JPH09254526A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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Publication number
JPH09254526A
JPH09254526A JP8065974A JP6597496A JPH09254526A JP H09254526 A JPH09254526 A JP H09254526A JP 8065974 A JP8065974 A JP 8065974A JP 6597496 A JP6597496 A JP 6597496A JP H09254526 A JPH09254526 A JP H09254526A
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JP
Japan
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receiving layer
recording sheet
ink
group
jet recording
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Application number
JP8065974A
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English (en)
Inventor
Hideki Sekiguchi
英樹 関口
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09254526A publication Critical patent/JPH09254526A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高光沢で膜強度に優れ、且つ記録された画像
や文字の耐水性、耐オゾン性および耐光性などの保存性
が良好で、インクジェット記録シートの経時による白紙
の耐黄変性が改良された透過材料用または高光沢反射材
料用インクジェット記録シートを提供すること。 【構成】 インク受理層中に、金属アルコレート、オル
ガノシランおよびポリオルガノシロキサンを主成分する
重縮合物からなるポリシロキサンポリマーを無機ゾルに
対して特定量添加したインクジェット記録シート。好ま
しくは、インク受理層中に特定の金属酸化物の微粒子を
含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録シートに関するものであり、さらに詳しくは、高光沢
で膜強度に優れ、且つ記録された画像や文字の耐水性、
耐オゾン性および耐光性などの保存性が良好で、インク
ジェット記録シートの経時による白紙の耐黄変性が改良
された透過材料用あるいは、高光沢反射材料用インクジ
ェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、ディフレク
ション方式、キャビティ方式、サーモジェット方式、バ
ブルジェット方式、サーマルインクジェット方式、スリ
ットジェット方式およびスパークジェット方式などに代
表される種々の作動原理により、インクの微小液滴を飛
翔させて紙などのインクジェット記録シートに付着さ
せ、画像・文字などの記録を行なうものであるが、高
速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大
きい、現像−定着が不要などの長所があり、漢字を含め
各種図形およびカラー画像などの記録装置として種々の
用途において急速に普及している。さらに、イエロー、
マゼンタ、シアンおよびブラックなどの色素を各々含有
させた多色インクを用いるインクジェット方式により形
成された画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真
方式による印画に比較して、遜色のない記録画像を得る
ことが可能である。また、作成部数が少なくて済む用途
においては、銀塩写真による現像よりも安価であること
からフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつあ
る。
【0003】このようなインクジェット記録方式で使用
されるインクジェット記録シートとしては、通常の印刷
や筆記に使われる上質紙、コーテッド紙などの一般紙タ
イプや学会、会議などのプレゼンテーションに用いられ
るオーバーヘッドプロジェクター(OHP)やバックラ
イト用途などの、透明あるいは半透明フィルムタイプが
知られてる。
【0004】一般紙タイプのインクジェット記録シート
に用いるインク受理層としては、例えば、合成非晶質シ
リカまたはその塩、あるいはこれらの混合物(特開昭5
7−157786号公報)を主体とするようなものが提
案されているが、このようなインク受理層はインク吸収
性に優れるものの、不透明性が高く、且つマット調であ
るために透明あるいは不透明フィルムタイプの、いわゆ
る透過材料用あるいは高光沢反射材料用には適用でき
ず、支持体自身も紙に比べてインク吸収性が劣るため
に、より配慮されたインク受理層の塗設が必要となっ
た。
【0005】このような実状に鑑み、透過材料用のイン
ク受理層として、例えば、特開平1−97678号公
報、同2−276670号公報、同3−215082号
公報などにカチオン性水和アルミニウム酸化物などの無
機ゾルを主体とするような透明性に優れるインク受理層
が提案された。
【0006】無機ゾルとしては、例えば、球状、数珠
状、カチオン変性などのコロイダルシリカ、不定形、ベ
ーマイト、擬ベーマイトなどのアルミナ水和物、シリカ
/アルミナハイブリッドゾル、スメクタイト粘土などの
種々なものが知られているが、特にそれ自体がカチオン
性でインク色素の定着性に優れ、且つインク吸収性も有
する擬ベーマイトゾルが好ましく、該素材に対して色々
な提案がなされてきた。
【0007】しかしながら、擬ベーマイトゾルに代表さ
れるような無機ゾルの欠点としては、高光沢なインク受
理層が得られ難いこと、膜強度、耐水性、画像保存性に
劣ること、さらに白紙部の黄変が激しいことなどが挙げ
られ、これらの問題は未だに解決はなされていなかっ
た。
【0008】ここで、無機ゾルを含有するインクジェッ
ト記録シートにおいては、一般的にオゾン、光などによ
る色素の退色が進行しやすい。オゾン、光などによる色
素の退色を改良する手段としては、例えば、特開昭57
−87987号公報などに提案されているような、リン
タングステン酸、リンモリブデン酸などの特定金属酸化
物や塩化第2クロムなどの特定金属塩化物を含有させた
り、特開昭57−87988号公報などに提案されてい
るような、フェニルサリチル酸などの特定構造を有する
紫外線吸収剤を含有させることが提案されているもの
の、これらの添加剤を用いた場合にはインクジェット記
録シートの白紙黄変を助長したり、色素の色相を変化さ
せるなどの不都合が生じた。
【0009】一方、水の付着や、高湿度条件下での長期
保存における色素の滲みを防止するための手段として
は、例えば、特開平4−320877号公報、同4−3
23075号公報などに提案されているようなカチオン
変性ポリビニルアルコールを含有させたり、架橋剤を添
加するなどの提案されているものの、このようなカチオ
ン系定着剤を用いた場合でも、インクジェット記録シー
トの白紙を黄変させたり、また、カチオン系定着剤自身
がオゾンや光に対する安定性に劣るため、色素の退色を
助長する結果となった。
【0010】ところでインクジェット記録シートは用途
の多様化が進み、ポスターやPOPアートに使用された
り、裏面に粘着層を設けてタック加工が施され、価格表
示用ラベル、商品表示(バーコード)表示用ラベル、品
質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル
(ステッカーなど)などのラベル用途として使用するこ
とが増加している。特にバーコード用ラベルでは、イン
クジェット記録の高解像度が生かせるし、広告宣伝用ラ
ベルであれば鮮鋭性や色彩性に優れていることから良好
な広告宣伝媒体として好適に用いることができる。これ
らへの適用はパーソナルコンピュータレベルで、鮮鋭性
や色彩性といった画像再現性や色再現性に優れた画像を
簡単に得ることが可能である昨今の背景がインクジェッ
ト記録シートを多用する理由となっている。特にタック
加工することにより、広範囲の被着体によく接着し、貼
り付け作業が簡単なことから、他面に粘着層を介して感
熱特性、磁気特性、オフセット印刷適性を付与されたシ
ートなどと貼り合わせて複合機能化することも可能とな
る。これらの用途では、光沢度や耐水性、耐オゾン性、
