JP4343813B2 - 酸化防止剤およびそれを適用した被記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターで記録した際に、大気中の酸性ガスや光による画像の変退色を効果的に防止する酸化防止剤、およびそれを適用した画像の長期保存に好適な被記録媒体に関する。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により紙などの被記録媒体に付着させると同時に、インクの溶媒成分が被記録媒体にしみ込むかまたは蒸発することで、色材成分が被記録媒体上に沈着し、画像や文字など(以下、単に「画像」という)の記録を行う記録方式である。また、インクジェット記録方式は、高速印字性、低騒音および記録パターンの融通性に優れ、さらに多色化を容易に行うことができ、現像および画像定着が不要であるといった特徴がある。
特に、多色インクジェット方式で形成された画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による画像と比較しても遜色のない記録を得ることが可能で、作成部数が少ない場合には通常の印刷技術や写真技術より印刷コストが安価に済むという利点もあることから、近年、各種情報機器の画像記録装置として急速に普及している。例えば、デザイン業界におけるイメージデザインのアウトプット、写真画質が要求される印刷分野におけるカラー版下の作製、頻繁に取り替えられる看板や商品の見本など、フルカラー画像記録が必要な分野へと幅広く応用されつつある。また、最近ではパーソナルコンピューターやデジタルスチルカメラが広く普及したことから、一般家庭においてもインクジェットプリンターを用いて写真画像を出力する機会が多くなっている。
しかしながら、インクジェットプリンターで記録された画像は製版方式による多色印刷やカラー写真の画像と比較して、大気中の酸性ガスおよび光による退色や変色が著しく、長期保存には適していないのが現状である。従って画像の退色や変色を防止することへの要求は大変強く、今までにその性能を改善するための提案が多くなされてきた。
例えば、耐ガス性向上を目的として、特許文献1ではチオエーテル系化合物、特許文献2ではチオジプロピオン酸、特許文献3ではヒドラジド系化合物、特許文献4および特許文献5には、チオ尿素誘導体、チオセミカルバジド誘導体、チオカルボヒドラジド誘導体などを含有させた被記録媒体が開示されている。また、特許文献6では、チオ尿素誘導体、チオセミカルバジド誘導体およびチオカルボヒドラジド誘導体からの1種類と、ヨウ素、ヨウ化物、ジチオカルバミン酸、チオシアン酸塩およびチオシアン酸エステルからの1種類とをそれぞれ含有させた被記録媒体が開示されている。
一方、耐光性を向上させる方法としては、特許文献7、特許文献8および特許文献9では、フェノール系酸化防止剤、ベンゾフェノン系或いはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を含有させた被記録媒体が開示されている。
また、特許文献10にはヒンダードアミン系化合物を含有したものが、特許文献11ではヒドラジド系化合物を含有した被記録媒体がそれぞれ提案されている。
さらに特許文献12、および特許文献13ではインク受容層にアスコルビン酸、エリソルビン酸、またはエリソルビン酸ナトリウムを、また、特許文献14、特許文献15、特許文献16ではフラボノイドをインク受容層に含有させることで耐ガス性や耐光性を向上させた被記録媒体が開示されている。
しかしながら、被記録媒体に耐ガス性や耐光性を付与するような、これらの従来公知の化合物は非水溶性のものが多く、水系の塗布液に添加できない。また、これらの化合物は必ずしも被記録媒体の耐ガス性や耐光性を向上させるような効果をあげてはおらず、その特性向上に関しては未だ十分とはいえない。
特開平1−115677号公報 特開2002−103807公報 特開昭61−154989号公報 特公平4−34953号公報 特開平7−314883号公報 特開平8−25796号公報 特開昭57−74192号公報 特開昭57−87989号公報 特開昭60−72785号公報 特開昭61−146591号公報 特開昭61−154989号公報 特開平7−195824号公報 特開平8−15077号公報 特開2001−71627公報 特開2001−139850公報 特開2001−301315公報
本発明は、上記の実態に鑑みてなされたものであり、水溶性を有し、かつ大気中の酸性ガスや光による画像の変退色を効果的に防止する酸化防止剤を提供すること、また、それを被記録媒体に適用することで、画像の長期保存性に優れた被記録媒体を提供することを目的としている。
