JP3770989B2 - プリプレグの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂粉末等の発生が極めて小さいプリプレグの製造方法に関し、従来この発塵を防止するために行っていたプリプレグ裁断後の加熱再溶融処理を不要とすることができ、更に、プリフレグを積層し成形する工程においても取扱中の再発塵をも少なくしたプリプレグの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント回路用エポキシ樹脂積層板は、一般的には、エポキシ樹脂を繊維基材に塗布・乾燥させて得たプリプレグを1枚以上重ね、その上面に金属箔を重ね合わせて、加熱加圧成形して得られている。また、多層プリント配線板の製造方法は、両面又は片面に回路加工及び黒化処理を施した内層回路板に、エポキシ樹脂を繊維基材に塗布・乾燥させたプリプレグを1枚以上重ね、その上面に金属箔を重ね合わせて、加熱加圧して得られている。かかるプリプレグに使用するエポキシ樹脂は、通常エポキシ当量が350から800程度の末端二官能直鎖状エポキシ樹脂を主成分とし、耐熱性や耐薬品性の向上のためにノボラック型エポキシ樹脂を少量(エポキシ樹脂全体に対して5〜30重量%程度)配合している。このような配合のエポキシ樹脂プリフレグは、プリント回路板としての特性は十分良好であるが、プリプレグの切断、穴あけ等により容易に樹脂粉末が発生する。
【0003】
プリント配線基板の成形において、加熱加圧工程又はその前の重ね合わせ工程等において、プリプレグの切断部等より発生した樹脂粉末が金属鏡面板と金属箔の間にも入り込み、そのまま成形されると、この樹脂粉末が、後工程の回路パターン作成のためのエッチング工程においてエッチングレジストと同じ作用をし、回路パターンの絶縁不良等の原因になっている。そこで、プリプレグの樹脂粉末の発生しやすい部分あるいは樹脂粉末が付着している部分の樹脂及び樹脂粉末を再溶融して、プリプレグからの樹脂粉末の発生、飛散を防止している。この工程は有効であるが、余分な設備と工数を必要とする。従って、この工程を不要とする方法が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、プリント回路板や多層プリント配線板において、回路パターン作成時のエッチング不良等の原因となる積層成形時の金属鏡面板と金属箔の間へ樹脂粉末が入り込むという問題を解決すべく、プリプレグに含浸するエポキシ樹脂の組成を鋭意検討をすすめた結果、本発明を完成するに到った。本発明は、従来、裁断、折曲げおよび穴あけ等の工程において、プリプレグから発生する樹脂粉末を大幅に減じることができ、これによりプリプレグの再溶融工程を不要とすることができるプリプレグの製造方法に関するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プリプレグの製造方法において、ガラス繊維基材に、エポキシ当量が160以上360以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹脂をエポキシ樹脂中50〜100重量%含有するエポキシ樹脂ワニス(A)を含浸し、次いでエポキシ当量が900以上4000以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹脂をエポキシ樹脂中20〜90重量部含有するエポキシ樹脂ワニス(B)を含浸することを特徴とするプリプレグの製造方法、を要旨とするものである。
【0006】
本発明において、(1)エポキシ当量が160から360以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹脂をエポキシ樹脂中の50〜100重量部使用するにより積層板特性を発現させる。このエポキシ樹脂ワニスをガラス繊維基材に含浸すると、発塵はないが、通常の乾燥程度ではタックが残る。このため、更に(2)エポキシ当量が900以上4000以下である末端2官能直鎖状高分子のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂中20〜100重量部含有するエポキシ樹脂ワニスを含浸することにより、タックを無くし、かつ裁断面及び表面層からの発塵を少なくすることができる。その理由は、第1段の含浸に使用するエポキシ当量160以上360以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹脂は乾燥後もタックのある半固形で基本的に発塵しない。第2段の含浸に使用するエポキシ当量900以上4000以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹脂は比較的高分子で可撓性のため発塵しにくい。その上に、切断などで発生する恐れのある粉末も前記タックのある樹脂に付着し飛散することはほとんどない。
【0007】
本発明の目的であるプリフレグからの樹脂粉末の飛散防止のために、比較的高分子量の末端2官能直鎖状エポキシ樹脂を主成分とし、好ましくは、これにノボラックエポキシ樹脂を配合して第2段の含浸ワニスとし、そして第1段の含浸ワニスにはタック性以外の特性の良い低分子量のエポキシ樹脂を使用する。このような組み合わせでエポキシ樹脂ワニスを含浸し、Bステージ化することにより、得られたプリプレグは樹脂粉末の発生が極めて低く抑えられる。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
