JPH09227652A - 耐熱性に優れたエポキシ樹脂の硬化方法およびエポキシ樹脂硬化物 - Google Patents

耐熱性に優れたエポキシ樹脂の硬化方法およびエポキシ樹脂硬化物

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JPH09227652A
JPH09227652A JP6027196A JP6027196A JPH09227652A JP H09227652 A JPH09227652 A JP H09227652A JP 6027196 A JP6027196 A JP 6027196A JP 6027196 A JP6027196 A JP 6027196A JP H09227652 A JPH09227652 A JP H09227652A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性と強靭性に優れたエポキシ樹脂硬化成
形品および該エポキシ樹脂を硬化する方法を提供するこ
と。 【解決手段】 (a)式(I): 【化1】 で示され、nは0以上の整数を示す。)で表される、融
点170℃以上のエポキシ樹脂と、(b)硬化剤とを必
須成分とし、150℃以上、エポキシ樹脂の融点以下の
温度で硬化させるエポキシ樹脂の硬化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性、強靭性、そ
の他機械的特性に優れ、積層板、接着剤、電気・電子部
品の封止材、各種構造材料等に使用されるエポキシ樹脂
系硬化性樹脂組成物、その硬化方法及びその硬化成形品
に関する。詳細には、本発明の硬化方法によると、耐熱
性と強靭性共に優れたエポキシ樹脂硬化成形品を与え
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂に代表されるエポキシ樹脂は、接着性、電気特性な
どその優れた特性により、塗料、電気部品の注型材料、
積層板、接着剤、電気・電子部品の封止材などの用途に
広く使用されている。しかしながら、近年エポキシ樹脂
は、各用途において、より過酷な使用条件下で使用され
る傾向にあり、従来のエポキシ樹脂では耐熱性、強靭
性、耐衝撃性、耐湿性などが不足する場合が生じてき
た。
【0003】そのために、これらの特性を改良したエポ
キシ樹脂の開発が数多く進められている。例えば、電子
部品の封止材分野では、耐熱性を高める方法として、エ
ポキシクレゾールノボラックに代表されるように、多官
能フェノールをグリシジル化した種々の多官能性エポキ
シ樹脂を使用する方法が提案されている(特開平3−1
7117号公報)。
【0004】しかし、このような多官能性エポキシ樹脂
を使用した場合、硬化物の耐熱性は向上するものの、架
橋密度が高まるため硬化物の強靭性が低下してしまう問
題を抱えている。また、耐熱性、強靭性を向上させる新
しい試みとして、特開昭63ー23931号公報、或い
は特開平4−233935号公報では分子内に比較的剛
直な骨格(メソゲン)を含み、一定温度範囲内で液晶性
を発現するエポキシ樹脂をアミン系硬化剤と混合し、エ
ポキシ樹脂が液晶性を発現する温度範囲内において硬化
する手法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この方法により得られ
たエポキシ樹脂硬化物は、確かに同一組成のエポキシ樹
脂と硬化剤との混合物を等方性液体状態から硬化して得
られたエポキシ樹脂硬化物に比較して高強度、高耐衝撃
性を示しているが、例示されているエポキシ樹脂の骨格
がやや屈曲し、柔軟性を有するため、ガラス転移点で代
表される耐熱性はおよそ170℃であり、現在最も一般
的に使用されているビスフェノールA型エポキシ樹脂と
同じレベルであり、耐熱性において十分に改善されてい
るとは云えない。そこで、本発明は、耐熱性と強靭性に
優れたエポキシ樹脂硬化物および該エポキシ樹脂硬化物
を得る方法を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて種々検討した結果、(イ)剛直な骨格を有するメ
ソゲンとしてビフェニル基を選択し、(ロ)さらにエポ
キシ樹脂の重合度を一定以上に上げたエポキシ樹脂とな
し、該エポキシ樹脂を硬化剤と混合し、(ハ)特定温度
範囲内で硬化することにより、耐熱性と強靭性共にエポ
キシ樹脂硬化成形品を与えることができることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は: 必須成分として、(a)式(I):
【化7】 〔式中、Aは式(II):
【化8】 で示され、nは0以上の整数を示す。〕で表される、融
点170℃以上のエポキシ樹脂及び(b)硬化剤からな
る熱硬化性樹脂組成物を、150℃以上、エポキシ樹脂
の融点以下の温度で硬化させ、エポキシ樹脂の硬化方法
を提供する。また、