耐光性等の保存性、インクジェット記録シートの白紙の
耐黄変性がより一層重要視されることは言うまでもな
い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高光沢で膜強度に優れ、且つ記録された画像や文字
の耐水性、耐オゾン性および耐光性などの保存性が良好
で、インクジェット記録シートの経時による白紙の耐黄
変性が改良された透過材料用、高光沢反射材料用インク
ジェット記録シートを得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、インクジ
ェット記録シートにおける上記の問題について鋭意検討
を重ねた結果、無機ゾルを主体とするインク受理層中に
金属アルコレート、オルガノシラン、並びにオルガノポ
リシロキサンの各成分を重縮合した化合物を含有し、無
機ゾルのバインダー樹脂とすることで、高光沢で強靱な
膜強度を有するインク受理層の得られることを見いだし
た。該インク受理層の有する光沢は、高光沢反射材料用
として最適なものであり、従来、提案されているよう
な、無機ゾルを主体としポリビニルアルコールなどに代
表されるような水溶性樹脂をバインダー樹脂として添加
したようなインク受理層では到底実現できないものであ
る。
【0013】また、該ポリシロキサンポリマー自身がオ
ゾン、紫外線などによる劣化に非常に強いため、保存性
に劣る無機ゾルを主体とするようなインク受理層であっ
ても画像保存性を向上させることができた。
【0014】さらに、このようなインク受理層中に、酸
化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛および酸化イットリ
ウムから選ばれる少なくなくとも1種の金属酸化物の微
粒子を含有させることで、インクジェット記録シートの
白紙黄変および印字画像の耐光性が一層改良されること
を見いだした。
【0015】上記のインク受理層のみを透明、半透明フ
ィルム等の支持体上に設けたインクジェット記録シート
であれば、OHPやバックライトなどの透過材料用とし
て好適に用いることができ、また従来公知の無機顔料を
主体とするインク受理層上に上記のインク受理層を設け
た形態であれば、高光沢な反射材料用としてPOP用、
ラベル用に好適である。
【0016】すなわち、本発明におけるインクジェット
記録シートは、支持体上に、支持体上に、少なくとも1
層以上のインク受理層を設けてなるインクジェット記録
シートにおいて、該インク受理層の最上層が無機ゾルと
バインダー樹脂からなるものであって、該バインダー樹
脂として、金属アルコレート、オルガノシラン、並びに
オルガノポリシロキサンを必須成分とする重縮合物から
なるポリシロキサンポリマーを、無機ゾルに対して5〜
50重量%含有することを特徴とするインクジェット記
録シートである。
【0017】さらに、インク受理層中に、酸化セリウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛および酸化イットリウムから
選ばれる少なくとも1種以上の金属酸化物の微粒子を含
有することを特徴とするインクジェット記録シートであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるインクジェット記録シートは、少なくと
も1層以上のインク受理層を設けてなり、該インク受理
層にはバインダー樹脂としてポリシロキサンポリマーを
含有してなる。ここで、ポリシロキサンポリマーとは、
有機亜鉛法、Wurtz−Fitting法、グリニャ
ー法、直接法などで製造したオルガノクロロシランを加
水分解、縮合せしめて得られるジメチルシランジオー
ル、ジフェニルシランジオールやフェニルメチルシラン
ジオールなどに代表されるポリマーであるが、本発明の
インクジェット記録シートに用いるポリシロキサンポリ
マーとしては特に、金属アルコレート、オルガノシラ
ン、並びにオルガノポリシロキサンを必須成分とする重
縮合物からなるポリマーである。
【0019】ここで、本発明における金属アルコレート
としては、一般式、Zr(OR”)4、Ti(OR”)4
およびAl(OR”)3で表される化合物を挙げること
ができる。ここで、金属アルコレートの一般式中のR”
は、炭素数2〜5の、例えば、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基などのアルキル基を
表す。
【0020】このような金属アルコレートの具体的な例
を以下に挙げることができるが、もちろん本発明はこれ
に限定されるものではない。 Zr(OR”)4 :テトラエトキシジルコニウム、
テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−i−プ
ロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニ
ウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ
−t−ブトキシジルコニウム、テトラ−n−ペントキシ
ジルコニウム、 Ti(OR”)4 :テトラ−i−プロポキシチタ
ン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エ
チルヘキシルオキシ)チタン、テトラステリアルオキシ
チタン、 Al(OR”)3 :トリエトキシアルミニウム、ト
リ−i−プロポキシアルミニウム、モノ−sec−ブト
キシ−ジ−プロポキシアルミニウム、トリ−sec−ブ
トキシアルミニウム
【0021】また、本発明の金属アルコレートは、イン
ク受理層の保存安定性を向上させる目的から、一般式
R’COCH2COR”で表されるβ−ジケトン類また
はβ−ケトエステル類を反応させて得られる配位結合を
形成したキレート化合物として用いることもできる。こ
こで、β−ジケトン類またはβ−ケトエステル類の一般
式中のR’は、炭素数1〜5の例えば、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基
を表し、また、R”は、R’と同様の炭素数1〜5のア
ルキル基か、あるいは炭素数1〜4の、例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ
基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキ
シ基などのアルコキシ基を表す。
【0022】このようなβ−ジケトン類またはβ−ケト
エステル類の具体的例としては、アセチルアセトン、ア
セト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−
プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n
−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−
t−ブチル、2、4−ヘキサンジオン、2、4−ヘプタ
ンジオン、3、5−ヘプタンジオン、2、4−オクタン
ジオン、2、4−ノナンジオン、5−メチル−ヘキサン
ジオンなどを挙げることができる。
【0023】これらのβ−ジケトン類またはβ−ケトエ
ステル類は、単独で、または2種類以上を混合して用い
ることもできる。これらのβ−ジケトン類またはβ−ケ
トエステル類の添加量は、金属アルコレート1モルに対
して0.8〜2.5モルである。
【0024】これら金属アルコレートとβ−ジケトン類
またはβ−ケトエステル類のキレート化合物の具体例を
以下に示すが、もちろん本発明はこれに限定されるこの
でない。例えば、エチルアセトアセテートアルミニウム
ジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセ
トアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネー
ト、ビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムト
リス(アセチルアセテート)、環状アルミニウムオキサ
イドイソプロピレート、ジ−i−プロポキシ・ビス(ア
セチルアセトナト)チタンなどを挙げることができる。
【0025】さらに、これらのキレート化合物は、水と
反応させて部分的加水分解物として用いることができ
る。この水は、キレート化合物1モルに対して0.8〜
3.0モルの割合で使用する。
【0026】本発明におけるオルガノシランとしては、
一般式、RSi(OR’)3 で表される化合物を挙げる
ことができる。ここで、オルガノシランの一般式中のR
は、炭素数1〜8の、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−イソプロピル基などのアルキル基、
