JPH09255714A - 樹脂組成物の処理方法および樹脂材料 - Google Patents

樹脂組成物の処理方法および樹脂材料

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JPH09255714A
JPH09255714A JP6500196A JP6500196A JPH09255714A JP H09255714 A JPH09255714 A JP H09255714A JP 6500196 A JP6500196 A JP 6500196A JP 6500196 A JP6500196 A JP 6500196A JP H09255714 A JPH09255714 A JP H09255714A
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亮彦 深田
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昌純 笹部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂組成物に含まれる遊離のチオール化合物
を効率的に失活させることができる樹脂組成物の処理方
法を提供する。また、チオール化合物に起因する臭気の
問題を解消することができる樹脂材料を提供する。さら
に、単量体を含む樹脂組成物を処理して得られる樹脂材
料であって、貯蔵安定性に優れ、短時間で硬化させるこ
とができ、かつ、耐熱性、耐溶剤性、耐候性および耐水
性等の各種物性に優れた成形品を得ることができる樹脂
材料を提供する。 【解決手段】 樹脂材料の処理方法は、樹脂組成物にビ
ニルエーテル化合物および/またはビニルチオエーテル
化合物を添加する方法である。単量体を含む樹脂組成物
としては、(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体成
分をチオール化合物の存在下で共重合してなる(メタ)
アクリルシラップが特に好ましい。また、樹脂材料は、
上記処理方法を用いて樹脂組成物を処理してなってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体とチオール
化合物とを含む樹脂組成物中のチオール化合物が有する
メルカプト基を失活させる樹脂組成物の処理方法、およ
び、該処理方法を用いて樹脂組成物を処理してなる樹脂
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、チオール化合物は、重合反応
の連鎖移動剤や樹脂組成物の安定剤として用いられてい
る。そして、例えば、チオール化合物の存在下で重合し
てなる樹脂組成物には、未反応のチオール化合物が含ま
れていることが、知られている。
【0003】しかしながら、チオール化合物を含有する
樹脂組成物は、チオール化合物に起因する臭気が発生す
ることがある。また、単量体を含む樹脂組成物は、チオ
ール化合物を含有していると、貯蔵中に徐々に粘度が上
昇し、場合によってはゲル化する。つまり、チオール化
合物および単量体を含む樹脂組成物は、貯蔵安定性(い
わゆるシェルフライフ)に劣っている。また、該樹脂組
成物を硬化させて得られる成形品等の硬化物が、耐溶剤
性、耐水性、耐候性等に劣っていることがある。
【0004】そこで、例えば、特公昭 53-2189号公報に
は、メチルメタクリレートを含む単量体混合物をチオー
ル化合物の存在下で部分重合してなるシラップ(樹脂組
成物)中に残存するチオール化合物を、無水マレイン酸
および塩基性化合物を用いて処理する樹脂組成物の処理
方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の樹脂組成物の処理方法は、特定のシラップにしか適
用することができず、適用範囲が狭い。また、上記従来
の処理方法では、チオール化合物が有するメルカプト基
を十分に失活させることができない。このため、上記処
理方法を一般的な樹脂組成物に適用した場合、処理後の
樹脂組成物にチオール化合物の臭気が残存していること
がある。とりわけ、単量体を含まない樹脂組成物を処理
した後の樹脂組成物を成形した場合に、チオール化合物
に起因する臭気が問題となる。さらに、上記従来の処理
方法を用いて単量体を含む樹脂組成物を処理することに
よって得られる樹脂材料は、貯蔵安定性に劣る場合や、
該樹脂材料を硬化させてなる硬化物が耐溶剤性、耐水
性、耐候性等に劣る場合がある。そこで、これら問題点
が解消された樹脂組成物の処理方法が求められている。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、樹脂組成物中のチオール化
合物が有するメルカプト基を効率的に失活させることが
できる樹脂組成物の処理方法を提供することにある。ま
た、チオール化合物に起因する臭気の問題が解消された
樹脂材料を提供し、さらに、単量体を含む樹脂組成物を
処理してなり、貯蔵安定性に優れ、短時間で硬化させる
ことができ、かつ、耐溶剤性、耐水性、耐候性等の物性
に優れた硬化物を得ることができる樹脂材料を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記の
目的を達成すべく、重合体とチオール化合物とを含む樹
脂組成物の処理方法および樹脂材料について鋭意検討し
た。その結果、上記樹脂組成物にビニルエーテル化合物
および/またはビニルチオエーテル化合物を添加するこ
とにより、チオール化合物が有するメルカプト基を効率
的に失活させることができ、チオール化合物に起因する
臭気の問題が解消された樹脂材料が得られることを見出
した。また、単量体を含む樹脂組成物の場合には、貯蔵
安定性に優れた樹脂材料を得ることができることを見出
した。さらに、上記の樹脂材料を硬化させることによ
り、耐溶剤性、耐水性、耐候性等の物性に優れた硬化物
を得ることができることを見い出し、本発明を完成させ
るに至った。
【0008】即ち、請求項1記載の発明の樹脂組成物の
処理方法は、上記の課題を解決するために、重合体とチ
オール化合物とを含む樹脂組成物の処理方法であって、
上記樹脂組成物にビニルエーテル化合物および/または
ビニルチオエーテル化合物を添加することを特徴として
いる。
【0009】上記方法によれば、樹脂組成物中の遊離の
メルカプト基を効率良く失活させることができ、チオー
ル化合物に起因する臭気の問題が解消された樹脂材料が
得られる。
【0010】また、請求項2記載の発明の樹脂組成物の
処理方法は、上記の課題を解決するために、請求項1記
載の樹脂組成物の処理方法において、上記樹脂組成物
が、さらに単量体を含むことを特徴としている。
【0011】請求項3記載の発明の樹脂組成物の処理方
法は、上記の課題を解決するために、請求項2記載の樹
脂組成物の処理方法において、上記樹脂組成物が、(メ
タ)アクリル酸エステルを含む単量体成分をチオール化
合物の存在下で重合してなる(メタ)アクリルシラップ
であることを特徴としている。
【0012】請求項4記載の発明の樹脂組成物の処理方
法は、上記の課題を解決するために、請求項3記載の樹
脂組成物の処理方法において、上記(メタ)アクリルシ
ラップが、カルボキシル基を含有することを特徴として
いる。
【0013】請求項5記載の発明の樹脂組成物の処理方
法は、上記の課題を解決するために、請求項3または4
記載の樹脂組成物の処理方法において、上記(メタ)ア
クリルシラップが、カルボキシル基を(メタ)アクリル
酸グリシジルおよび/または(メタ)アクリル酸メチル
グリシジルによってエステル化してなるエステル結合を
含有することを特徴としている。
【0014】上記請求項2ないし5のいずれか1項に記
載の方法によれば、さらに、貯蔵安定性に優れた樹脂材
料を得ることができる。
【0015】請求項6記載の発明の樹脂材料は、上記の
課題を解決するために、請求項1ないし5のいずれか1
項に記載の樹脂組成物の処理方法を用いて上記樹脂組成
物を処理してなることを特徴としている。
【0016】上記構成によれば、チオール化合物に起因
する臭気の問題が解消される。それに加えて、請求項2
ないし5のいずれか1項に記載の方法を用いた場合にお
いては、貯蔵安定性に優れ、短時間で硬化させることが
できる樹脂材料を提供することができる。さらに、耐熱
性、耐溶剤性、耐候性および耐水性等の各種物性に優れ
た硬化物、例えば成形品を得ることができる。
【0017】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
おいて、重合体とは、少なくとも1種類の単位化合物が
2個以上結合してなる化合物を指すものとする。また、
単量体とは、上記の単位化合物を指す。即ち、単量体
は、2個以上結合することによって重合体を生成しうる
化合物を指す。従って、上記重合体は、単量体が結合す
ることによって形成された構造単位の繰り返しの数(重
合度)が2〜20程度であるオリゴマー、単量体の重合
反応を途中で停止させることにより得られるプレポリマ
ーを含むものとする。
【0018】本発明にかかる樹脂材料は、重合体とチオ
ール化合物とを含む樹脂組成物に対してビニルエーテル
化合物および/またはビニルチオエーテル化合物を添加
してなっている。
【0019】上記重合体としては、ポリオレフィン、
(メタ)アクリル酸エステル系重合体、ポリスチレン、
ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート、飽和ポリエステル樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステ
ル樹脂等が挙げられる。樹脂組成物は、これら重合体の
一種類のみを含んでいてもよく、また、二種類以上を含