【0008】 において、式(I)中のAが下記式
(III):
【化9】 で示されるエポキシ樹脂を使用する点にも特徴を有す
る。また、 必須成分として、(a)式(I):
【化10】 〔式中、Aは式(II):
【化11】 或いは式(III):
【化12】 で示され、nは0以上の整数を示す。〕で表される、融
点170℃以上のエポキシ樹脂及び(b)硬化剤からな
る熱硬化性樹脂組成物を硬化して得られた、複屈折性エ
ポキシ樹脂硬化射出成形品トランスファー成形品、注型
品、圧縮成形品又はフィルムを提供する。
【0009】以下、本発明を詳細には説明する。 (A)エポキシ樹脂 本発明に用いるエポキシ樹脂(a)は、基本的に下記の
特性を有するものである。即ち、式(I):
【化13】
【0010】〔式中、Aは式(II):
【化14】 或いは式(III):
【化15】 で示され、nは0以上の整数を示す。〕で表される、融
点170℃以上を有する特徴を持つ。
【0011】式(I)の構造式において、nは繰り返し
数を表し0以上の整数であるが、この値は分子量や融点
等により一義的に制限されるものである。その繰り返し
数は、生成するエポキシ樹脂自体が種々の混合物から構
成される観点から数平均値の性格を持つが、一般には
0.05〜10、好ましくは0.1〜5、より好ましく
は0.3〜2である。本発明におけるエポキシ樹脂
(a)は、X線回折分析により結晶性を持つことが判
る。そして、その融点は170℃以上、好ましくは18
0℃〜350℃、より好ましくは190℃〜300℃、
特に好ましくは200℃〜280℃である。エポキシ樹
脂(a)の融点が350℃よりもあまりに高いと、硬化
して得られる硬化成形品の耐熱性が低下するし、また、
融点が170℃未満であると、本発明の効果が低下する
ので好ましくない。本発明における融点の測定は、ヤナ
コ社製、微量融点測定装置MP−J3を用い、1℃/分
の速度で加熱して行った。
【0012】(B)エポキシ樹脂の製造法 本発明におけるエポキシ樹脂(a)を製造するには、下
記の方法を用いることが望ましい。すなわち、(i)そ
の1:下記式(IV):
【化15】 (式中Aは、式(I)と同じ、mは0以上の整数であ
る。)で示される融点が170℃未満のエポキシ樹脂と
式(V):
【化16】 で示されるジヒドロキシビフェニル化合物とを触媒の存
在下または不存在下で反応させて得ることができる。
【0013】上記170℃未満のエポキシ樹脂(C)と
ジヒドロキシビフェニル化合物 (d)との反応割合
は、得られるエポキシ樹脂の性能範囲に従って広い割合
を採用できるが、モル比で0.05〜0.9、好ましく
はモル比で0.1〜0.7、より好ましくは0.2〜
0.5である。該反応割合が0.05未満では、耐熱性
の向上の効果が十分ではなく好ましくなく、また0.9
を越えるとエポキシ樹脂の流動性が低下し、その結果、
該エポキシ樹脂を硬化して得られる硬化成形品の均一性
が低下してしまう。
【0014】本発明のエポキシ樹脂の製造にあたり、出
発原料を溶解する有機又は無機溶媒中で反応を行うこと
ができるが、反応系の均質性の点から無溶媒下で行うの
が望ましい。ここで使用される触媒としては、例えば塩
基性触媒、四級アンモニウム塩系触媒、リン系触媒等が
挙げられる。塩基性触媒の例としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、トリブチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ベン
ジルジエチルアミン、2−フェニルイミダゾール、イミ
ダゾール、N−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
【0015】四級アンモニウム塩系触媒の例としては、
テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメ
チルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウ
ムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、
テトラブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられ
る。リン系触媒の例としては、トリフェニルホスフィ
ン、トリメチルホスフィン、ベンジルトリフェニルホス
ホニウムブロマイド、アミルトリフェニルホスホニウム
ブロマイド、ヨウ化ベンジルトリフェニルホスホニウ
ム、トリフェニルホスホニウムアイオダイド等が例示さ
れる。使用する触媒の量は、式(IV)で示される融点
が170℃未満のエポキシ樹脂に対して1ppm〜1重
量%、好ましくは5ppm〜1000ppm、特に好ま
しくは10ppm〜500ppmである。
【0016】使用する触媒の量が1ppm未満と少なす
