JPH09241434A - 加硫ゴム組成物及び加硫ゴム成形品 - Google Patents

加硫ゴム組成物及び加硫ゴム成形品

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JPH09241434A
JPH09241434A JP8079299A JP7929996A JPH09241434A JP H09241434 A JPH09241434 A JP H09241434A JP 8079299 A JP8079299 A JP 8079299A JP 7929996 A JP7929996 A JP 7929996A JP H09241434 A JPH09241434 A JP H09241434A
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山田均
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 HFC、HCFC、CFCフロン及びそれら
に使用される冷凍機油にいずれに対しても優れた耐性及
び耐発泡亀裂性を示し、かつ、HFCフロンに使用され
るエステル油の加水分解等、冷凍機油の劣化をほとんど
促進しない加硫ゴム組成物およびその成形品を提供する
ことを主たる目的とする。 【解決手段】 ニトリル系ゴムに基づく架橋ゴム組成物
において、 1,2結合を40%以上含有する液状ポリブタジ
エンを上記ゴム100 重量部に対し 0.1〜30重量部含有
し、βジケトンキレートアルミニウム化合物を上記ゴム
100 重量部に対し0.01〜20重量部含有するフロン及び/
又は冷凍機油用の加硫ゴム組成物であり、またその成形
品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロン及び/又は
冷凍機油の存在下で用いられる加硫ゴム組成物及びその
成形品に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】現在、地球をとり巻く
オゾン層の破壊が問題視され、オゾンを破壊するフロン
ガスの幾つかが数年後に廃止されることが決定されてい
る。そのため、冷凍機・エアコン等の冷媒として使用す
るフロンガスは、R−11(CCl3 F)、R−12
(CCl2 2 )等のCFC(C、H、Clの 3元素か
らなるフロン)から、R−22(CHCl2 F)、R−
123(CHClFCClF2 )等のHCFC(C、
H、Cl、Fの 4元素からなるフロン)、さらにはR−
134a(CH2 FCF3 )、R−407C(CH2
2 /CF3 CHF2 /CH2 FCF3 の混合物(23/25
/52Wt%)等のHFC(C、H、Fの 3元素からなる
フロン、オゾン破壊係数 0)へと代替され始めている。
それに応じて、使用する冷凍機油(冷凍機の潤滑油)
も、旧フロンで使用されていた鉱油からエステル系、ポ
リアルキレングリコール系等の油に徐々に置き代わりつ
つある。
【0003】冷媒及び冷凍機油の代替に伴い、それらの
代替品に適し、かつ従来品にも適するゴムが求められる
ようになった。従来用いられていたフッ素ゴムは、新フ
ロンであるR−134aに侵される。また、クロロプレ
ンゴムはエステル油の加水分解を促進し、冷凍機油を劣
化させる。そこで、新フロン用のゴムとして、ニトリル
ゴムや塩素化ポリエチレンに基づく加硫ゴム組成物が検
討されている。
【0004】例えば、特開平3-250037号公報にニトリル
ゴムと塩素化ポリエチレン及び有機過酸化物を含有する
加硫ゴム組成物が、特開平5-140334号公報に塩素化ゴム
(塩素化ポリエチレン、クロロプレンゴム等)とニトリ
ルゴムとから成る代替フロン用ゴム成形体が、特開平6-
128415号公報にニトリルゴムと塩素化エチレン・プロピ
レン系共重合ゴムのブレンドゴムに有機過酸化物を添加
してなるブレンドゴム組成物が、それぞれ提案されてい
る。
【0005】しかしながら、塩素化ゴムを含有する加硫
ゴム組成物を冷凍機油中で用いると、成分中の塩素が触
