JPH09227472A - 光学活性アミノアルコールの製造方法 - Google Patents

光学活性アミノアルコールの製造方法

Info

Publication number
JPH09227472A
JPH09227472A JP6529896A JP6529896A JPH09227472A JP H09227472 A JPH09227472 A JP H09227472A JP 6529896 A JP6529896 A JP 6529896A JP 6529896 A JP6529896 A JP 6529896A JP H09227472 A JPH09227472 A JP H09227472A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methyl
ethylamine
ethyl
optically active
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6529896A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Ueno
宏樹 上野
Kenji Saito
憲治 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumika Fine Chemicals Co Ltd filed Critical Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Priority to JP6529896A priority Critical patent/JPH09227472A/ja
Publication of JPH09227472A publication Critical patent/JPH09227472A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】スチレンオキサイドに光学活性1級アミン
のハロゲノマグネシウム錯体を反応させ、ついで加水分
解を行うことを特徴とする光学活性アミノアルコールの
製造方法。 【効果】本発明により、ジアステレオマーである光学活
性アミノアルコールを高収率で工業的に有利に製造する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性アミノアル
コールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性アミノアルコール類は、医薬、
農薬あるいはその中間体として有用であり、従来は原料
化合物の光学活性体又はラセミ体を有機塩基の存在下に
(特開平6−345731号公報)、あるいはN−ト
リメチルシリルアセトアミドの存在下に(特開昭59
−80640号公報)、スチレンオキサイド等のエポキ
シ化合物とアミン誘導体を反応せしめて製造されてき
た。しかしの方法ではアミンの大過剰の使用が必要と
なるため目的物の収率が低く高価な光学活性アミンを用
いるときはコスト高となる。また、の方法では、高価
なN−トリメチルシリルアセトアミドを使用するため、
工業的に有利な方法とはいえない。
【0003】一方、グリニャール試薬を活性化剤として
使用する光学活性アミノアルコール類の製造方法が開示
されている(Tetrahedron Letters, 26, 3107-3110,
1985)。の方法では、スチレンオキサイドのα位とβ
位に置換基を有する置換スチレンオキサイドでの実施例
が開示されているが、α位とβ位のいずれにも置換基を
有しないスチレンオキサイドを原料化合物とする場合に
α位、β位のいずれにアミン誘導体が結合するかは示さ
れていない。このような化合物を原料化合物とした場合
は、α位、β位のいずれかにアミンが結合した混合物が
得られるものと予想される。上記のように、従来法で
は、光学活性アミノアルコール類を安価にかつ工業的に
有利に製造することは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
の目的は、光学活性アミノアルコール類の工業的に有利
な製造方法を提供することにある。また、本発明の第2
の目的は、得られた光学活性アミノアルコールを優先晶
析させることによる高純度のR,R体の製造方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の状