ぎると反応速度が遅くなり、また、1重量%を越えて多
すぎると副反応が進むことによりゲルが生じたり、或い
はエポキシ樹脂硬化成形品の物理的、電気的特性が低下
したり、電子部品の封止材として使用された時などに
は、アルミ配線を腐食し易くなるので好ましくない。ま
た、その反応温度は、80℃〜280℃、好ましくは1
00℃〜250℃、より好ましくは120℃〜220℃
である。反応温度が80℃未満と低すぎると反応の進行
が遅すぎ、反応温度が280℃を越えて高すぎると樹脂
が熱分解を生じ始めるため好ましくない。
【0017】反応は溶媒中で行っても良いし、溶媒の不
存在下で行っても良い。使用される溶媒としては、例え
ばメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチル
エチルケトン、アセトン、3ーペンタノン、2ーヘキサ
ノン、2ーヘプタノン、4ーヘプタノン、ジイソブチル
ケトン、アセトニトリルアセトン、ホロン、メチルシク
ロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類;ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、フラ
ン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
ジエチレングリコールジブチルエーテル、アセタール等
のエーテル類;
【0018】酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチレングリ
コールモノアセタート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン
等のエステル類;メタノール、エタノール、1ープロパ
ノール、2ープロパノール、1ーブタノール、2ーブタ
ノール、イソブチルアルコール、1ーヘキサノール、2
ーヘキサノール、3ーヘキサノール、1ーペンタノー
ル、2ーペンタノール、3ーペンタノール、グリセリン
等のアルコール類;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、等の炭化水
素類;クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジ
クロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ニトロベンゼ
ン、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等の
窒素化合物類;ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物等
が挙げられる。
【0019】また、反応の開始前、或いは反応の初期の
段階で、反応系を一時的に280℃〜300℃に加熱
し、ビフェニル化合物を反応系に溶解させた後に冷却
し、所定の反応温度で反応させても良いし、予め溶融さ
せておいたビフェニル化合物に融点170℃未満のエポ
キシ樹脂を添加し、反応系を均一にした後に所定の温度
で反応を進めても良い。
【0020】(ii)その2 また、本発明におけるエポキシ樹脂(a)は、式(V)
で示されるジヒドロキシビフェニル化合物(d)とエピ
クロロヒドリン、エピブロモヒドリン等で代表されるエ
ピハロヒドリン(e)の混合物に、触媒の存在下或いは
不存在下で、一度に或いは連続的にアルカリを添加し反
応させ、反応後水洗し、その後過剰量のエピハロヒドリ
ンを留去することによっても得ることもできる。ジヒド
ロキシビフェニル化合物(d)とエピハロヒドリン
(e)との反応割合は、得られるエポキシ樹脂の性能範
囲に従って広い割合を採用できるが、モル比で1.02
〜5.0、好ましくは1.1〜3.0、より好ましくは
1.2〜2.0である。
【0021】該反応割合が1.02未満では、エポキシ
樹脂の流動性が低下し、該エポキシ樹脂を硬化して得ら
れる硬化成形品の均一性が低下してしまい好ましくな
く、また2.0を越えると得られるエポキシ樹脂の分子
量が低くて融点が下がり、耐熱性向上の効果が十分でな
くなる。使用されるアルカリとしては水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、などのアルカリ
金属水酸化物、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金
属水酸化物などが挙げられる。これらのアルカリはその
まま使用してもよいし、水、メタノール、エタノールな
どの溶媒に溶解して用いても良い。
【0022】また、反応中に反応で生成した水或いはア
ルカリを添加した際に、同伴された水を反応系外に除去
しながら行うと、得られたエポキシ樹脂の塩素含有量が
低くなるので好ましい。水を除去する方法としては、反
応系内の水をエピハロヒドリンと共沸蒸留により留出さ