本発明者らは、水系の塗布液に添加でき、かつ大気中の酸性ガスと光による画像の変退色を効果的に防止し得る酸化防止剤を得るために種々検討を重ねた結果、特定の構造の高分子化合物を酸化防止剤として、支持体の少なくとも一方の面に、一層以上のインク受容層を設けた被記録媒体の該インク受容層中に含有させることで前述した課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物と二つ以上の水酸基を有するノニオン性ポリオールとを反応して得られる高分子化合物を含有することを特徴とする酸化防止剤(以下単に「本発明の酸化防止剤」という場合がある)を提供する。
HOOC−(CH2l−(S)m−(CH2n−COOH・・・一般式(1)
〔式中、mは1または2を、lおよびnは1〜11の整数を示す〕
また、本発明は、支持体の少なくとも一方の面に、一層以上のインク受容層を設けた被記録媒体において、前記インク受容層が、前記本発明の酸化防止剤を含有することを特徴とする被記録媒体を提供する。
本発明の酸化防止剤は、水溶性であり、水系塗工液に添加が可能である。また、少なくともインク受容層にそれを適用した被記録媒体は、大気中の酸性ガスや光による画像の変退色を効果的に防止した長期保存に好適な被記録媒体である。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物の具体例としては2,2’−チオジグリコール酸、3,3’−チオジプロピオン酸、4,4’−チオジブタン酸、6,6’−チオジカプロン酸、8,8’−チオジカプリル酸、10,10’−チオジカプリン酸、12,12’−チオジラウリン酸、2,2’−ジチオジグリコール酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、4,4’−ジチオジブタン酸、6,6’−ジチオジカプロン酸、8,8’−ジチオジカプリル酸、10,10’−ジチオジカプリン酸、12,12’−ジチオジラウリン酸などが挙げられる。これらの化合物は単独、若しくは2種類以上同時に使用して、本発明の酸化防止剤を合成することが可能である。一般式(1)で表される化合物の最も好ましい化合物は3,3’−チオジプロピオン酸である。
本発明で用いられるノニオン性ポリオールの数平均分子量に、特に制限はないが、300から20,000、より好ましくは300から1,000くらいの範囲である。上記数平均分子量が300未満であると、得られる酸化防止剤中におけるポリオール単位量が少なくなり、酸化防止剤に良好な水溶性や水分散性を付与できず、一方、上記数平均分子量が20,000を超えると、得られる酸化防止剤中における一般式(1)で表される化合物の単位量(濃度)が低下し、充分な効果を得るためには酸化防止剤の使用量が多くなり過ぎて経済的ではない。
本発明で用いられるノニオン性ポリオールの具体例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオールなどが挙げられる。また、これらポリオール成分は単独、若しくは2種以上同時に使用して、本発明の酸化防止剤を合成することが可能である。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン、アルキレンオキシド付加体などのグリコール成分と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、ジカルボン酸の無水物ないしエステル形成性誘導体などの酸成分とから、脱水縮合反応によって得られたポリエステル類をはじめとして、さらにはε−カプロラクトンなどの環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル類、またはそれらの共重合ポリエステル類などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、しょ糖、ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールA、アコニット酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3−プロパントリチオールなどの活性水素を少なくとも2個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレンなどのモノマーの1種または2種以上を用いて、常法により付加重合したものが挙げられる。また、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの1級アミノ基を少なくとも2個有する化合物を開始剤として用いて、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレンなどのモノマーの1種または2種以上を常法により付加重合したものを用いることもできる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールなどのグリコールとジフェニルカーボネートおよびホスゲンとの反応によって得られる化合物などが挙げられる。
