JPH09237824A - 物品保持装置 - Google Patents

物品保持装置

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JPH09237824A
JPH09237824A JP4386896A JP4386896A JPH09237824A JP H09237824 A JPH09237824 A JP H09237824A JP 4386896 A JP4386896 A JP 4386896A JP 4386896 A JP4386896 A JP 4386896A JP H09237824 A JPH09237824 A JP H09237824A
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JP
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semiconductor wafer
ceramics
film
amorphous hard
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JP4386896A
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Michihiko Koshida
充彦 越田
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】物品との当接面における摩耗を低減するととも
に、物品への塵や摩耗粉等の異物の付着量を低減する。
また、当接面に帯電する静電気を速やかに除去できるよ
うにする。 【解決手段】少なくとも保持面がセラミックスからなる
真空チャック、搬送アーム、サセプタなどの物品保持装
置において、上記保持面にジルコニウム、タングステ
ン、チタンのうち一種以上の金属および珪素を含有する
非晶質硬質炭素膜を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体ウエハやL
CD用ガラス基板などのウエハや磁気ディスク基板、さ
らには電子部品などの物品の移送や固定に好適に用いら
れる物品保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置、LCD基板、磁気デ
ィスク基板などの製造工程、あるいは電子部品の検査工
程においては各々の物品を移送したり所定位置に固定す
るために種々の物品保持装置が使用されている。
【0003】例えば、半導体装置の製造工程において、
半導体ウエハへの回路転写や露光処理に使用する真空チ
ャック100には、図5に示すような一方の表面を保持
面112とした円板状の板状体111からなり、上記保
持面112にはウエハを真空吸引するための吸引孔11
3を多数穿設したものがあった。
【0004】また、半導体ウエハを所定位置まで移送す
る搬送アームには、図6に示すような先端部に保持面1
22を有し、該保持面122の中央部に吸引口123を
穿設するとともに、内部に上記吸引口123と連通する
貫通孔124を備えた板状体121をした吸着タイプの
ものや、図7に示すような薄い板状体131からなり、
その一方の表面にウエハの形状に合致する凹部を備え、
該凹部の底面を保持面132とした保持タイプのものが
あった。
【0005】さらに、半導体ウエハの膜付けに使用する
サセプタ140には、図8に示すような一方の表面を保
持面142とした円板状の板状体141からなり、上記
保持面142に載置した半導体ウエハを所定の温度に加
熱するために板状体141の内部にヒータ電極143を
埋設したものがあった。
【0006】また、この種の物品保持装置においては、
ウエハに対して塵の付着や化学的な汚染がないこと、ウ
エハに傷を付けないこと、ウエハの脱着時における保持
面の摩耗が少ないことウエハを高精度に保持できること
等が要求されていることから、これらの物品保持装置を
アルミナセラミックス、ジルコニアセラミックス、炭化
珪素質セラミックス、窒化珪素質セラミックス、窒化ア
ルミニウム質セラミックスなどのセラミックスにより形
成したものがあった(実開昭62-72062号公報、特開昭53
