JPH09229466A - 空気清浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大掛りな装置を必要とせずに空気中の塵埃な
どを集塵可能にする。 【解決手段】 エアコン本体４の空気取入れ口４ａに設
けられたグリル５の表面に、取付け手段６を介して複数
のパネル支持手段２を着脱自在に取付け、かつこれらパ
ネル支持手段２に、空気が流通する開口部１ａを有する
ほぼ平板状のパネル１を着脱自在に支持させると共に、
上記グリル５とパネル１の間に形成された間隙に、グリ
ル５の開口面より大きい集塵フィルタ３を着脱自在に収
容したものでパネル支持手段２によりパネル１を介して
集塵フィルタ３をグリル５に取付けるだけで、空気取入
れ口４ａより取込まれる空気中の塵埃などが集塵できる
ため大掛りな装置を必要とせず、かつ安価に提供するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は冷暖房を行うエア
コンデショナ（以下単にエアコンという）の空気流路に
設置して、空気の塵埃などを除去する空気清浄装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来室内を冷暖房するエアコンには、室
内の空気をエアコン本体内に取入れる空気取入れ口が開
口されていて、この空気取入れ口より取込んだ空気を冷
却、除湿、加湿または加熱して空気排出口より再び室内
へ排出するように構成されている。

【０００３】またエアコン本体内に取込まれる空気中の
塵埃などを除去するため、従来では空気取入れ口にサラ
ンネットなどの集塵フィルタを設けているが、このサラ
ンネットよりなる塵埃フィルタでは微小な塵埃が除去で
きないと共に、早期に目詰まりを起こすためしばしば清
掃する必要があり、手間がかかるなどの不具合もある。

【０００４】かかる不具合を解消するため、エアコン本
体内にコットレル方式の電気集塵機を設けたり、図１に
示すような誘電分極式空気清浄装置を設けたエアコンが
実用化されている。

【０００５】上記コットレル方式の電気集塵機は、開口
部に複数本のイオン化線が、そしてその後方に複数枚の
集塵板がほぼ等間隔に配設されていて、これらイオン化
線及び集塵板の間には、直流高圧電源より高電圧が印加
されており、エアコン本体内に吸入される空気がイオン
化線の間を通過する際、空気中の塵埃などが帯電される
と共に、帯電された塵埃などは逆極性の集塵板に吸着さ
れて集塵されるように構成されている。

【０００６】また図１に示す誘電電極式の空気清浄装置
は、前後面が開口する枠体ａの前後開口部に導電性のア
ースネットｂが、そして枠体ａ内に、直流高圧電源ｃに
より高電圧が印加された高圧端子ｄと、この高圧端子ｄ
に接続された導電性フィルタｅが設けられていて、上記
導電性フィルタｅの前後には絶縁性フィルタｆが介在さ
れた構成となっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のコットレル
方式の電気集塵機は、大型となるため、エアコン本体内
に予めスペースを設けて、設計折込する場合はよいが、
既設のエアコンに後付けする場合、簡単に取付けること
ができない不具合がある。特に天井埋込み式のエアコン
の場合、空気取入れ口に設けられたグリルの室内側面に
取付けることになるため、取付けはさらに困難になると
共に、たとえ取付けられても体裁が悪いなどの不具合が
ある。

【０００８】また図１に示す誘電分極式空気清浄装置
は、電気集塵機に比べて薄型で、圧力損失も少なく、し
かも集塵効率もよいなどの利点を有しているが、既設の
エアコンに後付けする場合、エアコンの空気取入れ口や
空気排出口は、メーカによってグリルの大きさが異なる
ため、グリルに空気清浄装置の本体を取付けようとする
と、グリルの大きさに合せてサイズの異なる本体を製作
しなければならなかった。このため、本体の種類が多く
なって設計や製作に多くの工程を必要として高価となる
不具合があった。

【０００９】この発明はかかる従来の不具合を改善する
ためになされたもので、既設のエアコンに後付けが容易
な空気清浄装置を提供することを目的とするものであ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために、請求項１の発明は、エアコン本体の空気
取入れ口に設けられたグリルの表面に、取付け手段を介
して複数のパネル支持手段を着脱自在に取付け、かつこ
れらパネル支持手段に、空気が流通する開口部を有する
ほぼ平板状のパネルを着脱自在に支持させると共に、上
記グリルとパネルの間に形成された間隙に、グリルの開
口面より大きい集塵フィルタを着脱自在に収容したもの
である。

