【発明の詳細な説明】
着色充填材および無機充填材の均一な分布を有する熱成形可能なアクリルシート
関連する米国特許出願データ
本願は、米国特許出願番号第157,253号(1993年11月26日。放棄)の一部継続
である米国特許出願番号第392,650号(1996年5月28日。米国特許第5,521,243号
)の一部継続出願である。
技術分野
本発明は、シートまたはスラブの製造において有用な組成物を含んでいるポリ
(メタクリル酸メチル)(「PMMA」)、および該シートの製造方法に関する
。これらのシートは台所の調理台の天板のような用途に使用することができる。
上記組成物は、PMMAに加えて、少なくとも1種の架橋剤および少なくとも1
種の連鎖移動剤を含んでいる。該移動剤の濃度は該架橋剤に対して独立である。
本発明においては、少量の可塑剤の添加のために、連鎖移動剤の量が先行技術の
組成物よりも低い。該シートは有意な量の難燃性無機物、例えばアルミナ三水和
物をも含んでおり、概して着色剤を含んでいる。これらの着色剤は、天然鉱物、
例えばオニキス、大理石、もしくは他の固体着色剤の模造または肉眼で区別でき
る粒子をまったく有しない模様のあるタイプに使用されることが多い。本発明の
シートは、90°程度の鋭い角度に加熱して折り曲げたり、熱成形することができ
、かつ/または流しおよびボールのような形状に真空熱成形することができる。
本発明の背景
無機物に見える合成材料のシート(本明細書においてはスラブと互換的に使用
する)は、台所の調理台の天板、並びに建築物などの内装および/または外装と
して一般的に使用されている。設計仕様により、90°の角度において、複数のシ
ートがいっしょに密着していること、またはもう1つの表面と隣接していること
が要求されることが多い。
これらの条件下で必要とされる二次加工条件は、時間がかかり、高価である。
隣接している表面間に色差があることが多く、接触点が審美的に魅力のないもの
となることがある。本発明のシートは、単純な熱成形操作により複雑に仕上げら
れた成形品を提供し、例えば、90°の背後のはねよけ壁および1.0インチの半径
の前面のブルノーズを有する洗面台の天板を成形することができる。成形、冷却
およびばり取りの後、さらなる二次加工を施すことなく、その成型品を直接据え
付けることができる。
米国特許第3,563,939号およびカナダ国特許第916,337号は、ポリ(メタクリル
酸メチル)(「PMMA」)製品におけるアルミナ三水和物(「ATH」)の使
用を開示している。米国特許第3,847,865号においては、Dugginsが、合成無機製
品の構成を開示している。Dugginsは、架橋剤および離型剤並びに粘度降下剤、
例えば脂肪酸の使用をも開示している。
Buser他は、米国特許第4,085,246号および第4,159,301号において、重合可能
なメタクリル酸メチル(「MMA」)マトリックスおよびその中に溶解している
PMMAを有する合成花崗岩の製造に好適な粒子沈降速度の現象を開示している
。そのPMMAは、その粘度を調整し、次に、より大きなそれらの粒子の沈降速
度を制御するのに使用される。それらの特許は、さらに、重合促進剤としての
連鎖移動剤の使用を開示している('301の特許のコラム8の58〜68行を参照され
たい)。これらの特許の欠点は、それらのシートを本発明のシートと同程度に熱
成形することができないということにある。
Gavin他の米国特許第4,413,089号においては、目的として、色の均一性が開示
されている。10ミクロン未満の酸化鉄ピグメントをMMA/PMMAのシロップ
中に均一に分布させ、そのシロップを次に硬化させている。
より最近では、Minghetti他が、米国特許第5,521,243号において、熱成形可能
なシートを製造するための組成物を開示している。基準点である1/2インチのシ
ートが、3インチ未満の最小曲げ半径を有するということが開示されている。し
かしながら、その組成物は、架橋剤の量「x」が0.5pphまたはそれ以上である際
には、連鎖停止剤の量は0.58x〜0.28pph以上であるというふうに限定されてい
る。対照的に、本発明の組成物は熱成形可能なシートとされ、その組成物は、連
鎖停止剤の量が0.58x〜0.28pph未満のものである。その組成物、およびそれか
ら製造されるシートは、'243の発明においては可能と考えられていない連鎖停止