んでいてもよい。尚、重合体の平均分子量は、特に限定
されるものではない。また、重合体の製造方法について
は、特に限定されるものではなく、付加重合、環化重
合、開環重合、重付加、重縮合、付加縮合等を用いるこ
とができる。
【0020】上記チオール化合物は、分子内にメルカプ
ト基を有する化合物である。上記チオール化合物は、例
えば、重合体を製造する際に重合体の平均分子量等を調
節する連鎖移動剤として添加されている。上記チオール
化合物としては、具体的には、例えば、t-ブチルメルカ
プタン、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプ
タン等のアルキルメルカプタン;チオフェノール、チオ
ナフトール等の芳香族メルカプタン;チオグリコール
酸;チオグリコール酸オクチル、エチレングリコールジ
チオグリコレート、トリメチロールプロパントリス-(チ
オグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス-
(チオグリコレート)等のチオグリコール酸アルキルエ
ステル;β−メルカプトプロピオン酸;β−メルカプト
プロピオン酸オクチル、1,4-ブタンジオールジ(β−チ
オプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス-
(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテ
トラキス-(β−チオプロピオネート)等のβ−メルカプ
トプロピオン酸アルキルエステル等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。樹脂組成物は、これらチオ
ール化合物の一種類のみを含んでいてもよく、また、二
種類以上を含んでいてもよい。
【0021】上記樹脂組成物は、少なくとも重合体とチ
オール化合物とを含んでいればよいが、さらに単量体を
含んでいてもよい。この場合、チオール化合物が有する
メルカプト基を失活させることにより、貯蔵安定性に優
れ、短時間で硬化させることができる樹脂材料を提供す
ることができる。
【0022】上記単量体は、単独で重合可能な単量体、
または、他の化合物と反応することによって重合可能な
単量体であればよい。具体的には、α−オレフィン;
(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル等
のビニル化合物;ジエン類;アセチレン類;環状エーテ
ル;環状酸無水物;ジカルボン酸;多価アルコール等が
挙げられる。樹脂組成物は、これら単量体の一種類のみ
を含んでいてもよく、また、二種類以上を含んでいても
よい。単量体の量は、重合体や単量体の種類等に応じて
適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
【0023】上記樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸エ
ステルの重合体および(メタ)アクリル酸エステルを含
むシラップ(以下、(メタ)アクリルシラップと称す
る)であるのが好ましい。上記(メタ)アクリルシラッ
プのうちでも、カルボキシル基を含有する(メタ)アク
リルシラップが、硬化特性に優れた樹脂材料を得ること
ができるので、特に好ましい。
【0024】(メタ)アクリルシラップにおける重合体
と単量体との割合(比率)は、両者の合計量を 100重量
%として、重合体は7重量%〜80重量%の範囲内が好ま
しく、単量体は93重量%〜20重量%の範囲内が好まし
い。また、重合体の平均分子量は、重量平均分子量(Mw)
が 6,000〜 1,000,000程度、数平均分子量(Mn)が 3,000
〜 500,000程度であることが特に好ましい。
【0025】以下、(メタ)アクリルシラップについて
詳述する。(メタ)アクリルシラップは、(メタ)アク
リル酸エステルを含む単量体成分をチオール化合物の存
在下で重合してなっている。
【0026】上記の(メタ)アクリル酸エステルとして
は、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)
アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブ
チル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレ
ート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等の塩基性(メタ)アクリル
酸エステル等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。これら(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用
いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いても
よい。
【0027】上記例示の化合物のうち、メチルメタクリ
レート、および、メチルメタクリレートを主成分とする
(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。メチルメ
タクリレートを主成分とすることにより、(メタ)アク
リルシラップを処理してなる樹脂材料を硬化させて得ら
れる硬化物の耐候性、透明性、表面の光沢等の各種物性
や、外観、安全性等をより一層向上させることができ
る。尚、(メタ)アクリル酸エステルとして塩基性(メ
タ)アクリル酸エステルを用いる場合には、塩基性(メ
タ)アクリル酸エステルに対して 100重量%以上の中性
(メタ)アクリル酸エステルを混合して用いるのが好ま
しい。上記の中性(メタ)アクリル酸エステルとして
は、前記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メ
タ)アクリル酸シクロアルキルエステル等を用いること
ができる。
【0028】上記単量体成分は、必要に応じてカルボキ
シル基を含有しないビニル化合物(モノマー)を含んで
いる。上記のビニル化合物としては、重合可能な二重結
合を含有する化合物であればよく、具体的には、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
クロロスチレン等のスチレン系単量体;酢酸ビニル等の
ビニルエステル;アリルアルコール、エチレングリコー
ルモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリ
ルエーテル等のアリル化合物;(メタ)アクリルアミ
ド;(メタ)アクリロニトリル;N-メトキシメチルアク
リルアミド、N-エトキシメチルアクリルアミド等のN-ア
ルコキシ置換(メタ)アクリルアミド;不飽和塩基性単
量体;N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイ
ミド、N-イソプロピルマレイミド等のマレイミド系単量
体等が挙げられるが、特に限定されるものではない。こ
れらビニル化合物は、一種類のみを混合してもよく、ま
た、二種類以上を適宜組み合わせて混合してもよい。
(メタ)アクリル酸エステルにビニル化合物を混合する
場合における両者の混合割合、即ち、上記単量体成分に
おけるビニル化合物の含有量は、ビニル化合物の種類や
(メタ)アクリル酸エステルとの組み合わせ等にもよる
が、50重量%以下が好ましい。
【0029】カルボキシル基を含有する(メタ)アクリ
ルシラップ(以下、適宜、カルボキシル基含有シラップ
と称する)は、上記単量体成分の重合前あるいは重合後
にカルボキシル基を含有するビニル単量体(以下、カル
ボキシル基含有単量体と記す)を混合することにより得
られる。即ち、(メタ)アクリル単量体成分を重合する
前にカルボキシル基含有単量体を混合することにより、
カルボキシル基を含有する重合体、および未反応のカル
ボキシル基含有単量体を含む(メタ)アクリルシラップ
が得られる。また、(メタ)アクリル単量体成分を重合
した後、反応混合物にカルボキシル基を含有するビニル
単量体を混合することにより、カルボキシル基含有単量
体を含む(メタ)アクリルシラップが得られる。
【0030】上記カルボキシル基含有単量体としては、
一分子中に、重合可能な二重結合と、カルボキシル基と
を含有する化合物であればよく、特に限定されるもので
はない。具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボ
ン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸等の不飽和ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸
のモノエステル;酸無水物の半エステル等が挙げられ
る。上記の不飽和ジカルボン酸のモノエステルとして
は、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マ
レイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、フマル
酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチ
ル、フマル酸モノオクチル、シトラコン酸モノエチル等
が挙げられる。上記の酸無水物の半エステルとしては、
コハク酸モノエステル、フタル酸モノエステル、ヘキサ
フタル酸モノエステル等が挙げられる。これらカルボキ
シル基含有単量体は、単独で用いてもよく、また、二種
類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0031】尚、上記の酸無水物の半エステルは、ヒド