【００１１】上記構成により請求項１の発明では、空気
取入れ口よりエアコン本体へ取込まれる空気中の塵埃な
どが集塵フィルタにより効率よく捕集できると共に、パ
ネル支持手段によりパネルをグリル表面に取付けるだけ
で、グリルとパネルの間に集塵フィルタを収容する間隙
ができるため、集塵フィルタの取付けが容易である。

【００１２】また請求項２の発明は、グリルの大きさに
応じて複数枚のパネル及び集塵フィルタをグリルの表面
に着脱自在に取付けたものである。

【００１３】上記構成により請求項２の発明では、エア
コン本体によってグリルの大きさが種々変っても、パネ
ル及び集塵フィルタの枚数を増すことにより対応するこ
とができる。

【００１４】さらに請求項３の発明では、パネルを切断
自在な材料により形成することにより、グリルの大きさ
に合せて切断可能としたものである。

【００１５】上記構成により請求項３の発明では、エア
コンメーカによりグリルのサイズが変っても、グリルに
合せてパネルを切断することにより、余分な部分がグリ
ルよりはみ出すことがないため、体裁がよい。

【００１６】さらに請求項４の発明では、パネルの表面
を着色し、もしくは図案や模様などを印刷したものであ
る。

【００１７】上記構成により請求項４の発明では、パネ
ルの意匠的な効果が向上するため装飾性を高めることが
できる。

【００１８】この発明の実施の形態を図２及び図３に示
す図面を参照して詳述する。図２は天井埋込み型エアコ
ンの空気取入れ口に設けられたグリルの室内側にこの発
明の空気清浄装置を取付けた状態の正面図、図３は同断
面図を示す。

【００１９】これら図において１はほぼ平板状のパネ
ル、２はこのパネル１をエアコン本体４の空気取入れ口
４ａに設けられたグリル５の室内側面に着脱自在に取付
けるためのパネル支持手段、３はエアコン本体４の空気
取入れ口４ａより取込まれる空気より塵埃を除去する集
塵フィルタである。上記パネル１は例えば厚紙や段ボー
ル、プラスチック板、エキスパンドメタルやパンチング
メタルなどにより形成されている。なお意匠的効果を高
めるため、表面などに着色したり、図案や模様などを印
刷してもよい。

【００２０】上記パネル１はグリル５の開口面より大き
く形成されていて、空気を取込むために複数の開口部１
ａが開口されており、開口部１ａを形成することにより
パネル１自体の剛性が損なわれ、パネル１がたわんだ
り、反りが生じる場合には、適宜補強リブ（図示せず）
を設けて補強されている。 上記パネル１をグリル５に
取付けるパネル支持手段２は、例えばパネル１の両端を
支持する２部材２ａ，２ｂより構成されている。

【００２１】各部材２ａ，２ｂは例えばプラスチックな
どにより形成されていて、一方の部材２ａの下部にはフ
ック状の係止部２ｃが形成されており、この係止部２ｃ
にパネル１の一端に形成した長孔状の係止孔１ｂを係合
することにより、パネル１の一端側が支持できるように
なっている。

【００２２】また他端は磁性体６ｄによりエアコンのグ
リルのリブ５ａの隙間を介して固定具６ｂ及び固定板６
ｃで固定される鉄板６ｅに接着固定され、鉄板６ｅと磁
性体６ｄの間で着脱が自在にできるようになっている。
磁性体６ｄは集塵フィルタ３の位置決め機能も備えパネ
ル支持部材２ｂの上端に装着されており、溝２ｄにより
パネル１の縁の部分と嵌合する。

【００２３】上記取付け手段６は、例えば一方の部材２
ａの上部より水平方向に取付け板６ａを突設して、この
取付け板６ａに下方向より挿通したねじなどの固着具６
ｂをグリル５の上面に設けた固定板６ｃに螺挿すること
により、グリル５に対して部材３ａを取付ける構造を採
用している。