剤に対する架橋剤の比にあるけれども、'243の組成物とほぼ同等に機能するとい
う、予期せぬ特徴を有している。その差異は、少なくとも可塑剤を、本発明の組
成物に添加することに帰することができる。
図面の簡単な説明
図1Aは、最新の市販製品「Corian」(DuPont製)の1/2インチ厚のシートの
先行技術での曲げ加工の多少の推測に基づく図解である。
図1Bは、本発明の1/2インチ厚のシートの曲げ加工の同様の図
解である。
本発明の要約
本発明は、組成物、熱成形可能なシート、およびそれから製造される熱成形可
能な製品に関する。本明細書において使用されているように、MMAおよびPM
MAは、主にメタクリル酸メチル単量体またはポリメタクリル酸メチル重合体を
それぞれ意味する。他の共重合用単量体または共重合体、例えばアクリル酸ブチ
ル、アクリル酸エチルが、合計量で、その組成物の重合可能な部分の約20パーセ
ントまで存在していてもよい。そのPMMAの重量平均分子量は概して30,000〜
600,000であり、架橋高分子鎖をほとんどまたはまったく有しておらず、そのM
MA中での溶解性を維持している。そのMMAは、その中に溶解している約20〜
40%の重合体を有する少なくとも60〜80%の単量体である。しかしながら、その
単量体含有率は90%を超えていてもよい。
上記シートは、その天板表面の均一な外観および性質を失うことなく、比較的
鋭い角度に加熱して折り曲げ、熱成形して造形品とすることができる。それらの
シートは、CielabによるΔEで2.0未満であるか、または人間の肉眼では容易に
見分けられない、軽度で許容できる変色しか被らない。その熱成形温度は、他の
熱可塑性材料にはよくあることだが、熱成形中の、上記ATH充填剤からの水の
如何なる有意な損失をも避けるのに十分に低い。そのシートは、75未満の延焼性
指数(Flame Spread Index)(ASTM E-84 Tunnel Testによる)および350またはそ
れ以下の発煙指数(Smoke Index)を有するであろう。そのシートは、その上面お
よび底面の両方から測定した場合に、比較的同等の耐衝撃性(落錘法により測定
した場合)をも有するであろう。
本発明は、以下(重量法による)のような、その中に溶解しているPMMAを
有するMMAのシロップ中でのアルミナ三水和物の懸濁液の安定性を供給する。
(a)MMA中に溶解しているPMMAの含有率:0〜30wt%、好ましくは10
〜25wt%、
(b)全組成物中のATH:20〜60wt%、好ましくは25〜40wt%、
(c)単量体/シロップ部分におけるチキソトロープ剤(好ましくはヒューム
ドシリカ):0.10〜3.5wt%、または混合後、ブルックフィールド粘度計(Brookf
ield Viscometer)RVTDV-II型、スピンドル番号2、10RPMにより測定した場合に
、1,000〜10,000cps(好ましくは2,000〜5,000cps)の粘度を得るのに必要なだ
け、
(d)架橋剤(全単量体含有量のwt%として):ジメタクリル酸エチレングリ
コールについては0.5よりも多く、約1.0wt%まで、他の架橋剤については同等の
含有率、好ましくは0.5〜1.0wt%、
(e)連鎖移動剤(全単量体含有量のwt%として):0.58x〜0.28まで、ここ
で、xはジメタクリル酸エチレングリコール当量の、pphで表した架橋剤の量で
あり、その量はn-ドデシルメルカプタンに基づいている(他の薬剤では、その実
際の含有率を僅かに変化させて、n-ドデシルメルカプタンと同等の結果を得るよ
うにしてもよい)。
(f)少なくとも1種の可塑剤:約0.1〜約8phr(樹脂組成物の百分重量部)
。
上記に示されているように、上記架橋剤および連鎖移動剤の濃度は、実際に選
ばれる薬剤に依存して僅かに変化するであろう。連鎖移動剤の効果を比較する1
つの方法は、前記薬剤の存在下、架橋剤の無い状態で、MMAを重合することで
ある。そのMWwおよびM
Wnは、n-ドデシルメルカプタンにより得られるものと同様であるべきである。
上記に加えて、他の成分、例えば染料、ピグメント、重合開始剤が存在していて
もよい。これらの追加成分は、当該分野において、よく知られている。
本発明の微粒子は、完成製品においては肉眼では区別できないであろう。ほと
んどの合成花崗岩は、150〜500ミクロンの範囲にわたる、さまざまな組成および
色の、肉眼で区別できる粒子を含んでいるであろう。それは、500ミクロンの開
