JPH08164667A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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JPH08164667A
JPH08164667A JP6311905A JP31190594A JPH08164667A JP H08164667 A JPH08164667 A JP H08164667A JP 6311905 A JP6311905 A JP 6311905A JP 31190594 A JP31190594 A JP 31190594A JP H08164667 A JPH08164667 A JP H08164667A
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JP
Japan
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receiving layer
recording sheet
ink
ink receiving
inorganic pigment
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JP6311905A
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English (en)
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Hideki Sekiguchi
英樹 関口
Osamu Kojima
修 小島
Takashi Noguchi
隆志 野口
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5218Macromolecular coatings characterised by inorganic additives, e.g. pigments, clays
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
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    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5227Macromolecular coatings characterised by organic non-macromolecular additives, e.g. UV-absorbers, plasticisers, surfactants

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字濃度、発色性等の特性を低下させずに、
経時的な画像の色劣化及び地肌の黄変化を改良した、高
品質なインクジェット記録シートを得ること。 【構成】 支持体の少なくとも片面にインク受理層を設
けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理
層中に含有される全無機顔料の特定重量部以上を、特定
のシラン化合物で表面処理することにより水分含有量を
特定値以下とした無機顔料であり、且つ該インク受理層
の冷水抽出pHが特定範囲内であることを特徴とするイ
ンクジェット記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録シ
ートに関するものであり、さらに詳しくは、無機顔料を
主体としたインク受理層の印字濃度、発色性等の特性を
低下させずに、経時的な画像の色劣化及び地肌の黄変化
が改良されたインクジェット記録シートに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、ディフレク
ション方式、キャビティ方式、サーモジェット方式、バ
ブルジェット方式、サーマルインクジェット方式、スリ
ットジェット方式及びスパークジェット方式等に代表さ
れる種々の作動原理により、インクの微小液滴を飛翔さ
せて紙などのインクジェット記録シートに付着させ、画
像・文字などの記録を行なうものであるが、高速、低騒
音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現
像−定着が不要等の長所があり、漢字を含め各種図形及
びカラー画像等の記録装置として種々の用途において急
速に普及している。さらに、イエロー、マゼンタ、シア
ン及びブラック等の色素を各々含有させた多色インクを
用いるインクジェット方式により形成された画像は、製
版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比
較して、遜色のない記録画像を得ることが可能である。
又、作成部数が少なくて済む用途においては、銀塩写真
による現像よりも安価であることからフルカラー画像記
録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
インクジェット記録シートとしては、通常の印刷や筆記
に使われる上質紙やコーテッド紙等の一般紙を用いるこ
とができるようにインクジェット記録装置、色素構造や
インク組成面等の分野で注力されてきた。しかしなが
ら、高速化・高精細化或いはフルカラー化などインクジ
ェット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、イン
クジェット記録シートに対しても、より高度な特性が要
求されるようになった。即ち、インクジェット記録シー
トとしては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮
やかであること、インクの吸収が速くて、印字ドットが
重なった場合でもインクが流れ出したり滲んだりしない
こと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きく
ならないこと、インクドットの形状が真円に近く、且つ
周辺が滑らかでぼやけないこと、白色度が高く、インク
ドットとのコントラストが大きいこと等の諸要求を満足
させる必要があった。
【0004】従来、これらの条件を満足させるために、
種々の無機顔料を、必要によりバインダー樹脂と共に紙
表面に塗工し、或いは内填することが提案されており、
例えば無機顔料として合成非晶質シリカ又はその塩、或
いはこれらの混合物を用いること(特開昭57−157
786号公報)や、多孔質のカチオン性水和アルミニウ
ム酸化物を含有すること(特開昭60−232990号
公報)等が提案されているが、これらの中でも、特に、
特開昭60−204390号公報や特開平2−1988
89号公報等に記載されているような、BETによる比
表面積の大きな合成非晶質シリカやカチオン性コロイド
粒子であるカチオン性水和アルミニウム酸化物を含有す
る記録シートは、印字濃度が高く、発色性に優れる利点
を有している。
【0005】しかしながら、このような無機顔料を含有