ロキシル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルのヒ
ドロキシル基を、酸無水物でエステル化することによっ
て得られる。上記酸無水物としては、無水コハク酸、無
水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸等が挙げられ
る。上記のヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリル
酸エステルとしては、2-ヒドロキシルエチル(メタ)ア
クリレート、2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレー
トへのε−カプロラクトン開環付加物または2-ヒドロキ
シルエチル(メタ)アクリレートへのγ−ブチロラクト
ンの開環付加物等を用いることができる。
【0032】(メタ)アクリル単量体成分に対するカル
ボキシル基含有単量体の添加量は、両者の合計量を 100
重量%として、カルボキシル基含有単量体が 0.5重量%
〜20重量%の範囲内であることが好ましく、1重量%〜
15重量%の範囲内であることがより好ましく、3重量%
〜10重量%の範囲内であることがさらに好ましい。カル
ボキシル基含有単量体を上記の範囲内で用いることによ
り、(メタ)アクリルシラップを比較的短時間で製造す
ることができると共に、(メタ)アクリルシラップを処
理してなる樹脂材料を従来と比較して短時間で硬化させ
ることができる。また、得られる硬化物の平均分子量が
大きくなる。さらに、該樹脂材料を硬化させてなる硬化
物の耐熱性等の各種物性を向上させることができる。カ
ルボキシル基含有単量体の割合が 0.5重量%未満の場合
には、カルボキシル基含有単量体を使用することにより
期待される作用・効果が乏しくなる。つまり、(メタ)
アクリルシラップを製造するのにかかる時間を短縮する
効果が乏しくなり、しかも、得られる硬化物の耐熱性等
の各種物性が低下するおそれがある。また、硬化物の平
均分子量が大きくならない。カルボキシル基含有単量体
の割合が20重量%を越える場合には、得られる硬化物の
耐候性および耐水性が低下するおそれがある。
【0033】単量体成分を重合する際に添加されるチオ
ール化合物としては、前記例示のチオール化合物を用い
ることができる。チオール化合物を添加することによ
り、単量体成分の重合反応を極めて容易に制御すること
ができる。チオール化合物の量は、該チオール化合物の
種類や(メタ)アクリル酸エステル等との組み合わせ等
に応じて選択すればよく、特に限定されるものではない
が、単量体成分に対して0.1重量%〜15重量%の範囲内
が好適である。
【0034】上記単量体成分をチオール化合物の存在下
で重合させる際には、重合開始剤を使用することが望ま
しい。上記の重合開始剤としては、具体的には、例え
ば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブチルパ
ーオキシ -2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキ
シオクトエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ク
メンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4-t-ブチルシ
クロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸
化物; 2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2-フェニル
アゾ -2,4-ジメチル -4-メトキシバレロニトリル等のア
ゾ化合物等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。これら重合開始剤は、単独で用いてもよく、また、
二種類以上を適宜混合して用いてもよい。単量体成分に
対する重合開始剤の添加量等は、特に限定されるもので
はない。
【0035】上記単量体成分をチオール化合物の存在下
で重合させる際には、架橋剤を使用することができる。
上記架橋剤は、単量体成分に含まれる官能基と反応する
官能基を複数含有する化合物であればよい。該架橋剤と
しては、具体的には、例えば、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
等の多官能(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)ア
クリレート類;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレー
ト、ジアリルイソフタレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。架橋剤の添加量は、その種
類やアクリル酸エステル等との組み合わせ、樹脂材料の
用途や所望される物性等に応じて設定すればよく、特に
限定されるものではない。
【0036】単量体成分の重合方法としては、例えば、
塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の重
合方法が挙げられるが、塊状重合が特に好ましい。
【0037】上記の重合を行う際の反応温度や反応時間
等の反応条件は、特に限定されるものではなく、例え
ば、公知の反応条件を採用することができる。このう
ち、単量体成分の重合を途中で停止させる方法(いわゆ
る部分重合)が、一段階で(メタ)アクリルシラップを
得ることができるので好ましい。尚、重合は、窒素雰囲
気下で行うことが好ましい。また、反応終了時におい
て、反応混合物における重合体と未反応の単量体成分と
の割合(比率)は、両者の合計量を 100重量%として、
重合体は7重量%〜80重量%の範囲内が好ましく、未反
応の単量体成分は93重量%〜20重量%の範囲内が好まし
い。
【0038】上記重合反応により得られた反応混合物
は、そのまま樹脂組成物として用いることができるが、
反応混合物がカルボキシル基含有(メタ)アクリルシラ
ップである場合には、カルボキシル基含有(メタ)アク
リルシラップが含有するカルボキシル基を(メタ)アク
リル酸グリシジルおよび/または(メタ)アクリル酸メ
チルグリシジルによってエステル化するとよい。これに
より、カルボキシル基を(メタ)アクリル酸グリシジル
および/または(メタ)アクリル酸メチルグリシジルに
よってエステル化してなるエステル結合を含有する(メ
タ)アクリルシラップが得られる。
【0039】本発明において、樹脂組成物に添加される
ビニルエーテル化合物は、チオール化合物と反応可能な
二重結合を有する化合物であればよく、特に限定されな
い。具体的には、例えば、メチルビニルエーテル、エチ
ルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-プ
ロピルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n-
ブチルビニルエーテル等の脂肪族ビニルエーテル;シク
ロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエ
ーテル;2,3-ジヒドロフラン、3,4-ジヒドロフラン、2,
3-ジヒドロ-2H-ピラン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン、3,4-
ジヒドロ -2-メトキシ-2H-ピラン、3,4-ジヒドロ -2-エ
トキシ-2H-ピラン、3,4-ジヒドロ -4,4-ジメチル-2H-ピ
ラン -2-オン等の環状エーテル等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。これらビニルエーテル化合物
は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合
して用いてもよい。
【0040】樹脂組成物に添加されるビニルチオエーテ
ル化合物は、チオール化合物と反応可能な二重結合を有
する化合物であればよく、特に限定されない。上記のビ
ニルチオエーテル化合物としては、前記例示のビニルエ
ーテル化合物の酸素原子を硫黄原子に置き換えてなる化
合物を用いることができる。即ち、前記例示のビニルエ
ーテル化合物に対応する脂肪族ビニルチオエーテル;シ
クロアルキルビニルチオエーテル;環状チオエーテル等
を用いることができる。これらビニルチオエーテル化合
物は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混
合して用いてもよい。
【0041】ビニルエーテル化合物および/またはビニ
ルチオエーテル化合物の使用量は、樹脂組成物を調製す
る際に添加されたチオール化合物の量に対して 0.5倍モ
ル〜5倍モルの範囲内が好ましく、 0.8倍モル〜3倍モ
ルの範囲内がより好ましい。ビニルエーテル化合物およ
び/またはビニルチオエーテル化合物の使用量が 0.5倍
モル未満である場合には、チオール化合物が完全に処理
されないことがある。処理後の反応混合物中にチオール
化合物が残存すると、得られる樹脂材料の貯蔵安定性が
低下する。また、樹脂材料を硬化させるのに長時間を有
すると共に、硬化物の平均分子量が大きくならない。ビ
ニルエーテル化合物および/またはビニルチオエーテル
化合物の使用量が5倍モルを越える場合には、得られる
硬化物の耐候性が低下するおそれがある。
【0042】本発明にかかる樹脂組成物の処理方法にお
いては、重合体とチオール化合物とを含む樹脂組成物に
対して、ビニルエーテル化合物および/またはビニルチ
