JPH09227763A - 積層板用エポキシ樹脂組成物及びプリプレグ - Google Patents

積層板用エポキシ樹脂組成物及びプリプレグ

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JPH09227763A
JPH09227763A JP3856696A JP3856696A JPH09227763A JP H09227763 A JPH09227763 A JP H09227763A JP 3856696 A JP3856696 A JP 3856696A JP 3856696 A JP3856696 A JP 3856696A JP H09227763 A JPH09227763 A JP H09227763A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
weight
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prepreg
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JP3856696A
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English (en)
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Eiji Motobe
英次 元部
Hideto Misawa
英人 三澤
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0326Organic insulating material consisting of one material containing O
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/46Manufacturing multilayer circuits
    • H05K3/4644Manufacturing multilayer circuits by building the multilayer layer by layer, i.e. build-up multilayer circuits
    • H05K3/4673Application methods or materials of intermediate insulating layers not specially adapted to any one of the previous methods of adding a circuit layer
    • H05K3/4676Single layer compositions

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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ樹脂と、分子内にフェノール性水酸
基を2個以上有するフェノール系硬化剤と、硬化促進剤
とを含有するエポキシ樹脂組成物であって、成形に適す
るゲル化時間と溶融粘度を併せ持つプリプレグを得るこ
とができる積層板用エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 下記式(a)、式(b)及び式(c)で
表される構造単位を有する直鎖状ブロックポリマーを含
有する。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子機器等
に使用される積層板の製造に用いられる、エポキシ樹脂
組成物及びプリプレグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来積層板は、例えばガラスクロス等の
基材にエポキシ樹脂組成物等の熱硬化性樹脂ワニスを含
浸した後、加熱乾燥して半硬化させることによってプリ
プレグを作製し、このプリプレグを所要枚数重ねるとと
もに、必要に応じて銅箔等の金属箔をその片側又は両側
に配して積層し、加熱加圧して成形を行うことによって
製造されている。また、多層の積層板は、上記の方法で
得られた金属箔張りの積層板の表面の金属箔をエッチン
グして回路形成した後、その回路形成した積層板の表裏
に、上記と同様のプリプレグを所要枚数重ねるととも
に、必要に応じて金属箔をその片側又は両側に配して積
層し、加熱加圧して成形を行うことによって製造されて
いる。
【0003】積層板を製造するときにプリプレグを用い
ると、そのプリプレグの半硬化した樹脂は、加熱すると
いったん粘度が低下して樹脂が流れ、さらに加熱すると
硬化して樹脂が流れなくなるため、積層時の取り扱いに
おいては半硬化しているため扱いやすく、また、成形す
る途中で、ある程度流動性を有するため、積層板中に気
泡が残りにくくなるという特徴があり一般に用いられて
いる。
【0004】プリプレグの加熱時の流動性を表わす特性
値のうち、加熱したときに計測される最低粘度値を表す
溶融粘度、及び樹脂を加熱開始してからいったん流動化
した後ゲル化するまでの時間を表すゲル化時間の特性が
適切な範囲にあることが重要である。それにより成形時
に適度な樹脂の流動状態が得られ、積層板中の微細な空