するインクジェット記録シートにおいては、一般的にオ
ゾン、光等による色素の退色が進行しやすく、さらにイ
ンクジェット記録シートの地肌を黄変化させる問題が生
じていた。
【0006】上記の問題点の中で、オゾン、光等による
色素の退色を改良する手段としては、例えば、特開昭5
7−87987号公報等に提案されているような、リン
タングステン酸、リンモリブデン酸等の特定金属酸化物
や塩化第2クロム等の特定金属塩化物を含有させたり、
特開昭57−87988号公報等に提案されているよう
な、フェニルサリチル酸等の特定構造を有する紫外線吸
収剤を含有させることが提案されているものの、これら
の添加剤を用いた場合にはインクジェット記録シートの
地肌を著しく黄変化させたり、色素の色相を変化させる
等の不都合が生ずるのみならず、耐オゾン性、耐光性の
改良効果についても未だ改良する余地があった。
【0007】一方、インクジェット記録シートの地肌の
黄変化とは、例えば、インクジェット記録シートをクリ
ヤーファイルに入れ保管したり、インク受理層表面に粘
着テープを添付する等した場合に著しく発生するもので
ある。この原因は定かではないが、ポリエチレンやポリ
プロピレン等のファイル、テープの粘着剤、糊、ゴム等
に含有される酸化防止剤が、インク受理層中の無機顔料
に移行して吸着され、インクジェット記録シート上で酸
化されるためであると推測される。ポリエチレンやポリ
プロピレン等には、ブチルヒドロキシトルエン等の分子
内にフェノール基を有する酸化防止剤を多量に練り混ん
でいるものが多く、これらのフェノール系酸化防止剤が
酸化され、キノン構造をとると黄変化することはよく知
られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記のような無機顔料を主体としたインク受理
層の印字濃度、発色性等の特性を低下させずに、経時的
な画像の色劣化及び地肌の黄変化を改良した、高品質な
インクジェット記録シートを得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、インクジ
ェット記録シートにおける上記の問題について鋭意検討
を重ねた結果、色素やある種の酸化防止剤、可塑剤等の
オゾンや光による退色が、無機顔料の保持する水分量及
びインク受理層pHに大きく影響されることを確認し、
さらに、インク受理層を構成する全無機顔料のうち、特
定重量部以上の無機顔料が、特定のシラン化合物により
表面処理され、水分が減少したものであり、且つインク
受理層の冷水抽出pHが特定範囲にあると、無機顔料を
主体としたインク受理層が有する、印字濃度や発色性等
の特性を低下させずに、経時的な画像の色劣化及び地肌
の黄変化が改良できることを見いだした。
【0010】即ち、本発明のインクジェット記録シート
は、支持体の少なくとも片面に、主にBET法による比
表面積が100m2/g以上の無機顔料とバインダー樹脂か
らなるインク受理層を設けたインクジェット記録シート
において、該インク受理層に含有される全無機顔料のう
ち30重量部以上の無機顔料が、下記化2(一般式1)
で表されるポリアルキレンオキサイドシラン化合物で表
面処理され、JISK5101・21に規定される水分
含有量3.0重量%以下であり、且つJISP8133
に規定される該インク受理層の冷水抽出pHが6〜10
であることを特徴とするものである。
【0011】
【化2】 R1O(CH2CH2O)nCH2CH2CH2Si(OR23 (一般式1) (式中、R1は水素又はC14のアルキル基、R2はメチ
ル基、エチル基、β-メトキシエチル基であり、nは1
〜10の整数である。)
【0012】さらに、好ましくは無機顔料が、非晶質合
成シリカであることを特徴とするインクジェット記録シ
ートである。
【0013】以下に本発明のインクジェット記録シート
を詳細に説明する。本発明におけるインクジェット記録
シートのインク受理層を構成する無機顔料とは、BET
法による比表面積が100m2/g以上であり、さらに好ま
しくは100〜700m2/gの無機顔料である。このよう
な比表面積の無機顔料を使用することにより、高い印字
濃度及び優れた発色性を発現させることができる。無機
顔料のBET比表面積が100m2/g未満であると、十分
な印字濃度及び優れた発色性が得られない。
【0014】このような無機顔料としては、従来公知の
白色顔料を1種以上を単独で、或いは混合して用いるこ
とができ、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、
サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸
カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コ
ロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、
水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライ
ト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム等が挙げられる。
【0015】本発明におけるインクジェット記録シート
には、上記の無機顔料の中でも、特に合成非晶質シリカ
を用いることが好ましく、印画濃度、インク吸収性、印
字画像の鮮鋭性等に優れるインクジェット記録シートを
得ることができる。このような合成非晶質シリカとは、
例えば、特開昭57−157786号公報、同61−1
41584号公報、同61−230979号公報、同6
2−292476号公報等に記されているような、ケイ
酸のゲル化により、SiO2の三次元構造を形成させた、
微多孔性、不定形微粒子であり、その代表的な物性値範
囲としては、平均粒子径10nm〜20μm程度、ハン
ター白色度90以上、細孔径10〜2000オングスト
ローム程度を有する。
【0016】このような合成非晶質シリカは、市販のも
のを好適に用いることができ、例えば、ミズカシルP−
526、ミズカシルP−801、ミズカシルNP−8、
ミズカシルP−802、ミズカシルP−802Y、ミズ
カシルC−212、ミズカシルP−73、ミズカシルP
−78A、ミズカシルP−78F、ミズカシルP−8
7、ミズカシルP−705、ミズカシルP−707、ミ
ズカシルP−707D、ミズカシルP−709、ミズカ
シルC−402、ミズカシルC−484(以上水沢化学
製)、トクシールU、トクシールUR、トクシールG
U、トクシールAL−1、トクシールGU−N、トクシ
ールN、トクシールNR、トクシールPR、ソーレック
ス、ファインシールE−50、ファインシールT−3
2、ファインシールX−37、ファインシールX−7
0、ファインシールRX−70ファインシールA、ファ
インシールB(以上、徳山ソーダ製)、カープレックス
FPS−101、カープレックスCS−7、カープレッ
クス80、カープレックスXR、カープレックス67
(以上、塩野義製薬製)、サイロイド63、サイロイド
65、サイロイド66、サイロイド77、サイロイド7