媒として働き、冷凍機油の加水分解を促進し、その結
果、粘度低下を招いて潤滑性能が低下するという不都合
を生じる。特にフロンが共存する場合や、冷凍機油がエ
ステル油である場合、その傾向が顕著である。特開平5-
140334号公報では、加硫ゴム組成物に金属酸化物、金属
水酸化物、金属石鹸等を含有させる旨が記載されている
が、これらの金属化合物はエステル油の加水分解をさら
に促進する。
【0006】また、特公平 5-17930号公報には水素添加
ニトリルゴム 100重量部当たり10〜150 重量部のカーボ
ンブラックを添加してなるOリング成形用加硫ゴム組成
物が、特開平 5-65369号公報にはムーニー粘度(ML
1+4 (100 ℃)) 100以上の水素添加ニトリルゴム及び
有機過酸化物を含有してなる加硫ゴム組成物が、特公平
7-35453 号公報には水素添加アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合ゴムおよび液状ポリブタジエンよりなり加工
性を改良した水添NBR組成物が、それぞれ開示されて
いる。しかし、上記公報に開示された技術に従う加硫ゴ
ム組成物は、フロン特にHCFCに対して耐性が低く、
例えばゴム組成物がHCFCフロンの循環系内で使用さ
れる場合において、移設などのためにフロンを抜いた時
や冷凍機の運転の停止した時に生じる循環系内の減圧に
よって発泡亀裂が生じやすいなど、フロンおよび冷凍機
油に対する耐性、フロンに対する耐発泡亀裂性は必ずし
も満足できるものではない。
【0007】このようにHFC、HCFC、CFCフロ
ン及びそれらに使用される冷凍機油いずれに対しても十
分な耐性及び耐発泡亀裂性を有し、かつエステル油の加
水分解など、冷凍機油の劣化を促進しないゴム組成物は
発表されていない。
【0008】本発明は、HFC、HCFC、CFCフロ
ン及びそれらに使用される冷凍機油にいずれに対しても
優れた耐性及び耐発泡亀裂性を示し、かつ、HFCフロ
ンに使用されるエステル油の加水分解等、冷凍機油の劣
化をほとんど促進しない加硫ゴム組成物およびその成形
品を提供することを主たる目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ニトリル
基を有するゴムに基づく架橋ゴム組成物に、 1,2付加結
合の液状ポリブタジエンと特定のβジケトンキレート化
合物の双方を特定量含有させることによって、HFC、
HCFCフロン及びそれらに使用される冷凍機油に対す
る耐性、特にHCFCフロンによる耐発泡亀裂性が著し
く改善され、しかもエステル系冷凍機油の加水分解等、
冷凍機油の劣化をほとんど促進することのないゴム組成
物が得られることを見いだした。
【0010】すなわち本発明は、ニトリル基を有する架
橋可能なゴムを主成分とする組成物において、モノマー
間の結合のうち 1,2結合を40%以上含有する液状ポリブ
タジエンまたは変性液状ポリブタジエンを、上記ゴム10
0 重量部に対し 0.1〜30重量部含有し、かつ次の一般式
で表される化合物(I )を、
【0011】
【化2】 (ここで、R1 は水素原子またはアルキル基であり、R
2 はアルキル基またはフェニル基であり、R3 はアルキ
ル基、アルコキシ基またはアルケニルオキシ基であり、
nは 1または 2である) 上記ゴム100 重量部に対し0.01〜20重量部含有すること
を特徴とするフロン及び/又は冷凍機油用の加硫ゴム組
成物であり、またこの加硫ゴム組成物を成形してなる加
硫ゴム成形品である。
【0012】本発明でいうニトリル基を有する架橋可能
なゴムには、種々のニトリルゴム及び水素化ニトリルゴ
ム、並びにカルボキシル化ニトリルゴムなどの変性ニト
リルゴムを包含する(以下、ニトリル系ゴムと略す)。
本発明において用いられるニトリル系ゴムは、そのニト
リル量、水素添加率、分子量、ムーニー粘度等に特に制
限はなく、複数のニトリルゴム、水素化ニトリルゴム及
び/または変性ニトリルゴムを併用することもできる。
【0013】本発明においては、ニトリル系ゴムのうち