度を有する篩を通過するけれども、150ミクロン未満の開度の篩上に残るもので
ある。しかしながら、当該分野においては、より大きな粒子も使用されている。
本発明においては、より大きな粒子の使用は、前記粒子の一様な分布を阻害する
ことがある。本発明の関連においては、粒子の大部分は約90ミクロン未満であり
、主として約60ミクロン未満であるのが好ましい。それらの粒子の組成はATH
であるのが好ましいけれども、同様の性質、特にATHの難燃性を有する如何な
る組成であってもよく、それは25〜50重量パーセントを構成すべきである。
本発明の固体表面材は、概して、アクリル表面材に帰することができる、やや
光沢のある外観を有するであろう。上記微粒子は、模造花崗岩表面を有する場合
には、見分けられないであろうし、その外観は実質的に細目であると評すること
ができる。
あらゆる数(二官能価または三官能価)の架橋剤も使用することができる。例
としては、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸プロピレン、ジ
メタクリル酸ポリエチレングリコール、ジビニルベンゼン、フタル酸ジアリル、
メタクリル酸1,3-ブタンジオール、ジメタクリル酸1,4-ブタンエチレングリコー
ル、ジメタクリル酸ネオペンチルグリコール、トリメタクリル酸ネオペンチルグ
リコール、シアヌル酸トリアリル、テトラメタクリル酸ペンタエリ
トリトール、メタクリル酸アリル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルおよびメタ
クリル酸ヒドロキシエチルが包含されているけれども、これらに限定されるもの
ではない。ジメタクリル酸エチレングリコールを使用するのが好ましい。架橋の
量は、少なくとも0.01%〜約10%とするのが好ましいであろう。
連鎖停止剤または連鎖移動剤は、オクチルメルカプタン、iso-ドデシルメルカ
プタン、チウラム、ジチオカルバメート、ジペンテンジメルカプタン、2-メルカ
プトエタノール、メルカプト酢酸アリル、ジメルカプト酢酸エチレングリコール
、トリチオグリコール酸トリメチロールエタン、およびテトラチオグリコール酸
ペンタエリトリトールを包含しているけれども、これらに限定されるものではな
い。本発明において、その連鎖停止剤は、それらの高分子鎖の長さを調節するた
めにはたらき、熱成形に好適な高分子マトリックスを生ずる。使用される連鎖移
動剤の量は、少なくとも0.01%のn-ドデシルメルカプタンであるのが好ましいで
あろう。
本発明は、前記可塑剤がMMA/PMMAと相溶性であるという条件で、特定
の亜類の可塑剤に限定されるものではない。本発明は、当該分野において既知の
あらゆる相溶性可塑剤を企図している。本発明に包含されている可塑剤は、基礎
となる調合物の加熱撓み温度(Heat Distortion Temperature)(ASTM D-648)を
低下させるという特徴を有するであろう。選ばれる可塑剤は、単量体または重合
体のいずれであってもよい。単量体可塑剤は、フタレート、エポキシ、アジペー
ト、アゼレート、トリメリテート、グルタレート、およびクエン酸エステルを包
含している。これらの可塑剤は、それらのコストの低さおよび典型的な用途に対
する好適性のために、一般的に使用されている。重合体可塑剤は、一般に、二塩
基性脂肪酸と多官能価アルコールとのポリエステルからなっている。当該分野に
おいては、MMA/PMMAと相溶性の可塑剤の広範囲なリストが存在している
。また、P、Cl、Brなどを含んでいる液体難燃剤は、当該分野においては、
高分子組成物を可塑化するものと理解されており、それゆえに本発明の関連に組
み込まれている。少なくとも1種の可塑剤を、約0.1〜8phr、好ましくは約2〜
約8phrの量だけ添加する。
従来の増粘剤およびチキソトロープ剤は、本発明に特に適している。それらは
、上記マトリックス懸濁液中で静止状態に留まろうとする粒子の慣性傾向を高め
るものと信じられている。ヒュームドシリカを使用するのが好ましい。ヒューム
ドシリカとは、水素と酸素との火炎中で、四塩化ケイ素の蒸気を加水分解して、
7〜30ミリミクロンの範囲の固体粒子を生じさせることにより形成される生成物
を意味する。複数のタイプのヒュームドシリカが市販されている。本発明につい
ての実験の大部分は、グラムあたり200平方メートルの表面積を有するCab-O-Sil
