JPH10212632A - 仮撚り複合糸及びその製造方法 - Google Patents

仮撚り複合糸及びその製造方法

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JPH10212632A
JPH10212632A JP9011201A JP1120197A JPH10212632A JP H10212632 A JPH10212632 A JP H10212632A JP 9011201 A JP9011201 A JP 9011201A JP 1120197 A JP1120197 A JP 1120197A JP H10212632 A JPH10212632 A JP H10212632A
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JP
Japan
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yarn
false
twisting
triple
twisted
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Application number
JP9011201A
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English (en)
Inventor
Kunio Chino
國夫 知野
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KAWABOU TEXTURED KK
Original Assignee
KAWABOU TEXTURED KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一重部において逆転部が存在し、しかも、実
撚り強撚調が強調された新規な仮撚り複合糸を提供する
こと。 【解決手段】 一重部Aは、第1の糸11に対して第2
の糸12が一重に巻き付いた正転部A1 と、第2の糸1
2に対して第1の糸11が一重に巻き付いた逆転部A2
と、第1の糸11と第2の糸12とが芯鞘関係なく巻き
付き合った普通撚り部A3 とが混在されてなる。三重部
Bは、第1の糸11に対して第2の糸12が三重に巻き
付かれて構成されている。そして、一重部A及び三重部
Bは、糸条の走行方向交互に多数が形成され、殆どの全
ての一重部Aは、少なくとも300mm以上の長さを有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも2本の
フィラメント糸を仮撚りして得られる仮撚り複合糸及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】特開平
7−324242号公報においては、本出願人により新
規な仮撚り複合糸が提案されている。すなわち、同仮撚
り複合糸は、少なくとも2本のフィラメント糸を仮撚り
加工することで得られ、第1の糸に対して第2の糸が三
重に巻き付いた三重部と、第1の糸と第2の糸とが一重
に巻き付いた一重部とを備える。そして、同一重部にお
いては、第2の糸に対して第1の糸が巻き付いた、つま
り、三重部とは芯鞘関係が逆転した逆転部が存在し、同
逆転部が仮撚り複合糸の従来にはない意匠を特徴付けて
いる。
【0003】ところが、同公報に開示された技術により
得られる仮撚り複合糸は、一重部が絶対的に短いため
に、実撚り強撚調の糸条として使用することは不適であ
った。本発明は上記従来技術に存在する問題点に着目し
てなされたものであって、その目的は、一重部において
逆転部が存在し、しかも、実撚り強撚調が強調された新
規な仮撚り複合糸及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、少なくとも2本のフィラメント
糸を仮撚りして得られる仮撚り複合糸であって、第1の
糸に対して第2の糸が三重に巻き付いた三重部と、第2
の糸に対して第1の糸が一重に巻き付いた逆転部を有す
る一重部とを糸条走行方向交互に備え、300mm以上
の長さを有する一重部が存在する仮撚り複合糸である。
【0005】請求項2の発明では、前記一重部は、逆転
部と、第1の糸に対して第2の糸が一重に巻き付いた正
転部と、第1の糸と第2の糸とが芯鞘関係なく巻き付い
た普通撚り部とを備えるものである。
【0006】請求項3の発明では、未延伸或いは半延伸
のフィラメント糸である第1の糸と、フィラメント糸で
ある第2の糸とを仮撚り加工するものであり、加撚区域
において第1の糸に対して第2の糸を少なくとも30%
以上オーバーフィードさせて給糸し、同第2の糸用の給
糸ガイドを加撚区域における第1の糸の走行方向線から
