JPH09228175A - 仮撚り複合糸及びその製造方法 - Google Patents
仮撚り複合糸及びその製造方法Info
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- JPH09228175A JPH09228175A JP3635596A JP3635596A JPH09228175A JP H09228175 A JPH09228175 A JP H09228175A JP 3635596 A JP3635596 A JP 3635596A JP 3635596 A JP3635596 A JP 3635596A JP H09228175 A JPH09228175 A JP H09228175A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ネップの形状が崩れ難い仮撚り複合糸を提供
すること。 【解決手段】 一重部Aは、芯糸1に対して鞘糸2が一
重に巻き付くことにより構成されている。三重部Bは、
芯糸1に対して鞘糸2が三重に巻き付くことにより構成
されている。ネップN1,N2は同三重部Bに形成され
ており、同ネップN1,N2が芯糸1に対して熱融着固
定されている。従って、同ネップN1,N2が、例え
ば、織機の筬によりしごかれたとしても、その形状は崩
れ難い。
すること。 【解決手段】 一重部Aは、芯糸1に対して鞘糸2が一
重に巻き付くことにより構成されている。三重部Bは、
芯糸1に対して鞘糸2が三重に巻き付くことにより構成
されている。ネップN1,N2は同三重部Bに形成され
ており、同ネップN1,N2が芯糸1に対して熱融着固
定されている。従って、同ネップN1,N2が、例え
ば、織機の筬によりしごかれたとしても、その形状は崩
れ難い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仮撚り複合糸及び
その製造方法に関する。
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
仮撚り複合糸の一種として、芯糸に対して鞘糸が三重に
巻き付いた三重部において、同鞘糸がネップ状をなすも
のが存在する。このような仮撚り複合糸はネップ糸と呼
ばれ、シャリ(ざらざら)感に優れた糸条である。な
お、ネップとは、本来、もつれという意味ではあるが、
本明細書においては鞘糸が単にループ状をなしているも
のも含むしかし、前記ネップは、仮撚り加工時において
鞘糸の芯糸に対する巻き付きが甘くなることで形成され
たものであり、言い換えれば、同ネップの芯糸に対する
固定は十分ではなかった。従って、前記仮撚り複合糸を
織物の経糸に使用した場合、その織成時にネップが織機
の筬にしごかれて芯糸に対してずれ、同ネップの形状が
崩れる(不要にもつれたり、ループがつぶれたりする
等)問題が生じていた。このため、織成時の前処理とし
て、糸条にサイジング(糊の塗布)を施すか、又はカバ
ーリングしてネップが芯糸に対してずれないようにする
必要があった。
仮撚り複合糸の一種として、芯糸に対して鞘糸が三重に
巻き付いた三重部において、同鞘糸がネップ状をなすも
のが存在する。このような仮撚り複合糸はネップ糸と呼
ばれ、シャリ(ざらざら)感に優れた糸条である。な
お、ネップとは、本来、もつれという意味ではあるが、
本明細書においては鞘糸が単にループ状をなしているも
のも含むしかし、前記ネップは、仮撚り加工時において
鞘糸の芯糸に対する巻き付きが甘くなることで形成され
たものであり、言い換えれば、同ネップの芯糸に対する
固定は十分ではなかった。従って、前記仮撚り複合糸を
織物の経糸に使用した場合、その織成時にネップが織機
の筬にしごかれて芯糸に対してずれ、同ネップの形状が
崩れる(不要にもつれたり、ループがつぶれたりする
等)問題が生じていた。このため、織成時の前処理とし
て、糸条にサイジング(糊の塗布)を施すか、又はカバ
ーリングしてネップが芯糸に対してずれないようにする
必要があった。
【0003】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、ネップ
の形状が崩れ難い仮撚り複合糸及びその製造方法を提供
することにある。
に着目してなされたものであって、その目的は、ネップ
の形状が崩れ難い仮撚り複合糸及びその製造方法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、芯糸と鞘糸とにそれぞれ伸度の
異なるフィラメント糸を用いて、両糸を仮撚りして得ら
れる仮撚り複合糸であって、芯糸に対して鞘糸が一重に
巻き付いた一重部と三重に巻き付いた三重部とを有し、
同三重部において鞘糸がネップを形成するとともに、同
ネップが芯糸に対して熱融着固定された仮撚り複合糸で
ある。
に請求項1の発明では、芯糸と鞘糸とにそれぞれ伸度の
異なるフィラメント糸を用いて、両糸を仮撚りして得ら
れる仮撚り複合糸であって、芯糸に対して鞘糸が一重に
巻き付いた一重部と三重に巻き付いた三重部とを有し、
同三重部において鞘糸がネップを形成するとともに、同
ネップが芯糸に対して熱融着固定された仮撚り複合糸で
ある。
【0005】請求項2の発明では、前記一重部におい
て、鞘糸の巻き付き方向が反転した部分が存在する。請
求項3の発明では、芯糸を延伸糸(F.D.Y )、鞘糸(P.