γ−クロロプロピル基、ビニル基、3、3、3−トリフ
ロロプロピル基、γ−グリシドシプロピル基、γ−メタ
クリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、
フェニル基、3、4−エポキシシクロヘキスルエチル
基、γ−アミノプロピル基などに代表される有機基であ
る。
【0027】また、オルガノシランの一般式中のR’
は、炭素数1〜5の、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec
−ブチル基、t−ブチル基などに代表されるアルキル基
や、炭素数1〜4の、例えば、アセチル基などに代表さ
れるアシル基である。
【0028】これらオルガノシランの具体例を以下に示
すが、もちろん本発明はこれに限定されるものでない。
例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プ
ロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシ
シラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロ
プロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリ
エトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルト
リメトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどを挙
げることができる。これらのオルガノシランは、単独ま
たは2種類以上を混合して用いることもできる。
【0029】本発明におけるオルガノポリシロキサンと
しては、一般式、RaSiO(4-a)/2で表される化合物を
挙げることができる。ここで、オルガノポリシロキサン
の一般式中のRは、炭素数1〜8の、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−イソプロピル基な
どのアルキル基、γ−クロロプロピル基、ビニル基、
3、3、3−トリフロロプロピル基、γ−グリシドシプ
ロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−メル
カプトプロピル基、フェニル基、3、4−エポキシシク
ロヘキスルエチル基、γ−アミノプロピル基などに代表
される有機基である。また、オルガノポリシロキサンの
一般式中の添え字aは、1.1〜1.8、好ましくは
1.2〜1.6の範囲である。
【0030】このようなオルガノポリシロキサンの分子
量は2,000〜20,000であり、シラノール基、
またはアルコキシ基、あるいはこれらの両方を1重量%
以上、好ましくは3重量%以上含有するものである。
【0031】また、本発明におけるオルガノポリシロキ
サンは、インク受理層の成膜性、硬度などを調整する目
的から、オルガノポリシロキサンのオルガノシラン中の
添加量が5重量%未満にならない範囲で、一般式、R2
Si(OR’)2で表されるオルガノシランに置き換え
ることができる。ここでオルガノシランの一般式中のR
およびR’は、前記のオルガノシランの一般式中のRお
よびR’と同様である。
【0032】このような、オルガノポリシロキサンを置
き換えることのできるオルガノシランの具体例を以下に
示すが、もちろん本発明はこれに限定されるものでな
い。例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジ
エトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、
ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピル
ジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジエトキシシランなどを挙げることができる。こ
のようなオルガノシランは、単独で、または2種類以上
を混合して、オルガノポリシロキサンを置き換えること
ができる。
【0033】本発明において、オルガノシランの添加量
は、オルガノポリシロキサンに対して140〜2,00
0重量%、好ましくは200〜500重量%である。こ
こで、オルガノシランの添加量が、140重量%未満で
はインク受理層の皮膜強度が低下し、また、2,000
重量%を超えると、インク受理層にクラックが発生する
ため好ましくない。
【0034】また、金属アルコレート、金属アルコレー
トとβ−ジケトン類、またはβ−ケトエステル類、ある
いはこれらの混合物のキレート化合物あるいはその部分
的加水分解物の添加量は、オルガノポリシロキサン中の
珪素原子1モルに対して、0.001〜1.0モル、好
ましくは0.01〜0.5モルである。ここで、金属ア
ルコレート、金属アルコレートとβ−ジケトン類、また
はβ−ケトエステル類、あるいはこれらの混合物のキレ
ート化合物あるいはその部分的加水分解物の添加量が、
0.001モル未満であると、オルガノシランとオルガ
ノポリシロキサンの重縮合反応が十分に進行せず、ま
た、1.0モルを超えて多いと、インク受理層塗工液の
保存安定性が低下してしまうため好ましくない。
【0035】本発明におけるインク受理層の溶媒として
は、水や親水性有機溶剤などを好適に用いることができ
る。ここで、親水性溶剤としては、アルコール類または
沸点が120℃以下である低沸点親水性有機溶剤であ
り、アルコール類としては、例えば、1価アルコールま
たは2価アルコールを挙げることができ、このうち1価
アルコールとしては炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコー
ルが好ましい。このようなアルコール類の具体例として
は、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどを
挙げることができる。また、低沸点親水性有機溶剤とし
ては、アセトン、テトラヒドロフランなどを挙げること
ができる。また、このような低沸点親水性有機溶剤は、
金属アルコレート、オルガノシラン、オルガノポリシロ
キサンに対して任意の割合で用いることができる。
【0036】本発明におけるインク受理層中のポリシロ
キサンポリマーの硬化速度を速めたり、硬化温度を低下
させる目的から、硬化促進剤を用いることが好ましい。
このような硬化促進剤としては、ナフテン類、オクチル
類、亜硝酸、亜硫酸、アルミン類、炭酸などのアルカリ
金属塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアル
カリ性化合物、アルキルチタン酸、リン酸、p−トルエ
ンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物、エチレンジ
アミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ピ
ペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミン、エタ
ノールアミン、トリエチルアミン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロ
ピルトリメトキシシランなどのアミン化合物、有機スズ
オキサイドとエチルシリケート、エチルシリケート4
0、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル
酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物から
なる有機スズ化合物などが挙げられる。
【0037】このような硬化促進剤の添加量は、オルガ
ノポリシロキサンに対して0.0005〜6.5重量
%、好ましくは0.003〜4重量%である。
【0038】このような金属アルコレート、オルガノシ
ランおよびオルガノポリシロキサンからなるポリシロキ
サンポリマーとしては、市販のものを用いることがで
き、例えば、日本合成ゴム(株)製の商品であるグラス
カT2101、グラスカB102、グラスカT2202
A、グラスカT2202Bなどを好適に用いることがで
きる。
【0039】本発明のインクジェット記録シートにおけ
る、金属アルコレート、オルガノシラン、並びにオルガ
ノポリシロキサンを必須成分とする重縮合物からなるポ
リシロキサンポリマーの添加量は、下記のような無機ゾ
ルに対して5〜50重量%、より好ましくは10〜30
重量%の範囲で含有する。ここで、該ポリマーの添加量
が5重量%未満では、優れた光沢、膜強度は発現せず、
保存性の向上効果も極わずかなものとなる。また、50
重量%を越えるようでは、インク吸収性を低下させてし