況に鑑み、α位、β位のいずれにも置換基を有しないス
チレンオキサイドを原料化合物とした場合のアミン誘導
体との縮合反応について鋭意研究したところ、グリニャ
ール試薬をアミン活性化剤として用いた場合に、立体構
造が維持されるのみでなく、意外にも極めて高い選択率
でβ位にアミン誘導体が結合することを見出した。本発
明はかかる事実に基づき、さらに研究を進めて完成する
に至ったものである。
【0006】即ち、本発明の要旨は、(1) 一般式
(I)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1 はフッ素原子、塩素原子、臭
素原子、メチル基、メトキシ基又は水素原子を表し、*
は不斉炭素を表す。)で示されるスチレンオキサイドに
一般式(II)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R2 及びR3 は同一又は異なる置
換基で、それぞれ水素原子、メチル基、エチル基、メト
キシ基、エトキシ基、塩素原子、又は臭素原子を表し、
4 はメチル基又はエチル基を表す。Xは塩素原子、臭
素原子又は沃素原子を表す。*は不斉炭素を表す。)で
示される光学活性1級アミンのハロゲノマグネシウム錯
体を反応させ、ついで加水分解を行うことを特徴とする
一般式(III)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、R1 は一般式(I)におけるR1
と同一の意義を表し、R2 、R3 及びR4 は一般式(I
I) におけるR2 、R3 及びR4 とそれぞれ同一の意義
を表す。*は不斉炭素を表す。)で示される光学活性ア
ミノアルコールの製造方法、(2) R1 が塩素原子、
2 、R3 がメトキシ基、R4 がメチル基であることを
特徴とする前記(1)記載の製造方法、並びに(3)
前記(1)又は前記(2)記載の製造方法により製造さ
れた光学活性アミノアルコールを塩酸塩化した後、エタ
ノールとジイソプロピルエーテルとの混合溶媒から優先
晶析させることを特徴とする光学活性アミノアルコール
の製造方法、に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明について説明する。
本発明に使用される原料化合物は、一般式(I)で示さ
れるスチレンオキサイド誘導体と一般式(II) で示され
る光学活性1級アミンのハロゲノマグネシウム錯体であ
る。一般式(I)中のR1 は、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子、メチル基、メトキシ基又は水素原子を表し、
*は不斉炭素を表す。また、一般式(II) 中のR2 及び
3 は同一置換基でも異なる置換基でもよく、それぞれ
水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ
基、塩素原子、又は臭素原子を表す。R4 はメチル基又
はエチル基を表す。Xは塩素原子、臭素原子、沃素原子
等のハロゲン原子を表す。*は不斉炭素を表す。
【0014】一般式(I)で示されるスチレンオキサイ
ド誘導体としては、具体的には、R−スチレンオキサイ
ド、R−m−フルオロスチレンオキサイド、R−m−ク
ロロスチレンオキサイド、R−m−ブロモスチレンオキ
サイド、R−m−メチルスチレンオキサイド、R−m−
メトキシスチレンオキサイド、R−o−フルオロスチレ
ンオキサイド、R−o−クロロスチレンオキサイド、R
−o−ブロモスチレンオキサイド、R−o−メチルスチ
レンオキサイド、R−o−メトキシスチレンオキサイ
ド、R−p−フルオロスチレンオキサイド、R−p−ク
ロロスチレンオキサイド、R−p−ブロモスチレンオキ
サイド、R−p−メチルスチレンオキサイド、R−p−
メトキシスチレンオキサイド、S−スチレンオキサイ
ド、S−m−フルオロスチレンオキサイド、S−m−ク
ロロスチレンオキサイド、S−m−ブロモスチレンオキ
サイド、S−m−メチルスチレンオキサイド、S−m−
メトキシスチレンオキサイド、S−o−フルオロスチレ
ンオキサイド、S−o−クロロスチレンオキサイド、S
−o−ブロモスチレンオキサイド、S−o−メチルスチ
レンオキサイド、S−o−メトキシスチレンオキサイ
ド、S−p−フルオロスチレンオキサイド、S−p−ク
