JPH09263606A - プロピレン共重合体およびその製造方法 - Google Patents

プロピレン共重合体およびその製造方法

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JPH09263606A
JPH09263606A JP30958896A JP30958896A JPH09263606A JP H09263606 A JPH09263606 A JP H09263606A JP 30958896 A JP30958896 A JP 30958896A JP 30958896 A JP30958896 A JP 30958896A JP H09263606 A JPH09263606 A JP H09263606A
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マイノルフ、ケルスティング
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ライナー、アレクサンダー、ヴェルナー
Ralf Zolk
ラルフ、ツォルク
Guenter Dr Scherer
ギュンター、シェラー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キシレン溶解性含有分が少なく、触媒生産性
の高い方法で製造される、プロピレンと他のアルケン−
1の共重合体を開発提供すること。 【解決手段】 ツィーグラー/ナッタ触媒組成物の珪素
有機化合物組成分として、式 【化1】 で表わされ、R1 が3員から8員のシクロアルキル基、
2 がC1 −C8 アルキル基、nが1、2または3を意
味する化合物を使用すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、担持されるチタン含有固体組成
分のほかにアルミニウム化合物および珪素有機化合物を
共触媒として含有するツィーグラー/ナッタ触媒組成物
を使用し、撹拌固定床において、気相2段階重合により
得られる、プロピレンと他の1種類もしくは複数種類の
アルケン−1との共重合体に関する。
【0002】本発明は、さらにこのプロピレン共重合体
の製造方法ならびにこのプロピレン共重合体から製造さ
れるフィルム、繊維およびその他の成形体に関する。
【0003】
【従来技術】ツィーグラー/ナッタ触媒を使用して重合
することにより得られるプロピレン/エチレン共重合体
は、多くの特許文献に記載されて公知である。米国特許
4260710号明細書には、ツィーグラー/ナッタ触
媒を使用し、撹拌容器中で重合させるアルケン−1の単
独重合体および共重合体の製造方法が記載されている。
ここで使用される触媒組成物は、ことに多原子価チタ
ン、アルミニウムハロゲン化物および/またはアルキル
を含有しており、またシラン、エステル、エーテル、ケ
トンまたはラクトンを含む電子供与体化合物も使用され
る(ヨーロッパ特願公告14523号、同45977号
各公報、米国特許857613号明細書、ヨーロッパ特
願公開171200号公報)。
【0004】さらに、ツィーグラー/ナッタ触媒組成物
を使用する、プロピレンとエチレンのブロック共重合体
を製造する多くの方法も公知である(米国特許4454
299号、同4455405号各明細書、南阿特願公告
0084/3561号、同0084/3563号、同0
084/5261号各公報、英国特願公告103294
5号公報、西独特願公開3827565号公報)。この
場合、気相プロピレンがまず第1反応圏で重合せしめら
れ、この単独重合体が第2反応圏に導入され、ここでエ
チレンとプロピレンの混合物が重合により付加される。
この反応は一般に高圧下において、分子量制御剤として
の水素の存在下に行なわれる。このようにして得られる
共重合体は、大部分が良好な耐衝撃性および剛性率を示
す。
【0005】西独特願公開4004087号公報には、
第1重合圏において、プロピレンが他のアルケン−1と
共に重合せしめられ、第2重合圏において、プロピレン