オエーテル化合物を添加する。これにより、樹脂組成物
中のチオール化合物が有するメルカプト基が失活され
る。
【0043】上記樹脂組成物の処理を行う際の処理温度
や処理時間等の処理条件は、樹脂組成物の種類等に応じ
て決定すればよく、特に限定されるものではない。ま
た、ビニルエーテル化合物および/またはビニルチオエ
ーテル化合物の添加方法は、樹脂組成物にビニルエーテ
ル化合物および/またはビニルチオエーテル化合物を添
加する方法であってもよく、ビニルエーテル化合物およ
び/またはビニルチオエーテル化合物に樹脂組成物を添
加する方法であってもよい。
【0044】上記樹脂組成物の処理は、ルイス酸、アミ
ン塩、3級アミン、4級アンモニウム塩、ホスホニウム
塩、金属塩等の触媒の存在下で行ってもよい。これによ
り、チオール化合物が有するメルカプト基と、ビニルエ
ーテル化合物および/またはビニルチオエーテル化合物
との反応を促進することができる。また、上記樹脂組成
物の処理を行う際には、溶媒を用いることができる。上
記溶媒としては、水および/または有機溶媒を用いるこ
とができる。
【0045】ビニルエーテル化合物および/またはビニ
ルチオエーテル化合物を用いて樹脂組成物を処理した後
の樹脂組成物は、そのまま樹脂材料として用いることが
できるが、樹脂組成物がカルボキシル基含有(メタ)ア
クリルシラップである場合には、(メタ)アクリル酸グ
リシジルおよび/または(メタ)アクリル酸メチルグリ
シジルを添加して、カルボキシル基含有(メタ)アクリ
ルシラップのカルボキシル基をエステル化することがよ
り好ましい。
【0046】上記(メタ)アクリル酸グリシジルおよび
/または(メタ)アクリル酸メチルグリシジルの添加量
は、カルボキシル基含有(メタ)アクリルシラップとの
組み合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定される
ものではないが、カルボキシル基含有ビニル単量体に対
して 0.5倍モル〜2倍モルの範囲内が好ましく、 0.8倍
モル〜 1.5倍モルの範囲内がより好ましい。
【0047】上記エステル化反応を行う際には、必要に
応じてエステル化触媒を添加することができる。上記エ
ステル化触媒は、カルボキシル基によるエポキシ基の開
環反応を促進することができるものであれば、特に限定
されない。具体的には、ジメチルベンジルアミン、トリ
エチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリ-n
-オクチルアミン等の3級アミン;テトラメチルアンモ
ニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイ
ド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アン
モニウム塩;ベンジルトリフェニルホスホニウムクロラ
イド等の4級ホスホニウム塩、金属塩等が挙げられる。
これらエステル化触媒は、一種類のみを用いてもよく、
また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0048】エステル化触媒の添加量は、その種類やカ
ルボキシル基含有(メタ)アクリルシラップ等との組み
合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定されるもの
ではないが、カルボキシル基含有(メタ)アクリルシラ
ップ 100重量部に対して、0.01重量部〜5重量部の範囲
内が好ましく、 0.1重量部〜3重量部の範囲内がより好
ましい。
【0049】上記エステル化反応を行う際には、重合禁
止剤を共存させてもよい。上記重合禁止剤としては、ハ
イドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキシハイド
ロキノン、 tert-ブチルハイドロキノン等を用いること
ができる。上記エステル化反応を行う際には、溶媒を用
いることができる。上記溶媒としては、水および/また
は有機溶媒を用いることができる。
【0050】以上のように、樹脂組成物を処理すること
により、本発明にかかる樹脂材料が得られる。
【0051】上記樹脂材料は、塗料等として用いること
もできるが、シートモールディングコンパウンド(以
下、SMCと記す)やバルクモールディングコンパウン
ド(以下、BMCと記す)、プレミックス材料、注型材
料、引抜き材料、射出成形材料、押出し成形材料等の成
形材料として特に好適である。
【0052】上記樹脂材料は、成形材料として用いられ
る場合には、必要に応じて、増粘剤や、コハク酸誘導
体、補強材等を含んでいてもよい。該樹脂材料は、比較
的短時間で硬化させることができる。そして、該樹脂材
料を成形することにより、耐熱性、耐溶剤性、耐候性お
よび耐水性等の各種物性に優れた成形品(硬化物)を得
ることができる。尚、以下の説明においては、樹脂材料
における補強材以外の成分をコンパウンドと称すること
にする。
【0053】上記の増粘剤としては、具体的には、例え
ば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のアルカリ土
類金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム
等のアルカリ土類金属水酸化物等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。これら増粘剤は、単独で用い
てもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。増粘剤の使用量は、その種類や樹脂組成物との組み
合わせ、樹脂材料の用途等にもよるが、樹脂組成物 100
重量部に対して、5重量部以下の範囲内が好ましい。上
記の範囲内で増粘剤を使用することにより、コンパウン
ドの増粘後の粘度を、成形作業等に好適な所定の値に設
定することができる。増粘剤の使用量が5重量部よりも
多い場合には、コンパウンドの増粘後の粘度が高くなり
過ぎ、成形作業等の作業性が低下すると共に、得られる
成形品の耐候性および耐水性が低下するおそれがある。
【0054】上記のコハク酸誘導体は、増粘剤による過
剰な増粘挙動、特に初期の増粘挙動を抑制する働きを備
えている。コハク酸誘導体は、分子内にコハク酸骨格ま
たはコハク酸無水物骨格を備え、かつ、該骨格のエチレ
ン基部分に、アルキル基、アルケニル基、脂環式炭化水
素基、芳香族炭化水素基等の置換基を有する化合物であ
ればよく、特に限定されるものではないが、全炭素数が
8〜30である化合物が好ましい。全炭素数が7以下のコ
ハク酸誘導体は、樹脂組成物、とりわけ(メタ)アクリ
ルシラップに対する溶解性に劣る。また、全炭素数が31
以上のコハク酸誘導体は、該コハク酸誘導体を使用する
ことにより期待される作用・効果が乏しくなる。つま
り、増粘剤による過剰な増粘挙動を抑制する効果が低
い。
【0055】コハク酸誘導体としては、具体的には、例
えば、ヘキシルコハク酸、ヘプチルコハク酸、オクチル
コハク酸、ノニルコハク酸、デシルコハク酸、ドデシル
コハク酸、テトラデシルコハク酸、ペンタデシルコハク
酸、ヘキサデシルコハク酸、ヘプタデシルコハク酸、オ
クタデシルコハク酸、ペンタドデシルコハク酸、エイコ
シルコハク酸等の炭素数が4以上のアルキル基を有する
化合物;ヘキセニルコハク酸、ヘプテニルコハク酸、オ
クテニルコハク酸、ノネニルコハク酸、デセニルコハク
酸、ドデセニルコハク酸、テトラデセニルコハク酸、ペ
ンタデセニルコハク酸、ヘキサデセニルコハク酸、ヘプ
タデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、ペンタ
ドデセニルコハク酸、エイコセニルコハク酸等のアルケ
ニル基を有する化合物;シクロドデシルコハク酸、シク
ロドデセニルコハク酸等の脂環式炭化水素基を有する化
合物;ジフェニルブテニルコハク酸等の芳香族炭化水素
基を有する化合物;およびこれらコハク酸の無水物等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。これらコ
ハク酸誘導体は、単独で用いてもよく、また、二種類以
上を適宜混合して用いてもよい。尚、コハク酸誘導体の
調製方法は、特に限定されるものではない。
【0056】コハク酸誘導体の添加量は、その種類や、
樹脂組成物および増粘剤等との組み合わせ、樹脂材料の
用途等にもよるが、樹脂組成物 100重量部に対して、0.
01重量部〜10重量部の範囲内が好ましい。コハク酸誘導
体の添加量が0.01重量部よりも少ない場合には、コハク
酸誘導体を使用することにより期待される作用・効果が
乏しくなる。つまり、増粘剤による過剰な増粘挙動を抑
制する効果が乏しくなるおそれがある。コハク酸誘導体
の添加量が10重量部よりも多い場合には、コンパウンド
の増粘後の粘度が、成形作業等に好適な所定の値に達し
ないか、若しくは達するまでに長時間を有するおそれが
ある。
【0057】上記の補強材としては、具体的には、例え
ば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックから
なる繊維等の無機繊維;アラミドやポリエステル等から
なる有機繊維;天然繊維等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。また、繊維の形態は、例えば、ロー
ビング、クロス、マット、織物、チョップドロービン
グ、チョップドストランド等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。これら補強材は、単独で用いても
よく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