-96762号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、セラミック
スは金属に比べて高い硬度を有しているものの、その表
面には微細なボイドが多数存在するために、上記物品保
持装置のように保持面112,122,132、142
をセラミックスにより形成したものでは、ウエハの脱着
に伴う摺動により保持面112,122,132、14
2の摩耗を十分に抑えることができず、さらに上記ボイ
ドに塵や摩耗粉等の異物が溜まり易いことから、これら
の異物のウエハへの付着量を低減することができなかっ
た。
【0008】その為、ウエハへの回路転写時においては
回路パターンの断線や短絡を生じる恐れがある他、異物
の付着によってウエハの平坦精度が低下するために露光
処理時においては解像不良を生じ、成膜処理時において
は膜厚みにバラツキを生じるといった課題があった。
【0009】その上、炭化珪素質セラミックス以外のセ
ラミックスは高い絶縁性を有しているためにウエハの脱
着の繰り返しにより保持面112,122,132、1
42に静電気が発生してウエハに形成した微小回路パタ
ーンの絶縁破壊を生じる恐れがある他、真空チャック1
00においては露光処理時において保持面111に静電
気が帯電し易く、保持面112に静電気が帯電すると露
光焦点の乱れを生じるといった課題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、少なくとも半導体ウエハやLCD用ガラス基
板などのウエハ、磁気ディスク基板、さらには電子部品
などの物品を吸着あるいは載置して保持するための保持
面がセラミックスからなる物品保持装置において、上記
保持面にジルコニウム、タングステン、チタンのうち一
種以上の金属および珪素を含有してなる非晶質硬質炭素
膜を被覆したことを特徴とするものである。
【0011】また、本発明は上記非晶質硬質炭素膜の膜
厚を0.2〜10μmとしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。本発明は物品保持装置の少なくとも保持面に
硬質薄膜を被着したものであり、該硬質薄膜としてジル
コニウム、タングステン、チタンのうち一種以上の金属
および珪素を含有してなる緻密な非晶質硬質炭素膜を用
いたものである。
【0013】ここで、非晶質硬質炭素膜とは炭素を主体
とし、アモルファス状の結晶構造を有するものであり、
グラファイトやダイヤモンドの同定に用いられるラマン
分光分析により測定するとグラファイトのピーク位置で
ある1550cm-1とダイヤモンドのピーク位置である
1333cm-1の近傍にそれぞれピークを有するもので
あるが、本発明に係る非晶質硬質炭素膜は、炭素以外に
ジルコニウム、タングステン、チタンのうち一種以上の
金属および珪素を含有させてあるため、ラマン分光分析
による測定では1480cm-1の近傍に一つのピークを
有している。
【0014】しかも、非晶質硬質炭素膜を構成する炭素
にジルコニウム、タングステン、チタンのうち一種以上
の金属および珪素を含有させることにより、膜内部にお
ける残留応力を低減して相手部材との密着性を高めるこ
とができるとともに、ユニバーサル硬度で22.0GP
a以上と緻密な硬質薄膜とすることができる。
【0015】この理由としては、珪素は4配位の結合状
態を採るものであり、珪素を含有させることでダイヤモ
ンドを構成する炭素と同じ4配位の結合状態を持った炭
素量を増大させることができるため、膜内部の結合力を
高めることでき、ジルコニウム、タングステン、チタン
のうち一種以上の金属を含有させることによりさらに膜
の結合力および密着性を高めることができるものと考え
られる。
【0016】その為、物品との当接面にはボイドや微細
な凹凸がなく、塵や摩耗粉等の異物の付着量を低減する
ことができるとともに、セラミックスに比べても高い硬
度を有していることから、物品の脱着の繰り返しにおい
ても殆ど摩耗することがなく、長期間にわたって物品を
高い平坦精度でもって保持することができる。
【0017】また、上記非晶質硬質炭素膜にはジルコニ
ウム、タングステン、チタンなどの金属を含有してある