隙が完全に樹脂で充填されて、気泡の残留が防止される
と共に、樹脂の過剰流出により生じる板厚不良が防止さ
れる。例えばエポキシ樹脂組成物を用いた場合、130
℃の溶融粘度が300ポイズより低い場合には、樹脂が
過剰に流出して板厚不良が発生する場合があり、130
℃の溶融粘度が800ポイズより高い場合又は130℃
のゲル化時間が15分より短い場合には、得られる積層
板中に微細な気泡が残留しやすくなる。また、130℃
のゲル化時間が25分より長い場合には、樹脂が過剰に
流出して板厚不良が発生する場合がある。すなわち、エ
ポキシ樹脂組成物を用いた場合、300〜800ポイズ
程度の130℃の溶融粘度と、15〜25分程度の13
0℃のゲル化時間の特性を有するプリプレグを用いて積
層板を製造することが一般に望ましい。
【0005】なお、樹脂ワニスとしてエポキシ樹脂組成
物を用いる場合、プリプレグの保存安定性及び積層板の
耐熱性の確保のために硬化剤としては例えばジシアンジ
アミドのようなアミン系の硬化剤を使用するのが一般的
である。
【0006】しかし近年の実装密度の増大に伴い、従来
以上に耐熱性及び耐湿性に優れる積層板が求められるよ
うになっており、従来のアミン系の硬化剤より耐湿性や
耐熱性等に優れるフェノール系の硬化剤が検討されてい
る。(例えば、特開平3−79621号)。
【0007】従来のアミン系の硬化剤を用いた場合であ
れば、上記のような成形に適するゲル化時間と溶融粘度
とを併せ持つプリプレグの製造条件の設定が可能であっ
た。しかし、フェノール系の硬化剤を使用したエポキシ
樹脂組成物では、硬化反応の過程において、エポキシ樹
脂等の分子が直鎖状に延びることなく3次元架橋が進行
するためと考えられるが、プリプレグの製造条件や配合
を調整しても成形に適するゲル化時間と溶融粘度を併せ
持つようにプリプレグを製造することは困難であり、成
形性に劣るという問題があった。
【0008】また、電気・電子機器等の高機能化に伴
い、多層積層板の採用が進んでいる。多層積層板では、
内層用の積層板表面に形成した銅回路とプリプレグの接
着性を確保することが必要である。そのため、従来から
種々の方法で銅回路とプリプレグの接着性を高めること
が検討されており、例えば銅回路を亜塩素酸ナトリウム
を含むアルカリ水溶液等で酸化処理して表面に酸化銅を
形成し、接着性を高めることが一般的に行われている。
この処理により銅回路表面に微細な突起が形成されるた
め接着性を高めることができる。
【0009】しかし、フェノール系の硬化剤を使用した
プリプレグを用いて多層積層板を製造した場合、酸化銅
を形成した銅回路とプリプレグの接着力が低下する場合
があるという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、エポキシ樹脂と、分子内にフェノール性水酸基を
2個以上有するフェノール系硬化剤と、硬化促進剤とを
含有するエポキシ樹脂組成物であって、成形に適するゲ
ル化時間と溶融粘度を併せ持つプリプレグを得ることが
できる積層板用エポキシ樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0011】また更に、酸化銅処理された内層銅箔に対
し良好な接着力で接着するプリプレグを得ることができ
る積層板用エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0012】また、これらのエポキシ樹脂組成物を用い
たプリプレグを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
積層板用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、分子
内にフェノール性水酸基を2個以上有するフェノール系
硬化剤と、下記式(a)、式(b)及び式(c)で表さ
れる構造単位を有する直鎖状ブロックポリマーと、硬化
促進剤とを含有することを特徴とする。なお、式(a)
中Rはアルキル基を表す。
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】本発明の請求項2に係る積層板用エポキシ
樹脂組成物は、請求項1記載の積層板用エポキシ樹脂組
成物において、エポキシ樹脂及びフェノール系硬化剤の
合計100重量部に対し、直鎖状ブロックポリマーを2
〜10重量部含有することを特徴とする。
【0018】本発明の請求項3に係る積層板用エポキシ
樹脂組成物は、請求項1又は請求項2記載の積層板用エ
ポキシ樹脂組成物において、直鎖状ブロックポリマーの
ビカット軟化点が55〜100℃であることを特徴とす
る。
【0019】本発明の請求項4に係る積層板用エポキシ
樹脂組成物は、請求項1から請求項3のいずれかに記載
の積層板用エポキシ樹脂組成物において、直鎖状ブロッ
クポリマー100重量部中の上記式(b)で表される構
造単位の割合が3〜20重量部であることを特徴とす
る。
【0020】本発明の請求項5に係る積層板用エポキシ
樹脂組成物は、請求項1から請求項4のいずれかに記載
の積層板用エポキシ樹脂組成物において、全エポキシ樹
脂100重量部に対し、エポキシ当量が200〜100
0のエポキシ樹脂を50〜95重量部含有することを特
徴とする。
【0021】本発明の請求項6に係るプリプレグは、請