O.Y )を未延伸糸とし、芯糸に対する鞘糸のオーバーフ
ィード率を35%以上とするとともに、鞘糸の給糸ガイ
ドと、芯糸の糸条走行方向線との距離を40mm未満と
した仮撚り複合糸の製造方法である。
て、鞘糸の巻き付き方向が反転した部分が存在する。請
求項3の発明では、芯糸を延伸糸(F.D.Y )、鞘糸(P.
O.Y )を未延伸糸とし、芯糸に対する鞘糸のオーバーフ
ィード率を35%以上とするとともに、鞘糸の給糸ガイ
ドと、芯糸の糸条走行方向線との距離を40mm未満と
した仮撚り複合糸の製造方法である。
【0006】請求項4の発明では、前記鞘糸を延伸した
後に芯糸の加撚区域に供給するものであり、その延伸率
を、フルドロー値の20%〜80%とした。請求項5の
発明では、加熱処理の温度は210℃以上である。
後に芯糸の加撚区域に供給するものであり、その延伸率
を、フルドロー値の20%〜80%とした。請求項5の
発明では、加熱処理の温度は210℃以上である。
【0007】(作用)上記構成の本発明においては、三
重部の鞘糸によりネップが形成されており、同ネップが
芯糸に対して熱融着固定されている。従って、同ネップ
は、例えば、織成時に織機の筬によりしごかれたとして
も、芯糸に対する位置がずれ難く、その形状を保持する
ことができる。
重部の鞘糸によりネップが形成されており、同ネップが
芯糸に対して熱融着固定されている。従って、同ネップ
は、例えば、織成時に織機の筬によりしごかれたとして
も、芯糸に対する位置がずれ難く、その形状を保持する
ことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態について説明する。図1(a)は仮撚り複合糸の拡
大図であり、図1(b)は同仮撚り複合糸の一重部Aと
三重部Bを模式的に示した図である。両図においてAは
芯糸1に対して鞘糸2が一重に巻き付いた一重部を、B
は芯糸1に対して鞘糸2が三重に巻き付いた三重部をそ
れぞれ示す。そして、前記一重部Aと三重部Bとが糸条
の長さ方向に、交互に形成されている。
形態について説明する。図1(a)は仮撚り複合糸の拡
大図であり、図1(b)は同仮撚り複合糸の一重部Aと
三重部Bを模式的に示した図である。両図においてAは
芯糸1に対して鞘糸2が一重に巻き付いた一重部を、B
は芯糸1に対して鞘糸2が三重に巻き付いた三重部をそ
れぞれ示す。そして、前記一重部Aと三重部Bとが糸条
の長さ方向に、交互に形成されている。
【0009】前記一重部Aにおいては、解撚(S)方向
に撚りが入っている。また、同一重部Aにおいては、所
々に撚り方向が反転した部分Hが存在している。従っ
て、一重部Aは、実撚りとは異なる撚り形態となってい
る。前記三重部Bにおいては、一重部Aの撚り方向
(S)とは逆方向(Z)に撚りが入っており、同三重部
Bにおける鞘糸2の撚り方向はZ−S−Zとなってい
る。
に撚りが入っている。また、同一重部Aにおいては、所
々に撚り方向が反転した部分Hが存在している。従っ
て、一重部Aは、実撚りとは異なる撚り形態となってい
る。前記三重部Bにおいては、一重部Aの撚り方向
(S)とは逆方向(Z)に撚りが入っており、同三重部
Bにおける鞘糸2の撚り方向はZ−S−Zとなってい
る。
【0010】前記三重部Bにおいては、鞘糸2の芯糸1
に対する巻き付きが甘く、その一部において同鞘糸2が
もつれた感じで、ネップN1が形成されている。また、
別の三重部Bにおいては、鞘糸2が単にループ状をなし
てネップN2が形成されている。
に対する巻き付きが甘く、その一部において同鞘糸2が
もつれた感じで、ネップN1が形成されている。また、
別の三重部Bにおいては、鞘糸2が単にループ状をなし