ロロスチレンオキサイド、S−p−ブロモスチレンオキ
サイド、S−p−メチルスチレンオキサイド、S−p−
メトキシスチレンオキサイドが挙げられる。中でもR−
m−フルオロスチレンオキサイド、R−m−クロロスチ
レンオキサイド、R−m−ブロモスチレンオキサイド、
R−m−メチルスチレンオキサイド、R−m−メトキシ
スチレンオキサイドが好ましい。
【0015】本発明の一般式(II) で示されるグリニャ
ール試薬を形成する光学活性1級アミンとしては、具体
的には、R−2−フェニル−1−メチル−エチルアミ
ン、R−2−フェニル−1−エチル−エチルアミン、R
−2−(3’−メチルフェニル)−1−メチル−エチル
アミン、R−2−(3’−エチルフェニル)−1−メチ
ル−エチルアミン、R−2−(3’−メトキシフェニ
ル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−(3’−エ
トキシフェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2
−(3’−クロロフェニル)−1−メチル−エチルアミ
ン、R−2−(3’−ブロモフェニル)−1−メチル−
エチルアミン、R−2−(3’−メチルフェニル)−1
−エチル−エチルアミン、R−2−(3’−エチルフェ
ニル)−1−エチル−エチルアミン、R−2−(3’−
メトキシフェニル)−1−エチル−エチルアミン、R−
2−(3’−エトキシフェニル)−1−エチル−エチル
アミン、R−2−(3’−クロロフェニル)−1−エチ
ル−エチルアミン、R−2−(3’−ブロモフェニル)
−1−エチル−エチルアミン、R−2−(4’−メチル
フェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−
(4’−エチルフェニル)−1−メチル−エチルアミ
ン、R−2−(4’−メトキシフェニル)−1−メチル
−エチルアミン、R−2−(4’−エトキシフェニル)
−1−メチル−エチルアミン、R−2−(4’−クロロ
フェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−
(4’−ブロモフェニル)−1−メチル−エチルアミ
ン、R−2−(4’−メチルフェニル)−1−エチル−
エチルアミン、R−2−(4’−エチルフェニル)−1
−エチル−エチルアミン、R−2−(4’−メトキシフ
ェニル)−1−エチル−エチルアミン、R−2−(4’
−エトキシフェニル)−1−エチル−エチルアミン、R
−2−(4’−クロロフェニル)−1−エチル−エチル
アミン、R−2−(4’−ブロモフェニル)−1−エチ
ル−エチルアミン、R−2−(2’−メチルフェニル)
−1−メチル−エチルアミン、R−2−(2’−エチル
フェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−
(2’−メトキシフェニル)−1−メチル−エチルアミ
ン、R−2−(2’−エトキシフェニル)−1−メチル
−エチルアミン、R−2−(2’−クロロフェニル)−
1−メチル−エチルアミン、R−2−(2’−ブロモフ
ェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−(2’
−メチルフェニル)−1−エチル−エチルアミン、R−
2−(2’−エチルフェニル)−1−エチル−エチルア
ミン、R−2−(2’−メトキシフェニル)−1−エチ
ル−エチルアミン、R−2−(2’−エトキシフェニ
ル)−1−エチル−エチルアミン、R−2−(2’−ク
ロロフェニル)−1−エチル−エチルアミン、R−2−
(2’−ブロモフェニル)−1−エチル−エチルアミ
ン、R−2−(3’,4’−ジメチルフェニル)−1−
メチル−エチルアミン、R−2−(3’,4’−ジエチ
ルフェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−
(3’,4’−ジメトキシフェニル)−1−メチル−エ
チルアミン、R−2−(3’,4’−ジエトキシフェニ
ル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−(3’,
4’−ジクロロフェニル)−1−メチル−エチルアミ
ン、R−2−(3’,4’−ジブロモフェニル)−1−
メチル−エチルアミン、R−2−(3’,5’−ジメチ
ルフェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−
(3’,5’−ジエチルフェニル)−1−メチル−エチ
ルアミン、R−2−(3’,5’−ジメトキシフェニ
ル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−(3’,
5’−ジエトキシフェニル)−1−メチル−エチルアミ
ン、R−2−(3’,5’−ジクロロフェニル)−1−
メチル−エチルアミン、R−2−(3’,5’−ジブロ
モフェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−
(2’,3’−ジメチルフェニル)−1−メチル−エチ
ルアミン、R−2−(2’,3’−ジエチルフェニル)
−1−メチル−エチルアミン、R−2−(2’,3’−
ジメトキシフェニル)−1−メチル−エチルアミン、R
−2−(2’,3’−ジエトキシフェニル)−1−メチ
ル−エチルアミン、R−2−(2’,3’−ジクロロフ
ェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−
(2’,3’−ジブロモフェニル)−1−メチル−エチ
ルアミン、R−2−(2’,5’−ジメチルフェニル)
−1−メチル−エチルアミン、R−2−(2’,5’−
ジエチルフェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−
2−(2’,5’−ジメトキシフェニル)−1−メチル
−エチルアミン、R−2−(2’,5’−ジエトキシフ
ェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−
(2’,5’−ジクロロフェニル)−1−メチル−エチ
ルアミン、R−2−(2’,5’−ジブロモフェニル)
−1−メチル−エチルアミン、R−2−(2’,6’−
ジメチルフェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−
2−(2’,6’−ジエチルフェニル)−1−メチル−
エチルアミン、R−2−(2’,6’−ジメトキシフェ
ニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−(2’,
6’−ジエトキシフェニル)−1−メチル−エチルアミ
ン、R−2−(2’,6’−ジクロロフェニル)−1−
メチル−エチルアミン、R−2−(2’,6’−ジブロ
モフェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−
(3’,4’−ジメチルフェニル)−1−エチル−エチ
ルアミン、R−2−(3’,4’−ジエチルフェニル)
−1−エチル−エチルアミン、R−2−(3’,4’−
ジメトキシフェニル)−1−エチル−エチルアミン、R
−2−(3’,4’−ジエトキシフェニル)−1−エチ
ル−エチルアミン、R−2−(3’,4’−ジクロロフ
ェニル)−1−エチル−エチルアミン、R−2−
(3’,4’−ジブロモフェニル)−1−メチル−エチ
ルアミン、R−2−(3’,5’−ジメチルフェニル)
−1−エチル−エチルアミン、R−2−(3’,5’−
ジエチルフェニル)−1−エチル−エチルアミン、R−
2−(3’,5’−ジメトキシフェニル)−1−エチル
−エチルアミン、R−2−(3’,5’−ジエトキシフ
ェニル)−1−エチル−エチルアミン、R−2−
(3’,5’−ジクロロフェニル)−1−エチル−エチ
ルアミン、R−2−(3’,5’−ジブロモフェニル)
−1−エチル−エチルアミン、R−2−(2’,3’−
ジメチルフェニル)−1−エチル−エチルアミン、R−
2−(2’,3’−ジエチルフェニル)−1−エチル−
エチルアミン、R−2−(2’,3’−ジメトキシフェ
ニル)−1−エチル−エチルアミン、R−2−(2’,
3’−ジエトキシフェニル)−1−エチル−エチルアミ
ン、R−2−(2’,3’−ジクロロフェニル)−1−
エチル−エチルアミン、R−2−(2’,3’−ジブロ
モフェニル)−1−エチル−エチルアミン、R−2−
(2’,5’−ジメチルフェニル)−1−エチル−エチ
ルアミン、R−2−(2’,5’−ジエチルフェニル)
−1−エチル−エチルアミン、R−2−(2’,5’−
ジメトキシフェニル)−1−エチル−エチルアミン、R
−2−(2’,5’−ジエトキシフェニル)−1−エチ
ル−エチルアミン、R−2−(2’,5’−ジクロロフ