上記のポリオールはいずれも本発明で使用可能であるが、得られる酸化防止剤を水溶性または水分散性にするためには、ポリオールの少なくとも一部が、前記数平均分子量範囲のポリエチレングリコールを含むことが好ましい。
本発明の酸化防止剤の合成において、一般式(1)で示される化合物とノニオン性ポリオールとの反応は通常、100〜280℃の反応温度で行うのが好ましい。反応時には、一般にポリエステルを製造する際に使用されている触媒存在下で行うのが好ましい。触媒としては、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、トリフルオロ酢酸のような酸性触媒、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホウ素、カドミウム、マンガンなどの金属、その有機金属化合物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物などの触媒を用いることができる。
上記反応は常圧下で行うことができ、一般的にトルエン、ベンゼン、キシレン、シクロヘキサンなどの溶媒中で行わせることがよい。また、エステル化反応を効率よく行うために、生成する水を除去するために減圧下で行うといったエステル化技術に関する周知技術を用いてもよい。
本発明の酸化防止剤は、一般式(1)で表される化合物のユニットとポリオールのユニットを分子鎖内に含む高分子化合物として得られる。該高分子化合物が酸化防止剤として有効であるためには、一般式(1)で表される化合物のユニットは、該高分子中において10〜70質量%を占めることが好ましい。より好ましくは20〜60質量%を占める割合である。一般式(1)で表される化合物のユニットの占める割合が10質量%未満では酸化防止剤としての効果が不十分となる場合がある。一方、一般式(1)で表される化合物のユニットの占める割合が70質量%を超えると、相対的に親水性基の含有率が低下してしまい、酸化防止剤の水分散液の調製に際して不都合となる場合がある。
また、本発明の酸化防止剤は、脱水縮合反応時の減圧条件を特定化することで、分子量を所望の範囲に制御することができる。酸化防止剤の重量平均分子量は、1,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは1,000〜50,000の範囲である。重量平均分子量が100,000より大きくなると、水への溶解性が悪化する場合があるので好ましくない。なお、本発明の酸化防止剤に、ポリオール成分としてポリエチレングリコールを用いた場合、ポリエステル合成の周知技術である高真空下での脱グリコール反応によるポリエステルオリゴマーの高分子量化は困難であり、重量平均分子量は50,000以下となる。
本発明の被記録媒体は、インク受容層中に本発明の酸化防止剤を含むことを特徴としている。インク受容層の形成は、適当な支持体の表面に、適当なバインダーと適当な無機顔料とを水系溶媒中に分散溶解させた塗布液を塗布および乾燥させることによって行われる。本発明では、上記塗布液中に酸化防止剤を溶解または分散させてインク受容層を形成する方法、或いは酸化防止剤を含まない塗布液でインク受容層を形成し、その後に適当な方法、例えば、オーバーコートなどの方法で本発明の酸化防止剤をインク受容層中に含浸させることによって得られる。
本発明の酸化防止剤のインク受容層における含有量は、インク受容層に対して固形分換算で0.05質量%から20質量%であることが好ましい。含有量がこの範囲であれば大気中のガスと光による画像の退色や変色を効果的に防止することができる。インク受容層に対する含有量が0.05質量%未満では本発明の目的であるガスや光による画像の退色や変色を充分防止することができず、また、含有量が20質量%を超えるとインク吸収性の悪化、印字濃度を低下させる恐れがある。
本発明の被記録媒体に使用される支持体としては、特に限定されるものではないが、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙などの紙類、合成紙、白色プラスチックフィルム、透明プラスチックフィルム、または半透明プラスチックフィルム、樹脂被覆紙などが使用できる。