と他のアルケン−1の混合物が、第1重合圏で得られた
重合体に、重合付加されるプロピレン共重合体の製造方
法が記載されている。この方法は、ツィーグラー/ナッ
タ触媒組成物の存在下に、気相で行なわれ、高い生産性
において秀れている。このようにして得られるプロピレ
ン共重合体は、ことに良好なノッチ衝撃強さ、良好な剛
性率および低いキシレン溶解性含有分により特徴的であ
る。
【0006】しかしながら、このようなプラスチック材
料の若干の使用分野においては、共重合体中のキシレン
溶解性構成分の量をさらに低減して、例えば食品産業に
おける包装材料としても使用し得るようにすることが必
要である。さらに、触媒組成物の生産性をさらに高める
ことが経済に望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この技術分野
における課題ないし本発明の目的は、上述した欠点を回
避、克服し、さらに高い生産性を示す方法で製造され
る、キシレン溶解性構成分含有量のことに低いプロピレ
ン共重合体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかるに、上述の課題な
いし目的は、(a)第1重合反応工程において、プロピ
レンを、15から40バールの圧力、50℃から100
℃の温度、0.5から5時間の反応混合物平均滞留時間
において、水素の存在下に、他のアルケン−1との分圧
割合を10:1から500:1の範囲に調整しながら、
上記アルケン−1と重合させ、次いで(b)第2重合反
応工程において、プロピレンと他のアルケン−1を、5
から40バールの圧力、ただし第1重合反応工程の圧力
より少くとも3バール低い圧力、30℃から100℃の
温度、0.5から5時間の反応混合物平均滞留時間にお
いて、水素の存在下に、プロピレンと他のアルケン−1
との分圧割合を0.5:1から20:1の範囲に、また
第1重合反応工程において反応させるべき単量体量の、
第2重合反応工程において反応させるべき単量体量に対
する割合を0.5:1から20:1の範囲にそれぞれ調
整しながら、第1重合反応工程から除去された重合体に
重合付加し、かつ珪素有機化合物として、以下の一般式
(II)
【0009】
【化3】 で表わされ、かつR1 が3員から8員のシクロアルキル
基、R2 がC1 −C8 アルキル基、nが1、2または3
を意味する化合物を使用して得られるプロピレン共重合
体により解決ないし達成されることが本発明者らにより
見出された。
【0010】このような共重合体の製造方法は、プロピ
レンの重合に慣用されている反応容器により、バッチ式
で、またはことに連続的に行なわれ得る。適当な反応容
器は、複数の撹拌反応容器を接続して成る連続的撹拌反
応容器である。この方法に適当な触媒は、アルミニウム
組成分のほかに、電子供与体としても作用する珪素有機
化合物を含有する触媒である。
【0011】チタン含有固体組成分の製造に使用される
チタン化合物は、一般的に、3価もしくは4価チタンの
ハロゲン化物またはアルコラート、ことにチタンテトラ
クロリドである。チタン含有固体組成分は、微細粉担
体、例えば珪素、アルミニウムの酸化物、珪酸アルミニ
ウム、燐酸アルミニウムを含有するのが好ましい。こと
に好ましい担体はSiO2 ・aAl23 (aは0から
2、ことに0から0.5の数値を意味する)である。担
体として使用される材料は、10重量%までの水分を含
有していてもよい。
【0012】チタン含有固体組成分を製造するに使用さ
れる他の材料は、ことにマグネシウム化合物である。こ
の化合物として適当であるのは、マグネシウムハロゲン
化物、マグネシウムアルキル化合物、マグネシウムアリ
ール化合物、さらにマグネシウムアルコキシ化合物、マ
グネシウムアリールオキシ化合物であって、ことにマグ
ネシウムジクロリド、マグネシウムジブロミドおよびマ
グネシウムジ(C1 −C10アルキル)化合物が好まし
い。さらにチタン含有固体組成分は、ハロゲン、ことに
塩素、臭素を含有し得る。
【0013】チタン含有固体組成分は、さらに電子供与
体化合物、例えば多官能性カルボン酸、無水カルボン