4、サイロイド79、サイロイド404、サイロイド6
20、サイロイド800、サイロイド150、サイロイ
ド244、サイロイド266(以上、富士シリシア化学
製)等が挙げられる。
【0017】本発明におけるインク受理層では、該イン
ク受理層を構成する全無機顔料の30重量部以上、より
好ましくは50重量部以上を、上記一般式1で示される
ポリアルキレンオキサイドシラン化合物により表面処理
することで、JIS K5101・21に規定される水
分含有量が3.0重量%以下、より好ましくは2.0重
量%以下としたものである。
【0018】ポリアルキレンオキサイドシラン化合物に
より表面処理し、JIS K5101・21に規定され
る水分含有量が3.0重量%以下とした無機顔料とは、
水分の吸着点である無機顔料表面の水酸基をポリアルキ
レンオキサイドシラン化合物と反応させて除去したため
に吸着水分量が減少した無機顔料であって、BET法に
よる比表面積が100m2/g以上を有するような無機顔料
では、通常、JISK5101・21に規定される水分
は4〜8重量%を示すが、ポリアルキレンオキサイドシ
ラン化合物による表面処理が進むにつれて吸着水分量が
減少した結果、水分が3.0重量%以下となった無機顔
料である。ポリアルキレンオキサイドシラン化合物によ
る表面処理の度合いと無機顔料の水分は相反する関係に
ある。ここで、各ポリアルキレンオキサイドシラン化合
物の最小被覆面積や疎水性の強さが各々異なるため、そ
の添加量は一概に示すことはできないが、本発明におい
ては、無機顔料に対して0.1〜20重量%、好ましく
は0.5〜10重量%で、表面処理後の無機顔料の水分
を3.0重量%以下にすることができる。このような表
面処理を行った無機顔料を用いることで、印画濃度、印
字画像の発色性等の本来の特性を損なうことなく、画像
の色劣化及びインクジェット記録シートの地肌の黄変化
を改良するとが可能となる。
【0019】ここで、ポリアルキレンオキサイドシラン
化合物により表面処理された無機顔料の水分が3.0重
量%を超えると、画像の色劣化、シート地肌の黄変化を
改良することができず、又、水分が3.0重量%以下の
無機顔料であっても、その配合量がインク受理層を構成
する全無機顔料の30重量部未満では画像の色劣化、シ
ートの地肌の黄変化を改良することが困難となる。
【0020】ところで、インクジェット記録シートのイ
ンク受理層を構成する無機顔料の表面をシランカップリ
ング剤で処理することで、染料を用いたインクに対し良
好な色合いを与え、且つ塗工強度を向上させたインクジ
ェット記録シートを得る方法(特公平1−19353号
公報)や、本発明者らが先に出願した、無定形シリカの
表面をシランカップリング剤で処理することで、印字濃
度を向上させ、色調が鮮明で、且つインク吸収性に優れ
たインクジェット記録シートを得る方法(特開昭60−
224580号公報)等が提案されている。しかしなが
ら、単にシランカップリング剤にて表面処理された無機
顔料等をインク受理層に用いた場合、色調、塗工強度等
の特性は改良されるが、インクジェット記録シートの保
存性を改良することはできなかった。
【0021】ここで、シランカップリング剤とは、 一
般式R3Si(OR43、R3はクロル基、アミノ基、ア
ミノエチル基、ウレイド基、グリシドキシ基、エポキシ
シクロヘキシル基、メタクロキシ基、ビニル基等に代表
される各種の有機官能性基であり、R4はメチル基、エ
チル基、 β−メトキシエチル基等のアルキル基で表さ
れる化合物である。このようなシランカップリング剤で
処理された無機顔料等を用いて構成されたインク受理層
では、シランカップリング剤の反応性に富む有機官能性
基が少なからず残存するため、色素やある種の酸化防止
剤、可塑剤等の退色を逆に促進させたためである。
【0022】上記したような、ポリアルキレンオキサイ
ドシラン化合物により表面処理された無機顔料による画
像の色劣化及びインクジェット記録シートの地肌の黄変
化の改良効果は、インク受理層のJIS P8133に
規定される冷水抽出pH値を6〜10、より好ましくは
6.5〜9の範囲内とすることで発現する。ここで、イ
ンク受理層の冷水抽出pHを測定するには、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のフィル
ムにインク受理層を塗設する等したものを作製し、支持
体のpHの影響を排除してJIS P8133に規定さ
れるpHを測定する。インク受理層のpHの調節は、塩
酸、酢酸、硫酸、硝酸等の酸や水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等の塩を用いて適宜調整することができる。
ここで、インク受理層の冷水抽出pHがこの範囲を外れ
ると、色素の退色が促進されるため画像の色劣化及び地
肌の黄変化を大幅に改良することが困難となる。
【0023】無機顔料のポリアルキレンオキサイドシラ
ン化合物による表面処理方法としては、通常のシランカ
ップリング剤を用いた無機顔料の表面処理法と同様の方
法を用いることができ、例えば、乾式法、スラリー法等
の直接処理法を挙げることができる。いずれも容易に行
える方法であるため、処理装置や処理条件等を考慮して
最適な方法を選択すればよい。
【0024】より具体的に各方法について説明すると、
乾式法とはヘンシェルミキサー或いはスーパーミキサー
等を用いて、無機顔料を均一に攪拌しながら、ポリアル
キレンオキサイドシラン化合物の1〜50%水或いは水
とアルコールの混合溶液を数分間に渡って徐々に添加
し、十分に攪拌を行った後に、湿った無機顔料を100
〜150℃で1〜3時間程度乾燥して目的の表面処理さ
れた無機顔料を得る方法である。スラリー法とは、予め
無機顔料を水又はアルコール等の親水性有機溶剤、或い
はこれらの混合溶媒中に分散、攪拌状態として、ポリア
ルキレンオキサイドシラン化合物の水或いは水とアルコ
ールの混合溶液を添加する方法である。未反応のポリア
ルキレンオキサイドシラン化合物の大半は、無機顔料の
乾燥時に飛散してしまうため、洗浄等の精製を行わなく
ともかまわない。又、未反応のポリアルキレンオキサイ
ドシラン化合物が残存してもなんら影響を被らない場合
には、無機顔料を再度加熱乾燥しなくともかまわない。
【0025】本発明におけるインク受理層には、上記の
ような無機顔料と併用して、カチオン性コロイド粒子を
添加することもできる。ここでカチオン性コロイド粒子
とは、水中に懸濁分散してコロイド状をなしているもの
であり、該粒子表面が正に帯電した粒子を指し、例え
ば、ベーマイト、擬ベーマイト等のアルミナゾルやコロ
イダルアルミナ、或いは特公昭47−26959号公報
に開示されているようにコロイド状シリカ粒子表面をア
ルミナコーティングした粒子等があげられる。
【0026】本発明におけるインクジェット記録シート
のインク受理層において、上記の無機顔料を接着するた
めのバインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルアル
コール、シラノール変性ポリビニルアルコール、酢酸ビ
ニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース
誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポ
リビニルアルコール等;無水マレイン酸樹脂、スチレン
−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジ
エン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;ア
クリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又
は共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体又は
共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢
酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或い
はこれらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有
単量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹
脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤;ポ
リメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、
ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系
接着剤を一種以上、単独で或いは混合して用いることが
できる。この他、公知の天然、或いは合成樹脂バインダ
ーを単独で或いは混合して用いることは特に限定されな
い。
【0027】バインダー樹脂の添加量としては、無機顔
料100固形重量部に対して3〜70重量部が好まし
く、より好ましくは5〜50重量部であり、3重量部未
満ではインク受理層の塗層強度が不足し、又、70重量
部を超えるとインクジェット記録装置の種類によっては
インク吸収能が不足するため、インクが溢れ好ましくな
い。
【0028】さらに、その他の添加剤として、カチオン
性色素定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消
泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着
色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防バイ
剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤及び酸
化防止剤等を適宜添加することもできる。
【0029】本発明における支持体としては、LBK
P、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、
TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、D
IP等の古紙パルプ、等の木材パルプと従来公知の顔料
を主成分として、バインダー及びサイズ剤や定着剤、歩
留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加
剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、
ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された原紙、
さらに原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイ
ズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの
上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコ
ート紙等の塗工紙も含まれる。この様な原紙及び塗工紙
に、そのまま本発明に係る塗層を設けても良いし、平坦
化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TG
カレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使
用しても良い。又、支持体の坪量としては、通常40〜
300g/m2であるが、特に制限されるものではない。
【0030】本発明におけるインク受理層を支持体上に
設ける方法としては、水又はアルコール等の親水性有機
溶剤、或いはこれらの混合溶媒を用いて、例えば、従来
公知のエアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイ
コーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、
バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビル
ブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、
サイズプレス等の各種装置により支持体上に塗工するこ
とができる。又、インク受理層の塗工後には、マシンカ
レンダー、TGカレンダー、スーパカレンダー、ソフト
カレンダー等のカレンダー装置を用いて平滑化処理を行
うことができる。
【0031】本発明における、インク受理層の塗工量は
特に制限はないが、1〜30g/m2が好ましい。塗工量が
1g/m2未満であると十分な印字濃度及びインク吸収性が
得られないため好ましくなく、塗工量が30g/m2を超え
るとインクジェット記録シートのカール性が悪化するた
め好ましくない。又、インク受理層はある一定の塗工量
を数回に分けて塗設する事も可能であり、光沢を付与す
る場合は、一度に該塗工量を塗設するよりも光沢が向上
する。
【0032】又、インク受理層上に光沢発現層をキャス
トコーティング法により設けることにより、市販のキャ
ストコート紙に匹敵する光沢感を得ることも可能であ
る。
【0033】又、支持体を挟んだインク受理層の反対面
には、カール適性を付与するために、バックコート層を
塗設することも可能であり、その際の顔料としては、平
板状顔料や加水ハロイサイトが好ましく、バックコート
を設けない場合でも、フリューデックス等の加湿器によ
り水蒸気を噴射することでカール強制を行うこともでき
る。
【0034】本発明で云うインクとは、下記の色素、溶
媒、その他の添加剤からなる記録液体であり、色素とし
ては、発色性、鮮明性、安定性等が良好な、例えば、
C.I.Direct Yellow 12、C.I.
Direct Yellow24、C.I.Direc
t Yellow 26、C.I.Direct Ye
llow 44、C.I.Direct Yellow
86、C.I.Direct Yellow 98、
C.I.Direct Yellow 100、C.