また、被記録媒体の光沢を効果的に発現させる場合には、インク受容層形成用塗布液に対するバリヤー性の高い支持体が好ましく、酸化チタンや硫酸バリウムなどの顔料を配合したり、多孔性化することにより不透明化したポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの白色プラスチックフィルムなど、さらに原紙にポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたいわゆる樹脂被覆紙が好適である。
さらに被記録媒体に銀塩写真と同等の画質と風合いを付与する場合において、もっとも好ましく用いられる支持体としては、少なくともインク受容層の設けられる一方の面をポリオレフィン樹脂で被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙が挙げられ、より好ましくは両面を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙を挙げることができる。前記ポリオレフィン樹脂被覆紙の好ましい形態としては、JIS−B0601による10点平均粗さが0.5μm以下で、かつJIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が25〜75%である。
また、樹脂被覆紙の厚さには特に制限はないが、25μm〜500μmであることが好ましい。25μmより薄いとインクジェット記録用シートの剛性が低く、手にした時の感触や、質感、或いは不透明性が低下するなどの不都合が生じる。また、500μmより厚いと剛直になり扱いにくく、プリンターでの給紙走行でのトラブル発生の原因となることがある。より好ましい範囲は50μm〜300μmである。また、原紙の重さにも特に制限はないが、25g/m2〜500g/m2の範囲であることが好ましい。
さらに、上質紙などの紙を支持体として用いる場合には、良好な発色性と解像度を得るためにステキヒトサイズ度が15秒以上、さらには25秒以上の物を用いることが好ましい。
また、その他にも、ガラスまたは金属などからなるシートなどを使用してもよい。また、これら支持体とインク受容層との接着強度を向上させるため、支持体表面にコロナ放電処理や各種アンダーコート処理を施すことも可能である。
本発明においてインク受容層の形成に使用できる無機顔料としては、インク吸収能が高く、発色性に優れ、高品位の画像が形成可能な微粒子であることが好ましい。このような無機顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ケイソウ土、アルミナ、アルミナ水和物、コロイダルアルミナ、水酸化アルミニウム、ベーマイト構造のアルミナ水和物および擬ベーマイト構造のアルミナ水和物、リトポン、ゼオライトなどが挙げられ、これらを単独或いは複数種併用することができる。
上記無機顔料の形態としては、高光沢かつ高透明性のインク受容層を得るために、平均粒径が100nm〜500nmの範囲が好ましく、より好ましくは100nm〜300nmの範囲である。無機顔料の平均粒径が100nmより小さい場合、インク受容層のインク吸収性が著しく低下し、吐出量の多いプリンターで印字した際にインクの滲みやビーディング(インクを吸収できずに粒状の濃度ムラとなる現象)が発生する。一方、平均粒径が500nmより大きい場合は、インク受容層の透明性が低下するとともに、画像の印字濃度や光沢が低下する場合がある。なお、本発明でいう平均粒径は動的光散乱法によって測定され、「高分子の構造(2)散乱実験と形態観察 第1章 光散乱」(共立出版 高分子学会編)、或いはJ.Chem.Phys.,70(B),15 Apl.,3965(1979)に記載のキュムラント法を用いた解析から求めることができる。
上記無機顔料の中で特に好ましく用いられるのは、ベーマイト構造または擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物であり、これらの無機顔料は特にインク吸収能が高く、発色性に優れ、高品位の画像が形成可能である。
特に、BET比表面積が50m2/g以上の、ベーマイト構造または擬ベーマイト構造のアルミナ水和物が好ましく、より好ましくは50〜500m2/gの範囲であり、さらに好ましくは50〜250m2/gの範囲である。アルミナ水和物のBET比表面積が50〜250m2/gの範囲である場合、インク受容層のインク吸収性、ビーディングおよび平滑性などに優れる。一方、BET比表面積が50m2/g未満の場合、インク受容層の透明性や、画像濃度が低下して、印字物が白くモヤのかかったような画像になりやすく、また、BET比表面積が500m2/gを超える場合、インク吸収性が低下したり、アルミナ水和物を安定に分散するために解膠剤として多量の酸が必要となるため好ましくない。