酸、さらにケトン、エーテル、アルコール、ラクトンお
よび燐有機化合物、珪素有機化合物を含有する。チタン
含有固体組成分に使用される電子供与体化合物は、以下
の一般式(I)
【0014】
【化4】 で表わされ、かつ、X、Yがそれぞれ塩素またはC1
10アルコキシ基を意味するか、あるいは合体して酸素
を意味するフタール酸誘導体であるのが好ましい。こと
に好ましい電子供与体化合物は、上記式中のX、YがC
1 −C8 アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プ
ロピルオキシまたはブチルオキシ基を意味するフタラー
トである。チタン含有固体組成分に含まれる他の電子供
与体化合物として好ましいのは、ことに3員もしくは4
員の、選択的に置換されるシクロアルキル−1,2−ジ
カルボン酸のジエステルおよび選択的に置換されるベン
ゾフェノン−2−カルボン酸のモノエステルである。こ
れらエステルにおけるヒドロキシ化合物は、一般的にエ
ステル化反応に使用されるアルコール、ことにC1 −C
10アルキル基を持っていてもよいC1 −C15アルカノー
ル、C5 −C7 シクロアルカノール、さらにフェノー
ル、ナフトールおよびこれらのC1 −C10アルキル誘導
体である。
【0015】チタン含有固体組成分は、慣用の方法で製
造され得る。この方法は、例えば、ヨーロッパ特願公開
45975号、同45977号、同86473号、同1
71200号各公報、米国特許4857613号、同5
288824号各明細書、英国特願公開2111066
号公報に記載されている。チタン含有固体組成分の好ま
しい多工程製造方法を以下に記載する。
【0016】まず第1工程において、微細粉担体、好ま
しくは酸化珪素またはSiO2 ・aAl23 (aは
0.01から2、ことに0.01から0.5の範囲の数
値を意味する)に、マグネシウム含有化合物の液状アル
カン溶液を添加し、この混合物を10℃から120℃の
温度で0.5から5時間撹拌する。このマグネシウム化
合物は、担体1モルに対して0.1から1モル使用する
のが好ましい。次いで、撹拌しながら、ハロゲンもしく
はハロゲン化水素、ことに塩素もしくは塩化水素を、マ
グネシウム含有化合物に対して、少くとも2倍モル量、
ことに少くとも5倍モル量添加する。次いで、C1 −C
8 アルカノール、ことにエタノール、3価または4価チ
タンのハロゲン化物もしくはアルコラート、ことにチタ
ンテトラクロリドおよび電子供与体化合物、ことに前述
した式(I)のフタール酸誘導体を添加する。第1工程
で得られた固体材料中におけるマグネシウム1モルに対
して、アルカノールは1から5モル、ことに2から4モ
ル、3価もしくは4価のチタンは、2から20モル、4
から10モル、電子供与体化合物は0.1から1.0モ
ルの量割合で使用される。この溶液を10℃から150
℃の温度で少くとも1時間撹拌し、得られた固体材料を
濾別し、液状アルカン、ことにヘキサンまたはヘプタン
で洗浄する。
【0017】第2工程において、上記第1工程で得られ
た固体材料を、100℃から150℃において、数時間
にわたり、過剰量のテトラクロリドもしくは不活性溶
媒、ことにアルキルベンゼン中の過剰量のチタンテトラ
クロリド溶液(この溶媒は少くとも5重量%のチタンテ
トラクロリドを含有する)で抽出する。生成物を液状ア
ルカンで洗浄し、洗浄液中のチタンテトラクロリド含有
分が2重量%以下となるまでこの洗浄を続行する。
【0018】アルミニウム化合物としては、トリアルキ
ルアルミニウム化合物および1個のアルキル基がアルコ
キシ基もしくはハロゲン、例えば塩素もしくは臭素で置
換されているアルキルアルミニウム化合物が好ましい。
ことに、置換基が1から8個の炭素原子を有するトリア
ルキルアルミニウム化合物、例えばトリメチル、トリエ
チルまたはメチルジエチルアルミニウムが好ましい。
【0019】本発明によるプロピレン共重合体製造方法
に使用されるツィーグラー/ナッタ触媒組成物は、上述
したチタン含有固体組成分およびアルミニウム化合物の