I.Direct Yellow 142、C.I.D
irect red 1、C.I.Direct re
d 4、C.I.Direct red17、C.I.
Direct red 28、C.I.Direct
red83、C.I.Direct Orenge 3
4、C.I.Direct Orenge 39、C.
I.Direct Orenge 44、C.I.Di
rect Orenge 46、C.I.Direct
Orenge 60、C.I.Direct Vio
let 47、C.I.Direct Violet
48、C.I.Direct Blue 6、C.I.
Direct Blue 22、C.I.Direct
Blue 25、C.I.DirectBlue 7
1、C.I.Direct Blue 86、C.I.
Direct Blue 90、C.I.Direct
Blue 106、C.I.Direct Blue
199、C.I.Direct Black 17、
C.I.Direct Black 19、C.I.D
irect Black32、C.I.Direct
Black 51、C.I.Direct Black
62、C.I.Direct Black 71、
C.I.Direct Black 108、C.I.
Direct Black 146、C.I.Dire
ct Black 154等の直接染料、C.I.Ac
id Yellow 11、C.I.Acid Yel
low 17、C.I.Acid Yellow 2
3、C.I.Acid Yellow 25、C.I.
AcidYellow 29、C.I.Acid Ye
llow 42、C.I.Acid Yellow 4
9、C.I.Acid Yellow 61、C.I.
Acid Yellow 71、C.I.Acid r
ed 1、C.I.Acid red 6、C.I.A
cid red 8、C.I.Acid red32、
C.I.Acid red 37、C.I.Acid
red 51、C.I.Acid red 52、C.
I.Acid red 80、C.I.Acid re
d 85、C.I.Acid red 87、C.I.
Acidred 92、C.I.Acid red 9
4、C.I.Acid red115、C.I.Aci
d red 180、C.I.Acid red 25
6、C.I.Acid red 317、C.I.Ac
id red 315、C.I.Acid Oreng
e 7、C.I.Acid Orenge 19、C.
I.Acid Violet 49、C.I.Acid
Blue 9、C.I.Acid Blue 22、
C.I.Acid Blue 40、C.I.Acid
Blue 59、C.I.Acid Blue 9
3、C.I.Acid Blue 102、C.I.A
cid Blue 104、C.I.Acid Blu
e 113、C.I.Acid Blue 117、
C.I.Acid Blue 120、C.I.Aci
d Blue 167、C.I.Acid Blue
229、C.I.Acid Blue 234、C.
I.Acid Blue 254、C.I.Acid
Black 2、C.I.Acid Black 7、
C.I.Acid Black 24、C.I.Aci
d Black 26、C.I.Acid Black
31、C.I.Acid Black 52、C.
I.Acid Black 63、C.I.Acid
Black 112、C.I.Acid Black
118等の酸性染料やその他にも塩基性染料、反応性染
料或は食品用色素等の水溶性染料を用いることができ
る。
【0035】インクの溶媒としては、水及び水溶性の各
種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;ア
セトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンア
ルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
トリエチレングリコール、1、2、6−ヘキサントリオ
ール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエ
チレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキ
レングリコール類;グリセリン、エチレングリコールメ
チルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチ
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が
挙げられる。
【0036】上記の水溶性有機溶剤の中でも、特にジエ
チレングリコール等の多価アルコール、トリエチレング
リコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール
モノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキル
エーテルが好ましい。
【0037】インク中に添加されるその他の添加剤とし
ては、例えば、PH調節剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、
防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面
活性剤、防錆剤等が挙げられる。
【0038】
【作用】画像の色劣化及びインクジェット記録シートの
地肌の黄変化は、色素或いはある種の酸化防止剤、可塑
剤等の添加剤が、インク受理層中に移行して、例えば、
光、オゾン等の外部因子により分解することで、退色或
いは着色すると考えられ、無機顔料はこのような退色や
着色を促進するようである。
【0039】しかしながら、本発明のように、インク受
理層を構成する全無機顔料のうち、特定重量部以上の無
機顔料が、特定のシラン化合物により表面処理され、水
分が減少したものであり、且つインク受理層の冷水抽出
pHが特定範囲にあると、無機顔料を主体としたインク
受理層が有する、印字濃度や発色性等の特性を低下させ
ずに上記のような問題を改良することができる。
【0040】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
又、実施例において示す「部」及び「%」は、特に明示