で、特に水素化ニトリルゴムを使用するのが好ましい。
水素化ニトリルゴム(以下、HNBRと略す)は、例え
ば日本ゼオン社のZetpol(商品名)、バイエル社
のテルバン(商品名)などが市販されている。HNBR
のヨウ素価は、中心値が50%以下、好ましくは 3〜40
%、より好ましくは 8〜30%の範囲内にあるのが良い。
ヨウ素価の中心値が50%に近い(水素添加率の比較的高
い)HNBRを用いることにより、フロン及び冷凍機油
に対する耐性をより高いものとすることができ、水素添
加率を抑えたものを用いることによって低温でのゴム弾
性を保持することができる。HNBRのニトリル量は、
中心値が15〜60%、好ましくは30〜55%、より好ましく
は40〜50%の範囲内にあるのが望ましい。ニトリル量が
15%以上、特に30%以上のHNBRを用いることによっ
て、フロン及び冷凍機油に対する耐性がより高くなり、
ニトリル量60%以下、特に50%以下のものを用いること
によって、耐寒性を保つことができる。また、ムーニー
粘度は、ML1+4 ,(100 ℃)の中心値(以下、ムーニ
ー粘度と略す)が55〜100 、好ましくは65〜95、より好
ましくは75〜90の範囲内にあるのが良い。ムーニー粘度
がこの範囲内のHNBRを用いることによって、ゴム組
成物はフロン及び冷凍機油に対するより高い耐性、耐発
泡亀裂性、並びに柔軟性及び耐寒性を保持する。
【0014】架橋ゴム自体は公知であり、未架橋のゴム
を例えば過酸化物を用いて架橋することによって得るこ
とができる。架橋に使用する過酸化物としては、例えば
ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、
t−ブチルクミルペルオキサイド、1,1-ジ(t−ブチル
ペルオキシ)−3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-
ジメチル−2,5-ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、
2,5-ジメチル−2,5-ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシ
ン-3、1,3-ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、2,5-ジメチル−2,5-ジ(ベンゾイルペルオキ
シ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカー
ボネート、n−ブチル−4,4-ジ(t−ブチルペルオキ
シ)バレレート、α,α′−ビス(t−ブチルペルオキ
シ−m−イソプロピル)ベンゼン、ベンゾイルペルオキ
シド等が挙げられるが、これらに限定されない。これら
過酸化物は、予めカーボンブラック、炭酸カルシウム、
ゴム等に混合されたものを用いることもできる。過酸化
物添加量は、ゴム100 重量部に対して 0.5〜30重量部、
特に 1〜15重量部とするのが好ましい。過酸化物添加量
が 0.5重量部未満であるとフロン・冷凍機油に対するゴ
ム組成物の耐性、耐発泡亀裂性がさぼど高くならず、30
重量部を超えるとゴム組成物が硬くなり過ぎるおそれが
ある。
【0015】本発明における重要な要件は、上記架橋ゴ
ム組成物が、特定の液状ポリブタジエンと化合物(I )
の双方を含有することである。このことによって、フロ
ン及び冷凍機油の双方に対して優れた耐性を示すゴム組
成物が得られる。特に、ゴム組成物がHCFCフロンの
循環系内で使用される場合において、移設などのために
フロンを抜いた時や冷凍機の運転の停止した時に、従来
のゴム組成物では発生していたフロンによる発泡亀裂が
生じることが少なくなり、高い耐発泡亀裂性を有するも
のとなる。
【0016】液状ポリブタジエンを単独で用いた場合、
耐発泡亀裂性は改善されるものの、その効果は十分では
ない。また化合物(I )を単独で用いた場合、耐発泡亀
裂性はほとんど改善されない。ところが、液状ポリブタ
ジエンと化合物(I )の両方を併用することにより得ら