ほかに、さらに、電子供与体化合物として、珪素有機化
合物を含有する。この珪素有機化合物としては、以下の
一般式(II)で表わされる化合物が好ましい。
【0020】
【化5】 ただし、R1 は3員から8員のシクロアルキル基、R2
はC1 −C8 アルキル基、nは1、2または3を意味す
る。
【0021】この化合物(II)として、好ましいの
は、R1 が5員から7員のシクロアルキル基を、R2
1 −C4 アルキル基を、nが2を意味する場合の珪素
有機化合物である。
【0022】ことに好ましい化合物は、ジメトキシジシ
クロペンチルシラン、ジエトキシジシクロペンチルシラ
ン、ジイソプロピルオキシジシクロペンチルシラン、ジ
イソブチルオキシジシクロペンチルシラン、ジメトキシ
ジシクロヘキシルシランである。他の触媒組成分と同様
に、この珪素有機化合物(II)も商業的に入手可能で
ある。
【0023】アルミニウム化合物中のアルミニウム原子
の、チタン含有固体組成分中のチタン原子に対する割合
が10:1から800:1、ことに20:1から20
0:1、アルミニウム化合物の電子供与体化合物に対す
るモル割合が1:1から100:1、ことに2:1から
80:1の条件を充足する触媒がことに好ましい。触媒
組成物の各組成分は、個別的にまたは混合物として、任
意所望の順序で重合反応混合物に給送され得る。
【0024】第1重合反応工程において、重合は、15
から40バールの圧力、50℃から100℃の温度、
0.5から5時間の反応混合物平均滞留時間で行なわれ
る。ことに20から35バール、60℃から90℃、
1.0から3.0時間の反応条件が好ましい。これの反
応条件は、第1工程において、触媒のアルミニウム組成
分1モル当たり、0.05から2kg、ことに0.1か
ら1.5kgのプロピレン共重合体ないし単独重合体が
得られるように設定することが望ましい。使用されるコ
モノマーは、例えばエチレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1のよう
なアルケン−1または複数種類のアルケン−1の混合物
である。好ましいコモノマーはエチレンおよびブテン−
1である。第1重合反応工程において、プロピレンとコ
モノマーとしてのアルケン−1に対する分圧割合は、1
0:1から500:1、ことに15:1から200:1
に設定される。この第1工程において、プロピレン、エ
チレンおよびC4 −C10アルケン−1のコモノマー混合
物が使用される場合には、エチレン分圧のC4 −C10
ルケン−1の分圧に対する割合は、20:1から1:1
0、ことに10:1から1:5になされるべきである。
重合は水素の存在下に行なわれ、プロピレン対水素の分
圧割合は、30:1から180:1、ことに30:1か
ら150:1の範囲にするのが好ましい。
【0025】第1工程においては、アルケン−1として
プロピレンを使用してもよく、またこれが好ましいが、
この場合の生成物はプロピレン単独重合体である。
【0026】得られたプロピレンの共重合体もしくは単
独重合体は、反応の終了と同時に、触媒と共に第1重合
反応器から排出されて、第2重合反応器に導入され、こ
こでプロピレンと他のアルケン−1の混合物が重合付加
される。
【0027】この場合のアルケン−1として、エチレン
およびブテン−1のほかに、ことにペンテン−1、ヘキ
セン−1、ヘプテン−1、オクテン−1が使用され得る
が、ことにエチレンとブテン−1が好ましい。プロピレ
ンは、1種類の他のアルケン−1またはC4 −C10アル
ケン−1とエチレンの混合物と重合して、第1重合反応
容器から導入された共重合体に付加される。この第2重
合反応における反応は、プロピレンとエチレンの混合物
の反応あるいは、プロピレン、エチレンおよびブテン−
1の混合物の反応のいずれかであるのが好ましい。
【0028】使用モノマーの量割合は、第2工程におけ
るプロピレンの分圧が他のアルケン−1の分圧に対して
0.5:1から20:1、ことに1.0:1から10:
1となるように算出され得る。第2重合反応工程におい
て、プロピレン、エチレンおよびC4 −C10アルケン−