まうため好ましくない。
【0040】本発明のインクジェット記録シートにおけ
る無機ゾルとは、例えば、特開平1−97678号公
報、同2−275510号公報、同3−281383号
公報、同3−285814号公報、同3−285815
号公報、同4−92183号公報、同4−267180
号公報、同4−275917号公報などに提案されてい
る擬ベーマイトゾル、特開昭60−219083号公
報、同61−19389号公報、同61−188183
号公報、同63−178074号公報、特開平5−51
470号公報などに記載されているようなコロイダルシ
リカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−28
6787号公報に記載されているようなシリカ/アルミ
ナハイブリッドゾル、その他にもヘクタイト、モンモリ
ナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210
号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリア
ゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化ア
ンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることがで
きる。
【0041】本発明のインクジェツト記録シートには、
市販の無機ゾルを好適に用いることができる。以下にそ
の一例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。例えば、アルミナ水和物としては、カタロイドA
S−1、カタロイドAS−2、カタロイドAS−3(以
上、触媒化学工業製)アルミナゾル100、アルミナゾ
ル200、アルミナゾル520(以上、日産化学工業
製)、M−200(以上、水澤化学工業製)、アルミゾ
ル10、アルミゾル20、アルミゾル132、アルミゾ
ル132S、アルミゾルSH5、アルミゾルCSA5
5、アルミゾルSV102、アルミゾルSB52(以
上、川研ファインケミカル製)、また、コロイダルシリ
カとしては、スノーテックス20、スノーテックス3
0、スノーテックス40、スノーテックスS、スノーテ
ックスO、スノーテックスC、スノーテックスN、スノ
ーテックス20L、スノーテックスUP、スノーテック
スOL、スノーテックスAK、スノーテックスPST−
1、スノーテックスK、スノーテックスXS、スノーテ
ックスSS、スノーテックスXL、スノーテックスY
L、スノーテックスZL、スノーテックスPST−1、
スノーテックスPST−3、スノーテックスPST−
5、MA−ST、IPA−ST、NBA−ST、IBA
−ST、EG−ST、XBA−ST、ETC−ST、D
MAC−ST(以上、日産化学工業製)、カタロイドS
−20L、カタロイドS−20H、カタロイドS−30
L、カタロイドS−30H、カタロイドSI−30、カ
タロイドSI−40、カタロイドSI−50、カタロイ
ドSI−350、カタロイドSI−45P、カタロイド
SI−80P、カタロイドSN、カタロイドSA、カタ
ロイドSB、USB−1、USB−2、USB−3、O
SCAL1132、OSCAL1232、OSCAL1
332、OSCAL1432、OSCAL1532、O
SCAL1622、OSCAL1722(以上、触媒化
成工業製)、シリカ/アルミナハイブリッゾゾルとして
は、スノーテックスUP−AK1、スノーテックスUP
−AK2、スノーテックスUP−AK3(以上、日産化
学工業製)、酸化アンチモンゾルとしては、A−153
0、A−1550、A−2550(以上、日産化学工業
製)、チリウムシルケートとしては、チリウムシリケー
ト35、チリウムシリケート45、チリウムシリケート
75(以上、日産化学工業製)などを挙げることができ
る。
【0042】これらの無機ゾルの中でも特に、擬ベーマ
イトゾルを好適に用いることができ、直径が10〜30
0オングストローム程度の細孔を有するような擬ベーマ
イトゾルがさらに好ましい。
【0043】このような擬ベーマイトの生成法として
は、Al2(SO43 (無水塩、6、10、16、1
8、 28塩)、 AlCl3(6水塩)、 Al(N
33(9水塩)、K2Al2(SO44・24H2
(カリウムミョウバン) などのアルミニウム塩とNH3
水、Na2CO3 などのアルカリにより生成せしめる
か、アルミン酸ナトリウムに塩酸、硫酸、硝酸などの無
機酸を反応せしめるか、アルミニウムアマルガムを加水
分解するか、若しくはアルミニウムアルコキシドを加水
分解せしめて得た無定形アルミナゲルをpH、生成温度
などの条件を調整することにより熟成させて得る方法、
バイヤー法により得られたアルミナ水和物を焼成する方
法、バイヤー法により得られたジプサイトを瞬間焼成し
て得られるρ−、χ−アルミナを水中で加熱か、または
任意量の擬ベーマイトを用いて転化する方法などが知ら
れている。
【0044】基本的には、無定形アルミナゲルをエージ
ングして生成させる方法が一般的であるが、エージング
におけるpH、生成温度、解膠剤の種類などの条件にを
変更させることにより、多孔性構造、単体粒子の大き
さ、および繊維状、羽毛状、柱状、板状、球状などの種
々な形態を取る複雑なゾルである。
【0045】また、本発明のインク受理層には、印字画
像の耐光性およびインクジェット記録シートの耐白紙黄
変性を、より一層向上させる目的から、酸化セリウム、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化イットリウムの中から選ば
れる少なくとも1種以上の金属酸化物の微粒子を添加す
ることが好ましい。これらの金属酸化物の微粒子は、ベ
ンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、フェニルサリ
チル酸系などに代表される有機系の紫外線吸収剤と比較
して、長期間安定に紫外線吸収能を持続するため有効で
あり、その粒子径は0.1μm以下、より好ましくは
0.01μm以下である。
【0046】以下に酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化イットリウムの金属酸化物の微粒子の具体例を
示すが、本発明はこれに限定されるものではない。本発
明における酸化セリウムとは、など軸晶系、ホタル石型
構造の結晶を有する白色、あるいは淡黄色の金属酸化物
の微粒子であり、例えば、シュウ酸塩、炭酸塩、硝酸
塩、アンモニウム、硝酸セリウムなどを高温に熱した後
に、希硝酸で洗浄して不純物(他の希塩酸化物など)を
除去するか、あるいは金属セリウムを空気中で加熱する
ことによって得られる。このような酸化セリウムは、そ
の金属酸化物の微粒子中に多量の酸素を吸蔵することが
できるため、触媒としても有用である。このような酸化
セリウムのゾルとしては、市販のものを用いることがで
き、例えば、超微粒子酸化セリウム、ニードラールW−
15、ニードラールU−15、ニードラールW−10
0、ニードラールU−100(多木化学(株)製、平均
粒子径0.08μm、真比重1.21)などが挙げられ
る。
【0047】本発明における酸化チタンとは、結晶系に
よりルチル型とアナターゼ型に分類され、アナターゼ型
酸化チタンは、短波長の光に対して高反射率を示すた
め、白色度、着色力、遮蔽力に優れるが、結晶構造が不
安定であり、光化学的に活性であるため耐光性には劣
る。一方、ルチル型酸化チタンは、アナターゼ型酸化チ
タンに比べて、白色度、着色力や遮蔽力には劣るが、結
晶構造が安定であるため、耐光性に優れる。酸化チタン
の微粒子は、例えば、四塩化チタニウムの蒸気を酸水素
炎中で加水分解することにより製造され、平均粒子径が
0.005〜0.01μm、比重が1.04程度の酸化
チタンゾルが得られる。このような酸化チタンゾルとし
ては、市販のものを用いることができ、例えば、超微粒
子酸化チタンAUF−0015S(大阪チタニウム製造
(株)製、平均粒子径0.01〜0.02μm、真比重
3.8、嵩比重0.07〜0.1)、超微粒子酸化チタ
ンMT−150W、500B、600B(帝国加工
(株)製、平均粒子径0.005〜0.05μm)、超
微粒子酸化チタンTTO−55(N)(石原産業(株)
製、平均粒子径0.03〜0.04μm、真比重4.
2、嵩比重0.5〜0.7)などを挙げることができ
る。
【0048】本発明における酸化亜鉛としては、天然に
紅亜鉛酸として産出するが、一般には、亜鉛蒸気を空気
中で酸化して得られる。このような酸化亜鉛は、六方晶
系ウルノ鉱型の結晶構造を示す。酸化亜鉛のゾルとして
は、市販のものを用いることができ、例えば、酸化亜鉛
超微粒子ZnO−100(住友セメント(株)製、平均
粒子径0.009μm、真比重5.78、嵩比重0.