れるゴム組成物は、非常に高い耐発泡亀裂性を有する。
これは、全く予想されなかったことである。また、冷凍
機油の劣化を促進することがほとんどない。特に、エス
テル系冷凍機油の存在下で用いられた場合、エステル油
の全酸価が、化合物(I )を含まない従来のゴム組成物
に比べてかなり小さくなる利点がある。
【0017】本発明において使用される液状ポリブタジ
エンは、平均分子量 1000 〜 3000程度で20〜39℃前後
で流動性を示し、液状ポリブタジエンを構成するモノマ
ー(ブタジエン、変性ブタジエンなど)間の結合形態の
うち 1,2結合が40%以上のもので、例えばポリ−1,2-ブ
タジエンあるいは、ポリ−1,2-ブタジエンとポリ−1,4-
トランスブタジエンやポリ−1,4-シスブタジエン、変性
液状ポリブタジエン(例えばヒドロキシル化ポリブタジ
エン、カルボキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ポリブ
タジエン等)などの共重合体等が挙げられ、これらの液
状ポリブタジエンは複数種使用することもできる。
【0018】本発明において使用する液状ポリブタジエ
ンはモノマー間の結合形態のうち 1,2結合が40%以上、
好ましくは60%以上、より好ましくは85%以上含有する
液状ポリブタジエンである。ポリマー中に 1,2結合が多
く有する液状ポリブタジエンほど高い耐発泡亀裂性、耐
フロン性、耐冷凍機油性を与える。一方 1,2結合が40%
未満の液状ポリブタジエンは耐発泡亀裂性がむしろ悪化
することもある。 1,2結合を多く含有する液状ポリブタ
ジエンは、例えば日本曹達社よりNISSO−PBの商
標で市販されている。液状ポリブタジエンの使用量は固
形ゴム100 重量部に対して 0.1〜30重量部、好ましくは
5〜15重量部の範囲内にあるのがよい。この範囲では液
状ポリブタジエンの使用量が増えるに従って耐発泡亀裂
性が高くなり、耐フロン性、耐冷凍機油性も向上する。
液状ポリブタジエンの使用量が30重量部を超える場合は
ゴム組成物が硬くなり好ましくない。液状ポリブタジエ
ンの使用量が 0.1重量部未満ではゴム組成物の耐フロン
性、耐冷凍機油性、耐発泡亀裂性がさほど高くならな
い。
【0019】本発明に用いる化合物(I )の例として
は、モノ(オレイル-3−オキソブタノエート−O1 ,O
3 )−ビス(2-プロパノレート)アルミニウム(III )
(以下、OBPAと略す)、アルミニウム(III )ジ−
sec−ブトキサイドエチルアセトアセテート(以下、
ABEAと略す)、アルミニウム(III )ジイソプロポ
キサイドエチルアセトアセテート(以下、AIEAと略
す)、ビス(オレイル-3−オキソブタノエート−O1
3 )−モノ(2-プロパノレート)アルミニウム(III
)、モノ(ステアリル-3−オキソブタノエート−
1 ,O3 )−ジヒドロキシアルミニウム(III )、モ
ノ(エチル-3−オキソブタノエート−O1 ,O3)−ジ
ヒドロキシアルミニウム(III )、モノ(エトキシ-3−
オキソブタノエート−O1 ,O3 )−ジヒドロキシアル
ミニウム(III )、モノ(エトキシ-3−オキソブタノエ
ート−O1 ,O3 )−ビス(2-プロパノレート)アルミ
ニウム(III )、モノ(プロポキシ-3−オキソブタノエ
ート−O1 ,O3 )−ビス(2-プロパノレート)アルミ
ニウム(III )、モノ(オレイル-3−オキソ-3−フェニ
ルプロピオネート−O1 ,O3 )−ビス(2-プロパノレ
ート)アルミニウム(III )等が挙げられ、これらの化
合物(I )は複数種使用することもできる。
【0020】本発明で使用する化合物(I )において
は、R1 が炭素数 1〜5 のアルキル基であり、R2 が炭
素数 1〜5 のアルキル基であり、R3 が炭素数 1〜25の
アルコキシ基であるものを選定するのが良く、より好ま
しくはOBPA(R1 =イソプロピル基、R2 =メチル
基、R3 =−OC1835、n=1 )、ABEA(R1
sec−ブチルキ、R2 =メチル基、R3 =エトキシ