せ、留出液を水相および有機相に分液した後、有機相の
みを反応系内に戻す方法が例示される。使用する触媒
は、上記(i)の場合と同じであっても良い。また、必
要に応じて溶媒を併用しても、また無溶媒下で反応させ
ても良い。
【0023】(iii)その3 本発明におけるエポキシ樹脂(a)の別の製造法として
は、式(V)で示されるジヒドロキシビフェニル化合物
(d)とエピハロヒドリン(e)を、触媒の存在下で付
加反応させハロヒドリン化合物を生成させた後に、前述
に例示されたアルカリを用いて、脱塩酸反応させる方法
も例示される。上記ジヒドロキシビフェニル化合物
(d)とエピハロヒドリン(e)との反応割合は、反応
成分自体上述の(ii)の場合と同じなので、ほぼ同様
に取り扱うことができる。また、必要に応じて溶媒を併
用しても、また無溶媒下で反応させても良い。
【0024】この反応で使用される触媒としては塩基性
触媒、四級アンモニウム塩系触媒、リン系触媒等が挙げ
られる。塩基性触媒の例としては、トリブチルアミン、
トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ベンジル
ジエチルアミン、2−フェニルイミダゾール、イミダゾ
ール、N−メチルイミダゾールなどが挙げられる。四級
アンモニウム塩系触媒の例としては、テトラメチルアン
モニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウム
クロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テ
トラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアン
モニウムブロマイドなどが挙げられる。
【0025】リン系触媒の例としては、トリフェニルホ
スフィン、トリメチルホスフィン、ベンジルトリフェニ
ルホスホニウムブロマイド、アミルトリフェニルホスホ
ニウムブロマイド、ヨウ化ベンジルトリフェニルホスホ
ニウム、トリフェニルホスホニウムアイオダイド等が例
示される。この脱塩酸反応中においても前記(ii)の
場合と同様の方法で反応系内の水分を除去するとエポキ
シ樹脂の塩素含有量が低下するので好ましい。
【0026】上記(ii)及び(iii)の場合におい
て、式(V)で示されるジヒドロキシビフェニル化合物
の具体例としては、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、2,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジ
ヒドロキシビフェニルなどが挙げられる。上記(ii)
及び(iii)の場合に、触媒の使用量は、前記(i)
の場合と同様の範囲、即ち、1ppm〜1重量%、好ま
しくは5ppm〜1000ppm、特に好ましくは10
ppm〜500ppmである。
【0027】使用する触媒の量が1ppm未満と少なす
ぎると反応速度が遅くなり、また、1重量%を越えて多
すぎると副反応が進むことによりゲルが生じたり、或い
はエポキシ樹脂硬化成形品の物理的、電気的特性が低下
したり、電子部品の封止材として使用された時などに
は、アルミ配線を腐食し易くなるので好ましくない。で
あっても良い。
【0028】(C)エポキシ樹脂の硬化方法 (i)硬化方法 本発明のエポキシ樹脂(a)に係る硬化性樹脂組成物の
硬化方法は、エポキシ樹脂の分子運動を制御しつつ硬化
反応を進め、分子鎖同士を高度に配向させることを利用
して耐熱性を向上させるものである。従って、得られる
エポキシ樹脂硬化成形品は、高度な配向に基ずいて複屈
折性と立体規則性とを有する点で従来のエポキシ樹脂で
は見られない特異性を示す点である。ここで、「複屈折
性」は偏光顕微鏡、或いは分光光度計などで観察するこ
とができる。また、「立体規則性」はX線回折分析でブ
ロードなハロー光以外のピークが存在するか否かにより
確認できる。
【0029】本発明の硬化性樹脂組成物の硬化温度は、
150℃以上でエポキシ樹脂の融点以下、好ましくは1
70℃以上エポキシ樹脂の融点以下、より好ましくは1
80℃以上エポキシ樹脂の融点以下であることが必要で
ある。この場合、150℃未満であると該組成物の流動
性が殆どなくなり、所定の形状のエポキシ樹脂成形品が
得られず、また、硬化温度がエポキシ樹脂の融点以上で
あると、硬化反応中のエポキシ樹脂の分子運動を制御す
ることができなくなり、本発明の効果が現れない。ま
た、本発明の硬化方法により硬化反応を進め、該エポキ
シ樹脂組成物の流動性が失われた後にエポキシ樹脂の融
点以上に硬化温度を上昇させ、後硬化しても構わない。
【0030】また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、基
本的に特定のエポキシ樹脂(a)と硬化剤(b)とを必
須成分とするものである。本発明のエポキシ樹脂組成物