4)、酸化亜鉛超微粒子ZnO−200(住友セメント
(株)製、平均粒子径0.0016μm、真比重5.7
8、嵩比重0.31)などを挙げることができる。
【0049】本発明における酸化イットリウムとは、ウ
ラン鉱やゼノタイムなどを主要原料として製造され、蛍
光体やセラミックス添加剤(ジルコニア微粒子の安定化
剤として添加されるなど)などの用途に用いられてい
る。このような酸化イットリウムは平均粒子径が1.5
〜2.5μm程度であり、その結晶は立方晶系である。
本発明に用いる酸化イットリウム微粒子の平均粒子径は
0.005〜0.01μm程度のゾルである。
【0050】これらの金属酸化物の微粒子の添加量は、
上記のような無機ゾルに対して、0.01〜10.0重
量%が好ましく、より好ましくは0.05〜5.0重量
%である。金属酸化物の微粒子の添加量が0.01重量
%未満であると、紫外線吸収効果が低く、金属酸化物の
微粒子の無添加の場合と比べて、インクジェット記録シ
ートの耐光性を飛躍的に向上させることが困難である。
また、添加量が10.0重量%を超えると、着色が起こ
ったり、塗工液の安定性が低下したり、また、コスト高
になるため好ましくない。
【0051】本発明におけるインク受理層には、無機ゾ
ル同士、インク受理層同士間およびインク受理層と溶媒
吸収層間、インク受理層と支持体間の接着性を向上させ
たり、あるいは生産性を向上させる目的から、従来公知
のバインダー樹脂を適宜添加することが出来る。好適に
用いることのできるバインダー樹脂としては、例えば、
ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアル
コール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース
などのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋
白、シリル変性ポリビニルアルコールなど;無水マレイ
ン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタ
クリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共
重合体ラテックス;アクリル酸エステルおよびメタクリ
ル酸エステルの重合体または共重合体、アクリル酸およ
びメタクリル酸の重合体または共重合体などのアクリル
系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体など
のビニル系重合体ラテックス;あるいはこれらの各種重
合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官
能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂な
どの熱硬化合成樹脂系などの水性接着剤;ポリメチルメ
タクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニル
ブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂系接着剤を
一種以上、単独であるいは混合して用いることができ
る。この他、公知の天然、あるいは合成樹脂バインダー
を単独であるいは混合して用いることは特に限定されな
い。
【0052】さらに、その他の添加剤として、無機顔
料、カチオン系染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動
性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、
着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防腐
剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増
強剤および酸化防止剤などを本発明の目的を害しない範
囲で適宜添加することもできる。
【0053】本発明におけるインクジェット記録シート
では、光沢、透明性や耐水性、耐オゾン性および耐光
性、白紙の耐黄変性などの保存性に影響を及ぼさない範
囲で無機顔料を、インク受理層の最上層に適宜用いるこ
ともできる。
【0054】本発明におけるインクジェット記録シート
を透過材料用とする場合には、透明あるいは半透明フィ
ルム支持体の上に本発明のインク受理層を設けたのみで
好適な一形態となり、一方、高光沢反射材料とする場合
には、一般紙や不透明フィルム支持体の上に、無機顔料
を主体するような従来公知のインク受理層を1層以上設
けた後、さらに本発明のインク受理層を積層したもの
は、インク吸収性を高くすることができるため好ましい
一形態として挙げられる。
【0055】ここで無機顔料とは、BETによる比表面
積が100m2/g以上であり、さらに好ましくは200m2
/g以上、平均粒子径が0.1〜20μm程度の無機顔料
であり、従来公知の白色顔料を1種以上を単独で、ある
いは混合して用いることができ、例えば、軽質炭酸カル
シウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、
硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、
合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアル
ミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、
リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネ
シウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
【0056】上記の無機顔料の中でも、特に合成非晶質
シリカを用いることが好ましく、印画濃度、インク吸収
性、印字画像の鮮鋭性などに優れるインクジェット記録
シートを得ることができる。このような合成非晶質シリ
カとは、例えば、特開昭57−157786号公報、同
61−141584号公報、同61−230979号公
報、同62−292476号公報などに記されているよ
うな、ケイ酸のゲル化により、SiO2の三次元構造を形
成させた、微多孔性、不定形微粒子であり、ハンター白
色度90以上、細孔径10〜2000オングストローム
程度を有する。
【0057】このような合成非晶質シリカは、市販のも
のを好適に用いることができ、例えば、ミズカシルP−
526、ミズカシルP−801、ミズカシルNP−8、
ミズカシルP−802、ミズカシルP−802Y、ミズ
カシルC−212、ミズカシルP−73、ミズカシルP
−78A、ミズカシルP−78F、ミズカシルP−8
7、ミズカシルP−705、ミズカシルP−707、ミ
ズカシルP−707D、ミズカシルP−709、ミズカ
シルC−402、ミズカシルC−484(以上水沢化学
製)、トクシールU、トクシールUR、トクシールG
U、トクシールAL−1、トクシールGU−N、トクシ
ールN、トクシールNR、トクシールPR、ソーレック
ス、ファインシールE−50、ファインシールT−3
2、ファインシールX−37、ファインシールX−7
0、ファインシールRX−70ファインシールA、ファ
インシールB(以上、徳山ソーダ製)、カープレックス
FPS−101、カープレックスCS−7、カープレッ
クス80、カープレックスXR、カープレックス67
(以上、塩野義製薬製)、サイロイド63、サイロイド
65、サイロイド66、サイロイド77、サイロイド7
4、サイロイド79、サイロイド404、サイロイド6
20、サイロイド800、サイロイド150、サイロイ
ド244、サイロイド266(以上、富士シリシア化学
製)などが挙げられる。
【0058】本発明における支持体としては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ノルボルネ
ン、ビニロン、ポリビニルアルコール、ナイロンなどの
2軸延伸合成樹脂フィルムやこれら材料に顔料、発泡剤
などを含有して透明度を低下させた半透明、不透明の2
軸延伸合成樹脂フィルムや、LBKP、NBKPなどの
化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTM
P、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古
紙パルプなどの木材パルプと従来公知の顔料を主成分と
して、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向
上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1
種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツイン
ワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された原紙、さら
に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサイズ
プレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上
にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコー
ト紙などの塗工紙、およびマシンカレンダー、TGカレ
ンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を用い
て平滑化処理を施したような原紙、塗工紙の両面または
片面に溶融押し出し法などにて高密度、低密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステルなどをコートした
レジンコート紙、あるいはこれら支持体の表面にコロナ
放電処理、火炎処理、プラズマ処理、アンカー層塗工処
理などの易接着性を改良したようなものを好適に用いる
ことができ、これら支持体の坪量は、通常50〜300
g/m2程度である。
【0059】本発明におけるインク受理層を支持体上に
設ける方法としては、水またはアルコールなどの親水性
有機溶剤、あるいはこれらの混合溶媒を用いて、例え
ば、従来公知のエアーナイフコーター、カーテンコータ
ー、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコ
ーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコータ
ー、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコ
ーター、サイズプレスなどの各種装置により支持体上に
塗工することができる。また、インク受理層の塗工後に
は、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパカレン
ダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を用いて
平滑化処理を行うことができる。
【0060】インク受理層はある一定の塗工量を数回に
分けて塗設することもできる。数回に分割してインク受
理層を塗工する方法としては、1層ごとに乾燥して塗工
する場合と、複数層をウェット・オン・ウェットで同時
に塗工する方法を挙げることができる。
【0061】本発明のインク受理層の塗工量は特に制限
はないが、1〜50g/m2が好ましい。塗工量が1g/m2
満であると十分な印字濃度およびインク吸収性が得られ
ないため好ましくなく、塗工量が50g/m2を超えると記
録シートのカール性が悪化する場合があるため好ましく
ない。
【0062】また、支持体を挟んだインク受理層の反対
面には、カール適性を付与するために、バックコート層
を塗設することも可能である。
【0063】本発明で云うインクとは、下記の色素、溶
媒、その他の添加剤からなる記録液体であり、色素とし
ては、発色性、鮮明性、安定性などが良好な、例えば、
C.I.Direct Yellow 12、C.I.Direct Yellow 24、C.I.Dire
ct Yellow 26、C.I.Direct Yellow 44、C.I.Direct Yello
w 86、C.I.Direct Yellow 98、C.I.Direct Yellow 100、C.