求項1から請求項5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組
成物を基材に含浸してなる。
【0022】本発明の請求項7に係るプリプレグは、請
求項6記載のプリプレグにおいて、基材が、ガラスクロ
スであることを特徴とする。
【0023】本発明によると、上記直鎖状ブロックポリ
マーをエポキシ樹脂組成物に配合することにより、エポ
キシ樹脂組成物の粘度を増粘することができるため、従
来困難であった、プリプレグのゲル化時間をほとんど変
化させずに溶融粘度のみを変化させることができる。そ
のため、適度なゲル化時間と溶融粘度とを併せ持つプリ
プレグを製造することが可能になり、成形性が優れた積
層板を得ることができる。
【0024】また、上記直鎖状ブロックポリマー中に上
記式(b)で表される構造単位の部分を有すると、更
に、プリプレグと酸化銅処理された内層銅箔との接着性
を改良することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の積層板用エポキシ樹脂組
成物には、エポキシ樹脂と、分子内にフェノール性水酸
基を2個以上有するフェノール系硬化剤と、上記式
(a)、式(b)及び式(c)で表される構造単位を有
する直鎖状ブロックポリマーと、硬化促進剤とを含有す
る。
【0026】本発明で使用するエポキシ樹脂としては、
1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂で
あればどのようなものでもよく、例えば、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキ
シ樹脂及びこれらのエポキシ樹脂構造体中の水素原子の
一部をハロゲン化することにより難燃化したエポキシ樹
脂等の単独、変性物、混合物が挙げられる。特に、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールAノボラック型エポキシ樹脂からなる群の中か
ら選ばれた少なくとも1種のエポキシ樹脂であると、優
れた電気特性と物理特性をもち、かつ、両者のバランス
が取れた積層板を得ることができ好ましい。なおこれら
の樹脂は、複数種類を併用することもできる。
【0027】なお全エポキシ樹脂100重量部に対し、
エポキシ当量が200〜1000のエポキシ樹脂を50
〜95重量部含有することが好ましい。エポキシ当量が
200〜1000のエポキシ樹脂は、適度な溶融粘度を
有しているため、硬化反応の過程において、急激な3次
元架橋が進行しないという特徴があるため、このエポキ
シ樹脂を使用すると、プリプレグのゲル化時間を制御す
ることが容易となり好ましい。なお、50重量部未満の
場合は酸化銅処理された内層銅箔に対する接着性が低下
する場合があり、95重量部を越えるとガラス転移温度
等の特性が低下する場合がある。
【0028】本発明で使用するフェノール系硬化剤は、
フェノール性水酸基を2個以上有するフェノール系硬化
剤であり、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボ
ラック樹脂、p−キシレン−ノボラック樹脂等が例示で
き、これらは単独で用いてもよく、2種類以上併用して
もよい。フェノール系硬化剤の配合量は1エポキシ当量
のエポキシ樹脂に対し0.6〜1.3フェノール性水酸
基当量、より好ましくは0.9〜1.1フェノール性水
酸基当量のフェノール系硬化剤を配合することが望まし
い。0.6フェノール性水酸基当量未満の場合及び1.
3フェノール性水酸基当量を越える場合は積層板の耐熱
性が低下する場合がある。
【0029】本発明で使用する直鎖状ブロックポリマー
は、上記式(a)、式(b)及び式(c)で表される構
造単位を有する化合物であり、この化合物をモデル的に
示すと、下記式(d)で表される。なお、式(d)中、
Rはアルキル基を表し、x,y,zは重合割合を表す。
また、上記式(a)、式(b)及び式(c)で表される
構造単位のブロックは、それぞれ1ブロックに限定する
ものではなく、複数有していてもよい。
【0030】
【化7】
【0031】この直鎖状ブロックポリマーをエポキシ樹
脂組成物に配合することにより、エポキシ樹脂組成物の
粘度を増粘することができる。そのため、上記直鎖状ブ
ロックポリマーの含有量を調整することにより、プリプ
レグのゲル化時間をほとんど変化させずに溶融粘度のみ
を変化させることができ、適度なゲル化時間と溶融粘度
とを併せ持つプリプレグを製造することが可能になり、
成形性が優れた積層板を得ることができる。
【0032】なお、エポキシ樹脂組成物中に上記直鎖状
ブロックポリマーを、エポキシ樹脂及びフェノール系硬
化剤の合計100重量部に対し、2〜10重量部含有す
ると好ましい。2重量部未満の場合は、増粘効果が小さ
いため、適度なゲル化時間と溶融粘度とを併せ持つプリ
プレグを製造しにくくなり、10重量部を越える場合に
は、ガラス転移温度が低下して問題となる。
【0033】また、上記直鎖状ブロックポリマーの特性
として、ビカット軟化点が55〜100℃であることが
好ましい。55℃未満の場合、及び100℃を越える場
合は、適度なゲル化時間と溶融粘度とを併せ持つプリプ
レグを製造しにくくなる。
【0034】また、上記直鎖状ブロックポリマー100
重量部中の、上記式(b)で表される構造単位の割合が
3〜20重量部であることが好ましい。直鎖状ブロック