の主要成分を構成する(a)成分としては、上記新規な
エポキシ樹脂単独でも良いが、或いは必要に応じて他の
エポキシ樹脂の少量と併用できる。併用できる他のエポ
キシ樹脂としては、(イ)ビスフェノールAのジグリシ
ジルエーテル類、(ロ)エポキシフェノールノボラック
類、(ハ)エポキシクレゾールノボラック類、(ニ)そ
の他;フタル酸又はヘキサヒドロフタル酸とエピクロル
ヒドリンから得られたエポキシ樹脂、パラヒドロキシ安
息香酸とエピクロルヒドリンから得られたエポキシ樹
脂、トリルイジンやアニリン等の芳香族アミンとエピク
ロルヒドリンから得られたエポキシ樹脂、ビニルシクロ
ヘキセンジオキシド、1,4−ブタンジオールジグリシ
ジルエーテル、1,6−ブタンジオールジグリシジルエ
ーテル等が挙げられる。
【0031】(ii)硬化剤(b) 本発明で使用される硬化剤としては、アミン系硬化剤、
酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、イミダゾール
系硬化剤、カチオン系硬化剤を挙げることができるが、
アミン系硬化剤の使用が望ましい。アミン系硬化剤とし
ては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプ
ロパン、1,4−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジ
アミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、ト
リメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレ
ン)トリアミン、
【0032】トリエチレンテトラミン、テトラクロロ−
p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p
−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−
フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4
−ジアミノアニゾール、2,4−トルエンジアミン、
【0033】2,4−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4−ジアミノジ
フェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルフォン、m−アミノフェノール、m−アミノベンジル
アミン、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、
2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6
−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエ
タノールアミン、メチルベンジルアミン、トーマイド
(富士化成)、バーサミド、ジェナミド(ヘンケル白
水)、ラッカーマイド(大日本インキ)、サンマイド
(三和化学)、ポリマイド(三洋化成)等が挙げられる
が、そのうち、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォ
ンの使用が望ましい。
【0034】酸無水物系硬化剤としては、例えば、ドデ
セニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼ
ライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチル
オクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカ
ン二酸)無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メ
チルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタ
ル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチル
シクロヘキセンジカルボン酸無水物、無水フタル酸、無
水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスト
リメリテート、無水ヘット酸、テトラヒドロ無水フタル
酸等が挙げられるが、そのうち、メチルヘキサヒドロ無
水フタル酸の使用が望ましい。フェノール系硬化剤とし
ては、例えばフェノールノボラック、クレゾールノボラ
ック、カテコールノボラック等が挙げられるが、そのう
ち、フェノールノボラックの使用が望ましい。
【0035】イミダゾール系硬化剤としては、例えば、
1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2