I.Direct Yellow 142、C.I.Direct red 1、C.I.Direct re
d 4、C.I.Direct red 17、C.I.Direct red 28、C.I.Direct
red 83、C.I.Direct Orenge 34、C.I.Direct Orenge 39、
C.I.Direct Orenge 44、C.I.Direct Orenge 46、C.I.Dire
ct Orenge 60、C.I.Direct Violet 47、C.I.Direct Viole
t 48、C.I.Direct Blue 6、C.I.Direct Blue 22、C.I.Dire
ct Blue 25、C.I.Direct Blue 71、C.I.Direct Blue 86、
C.I.Direct Blue 90、C.I.Direct Blue 106、C.I.Direct
Blue 199、C.I.Direct Black 17、C.I.Direct Black 19、
C.I.Direct Black 32、C.I.Direct Black 51、C.I.Direct
Black 62、C.I.Direct Black 71、C.I.Direct Black 10
8、C.I.Direct Black 146、C.I.Direct Black 154などの
直接染料、C.I.Acid Yellow 11、C.I.Acid Yellow 17、C.
I.Acid Yellow 23、C.I.Acid Yellow 25、C.I.Acid Yello
w 29、C.I.Acid Yellow 42、C.I.Acid Yellow 49、C.I.Aci
d Yellow 61、C.I.Acid Yellow 71、C.I.Acid red1、C.I.A
cid red 6、C.I.Acid red 8、C.I.Acid red 32、C.I.Acid
red 37、C.I.Acidred 51、C.I.Acid red 52、C.I.Acid red
80、C.I.Acid red 85、C.I.Acid red 87、C.I.Acid red 9
2、C.I.Acid red 94、C.I.Acid red 115、C.I.Acid red 18
0、C.I.Acid red 256、C.I.Acid red 317、C.I.Acid red 3
15、C.I.Acid Orenge 7、C.I.AcidOrenge 19、C.I.Acid Vi
olet 49、C.I.Acid Blue 9、C.I.Acid Blue 22、C.I.Acid
Blue 40、C.I.Acid Blue 59、C.I.Acid Blue 93、C.I.Acid
Blue 102、C.I.Acid Blue104、C.I.Acid Blue 113、C.I.A
cid Blue 117、C.I.Acid Blue 120、C.I.Acid Blue167、C.
I.Acid Blue 229、C.I.Acid Blue 234、C.I.Acid Blue 25
4、C.I.Acid Black 2、C.I.Acid Black 7、C.I.Acid Black
24、C.I.Acid Black 26、C.I.Acid Black31、C.I.Acid Bl
ack 52、C.I.Acid Black 63、C.I.Acid Black 112、C.I.Ac
id Black118 などの酸性染料、その他にも塩基性染料、
反応性染料或は食品用色素などの水溶性染料あるいは、
カーボンブラックなどの顔料を用いることができる。
【0064】インクの溶媒としては、水および水溶性の
各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ルなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド
類;アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトンまた
はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンなどのエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1、2、6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基
が2〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エ
チレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級
アルキルエーテル類などが挙げられる。
【0065】上記の水溶性有機溶剤の中でも、特にジエ
チレングリコールなどの多価アルコール、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノエチルエーテルなどの多価アルコールの低級アル
キルエーテルが好ましい。
【0066】上記の水溶性の有機溶剤以外にも、高沸点
脂肪族炭化水素に代表される引火性、毒性などの安全性
に優れた非水溶性絶縁溶剤を用いる場合があり、各種無
機顔料、有機顔料などが色素として用いられることが多
い。
【0067】本発明におけるインクジェット記録シート
のインク受理層への記録では、記録時に液状であるイン
クを使用するどのような記録シートとして用いてもかま
わない、例えば、熱溶融性物質、染顔料などを主成分と
する熱溶融性インクを樹脂フィルムや高密度紙、合成紙
などの薄い支持体上に塗布したインクシートをその裏側
より加熱し、インクを溶融させて転写する熱転写記録用
受像シート、熱溶融性インクを加熱溶融して微小液適
化、飛翔記録するインクジェット記録シート、光重合性
モノマーおよび無色または有色の染顔料を内包したマイ
クロカプセルを用いた感光感圧型ドナーシートに対応す
る受像シートなどが挙げられる。
【0068】これら記録シートの共通点は、記録時にイ
ンクが液体状態である点である。液状インクは硬化、固
定または定着までに記録シートのインク受理層の深さ方
向または水平方向に対して浸透または拡散していく。上
述した各種記録シートは、それぞれの方式に応じた吸収
性を必要とするもので、本発明のインクジェット記録シ
ートを上述した各種の記録用タックシートとして利用し
ても構わない。
【0069】インク中に添加されるその他の添加剤とし
ては、例えば、PH調節剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、
防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面
活性剤、および防錆剤などが挙げられる。
【0070】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例において示す「部」および「%」は、特に明
示しない限り重量部および重量%を示す。
【0071】〔評価方法〕 (1)印字濃度 各インクジェット記録シートに、インクジェットプリン
ター(EPSON製、MJ−700V2C)でブラック
インクのベタ印字を行い、透過材料用インクジェット記
録シートの場合には透過光学計(マクベス製、TR−9
27)を用い、また、高光沢反射材料用インクジェット
記録シートの場合には反射光学濃度計(マクベス製、R
D919)を用いて各々の印字濃度を測定した。
【0072】(2)光沢度 各インクジェット記録シートのインク受理層表面につい
て、JIS−Z−8741に規定される60゜鏡面光沢
度を測定した。 A:81゜以上 B:71〜80゜ C:61〜70゜ D:51〜60゜ E:50゜以下
【0073】(3)膜強度 各インクジェット記録シートのインク受理層表面につい
て、JIS−K−5400で規定されている鉛筆硬度試
験を行い、膜硬度の評価を行った。
【0074】(4)耐水性 各インクジェット記録シートに、インクジェットプリン
ター(EPSON製、MJ−700V2C)でブラック
インクのベタ印字を行い、白紙と印字の境界部分にシリ