1の混合物が共重合されるべき場合には、エチレン分圧
のC4 −C10アルケン−1分圧に対する割合が2:1か
ら100:1、ことに5:1から50:1となるように
留意すべきである。反応条件の慎重な選定により、第1
工程において重合されるべき単量体の、第2工程におい
て重合されるべき単量体に対する重量割合が、0.5:
1から20:1、ことに1.0:1から15:1となる
ようにするべきである。
【0029】第2重合反応工程において、反応は5から
40バールの圧力、30℃から100℃の温度、0.5
から5時間の平均滞留時間で行なわれる。ことに好まし
い反応条件は、10から35バール、50℃から90
℃、1.0から3.0時間である。この第2工程の圧力
は、第1工程の圧力より少くとも3バール低くするべき
である。第2工程の反応も水素の存在下に行なわれるの
が好ましく、プロピレンの水素に対する分圧割合は、1
00:1から5:1、ことに60:1から10:1の範
囲になされる。
【0030】第2工程においては、反応混合物にC1
8 アルカノール、ことにC1 −C4 アルカノールを添
加するのが好ましく、これはツィーグラー/ナッタ触媒
の活性に影響を及ぼす。この目的で適当なアルカノール
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−
ブタノール、ことにイソプロパノールである。このアル
カノールの添加量は、共触媒として作用するアルミニウ
ムに対するモル割合が、0.01:1から10:1、こ
とに0.02から5:1となるように算出するのが好ま
しい。本発明によりこのようにして得られるプロピレン
共重合体の平均分子量は、10000から100000
0、メルトフローインデックスは0.1から100g/
10分、ことに0.2から20g/10分(DIN53
735により温度230℃、荷重2.16kgで測
定)。このメルトフローインデックスは、DIN537
35に記載されている標準テスト装置を使用して、温度
230℃、荷重2.16kgで、10分間に押出される
重合体量である。
【0031】本発明のプロピレン共重合体は、プロピレ
ンの単独重合体から誘導される共重合体およびプロピレ
ン共重合体もしくは2種類の異なるプロピレン共重合体
から誘導された共重合体のいずれかである。
【0032】本発明のプロピレン共重合体は、高い剛性
率、極めて良好なノッチ衝撃強さおよび低いキシレン溶
解性組成分含有割合を示す。また本発明によるこの共重
合体の製造方法は、ことに高い生産性を示す。
【0033】本発明のプロピレン共重合体は、またさら
に他の慣用添加剤、例えば核発生剤、安定剤、滑剤、酸
化防止剤、熱安定剤、UV安定剤、処理助剤を含有して
もよい。
【0034】本発明によるプロピレン共重合体が、核発
生剤を含有する場合、これはプロピレン共重合体100
重量部に対して0.01から1.5重量部の量で添加さ
れ、含有するのが好ましい。使用される核発生剤として
は、ことに微細粉タルク、ジベンジリデンソルビトー
ル、燐酸ジエステルのC1 −C8 アルキル置換誘導体ま
たは塩が好ましい。
【0035】本発明のプロピレン共重合体は、その良好
な機械特性から、ことにフィルム、パイプ、ライニン
グ、中空体、射出成形体などに使用される。
【0036】以下の実施例1−6および対比例A−Fに
おいて、プロピレン共重合体の製造は、それぞれ180
リットル内容積の2基の接続撹拌オートクレーブ中にお
いて、分子量制御剤としての水素の存在下において行な
われた。両反応器共に微細粉ポリプロピレンの撹拌固定
床を形成した。
【0037】対比例A 第1重合反応容器に、30バールの減圧、80℃の温度
において、ツィーグラー/ナッタ触媒の存在下に、液状
プロピレンを給送して連続的に重合させた。この間に、
毎時、2.2gのチタン含有固体組成分、90ミリモル
のトリエチルアルミニウム、9ミリモルのジメトキシイ
ソブチルイソプロピルシランが触媒組成分として消費さ
れた。反応混合物の平均滞留時間は1.5時間とした。
この処理により、アルミニウム化合物1ミリモル当たり