てネップN2が形成されている。
【0011】さて、本実施形態の仮撚り複合糸は、仮撚
り加工時の加熱処理行程を経ることにより、芯糸1と鞘
糸2とが熱融着されている。特に、三重部Bにおいて
は、解撚区域においても撚りが解けないために、芯糸1
と鞘糸2とが熱融着されたままの状態で残ることにな
る。従って、加撚区域において三重部Bに形成されたネ
ップN1,N2は、同加熱処理工程を経ることにより、
芯糸1に対して熱融着固定されている。
り加工時の加熱処理行程を経ることにより、芯糸1と鞘
糸2とが熱融着されている。特に、三重部Bにおいて
は、解撚区域においても撚りが解けないために、芯糸1
と鞘糸2とが熱融着されたままの状態で残ることにな
る。従って、加撚区域において三重部Bに形成されたネ
ップN1,N2は、同加熱処理工程を経ることにより、
芯糸1に対して熱融着固定されている。
【0012】上記構成の仮撚り複合糸は次のような効果
を奏する。 (1)ネップN1,N2が芯糸1に対して熱融着固定さ
れており、同芯糸1に対してずれ難くなっている。従っ
て、同ネップN1,N2が、例えば、織成時において織
機の筬によりしごかれたとしても、その形状が崩れるこ
とはない。その結果、サイジング等の織成時の前処理が
不必要となる。
を奏する。 (1)ネップN1,N2が芯糸1に対して熱融着固定さ
れており、同芯糸1に対してずれ難くなっている。従っ
て、同ネップN1,N2が、例えば、織成時において織
機の筬によりしごかれたとしても、その形状が崩れるこ
とはない。その結果、サイジング等の織成時の前処理が
不必要となる。
【0013】(2)ネップN1,N2の形状が織成時に
おいても崩れないため、糸条のシャリ感が保持され、織
編地は従来にはない清涼感のあるものとなる。 (3)一重部Aに撚りが反転した部分Hが存在するた
め、芯糸1及び鞘糸2に異色の糸条を使用した場合、得
られた複合糸は独特の異色効果を醸しだす。
おいても崩れないため、糸条のシャリ感が保持され、織
編地は従来にはない清涼感のあるものとなる。 (3)一重部Aに撚りが反転した部分Hが存在するた
め、芯糸1及び鞘糸2に異色の糸条を使用した場合、得
られた複合糸は独特の異色効果を醸しだす。
【0014】次に、本実施形態の仮撚り複合糸を製造す
る方法について説明する。図2に示すように、芯糸1は
延伸糸(複屈折率が130×10-3以上、±5×10-3
程度は上下される)であるフィラメント糸であり、フィ
ードローラ11を経て加撚区域Kに供給される。また、
鞘糸2は未延伸糸(複屈折率が80×10 -3以下、±5
×10-3程度は上下される)であるフィラメント糸であ
り、ドローローラ12、14間に供給されて、ホットピ
ン13により延伸される。
る方法について説明する。図2に示すように、芯糸1は
延伸糸(複屈折率が130×10-3以上、±5×10-3
程度は上下される)であるフィラメント糸であり、フィ
ードローラ11を経て加撚区域Kに供給される。また、
鞘糸2は未延伸糸(複屈折率が80×10 -3以下、±5
×10-3程度は上下される)であるフィラメント糸であ
り、ドローローラ12、14間に供給されて、ホットピ
ン13により延伸される。
【0015】延伸後の鞘糸2は、前記ドローローラ1
2、14によって芯糸1より少なくとも35%オーバー
フィードされながら、給糸ガイド15を介して加撚区域
Kに供給され、同加撚区域Kにおいて芯糸1と合流され
る。同給糸ガイド15は、加撚区域Kにおいて芯糸1の
糸条走行方向線から40mm未満の位置に配置されてい
る。
2、14によって芯糸1より少なくとも35%オーバー
フィードされながら、給糸ガイド15を介して加撚区域