補強材の使用量は、その種類や樹脂組成物等との組み合
わせ、樹脂材料の用途や所望される物性等に応じて設定
すればよく、特に限定されるものではない。また、補強
材とコンパウンドとを混合する方法は、特に限定される
ものではなく、該補強材の形態に応じて適宜設定すれば
よい。例えば、補強材の形態がマットやクロス等である
場合には、該補強材にコンパウンドを含浸させればよ
い。また、例えば、補強材の形態がロービングやチョッ
プトストランド等である場合には、該補強材とコンパウ
ンドとを混練すればよい。補強材を含む樹脂材料は、例
えばSMCやBMCとして好適である。
【0058】本発明にかかる樹脂材料は、硬化剤(重合
開始剤)を含んでいることが望ましく、また、必要に応
じて、充填剤、架橋性単量体、添加剤等をさらに含んで
いてもよい。上記の硬化剤としては、例えば、前記(メ
タ)アクリルシラップを製造する際に用いられる前記例
示の重合開始剤が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。硬化剤の添加量は、その種類や樹脂組成物等と
の組み合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定され
るものではないが、樹脂組成物 100重量部に対して、
0.1重量部〜5重量部の範囲内が好適である。
【0059】上記の充填剤としては、具体的には、例え
ば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、アルミナ、クレー、タルク、ミルドファイバー、珪
砂、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、寒水砂、アスベス
ト粉、ガラス粉等の無機系充填剤、および、ポリマービ
ーズ等の有機系充填剤が挙げられるが、特に限定される
ものではない。これら充填剤は、単独で用いてもよく、
また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。尚、充
填剤の平均粒径等の形態は、特に限定されるものではな
い。
【0060】充填剤の配合量は、その種類や樹脂組成物
等との組み合わせ、樹脂材料の用途や所望される物性等
に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない
が、樹脂組成物 100重量部に対して、30重量部〜 600重
量部の範囲内が好適である。そして、樹脂材料がSMC
として用いられる場合には、充填剤の配合量は、樹脂組
成物 100重量部に対して、30重量部〜 300重量部の範囲
内がより好ましい。樹脂材料がBMCとして用いられる
場合には、充填剤の配合量は、樹脂組成物 100重量部に
対して、 150重量部〜 600重量部の範囲内がより好まし
い。樹脂材料が注型材料として用いられる場合には、充
填剤の配合量は、樹脂組成物 100重量部に対して、30重
量部〜 250重量部の範囲内がより好ましい。樹脂材料が
引抜き成形用の樹脂材料として用いられる場合には、充
填剤の配合量は、樹脂組成物 100重量部に対して、10重
量部〜 200重量部の範囲内がより好ましい。
【0061】上記の架橋性単量体は、硬化物の架橋密度
を増加させる働きを備えている。架橋性単量体は、樹脂
組成物に含まれる官能基と反応する官能基を複数含有す
る化合物であればよい。該架橋性単量体としては、具体
的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メ
タ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート類;
ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルイソ
フタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。架橋性単量体の添加量は、その種類や樹脂組成
物等との組み合わせ、樹脂材料の用途や所望される物性
等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではな
い。
【0062】上記の添加剤は、一般に用いられている各
種の添加剤を採用することができ、特に限定されるもの
ではないが、例えば、低収縮剤、(内部)離型剤、着色
剤、重合禁止剤等が挙げられる。これら添加剤は、例え
ば、樹脂材料の用途や所望される物性等に応じて適宜添
加すればよい。また、添加剤の添加量は、該添加剤の種
類や樹脂組成物等との組み合わせ等に応じて設定すれば
よく、特に限定されるものではない。
【0063】低収縮剤としては、具体的には、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、セルロ
ースブチレート、アセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢
酸ビニル、ポリカプロラクトン、飽和ポリエステル等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。低収縮剤
を添加することにより、得られる成形品(硬化物)の寸
法安定性をより一層向上させることができる。離型剤と
しては、具体的には、例えば、ステアリン酸、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アミ
ド、トリフェニルホスフェート、アルキルホスフェー
ト;一般に用いられているワックス類、シリコーンオイ
ル等の離型剤等が挙げられる。着色剤としては、公知の
無機顔料や有機顔料が挙げられる。
【0064】上記構成の樹脂材料は、SMC、BMC、
注型材料等の成形材料として特に好適である。SMC
は、いわゆるSMC製造装置を用いて容易に製造するこ
とができる。BMCは、双腕型ニーダ等の混練機を用い
て容易に製造することができる。注型材料は、混合機を
用いて容易に製造することができる。そして、SMCや
BMCは、例えば60℃〜 160℃で加熱・加圧成形(プレ
ス成形)することにより成形品とされる。また、注型材
料は、例えば室温〜70℃でセル内に注入(注型)するこ
とにより成形品とされる。尚、樹脂材料の硬化方法は、
特に限定されるものではない。本発明にかかる樹脂材料
は、種々の成形方法に適用可能である。
【0065】以上のように、本発明にかかる樹脂組成物
の処理方法は、樹脂組成物にビニルエーテル化合物およ
び/またはビニルチオエーテル化合物を添加する方法で
ある。
【0066】上記方法によれば、樹脂組成物中の遊離の
メルカプト基を効率良く失活させることができる。従っ
て、上記方法を用いて単量体を含む樹脂組成物を処理す
ることにより、例えば、貯蔵安定性に優れた樹脂材料を
得ることができる。
【0067】また、以上のように、本発明にかかる樹脂
材料は、上記処理方法を用いて樹脂組成物を処理してな
る構成である。
【0068】上記構成によれば、チオール化合物に起因
する臭気の問題が解消された樹脂材料を提供することが
できる。また、単量体を含む樹脂組成物の場合において
は、貯蔵安定性に優れ、短時間で硬化させることがで
き、かつ、耐熱性、耐溶剤性、耐候性および耐水性等の
各種物性に優れた硬化物、例えば成形品を提供すること
ができる。
【0069】本発明にかかる樹脂材料を成形してなる成
形品としては、例えば、いわゆる採光ドーム、ベンチ、
テーブル、タンク、公告板、防水板等の、屋外で使用さ
れる各種物品;浄化槽、自動車、鉄道車両、船舶等を構
成する構成材;屋根・壁等の、構造物の外装材;バスタ
ブやキッチンカウンタとして好適な人工大理石;電気部
品等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0070】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、実施例および比較例に記載
の「部」は、「重量部」を示し、「%」は、「重量%」
を示す。
【0071】〔実施例1〕温度計、冷却器、窒素ガス導
入管、および攪拌機を備えた反応器に、(メタ)アクリ
ル酸エステルとしてのメチルメタクリレート 194部と、
カルボキシル基含有単量体としてのメタクリル酸6部と
を仕込んだ後、反応器内を窒素ガス置換した。次に、上
記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温した後、重合開始
剤としての2,2'-アゾビスイソブチロニトリル 0.1部
と、チオール化合物としてのn-ドデシルメルカプタン2
部とを添加して、6時間共重合反応を行った。これによ
り、樹脂組成物としての(メタ)アクリルシラップを得
た。得られた(メタ)アクリルシラップの酸価は19であ
った。
【0072】次いで、上記の(メタ)アクリルシラップ
に、ビニルエーテル化合物としてのイソブチルビニルエ
ーテルを添加した後、 100℃に昇温して30分間攪拌する
ことにより、該(メタ)アクリルシラップ中に残存する
n-ドデシルメルカプタンを処理した。上記のイソブチル
ビニルエーテルは、重合時に添加したn-ドデシルメルカ
プタンに対して 2.0倍モルとなるように添加した。
【0073】続いて、メタクリル酸グリシジルと、エス
テル化触媒としてのトリフェニルホスフィン 0.4部と、
重合禁止剤としてのハイドロキノン0.01部とを添加した
後、100 ℃で10時間攪拌することにより、エステル化反
応を行った。上記のメタクリル酸グリシジルは、メタク
リル酸に対して 0.5倍モルとなるように添加した。これ
により、シラップを得た。該シラップの固形分濃度は42
%、粘度は28ps、酸価は11であった。また、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定