本発明で好ましく用いられるベーマイト構造、または擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物は下記一般式(2)により表される。
Al23-n(OH)2n・mH2O・・・一般式(2)
式中、nは0、1、2または3の整数の内、いずれかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表す。mH2Oは多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でない値をとることができる。また、この種のアルミナ水和物をか焼するとmは0の値に達することがあり得る。
一般にベーマイト構造を示すアルミナ水和物の結晶は、その(020)面が巨大平面を形成する層状化合物であり、X線回折図形に特有の回折ピークを示す。ベーマイト構造としては、完全ベーマイトの他に擬ベーマイトと称する、過剰な水を(020)面の層間に含んだ構造を取ることもできる。この擬ベーマイトのX線回折図形は完全なベーマイトよりも幅広な回折ピークを示す。完全ベーマイトと擬ベーマイトは明確に区別できるものではないので、以下特に断らない限り、両者を含めてベーマイト構造を示すアルミナ水和物という。
本発明でバインダーとして使用される水溶性樹脂または水分散性樹脂としては、例えば、ゼラチン、カゼインおよびそれらの変性物、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはその変性物(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性など)、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸またはその共重合体、アクリルアミド系樹脂、無水マレイン酸系共重合体、ポリエステル系樹脂、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックスおよびこれらの各種重合体ラテックスにカチオン性基またはアニオン性基を付与した官能基変性重合体ラテックス類などが挙げられる。好ましいのは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールで、平均重合度が300〜5,000のものである。ケン化度は70〜100%未満のものが好ましく、特に80〜99.5%(とりわけ80〜90%)のものが好ましい。また、これらの水溶性または水分散性樹脂は単独或いは複数種混合して用いることができる。
また、前記無機顔料(A)と水溶性および/または水分散性樹脂(B)の混合質量比は、好ましくはA:B=1:1〜30:1、より好ましくはA:B=1.5:1〜20:1の範囲である。水溶性樹脂および/または水分散性樹脂の量がこれらの範囲内であれば、形成されたインク受容層のひび割れや粉落ちが発生し難くなり、インク吸収性も良い。
また、本発明の被記録媒体において、無機顔料、および水溶性または水分散性樹脂によって形成される皮膜の造膜性、耐水性および皮膜強度を改善するために、インク受容層中に硬膜剤を添加してもよい。一般に、硬膜剤は使用するポリマーが持つ反応性基の種類によって様々なものが選択され、例えば、ポリビニルアルコール系の樹脂であれば、エポキシ系硬膜剤や、ホウ酸などのホウ素化合物或いは水溶性アルミニウム塩などの無機系硬膜剤などが挙げられる。
ホウ素化合物の使用量は、バインダーとして用いる水溶性樹脂および/または水分散性樹脂の量によって変化するが、概ね水溶性樹脂および/または水分散性樹脂に対して0.1〜30質量%の割合で添加するとよい。ホウ素化合物の含有量が、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂に対し0.1質量%に満たないと、造膜性が低下し十分な耐水性が得られない。逆に、30質量%を超える場合では塗布液粘度の経時変化が大きくなり、塗布安定性が低下することがある。
本発明においては必要に応じてカチオン性樹脂を併用することができる。本発明で使用可能なカチオン性樹脂は、水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のオリゴマー、ポリマーである。特に、カチオン性樹脂が、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジメチル・ジアリル・アンモニウムクロライドを主成分とする化合物であることが好ましい。