−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイ
ミダゾール、2−ヘプデシルイミダゾール、2−フェニ
ルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−
シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、
2−メチルイミダゾール、
【0036】1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリ
ウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニル
イミダゾリウムトリメリテート、2−メチルイミダゾリ
ウムイソシアヌレート、2−フェニルイミダゾリウムイ
ソシアヌレート、2,4−ジアミノ−6−[2−メチル
イミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2−エチル−4−メチルイミ
ダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−
(1)]−エチル−S−トリアジン、2−フェニル−
4,5−メチルイミダゾール、
【0037】2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキ
シメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニ
ル−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾー
ル、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾ
リウムクロライド、1,3−ジベンジル−2−メチルイ
ミダゾリウムクロライド等が挙げられるが、そのうち、
2−エチル−4−メチルイミダゾールの使用が望まし
い。カチオン系硬化剤としては、三フッ化ほう素、三フ
ッ化ほう素−アミン錯体等が挙げられる。硬化剤(b)
の配合量は、エポキシ樹脂(a)の重合度や硬化剤の種
類等により異なり一義的に規定できないが、エポキシ樹
脂100重量部当たり0.1〜200重量部、好ましく
は1〜100重量部である。
【0038】(ii)その他の添加剤 また、本発明では必要に応じて硬化促進剤、無機充填
剤、難燃剤、カップリング剤、離型剤、着色剤、レベリ
ング剤、ハジキ防止剤、消泡剤等を添加することができ
る。また、ガラス繊維、ガラス布、炭素繊維等の強化剤
を含有させることもできる。使用される硬化促進剤とし
ては、アミン系硬化剤或いはイミダゾール系硬化剤とし
て上記に例示した化合物、或いはトリフェニルホスフィ
ン、トリブチルホスフィン等のリン化合物等が挙げられ
る。
【0039】使用される無機充填剤としては、アルミ
ナ、アスベスト、カーボンブラック、グラファイト、珪
藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化アルミ、
石英粉、溶融シリカ粉、タルク、バライト、マイカ等が
挙げられる。離型剤としては、例えば天然ワックス、合
成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩、パラフィン等
が挙げられる。着色剤としてカーボン等が導電剤の作用
を有する点から、特に電気・電子部品の用途に望まし
い。難燃剤としては、ノンハロゲンであるものが望まし
く、例えば無機充填剤や三酸化アンチモン、五酸化アン
チモン、リン酸及びリン化合物等が挙げられる。カップ
リング剤としては、例えばエポキシシラン、ビニルシラ
ン、アミノシラン、ボラン化合物、アルコキシチタネー
ト化合物、アルミキレート化合物等を挙げることができ
る。
【0040】本発明の(a)成分のエポキシ樹脂と
(b)成分の硬化剤および必要に応じて配合される硬化
促進剤や充填剤等の添加剤の混合方法としては、加熱装
置付き混合槽、ニーダー、押し出し機、ロール等を使用
することができる。本発明のエポキシ樹脂の硬化方法
は、注型、トランスファー成形、圧縮成形等の一般的な
成形方法が適用できるが、なかでも、シリコンゴム、ブ
チルゴム、ポリフッ素化エチレン、テフロン、塩化ビニ
ル等の耐熱性ゴム、或いは、変性PPE、ナイロン、ポ
リカーボネート、ポリエステル等のエンジニアリングプ
ラスチック、ポリイミド、ポリアリールエーテル等のス
ーパーエンジニアリングプラスチック、或いはステンレ
スに所定の形状の型をあけ、圧縮成形にて成形するとク
ラックやボイドの少ないエポキシ樹脂硬化成形品が得ら
れる。本発明のエポキシ樹脂硬化成形品の形状は、特に
電気・電子等の絶縁材、積層板、封止材等の用途に適合
する形状、例えばフィルム、射出成形品、トランスファ
ー成形品、注型品、圧縮成形品等を挙げることができ