基、n=1 )、AIEA(R1 =イソプロピル基、R2
=メチル基、R3 =エトキシ基、n=1 )さらにより好
ましくは、R1 がイソプロピル基またはsec−ブチル
基、R2 がメチル基、R3 がエトキシ基または−OC18
35であり、n=1 である。
【0021】本発明においては、化合物(I )の含有量
を、ゴム 100重量部に対し 0.01 〜20重量部、好ましく
は 0.05 〜10.0重量部、より好ましくは 0.1〜 5.0重量
部とする。化合物(I )の含有量が 0.01 重量部未満で
はゴム組成物の耐フロン性、耐冷凍機油、耐発泡亀裂性
はさほど改善されず、また、冷凍機油の全酸価もさほど
小さくならない。20重量部を超える場合も、同様にゴム
組成物の耐フロン性、耐冷凍機油性、耐発泡亀裂性はさ
ほど改善されず冷凍機油の全酸価もさほど小さくならな
い。
【0022】本発明に従い液状ポリブタジエンと化合物
(I )の双方を含有する上記ゴム組成物は、種々のフロ
ン、例えばR−134a、R−407C等のHFC、R
−22、R−123等のHCFC、R−11、R−12
等のCFC;種々の冷凍機油、例えばエステル油、ポリ
アルキレングリコール油、エーテル油、ポリカーボネー
ト油、パラフィン系・ナフテン系の鉱物油、アルキルベ
ンゼン、ポリ−α−オレフィン等;並びにそれらの混合
物のいずれに対しても優れた耐性を示す。また、フロン
の急激な減圧の際にも発泡亀裂が少なくなるなど、耐発
泡亀裂性の向上に顕著な効果が見られる。この効果は特
にHCFCフロンに対して特に顕著である。
【0023】本発明のゴム組成物には、上記成分以外
に、SAF(粒系約11〜19nm)、ISAF(粒系約20
〜25nm)、HAF(粒系約26〜30nm)、FF(粒系
約31〜39nm)、FEF(粒系約40〜48nm)、CPF
(粒系約49〜60nm)、SRF(粒系約61〜100 n
m)、FT(粒系約 101〜200 nm)、MT(粒系約 2
01〜500nm)、等のカーボンブラックを配合すること
もできる。また、オゾン劣化防止剤、酸化防止剤等の劣
化防止剤を配合しても良い。例えば6-エトキシ−1,2-ジ
ヒドロ−2,2,4-トリメチルキノリン、フェニル-1−ナフ
チルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、p−(p−
トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,
N′−ジ-2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、α−
メチルベンジルフェノール、N,N′−ジフェニル−p
−フェニレンジアミン、2,6-ジ−tert−ブチル−4-
メチルフェノール、 4,4′−ビス(α,α−ジメチルベ
ンジル)ジフェニルアミン、 4,4′−チオビス(3-メチ
ル-6−tert−ブチルフェノール)、2,2,4-トリメチ
ル−1,2-ジヒドロキノリン重合体、2,5-ジ−tert−
ブチルハイドロキノン、2-メルカプトベンツイミダゾー
ル、2-メルカプトメチルベンツイミダゾール、2-メルカ
プトベンツイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカル
バミン酸ニッケル、トリブチルチオ尿素、トリス(ノニ
ルフェニル)ホスファイト、チオジプロピオン酸ジラウ
リル等を配合することも可能である。過酸化物架橋用架
橋助剤、例えばトリアリルイソシアヌレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、多官能性メタクリレートモノマ
ー、多価アルコール(メタ)アクリレート等を配合して
も良い。本発明のゴム組成物には他に、微細シリカ等の
補強剤;タルク、クレー、グラファイト、ケイ酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填材;アラ
ミド繊維、カーボン繊維、ガラス繊維等の補強用繊維;
その他、粘着付与剤、可塑剤、着色剤、加工助剤等、種