しない限り重量部及び重量%を示す。
【0041】実施例1 LBKP(濾水度400mlcsf)80部とNBKP
(濾水度480mlcsf)20部から成る木材パルプ
100部に対して、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カル
シウム/タルクの比率が10/10/10の顔料20
部、市販アルキルケテンダイマー0.10部、市販カチ
オン系アクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉
1.0部、硫酸バンド0.5部を調製後、長網抄紙機で
抄造し、坪量90g/m2の支持体を得た。
【0042】次いで、BET法による比表面積が109
m2/gの合成非晶質シリカ(シオノギ製薬製、カープレッ
クス1120、JIS K5101・21に規定される
水分6.1%)10gを20gのイオン交換水中に添加
し、ホモジナイザーを用いて分散した。予め調整したエ
トキシポリエチレンジオキサイドプロピルトリメトキシ
シラン(エチレンオキサイドモル数=7)の10%イオ
ン交換水溶液100部を添加し、10分間攪拌し続け
た。次いで、この合成非晶質シリカ分散水溶液を100
℃にて3日間乾燥してドライアップした後、ボールミル
を用いて粉砕し、エトキシポリエチレンオキサイドプロ
ピルトリメトキシシランにより表面処理された合成非晶
質シリカを得た。この合成非晶質シリカの水分を、JI
S K5101・21に規定される方法にて測定した結
果、0.91%であった。
【0043】支持体上に、JIS K5101・24A
に規定される方法により測定したpHが6.0となるよ
うに調整した下記配合のインク受理層塗被組成物(固形
分濃度14%水溶液)をエアーナイフコーターにより乾
燥塗工量が8g/m2となるように塗工、乾燥し、実施例1
のインクジェット記録シートを得た。 〈インク受理層塗被組成物〉 合成非晶質シリカ(徳山曹達製、ファインシールX37B、比表面積270m2/g) 70部 表面処理した合成非晶質シリカ 30部ホ゜リヒ゛ニルアルコール (クラレ製、PVA117) 30部カチオン 性色素定着剤(住友化学製、スミレッツレシ゛ン1001) 20部
【0044】実施例2 表面処理した合成非晶質シリカの配合量を50部、未処
理の合成非晶質シリカの配合量を50部とした以外は実
施例1と同様にして作製し、実施例2のインクジェット
記録シートを得た。
【0045】実施例3 表面処理した合成非晶質シリカの配合量を70部、未処
理の合成非晶質シリカの配合量を30部とした以外は実
施例1と同様にして作製し、実施例3のインクジェット
記録シートを得た。
【0046】実施例4 表面処理した合成非晶質シリカの配合量を100部、未
処理の合成非晶質シリカを用いなかった以外は実施例1
と同様にして作製し、実施例4のインクジェット記録シ
ートを得た。
【0047】実施例5 JIS K5101・24Aに規定される方法により測
定したインク受理層のpHが7.0となるように調整し
た以外は実施例1と同様にして作製し、実施例5のイン
クジェット記録シートを得た。
【0048】実施例6 JIS K5101・24Aに規定される方法により測
定したインク受理層のpHが9.0となるように調整し
た以外は実施例1と同様にして作製し、実施例6のイン
クジェット記録シートを得た。
【0049】実施例7 JIS K5101・24Aに規定される方法により測
定したインク受理層のpHが10.0となるように調整
した以外は実施例1と同様にして作製し、実施例7のイ
ンクジェット記録シートを得た。
【0050】実施例8 エトキシポリエチレンオキサイドプロピルトリメトキシ
シラン(エチレンオキサイドモル数=7)の8%イオン
交換水溶液とした以外は実施例1と同様にして表面処理
した合成非晶質シリカを作製した。JIS K5101
・21に規定される水分は1.4%であった。この表面
処理した合成非晶質シリカを用いた以外は実施例1と同
様にして作製し、実施例8のインクジェット記録シート
を得た。
【0051】実施例9 エトキシポリエチレンオキサイドプロピルトリメトキシ
シラン(エチレンオキサイドモル数=7)の5%イオン
交換水溶液とした以外は実施例1と同様にして表面処理
した合成非晶質シリカを作製した。JIS K5101
・21に規定される水分は2.9%であった。この表面
処理した合成非晶質シリカを用いた以外は実施例1と同
様にして作製し、実施例9のインクジェット記録シート
を得た。
【0052】実施例10 BET法による比表面積が125m2/g、JIS K51
01・21に規定される水分が4.5%の合成非晶質シ
リカ(水澤化学製、P−526)に対して実施例1と同
様にして表面処理を行い、JIS K5101・21に
規定される水分が0.95%となった合成非晶質シリカ
を用いた以外は実施例1と同様に作製し、実施例10の
インクジェット記録シートを得た。
【0053】実施例11 BET法による比表面積が180m2/g、JIS K51
01・21に規定される水分が4.8%の合成非晶質シ
リカ(水澤化学製、P−802)に対して実施例1と同
様にして表面処理を行い、JIS K5101・21に
規定される水分が1.23%となった合成非晶質シリカ
を用いた以外は実施例1と同様にして作製し、実施例1
1のインクジェット記録シートを得た。
【0054】実施例12 BET法による比表面積が270m2/g、JIS K51
01・21に規定される水分が3.9%の合成非晶質シ
リカ(徳山曹達製、ファインシールX37B)に対して
実施例1と同様にして表面処理を行い、JIS K51
01・21に規定される水分が1.51%となった合成
非晶質シリカを用いた以外は実施例1と同様にして作製
し、実施例12のインクジェット記録シートを得た。
【0055】実施例13 BET法による比表面積が120m2/g、JIS K51
01・21に規定される水分が3.9%の酸化チタン微
粒子に対して実施例1と同様にして表面処理を行い、J
IS K5101・21に規定される水分が2.65%
となった酸化チタン微粒子を用いた以外は実施例1と同
様にして作製し、実施例13のインクジェット記録シー
トを得た。
【0056】実施例14 BET法による比表面積が130m2/g、JIS K51
01・21に規定される水分が4.9%の炭酸カルシウ
ム微粒子に対して実施例1と同様にして表面処理を行
い、JIS K5101・21に規定される水分が1.