る。
【0041】本発明のエポキシ樹脂の硬化方法は、
(a)成分のエポキシ樹脂と(b)成分の硬化剤および
必要に応じて配合される硬化促進剤や充填剤等の添加剤
の各成分を加熱溶融することなく混合し、直接硬化して
もよいが、溶融状態のエポキシ樹脂に各成分を添加する
か、或いは予め配合された混合物を加熱溶融し、均一に
した後に急冷し、得られた個体を粉砕した後に所定の温
度で加熱硬化する方法が、均一な組成のエポキシ硬化成
形品を得ることができるので好ましい。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、それらは本発明の範囲を制限しない。なお、実施
例中「部」とあるのは重量部を示す。また、実施例にお
ける各種物性の評価は次の方法で実施した。 エポキシ当量 エポキシ樹脂をベンジルアルコールと1−プロパノール
で溶解する。この溶液にヨウ化カリウム水溶液、ブロモ
フェノールブルー指示薬を添加した後、1規定塩酸にて
滴定し、反応系内が青色から黄色になった点を当量点と
した。当量点より、樹脂のエポキシ当量を以下の式に従
って算出する。 エポキシ当量(g/eq.)=1000×W/(V×N
×F) W;試料の重量(g) V;滴定量(ml) N;滴定に使用した塩酸の規定度(N) F;滴定に使用した塩酸のファクター
【0043】 融点 ヤナコ社製、微量融点測定装置MP−J3を用い、1℃
/分で加熱して測定した。 複屈折性 分光光度計(日立製U−3000)を用い、偏光子と検
光子をクロスニコルの状態にしてバックグラウンドをと
り、次に偏光子と検光子の間に、膜厚60ミクロン以上
100ミクロン以下のエポキシ硬化物フィルムをセット
し、700nmの光の透過度が1%以上の時、複屈折性
があると判断した。
【0044】 立体規則性 X線回折分析を行い、ブロードなハローピーク以外に、
2θが3゜から30°の間にピークが観察された場合に
立体規則性があるとした。 ガラス転移温度(Tg) TMAにて、圧縮モードにより測定した。 曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾット強度 JIS K−6911に準拠して求めた。なお、アイゾ
ット強度はノッチ付きで測定した。
【0045】 破壊靭性値(KIC) ASTM D 5045 に準拠して測定した。 吸水率 硬化成形物から、20mm×20mm×2mmの大きさ
の試験片を取り出し、これを高圧蒸気環境試験器に入
れ、121℃、2気圧で試験片の重量が一定値になるま
で試験を継続し、試験片の重量増加を百分率で表わし
た。
【0046】(合成参考例1) (4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエー
テルの合成)撹拌装置、温度計を備えた5mlの三つ口
フラスコに、4,4−ジヒドロキシビフェニル300g
(1.6モル)、エピクロルヒドリン4441g(48
モル)、テトラメチルアンモニウムクラリド3.0gを
仕込み、加熱還流下で2時間付加反応させた。次いで内
容物を60℃に冷却し、水分除去装置を装着してから、
水酸化ナトリウムを134.4g(3.2モル)加え、
反応温度55〜60℃、減圧度100〜150mmHg
で生成する水を連続的に共沸除去させ、留出液のうちエ
ピクロルヒドリン層を反応系にもどしながら閉環反応を
行わせた。生成水が57.6mlに達した点を反応終了
点とした。
【0047】その後、減圧ろ過、水洗を繰り返し、さら
に減圧蒸留により残存エピクロルヒドリンを回収した。
このようにして得られた粗グリシジル化合物をメチルエ
チルケトンから再結晶してグリシジル化合物A(融点1
65℃、エポキシ当量152)を得た。そのグリシジル
化合物Aは式(I)におけるAが式(II)又は(II
I)で、nがほぼ0.02の基本骨格を有していた。
【0048】(合成例2)セパラブルフラスコにグリシ
ジル化合物A100部、4,4′−ジヒドロキシビフェ
二ル6.1部を加え、120℃にて25ミリモル/LN
aOHメタノール溶液1.8mlを加え、180℃にて
3時間反応させてエポキシ樹脂1(融点210℃)を得
た。エポキシ樹脂1は、式(I)におけるAが式(I
I)又は(III)で、nがほぼ0.25の基本骨格を
有していた。
【0049】(合成例3)18.4部の4,4′−ジヒ
ドロキシビフェ二ルを使用した以外は合成例2と同様に
してエポキシ樹脂2を得た(融点240℃)。エポキシ
樹脂2は式(I)におけるAが式(II)又は(II
I)で、nがほぼ0.89の基本骨格を有していた。
【0050】(合成例4)30.7部の4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニルを使用し、反応温度を220℃とし
た以外は合成例2と同様にしてエポキシ樹脂3を得た
(融点270℃)。エポキシ樹脂3は式(I)における