上記重縮合物、および共重合体の高分子鎖中のモノマー配列は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、マルチブロック共重合体などのいずれの構造でもよい。また、特に分子量や分子量分布も限定されるものではないが、水溶液にした時の粘性を考慮すると、重量平均分子量は5,000〜200,000が好ましいといえる。
カチオン性樹脂は一般に、被記録媒体に形成された画像の耐水性や高温高湿下での染料の滲みを防止する目的で使用される。これらカチオン性樹脂はアニオン性の基を持つ染料分子と塩を形成し、水に対して不溶化することで画像の耐水性を向上させることができる。
また、カチオン性樹脂の使用量としては、前記無機顔料に対して0.1質量%〜10質量%の範囲が好ましい。使用量が0.1質量%より少ない場合には目的とする耐水性の効果を十分得ることができず、また、使用量が10質量%より多い場合には画像の色調が全体的に変わってしまったり、耐光性を低下させるおそれがある。
本発明の被記録媒体の構成としては、支持体上に少なくとも前記本発明の酸化防止剤を含有する一層以上のインク受容層を設けたもの、さらに前記酸化防止剤を含む塗布液をインク受容層上にオーバーコートしたもの、或いは前記酸化防止剤を含む塗布液を支持体表面に微量塗布してインク受容層を形成させた構成などが選択できる。本発明では、これらの構成も「支持体の表面にインク受容層が形成されたもの」として包含する。
インク受容層を形成するための塗布液中の固形分濃度は、基材上にインク受容層を形成できる程度の粘度であれば特に制限はないが、塗布液全質量に対して5〜50質量%が好ましい。固形分濃度が5質量%未満の場合は、インク受容層の膜厚を厚くするのに塗布量を増やす必要があり、乾燥に多くの時間とエネルギーを必要とすることから非経済的となる場合がある。また、50質量%を超えると塗布液の粘度が高くなり、塗布性が低下する場合がある。
また、前記塗布液には、本発明の効果を妨げない範囲内で各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、界面活性剤、増粘剤、硬膜剤、消泡剤、インク定着剤、ドット調整剤、着色剤、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、帯電防止剤、導電剤などを挙げることができる。
調製された塗布液を基材上に塗布する方法としては、公知の任意の塗布法が適用でき、例えば、ブレードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、スロットダイコーティング法、バーコーティング法、グラビアコーティング法、ロールコーティング法などの塗布方式による塗布が可能であり、その後、熱風乾燥機、熱ドラム、遠赤外線乾燥機などの乾燥装置を用いて乾燥することで、インク受容層を形成することができる。なお、インク受容層は、前記無機顔料と樹脂およびその他の添加剤の組成比を変更して形成してもよく、基材の片面若しくは両面に形成することも可能である。また、画像の解像度および搬送性などを向上させる目的で、カレンダーなどの装置を用いて平滑化処理してもよい。
塗布液の基材上への塗布量として好ましい範囲は、固形分換算で0.5〜60g/m2であり、より好ましい範囲は5〜55g/m2である。塗布量が0.5g/m2未満の場合は、形成されたインク受容層がインクの水分を十分に吸収できず、インクが流れたり、画像が滲んだりする場合があり、60g/m2を超えると、乾燥時にカールが発生したり、印字性能に期待されるほど顕著な効果が現れない場合がある。
以上の如き本発明の酸化防止剤を適用した被記録媒体が、ガスおよび光による画像の退色や変色を防止した理由については明確ではないが、本発明の酸化防止剤がインク受容層中でラジカルや過酸化物の発生を抑制した結果であると推察される。
なお、本発明の被記録媒体に記録する際に使用するインクは特に限定されないが、色材として染料または顔料を使用し、媒体として水と水溶性有機溶剤との混合物を使用し、該媒体に染料または顔料を溶解または分散させた一般的なインクジェット記録用の水性インクの使用が好ましい。
前記被記録媒体に上記インクを付与して画像形成を行う方法としては、インクジェット記録方法が特に好適であり、このインクジェット記録方法としてはインクをノズルより効果的に離脱させて、被記録媒体にインクを付与し得る方法であれば如何なる方法でもよい。特に特開昭54−59936号公報などに記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット方式は有効に使用することができる。