55%となった炭酸カルシウム微粒子を用いた以外は実
施例1と同様にして作製し、実施例14のインクジェッ
ト記録シートを得た。
【0057】実施例15 メトキシポリエチレンオキサイドプロピルトリメトキシ
シラン(エチレンオキサイドモル数=8)とした以外は
実施例1と同様にして表面処理を行い、JISK510
1・21に規定される水分が0.83%となった合成非
晶質シリカを用いた以外は実施例1と同様にして作製
し、実施例15のインクジェット記録シートを得た。
【0058】実施例16 プロポキシポリエチレンオキサイドプロピルトリメエト
キシシラン(エチレンオキサイドモル数=10)とした
以外は実施例1と同様にして表面処理を行い、JIS
K5101・21に規定される水分が1.03%となっ
た合成非晶質シリカを用いた以外は実施例1と同様にし
て作製し、実施例16のインクジェット記録シートを得
た。
【0059】比較例1 表面処理された合成非晶質シリカを用いずに、未処理の
合成非晶質シリカ100部とした以外は実施例1と同様
にして作製し、比較例1のインクジェット記録シートを
得た。
【0060】比較例2 表面処理した合成非晶質シリカの配合量を25部、未処
理の合成非晶質シリカの配合量を75部とした以外は実
施例1と同様にして作製し、比較例2のインクジェット
記録シートを得た。
【0061】比較例3 表面処理した合成非晶質シリカの配合量を5部、未処理
の合成非晶質シリカの配合量を95部とした以外は実施
例1と同様にして作製し、比較例3のインクジェット記
録シートを得た。
【0062】比較例4 JIS K5101・24Aに規定される方法により測
定したインク受理層のpHが3.0となるように調整し
た以外は実施例1と同様にして作製し、比較例4のイン
クジェット記録シートを得た。
【0063】比較例5 JIS K5101・24Aに規定される方法により測
定したインク受理層のpHが5.0となるように調整し
た以外は実施例1と同様にして作製し、比較例5のイン
クジェット記録シートを得た。
【0064】比較例6 JIS K5101・24Aに規定される方法により測
定したインク受理層のpHが11.0となるように調整
した以外は実施例1と同様にして作製し、比較例6のイ
ンクジェット記録シートを得た。
【0065】比較例7 JIS K5101・24Aに規定される方法により測
定したインク受理層のpHが12.0となるように調整
した以外は実施例1と同様にして作製し、比較例7のイ
ンクジェット記録シートを得た。
【0066】比較例8 エトキシポリエチレンオキサイドプロピルトリメトキシ
シラン(エチレンオキサイドモル数=7)の3%イオン
交換水溶液とした以外は実施例1と同様にして表面処理
した合成非晶質シリカを作製した。JIS K5101
・21に規定される水分は3.3%であった。この表面
処理した合成非晶質シリカを用いた以外は実施例1と同
様にして作製し、比較例8のインクジェット記録シート
を得た。
【0067】比較例9 エトキシポリエチレンオキサイドプロピルトリメトキシ
シラン(エチレンオキサイドモル数=7)の1.5%イ
オン交換水溶液とした以外は実施例1と同様にして表面
処理した合成非晶質シリカを作製した。JIS K51
01・21に規定される水分は3.8%であった。この
表面処理した合成非晶質シリカを用いた以外は実施例1
と同様にして作製し、比較例9のインクジェット記録シ
ートを得た。
【0068】比較例10 BET法による比表面積が30m2/g、JIS K510
1・21に規定される水分が3.7%の合成非晶質シリ
カ(水澤化学製、P−603)に対して実施例1と同様
にして表面処理を行い、JIS K5101・21に規
定される水分が0.89%となった合成非晶質シリカを
用いた以外は実施例1と同様にして作製し、比較例10
のインクジェット記録シートを得た。
【0069】比較例11 BET法による比表面積が55m2/g、JIS K510
1・21に規定される水分が3.9%の合成非晶質シリ
カ(水澤化学製、P−527)に対して実施例1と同様
にして表面処理を行い、JIS K5101・21に規
定される水分が0.9%となった合成非晶質シリカを用
いた以外は実施例1と同様にして作製し、比較例11の
インクジェット記録シートを得た。
【0070】実施例1〜16及び比較例1〜11の評価
は以下に示す方法により行い、結果を表1にまとめて示
した。
【0071】〈印字濃度〉各インクジェット記録シート
に、インクジェットプリンター(EPSON製、MJ−
700V2C)でマゼンタインクのベタ印字を行い、マ
クベスRD919を用いて光学濃度を測定した。
【0072】〈発色性〉各インクジェット記録シート
に、インクジェットプリンター(EPSON製、MJ−
700V2C)でマゼンタインクのベタ印字を行い、2
5℃、60%RHの条件下に1日間放置した後の印字部
の鮮やかさを目視で評価した。 ◎:発色性に優れ、非常に鮮やかである。 ○:鮮やかである。 △:若干くすんだ印象を受ける。 ×:発色性が劣り、全く冴えがない。
【0073】〈オゾンによる画像の色劣化〉各インクジ
ェット記録シートに、インクジェットプリンター(EP
SON製、MJ−700V2C)でマゼンタインクのベ
タ印字を行った。これらのインクジェット記録シート
を、オゾン導入口及び排出口の付いたガラス容器中に入