ポリマーに式(b)で表される構造単位の部分を3〜2
0重量部有すると、プリプレグと酸化銅処理された内層
銅箔との接着性を改良することができる。なお、3重量
未満の場合には接着性を改良する効果が小さく、20重
量部を越えると樹脂の吸湿率が増加しやすくなる。
【0035】本発明で使用する硬化促進剤としては、特
に限定するものではないが、2−メチルイミダゾール、
2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイ
ミダゾール等のイミダゾール類、1,8−ジアザ−ビシ
クロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジア
ミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン類、トリ
ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホ
スフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニ
ルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボ
レート等のテトラフェニルボロン塩等が例示でき、これ
らは単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
通常、硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂組成物の固
形分100重量部に対して1重量部以下程度が好まし
い。
【0036】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に
応じて溶剤及び無機充填材等を含有させることができ
る。使用できる溶剤としては、均一な溶液の樹脂組成物
を得ることが可能な溶剤であればよく、特に限定するも
のではないが、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエー
テル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メ
トキシプロパノール等が例示できる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上併用してもよい。溶剤の含有量
は、エポキシ樹脂組成物100重量部に対して30〜5
0重量部程度である。
【0037】本発明で得られた上記樹脂組成物を基材に
含浸させ、加熱乾燥してプリプレグを製造する。基材と
しては、特には限定しないが、ガラス繊維、アラミド繊
維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の繊維を使用し
たクロスもしくは不織布、又はクラフト紙、リンター紙
等の紙などを使用することができる。なお、ガラスクロ
ス等の無機質繊維が耐熱性、耐湿性に優れており好まし
い。
【0038】プリプレグの樹脂量は、プリプレグの重量
100重量部に対し、40〜80重量部であることが好
ましい。40重量部未満の場合には、そのプリプレグを
用いて製造した積層板中に気泡が残留する場合があった
り、板厚不良が発生する場合がある。また、80重量部
を越えた場合にも板厚不良が発生する場合がある。
【0039】積層板は、このプリプレグを所要枚数重ね
るとともに、必要に応じて銅箔等の金属箔をその片側又
は両側に配して積層し、加熱加圧して成形を行うことに
より製造される。このようにして得られた積層板は、耐
熱性及び吸湿性が優れ、かつ積層板中の気泡の残留が少
ない積層板となる。
【0040】内層用の積層板表面に形成した銅回路を酸
化処理して表面に酸化銅を形成し、その積層板の両側又
は片側に上記で得られたプリプレグを配し、さらにその
外側に金属箔を配して積層し、次いで加熱加圧して、多
層の積層板が得られる。この酸化処理とは、黒化処理と
呼ばれる化学的酸化処理であり、銅箔の光沢面に対して
施して、銅箔の光沢面の接着性を向上させる処理であ
り、一般的には酸化剤とアルカリを含む液で処理され
る。このようにして得られた積層板は、積層板中に気泡
が残留しにくく、かつ、フェノール系硬化剤を用いてい
るため耐湿性及び耐熱性に優れた積層板となる。更に、
用いた直鎖状ブロックポリマー100重量部中の、上記
式(b)で表される構造単位の割合が3〜20重量部で
ある場合には、プリプレグと内層銅箔の接着力が優れた
積層板となる。
【0041】
【実施例】
(実施例1〜8、比較例1,2)エポキシ樹脂組成物と
して、下記の2種類のエポキシ樹脂、フェノール系硬化
剤、3種類の直鎖状ブロックポリマー、2種類の硬化促
進剤及び溶剤を用いた。 ・エポキシ樹脂A:エポキシ当量が500であるテトラ
ブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂[ダウケミカル
(株)製、商品名DER511] ・エポキシ樹脂B:エポキシ当量が220であるクレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂[東都化成(株)製、商
品名YDCN702P] ・フェノール系硬化剤:水酸基当量105のフェノール
ノボラック樹脂[荒川化学工業(株)製、商品名タマノ
