屈折率30〜140×10−3)を、エアー圧2kg/cmでインターレース加工して混繊糸を得た。得られ た混繊糸は、糸繊度185デニールであった。この混繊糸にダブルツイスター撚糸機で1200回/m(撚係数A:16100)の撚りを施し、70℃で撚り止め熱セットして撚糸とした。得られた撚糸は、125℃での乾熱収縮率8%、熱応力12gであった。
【0032】
得られた撚糸を経糸及び緯糸に用い、平二重組織の織物に製織し、120℃で40分の精練・リラックス、中間セット後95℃で40分での減量率15%のアルカリ減量加工、130℃で40分の分散染料とカチオン染料の混合浴での染色を順次行った。得られた織物は、ふくらみとハリ・コシのあるメランジ調の色彩感のあるものであった。得られた織物からの経糸の撚糸は、150℃での乾熱収縮率が1%、熱応力が2gであり、また緯糸の撚糸は、150℃での乾熱収縮率が1%、熱応力が1gであった。この織物にて婦人用スーツを縫製したが、140℃でプレスセットでの寸法変化もなく、規格通りの製品が得られた。
【0033】
(比較例1)
酸化チタン0.5重量%含有のポリエチレンテレフタレートからなるセミダル75デニール/36フィラメント(単繊維繊度2.1デニール)のポリエステル糸(沸水収縮率9%)と、酸化チタン0.5重量%含有のポリエチレンテレフタレートからなるセミダル120デニール/72フィラメント(単繊維繊度1.7デニール)の低収縮性ポリエステル糸(沸水収縮率−2%、複屈折率30〜150×10−3)を、エアー圧2kg/cmでインターレース加工して混繊糸を得た。得られ た混繊糸は、糸繊度200デニール、交絡数50ケ/mであった。この混繊糸にダブルツイスター撚糸機で1200回/m(撚係数A:16971)の撚りを施し、70℃で撚り止め熱セットして撚糸とした。得られた撚糸は、125℃での乾熱収縮率2%、熱応力3gであった。
【0034】
得られた撚糸を経糸及び緯糸に用い、綾組織の織物に製織し、130℃で40分の精練・リラックス、中間セット後95℃で40分での減量率20%のアルカリ減量加工、130℃で40分の分散染料による染色を順次行った。得られた織物は、125℃での乾熱収縮率、熱応力が低く、ハリ・コシ共に不足するものであった。
【0035】
【発明の効果】
本発明の熱収縮の異なる2種のポリエステルフィラメン糸からなる異収縮混繊糸の撚糸織編物は、優れたふくらみ及びハリ・コシを有するものであり、また、織編物を構成する撚糸の形態での異収縮混繊糸中にカチオン染料可染性糸が含まれるときには、視覚上の外観効果を織編物に与えるものであり、衣料用の生地として好適なるものである。

Claims (1)

  1. 以下の工程(1)〜(5)を有する異収縮混繊糸の撚糸織編物の製造方法。
    (1)単繊維繊度が2デニール以上の高収縮性ポリエステルフィラメント糸と単繊維繊度が3デニール以下の低収縮性ポリエステルフィラメント糸からなる、繊度が140〜200デニールの異収縮混繊糸に撚係数A(A=T・D1/2、T:撚糸数(回/m)、D:デ ニール)が8000〜23000の撚りを施して撚糸とする。
    (2)前記撚糸に70〜90℃の湿熱下で撚り止め熱セットを行い、125℃での乾熱収縮率が4%以上、125℃での熱応力が7g以上の撚糸を得る。
    (3)前記撚り止め熱セット後の撚糸を製織或いは製編して織編物を得る。
    (4)前記織編物に120〜130℃の高圧液中でフリーの状態で精錬・リラックスを行う。
    (5)前記精錬・リラックス後の織編物に、乾燥リラックス、中間セット、アルカリ減量加工、染色、樹脂仕上げ、仕上げセットのいずれかを含む仕上げ加工を行い、150℃での乾熱収縮率が2%以下、150℃での熱応力が3g以下の撚糸にて構成された、異収縮混繊糸の撚糸織編物を得る。
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