々の慣用のゴム組成物用添加物を含有させることも可能
である。
【0024】本発明のゴム組成物の製法には特に制限は
なく、通常のゴム練り・加硫法を用いることが出来る。
例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、加圧ニ
ーダー、押出機等を用いて混練した後、所望の形状に成
形加硫すれば良い。成形は、射出成形機、圧縮成形機、
加硫プレス等を用い、例えば 150〜250 ℃程度の温度で
約 3〜60分間架橋することによって行うことができる。
120〜200 ℃程度のオーブン中で 1〜24時間の二次架橋
を行っても良い。
【0025】本発明のゴム組成物は、フロン、冷凍機油
に対して優れた耐性を示し、さらにフロンに対して非常
に高い耐発泡亀裂性を有する。しかも冷凍機油の劣化を
ほとんど進行させない。従って、本発明のゴム組成物
は、冷凍機及びエアコン等、特にそれらのコンプレッサ
ー中で用いられるOリング、ゴムスリーブ、パッキン、
ホース、チューブ等のゴム部品の成形材料としての使用
に適している。
【0026】本発明はまた、上記のゴム組成物から成る
加硫成形品、例えばOリング、ゴムスリーブ、パッキ
ン、ホース、チューブ等を包含する。該加硫成形品は、
種々のフロン、例えばR−134a、R−407C等の
HFC、R−22、R−123等のHCFC、R−1
1、R−12等のCFC;種々の冷凍機油、例えばエス
テル油、ポリアルキレングリコール油、エーテル油、ポ
リカーボネート油、パラフィン系・ナフテン系の鉱物
油、アルキルベンゼン、ポリ−α−オレフィン等;並び
に、それらの混合物のいずれに対しても優れた耐性を示
す。特にHCFCフロンによる耐発泡亀裂性の向上に顕
著な効果が見られる。本発明の加硫成形品はゴム組成物
がHCFCフロンの循環系内で使用される場合におい
て、移設などのためにフロンを抜いた時や冷凍機の運転
の停止した時に循環系内の減圧が生じたときにも発泡亀
裂の発生することがきわめて少なく、ゴム部品としての
機能を損なわない。また、冷凍機油の劣化を促進するこ
とがほとんどないため、加水分解しやすいエステル油を
用いた冷凍機、エアコンでの使用に、特に有利である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によりさら
に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定され
るものではない。
【0028】実施例 表1,3に示した配合に従い、実施例1〜8および比較
例1〜5のゴムサンプルを作成し、フロン及び冷凍機油
を用いての浸漬試験並びに発泡試験を行った。表1,3
における配合剤の略号は次のとおりである。
【0029】HNBR:ニトリル量44%、ヨウ素価25
%、ムーニー粘度78の水添ニトリルゴム 液状PB-1: 1,2結合90%以上の液状ポリブタジエン 液状PB-2: 1,2結合65%の液状ポリブタジエン 液状PB-3: 1,2結合20%のエポキシ化ポリブタジエン TAIC:トリアリルイソシアヌレート 過酸化物-1:ジクミルパーオキシド 過酸化物-2:α,α′−ビス(t−ブチルペルオキシ−
m−イソプロピル)ベンゼン OBPA:モノ(オレイル-3−オキソブタノエート−O
1 ,O3 )−ビス(2-プロパノレート)アルミニウム
(III ) ABEA:アルミニウム(III )ジ−sec−ブトキサ
イドエチルアセトアセテート AIEA:アルミニウム(III )ジイソプロポキサイド
エチルアセトアセテート。
【0030】ゴムサンプルの作成は、ゴムをオープンロ
ールで練りながら配合剤を練り込み、熱プレスで 170℃
×10分間加熱してJISのP16Oリング状またはシー
ト状に成形し、次いでオーブンにより 150℃× 4時間二
次加硫することにより作成した。試験結果は表2,4に
示した。
【0031】発泡試験は上記のようにして調製したJI
SのP16Oリング状サンプル 6体を用い、R−407
C( 123.5g)+エステル油( 6.5g)の混合液、また