0.4kgのポリプロピレンが得られた。チタン含有固
定組成分は、以下のようにして調製された。
【0038】第1工程において、粒径20から45m
m、孔隙容積1.75cm3 /g、比表面積320m2
/gのSiO2 を装填し、これにSiO2 1モル当たり
0.3モルの割合で、n−ヘプタンに溶解させたブチル
オクチルマグネシウムを添加した。溶液を90℃におい
て1.5時間撹拌し、20℃に冷却してから、塩化水素
をマグネシウム有機化合物の10倍モル量導入し、30
分後固体生成物と溶媒を分離した。
【0039】この第1工程生成物に、n−ヘプタンを添
加し、次いで絶えず撹拌しながら、マグネシウム1モル
当たり3モルのエタノールを添加した。この混合物を8
0℃において1.5時間撹拌し、次いでそれぞれマグネ
シウム1モル当たり6モルのチタンテトラクロリドおよ
び0.5モルのジ−n−ブチルフタラートを添加した。
この反応混合物をさらに2時間撹拌した後、固体分を溶
媒から濾別し、エチルベンゼン中15重量%濃度のチタ
ンテトラクロリド溶液で、125℃において2時間にわ
たり抽出した。
【0040】次いで固体分を抽出液から濾別し、チタン
テトラクロリドの含有分がわずかに0.3重量%となる
まで、n−ヘプタンで洗浄した。
【0041】このようにして得られたチタン含有固体組
成分は、3.1重量%のチタン、7.5重量%のマグネ
シウムおよび28.3%の塩素含有分を示した。
【0042】第1反応容器で得られたプロピレン単独重
合体を、触媒と共に第2反応容器に移送し、ここで、全
体的圧力20バール、温度70℃において、180ミリ
モルのイソプロパノールの存在下に、プロピレンとエチ
レンの混合物を重合させて移送された重合体に付加し
た。プロピレン分圧のエチレン分圧に対する割合は1.
8:1とした。また第1反応容器で形成されたポリプロ
ピレンの、第2反応容器で形成された共重合体に対する
重量割合は8.6:1とした。第2反応容器における重
合の間、アルミニウム組成分1ミリモルに対して2.0
ミリモルのイソプロパノールを使用した。全体の反応条
件を後掲の表1に示す。得られたプロピレン/エチレン
共重合体は、メルトフローインデックス15.0g/1
0分(DIN53735により230℃、21.6kg
で測定)を示した。またこのプロピレン/エチレン共重
合体の特性は、後掲の表2に示す。
【0043】実施例1 対比例Aと同様にして、ただし9ミリモルのジメトキシ
イソブチルイソプロピルシランの代りに9ミリモルのジ
メトキシジシクロペンチルシランを使用して処理した。
全体的反応条件を表1に示す。
【0044】これにより、14.8kg/10分のメル
トフローインデックスを示すプロピレン/エチレン共重
合体が得られた。この本発明によるプロピレン/エチレ
ン共重合体の特性を表2に示す。
【0045】対比例B 9ミリモルのジメトキシイソブチルイソプロピルシラン
を含有するツィーグラー/ナッタ触媒組成物を使用し
て、表1に示される反応条件下においてプロピレン/エ
チレン共重合体を製造した。この共重合体の特性は表2
に示される。
【0046】実施例2 対比例Bと同様にして、ただし9ミリモルのジメトキシ
イソブチルイソプロピルシランの代りに、9ミリモルの
ジメトキシジシクロペンチルシランを使用して処理し
た。この全体的反応条件は表1に示される。得られた共
重合体の特性は表2に示される。
【0047】対比例C 表1に示される反応条件下に、6ミリモルのジメトキシ
イソブチルイソプロピルシランを含有するツィーグラー
/ナッタ触媒を使用して、プロピレン/エチレン共重合
体を製造した。得られた共重合体の特性は表2に示され
る。
【0048】実施例3 対比例Cと同様にして、ただし6ミリモルのジメトキシ
イソブチルイソプロピルシランの代りに6ミリモルのジ
メトキシジシクロペンチルシランを使用して処理した。
この全体的反応条件は表1に示される。得られた共重合
体の特性は表2に示される。
【0049】対比例D 表1に示される反応条件下に、6ミリモルのジメトキシ
イソブチルイソプロピルシランを含有するツィーグラー