ことから半導電性または導電性を持たせることができ、
物品の脱着に伴い発生する静電気や露光処理に伴い発生
する静電気を速やかに逃がすことができる。
【0018】その為、物品が半導体ウエハである時に
は、ウエハに形成されている微小回路パターンの絶縁破
壊を防ぐことができるとともに、露光処理時においては
露光焦点の乱れを防ぐことができる。なお、静電気を速
やかに逃がすためには非晶質硬質炭素膜の表面抵抗値が
3×104 Ω/Sq以下の半導電性または導電性を有して
いることが好ましい。
【0019】ただし、上記非晶質硬質炭素膜に含有させ
る珪素の含有量は10〜30atomic%の範囲とす
ることが好ましい。これは、珪素の含有量が10ato
mic%未満であると膜の結合力を高める効果が小さい
からであり、逆に、珪素の含有量が30atomic%
より多くなると、物品の表面にSiO2 の薄膜がコンタ
ミネーションとして付着してしまうからである。
【0020】また、ジルコニウム、タングステン、チタ
ンなどの金属の含有量が50atomic%より多くな
ると、膜を構成する炭素との反応が進行して金属炭化物
が形成されるために膜硬度が低下する。その為、金属の
含有量としては50atomic%以下、好ましくは3
5atomic%以下とすることが良い。ただし、金属
の含有量が2atomic%より少ないと絶縁性が強く
なるために静電気を逃がし難くなるため、金属の最適な
含有量としては2〜50atomic%とすることが望
ましい。
【0021】また、物品保持装置の保持面に被覆する非
晶質硬質炭素膜の膜厚は0.2〜10μmの範囲で被覆
することが好ましい。
【0022】これは非晶質硬質炭素膜の膜厚が0.2μ
m未満となると、高硬度を有する非晶質硬質炭素膜と言
えども物品の脱着の繰り返しにより短期間で磨滅するか
らであり、逆に膜厚が10μmより厚くなると、膜厚み
にバラツキが発生して物品との当接面の平坦精度が損な
われるとともに、物品が半導体ウエハやガラス基板など
のウエハである時には傷を付けてしまう恐れがあるから
である。
【0023】ところで、本発明におけるジルコニウム、
タングステン、チタンのうち一種以上の金属および珪素
を含有してなる非晶質硬質炭素膜を被覆する手段として
はCVD法やイオンプレーティング法に代表されるPV
D法などの薄膜形成手段により形成することができる。
【0024】例えば、低温で成膜が可能なプラズマCV
D法により被覆するには、チャンバー内に配設するカソ
ード(陰極)電極盤に物品保持装置を配置し、チャンバ
ー内にCH4 、SiCl4 、H2 、Arの混合ガスと金
属成分としてZrCl4 、WF6 、TiCl4 のうち一
種以上のハロゲン化ガスを供給する。そして、アノード
(陽極)電極盤と前記カソード(陰極)電極盤間に電圧
を印加することにより、カソード(陰極)電極盤より引
き出された電子を上記混合ガスおよびハロゲン化ガスと
衝突させてプラズマを発生させ、該プラズマ中の炭素お
よび珪素とジルコニウム、タングステン、チタンのうち
一種以上の金属を電界に沿った形で物品保持装置の保持
面に堆積させることにより、ジルコニウム、タングステ
ン、チタンのうち一種以上の金属および珪素を含有する
非晶質硬質炭素膜を形成することができる。なお、膜厚
みについては成膜時間を調整することにより膜厚が0.
2〜10μmとなるように調整すれば良い。
【0025】ただし、物品保持装置の保持面は中心線平
均粗さ(Ra)で0.4μm以下の滑らかな面とするこ
とが好ましい。これは、保持面の面粗さが中心線平均粗
さ(Ra)で0.4μmより大きくなると、非晶質硬質
炭素膜の膜厚みが0.2〜10μmと薄いために膜表面
が粗くなりすぎ、保持面の平坦精度が損なわれるととも
に、物品が半導体ウエハやガラス基板などのウエハであ
る時には、ウエハの表面に傷を付けてしまうからであ
る。
【0026】一方、本発明では物品保持装置のうち少な
くとも保持面をセラミックスで形成することが重要であ
り、上記セラミックスとしてはアルミナセラミックス、
ジルコニアセラミックス、炭化珪素質セラミックス、窒
化珪素質セラミックス、窒化アルミニウム質セラミック
ス、アルミナ−炭化チタン系セラミックスなどが好適で
ある。
【0027】即ち、セラミックスは優れた寸法精度に加