【００２４】なお各部材２ａ，２ｂをパネル１に着脱自
在に取付ける取付け手段６としては上記実施の形態の他
に、次のようなものを採用してもよい。すなわちパネル
１と各部材２ａ，２ｂの取付け面に予め面状ファスナー
をとりつけて、この面状ファスナーにより着脱自在に取
付けたり、両部材２ａ，２ｂに磁石６ｄを埋め込んで、
パネル側に予め設けた磁性体６ｅに吸着させ、もしくは
エアコン本体４の鉄製部分に吸着させてもよい。

【００２５】また針金や紐、ゴム紐、粘着テープなどを
使用して、グリル５の表面やグリル５のリブ５ａなどに
取付けるようにしてもよい。

【００２６】一方集塵フィルタ３は、グリル５の開口面
Ｗより大きく、かつパネル１の外形よりやや小さい大き
さに形成されていて、グリル５の表面とパネル１の上面
との間に取付けられている。上記集塵フィルタ３及びパ
ネル１は、グリル５の開口面Ｗより予め大きく形成して
おくことにより、グリル５の開口面積が変ってもこれに
対応できるようになっている。

【００２７】また集塵フィルタ３は、そのままの状態で
も高い集塵効果が得られる材料が使用されているが、コ
ットレル方式や誘電分極式の空気清浄装置とする場合
は、パネル支持手段２の部材２ａ，２ｂ内にトランスな
どの電気部品を収容して、これら電気部品に電気的に接
続された電極などを介して集塵フィルタ３へ電荷を付与
するように構成すればよい。

【００２８】なおパネル１を支持するパネル支持手段２
は各部材２ａ，２ｂの下部に、パネル１を水平方向より
挿脱自在なガイド溝を設けて、これらガイド溝にパネル
１の両端を挿入することにより、パネル１を支持するよ
うにしてもよい。

【００２９】また各部材２ａ，２ｂをクリップ状に形成
して、パネル１の両端を挟んだ状態で、磁石や粘着テー
プなどの取付け手段を使用してグリル５の表面に取付け
るようにしてもよい。

【００３０】さらに使用中パネル１や集塵フィルタ３が
横ずれする場合は、パネル１及び集塵フィルタ３の両側
にクリップなどの位置決め手段を設けて、パネル１や集
塵フィルタ３の横ずれを防止してもよい。

【００３１】次に上記構成された空気清浄装置の作用を
説明すると、使用に当ってはパネル支持手段２の各部材
２ａ，２ｂを取付け手段６によりエアコン本体４の空気
取入れ口４ａに装着されたグリル５の表面に取付け、次
に集塵フィルタ３を各部材２ａ，２ｂの間に位置させ
て、この状態でパネル１を各部材２ａ，２ｂに図２に示
すように取付ける。

【００３２】このときパネルの一端側に形成された係止
孔１ｂを予め一方の部材２ａのフック状係止部２ｃに係
止しておくことにより、集塵フィルタ３の取付け後係止
部２ｃを中心にパネル１を回動して、パネル１の他端と
嵌合するパネル支持部材２ｂ上端の磁性体６ｄにより鉄
板６ｅとの間で接着し、自在に脱着するため、エアコン
本体４のグリル５が天井面に取付られていても、集塵フ
ィルタ３の脱着作業が容易に行える。

【００３３】集塵フィルタ３及びパネル１の取付けが完
了したら、エアコン本体４の運転を開始することによ
り、エアコン本体４の空気取入れ口４ａより取込まれる
空気中の塵埃などが集塵フィルタ３により捕集され、こ
の捕集により浄化された空気がエアコン本体４へ取込ま
れるようになる。そしてエアコン本体４内に取込まれた
清浄な空気は、エアコン本体４により温度や湿度などが
調整された後、図示しない空気排出口より再び室内へ排
出される。

【００３４】なお上記実施の形態では、グリル５の大き
さが比較的小さいエアコンの場合について説明したが、
グリル５の大きさが大きいエアコンの場合は次に説明す
る実施の形態のように、複数枚のパネル１及び集塵フィ
ルタ３を横方向や縦横に並設するようにしてもよい。

【００３５】図４は２枚のパネル１及び集塵フィルタ３
を横方向に並設した場合を示すもので、隣接するパネル
１及び集塵フィルタ３の間に間隙が生じないように各パ
ネル１及び集塵フィルタ３を密着させた状態でパネル支
持手段２の各部材２ａ，２ｂを取付け手段６によりグリ
ル５の表面に取付ける。 これによってグリル５の大き
なエアコンにも容易に対応できると共に、さらに大きな
グリル５の場合、パネル１及び集塵フィルタ３の枚数を
増加させることにより、小さなグリル５を有するエアコ
ンから大きなグリル５まで対応することができる。