ンジを用いて水を1ml滴下後、24時間放置した。放
置した後の滲み程度を目視評価した。 A:滲みは全く観察されない。 B:滲みが極わずかに観察された。 C:滲みが発生し、部分的にしみが観察された。 D:滲みが酷く、水滴下全体がしみとなった。
【0075】(5)耐オゾン性 各インクジェット記録用シートに、インクジェットプリ
ンター(EPSON製、MJ−700V2C)でブラッ
クインクのベタ印字を行った。これらのインクジェット
記録用シートを、オゾン導入口および排出口の付いたガ
ラス容器中に入れ、三菱電機製オゾナイザOS−1にて
発生させたオゾンを15分間連続して導入した。この時
のオゾン濃度は約80ppmであった。これらのインク
ジェット記録用シートのオゾン処理前後のマゼンタイン
ク色の色差を測定した。色差は、L*a*b*(CIE
1976)に従って光照射前後のサンプルの色を測定し
た結果を基に、下記数2で規定することができる。色差
が大きいほど、色劣化が生じていることを示し、色差が
3.0未満であれば視覚上、色の違いに大差はない。
【0076】
【数1】△E={(△L*)2+(△a*)2+(△b
*)2}1/2 ここで、△Eは色差、△L*および△a*と△b*は、
各々光照射前後のL*およびa*とb*の差である。
【0077】(6)耐光性 各インクジェット記録用シートに、インクジェットプリ
ンター(EPSON製、MJ−700V2C)でブラッ
クインクのベタ印字を行った。これらのインクジェット
記録用シートを、キセノンアークフェードメーター、ア
トラス製Ci−35fを用い、ブラックパネル温度63
℃、相対湿度65%RHの環境下で30時間の光照射し
た前後のブラックインク色の色差を測定した。色差の測
定法は耐オゾン性試験に準ずる。
【0078】(7)耐白紙黄変性 各インクジェット記録用シートの白紙部分に対して、上
記の耐光性試験に準ずる条件でキセノン光を照射した。
照射前後の色差をミノルタ製CR−100を用いて測定
し、黄変化の程度として、照射前後のb* の差(△b
* )で表した。この数値が小さい程、黄変化が少ない
ことを示す。
【0079】(8)ヘイズ値 本発明のインクジェット記録シートが、OHP、バック
ライトなどの透過材料用として好適に用いることのでき
る証明として、ASTM D−1003に規定されるヘ
イズ値を測定した結果も併せて記した。なお、実施例お
よび比較例に用いたポリエチレンテレフタレート2軸延
伸合成樹脂フィルムのヘイズ値は1.22%である。
【0080】〔透過材料用インクジェット記録シートの
好ましい一形態〕 実施例1 以下の各成分を還流冷却器および攪拌器を備えた反応機
に入れ、60℃に加熱して5時間反応させて目的のポリ
シロキサンポリマーA(固形分濃度30.1%)を得
た。 (ホ゜リシロキサンホ゜リマーA)エチルアセトアセテートアルミニウムイソフ゜ロヒ゜レート 0.1部メチルトリメトキシシラン 69.0部 XR31232(東芝シリコーン、オルカ゛ノホ゜リシロキサン) 30.0部イソフ゜ロヒ゜ルアルコール 120.0部 水 20.0部
【0081】次いで、支持体として、厚さ100μmの
ポリエチレンテレフタレート2軸延伸合成樹脂フィルム
(デュポン製、クローナー)を用い、表面に下記配合の
インク受理層塗工液をワイヤーバーにより乾燥塗工量が
30g/m2となるように塗工して、乾燥温度160℃で5
分間の乾燥を行った。インク受理層配合におけるポリシ
ロキサンポリマーAの添加量は、無機ゾルに対して5重
量%である。 (インク受理層塗工液配合) 擬ヘ゛ーマイトソ゛ル(触媒化成工業製、カタロイト゛AS-3 固形分濃度9%) 300部ホ゜リシロキサンホ゜リマー A 4.5部 硬化促進剤(γ−アミノフ゜リヒ゜ルトリエトキシシラン) 0.02部
【0082】実施例2 下記配合のポリシロキサンポリマーBを用い、10部添
加した以外は、実施例1と同様にして作製し、実施例2
のインクジェット記録シートを得た。インク受理層配合
におけるポリシロキサンポリマーBの添加量は無機ゾル
に対して11.1重量%である。 (ホ゜リシロキサンホ゜リマーB)エチルアセトアセテートアルミニウムイソフ゜ロヒ゜レート 0.1部メチルトリメトキシシラン 69.0部 XR31232(東芝シリコーン、オルカ゛ノホ゜リシロキサン) 15.0部シ゛メチルシ゛メトキシシラン 15.0部イソフ゜ロヒ゜ルアルコール 120.0部 水 20.0部
【0083】実施例3 インク受理層塗工液配合を下記配合とした以外は、実施
例1と同様に作製し、実施例3のインクジェット記録シ
ートを得た。インク受理層配合におけるポリシロキサン
ポリマーの添加量は無機ゾルに対して20.4重量%で
ある。 (インク受理層塗工液配合) 擬ヘ゛ーマイトソ゛ル(触媒化成工業製、カタロイト゛AS-3 固形分濃度9%) 300部ホ゜リシロキサンホ゜リマー (日本コ゛ム合成製、ク゛ラスカT2101 固形分濃度22%) 25部 硬化促進剤(日本コ゛ム合成製、ク゛ラスカH501) 1部
【0084】実施例4 インク受理層塗工液配合を下記配合とした以外は、実施
例1と同様に作製し、実施例4のインクジェット記録シ
ートを得た。インク受理層配合におけるポリシロキサン
ポリマーの添加量は無機ゾルに対して23.1重量%で
ある。 (インク受理層塗工液配合) 擬ヘ゛ーマイトソ゛ル(触媒化成工業製、カタロイト゛AS-3 固形分濃度9%) 300部ホ゜リシロキサンホ゜リマー (日本コ゛ム合成製、ク゛ラスカB102 固形分濃度25%) 25部 硬化促進剤(日本コ゛ム合成製、ク゛ラスカH501) 1部
【0085】実施例5 インク受理層塗工液配合を下記配合とした以外は、実施
例1と同様に作製し、実施例5のインクジェット記録シ
ートを得た。インク受理層配合におけるポリシロキサン
ポリマーの添加量は無機ゾルに対して20.4重量%で
ある。 (インク受理層塗工液配合) 擬ヘ゛ーマイトソ゛ル(触媒化成工業製、カタロイト゛AS-3 固形分濃度9%) 300部ホ゜リシロキサンホ゜リマー (日本コ゛ム合成製、ク゛ラスカT2202 固形分濃度22%) 25部 硬化促進剤(日本コ゛ム合成製、ク゛ラスカT2202B) 1部
【0086】実施例6 擬ベーマイトゾルをカチオン性コロイダルシリカ(日産
化学工業製、スノーテックスUP−AK1 固形分濃度
11.2%)241部とした以外は実施例2と同様にし
て作製し、実施例6のインクジェット記録シートを得
た。
【0087】実施例7 ポリシロキサンポリマーの添加量を無機ゾルに対して3
0重量%とした以外は実施例2と同様に作製し、実施例
6のインクジェット記録シートを得た。
【0088】実施例8 ポリシロキサンポリマーの添加量を無機ゾルに対して4
0重量%とした以外は実施例2と同様に作製し、実施例
7のインクジェット記録シートを得た。
【0089】実施例9 ポリシロキサンポリマーの添加量を無機ゾルに対して5
0重量%とした以外は実施例2と同様に作製し、実施例
8のインクジェット記録シートを得た。
【0090】実施例10 インク受理層塗工液配合中に、超微粒子酸化セリウム
(多木化学製、ニードラールU−15)を1部添加した
以外は実施例2と同様にして作製し、実施例10のイン
クジェット記録シートを得た。
【0091】実施例11 インク受理層塗工液配合中に、酸化亜鉛超微粒子(住友
セメント製、ZnO−100)を1部添加した以外は実
施例2と同様にして作製し、実施例11のインクジェッ
ト記録シートを得た。
【0092】〔高光沢反射材料用インクジェット記録シ
ートの好ましい一形態〕 実施例12 支持体として、厚さ100μmの不透明白色ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ダイヤホイルヘキスト製)
を用い、無機顔料を用いた下記配合のインク受理層塗工
液をワイヤーバーにより乾燥塗工量が8g/m2となるよ
うに塗工して、乾燥温度100℃で1分間の乾燥を行っ
た。 (インク受理層塗工液配合) 合成非焼質シリカ(水沢化学製、ミス゛カシルP78A) 100部ホ゜リヒ゛ニルアルコール (クラレ製、PVA117) 30部 染料定着剤(昭和高分子製、ホ゜リフィックス601) 20部