工することができるため、物品保持装置の保持面を3μ
m以下の平坦精度に仕上げることができる。しかも、上
記セラミックスは、表1に示すように比剛性が0.3×
109 cm以上と大きく、また硬度もユニバーサル硬度
で13.0〜20.0GPaと高硬度を有していること
から、物品保持装置が搬送アームである時には、物品の
移送時において殆ど撓みを生じることがなく、物品を落
下させずに正確に所定位置まで移送することができ、物
品保持装置が真空チャックやサセプタである時には、物
品を保持した時に保持面の変形を生じることがなく、物
品を優れた平坦精度に保持することができる。特に、露
光処理に使用する真空チャック全体をセラミックスによ
り形成すれば軽量化できるため、X−Yテーブルなどに
よる高速移動を可能とすることができ好適である。
【0028】
【表1】
【0029】なお、これらのセラミックスを得るには、
アルミナセラミックスに対してはAl23 を主原料と
し、焼結助剤にCaO、SiO2 、MgOのうち少なく
とも一種を添加混合し、1400〜1800℃程度の温
度で焼成すれば良く、窒化珪素質セラミックスについて
はSi34 を主原料とし、焼結助剤に周期律表2a、
3a族元素の酸化物・窒化物のうち少なくとも一種を添
加混合し、1850〜2000℃程度の温度で焼成すれ
ば良い。
【0030】また、炭化珪素質セラミックスに対しては
SiCを主原料とし、焼結助剤にC、B、B4 C、Al
23 、Y23 等の少なくとも一種を添加混合し、1
850〜2000℃程度の温度で焼成することにより得
ることができ、ジルコニアセラミックスに対してはZr
2 を主原料とし、安定化剤にY23 、CaO、Mg
O、CeO2 等の少なくとも一種を添加して1500〜
1700℃程度の温度で焼成すれ良い。
【0031】さらに窒化アルミニウム質セラミックスは
AlNを主原料とし、焼結助剤にEr23 、Y2
3 、Yb23 等の少なくとも一種を添加混合し、17
00〜1900℃程度の温度で焼成することにより得る
ことができ、アルミナ−炭化チタン系セラミックスにつ
いてはAl23 とTiCとを所定量配合して主原料と
し、焼結助剤にTiO2 、MgO、SiO2 、Y2 3
のうち少なくとも一種を添加混合して1600〜180
0℃程度の温度で焼成すれば、強固で靱性および耐摩耗
性に優れたものとすることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明実施例として半導体装置の製造
工程で使用する物品保持装置について説明する。
【0033】(実施例1)図1は、本発明に係る物品保
持装置の一例である真空チャック10を示す図であり、
(a)は平面図、(b)はそのX−X線断面図である。
【0034】この真空チャック10は純度99.9%の
アルミナセラミックスからなる円板状の板状体11から
なり、上記板状体11の一方の表面にはリング状の凸壁
部16を同心円状に突設させて凹凸状とし、該凸壁部1
6の表面を保持面12とするとともに、上記保持面12
を含む板状体11の表面には膜厚Tが0.2〜10μm
の珪素(Si)とジルコニム(Zr)を含有する非晶質
硬質炭素膜15を被覆してある。
【0035】また、リング状凸壁部16間に形成される
凹部にはそれぞれ吸引孔13が穿設してあり、該吸引孔
13は板状体11の内部に穿設する導出孔14と連通す
るようにしてある。
【0036】そして、上記保持面12に物品として半導
体ウエハを配置して吸引孔13より真空吸引することに
より、半導体ウエハの裏面と凸壁部16とで囲まれる空
間に負圧が発生するため、半導体ウエハを保持面12の
平坦精度に矯正して精度良く吸着保持することができ
る。
【0037】しかも、保持面12には緻密な非晶質硬質
炭素膜15を被覆してあることから半導体ウエハの脱着
を繰り返したとしても殆ど摩耗することがなく、また、
半導体ウエハへの塵や摩耗粉等の異物の付着量を低減す
ることができる。
【0038】その為、この真空チャック10を半導体ウ
エハの回路転写時に用いれば、断線や短絡を生じること
なく微細な回路パターンの形成を行うことができ、露光
処理に用いれば解像不良を生じることなく、良好な露光