ェニル)−1−エチル−エチルアミン、R−2−
(2’,5’−ジブロモフェニル)−1−エチル−エチ
ルアミン、R−2−(2’,6’−ジメチルフェニル)
−1−エチル−エチルアミン、R−2−(2’,6’−
ジエチルフェニル)−1−エチル−エチルアミン、R−
2−(2’,6’−ジメトキシフェニル)−1−メチル
−エチルアミン、R−2−(2’,6’−ジエトキシフ
ェニル)−1−エチル−エチルアミン、R−2−
(2’,6’−ジクロロフェニル)−1−エチル−エチ
ルアミン、R−2−(2’,6’−ジブロモフェニル)
−1−エチル−エチルアミン等が挙げられる。また、上
記の光学活性1級アミンの光学対掌体であるそれぞれの
相当するS体も同様に本発明に使用することができる。
これらの中でも、R−2−(3’,4’−ジメトキシフ
ェニル)−1−メチル−エチルアミン、R−2−(4’
−メトキシフェニル)−1−メチル−エチルアミン、R
−2−(3’,4’−ジメトキシフェニル)−1−エチ
ル−エチルアミン等が特に好ましい。
【0016】上記の光学活性1級アミンからそのハロゲ
ノマグネシウム錯体(グリニャール錯体)を調製するに
は、常法に従って行うことができる。例えば、テトラヒ
ドロフラン(THF)中でマグネシウムと臭化エチルと
を反応させてエチルマグネシウムブロミドを合成し、こ
れをTHF中の光学活性1級アミンに滴下し適宜反応さ
せて光学活性1級アミンのグリニャール錯体を調製する
ことができる。
【0017】得られた一般式(II) で示される光学活性
1級アミンのグリニャール錯体と一般式(I)で示され
るスチレンオキサイド誘導体との反応は、例えば、TH
F中のスチレンオキサイド誘導体に光学活性1級アミン
のグリニャール錯体をTHF溶液に溶解してゆっくりと
滴下し10分間〜3時間反応させる。スチレンオキサイ
ド誘導体とアミン−グリニャール錯体とのモル比は約
1:0.8〜約1:1.2である。この反応は窒素雰囲
気下に行うのが好ましい。滴下温度、反応温度は通常−
20〜60℃である。ついで反応液を塩酸等の鉱酸の水
溶液中に注いで加水分解を行う。反応液を濃縮し、残留
物をトルエン等の有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム
水、水で順次洗浄した後乾燥濃縮して粗オイルを得る。
この粗オイルの主成分は、一般式(III) で示されるジア
ステレオマーである光学活性アミノアルコールである。
式中、R1 は一般式(I)におけるR1 と同一の意義を
表し、R2 、R3 及びR4 は一般式(II) における
2 、R3 及びR4 とそれぞれ同一の意義を表す。ま
た、*はそれぞれ不斉炭素を表す。
【0018】本発明の製造方法で得られる一般式(III)
で示される化合物としては、具体的には、(R,R)−
〔〔2−(3’,4’−ジメトキシフェニル)−1−メ
チルエチル〕アミノ〕メチル−m−クロロベンゼン−メ
タノール、(R,R)−〔〔2−(3’,4’−ジメト
キシフェニル)−1−メチルエチル〕アミノ〕メチル−
m−メトキシベンゼン−メタノール、(R,R)−
〔〔2−(3’,4’−ジメトキシフェニル)−1−エ
チルエチル〕アミノ〕メチル−m−クロロベンゼン−メ
タノール、(R,R)−〔〔2−(3’,4’−ジメト
キシフェニル)−1−エチルエチル〕アミノ〕メチル−
m−メトキシベンゼン−メタノール、(R,R)−
〔〔2−(3’,4’−ジエトキシフェニル)−1−メ
チルエチル〕アミノ〕メチル−m−クロロベンゼン−メ
タノール、(R,R)−〔〔2−(3’,4’−ジエト
キシフェニル)−1−メチルエチル〕アミノ〕メチル−
m−メトキシベンゼン−メタノール、(R,R)−
〔〔2−(3’,4’−ジエトキシフェニル)−1−エ
チルエチル〕アミノ〕メチル−m−クロロベンゼン−メ
タノール、(R,R)−〔〔2−(3’,4’−ジエト
キシフェニル)−1−エチルエチル〕アミノ〕メチル−
m−メトキシベンゼン−メタノール、(R,R)−
〔〔2−(3’−メトキシフェニル)−1−メチルエチ
ル〕アミノ〕メチル−m−クロロベンゼン−メタノー
ル、(R,R)−〔〔2−(3’−メトキシフェニル)
−1−メチルエチル〕アミノ〕メチル−m−メトキシベ
ンゼン−メタノール、(R,R)−〔〔2−(3’−メ
トキシフェニル)−1−エチルエチル〕アミノ〕メチル
−m−クロロベンゼン−メタノール、(R,R)−