した上記シラップの重量平均分子量(Mw)は42,000であっ
た。
【0074】さらに、(メタ)アクリルシラップ中の
(メタ)アクリルポリマー(重合体)の一分子当たりの
二重結合の数を測定した。即ち、まず、メタクリル酸グ
リシジルを反応させる前後の(メタ)アクリルポリマー
の酸価の差を測定し、(メタ)アクリルポリマー1g当
たりにおける消失したカルボキシル基のモル数を算出し
て、これを(メタ)アクリルポリマー1g中の重合性二
重結合のモル数とした。また、(メタ)アクリルポリマ
ーの重量平均分子量(Mw)から(メタ)アクリルポリマー
1gのモル数を算出した。そして、(メタ)アクリルポ
リマー1g中の重合性二重結合のモル数と、(メタ)ア
クリルポリマー1gのモル数とから、(メタ)アクリル
ポリマー一分子当たりの二重結合の数を算出した。その
結果、一分子当たりの二重結合の数は、5.3 であった。
【0075】続いて、上記のシラップ 100部に、硬化剤
としてのベンゾイルパーオキサイド2部を添加して溶解
させた。これにより、樹脂材料としての注型材料を得
た。得られた注型材料は、減圧することにより脱泡し
た。この注型材料、つまり、コンパウンドは、貯蔵安定
性に優れていた。
【0076】次いで、注型材料を、互いの間隔(隙間)
が3mmとなるようにして対向配置された2枚のガラス板
の周囲をいわゆる弾力ガスケットにて閉鎖してなるセル
を用いて注型した。即ち、注型材料を上記のセル内に注
入した後、60℃に加熱して硬化させた。
【0077】60℃におけるゲルタイム(ゲル化時間)
は、JIS K 6901に基づいて測定した。即ち、
試料である注型材料を、直径18mmの試験管に深さ 100mm
となるように入れた後、温度60℃に調節された恒温槽に
保持し、次いで、該注型材料の温度が45℃から反応熱に
よって65℃に昇温するまでの時間を測定し、この時間を
ゲルタイムとした。その結果、60℃におけるゲルタイム
は30分であった。
【0078】そして、脱型後、 100℃で後硬化(いわゆ
る、アフターキュア)させることにより、成形品である
樹脂板を得た。得られた樹脂板は、テトラヒドロフラン
(以下、THFと記す)やアセトンに対して不溶であっ
た。つまり、上記の樹脂板は、耐溶剤性に優れていた。
上記の主な反応条件、および結果をまとめて表1に示
す。
【0079】〔実施例2〕ビニルエーテル化合物とし
て、実施例1におけるイソブチルビニルエーテルの代わ
りに、3,4-ジヒドロ-2H-ピランを用いる以外は、実施例
1と同様の反応、処理等を行い、シラップを得た。得ら
れたシラップの固形分濃度は43%、粘度は31ps、酸価は
11であった。上記シラップの重量平均分子量(Mw)は39,0
00であった。
【0080】続いて、実施例1と同様の操作を行い、注
型材料を得た。得られた注型材料は、貯蔵安定性に優れ
ていた。次いで、実施例1と同様の注型を行い、樹脂板
を得た。60℃におけるゲルタイムは30分であった。ま
た、得られた樹脂板の耐溶剤性は良好であった。上記の
主な反応条件、および結果をまとめて表1に示す。
【0081】〔比較例1〕実施例1において、イソブチ
ルビニルエーテルを用いない以外は、実施例1と同様の
反応、処理等を行った。その結果、エステル化の際に徐
々に粘度が上がり、固形分、粘度、および分子量の増大
したシラップが得られた。
【0082】続いて、実施例1と同様の操作を行い、比
較用の注型材料を得た。次いで、得られた比較用の注型
材料を用いて、実施例1と同様の注型を行い、比較用の
樹脂板を得た。60℃におけるゲルタイムは60分であっ
た。得られた比較用注型材料は、貯蔵安定性に劣ってい
た。また、得られた比較用樹脂板は、THFやアセトン
に膨潤した。上記の主な反応条件、および結果をまとめ
て表1に示す。
【0083】〔実施例3〕実施例1におけるチオール処
理とエステル化の順序を変更した以外は、実施例1と同
様の反応・処理等を行い、シラップを得た。得られたシ
ラップの固形分濃度は50%、粘度は 150ps、酸価は11、
重量平均分子量(Mw)は58,000であった。
【0084】続いて、実施例1と同様の操作を行い、注
型材料を得た。得られた注型材料は、貯蔵安定性に優れ
ていた。次いで、実施例1と同様の注型を行い、樹脂板
を得た。60℃におけるゲルタイムは30分であった。ま
た、得られた樹脂板の耐溶剤性は良好であった。上記の
主な反応条件、および結果をまとめて表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】〔実施例4〕実施例1と同じ反応器に、メ
チルメタクリレート 180部と、メタクリル酸20部とを仕
込んだ後、反応器内を窒素ガス置換した。次に、上記の
混合物を攪拌しながら80℃に昇温した後、 2,2'-アゾビ
スイソブチロニトリル 0.1部と、チオール化合物として
のペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート10
部とを添加して、4時間共重合反応を行った。これによ
り、(メタ)アクリルシラップを得た。
【0087】次いで、上記の(メタ)アクリルシラップ
に、イソブチルビニルエーテルを添加した後、 100℃に
昇温して30分間攪拌することにより、該(メタ)アクリ
ルシラップ中に残存するn-ドデシルメルカプタンを処理
した。上記のイソブチルビニルエーテルは、重合時に添
加したn-ドデシルメルカプタンに対して 2.0倍モルとな
るように添加した。
【0088】続いて、メタクリル酸グリシジルと、エス
テル化触媒としてのトリフェニルホスフィン 0.1部と、
重合禁止剤としてのハイドロキノン0.01部とを添加した
後、100 ℃で8時間攪拌することにより、エステル化反
応を行った。上記のメタクリル酸グリシジルは、メタク
リル酸に対して10倍モルとなるように添加した。これに
より、シラップを得た。得られたシラップの固形分濃度
は52%、粘度は39ps、重量平均分子量(Mw)は14,000、酸
価は27であった。
【0089】続いて、実施例1と同様の操作を行い、注
型材料を得た。得られた注型材料は、貯蔵安定性に優れ
ていた。次いで、実施例1と同様の注型を行い、樹脂板
を得た。60℃におけるゲルタイムは15分であった。ま
た、得られた樹脂板の耐溶剤性は良好であった。上記の
主な反応条件、および結果をまとめて表2に示す。
【0090】〔実施例5〕実施例4におけるメチルメタ
クリレートの使用量(仕込み量)を 180部から 196部に
変更すると共に、メタクリル酸の使用量を20部から4部
に変更した以外は、実施例4と同様の反応・処理等を行
い、シラップを調製した。
【0091】続いて、実施例1と同様の操作を行い、注
型材料を得た。得られた注型材料は、貯蔵安定性に優れ
ていた。次いで、実施例1と同様の注型を行い、樹脂板
を得た。60℃におけるゲルタイムは40分であった。ま
た、得られた樹脂板の耐溶剤性は良好であった。上記の
主な反応条件、および結果をまとめて表2に示す。
【0092】〔実施例6〕温度計、冷却器、窒素ガス導
入管、および攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリ
レート 196部と、メタクリル酸4部とを仕込んだ後、反
応器内を窒素ガス置換した。次に、上記の混合物を攪拌
しながら80℃に昇温した後、2,2'- アゾビスイソブチロ
ニトリル 0.1部と、n-ドデシルメルカプタン1部とを添
加して、6時間共重合反応を行った。これにより、(メ
タ)アクリルシラップを得た。
【0093】次いで、上記の(メタ)アクリルシラップ
に、イソブチルビニルエーテルを添加した後、 100℃に
昇温して1時間攪拌することにより、該(メタ)アクリ
ルシラップ中に残存するn-ドデシルメルカプタンを処理
した。上記のイソブチルビニルエーテルは、重合時に添
加したn-ドデシルメルカプタンに対して 2.0倍モルとな
るように添加した。これにより、シラップを得た。得ら
れたシラップの固形分濃度は24%、粘度は7ps、重量平
均分子量(Mw)は61,000、酸価は12であった。
【0094】続いて、実施例1と同様の操作を行い、注
型材料を得た。得られた注型材料は、貯蔵安定性に優れ
ていた。次いで、実施例1と同様の注型を行い、樹脂板
を得た。60℃におけるゲルタイムは40分であった。ま
た、得られた樹脂板の耐溶剤性は良好であった。上記の
主な反応条件、および結果をまとめて表2に示す。
【0095】〔比較例2〕実施例6において、イソブチ
ルビニルエーテルを用いない以外は、実施例6と同様の
反応、処理等を行い、シラップを得た。
【0096】続いて、実施例1と同様の操作を行い、比
較用の注型材料を得た。次いで、得られた比較用の注型
材料を用いて、実施例1と同様の注型を行い、比較用の
樹脂板を得た。60℃におけるゲルタイムは60分であっ
た。得られた比較用注型材料は、貯蔵安定性に劣ってい
た。また、得られた比較用樹脂板は、THFやアセトン
に膨潤した。上記の主な反応条件、および結果をまとめ
て表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】〔実施例7〕温度計、冷却器、窒素ガス導
入管、および攪拌機を備えた反応器に、分散安定剤とし
てのポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ株
式会社製) 0.2部を分散媒(溶媒)である脱イオン水 1
80部に溶解してなる水溶液を仕込んだ。一方、別の容器
中で、メチルメタクリレート8部、ビニル化合物として
のスチレン8部、架橋剤としてのトリメチロールプロパ
ントリメタクリレート4部、n-ドデシルメルカプタン
0.5部、および、 2,2'-アゾビスイソブチロニトリル 0.