ール752] ・直鎖状ブロックポリマーA:上記式(a)、式(b)
及び式(c)で表される構造単位を有し、直鎖状ブロッ
クポリマー100重量部中の、上記式(b)で表される
構造単位の割合が5重量部であり、ビカット軟化点が5
5℃の直鎖状ブロックポリマー[電気化学工業社製、商
品名♯3000−K] ・直鎖状ブロックポリマーB:上記式(a)、式(b)
及び式(c)で表される構造単位を有し、直鎖状ブロッ
クポリマー100重量部中の、上記式(b)で表される
構造単位の割合が13重量部であり、ビカット軟化点が
72℃の直鎖状ブロックポリマー[電気化学工業社製、
商品名♯6000−EP] ・直鎖状ブロックポリマーC:上記式(a)、式(b)
及び式(c)で表される構造単位を有し、直鎖状ブロッ
クポリマー100重量部中の、上記式(b)で表される
構造単位の割合が1重量部であり、ビカット軟化点が7
8℃の直鎖状ブロックポリマー[電気化学工業社製、商
品名♯5000−A] ・硬化促進剤A:2−エチル−4−メチルイミダゾール
[四国化成工業(株)製] ・硬化促進剤B:トリフェニルホスフィン[北興化学工
業(株)製] ・溶剤:メチルエチルケトン。
【0042】上記の各原料を表1及び表2に示す重量比
で配合した後、ディスパーで混合、溶解してワニス状の
エポキシ樹脂組成物を得た。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】(評価、結果)得られたエポキシ樹脂組成
物をガラスクロス[旭シュエーベル(株)製、品番76
28W]に含浸し、次いで150℃で乾燥して、樹脂量
及び130℃のゲル化時間が、表1及び表2に示す値の
各種のプリプレグを作製した。なお、乾燥時間を調整す
ることにより130℃のゲル化時間が、発明者が良好と
考える15〜25分の範囲内のものを作製した。ゲル化
時間の測定は、プリプレグから樹脂分を採取したものを
試料とし、130℃の熱盤上でテフロン棒でかき混ぜな
がらゲル化するまでの時間を測定した。
【0046】実施例1〜8及び比較例1,2で得られた
各種のプリプレグについて、溶融粘度を測定した。測定
方法としては、プリプレグから樹脂分を採取して試料と
し、フローテスター[(株)島津製作所製]を用いて、
ダイ穴径/ダイ穴長:0.5mm/10mm、荷重:2
0kg、測定温度:130℃、溶融時間:30秒の測定
条件で測定した。
【0047】結果は表1及び表2に示した通り、各実施
例では130℃のゲル化時間を15〜25分の範囲内と
し、かつ、溶融粘度を、発明者が良好と考える300〜
800ポイズの範囲内とすることが可能であったが、比
較例は130℃のゲル化時間を15〜25分の範囲内と
した場合、溶融粘度を300〜800ポイズの範囲に入
れることができなかった。すなわち、溶融粘度が最も高
くなる15分の条件でプリプレグを製造しても、溶融粘
度は300ポイズに到達しなかった。以上の結果より、
各実施例は各比較例と比べ、成形に適するゲル化時間と
溶融粘度を併せ持つプリプレグを、容易に得ることがで
きることが確認された。
【0048】また、得られたプリプレグを8枚積層し、
更にその両外側に離型フィルムを配して積層した後、こ
の積層物を金属プレートで挟み、最高温度170℃、圧
力3.9MPa、時間90分の条件で成形して厚み約
1.6mmの積層板を得た。また、得られたプリプレグ
を3枚積層し、更にその両外側に離型フィルムを配して
積層した後、同様に成形して厚み約0.6mmの積層板
を得た。
【0049】また、厚み0.8mmの両面銅張積層板
(FR−4タイプ)[松下電工(株)製、品番R176
6]の銅箔(厚み35μm)表面を酸化処理したものを
内層用の積層板とし、その両側に上記で得られたプリプ
レグを各2枚配し、さらにその両外側に厚み18μmの
銅箔を配して積層し、次いで、この積層物を金属プレー
トで挟み、最高温度170℃、圧力3.9MPa、時間
90分の条件で成形して、多層の積層板を作製した。
【0050】なお、上記酸化処理は以下の方法で行っ
た。銅箔表面をバフ研磨した後、塩化銅液に25秒浸漬
し、水洗し、次いで塩酸液に60秒浸漬し、水洗し、次
いで96℃の亜塩素酸ナトリウム、リン酸ナトリウム及
び水酸化ナトリウムを含む水溶液に60秒浸漬し、水洗
し、乾燥した。
【0051】次いでこれらの積層板について、吸湿ハン
ダ耐熱性、成形性、板厚、内層銅箔接着強度及びガラス
転移温度を測定した。
【0052】なお、吸湿ハンダ耐熱性は、多層の積層板
の外層の銅箔を前面エッチングした後、50mm角に切
断し、その端面を研磨した。次いでイオン交換水中で2
時間煮沸処理した後、260℃のハンダに30秒浸漬
し、ミーズリング等の異常の有無を目視で観察し、ミー
ズリングやデラミネーション等の異常の発生が無しを○
とし、ミーズリングやデラミネーション等の異常の発生
が部分的に発生を△とし、ミーズリングやデラミネーシ
ョン等の異常の発生が全体的に有りを×とした。
【0053】成形性は、1.6mmの積層板中の気泡の
有無等を目視で各3枚観察し、気泡の残留が無しを○と
し、気泡の残留が部分的に発生を△とし、気泡の残留が
全体的に発生を×とした。
【0054】板厚は、1.6mmの積層板をマイクロメ
ーターで、積層板の4隅及び4辺の中央部及び積層板の
中央部の合計9カ所を各3枚測定し、その最大値と最小
値の差が、0.08mm未満を○とし、0.08〜0.