Kに供給され、同加撚区域Kにおいて芯糸1と合流され
る。同給糸ガイド15は、加撚区域Kにおいて芯糸1の
糸条走行方向線から40mm未満の位置に配置されてい
る。
【0016】前記加撚区域Kで合流された芯糸1及び鞘
糸2は、仮撚り熱固定ヒータ16及び仮撚りスピンナ1
7を通過して、デリバリローラ18、再熱処理用ヒータ
ー19及びセカンドデリバリローラ20を経て、テイク
アップドラム21上でチーズ22として巻き取られる。
なお、冷延伸による製造方法の場合においては、前記ホ
ットピン13は不要となる。
糸2は、仮撚り熱固定ヒータ16及び仮撚りスピンナ1
7を通過して、デリバリローラ18、再熱処理用ヒータ
ー19及びセカンドデリバリローラ20を経て、テイク
アップドラム21上でチーズ22として巻き取られる。
なお、冷延伸による製造方法の場合においては、前記ホ
ットピン13は不要となる。
【0017】さて、前記仮撚り複合糸の三重部Bは、芯
糸1に対する鞘糸2のオーバーフィードと仮撚りスピン
ナ17の回転による糸条の撚りの伝播による、加撚区域
Kにおいての鞘糸2の積極的な振れにより形成される。
糸1に対する鞘糸2のオーバーフィードと仮撚りスピン
ナ17の回転による糸条の撚りの伝播による、加撚区域
Kにおいての鞘糸2の積極的な振れにより形成される。
【0018】また、前記三重部BのネップN1,N2
は、給糸ガイド15を芯糸1の糸条走行方向線から40
mm未満(給糸ガイド15が芯糸1の糸条走行方向線に
接した状態(0mm)は含まれない)の位置に配置し
て、鞘糸2の振れ幅を小さくすることにより形成され
る。つまり、本発明人が各種試験を行ったところ、給糸
ガイド15と芯糸1の糸条走行方向線との間の距離が4
0mm以上となると、三重部BにネップN1,N2が形
成されず、スラブとなってしまった。なお、三重部Bに
おいて、もつれやループが適度なネップN1,N2を発
生させるためには、前記範囲は10mm〜30mmが理
想的である。
は、給糸ガイド15を芯糸1の糸条走行方向線から40
mm未満(給糸ガイド15が芯糸1の糸条走行方向線に
接した状態(0mm)は含まれない)の位置に配置し
て、鞘糸2の振れ幅を小さくすることにより形成され
る。つまり、本発明人が各種試験を行ったところ、給糸
ガイド15と芯糸1の糸条走行方向線との間の距離が4
0mm以上となると、三重部BにネップN1,N2が形
成されず、スラブとなってしまった。なお、三重部Bに
おいて、もつれやループが適度なネップN1,N2を発
生させるためには、前記範囲は10mm〜30mmが理
想的である。
【0019】そして、前記三重部Bにおける芯糸1と鞘
糸2との熱融着部分は、次のようにして形成される。す
なわち、加撚区域Kにおいて撚りが加えられた両糸条
1、2は、熱処理行程である仮撚り熱固定ヒータ16を
通過される際に、未延伸糸である鞘糸2が芯糸1に対し
て熱融着される。そして、特に、三重部Bにおいては、
その撚りがスピンナ17以降の解撚区域Mにおいても解
撚されないため、芯糸1と鞘糸2とが熱融着されたまま
の状態で残ることとなる。つまり、同三重部Bに形成さ
れたネップN1,N2は、芯糸1に対して熱融着固定さ
れた状態となる。
糸2との熱融着部分は、次のようにして形成される。す
なわち、加撚区域Kにおいて撚りが加えられた両糸条
1、2は、熱処理行程である仮撚り熱固定ヒータ16を
通過される際に、未延伸糸である鞘糸2が芯糸1に対し
て熱融着される。そして、特に、三重部Bにおいては、
その撚りがスピンナ17以降の解撚区域Mにおいても解
撚されないため、芯糸1と鞘糸2とが熱融着されたまま
の状態で残ることとなる。つまり、同三重部Bに形成さ