〔〔2−(3’−メトキシフェニル)−1−エチルエチ
ル〕アミノ〕メチル−m−メトキシベンゼン−メタノー
ル、(R,R)−〔〔2−(3’−エトキシフェニル)
−1−メチルエチル〕アミノ〕メチル−m−クロロベン
ゼン−メタノール、(R,R)−〔〔2−(3’−エト
キシフェニル)−1−メチルエチル〕アミノ〕メチル−
m−メトキシベンゼン−メタノール、(R,R)−
〔〔2−(3’−エトキシフェニル)−1−エチルエチ
ル〕アミノ〕メチル−m−クロロベンゼン−メタノー
ル、(R,R)−〔〔2−(3’−エトキシフェニル)
−1−エチルエチル〕アミノ〕メチル−m−メトキシベ
ンゼン−メタノール、(R,R)−〔〔2−(4’−メ
トキシフェニル)−1−メチルエチル〕アミノ〕メチル
−m−クロロベンゼン−メタノール、(R,R)−
〔〔2−(4’−メトキシフェニル)−1−メチルエチ
ル〕アミノ〕メチル−m−メトキシベンゼン−メタノー
ル、(R,R)−〔〔2−(4’−メトキシフェニル)
−1−エチルエチル〕アミノ〕メチル−m−クロロベン
ゼン−メタノール、(R,R)−〔〔2−(4’−メト
キシフェニル)−1−エチルエチル〕アミノ〕メチル−
m−メトキシベンゼン−メタノール、(R,R)−
〔〔2−(4’−エトキシフェニル)−1−メチルエチ
ル〕アミノ〕メチル−m−クロロベンゼン−メタノー
ル、(R,R)−〔〔2−(4’−エトキシフェニル)
−1−メチルエチル〕アミノ〕メチル−m−メトキシベ
ンゼン−メタノール、(R,R)−〔〔2−(4’−エ
トキシフェニル)−1−エチルエチル〕アミノ〕メチル
−m−クロロベンゼン−メタノール、(R,R)−
〔〔2−(4’−エトキシフェニル)−1−エチルエチ
ル〕アミノ〕メチル−m−メトキシベンゼン−メタノー
ル、(R,R)−〔〔2−(3’−クロロフェニル)−
1−メチルエチル〕アミノ〕メチル−m−クロロベンゼ
ン−メタノール、(R,R)−〔〔2−(3’−クロロ
フェニル)−1−メチルエチル〕アミノ〕メチル−m−
メトキシベンゼン−メタノール、(R,R)−〔〔2−
(3’−クロロフェニル)−1−エチルエチル〕アミ
ノ〕メチル−m−クロロベンゼン−メタノール、(R,
R)−〔〔2−(3’−クロロシフェニル)−1−エチ
ルエチル〕アミノ〕メチル−m−メトキシベンゼン−メ
タノール、(R,R)−〔〔2−(4’−クロロフェニ
ル)−1−メチルエチル〕アミノ〕メチル−m−クロロ
ベンゼン−メタノール、(R,R)−〔〔2−(4’−
クロロフェニル)−1−メチルエチル〕アミノ〕メチル
−m−メトキシベンゼン−メタノール、(R,R)−
〔〔2−(4’−クロロフェニル)−1−エチルエチ
ル〕アミノ〕メチル−m−クロロベンゼン−メタノー
ル、(R,R)−〔〔2−(4’−クロロシフェニル)
−1−エチルエチル〕アミノ〕メチル−m−メトキシベ
ンゼン−メタノール等が例示される。また、上記の各化
合物に対応する(R,S)体、(S,R)体、(S,
S)体も本発明の製造方法で得られる一般式(III) で示
される化合物に含まれる。
【0019】光学活性1級アミンとしてR−体を、スチ
レンオキサイド誘導体としてR−体を使用した場合は、
上記の一般的手法で粗オイルを得た後、この粗オイルに
1〜10N塩酸/エタノール溶液を添加して反応生成物
を塩酸塩化し、ついでジイソプロピルエーテルを添加し
て塩酸塩を析出させると、目的とするR,R−体塩酸塩
が優先的に晶析して、高い収率でR,R−体塩酸塩を得
ることができる。
【0020】こうして得られる一般式(III) で示される
光学活性アミノアルコールは医薬、農薬、およびそれら
の中間体として有用である。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。
【0022】実施例1 冷却管を取り付けた10mlのなす型フラスコに、窒素
雰囲気下にマグネシウム0.16g(6.6ミリモ
ル)、I2 一粒、THF2.75mlを仕込み、スター
ラーで撹拌した。これに臭化エチル0.65g(6.0
ミリモル)を含むTHF3.25mlをまず10滴滴下
してI2 色の褐色が消えたことを確認した後残りを25
分間かけて滴下した。滴下後1時間室温(25℃)で撹
拌し、エチルマグネシウムブロミドを合成した。
【0023】次に、冷却管を取り付けた50mlのなす
型フラスコに、窒素雰囲気下にR−2−(3’,4’−
ジメトキシフェニル)−1−メチル−エチルアミン1.