以上、本発明の酸化防止剤を水性塗工液から形成したインク受容層を有する被記録媒体への応用を例として説明したが、本発明の酸化防止剤の用途は上記被記録媒体に限定されない。例えば、ポリオール成分がポリエチレングリコール以外のポリオールである場合の酸化防止剤は水溶性や水分散性が充分ではないが、水不溶性の酸化防止剤は乳化剤などによって乳化液としても使用してインク受容層に含有させることができ、また、被記録媒体以外の種々の用途、例えば、油性インク、油性塗料、食品、化粧品、フィルムや成形体などの合成樹脂などの酸化防止剤としても有用である。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例および比較例中、「部」および「%」は特に記載が無い限り質量基準である。
<アルミナ水和物の製造>
米国特許第4,242,271号明細書に記載された方法でアルミニウムドデキシドを製造した。次に米国特許第4,202,870号明細書に記載された方法で、前記アルミニウムドデキシドを加水分解してアルミナスラリーを製造した。このアルミナスラリーにベーマイト構造を有するアルミナ水和物固形分が7.7%になるまで水を加えた。アルミナスラリーのpHは9.4であった。3.9%の硝酸溶液を加えてpHを調整した。
次に、オートクレーブを用いて、熟成前のpH:6.0、熟成温度:150℃、熟成時間:6時間にて熟成を行いコロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルを入口温度87℃でスプレードライしてアルミナ水和物粉末としたが、得られた粉末は粒子形状が平板状で、結晶構造がベーマイト構造であるアルミナ水和物であった。さらにイオン交換水中に、前記ベーマイト構造を有するアルミナ水和物を20%混合することにより、アルミナ水和物分散液を調製した。
前記方法で得られた分散液を超音波ホモジナイザー(UH−600S、株式会社エスエムテー製)を用いて再分散し20%のアルミナ水和物分散液を調製した。得られたアルミナ水和物分散液の平均粒径はレーザー粒径解析装置PARIII(大塚電子(株)製)を用いて測定した。その結果、平均粒径は165.5nmであった。
<実施例1>
<酸化防止剤Aの製造方法>
攪拌装置、温度計、還流脱水器を付けた密閉反応容器に、チオジプロピオン酸100部、数平均分子量が300のポリエチレングリコール210部、トルエン374部、およびメタンスルホン酸1.9部を仕込み、生成する水を還流脱水除去しながら、110℃で8時間の反応を行い、酸化防止剤を含んだトルエン溶液を得た。その後、減圧濃縮によりトルエンを除去し、淡黄色の液体である酸化防止剤Aを得た。
<実施例2>
<酸化防止剤Bの製造方法>
攪拌装置、温度計を付けた密閉反応容器を窒素置換した後、チオジプロピオン酸100部、数平均分子量が300のポリエチレングリコール210部、およびメタンスルホン酸1.9部を仕込み、192℃にて3.5時間、さらに窒素を停止して20〜2mmHgの減圧下に3.5時間にわたり、脱水縮合によるエステル化反応を行った。
上記で得られた酸化防止剤AおよびBを、GPC(Gel Permeation Chromatography、CO-8011(東ソー(株)社製、検出器;RI−8012、カラム;PLgel 10μm MIXED−B 30cm×3(PL社製))を用いて測定したところ、酸化防止剤Aは重量平均分子量3,200、分子量分布(Mw/Mn)が1.2の高分子量体であり、チオジプロピオン酸単位の含有量が67.7%であることが分かった。また、酸化防止剤Bは重量平均分子量が14,500、分子量分布が2.0の高分子量体であり、チオジプロピオン酸単位の含有量が67.7%であることが分かった。
<実施例3>
前述のアルミナ水和物分散液100部に対してホウ酸を0.4部(アルミナ水和物に対して2%)および酸化防止剤Aを0.2部(アルミナ水和物に対して1%)添加し、さらにポリビニルアルコール(PVA245、クラレ(株)製)の5%水溶液を、固形分換算で2部(アルミナ水和物に対して10%)添加してスリーワンモータで均一になるまで撹拌した。その後、支持体としてポリエチレン被覆紙(王子製紙(株)製;厚さ:224μm、坪量234g/m2;JIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が64%;特注品)を用い、その上に先に調製した塗布液を乾燥塗布量が35g/m2となるようにメイヤーバーで塗布した後、乾燥機で110℃、20分間乾燥して本発明の被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例3において、酸化防止剤Aの添加量を1.0部とした以外は実施例3と同様にして本発明の被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2を行った。