れたネップN1,N2は、芯糸1に対して熱融着固定さ
れた状態となる。
【0020】なお、前記一重部Aにおいては、加撚区域
Kにおいて加えられた撚りとは逆方向(S)の撚りが解
撚区域Mにおいて入るため、熱融着が取れる部分と取れ
ない部分とが混在される。従って、同一重部Aにおいて
は、所々に撚り方向が反転された部分Hが存在し、実撚
調ではないランダムな巻き付き形態となる。
Kにおいて加えられた撚りとは逆方向(S)の撚りが解
撚区域Mにおいて入るため、熱融着が取れる部分と取れ
ない部分とが混在される。従って、同一重部Aにおいて
は、所々に撚り方向が反転された部分Hが存在し、実撚
調ではないランダムな巻き付き形態となる。
【0021】ところで、前記鞘糸2の延伸率は、フルド
ロー値の20%〜80%が理想的である。延伸率をこの
範囲とすることにより、各種加工条件と鞘糸2の軟化点
との兼ね合いから、同鞘糸2が芯糸1に熱融着され易く
なることが、本発明人による種々の研究結果から導き出
された。
ロー値の20%〜80%が理想的である。延伸率をこの
範囲とすることにより、各種加工条件と鞘糸2の軟化点
との兼ね合いから、同鞘糸2が芯糸1に熱融着され易く
なることが、本発明人による種々の研究結果から導き出
された。
【0022】また、前記仮撚り熱固定ヒータ16の温度
は、210〜240℃の範囲が理想的である。つまり、
前記加工条件において三重部Bを熱融着させるために
は、210℃以上の温度を加えることが適当である。ま
た、240℃を越える温度であると、糸準備の段階では
糸条が熱に長時間(加工時と比較して)さらされて溶融
されるおそれがある。なお、経済性の観点から、ヒータ
16の電力消費量は少ない方が良いため、三重部Bにお
ける熱融着発生との兼ね合いから220℃前後(215
℃〜225℃)が理想的である。
は、210〜240℃の範囲が理想的である。つまり、
前記加工条件において三重部Bを熱融着させるために
は、210℃以上の温度を加えることが適当である。ま
た、240℃を越える温度であると、糸準備の段階では
糸条が熱に長時間(加工時と比較して)さらされて溶融
されるおそれがある。なお、経済性の観点から、ヒータ
16の電力消費量は少ない方が良いため、三重部Bにお
ける熱融着発生との兼ね合いから220℃前後(215
℃〜225℃)が理想的である。
【0023】
【実施例】図2に示す装置を用いて以下の加工条件で仮
撚り加工を行った。 芯糸:延伸糸 75デニール36フィラメント ブライ
ト糸 鞘糸:未延伸糸 225デニール48フィラメント ブ
ライト糸 スピンナ回転数:20万rpm 仮撚り数:2330T/M 芯糸のオーバーフィード:+4.1% 鞘糸のオーバーフィード:+67% 鞘糸の延伸率:70% 芯糸の糸条走行方向線から給糸ガイドの距離:20mm 仮撚り熱固定ヒーター温度:220℃ 再熱処理ヒーター温度:210℃ 上記のようにして得られた仮撚り複合糸は、三重部Bに
おいて鞘糸2が芯糸1に対して熱融着され、ネップN
1,N2が芯糸1に対して固定されている。従って、本
仮撚り複合糸は、ネップN1,N2の形状が崩れ難い、
織物の経糸にもサイジングなしで十分に耐え得る優れた
糸条となった。また、一重部Aにも融着が残るため、糸
条にシャリ感があり、同ネップN1,N2が崩れること
なく織成された織編地は、清涼感のあるものとなった。
撚り加工を行った。 芯糸:延伸糸 75デニール36フィラメント ブライ
ト糸 鞘糸:未延伸糸 225デニール48フィラメント ブ
ライト糸 スピンナ回転数:20万rpm 仮撚り数:2330T/M 芯糸のオーバーフィード:+4.1% 鞘糸のオーバーフィード:+67% 鞘糸の延伸率:70% 芯糸の糸条走行方向線から給糸ガイドの距離:20mm 仮撚り熱固定ヒーター温度:220℃ 再熱処理ヒーター温度:210℃ 上記のようにして得られた仮撚り複合糸は、三重部Bに