12mmを△とし、0.12mmを越える場合を×とし
た。
【0055】内層銅箔接着強度は内層銅箔の酸化処理面
とプリプレグとの間の接着力を測定したものであり、測
定方法としては、多層の積層板の、酸化処理をしていな
いマット面を露出させた内層銅箔に10mm幅のライン
を形成し、そのラインの90度方向の引き剥がし強さを
50mm/分の引き剥がし速度で測定した。
【0056】ガラス転移温度は、0.6mmの積層板の
外層銅箔を全面エッチングした後、動的粘弾性法により
温度分散を測定し、得られたtanδのピーク温度より
ガラス転移温度を求めた。
【0057】結果は表1及び表2に示した通り、各実施
例は各比較例と比べ、成形性及び板厚の精度が優れ、吸
湿ハンダ耐熱性は同等以上であることが確認された。
【0058】また、上記直鎖状ブロックポリマーの配合
量が、エポキシ樹脂及びフェノール系硬化剤の合計10
0重量部に対し、2重量部未満である実施例1は、2〜
10重量部の範囲内であり、同じ直鎖状ブロックポリマ
ーを用いた実施例2〜4及び6と比較して、板厚の精度
及び吸湿ハンダ耐熱性が低下することが確認された。
【0059】また、上記直鎖状ブロックポリマーの配合
量が、エポキシ樹脂及びフェノール系硬化剤の合計10
0重量部に対し、10重量部を越える実施例5は、2〜
10重量部の範囲内である実施例2〜4及び6と比較し
て、ガラス転移温度が低下することが確認された。
【0060】また、直鎖状ブロックポリマー100重量
部中の上記式(b)で表される構造単位の割合が3〜2
0重量部である実施例1〜7は、実施例8と比較して、
内層銅箔接着強度が優れることが確認された。
【0061】
【発明の効果】本発明の請求項1から請求項5に係る積
層板用エポキシ樹脂組成物を用いると、成形に適するゲ
ル化時間と溶融粘度を併せ持つプリプレグを得ることが
できる。
【0062】本発明の請求項4に係る積層板用エポキシ
樹脂組成物を用いると、上記の効果に加え更に、酸化銅
処理された内層銅箔に対し良好な接着力で接着するプリ
プレグを得ることができる。
【0063】また、本発明の請求項6及び請求項7に係
るプリプレグは、成形に適するゲル化時間と溶融粘度を
併せ持つプリプレグとなる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂と、分子内にフェノール性
    水酸基を2個以上有するフェノール系硬化剤と、下記式
    (a)、式(b)及び式(c)で表される構造単位を有
    する直鎖状ブロックポリマーと、硬化促進剤とを含有す
    ることを特徴とする積層板用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式(a)中Rはアルキル基を表す。) 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂及びフェノール系硬化剤の
    合計100重量部に対し、直鎖状ブロックポリマーを2
    〜10重量部含有することを特徴とする請求項1記載の
    積層板用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 直鎖状ブロックポリマーのビカット軟化
    点が55〜100℃であることを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載の積層板用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 直鎖状ブロックポリマー100重量部中
    の式(b)で表される構造単位の割合が3〜20重量部
    であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれ
    かに記載の積層板用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 全エポキシ樹脂100重量部に対し、エ
    ポキシ当量が200〜1000のエポキシ樹脂を50〜
    95重量部含有することを特徴とする請求項1から請求
    項4のいずれかに記載の積層板用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸してなるプリプレ
    グ。
  7. 【請求項7】 基材が、ガラスクロスであることを特徴
    とする請求項6記載のプリプレグ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008001705A1 (fr) * 2006-06-30 2008-01-03 Toray Industries, Inc. Composition de résine époxy, préimprégné, et matériau composite renforcé par des fibres

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