/ナッタ触媒を使用して、プロピレン/エチレン共重合
体を製造した。得られた共重合体の特性は表2に示され
る。
【0050】実施例4 対比例Dと同様にして、ただし6ミリモルのジメトキシ
イソブチルイソプロピルシランの代りに、6ミリモルの
ジメトキシジシクロペンチルシランを使用して処理し
た。この全体的反応条件は表1に示される。得られた共
重合体の特性は表2に示される。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】実施例5、6および対比例E、F これら実施例および対比例のすべてにおいて、反応は、
内容積180リットルの、2基の接続された撹拌オート
クレーブ中において、分子量制御剤としての水素の存在
下に行なわれた。両反応容器中において微細粉ポリプロ
ピレンの撹拌固定床が形成された。
【0054】各単量体、すなわちプロピレンおよびエチ
レンは、気相で第1重合反応容器中に導入され、ツィー
グラー/ナッタ触媒の存在下に2時間の平均滞留時間で
重合せしめられた。正確な実験条件、プロピレン分圧
の、エチレン分圧に対する割合、第1重合反応容器にお
いて重合せしめられる単量体重量の、第2重合反応容器
において重合せしめられる単量体重量に対する割合が、
下表3に示されている。
【0055】対比例EおよびFにおいて、反応はツィー
グラー/ナッタ触媒を使用して連続的に行なわれたが、
触媒組成分消費量は、毎時、チタン含有固体組成分が
2.2g、トリエチルアルミニウムが90ミリモル、ジ
メトキシイソブチルイソプロピルシランが9ミリモルで
あった。本発明実施例5および6においては、ジメトキ
シイソブチルイソプロピルシランの代りに、対応する量
のジメトキシジシクロペンチルシランが使用された。
【0056】第1反応容器で得られたプロピレン共重合
体は、触媒と共に第2反応容器に移送され、ここでイソ
プロパノールの存在下に、プロピレンとエチレンの混合
物が重合により、移送された重合体に付加された。正確
な実験条件、各コモノマーの分圧割合、イソプロパノー
ルとアルミニウム組成分の割合は、各実施例、対比例ご
とに、表3に示される。
【0057】チタン含有固体組成分は、対比例Aにおい
て示されたと同様に調製された。
【0058】これら実施例、対比例で得られたプロピレ
ン/エチレン共重合体の特性は、下表4に示される。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】本発明実施例1から6と対比例AからFを
対比すると、ことにジメトキシイソブチルイソプロピル
シランの代りに、ジメトキシジシクロペンチルシランを
使用することにより、キシレン溶解性含有分が少なく、
剛性率の大きい共重合体が得られることは明らかであ
る。触媒組成物の生産性は明らかに改善される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/14 C08L 23/14 C5 //(C08K 13/02 3:34 5:05 5:521) (72)発明者 ライナー、アレクサンダー、ヴェルナー ドイツ、67098、バート、デュルクハイム、 ヴェルスリング、33 (72)発明者 ラルフ、ツォルク ドイツ、67256、ヴァイゼンハイム、ヴァ インビートシュトラーセ、7 (72)発明者 ギュンター、シェラー ドイツ、67435、ノイシュタット、マンデ ルベルクシュトラーセ、36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担持されるチタン含有固体組成分のほか
    にアルミニウム化合物および珪素有機化合物を共触媒と
    して含有するツィーグラー/ナッタ触媒組成物を使用
    し、撹拌固定床において、気相2段階重合により得られ
    る、プロピレンと他の1種類もしくは複数種類のアルケ
    ン−1との共重合体であって、 (a)第1重合反応工程において、プロピレンを、15
    から40バールの圧力、50℃から100℃の温度、
    0.5から5時間の反応混合物平均滞留時間において、