【００３６】なおパネル１を予め厚紙などの容易に切断
可能な材料により製作することにより、グリル５の開口
面の寸法に合せてパネル１を切断することができるた
め、余分な部分がグリル５の周囲にはみ出して外観を損
なうなどの虞れもない。

【００３７】また上記実施例の形態では、天井に取付け
られたグリル５に装置を取付ける場合について説明した
が、勿論壁などに取付けられたエアコンのグリル５にも
適用できるものである。

【００３８】

【発明の効果】この発明は以上詳述したように、エアコ
ン本体のグリル表面にパネルを介して集塵フィルタを取
付けるようにしたことから、エアコン本体の空気取入れ
口より取込まれる空気中の塵埃などが集塵フィルタによ
り効率よく集塵できる。

【００３９】またパネル支持手段によりグリルの室内側
面などに集塵フィルタを取付けるだけで装置をエアコン
に取付けることができるため、既設のエアコンにも容易
かつ体裁よく取付けられると共に、メーカによってエア
コンのグリルの大きさが種々変っても、グリルの大きさ
に合せて少数種のパネル、フィルタの寸法の中から選択
することで種々の大きさのグリルにも簡単に取付けるこ
とができる。

【００４０】これによって各メーカのエアコン毎に装置
を製作する必要がないため、装置の種類が多くなって設
計や製作に多くの工数を要するため高価になるなどの従
来の不具合を解消することができ、またエアコンのグリ
ルが集塵フィルタの収納部を兼ねることから、集塵フィ
ルタを支えるパネルを固定するだけでよいため、集塵フ
ィルタ全体を収容する大きさの枠体を必要とせず経済的
であると共に、グリルの室内側面に集塵フィルタを取付
けたことから、集塵フィルタの取外しも簡単となるた
め、集塵フィルタの清掃や交換などが容易に行える。

【００４１】さらに板状のパネルとこれを支持する支持
手段により集塵フィルタを保持する簡単な構造のため、
従来の大掛りな空気清浄装置に比べて格段に安価に提供
できると共に嵩ばることもないので、保管や運搬も容易
に行える。

【００４２】しかもパネルを厚紙などで形成すれば、安
価でかつ再利用が可能であり、かつ着色や図案、模様な
どを施すことにより装飾効果が一段と向上すると共に、
空気中の汚染物質により汚染され多場合、新たなパネル
と交換するだけでよいため取扱いが容易な上、汚染物質
によりグリルが汚染されることもないため、清掃の手間
もはぶけるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の空気清浄装置の説明図である。

【図２】この発明の実施の形態になる空気清浄装置の正
面図である。

【図３】この発明の実施の形態になる空気清浄装置の断
面図である。

【図４】この発明の他の実施の形態になる空気清浄装置
の説明図である。

【符号の説明】

１ パネル １ａ 開口部 ２ パネル支持手段 ３ 集塵フィルタ ５ グリル ６ 取付け手段

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エアコン本体４の空気取入れ口４ａに設
   けられたグリル５の表面に、取付け手段６を介して複数
   のパネル支持手段２を着脱自在に取付け、かつこれらパ
   ネル支持手段２に、空気が流通する開口部１ａを有する
   ほぼ平板状のパネル１を着脱自在に支持させると共に、
   上記グリル５とパネル１の間に形成された間隙に、グリ
   ル５の開口面より大きい集塵フィルタ３を着脱自在に収
   容したことを特徴とする空気清浄装置。
2. 【請求項２】 グリル５の大きさに応じて複数枚のパネ
   ル１及び集塵フィルタ３をグリル５の表面に着脱自在に
   取付けてなる請求項１記載の空気清浄装置。
3. 【請求項３】 パネル１を切断自在な材料により形成す
   ることにより、グリル５の大きさに合せて切断可能とし
   てなる請求項１記載の空気清浄装置。
4. 【請求項４】 パネル１の表面を着色し、もしくは図案
   や模様などを印刷してなる請求項１記載の空気清浄装
   置。