少なくとも300mm離れた位置に配置した仮撚り複合
糸の製造方法である。
【0007】(作用)上記構成の本発明によれば、一重
部において三重部とは芯鞘関係が逆転した逆転部が存在
し、しかも、300mm以上の長さの一重部が実撚り強
撚調を強調する新規な仮撚り複合糸を得ることができ
る。
【0008】また、一重部は、第2の糸に対して第1の
糸が一重に巻き付いた逆転部と、第1の糸に対して第2
の糸が一重に巻き付いた正転部と、第1の糸と第2の糸
とが主従関係なく巻き付いた普通撚り部とを備える。従
って、本仮撚り複合糸は、糸条全体として複雑な巻き付
き形態となり、織編地には新規な風合いが醸し出され
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態について説明する。図1は、本実施形態の仮撚り複
合糸を模式的に示した図である。同仮撚り複合糸を構成
する一重部Aは、未延伸或いは半延伸のフィラメント糸
である第1の糸11に対して、延伸済みでかつ第1の糸
11より細いフィラメント糸である第2の糸12が一重
に巻き付いた正転部A1 と、第2の糸12に対して第1
の糸11が一重に巻き付いた逆転部A2 と、第1の糸1
1と第2の糸12とが芯鞘関係なく交互に巻き付き合っ
た普通撚り部A3 とが混在されてなる。同じく仮撚り複
合糸を構成する三重部Bは、第1の糸11に対して第2
の糸12が三重に巻き付かれて構成されている。図示し
ないが、一重部A及び三重部Bは、糸条の走行方向交互
に多数が形成されている。
【0010】このように、逆転部A2 が一重部Aに存在
することで、例えば、同一重部Aと三重部Bとの太さに
差がなくなり、織地の作製時に織機の筬による打力が三
重部Bに集中し難い。従って、同三重部Bに巻き付かれ
ている第2の糸12が第1の糸11に対してずれること
を防止でき、製織性に優れる。また、第1の糸11と第
2の糸12とに異色のフィラメント糸を使用した場合、
逆転部A2 においては他の部位A1 ,A3 ,Bとは逆に
第1の糸11の色が強調され、部分的発色が強調される
特徴がある。
【0011】また、一重部Aは、第1の糸11と第2の
糸12との巻き付き形態がそれぞれ異なる、正転部A1
、逆転部A2 及び普通撚り部A3 により構成されてい
る。従って、糸条全体として複雑な巻き付き形態とな
り、新規な風合いが醸し出される。
【0012】さて、本実施形態の仮撚り複合糸は、殆ど
全ての一重部Aが300mm以上の長さを、また、その
内の複数個所の一重部Aは350mm以上の長さを、さ
らに、その内の少なくとも一個所の一重部Aは400m
m以上の長さを有する。従って、同仮撚り複合糸は、従
来公報の仮撚り糸では不適であった、実撚り強撚調の糸
としての使用にも十分適することとなる。なお、全ての
一重部Aの長さは1,000mm以下であり、同一重部
Aと三重部Bとが糸条走行方向交互に適度な間隔で表れ
るようになっている。つまり、一重部Aの長さが1,0
00mmを越えると、同一重部Aと三重部Bとが交互に
表れる間隔が長くなりすぎて、スラブ(三重部B)効果
が薄れるからである。
【0013】織編地は上記構成の仮撚り複合糸を使用し
て製造される。例えば、織地を得る場合には、経糸又は
緯糸の少なくとも一方に本実施形態の仮撚り複合糸を使
用している。
【0014】次に、本実施形態の仮撚り複合糸の製造方
法について説明する。図2に示すように、第1の糸11
は未延伸のフィラメント糸であり、延伸ローラ21及び
ホットピン22を通り、フィードローラ23を経て加撚
区域Xに供給される。この時、第1の糸11は、延伸ロ
ーラ21により延伸されて半延伸状態である。第2の糸
12は延伸済みのフィラメント糸で第1の糸11より細
く、フィードローラ24によって、第1の糸11より少
なくとも30%オーバーフィードされながら給糸ガイド
25を介して加撚区域Xに供給され、第1の糸11と合
流される。なお、給糸ガイド25は、加撚区域Xでの第
1の糸11の糸条走行方向線から少なくとも300mm
離れた位置に配置されている。
【0015】加撚区域Xで合流された第1の糸11及び
第2の糸12は、仮撚り熱固定ヒータ26、仮撚りスピ
ンナ27を通過して、デリベリローラ28、再熱処理用
ヒータ29及びセカンドデリベリローラ30を経て、ド
ラム31上でチーズとして巻き取られる。
【0016】前記三重部Bは、第1の糸11に対する第
2の糸12のオーバーフィード量と、仮撚りスピンナ2
7の回転による糸条の撚りの伝播による加撚区域Xにお
いての第2の糸12の積極的な振れにより形成される
(図2において点線で示す)。
【0017】また、前記一重部Aは、仮撚り複合糸の解
撚時に形成される。これは、第1の糸11に未延伸のフ
ィラメント糸を使用し、第2の糸12に第1の糸11よ