17g(6.0ミリモル、R体比83.2%)を含むT
HF1.25mlを仕込み、先に合成したエチルマグネ
シウムブロミドのTHF溶液を室温(25℃)で10分
間かけて滴下し、1時間室温(25℃)で撹拌してアミ
ン−グリニャール錯体を合成した。
【0024】次に、冷却管を取り付けた30mlのなす
型フラスコに、窒素雰囲気下にR−m−クロロスチレン
オキサイド0.77g(5.0ミリモル、R体比100
%)を含むTHF1.25mlを仕込み、これに先に合
成したアミン−グリニャール錯体のTHF溶液を室温
(25℃)で20分間かけて滴下した。1時間撹拌した
後、2N−塩酸水溶液25.2mlに排出して加水分解
を行い、ついで溶媒を減圧留去し、得られた残留物にト
ルエン17.5gと10%水酸化ナトリウム水溶液2
0.0gを添加し、撹拌し分液した。水層にトルエン1
7.5gを添加して抽出・分液し、先に分液した有機層
と合わせ、水(17.5g)で2回洗浄した後、硫酸マ
グネシウム(5g)で乾燥し、濾過し、濃縮して〔〔2
−(3’,4’−ジメトキシフェニル)−1−メチルエ
チル〕アミノ〕メチル−3−クロロベンゼン−メタノー
ルの粗オイル1.79g(見かけの収率103%)を得
た。この粗オイルに含まれる四種の異性体中、目的の
(R,R)体の面積百分率は87.8%であった。
【0025】次に、得られた粗オイルに4N−塩酸/エ
タノール3.4gを添加して溶解させ、塩酸塩化した。
この溶液中にジイソプロピルエーテル10.2gを添加
して塩酸塩を析出させ、これを濾過して目的の(R,
R)−〔〔2−(3’,4’−ジメトキシフェニル)−
1−メチルエチル〕アミノ〕メチル−3−クロロベンゼ
ン−メタノールの塩酸塩0.80g(収率45.8%、
R,R体含量94.7%、R,R体純収率43.4%、
R,R体比97.5%)を得た。
【0026】LC分析の条件 使用機器は島津LC−6A、使用カラムは光学活性体分
離カラムSUMICHIRAL OA-4100×2 本、使用条件は移動相
ヘキサン: エタノール:トリフルオロ酢酸=400: 1
00: 1、流量0.5ml/min、波長254nm、
カラム温度40℃。
【0027】
【発明の効果】本発明により、ジアステレオマーである
光学活性アミノアルコールを高収率で工業的に有利に製
造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチ
    ル基、メトキシ基又は水素原子を表し、*は不斉炭素を
    表す。)で示されるスチレンオキサイドに一般式(II) 【化2】 (式中、R2 及びR3 は同一又は異なる置換基で、それ
    ぞれ水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エト
    キシ基、塩素原子、又は臭素原子を表し、R4 はメチル
    基又はエチル基を表す。Xは塩素原子、臭素原子又は沃
    素原子を表す。*は不斉炭素を表す。)で示される光学
    活性1級アミンのハロゲノマグネシウム錯体を反応さ
    せ、ついで加水分解を行うことを特徴とする一般式(II
    I) 【化3】 (式中、R1 は一般式(I)におけるR1 と同一の意義
    を表し、R2 、R3 及びR4 は一般式(II) におけるR
    2 、R3 及びR4 とそれぞれ同一の意義を表す。*は不
    斉炭素を表す。)で示される光学活性アミノアルコール
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 R1 が塩素原子、R2 、R3 がメトキシ
    基、R4 がメチル基であることを特徴とする請求項1記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の製造方法に
    より製造された光学活性アミノアルコールを塩酸塩化し
    た後、エタノールとジイソプロピルエーテルとの混合溶
    媒から優先晶析させることを特徴とする光学活性アミノ
    アルコールの製造方法。
JP6529896A 1996-02-26 1996-02-26 光学活性アミノアルコールの製造方法 Pending JPH09227472A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6529896A JPH09227472A (ja) 1996-02-26 1996-02-26 光学活性アミノアルコールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6529896A JPH09227472A (ja) 1996-02-26 1996-02-26 光学活性アミノアルコールの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09227472A true JPH09227472A (ja) 1997-09-02

Family

ID=13282883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6529896A Pending JPH09227472A (ja) 1996-02-26 1996-02-26 光学活性アミノアルコールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09227472A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100380520B1 (ko) * 2000-09-08 2003-04-23 한국화학연구원 피리딘을 포함한 β-아미노알코올 유도체
US7799937B2 (en) 2004-10-25 2010-09-21 Synthonics, Inc. Metal coordinated compositions