処理を施すことができる。
【0039】その上、上記非晶質硬質炭素膜15は表面
抵抗値が3×104 Ω/Sq以下の半導電性または導電性
を有していることから、半導体ウエハの脱着の繰り返し
により静電気が発生したとしても速やかに除去すること
ができ、半導体ウエハに形成する微細な回路パターンの
絶縁破壊を防ぐことができるとともに、露光処理時にお
いては、保持面12に静電気が帯電することによる露光
焦点の乱れを防止することができる。
【0040】(実施例2)図2は、本発明に係る物品保
持装置の一例である搬送アーム20を示す図であり、
(a)は平面図、(b)はそのY−Y線断面図である。
【0041】この搬送アーム20は板厚hが2mm程度
の板状体21からなり、純度99.9%のアルミナセラ
ミックスにより形成してあり、板状体21の先端部には
半導体ウエハを固定するための保持面22を有するとと
もに、上記保持面22を含む板状体21の表面には膜厚
Tが0.2〜10μmの珪素(Si)とジルコニム(Z
r)を含有する非晶質硬質炭素膜25を被覆してある。
また、上記保持面22には半導体ウエハを真空吸引する
ための吸引口23を有するとともに、板状体21の内部
には上記吸引口23と連通する貫通孔24を設けてあ
る。
【0042】そして、物品として半導体ウエハを保持面
22に配置して吸引孔23より真空吸引することによ
り、半導体ウエハを保持面22に吸着固定し、この状態
で半導体ウエハを所定位置まで移送するようになってい
る。
【0043】この時、保持面22には緻密な非晶質硬質
炭素膜25が被覆してあることから半導体ウエハの脱着
を繰り返したとしても殆ど摩耗することがなく、また、
半導体ウエハへの塵や摩耗粉等の異物の付着量を低減す
ることができる。
【0044】しかも、半導体ウエハとの当接面は滑らか
でかつ優れた平坦精度に仕上げられていることから半導
体ウエハの脱着時において傷を付けることがなく、ま
た、上記非晶質硬質炭素膜25は3×104 Ω/Sq以下
の半導電性または導電性を有していることから、半導体
ウエハの脱着の繰り返しにより静電気が発生したとして
も速やかに除去して半導体ウエハに形成する微細な回路
パターンの絶縁破壊を防止することができる。
【0045】(実施例3)図3は、本発明に係る物品保
持装置の一例である搬送アーム30の他の例を示す図で
あり、(a)は平面図、(b)はそのZ−Z線断面図で
ある。
【0046】この搬送アーム30は、一方の表面に半導
体ウエハの外形に合致する凹部を備えた板状体31であ
って、上記凹部の底面を保持面32としたものであり、
保持面32を含む板状体31の表面には膜厚Tが0.2
〜10μmの珪素(Si)とタングステン(W)を含有
する非晶質硬質炭素膜35を被覆してある。
【0047】そして、前記板状体31の凹部にウエハを
係合させて保持面32上に保持した状態で移送するよう
になっている。
【0048】この時、半導体ウエハは板状体31の凹部
で完全に保持されるため、移送時に位置ずれを生じた
り、落下することがない。また、搬送アーム30の保持
面32には緻密な非晶質硬質炭素膜35を被覆してある
ことから、図2の搬送アーム20と同様に半導体ウエハ
の脱着を繰り返したとしても殆ど摩耗することがなく、
また、半導体ウエハへの塵や摩耗粉等の異物の付着量を
低減することができる。
【0049】その上、半導体ウエハとの当接面は滑らか
でかつ優れた平坦精度に仕上げられていることから半導
体ウエハの脱着時において傷を付けることがなく、ま
た、上記非晶質硬質炭素膜25は3×104 Ω/Sq以下
の半導電性または導電性を有していることから、半導体
ウエハの脱着の繰り返しにより静電気が発生したとして
も速やかに除去して半導体ウエハに形成する微細な回路
パターンの絶縁破壊を防止することができる。
【0050】(実施例4)図4は、本発明に係る物品保
持装置の一例であるサセプタ40を示す図であり、
(a)は一部を破断した平面図、(b)はそのP−P線
断面図である。
【0051】このサセプタ40は、一方の表面を保持面
42としてなる円板状の板状体41からなり、該板状体
41は純度99.9%の窒化アルミニウム質セラミック
スにより形成してある。また、上記板状体41の内部に