Aが式(II)又は(III)で、nがほぼ2.05の
基本骨格を有していた。エポキシ樹脂1〜3を質量分析
法により分析したところ、いずれも未反応成分の4,
4′−ジヒドロキシビフェニルの残存量は初期添加量に
対して5%以下であった。また、エポキシ樹脂1〜3を
X線回折法により分析したところ、いずれも結晶性であ
ることが分かった。
【0051】(実施例1)100部のエポキシ樹脂1
(融点210℃)の入った試験管を230℃のオイルバ
スに浸し、エポキシ樹脂を溶融させ、34.8部のジア
ミノジフェニルスルフォン(DDS)を添加する。DD
Sが溶解し系内が均一になったら液体窒素を用いて急冷
し、得られた固形物をミルで粉砕し粉体の均一混合物を
得た。シリコンゴム製の型に上記の粉体を添加し、加圧
成形を用いて180℃で5時間、200℃で17時間硬
化反応を行い硬化物を得た。得られた硬化物の物性を表
1に示した。
【0052】(実施例2)100部のエポキシ樹脂2
(融点240℃)の入った試験管を250℃のオイルバ
スに浸し、エポキシ樹脂を溶融させ、24.2部のジア
ミノジフェニルスルフォン(DDS)を添加する。DD
Sが溶解し系内が均一になったら液体窒素を用いて急冷
し、得られた固形物をミルで粉砕し粉体の均一混合物を
得た。シリコンゴム製の型に上記の粉体を添加し、加圧
成形を用いて180℃で5時間、200℃で17時間硬
化反応を行い硬化物を得た。得られた硬化物の物性を表
1に示した。
【0053】(実施例3)100部のエポキシ樹脂3
(融点270℃)の入った試験管を280℃のオイルバ
スに浸し、エポキシ樹脂を溶融させ、15.6部のジア
ミノジフェニルスルフォン(DDS)を添加する。DD
Sが溶解し系内が均一になったら液体窒素を用いて急冷
し、得られた固形物をミルで粉砕し粉体の均一混合物を
得た。シリコンゴム製の型に上記の粉体を添加し、加圧
成形を用いて200℃で24時間硬化反応を行い硬化物
を得た。得られた硬化物の物性を表1に示した。
【0054】(比較例1)100部のエポキシ樹脂1
(融点210℃)の入った試験管を230℃のオイルバ
スに浸し、エポキシ樹脂を溶融させ、34.8部のジア
ミノジフェニルスルフォン(DDS)を添加し230℃
で15分間硬化反応させ、系内がゲル化したことを確認
した後、さらに200℃で17時間硬化反応を行い硬化
物を得た。得られた硬化物の物性を表1に示した。
【0055】(比較例2)100部のエポキシ樹脂2
(融点240℃)の入った試験管を250℃のオイルバ
スに浸し、エポキシ樹脂を溶融させ、24.2部のジア
ミノジフェニルスルフォン(DDS)を添加し250℃
で15分間硬化反応させ、系内がゲル化したことを確認
した後、さらに200℃で17時間硬化反応を行い硬化
物を得た。得られた硬化物の物性を表1に示した。
【0056】(比較例3)100部のエポキシ樹脂3
(融点270℃)の入った試験管を280℃のオイルバ
スに浸し、エポキシ樹脂を溶融させ、15.6部のジア
ミノジフェニルスルフォン(DDS)を添加し290℃
で2分間硬化反応させ、系内がゲル化したことを確認し
た後、さらに200℃で17時間硬化反応を行い硬化物
を得た。得られた硬化物の物性を表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】表1から明らかなように、本願発明の硬
化方法により得られたエポキシ樹脂は複数のガラス転移
点を有するが、それらのいずれも本発明によらない硬化
方法により得られた硬化物に比較して高い値を示してい
る。なお、強靭性、耐衝撃性、さらには吸水率によって
評価される耐湿性においても優れた性質を示している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須成分として、(a)式(I): 【化1】 〔式中、Aは式(II): 【化2】 で示され、nは0以上の整数を示す。〕で表される、融
    点170℃以上のエポキシ樹脂及び(b)硬化剤からな
    る熱硬化性樹脂組成物を、150℃以上、エポキシ樹脂
    の融点以下の温度で硬化させることを特徴とするエポキ
    シ樹脂の硬化方法。
  2. 【請求項2】 式(I)中のAが下記式(III): 【化3】 で示されるエポキシ樹脂を使用することを特徴とする請
    求項1記載のエポキシ樹脂の硬化方法。
  3. 【請求項3】 必須成分として、(a)式(I): 【化4】 〔式中、Aは式(II): 【化5】 或いは式(III): 【化6】 で示され、nは0以上の整数を示す。〕で表される、融
    点170℃以上のエポキシ樹脂及び(b)硬化剤からな
    る熱硬化性樹脂組成物を硬化して得られた、複屈折性エ
    ポキシ樹脂硬化射出成形品、トランスファー成形品、注
    型品、又は圧縮成形品又はフィルム。
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