結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例3において、酸化防止剤Aの添加量を2.0部とした以外は実施例3と同様にして本発明の被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2を行った。結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例5において、酸化防止剤Aを酸化防止剤Bとした以外は実施例5と同様にして本発明の被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2を行った。結果を表2に示す。
<比較例1>
実施例3において、酸化防止剤をチオジプロピオン酸に変更した以外は実施例3と同様にして塗布液を調製したが、チオジプロピオン酸はアルミナ水和物分散液に添加した段階で分離した。よって、インク受容層中にチオジプロピオン酸を均一に添加することが困難なことから被記録媒体を作製しなかった。
<比較例2>
実施例3において、酸化防止剤を添加しなかった以外は実施例3と同様にして被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2を行った。結果を表1に示す。
<評価1:ガスによる退色・変色抑制効果についての評価方法(残OD率)>
オゾン曝露による退色・変色を、インクジェット記録装置(BJ F870、キヤノン(株)製)を用いてシアン(C)インクおよびブラック(Bk)インクを単色で、かつインク量100%でベタ印字した被記録媒体をオゾン曝露試験機(スガ試験機社製、特注品)に入れて、40℃・55%RHの条件下で濃度1ppmのオゾンに4時間曝露し、シアンおよびブラックの光学濃度を光学反射濃度計(グレタマクベス社製、RD−918)を用いて測定し、下記式(1)より残OD率を算出して評価した。
残OD率=(試験後のOD/試験前のOD)×100%・・・式(1)
<評価2:光による退色・変色抑制効果についての評価方法(残OD率)>
インクジェット記録装置(BJ F870、キヤノン(株)製)を用いて、マゼンタ(M)インクを単色で、かつインク量100%でベタ印字した被記録媒体をアトラスフェードオメーター(条件;波長340nmにおける照射強度0.39W/m2、温度45℃、湿度50%)に投入し、100時間後にマゼンタの光学濃度を光学反射濃度計(グレタマクベス社製、RD−918)を用いて測定し、上記式(1)より残OD率を算出して評価を行った。
Figure 0004343813
上記の結果から、本発明の実施例1および実施例2の酸化防止剤をインク受容層に適用した本発明の実施例3〜6の被記録媒体では、酸化防止剤を添加しなかった比較例2より明らかに耐ガス性、耐光性に対する特性が向上しており、長期保存に適した被記録媒体とすることができた。
本発明の酸化防止剤は種々の用途に有用であり、特に少なくともインク受容層に、本発明の酸化防止剤を含有する本発明の被記録媒体は、大気中の酸性ガスや光による画像の変退色を効果的に防止した、長期保存に好適な被記録媒体である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と二つ以上の水酸基を有するノニオン性ポリオールとを反応して得られる高分子化合物を含有することを特徴とする酸化防止剤。
    HOOC−(CH2l−(S)m−(CH2n−COOH・・・一般式(1)
    〔式中、mは1または2を、lおよびnは1〜11の整数を示す〕
  2. 前記ノニオン性ポリオールが、少なくともポリエチレングリコールを含む請求項1に記載の酸化防止剤。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物が、3,3’−チオジプロピオン酸である請求項1に記載の酸化防止剤。
  4. 重量平均分子量が1,000〜100,000であり、かつ一般式(1)で表される化合物のユニットが、10〜70質量%を占める請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化防止剤。
  5. 支持体の少なくとも一方の面に、一層以上のインク受容層を設けた被記録媒体において、該インク受容層が請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化防止剤を含有することを特徴とする被記録媒体。
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