エポキシ樹脂について説明する。プリプレグからの発塵を抑え、プリプレグの再溶融処理を不要とするために第2段の含浸に使用するエポキシ樹脂は、エポキシ当量が900以上4000以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹脂を主成分とするものである。代表的には、ビスフェノ−ルA等の2官能フェノールとエピハロヒドリンとを反応して得られる2官能直鎖状エポキシ樹脂、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノールの交互共重合反応によって得られる末端2官能直鎖状エポキシ樹脂等があり、これらは数種類のものを併用することも可能である。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレンオキサイドビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、2,6−ナフトール型ジグリシジルエーテル重合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールA共重合物、ビスフェノールF型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールA共重合物、ビスフェノールS型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールA共重合物等が例示される。難燃化のために臭素化したエポキシ樹脂を使用することができる。
【0009】
一方、常温で液状ないし半固形であるエポキシ樹脂を多く用いると含浸乾燥後もプリフレグは柔らかな粘着性のある状態であり、一部の樹脂が高分子量化しても樹脂粉末の発生はない。このような樹脂として低エポキシ当量(低分子量)の末端2官能直鎖状エポキシ樹脂を第1段の含浸に使用することができる。この樹脂はタックがあるためプリプレグの表面に存在する樹脂としては不適当であるが、第1段の含浸のみに使用することによりタックフリーとすることができる。この場合、端面(切断面)にはタックが残り、後の裁断時に上塗り樹脂から少量発生する粉末をも付着させる効果があり、樹脂粉末の飛散防止に効果的である。
【0010】
プリプレグからの発塵防止は、分子量が大きいほうが良い傾向にあるものの、硬化性は逆に低下する傾向がある。エポキシ樹脂の基本骨格、硬化剤の種類によって多少の差異はあるものの、この傾向については基本的に変りない。エポキシ樹脂を使用したプリフレグにおいて、樹脂粉末の発生を有効に抑えるためにエポキシ当量900のエポキシ樹脂は実用上最低限のレベルであった。また、エポキシ当量が4000のエポキシ樹脂の場合は、発塵は十分少ないが、熱変形温度が低下し耐熱性が実用可能な限界のレベルである。これは、架橋点間距離が離れているとともに、架橋点の数も少なくなるためである。一方、分子量の小さいエポキシ当量160〜360エポキシ樹脂は発塵防止及び積層板特性ともに良好であるが、プリフレグにタックが残る。これは、裁断面よりの樹脂粉末の飛散防止に効果がある。
【0011】
ワニス(B)において、エポキシ当量が900以上4000以下である末端2官能直鎖状高分子エポキシ樹脂の配合量はエポキシ樹脂中20〜90重量%である。20重量%未満では、前述のようなこのエポキシ樹脂の特長を十分に発揮させることができない。90重量%を越えると熱変形温度が低下し、必要な耐熱性が発現しない。好ましくは30〜80重量%である。
【0012】
このエポキシ樹脂以外にノボラック型エポキシ樹脂を配合することが好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂はエポキシ当量が小さく、架橋密度を高くするとともに、硬化性を向上させるものである。従って、ノボラック型エポキシ樹脂の配合により耐熱性(ガラス転移温度)、耐薬品性の向上等を達成することができる。この樹脂の配合量は全エポキシ樹脂中の20〜50重量%が好ましく、この範囲で2種のエポキシ樹脂の特長が効果的に現れる。20重量%未満でも使用可能であるが、配合効果が小さく実用的とはいえない。50重量%を越えるとノボラック型エポキシ樹脂配合による効果は大きいが、逆にエポキシ当量900以上4000以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹脂による発塵防止効果が低減し好ましくない。ノボラック型エポキシ樹脂においては、軟化点の低い樹脂を使用することがより望ましい配合になることがある。
【0013】
これら2種のエポキシ樹脂以外に、他のエポキシ樹脂を配合することができる。例えば、難燃化のために臭素化エポキシ樹脂を配合する。また、含浸性の改良のためにワニス(A)の主成分である低分子量のビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂が有効である。
【0014】
一方、ワニス(A)において、エポキシ当量が160以上360以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹脂の配合割合はエポキシ樹脂中50〜100重量%であり、70〜95重量%が好ましい。そして、エポキシ樹脂中のノボラック型エポキシ樹脂の配合割合は通常の積層板用ワニスと同等の5〜25重量部が好ましい。これら2種のエポキシ樹脂以外に、ワニス(A)の場合と同様の他のエポキシ樹脂を配合することができる。