はR−22( 123.5g)+鉱油( 6.5g)の混合液に、
圧力容器内で65℃で70時間浸漬後、サンプルを速やかに
取り出し、120 ℃のオーブン中で 1時間加熱した。加熱
後、Oリングサンプルの両面を60倍の実体顕微鏡にて観
察し、発生した発泡亀裂の個数を数え、Oリングサンプ
ル 1体あたりの亀裂数に換算して耐発泡亀裂性を評価し
た。
【0032】浸漬試験は、上記のようにして調製した加
硫ゴムシートから打ち抜いた、JISの6号ダンベル状
の試験片3 枚を用い、JIS K6258に準じて浸漬
試験を行った。浸漬試験は、R−407C(50ml)+
エステル油(50ml)の混合液、R−22(50ml)+
鉱油(50ml)の混合液を用い、混合液と試験片とを圧
力容器内に入れ、125 ℃で22時間保つことにより行っ
た。浸漬後、冷凍機油の全酸価、並びに加硫ゴムの体積
変化率、重量変化率、硬さ変化、引張強さ変化率、及び
浸漬後の試験片の状態(発泡・膨潤の程度)についての
測定・観察を行った。
【0033】全酸価はJIS K3504に準じて測定
した。体積変化率は、浸漬前後での各サンプル片の重量
及び比重を基に、JIS K6258に従い計算した。
硬さ変化および引張強さ変化率は、JIS K6253
およびK6251によりそれぞれ計算した。浸漬後の試
験片の状態については、浸漬前のそれぞれの状態との比
較を目視にて観察し、発泡・膨潤の著しかったものを
4、発泡のみられなかったものを 1とし、その間のもの
を 3及び 2で表現した。
【0034】表2,4の結果から、液状ポリブタジエン
と化合物(I )の双方を含有する本発明のゴム組成物
が、液状ポリブタジエンを含まないゴム組成物よりも、
フロン及び冷凍機油に対し優れた耐性を示して、高い耐
発泡亀裂性を有すること、また本発明のゴム組成物を浸
漬した冷凍機油の劣化の度合いが小さいことが明らかで
ある。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 9:00)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニトリル基を有する架橋可能なゴムを主
    成分とする組成物において、モノマー間の結合のうち
    1,2結合を40%以上含有する液状ポリブタジエンまたは
    変性液状ポリブタジエンを、上記ゴム100 重量部に対し
    0.1〜30重量部含有し、かつ次の一般式で表される化合
    物(I )を、 【化1】 (ここで、R1 は水素原子またはアルキル基であり、R
    2 はアルキル基またはフェニル基であり、R3 はアルキ
    ル基、アルコキシ基またはアルケニルオキシ基であり、
    nは 1または 2である) 上記ゴム100 重量部に対し0.01〜20重量部含有すること
    を特徴とするフロン及び/又は冷凍機油用の加硫ゴム組
    成物。
  2. 【請求項2】 化合物(I )を表す一般式において、R
    1 がイソプロピル基またはsec−ブチル基、R2 がメ
    チル基、R3 がエトキシ基または−OC1835であると
    ともに、n=1 である請求項1記載の加硫ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 ニトリル基を有する架橋可能なゴムが、
    水素化ニトリルゴムである請求項1又は請求額2記載の
    加硫ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか 1つに記載の加硫
    ゴム組成物を成形してなる加硫ゴム成形品。
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JPWO2008001764A1 (ja) * 2006-06-30 2009-11-26 有限会社フォアロードリサーチ 架橋剤を含むラテックス組成物およびその架橋成形体
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