おいて鞘糸2が芯糸1に対して熱融着され、ネップN
1,N2が芯糸1に対して固定されている。従って、本
仮撚り複合糸は、ネップN1,N2の形状が崩れ難い、
織物の経糸にもサイジングなしで十分に耐え得る優れた
糸条となった。また、一重部Aにも融着が残るため、糸
条にシャリ感があり、同ネップN1,N2が崩れること
なく織成された織編地は、清涼感のあるものとなった。
【0024】また、一重部Aにおいて、所々に撚り方向
が反転された部分Hが存在しており、ランダムな撚り形
態の糸条となった。ここで、前記糸条の染色を行ったと
ころ、延伸糸(1)と未延伸糸(2)との分子配向性の
違いに起因した染色性の差から、芯糸1と鞘糸2とに染
色差が生じて糸条にランダムな杢調効果が表れた。そし
て、同糸条を使用した織編地は、従来にはなかった色調
の新規なものとなった。
が反転された部分Hが存在しており、ランダムな撚り形
態の糸条となった。ここで、前記糸条の染色を行ったと
ころ、延伸糸(1)と未延伸糸(2)との分子配向性の
違いに起因した染色性の差から、芯糸1と鞘糸2とに染
色差が生じて糸条にランダムな杢調効果が表れた。そし
て、同糸条を使用した織編地は、従来にはなかった色調
の新規なものとなった。
【0025】上記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて記載する。 (1)一重部Aにおいて、芯糸1に対して鞘糸2が熱融
着された部分が存在する請求項1又は2のいずれかに記
載の仮撚り複合糸。
ついて記載する。 (1)一重部Aにおいて、芯糸1に対して鞘糸2が熱融
着された部分が存在する請求項1又は2のいずれかに記
載の仮撚り複合糸。
【0026】このようにすれば、実撚調ではない糸条と
なる。 (2)前記加熱処理の温度は210〜240℃である請
求項3〜5のいずれかに記載の仮撚り複合糸の製造方
法。
なる。 (2)前記加熱処理の温度は210〜240℃である請
求項3〜5のいずれかに記載の仮撚り複合糸の製造方
法。
【0027】このようにすれば、三重部Bを熱融着させ
ることができ、かつ、糸準備の段階で糸条が溶融される
こともない。 (3)請求項1又は2に記載の仮撚り複合糸を使用した
織編地。
ることができ、かつ、糸準備の段階で糸条が溶融される
こともない。 (3)請求項1又は2に記載の仮撚り複合糸を使用した
織編地。
【0028】このようにすれば、清涼感のある織編地を
得ることができる。
得ることができる。
【0029】
【発明の効果】上記構成の本発明によれば、ネップの形
状が崩れ難い仮撚り複合糸を得ることができる。
状が崩れ難い仮撚り複合糸を得ることができる。
【0030】また、実撚調ではない仮撚り複合糸を得る
ことができる。さらに、ネップを芯糸に対して確実に熱
融着固定可能となる。
ことができる。さらに、ネップを芯糸に対して確実に熱
融着固定可能となる。
【図1】 (a)仮撚り複合糸の拡大図、(b)芯糸に
対する鞘糸の巻き付き形態を模式的に示す図。
対する鞘糸の巻き付き形態を模式的に示す図。
【図2】 仮撚り複合糸を得るための装置を示す模式
図。
図。
1…芯糸、2…鞘糸、A…一重部、B…三重部、N1,
N2…ネップ。
N2…ネップ。
Claims (5)
- 【請求項1】 芯糸と鞘糸とにそれぞれ伸度の異なるフ
ィラメント糸を用いて、両糸を仮撚りして得られる仮撚
り複合糸であって、芯糸に対して鞘糸が一重に巻き付い
た一重部と三重に巻き付いた三重部とを有し、同三重部