【0015】
硬化剤について説明する。使用される硬化剤は通常積層板用に使用するものであれば特に限定されないが、最も一般的に使われているものとしては、ジシアンジアミド等の複合アミン化合物、あるいは芳香族ポリアミンが好ましく、これらの内から選ばれた1種または2種以上が選択される。
【0016】
複合アミン化合物としては、アミド型としてジシアンジアミドは硬化性と保存性の点で好ましいものである。ジシアンジアミドは、単独で使用した場合は当量比でエポキシ樹脂に対して0.3から0.8倍当量が好ましい。0.3倍当量より少ないと硬化性が低くガラス転移温度の向上効果が小さく、0.8倍当量より多く配合したものは吸湿量が大きく吸湿半田耐熱性が低下する。ジシアンジアミドの配合量については他のポリアミン系硬化剤に比べて適正当量比が小さい値であり特異である。
【0017】
また、芳香族ポリアミンは、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、トリクロロジアミノジフェニルメタン、テトラクロロジアミノジフェニルメタン等があるが、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタンは、耐熱性(ガラス転移温度)の向上のために好ましい。芳香族ポリアミンのみを使用した場合、エポキシ樹脂との当量比が0.7より小さいと、耐溶剤性やガラス転移点が低く、硬化性向上効果が小さいことが多く、一方、1.5より大きいものは、吸湿量が大きく吸湿半田耐熱性が低下し、さらにワニスの常温での保存性が不十分となる傾向がある。
【0018】
有機ポリアミンは、芳香族ポリアミン、複合アミンのいずれの場合も適正当量比の範囲であれば、硬化性及び吸湿半田耐熱性とワニスの常温保存性の両立を図ることができる。また、芳香族ポリアミンは、ジシアンジアミド以外の硬化剤との併用であれば、全ての硬化剤の合計当量が適正な範囲であれば、同様に好ましく使用される。
【0019】
硬化促進剤について説明する。硬化促進剤の種類は,特に限定するものではないが、イミダゾール系硬化促進剤とホスフィン系硬化促進剤が好ましく使用される。イミダゾール系硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4’−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾール・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾール・トリメリット酸付加物等が、また、ホスフィン系硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンフェノール塩等がある。耐熱性向上のためには、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール又は2,4−ジアミノ−6−{2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)}エチル−s−トリアジンを各々単独もしくは併用使用することが好ましい。エポキシ樹脂100重量部に対する硬化促進剤の量は0.1〜0.4重量部が好ましい。0.4重量部を越える添加量になると、硬化が速過ぎて成形性が悪くなるとともに、吸湿半田耐熱性とプリプレグ保存性とが両立しないか、あるいは両方の特性が低下するようになる。一方、0.1重量部未満の添加量では、硬化不足により硬化性、耐熱性が不十分となり、密着性も低下するようになる。
【0020】
上記エポキシ樹脂組成物を繊維基材に塗布する際、通常溶剤によりワニス化し粘度調整を行う。溶剤としては、アセトン、メチルエチルケチン、トルエン、キシレン、エチレングリコールモノエチルエーテル及びそのアセテート化合物、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びそのアセテート化物、ジメチルホルムアミド、メチルジグリコール、エチルジグリコール、メタノール、エタノール等が挙げられる。
【0021】
第1段に塗布される樹脂ワニス(A)の量と第2段に塗布される樹脂ワニス(B)の量については、最終のプリフレグの重量に対して、樹脂ワニス(A)は15〜30%、樹脂ワニス(A)と(B)の合計量では40〜60%が好ましい。ワニスAの塗布量が塗布量がこれより少ないと、粉落ちが多くなることがあり、塗布量がこれより多いと、塗布中にワニスBと混じってタックが表面に残ってしまうことなることがある。
塗布方法としては、有機溶剤を含むエポキシ樹脂ワニスを基材に含浸する方法であれば、いかなる方法も可能である。いずれの方法においても、含浸に必要な最適粘度があるため、塗布方法の違いにより、反応性希釈剤や溶剤の種類、配合量の調整が必要である。
【0022】
本発明により得られたプリプレグは、切断部等からの樹脂粉末の発生が極めて少ない。従って、発塵防止のためのプリプレグ再溶融処理を不要とすることができ、生産コストの削減が図られ、更にはプリプレグ再溶融処理を行わないことによりプリプレグの局部的なゲルタイムの短縮が生じる恐れはない。更に、裁断サイズの取り直しや穴開け加工がある場合、一度プリプレグ再溶融処理により低発塵性としたものも、再度同じ処理を行う必要があり、品質管理も重複し煩雑となるが、このような場合にも、本発明により得られたプリプレグでは、上記のような重複した品質管理が不要となる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づき詳細に説明する。