【0093】次いで、実施例1に示したインク受理層
を、ワイヤーバーにより乾燥塗工量が10g/m2となる
ように積層塗工して、乾燥温度160℃で5分間の乾燥
を行い、実施例12のインクジェット記録シートを得
た。
【0094】比較例1 ポリシロキサンポリマーの添加量を無機ゾルに対して
0.05重量%とした以外は実施例2と同様に作製し、
比較例1のインクジェット記録シートを得た。
【0095】比較例2 ポリシロキサンポリマーの添加量を無機ゾルに対して6
0重量%とした以外は実施例2と同様に作製し、比較例
2のインクジェット記録シートを得た。
【0096】比較例3 ポリシロキサンポリマーの添加量を無機ゾルに対して8
0重量%とした以外は実施例2と同様に作製し、比較例
3のインクジェット記録シートを得た。
【0097】比較例4 ポリシロキサンポリマーAを合成する際に、エチルアセ
トアセテートアルミニウムイソプロピレートを用いなか
った以外は実施例1と同様にして作製し、比較例4のイ
ンクジェット記録シートを得た。
【0098】比較例5 ポリシロキサンポリマーAを合成する際に、オルガノポ
リシロキサンを用いなかった以外は実施例1と同様にし
て作製し、比較例5のインクジェット記録シートを得
た。
【0099】比較例6 ポリシロキサンポリマーAを合成する際に、メチルトリ
メトキシシランを用いなかった以外は実施例1と同様に
して作製し、比較例6のインクジェット記録シートを得
た。
【0100】比較例7 インク受理層塗工液を下記配合にした以外は実施例1と
同様にして作製し、比較例7のインクジェット記録シー
トを得た。インク受理層配合におけるポリビニルアルコ
ールの添加量は、無機ゾルに対して11.1重量%であ
る。 (インク受理層塗工液配合) 擬ヘ゛ーマイトソ゛ル(触媒化成工業製、カタロイト゛AS-3 固形分濃度9%) 300部ホ゜リヒ゛ニルアルコール (日信化学工業製、MA-26GP 固形分濃度10%に溶解) 30部
【0101】比較例8 実施例1に示したインク受理層を積層しなかった以外は
実施例12と同様にして作製し、比較例8のインクジェ
ット記録シートを得た。
【0102】比較例9 実施例1に示したインク受理層に代えて、比較例7に示
したインク受理層を積層した以外は実施例12と同様に
して作製し、比較例9のインクジェット記録シートを得
た。
【0103】以上に挙げた実施例1〜12および比較例
1〜8の各インクジェット記録シートの評価結果をまと
めて表1に記した。
【0104】
【表1】
【0105】(評価)本発明による実施例1〜11のイ
ンクジェット記録シートでは、インク受理層中に金属ア
ルコレート、オルガノシランおよびポリオルガノシロキ
サンの重縮合物からなるポリシロキサンポリマーが適切
な量で添加されていたため、光沢度、インク受理層の膜
強度、耐水性、耐オゾン性、耐光性および白紙部の耐黄
変性に優れていた。特に実施例10、11のインクジェ
ット記録シートでは、インク受理層中に酸化セリウム、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化イットリウムの中から選ば
れる少なくとも1種の金属酸化物の微粒子が含有されて
いることから、より一層保存性を改良することができ
た。
【0106】しかしながら、比較例1のインクジェット
記録シートでは、該ポリシロキサンポリマーの添加量が
適切でなかったため、光沢度、膜強度および保存性の十
分な改良がなされなかった。また、比較例2および3で
は、該ポリシロキサンポリマーの添加量が多すぎたた
め、光沢度、膜強度および保存性は優れていたが、印字
濃度が低下してしまった。比較例4のインクジェット記
録シートでは、金属アルコレートが、比較例5ではポリ
オルガノシロキサンが、また、比較例6ではオルガノシ
ランが各々含有されずに合成されたポリシロキサンポリ
マーを用いたために光沢度、膜強度および保存性共に改
良効果が十分でなかった。比較例7では本発明のポリシ
ロキサンポリマーを含有させずに、インクジェット記録
シートを作製したため、光沢度、膜強度は低く、保存性
は著しく劣っていた。
【0107】一方、実施例12では、金属アルコレー
ト、オルガノシランおよびポリオルガノシロキサンの重
縮合物からなるポリシロキサンポリマーが適切な量で添
加された本発明のインク受理層が、無機顔料を主成分と
した従来公知のインク受理層上に積層されており、比較
例8および9に比べて光沢が非常に良好で、且つインク
受理層の膜強度、耐水性、耐オゾン性、耐光性および白
紙部の耐黄変性が大幅に改良された。
【0108】
【発明の効果】インク受理層中に、金属アルコレート、
オルガノシラン、ポリオルガノシロキサンを必須成分と
し、これらの成分を重縮合したポリシロキサンポリマー
を添加したことにより、高光沢で膜強度に優れ、且つ記
録された画像や文字の耐水性、耐オゾン性および耐光性
などの保存性が良好で、インクジェット記録シートの経
時による白紙の耐黄変性が改良された透過材料用または
高光沢反射材料用のインクジェット記録シートが得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/32 D21H 1/34 P

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも1層以上のイン
    ク受理層を設けてなるインクジェット記録シートにおい
    て、該インク受理層の最上層が無機ゾルとバインダー樹
    脂からなるものであって、該バインダー樹脂として、金
    属アルコレート、オルガノシラン、並びにオルガノポリ
    シロキサンを必須成分とする重縮合物からなるポリシロ
    キサンポリマーを、無機ゾルに対して5〜50重量%含
    有することを特徴とするインクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 インク受理層中に、酸化セリウム、酸化
    チタン、酸化亜鉛および酸化イットリウムから選ばれる
    少なくとも1種以上の金属酸化物の微粒子を含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シー
    ト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11342668A (ja) * 1998-03-31 1999-12-14 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録シ―ト
WO2001068377A1 (fr) 2000-03-13 2001-09-20 Seiko Epson Corporation Procede de traitement de surface, article traite en surface et dispositif de traitement de surface
US6391440B1 (en) 1999-02-23 2002-05-21 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium and image formation and print employing the medium
WO2003006251A1 (fr) 2001-07-11 2003-01-23 Mitsui Chemicals, Inc. Feuille support d'impression destinee a une impression par jet d'encre
JP2003060321A (ja) * 2001-08-10 2003-02-28 Risho Kogyo Co Ltd プリント配線基板用白色積層板
WO2006038666A1 (en) * 2004-10-04 2006-04-13 Fujifilm Corporation Ink jet recording medium

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