M5を用いて行った。しかしながら、本発明は、如何なる特定のタイプに限定さ
れるものでもない。
ヒュームドシリカの表面は、豊富なヒドロキシル基のために親水性である。そ
のシリカ、またはその他の構成成分中の吸収水分は、上記懸濁液の最終的な粘度
に対する著しい効果を有しており、普通は、その粘度を低下させる。水素結合を
多少は形成することができる他の物質を用いて、同じ効果を達成することができ
る。
上記ヒュームドシリカおよび/またはATHを乾燥して、上記吸水水分を除去
する場合は、その懸濁液の最終的な粘度は、より高くなるであろう。しかしなが
ら、200°Fより高温でATHを乾燥すると、その含有水分を枯渇させることに
より、難燃剤としてのその有用性を損なうことがある。
本発明の好ましいとされる組成物においては、その他の成分の違
いにかかわらず、好ましいとされる粘度が得られるように、ヒュームドシリカの
量を選ぶ。
希望する粘度を得るために好ましいとされる方法は、以下の通りである。
(A)上記ヒュームドシリカを除く上記調合物のすべての成分(MMA、PM
MA、ATH、ピグメント、他の添加剤、触媒、連鎖移動剤、架橋剤、および可
塑剤)を混合し、下記に示されているように、その粘度を測定する。必要ならば
、そのシロップのMMA(単量体)含有率を調整して、800〜1,500センチポアズ
の粘度とする。
(B)ある量のヒュームドシリカを加えて工程Aを繰り返し、その粘度を測定
する。
(C)工程Bを繰り返して、その粘度を1,000〜10,000センチポアズ、好まし
くは2,000〜5,000センチポアズのレベルとする。
Hellsundの米国特許第3,371,383号およびOpelの米国特許第3,376,371号は、本
発明において好ましいとされるシート材料の形成手順または連続流延操作を表し
ているので、そっくりそのまま、参考文献として本明細書に組み込まれる。移動
している2つの連続スチールベルトの間でのシートの形成は好ましいとされる手
順ではあるけれども、このような機械は、振動および微調整をやむなく被りやす
く、結果として、ほとんど避けることができない上記シロップ中の微粒子の衝突
につなりがちであるということ、架橋剤、連鎖停止剤、ヒュームドシリカ、およ
びPMMA初期重合体は、上記ATHおよび/または一様に分布している細目の
外観に寄与する他の固体の安定化における要因であるということを了解しておく
のは重要なことである。
本発明の詳細な説明
今ここで、図1Aを参照すると、先行技術の1/2インチ厚のフラットシートに
ついて推奨されている(DuPont”Corian”Technical Bulletin CTDC-110,Octob
er,1987)3インチの最小曲げ半径は、鉛直伸長点Aから水平伸長点Bまでの内
側の曲線における曲げ半径として説明されている。単純な式C=πDを適用する
と、仮定的な3インチの円の円周は18.8496インチとなり、1/4円ABは4.7124イ
ンチの寸法となるであろう。0.5インチ厚のシートについて、同じ式を外側の曲
線に適用する、すなわち3.5インチの半径を使用すると、5.4953の1/4円となり、
その内側の曲線から16.6%の差異となる。このような歪みは、圧縮された内側の
曲線から伸張された外側へ、そして長さ方向には、その湾曲した部分から点Aお
よびBに向かって、加熱された成分を流れさせがちであろう。成分の流れは肉眼
で見える、または装飾的な模様を歪ませ、従って、先行技術は、比較的大きな、
例えば3インチの曲率半径を使用することにより、その材料の破壊を最小化して
きた。
図1Bは、本発明のシートの達成できる曲率を説明しており、その曲線の半径
は、図1Aの上記区画の3インチではなく、1/2インチである。この場合、その
湾曲した区画CDの外側の理論的な円周は、その内側の曲線のそれよりも100%
大きい。このような成形性を可能にすることにより、本発明が、比較的小さな容
積で、より苛酷な材料の置き換えを克服する。その比較的より苛酷な材料の置き
換えとは、上記審美的な模様の歪みに対する、より大きな潜在能力を意味するけ
れども、我々は、このようなひずみを避けるかまたは中和して、熱成形の応力下
では、これまで達成できなかった模様の連続性を達成する。
本発明の主たる目的である熱成形性を評価すべく、試験に工夫を
施した。その試験は、希望する厚みを有する4と7/8平方の平判試験片を直径3