US7989440B2 (en) 2004-10-25 2011-08-02 Synthonics, Inc. Metal coordinated compositions
US8779175B2 (en) 2004-10-25 2014-07-15 Synthonics, Inc. Coordination complexes, pharmaceutical solutions comprising coordination complexes, and methods of treating patients

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100380520B1 (ko) * 2000-09-08 2003-04-23 한국화학연구원 피리딘을 포함한 β-아미노알코올 유도체
US7799937B2 (en) 2004-10-25 2010-09-21 Synthonics, Inc. Metal coordinated compositions
US7989440B2 (en) 2004-10-25 2011-08-02 Synthonics, Inc. Metal coordinated compositions
US8389726B2 (en) 2004-10-25 2013-03-05 Synthonics, Inc. Metal coordinated compositions
US8779175B2 (en) 2004-10-25 2014-07-15 Synthonics, Inc. Coordination complexes, pharmaceutical solutions comprising coordination complexes, and methods of treating patients
US9624256B2 (en) 2004-10-25 2017-04-18 Synthonics, Inc. Coordination complexes, pharmaceutical solutions comprising coordination complexes, and methods of treating patients

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2005073196A1 (ja) 軸不斉を有する光学活性な4級アンモニウム塩およびそれを用いたα−アミノ酸およびその誘導体の製造方法
JPH06263699A (ja) L−5−(2−アセトキシ−プロピオニルアミノ)−2,4,6−トリヨード−イソフタル酸ジクロライドの製造方法
KR101134767B1 (ko) 키랄 염기 환형 아미드와의 염 형성에 의해, 임의로 치환된 만델산을 분할하는 방법
JPH09227472A (ja) 光学活性アミノアルコールの製造方法
JP4802191B2 (ja) 軸不斉を有する光学活性な4級アンモニウム塩およびそれを用いたα−アミノ酸およびその誘導体の製造方法
JP2003300988A (ja) 光学活性第2級ホスフィンボラン誘導体及びその中間体の製造方法
JPS643177B2 (ja)
JP3010756B2 (ja) 光学活性アルコールの製造方法
JPS6016928B2 (ja) 光学活性アミノアルコ−ルの製法
JP2679248B2 (ja) 光学活性アミン類の製造方法
JPH10130178A (ja) gem−ジフルオロオレフィン類の製造方法、同製造方法に用いるジルコノセン、及びその製造方法
JP2852023B2 (ja) 2−フルオロシクロプロピルアミンスルホン酸塩及びその化学的化合物2−フルオロシクロプロピルイソシアネートの製造法
JPH09268171A (ja) 光学活性オキサゾリジノン誘導体の製造方法
JP2002512210A (ja) 2−ヒドロキシアルキルハロフェノンの製造方法
JPH0967316A (ja) 光学活性1−アリール−アルキルアミン類の製造法
JPH10182578A (ja) 不斉な含フッ素一級アミンの製造法
JPH0987288A (ja) 1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラオルガノジシロキサンの精製方法
KR930004511B1 (ko) α-할로알카노익산 라세미 혼합물의 광학 분할방법
JPS6032794A (ja) 含フッ素アリルシラン化合物及びその製造方法
JPS6148488B2 (ja)
WO2000053575A1 (fr) SYNTHESE DE α-AMINO-α',α'-DIHALOCETONES ET PROCEDE DE PREPARATION DE DERIVES D'ACIDES AMINES β PAR UTILISATION DE CES DERNIERS
JP3727428B2 (ja) 11−シス型レチナールの製造方法および該方法に有用な合成中間体
JPH06145168A (ja) 4−(4−クロロベンジル)−2−〔n−メチル−パーヒドロアゼピニル−(4)〕−1−(2h)−フタラジノン及びその酸付加塩の製造方法
JP2000198775A (ja) 環状グアニジン類及びその製造法
JPH06329657A (ja) クロマンカルボン酸誘導体の製法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060315

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060804

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02