れ、三菱電機製オゾナイザOS−1にて発生させたオゾ
ンを15分間連続して導入した。この時のオゾン濃度は
約120ppmであった。これらのインクジェット記録
シートのオゾン処理前後のマゼンタインク色の色差を測
定した。色差は、L*a*b*(CIE1976)にし
たがって光照射前後のサンプルの色を測定した結果を基
に、下記数1で規定することができる。色差が大きいほ
ど、色劣化が生じていることを示し、色差が1.0未満
であれば視覚上、色の違いを認識することはほとんどで
きない。
【0074】
【数1】 △E={(△L*)2+(△a*)2+(△b*)21/2 ここで、△Eは色差、△L*及び△a*と△b*は、各
々光照射前後のL*及びa*とb*の差である。
【0075】〈光による画像の色劣化〉各インクジェッ
ト記録シートに、インクジェットプリンター(EPSO
N製、MJ−700V2C)でマゼンタインクのベタ印
字を行った。これらのインクジェット記録シートを、キ
セノンアークフェードメーター、アトラス製Ci−35
fを用い、ブラックパネル温度63℃、相対湿度65%
RHの環境下で30時間の光照射した前後のマゼンタイ
ンク色の色差を測定した。色差の測定法は耐オゾン性試
験に準ずる。
【0076】〈地肌の黄変性〉ブチルヒドロキシトルエ
ン(BHT)を1.0重量%含有するポリプロピレン製
プラスチックファイル袋(A4サイズ)の片面中央を5
cm×5cmの正方形に切って、各インクジェット記録
シートのインク受理層表面が穴のあいているファイル面
に当たるようにファイル袋の中に入れ、20℃、65%
RHの環境下に6ケ月放置処理前後のインク受理層の地
肌のL*a*b*(CIE1976)を色彩色差計、ミ
ノルタ製CR−100で測定した。地肌の黄変化の程度
は、処理前後のb* の差(△b* )で表すことがで
き、この数値が小さい程、黄変化が少ないことを示す。
【0077】
【表1】
【0078】表1に示したように、本発明による実施例
1〜16では、インク受理層の印字濃度、発色性を低下
させずに、経時的な画像の色劣化及び地肌の黄変化が改
良されたインクジェット記録シートを得ることができ
た。実施例1〜4のごとく、表面処理された合成非晶質
シリカの配合量が増加するとともに、画像の色劣化及び
地肌の黄変化がより改良され、特に実施例4において
は、インク受理層を構成する全ての無機顔料を表面処理
された合成非晶質シリカとしたことにより、画像の色劣
化及び地肌の黄変性が格段に優れたインクジェット記録
シートを得ることができた。
【0079】しかしながら、比較例1及び2、3では、
本発明における表面処理された無機顔料を全く使用しな
かったか、或いは使用してもその配合量が少なかったた
め、画像の色劣化及び地肌の黄変化を改良することがで
きなかった。比較例4〜7では、インク受理層の冷水抽
出pHを適切な範囲内としなかったため、色素及びBH
Tの退色が促進され、画像の色劣化及び地肌の黄変化を
十分に改良することができなかった。比較例8及び9で
は、ポリアルキレンオキサイドシラン化合物による表面
処理が十分でなかったため、無機顔料の水分が未だ多
く、画像の色劣化及び地肌の黄変化を改良することがで
きなかった。比較例10及び11では、無機顔料の比表
面積が小さいため、印字濃度、発色性に劣り、且つ画像
の色劣化及び地肌の黄変化を改良することができなかっ
た。
【0080】
【発明の効果】以上から明かなように、インク受理層を
構成する全無機顔料のうち、特定重量部以上の無機顔料
が、特定のシラン化合物により表面処理され、水分が減
少したものであり、且つインク受理層の冷水抽出pHを
特定範囲に調整したインク受理層であれば、無機顔料を
主体としたインク受理層が有する印字濃度、発色性等の
特性を低下させずに、経時的な画像の色劣化及び地肌の
黄変化を改良することができるため、記録画像及び保存
性に優れた高品質なインクジェット記録シートを得るこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面に、主にBET
    法による比表面積が100m2/g以上の無機顔料とバイン
    ダー樹脂からなるインク受理層を設けたインクジェット
    記録シートにおいて、該インク受理層に含有される全無
    機顔料のうち30重量部以上の無機顔料が、下記化1
    (一般式1)で表されるポリアルキレンオキサイドシラ
    ン化合物で表面処理され、JIS K5101・21に
    規定される水分含有量3.0重量%以下であり、且つJ
    IS P8133に規定される該インク受理層の冷水抽
    出pHが6〜10であることを特徴とするインクジェッ
    ト記録シート。 【化1】 R1O(CH2CH2O)nCH2CH2CH2Si(OR23 (一般式1) (式中、R1は水素又はC14のアルキル基、R2はメチ
    ル基、エチル基、又はβ-メトキシエチル基であり、n
    は1〜10の整数である。)
  2. 【請求項2】 無機顔料が、非晶質合成シリカであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シー
    ト。
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