において鞘糸がネップを形成するとともに、同ネップが
芯糸に対して熱融着固定されている仮撚り複合糸。 - 【請求項2】 前記一重部において、鞘糸の巻き付き方
向が反転した部分が存在する請求項1に記載の仮撚り複
合糸。 - 【請求項3】 芯糸となるフィラメント糸の加撚区域
に、鞘糸となるフィラメント糸を給糸ガイドを介して供
給することにより両者を仮撚りし、さらには仮撚りされ
た両糸条を加撚区域において加熱処理することにより仮
撚り複合糸を製造する方法において、前記芯糸を延伸
糸、鞘糸を未延伸糸とし、芯糸に対する鞘糸のオーバー
フィード率を35%以上とするとともに、鞘糸の給糸ガ
イドと、芯糸の糸条走行方向線との距離を40mm未満
とした仮撚り複合糸の製造方法。 - 【請求項4】 前記鞘糸を延伸した後に芯糸の加撚区域
に供給するものであり、その延伸率を、フルドロー値の
20%〜80%とした請求項3に記載の仮撚り複合糸の
製造方法。 - 【請求項5】 前記加熱処理の温度は210℃以上であ
る請求項3又は4に記載の仮撚り複合糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3635596A JPH09228175A (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 仮撚り複合糸及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3635596A JPH09228175A (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 仮撚り複合糸及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09228175A true JPH09228175A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=12467534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3635596A Pending JPH09228175A (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 仮撚り複合糸及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09228175A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111101252A (zh) * | 2019-12-23 | 2020-05-05 | 浙江恒澜科技有限公司 | 一种段彩包覆纱生产装置及其工艺 |
CN111101252B (zh) * | 2019-12-23 | 2024-11-08 | 浙江恒逸石化研究院有限公司 | 一种段彩包覆纱生产装置及其工艺 |
-
1996
- 1996-02-23 JP JP3635596A patent/JPH09228175A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111101252A (zh) * | 2019-12-23 | 2020-05-05 | 浙江恒澜科技有限公司 | 一种段彩包覆纱生产装置及其工艺 |
CN111101252B (zh) * | 2019-12-23 | 2024-11-08 | 浙江恒逸石化研究院有限公司 | 一种段彩包覆纱生产装置及其工艺 |
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