インチの穴をあけた鋼板上に締め付け、次に1インチの半径を有する磨いたステ
ンレス鋼製のプランジャーを、その抵抗にかかわりなく、毎分5インチの速度で
下げることからなる。その装置および試料を、その試験に先立ち、希望する温度
に加熱する。そのプランジャーが移動するにつれて、ロードセルが、抵抗の量を
ポンドで表す信号を発生し、記録することができる。その試験片が壊れる瞬間に
、そのプランジャーを停止し、それが進んだ距離を測定する。各試料の4つの試
験片からの試験を平均することが推奨される。本明細書においては、この試験を
TP-0085と称してもよい。
本発明は以下の実施例により説明されるけれども、それらに限定されるもので
はない。実施例1
0.500インチ厚のシート試料を、米国特許第5,521,243号の実施例3において説
明されているように、下記の表からなる基礎となる調合物から調製した。
(*)これらの量は、上記調合物中に存在するMMAの、それぞれ0.249%および
0.282%に相当する。
上記試料をステンレス鋼製の2枚の流延板の間に注ぎ、硬化後に0.500インチ
厚の12インチ×12インチのシートを生じさせた。その硬化は、そのステンレス鋼
板集成装置を180°Fに保たれた水槽に1時間にわたって浸潰し、次に250°Fに
保たれた空気循環炉中に1時間にわたって置くことにより達成した。これは、連
鎖移動剤(n-ドデシルメルカプタン)および架橋剤(ジメタクリル酸エチレング
リコール)の量をさまざまに変化させて実験室で調製した調合物を評価するため
に行った。
下記の表において示されているように添加されたEpoxol 9.5(ACS,Inc.によ
り生産されているエポキシ化亜麻仁油)を用いて、上記調合物から、試料1A、
1B、および1Cを製造した。
試料1Gおよび1Hは、AKZOにより販売されているリン含有難燃性添加剤Fyro
l RDPを、それぞれ2および4phr含んでいる。熱成形性試験法TP-0085(340°F
において40分)により、それらの試料を試験した。それらの組成物の詳細および
それらの結果を以下に示す。
(*)ASTM D-648による、246psiにおける加熱撓み温度(Heat Distortion Temper
ature)。
実施例1A、1Bおよび1Cのシートは、力が弱いほど、より高い延伸率を示
している。
実施例1G、1Hにおいては、上記調合物に添加された市販の難燃剤は、可塑
剤として類別しても差し支えない難燃性添加剤を添加すると、その熱成形パラメ
ーターが如何に変化し得るかを示している。
Epoxol 9.5は、Swift Chemical Companyにより販売されている、エポキシ化亜
麻仁油である。Fyrol RDPは、11%のリンを含んでいるビスホスフェートエステ
ルであり、AKZOにより販売されている。実施例2
MMAを部分重合して、3ポアズの粘度および約20重量%のPMMA含有率を
得ることにより、シロップを製造した。攪拌下、そのシロップに、アクリル酸ブ
チル、Cab-O-Sil M5、アルミナ三水和物(ATH)を添加した。それらの割合は
、完全な重合およびコール(call)流延板からの良好な離型を得るのに必要な化学
物質といっしょに下記に示されている。
成分の混合物を、実施例1において説明されているように取り扱い、重合した
。
表Aは、使用した連鎖移動剤、架橋剤および可塑剤の組み合わせ並びにそれら
の試験結果を示している。 (*)340°F/40分の加熱時間で試験を行った。
表Aのデータは、ある量の可塑剤が、熱成形に必要とされる力を如何に減少さ
せるかを示しており、ポンドで示されているところを参照すると、試験PL-0およ
びPL-2に対して試験PL-1およびPL-4の力は、それぞれ301および258ポンドに対し
て250および206ポンドとなっている。それらのPL-0およびPL-2のポイントは、米
国特許第5,521,243号において請求されている組成物の領域の外側にある。それ
らに可塑剤を添加した場合は、そのシートの性能が変化し、その形状を変化させ
て、成形シートにおいて許容できる細部を得るの
に必要な力がより低くなるので、それは熱成形できるようになる。
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フロントページの続き
(72)発明者 ウェッター,キャロル エー.
アメリカ合衆国,ケンタッキー 41094,
リッチウッド,ゲインズ ウェイ 12216