り細い延伸済みのフィラメント糸を使用し、上記加工条
件内において仮撚り加工することで発生される。
【0018】そして、従来公報の技術では得られなかっ
た300mm以上の長さの一重部Aは、主として給糸ガ
イド25を、加撚区域Xにおける第1の糸11の走行方
向線から少なくとも300mm離して配置することで発
生される。また、第1の糸11の糸条走行方向線からの
給糸ガイド25の距離を400mm〜600mmの範囲
とすることで、殆ど全ての一重部Aの長さは300mm
〜1,000mmとなりかつ、各一重部Aの長さには同
範囲内においてばらつきが生じる。さらに、この範囲を
450mm〜550mmとすることで、各一重部Aの長
さのばらつきの度合いが高まる。このように、各一重部
Aの長さにばらつきが生じることで、本仮撚り複合糸を
使用した織編地の模様が単調とならない利点がある。
【0019】次に、図2に示す装置を用いて以下の加工
条件で仮撚り加工を行った。 第1の糸11:ポリエステル115デニール36フィラ
メントの未延伸糸 第2の糸12:ポリエステル30デニール12フィラメ
ントの延伸糸 加撚区域Xにおける第1の糸11の走行方向線からの給
糸ガイド25の距離:500mm 仮撚りスピンナ27の回転数:200,000rpm 仮撚り数:2,610T/M 第1の糸11のオーバーフィード率:+12.9% 第1の糸11に対する第2の糸12のオーバーフィー
ド:1.6倍 延伸ローラ21による第1の糸11の延伸倍率:1.2
倍 リラックスオーバーフィード率:+7.5% 巻取りテイクアップ率:+8.0% 仮撚り熱固定ヒータ26の温度:200℃ 再熱処理用ヒータ29の温度:205℃ 上記のような加工条件によって、他の部位A1 ,A3 ,
Bとは芯鞘関係が逆転した逆転部A2 が一重部Aにおい
て著しく発生し、また、殆ど全ての一重部Aの長さが3
00mm〜1,000mmとなりかつ、各一重部Aの長
さは同範囲内で大きくばらつき、従って、実撚り強撚調
が強調されてなおかつスラブ効果も発揮された従来には
なかった新規な仮撚り複合糸が得られた。
【0020】なお、上記実施形態に限定されるものでは
なく、例えば、第1の糸11を冷延伸によって延伸する
ようにしても良い。この場合、ホットピン22が不要と
なり、製造装置の構成部品点数を低減できる。
【0021】上記実施形態から把握できる技術思想につ
いて記載する。 (1)350mm以上の長さを有する一重部Aが存在す
る請求項1に記載の仮撚り複合糸。
【0022】このようにすれば、実撚り強撚調がさらに
強調される。 (2)400mm以上の長さを有する一重部Aが存在す
る請求項1に記載の仮撚り複合糸。
【0023】このようにすれば、実撚り強撚調がさらに
強調される。 (3)殆ど全ての一重部Aが300mm以上の長さを有
する請求項1に記載の仮撚り複合糸。
【0024】このようにすれば、実撚り強撚調がさらに
強調される。
【0025】
【発明の効果】上記構成の本発明によれば、一重部にお
いて三重部とは芯鞘関係が逆転した逆転部が存在し、し
かも、300mm以上の長さの一重部が実撚り強撚調を
強調する新規な仮撚り複合糸を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 仮撚り複合糸の模式図。
【図2】 仮撚り複合糸の製造装置を示す模式図。
【符号の説明】
11…第1の糸、12…第2の糸、A…一重部、A2 …
第1一重部、B…三重部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2本のフィラメント糸を仮撚
    りして得られる仮撚り複合糸であって、第1の糸に対し
    て第2の糸が三重に巻き付いた三重部と、第2の糸に対
    して第1の糸が一重に巻き付いた逆転部を有する一重部
    とを糸条走行方向交互に備え、300mm以上の長さを
    有する一重部が存在する仮撚り複合糸。
  2. 【請求項2】 前記一重部は、逆転部と、第1の糸に対
    して第2の糸が一重に巻き付いた正転部と、第1の糸と
    第2の糸とが芯鞘関係なく巻き付いた普通撚り部とを備
    える請求項1に記載の仮撚り複合糸。
  3. 【請求項3】 未延伸或いは半延伸のフィラメント糸で
    ある第1の糸と、フィラメント糸である第2の糸とを仮
    撚り加工するものであり、加撚区域において第1の糸に
    対して第2の糸を少なくとも30%以上オーバーフィー
    ドさせて給糸し、同第2の糸用の給糸ガイドを加撚区域
    における第1の糸の走行方向線から少なくとも300m
    m離れた位置に配置した仮撚り複合糸の製造方法。
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