は保持面42上に載置した半導体ウエハを所定の温度ま
で加熱するためのヒータ電極43を埋設してあり、上記
保持面42を含む板状体41の表面には膜厚Tが0.2
〜10μmの珪素(Si)とチタン(Ti)を含有する
非晶質硬質炭素膜45を被覆してある。
【0052】そして、上記保持面42に半導体ウエハを
載置して、該半導体ウエハの周縁部をリング状をしたク
ランプ部材(不図示)により保持すれば、半導体ウエハ
を高い平坦精度に保持することができ、ウエハ上に均一
な厚みもった成膜を施すことができる。
【0053】この時、保持面42には緻密な非晶質硬質
炭素膜45が被覆してあるため、半導体ウエハの脱着を
繰り返したとしても殆ど摩耗することがなく、また、ウ
エハへの塵や摩耗粉等の異物の付着を防ぐことができ
る。なお、成膜時にはサセプタ40は600℃程度まで
加熱されることになるが、上記非晶質硬質炭素膜45は
耐熱性に優れるとともに相手部材との密着性に優れるこ
とから、剥離を生じることがない。
【0054】以上、実施例においては半導体装置の製造
工程で使用する半導体ウエハを保持するための物品保持
装置について説明したが、本発明に係る物品保持装置は
これらの用途だけに限定されるものではなく、例えば、
磁気ディスク基板や電子部品、あるいはその他の物品の
移送あるいは固定するための物品保持装置にも好適に使
用することができるものである。
【0055】(実験例1)ここで、セラミック板に珪素
とジルコニウムを含有する非晶質硬質炭素膜を被覆した
試料を用意し、耐摩耗性を評価するのに重要な硬度につ
いて測定を行なった。
【0056】本実験はビッカース圧子を用いて押し込み
速度0.49mN/s、押し込み深さ0.3μmの条件
にて行い、以下の式により算出されるユニバーサル硬度
(Huv)を測定した。
【0057】 (式) Huv=(37.84×F/(H)2 )×98100/107 Huv:ユニハ゛ーサル硬度(GPa)、F:押し込み深さ時
の荷重(gf) H:押し込み深さ(μm) また、試料としてセラミック板に被覆する膜としては珪
素(Si)を最大24atomic%、ジルコニウム
(Zr)を最大20atomic%の範囲で含有する膜
厚0.8μmの非晶質硬質炭素膜を被覆したものを用意
した。ただし、上記非晶質硬質炭素膜の成分は表2に示
す通りである。
【0058】また、本実験では比較例として純度99.
9%のアルミナセラミックス、ジルコニアセラミック
ス、炭化珪素質セラミックス、窒化珪素質セラミック
ス、窒化アウミニウム質セラミックス、およびアルミナ
−炭化チタン系セラミックスからなるセラミック板を用
意して同様に測定を行なった。
【0059】それぞれの結果は表3に示す通りである。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】この結果より判るように、比較例のセラミ
ックスでは高くても20GPaまでであったが、本発明
の非晶質硬質炭素膜を被覆したものでは23.3GPa
とセラミックスに比べて非常に高い硬度を有していた。
【0063】このことから、本発明に係る物品保持装置
を物品の移送や固定に使用すれば、物品の脱着による摩
耗を大幅に低減し、長寿命の物品保持装置とできること
が判る。
【0064】(実験例2)次に、本発明に係る物品保持
装置として図2に示す搬送アーム20を試作し、半導体
ウエハの脱着を10回繰り返したあと、上記半導体ウエ
ハに付着するパーティクル数をパーティクルカウンター
により測定した。
【0065】本発明に係る搬送アーム20としては、板
状体21を純度99.9%のアルミナセラミックスによ
り形成し、板状体21の保持面22に実験例1と同様の
珪素(Si)を最大24atomic%、ジルコニウム
(Zr)を最大20atomic%の範囲で含有する非
晶質硬質炭素膜35を被覆したものを使用した。なお、
半導体ウエハの保持は吸着力が1kg/cm2 の条件に
て測定を行なったまた、比較例として、純度99.9%
のアルミナセラミックス、ジルコニアセラミックス、炭
化珪素質セラミックス、窒化珪素質セラミックス、窒化
アルミニウム質セラミックス、およびアルミナ−炭化チ
タン系セラミックスからなる搬送アーム120をそれぞ
れ試作して同様に測定を行なった。