【0024】
(実施例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190)40重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量250)50重量部をメチルエチルケトン(以後MEK)30重量部に溶解した。これに、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、融点70〜80℃)10重量部をMEK5重量部に溶解して混合し、硬化剤としてジシアンジアミドをアミン当量がエポキシ樹脂との当量比で0.3としDMFで溶解し添加した。更に、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.2重量部を添加した後、調合槽内で混合した。さらに、MEKにより粘度を2ポイズに調整を行い、第1段塗布用エポキシ樹脂ワニス(A)を得た。
【0025】
次に、エポキシ当量925のビスフェノールA型エポキシ樹脂70重量部及びノボラック型エポキシ樹脂30重量部に、ワニス(A)と同様の量で硬化剤と触媒を配合し、MEKで粘度を0.2ポイズに調整し、第2段塗布用エポキシ樹脂ワニス(B)を得た。
【0026】
エポキシ樹脂ワニス(A)を180μm厚のガラス織布に含浸、乾燥して樹脂含有率20重量%(最終のプリフレグに対して)とした後、エポキシ樹脂ワニス(B)をガラス織布に含浸、乾燥して樹脂含有率50重量%のプリプレグ(最終のプリフレグに対して)を得た。
【0027】
一方、ガラス織布基材厚0.1mm、銅箔厚35μmのガラスエポキシ両面銅張積層板を表面研磨、ソフトエッチングし防錆処理を除いた後、エッチングにより回路加工し、黒化処理を行って内層プリント回路板を得た。
【0028】
上記で得たプリプレグをこの内層プリント回路板の両面にそれぞれ1枚ずつ重ね合わせ、更にその両面に厚さ18μmの銅箔を1枚ずつ重ね、真空圧プレスにて積層材料の最高到達温度が170℃、昇温冷却含め150分間加熱加圧成形し、多層プリント配線板を得た。この際、前記プリプレグの樹脂粉末発生量を測定し、多層プリント配線板の特性(ガラス転移温度及び吸湿後の半田耐熱性)を評価し、その結果を表1に示す。プリプレグからの樹脂粉末発生量は極めて少ない。
【0029】
(実施例2〜4)
エポキシ樹脂ワニス(A)及び(B)の組成を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法により多層プリント配線板を作製し、特性の評価を行った。それぞれの組成及び評価結果を表1に示す。実施例1と同様にプリプレグからの樹脂粉末発生量は極めて少ない。
【0030】
(比較例1〜3)
エポキシ樹脂ワニス(A)及び(B)の組成を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法により多層プリント配線板を作製し、特性の評価を行った。それぞれの組成及び評価結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003770989
【0032】
(測定方法)
1.樹脂粉末発生量:カッターナイフによりプリプレグを一定長さ(約1m)だけカットした時の樹脂粉末の発生量[mg/m](長さ1m当たりの樹脂粉末量)を測定した。
2.ガラス転移温度:粘弾性測定機にて昇温速度3℃で測定した。このときのtanδのピーク値を求めた。
3.吸湿後の半田耐熱性:125℃の飽和蒸気圧中で1時間処理し、260℃半田浴に20秒間浸漬し、膨れの有無を観察した。
【0033】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明の方法により得られたプリプレグはその切断等の際に樹脂粉末の発生が極めて少なく、この樹脂粉末による積層成形あるいは多層成形時の成形不良を実質的になくすることができる。従って、従来必要であったプリプレグの再溶融処理をなくすることができ、このことによりプリント回路板の製造工程を短縮することができ、製造コストの低下を達成することができる。本発明のプリフレグを使用して得られたプリント回路板、あるいは多層プリント回路板は従来のものと同等である。

Claims (2)

  1. プリプレグの製造方法において、ガラス繊維基材に、エポキシ当量が160以上360以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹脂をエポキシ樹脂中50〜100重量%含有するエポキシ樹脂ワニス(A)を含浸し、次いでエポキシ当量が900以上4000以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹脂をエポキシ樹脂中20〜90重量部含有するエポキシ樹脂ワニス(B)を含浸することを特徴とするプリプレグの製造方法。
  2. エポキシ樹脂ワニス(B)において、エポキシ樹脂中ノボラック型エポキシ樹脂を10〜40重量部含有する請求項1記載のプリプレグの製造方法。
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