2部を混合し、混合物を得た。そして、上記混合物を反
応器に添加し、500rpmで攪拌して均一な懸濁液とした。
続いて、窒素ガスを吹き込みながら75℃に昇温し、この
温度で5時間攪拌を続けて懸濁重合反応を行った。
【0099】次いで、重合後の懸濁液(樹脂組成物)
に、イソブチルビニルエーテルを添加した後、90℃に昇
温して1時間攪拌することにより、該懸濁液中に残存す
るn-ドデシルメルカプタンを処理した。上記のイソブチ
ルビニルエーテルは、重合時に添加したn-ドデシルメル
カプタンに対して 3.0倍モルとなるように添加した。
【0100】続いて、処理後の懸濁液からポリマーを濾
別して洗浄した後、乾燥した。これにより、ビーズ状ポ
リマーを得た。得られたビーズ状ポリマーを、30mm押出
機(プラスチック工学研究所製)にて、温度 240℃、圧
力20mmHgで、直径5mmのストランドを押し出し、ペレ
タイザーで切断して、ペレットを作成した。この時、ス
クリューへの炭化物の付着は見られなかった。また、ペ
レット作成時にチオール化合物に起因すると思われる臭
気はなかった。上記の主な反応条件、および結果をまと
めて表3に示す。
【0101】〔実施例8〕実施例7において、イソブチ
ルビニルエーテルを用いない以外は、実施例7と同様の
反応、処理等を行い、ビーズ状ポリマー(樹脂組成物)
を得た。
【0102】次いで、得られたビーズ状ポリマーを 240
℃に昇温してイソブチルビニルエーテルを添加すること
により、該ビーズ状ポリマー中に残存するn-ドデシルメ
ルカプタンを処理した。上記のイソブチルビニルエーテ
ルは、重合時に添加したn-ドデシルメルカプタンに対し
て 3.0倍モルとなるように添加した。
【0103】続いて、実施例7と同様の操作を行い、比
較用のペレットを作成した。この時、スクリューへの炭
化物の付着は見られなかった。また、ペレット作成時に
チオール化合物に起因すると思われる臭気はなかった。
上記の主な反応条件、および結果をまとめて表3に示
す。
【0104】〔比較例3〕まず、実施例7と同様の反
応、処理等を行い、ビーズ状ポリマーを得た。続いて、
イソブチルビニルエーテルを添加しない以外は実施例7
と同様の操作を行い、比較用のペレットを作成した。こ
の時、スクリューへの炭化物の付着が多く見られた。ま
た、ペレット作成時にチオール化合物に起因すると思わ
れる臭気が発生した。上記の主な反応条件、および結果
をまとめて表3に示す。
【0105】
【表3】
【0106】〔実施例9〕まず、実施例1と同様の反応
・処理等を行い、シラップを調製した。次に、該シラッ
プ 100部に、増粘剤としての酸化マグネシウム1部、コ
ハク酸誘導体としてのペンタドデセニルコハク酸1部、
硬化剤としてのt-ブチルパーオキシ -2-エチルヘキサノ
エート1部、離型剤としてのステアリン酸亜鉛4部、お
よび、充填剤としての水酸化アルミニウム(昭和電工株
式会社製、ハイジライト HS−320) 150部を混合
して、コンパウンドを得た。
【0107】次いで、該コンパウンドをポリエチレンフ
ィルム表面に一定の厚みとなるように塗布した後、この
塗布物の上に、補強材としてのガラス繊維(長さ1イン
チのチョップトストランド)を均一に撒布した。そし
て、この上に、コンパウンドをポリエチレンフィルム表
面に一定の厚みとなるように塗布してなる塗布物を重ね
合わせた。つまり、コンパウンドにてガラス繊維を挟ん
だ。これにより、樹脂材料としてのSMCを得た。該S
MCにおける上記ガラス繊維の割合は、25%となるよう
に調節した。その後、得られたSMCを、セロファンテ
ープで包装し、40℃で1日間熟成させた。
【0108】次に、上記のSMCを加熱・加圧成形し
た。即ち、 200mm× 200mmの大きさの金型を用い、上側
の金型の温度を 110℃、下側の金型の温度を 100℃に設
定した。そして、所定の大きさに切断したSMCを上記
の金型に充填して圧力6MPaで型締めし、5分間、加熱
・加圧成形することにより、成形品である厚さ3mmの成
形板を作成した。
【0109】110℃におけるゲルタイムは、キュラスト
メーターV型(株式会社オリエンテック製)を測定装置
として用いて測定した。即ち、試料であるSMCを 110
℃に加熱し、該温度に到達した時点(加熱開始時点)か
ら、上記測定装置によって計測されるトルクが立ち上が
るまでの時間を測定し、この時間をゲルタイムとした。
その結果、 110℃におけるゲルタイムは 100秒であっ
た。
【0110】得られた成形板は、その表面に光沢を有し
ており、平滑性に優れていた。また、成形板は、THF
およびアセトンに不溶であり、耐溶剤性は良好であっ
た。さらに、JIS A 1415に基づいて、サンシ
ャインウェザーメーターを用いた1000時間の促進耐候性
試験を行った結果、成形板には、実質的な変色やチョー
キングが認められなかった。また、煮沸試験を90℃で 1
00時間行って、耐水性を評価した結果、試験後の成形板
は、その表面に光沢を有しており、実質的な変化が認め
られなかった。さらに、成形板を、 170℃に設定された
オーブン内に1時間放置して、耐熱性を評価した結果、
成形板には、黄変等の外観の変化が認められず、また、
表面の光沢も失われていなかった。上記の主な反応条
件、および結果をまとめて表4に示す。
【0111】〔実施例10〕まず、実施例2と同様の反
応・処理等を行い、シラップを調製した。次に、このシ
ラップを用いて、実施例9における酸化マグネシウムの
使用量を1部から2部に変更すると共に、ペンタドデセ
ニルコハク酸の使用量を1部から3部に変更した以外
は、実施例9と同様の操作・成形等を行い、成形板を作
成した。 110℃におけるゲルタイムは 100秒であった。
【0112】得られた成形板は、その表面に光沢を有し
ており、平滑性に優れていた。また、成形板は、THF
およびアセトンに不溶であり、耐溶剤性は良好であっ
た。さらに、成形板は、耐熱性、耐候性および耐水性に
優れていた。上記の主な反応条件、および結果をまとめ
て表4に示す。
【0113】〔比較例4〕まず、比較例1と同様の反応
・処理等を行い、比較用のシラップを調製した。次に、
この比較用のシラップを用いて実施例9と同様の操作等
を行い、比較用のSMCを作成した。その後、得られた
比較用のSMCを40℃で1日間熟成させた。ところが、
熟成後、該比較用SMCは硬化していた。上記の主な反
応条件をまとめて表4に示す。
【0114】〔比較例5〕実施例1において、n-ドデシ
ルメルカプタンに対するイソブチルビニルエーテルの添
加量を2.0 倍モルから0.05倍モルに変更した以外は、実
施例1と同様の反応・処理等を行った。その結果、エス
テル化の際に徐々に粘度が上がり、固形分、粘度、およ
び分子量の増大したシラップが得られた。
【0115】次に、この比較用シラップを用いて、実施
例9と同様の操作等を行い、比較用のSMCを得た。そ
の後、得られた比較用SMCを40℃で1日間熟成させ
た。ところが、該比較用SMCは硬化していた。上記の
主な反応条件をまとめて表4に示す。
【0116】〔比較例6〕実施例3において、n-ドデシ
ルメルカプタンに対するイソブチルビニルエーテルの添
加量を2.0 倍モルから0.05倍モルに変更した以外は、実
施例3と同様の反応・処理等を行った。その結果、エス
テル化の際に徐々に粘度が上がり、固形分、粘度、およ
び分子量の増大したシラップが得られた。
【0117】次に、この比較用シラップを用いて、実施
例9と同様の操作等を行い、比較用のSMCを得た。そ
の後、得られた比較用SMCを40℃で1日間熟成させ
た。ところが、該比較用SMCは硬化していた。上記の
主な反応条件をまとめて表4に示す。
【0118】〔実施例11〕まず、実施例3と同様の反
応・処理等を行い、シラップを調製した。次に、このシ
ラップを用いて、実施例9における酸化マグネシウムの
使用量を1部から2部に変更すると共に、ペンタドデセ
ニルコハク酸の使用量を1部から3部に変更し、かつ、
水酸化アルミニウム 150部の代わりに、該水酸化アルミ
ニウム 100部と充填剤としての炭酸カルシウム(東洋フ
ァインケミカル株式会社製、ホワイトン P−70)50
部とを混合した以外は、実施例9と同様の操作・成形等
を行い、成形板を作成した。 110℃におけるゲルタイム
は80秒であった。
【0119】得られた成形板は、その表面に光沢を有し
ており、平滑性に優れていた。また、成形板は、耐熱性
に優れていた。さらに、耐候性および耐水性を評価した
結果、該成形板は、実施例9の成形板と比較して、僅か
な変色、および光沢の若干の低下が認められるものの、
これら物性は優れていた。上記の主な反応条件、および
結果をまとめて表4に示す。
【0120】〔実施例12〕まず、実施例4と同様の反
応・処理等を行い、シラップを調製した。次に、このシ
ラップを用いて、実施例9における酸化マグネシウムの
使用量を1部から2部に変更すると共に、ペンタドデセ
ニルコハク酸の使用量を1部から3部に変更し、かつ、
水酸化アルミニウム 150部の代わりに、該水酸化アルミ