【0066】それぞれの結果は表4に示す通りである。
【0067】
【表4】
【0068】この結果、比較例のセラミックスからなる
搬送アーム120では、表面に微小なボイドが多数存在
するために、最も少ないものでも5000個と半導体ウ
エハへの塵や摩耗粉等の異物の付着量を十分に低減する
ことができなかった。
【0069】これに対し、本発明に係る非晶質硬質炭素
膜35を被覆した搬送アーム20は、保持面22に緻密
な非晶質硬質炭素膜35を被着してあり、上記炭素膜3
5は表面抵抗値が2.4×104 Ω/Sq程度と導電性を
有していることから、保持面22に帯電する静電気を速
やかに逃がして静電気による塵の吸着を低減することが
できるため、半導体ウエハとの当接面には塵や摩耗粉等
の異物が殆どなく、半導体ウエハに付着する塵や摩耗粉
等の異物の付着量も300個と大幅に低減することがで
きた。
【0070】このことから、本発明に係る搬送アーム2
0を用いれば、半導体ウエハへの異物の付着量を大幅に
て低減できることが判る。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、少なく
とも物品を吸着または載置して保持する保持面がセラミ
ックスからなる物品保持装置において、上記保持面にジ
ルコニウム、タングステン、チタンのうち一種以上の金
属および珪素を含有する非晶質硬質炭素膜を被覆したこ
とにより、物品との摺動に伴う保持面の摩耗ならびに塵
や摩耗粉等の異物の付着量を大幅に低減することができ
る。
【0072】その為、物品保持装置が搬送アームである
時には、保持面の摩耗が少なく長寿命の搬送アームとす
ることができるとともに、物品が半導体ウエハやガラス
基板などのウエハであっも傷を付けることない。
【0073】また、物品保持装置が真空チャックである
時には、半導体ウエハなどの物品への回路転写時におい
て断線や短絡を防止できる他、露光時の解像不良を防止
することができ、さらに、物品保持装置がサセプタであ
る時には、半導体ウエハなどの物品に均一な膜を成膜す
ることができる。
【0074】しかも、上記非晶質硬質炭素膜は導電性を
有することから、物品の脱着時や露光処理中に発生する
静電気を速やかに逃がすことができるため、ウエハに形
成した微小回路パターンの絶縁破壊や露光焦点の乱れを
防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る物品保持装置の一例である真空チ
ャックを示す図であり、(a)は平面図、(b)はその
X−X線断面図である。
【図2】本発明に係る物品保持装置の一例である搬送ア
ームを示す図であり、(a)は平面図、(b)はそのY
−Y線断面図である。
【図3】本発明に係る物品保持装置の一例である搬送ア
ームの他の例を示す図であり、(a)は平面図、(b)
はそのZ−Z線断面図である。
【図4】本発明に係る物品保持装置の一例であるサセプ
タを示す図であり、(a)は一部を破断した平面図、
(b)はそのP−P線断面図である。
【図5】従来の真空チャックを示す斜視図である。
【図6】従来の吸着タイプの搬送アームを示す斜視図で
ある。
【図7】従来の保持タイプの搬送アームを示す斜視図で
ある。
【図8】従来のサセプタを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 真空チャック 11 板状体 12 保持面 13 吸引口 14 導出孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも物品を吸着または載置して保持
    する保持面がセラミックスからなる物品保持装置におい
    て、上記保持面にジルコニウム、タングステン、チタン
    のうち一種以上の金属および珪素を含有してなる非晶質
    硬質炭素膜を被覆したことを特徴とする物品保持装置。
  2. 【請求項2】上記非晶質硬質炭素膜の膜厚が0.2〜1
    0μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の
    物品保持装置。
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