    水素の存在下に、他のアルケン−1との分圧割合を1
    0:1から500:1の範囲に調整しながら、上記アル
    ケン−1と重合させ、次いで(b)第2重合反応工程に
    おいて、プロピレンと他のアルケン−1を、5から40
    バールの圧力、ただし第1重合反応工程の圧力より少く
    とも3バール低い圧力、30℃から100℃の温度、
    0.5から5時間の反応混合物平均滞留時間において、
    水素の存在下に、プロピレンと他のアルケン−1との分
    圧割合を0.5:1から20:1の範囲に、また第1重
    合反応工程において反応させるべき単量体量の、第2重
    合反応工程において反応させるべき単量体量に対する割
    合を0.5:1から20:1の範囲にそれぞれ調整しな
    がら、第1重合反応工程から除去された重合体に重合付
    加し、かつ珪素有機化合物として、以下の一般式(I
    I) 【化1】 で表わされ、かつR1 が3員から8員のシクロアルキル
    基、R2 がC1 −C8 アルキル基、nが1、2または3
    を意味する化合物を使用して得られるプロピレン共重合
    体。
  2. 【請求項2】 上記一般式(II)で表わされ、かつR
    1 が5員から7員のシクロアルキル基、R2 がC1 −C
    4 アルキル基、nが2を意味する化合物を、珪素有機化
    合物として使用することにより得られる、請求項(1)
    のプロピレン共重合体。
  3. 【請求項3】 珪素有機化合物として、ジメトキシジシ
    クロペンチルシランを使用して得られる、請求項(2)
    のプロピレン共重合体。
  4. 【請求項4】 担持されるチタン含有固体組成分のほか
    にアルミニウム化合物および珪素有機化合物を共触媒と
    して含有するツィーグラー/ナッタ触媒組成物を使用
    し、撹拌固定床において、気相2段階重合により得られ
    る、プロピレンと他の1種類もしくは複数種類のアルケ
    ン−1との共重合体の製造方法であって、(a)第1重
    合反応工程において、プロピレンを、15から40バー
    ルの圧力、50℃から100℃の温度、0.5から5時
    間の反応混合物平均滞留時間において、水素の存在下
    に、他のアルケン−1との分圧割合を10:1から50
    0:1の範囲に調整しながら、上記アルケン−1と重合
    させ、次いで(b)第2重合反応工程において、プロピ
    レンと他のアルケン−1を、5から40バールの圧力、
    ただし第1重合反応工程の圧力より少くとも3バール低
    い圧力、30℃から100℃の温度、0.5から5時間
    の反応混合物平均滞留時間において、水素の存在下に、
    プロピレンと他のアルケン−1との分圧割合を0.5:
    1から20:1の範囲に、また第1重合反応工程におい
    て反応させるべき単量体量の、第2重合反応工程におい
    て反応させるべき単量体量に対する割合を0.5:1か
    ら20:1の範囲にそれぞれ調整しながら、第1重合反
    応工程から除去された重合体に重合付加し、かつ珪素有
    機化合物として、以下の一般式(II) 【化2】 で表わされ、かつR1 が3員から8員のシクロアルキル
    基、R2 がC1 −C8 アルキル基、nが1、2または3
    を意味する化合物を使用して行なわれる製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項(1)から(3)のいずれかのプ
    ロピレン共重合体(a)と、その100重量部に対して
    0.01から1.5重量部の核発生剤(b)とを重合含
    有する、プロピレン共重合体。
JP30958896A 1995-11-21 1996-11-20 プロピレン共重合体およびその製造方法 Withdrawn JPH09263606A (ja)

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