ニウム 100部と充填剤としてのガラスパウダー(日東紡
績株式会社製、FMB 30W−001)50部とを混合
した以外は、実施例9と同様の操作・成形等を行い、成
形板を作成した。 110℃におけるゲルタイムは 120秒で
あった。
【0121】得られた成形板は、その表面に光沢を有し
ており、平滑性に優れていた。また、成形板は、耐熱
性、耐候性および耐水性に優れていた。上記の主な反応
条件、および結果をまとめて表4に示す。
【0122】〔実施例13〕まず、実施例5と同様の反
応・処理等を行い、シラップを調製した。次に、シラッ
プの量を 100部から85部に変更すると共に、架橋性単量
体としてのトリメチロールプロパントリメタクリレート
15部を添加した以外は、実施例9と同様の操作・成形等
を行い、成形板を作成した。 110℃におけるゲルタイム
は75秒であった。
【0123】得られた成形板は、その表面に光沢を有し
ており、平滑性に優れていた。また、成形板は、耐熱
性、耐候性および耐水性に優れていた。上記の主な反応
条件、および結果をまとめて表4に示す。
【0124】
【表4】
【0125】〔実施例14〕まず、実施例1と同様の反
応・処理等を行い、シラップを調製した。次に、該シラ
ップ 100部に、酸化マグネシウム1部、ペンタドデセニ
ルコハク酸2部、t-ブチルパーオキシ -2-エチルヘキサ
ノエート1部、ステアリン酸亜鉛4部、水酸化アルミニ
ウム(昭和電工株式会社製、ハイジライト H−32
0) 350部、および、補強材としてのガラス繊維(長さ
1/4インチのチョップトストランド)を混合した後、こ
の混合物を双腕型ニーダを用いて混練した。これによ
り、成形材料としてのBMCを得た。該BMCにおける
上記ガラス繊維の割合は、5%となるように調節した。
その後、得られたBMCを、ビニロンフィルムで包装
し、40℃で1日間熟成させた。
【0126】次に、上記のBMCを所定の方法で加熱・
加圧成形することにより、成形板(成形品)を作成し
た。 110℃におけるゲルタイムは 110秒であった。得ら
れた成形板は、その表面に光沢を有しており、平滑性に
優れていた。また、成形板は、耐熱性、耐候性および耐
水性に優れていた。上記の主な反応条件、および結果を
まとめて表5に示す。
【0127】〔比較例7〕まず、比較例1と同様の反応
・処理等を行い、比較用のシラップを調製した。次に、
このシラップを用いて、実施例14と同様の操作等を行
い、比較用のBMCを得た。得られた比較用BMCを40
℃で1日間熟成させた。ところが、熟成後、該比較用B
MCは硬化していた。上記の主な反応条件、および結果
をまとめて表5に示す。
【0128】〔実施例15〕まず、実施例2と同様の反
応・処理等を行い、シラップを調製した。次に、該シラ
ップ 100部に、硬化剤としてのビス(4-t-ブチルシクロ
ヘキシル)パーオキシカーボネート1部、および、水酸
化アルミニウム(昭和電工株式会社製、ハイジライト
H−320ST) 200部を混合した後、この混合物を混
練し、脱泡した。これにより、樹脂材料としての注型材
料を得た。
【0129】次に、得られた注型材料を、ガラス製のセ
ルを用いて注型した。即ち、注型材料を上記のセル内に
注入した後、60℃で1時間硬化させた。そして、脱型
後、 100℃で2時間、後硬化させることにより、成形品
である人工大理石板を得た。
【0130】得られた人工大理石板は、その表面に光沢
を有しており、平滑性に優れていると共に、いわゆる高
級感および質感を備えていた。また、人工大理石板は、
耐熱性、耐候性および耐水性に優れていた。上記の主な
反応条件、および結果をまとめて表5に示す。
【0131】〔比較例8〕まず、比較例1と同様の反応
・処理等を行い、比較用のシラップを調製した。次に、
この比較用のシラップを用いて、実施例15と同様の操
作・成形等を行い、比較用の人工大理石板を作成した。
【0132】ところが、得られた比較用人工大理石板の
耐熱性、耐候性および耐水性を評価した結果、黄変等の
外観の変化が認められ、また、表面の光沢も失われてお
り、ムラが生じていた。上記の主な反応条件、および結
果をまとめて表5に示す。
【0133】〔実施例16〕まず、実施例3と同様の反
応・処理等を行い、シラップを調製した。次に、該シラ
ップ 100部に、硬化剤としてのビス(4-t-ブチルシクロ
ヘキシル)パーオキシカーボネート1部とt-ブチルパー
オキシベンゾエート(商品名「パーブチルZ」、日本油
脂株式会社製)1部、水酸化アルミニウム(昭和電工株
式会社製、ハイジライト H−31) 200部、および、
離型剤としてのゼレック−UN(商品名、米国デュポン
株式会社製)7部を混合した、樹脂材料としての引抜き
材料を得た。
【0134】次に、得られた引抜き材料を、全長 800m
m、穴寸法 113mm×3.1mm の金型を用い、ガラスロービ
ング75本と共に引抜き成形した。金型温度は90℃、引抜
き速度は0.8m/分とした。これにより、成形板(成形
品)を得た。
【0135】得られた成形板は、その表面に光沢を有し
ており、平滑性に優れていた。また、成形板は、耐熱
性、耐候性および耐水性に優れていた。上記の主な反応
条件、および結果をまとめて表5に示す。
【0136】〔比較例9〕まず、比較例1と同様の反応
・処理等を行い、比較用のシラップを調製した。次に、
この比較用のシラップを用いて、実施例16と同様の操
作・成形等を行い、比較用の成形板(成形品)を作成し
た。
【0137】ところが、得られた比較用成形板の耐熱
性、耐候性および耐水性を評価した結果、黄変等の外観
の変化が認められ、また、表面の光沢も失われており、
ムラが生じていた。上記の主な反応条件、および結果を
まとめて表5に示す。
【0138】
【表5】
【0139】表1〜5から明らかなように、本実施例に
かかる処理方法を用いて樹脂組成物を処理してなる樹脂
材料が、成形材料として好適に用いることができること
がわかる。即ち、表3から明らかなように、実施例7お
よび実施例8にかかる樹脂材料は、成形時にチオール化
合物に起因する臭気を発生せず、しかも成形時に成形金
型への炭化物の付着がないことがわかる。また、表1、
表2、表4、および表5から明らかなように、実施例1
〜6および実施例9〜16にかかる樹脂材料は、比較的
短時間で硬化させることができることがわかる。さら
に、上記の樹脂材料を成形して得られる成形品が、耐熱
性、耐溶剤性、耐候性および耐水性等の各種物性に優れ
ていることがわかる。
【0140】
【発明の効果】本発明の処理方法によれば、樹脂組成物
中の遊離のメルカプト基を効率良く失活させることがで
きる。従って、上記方法を用いて樹脂組成物を処理する
ことにより、チオール化合物に起因する臭気の問題が解
消された樹脂材料を得ることができるという効果を奏す
る。また、上記方法を用いて単量体を含む樹脂組成物を
処理することにより、貯蔵安定性に優れた樹脂材料を得
ることができるという効果を奏する。
【0141】本発明の樹脂材料によれば、チオール化合
物に起因する臭気の問題が解消されるという効果を奏す
る。また、単量体を含む樹脂組成物の場合においては、
貯蔵安定性に優れ、短時間で硬化させることができ、か
つ、耐熱性、耐溶剤性、耐候性および耐水性等の各種物
性に優れた硬化物、例えば成形品を提供することができ
るという効果を奏する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体とチオール化合物とを含む樹脂組成
    物の処理方法であって、 上記樹脂組成物にビニルエーテル化合物および/または
    ビニルチオエーテル化合物を添加することを特徴とする
    樹脂組成物の処理方法。
  2. 【請求項2】上記樹脂組成物が、さらに単量体を含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物の処理方法。
  3. 【請求項3】上記樹脂組成物が、(メタ)アクリル酸エ
    ステルを含む単量体成分をチオール化合物の存在下で重
    合してなる(メタ)アクリルシラップであることを特徴
    とする請求項2記載の樹脂組成物の処理方法。
  4. 【請求項4】上記(メタ)アクリルシラップが、カルボ
    キシル基を含有することを特徴とする請求項3記載の樹
    脂組成物の処理方法。
  5. 【請求項5】上記(メタ)アクリルシラップが、カルボ
    キシル基を(メタ)アクリル酸グリシジルおよび/また
    は(メタ)アクリル酸メチルグリシジルによってエステ
    ル化してなるエステル結合を含有することを特徴とする
    請求項3または4記載の樹脂組成物の処理方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれか1項に記載の
    処理方法を用いて樹脂組成物を処理してなることを特徴
    とする樹脂材料。
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