JPH09223640A - 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ - Google Patents

誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ

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JPH09223640A
JPH09223640A JP8332042A JP33204296A JPH09223640A JP H09223640 A JPH09223640 A JP H09223640A JP 8332042 A JP8332042 A JP 8332042A JP 33204296 A JP33204296 A JP 33204296A JP H09223640 A JPH09223640 A JP H09223640A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低周波領域および高周波領域において比誘電率
が大きく、静電容量の温度変化率が小さく、DCバイア
ス特性も良好である誘電体薄膜およびセラミックコンデ
ンサを提供する。 【解決手段】金属元素としてBa,Ti,Zr,Snを
含有するペロブスカイト型複合酸化物からなる誘電体薄
膜であって、これらの成分をBaTi1-x-y Zrx Sn
y 3 と表した時のxおよびyが、図1における線分A
−B−C−D−E−F−Aで囲まれる範囲内にあり、か
つ、ペロブスカイト結晶の平均結晶粒径dが、0.10
〜0.25μmである。測定周波数100MHz(室
温)での比誘電率が1100以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体薄膜および
セラミックコンデンサに関するものであり、例えば、膜
厚が5μm以内の誘電体薄膜およびこの誘電体薄膜を用
いたセラミックコンデンサに関する。
【0002】
【従来技術】一般に、コンデンサなどに使用される誘電
体材料には、高い比誘電率が要求されることは勿論のこ
と、誘電損失が小さく、温度特性が良好であり、直流電
圧に対する誘電特性の依存性が小さい等の種々の要求を
満足させる必要がある。
【0003】従来では、誘電体材料として、チタン酸バ
リウム(BaTiO3 )のようなペロブスカイト型の各
種酸化物が報告されており、また実用化されている。ま
た、従来、粉末合成法によりBaTiO3 にZrやSn
を固溶させた誘電体材料、いわゆるBaTi1-x-y Zr
x Sny 3 系のものが知られている。
【0004】一方、近年、電子機器の小型化,高性能化
に伴い、コンデンサ等の電子部品の小型化,大容量化の
要求が高まってきている。この様な要求に応えるため
に、積層セラミックコンデンサ(MLC)においては、
誘電体層を薄層化することにより静電容量を高めると共
に、小型化を図る必要が生じている。
【0005】また、近年において電子機器は動作周波数
が加速度的に増大しており、電子部品も高周波領域にお
いて優れた特性を示す事が要求されはじめている。コン
デンサでは、高周波領域において電流が流れ易くなり、
畜電器としてだけでなく抵抗体やコイルとしての性質も
現れてくる。このため高周波用コンデンサは抵抗、イン
ダクタンスが小さいことが重要になる。また、高周波領
域においては強誘電体は比誘電率が減少することが知ら
れており、コンデンサとして比誘電率の減少の小さい、
高周波領域においても高誘電率を示す材料によりコンデ
ンサを形成する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
BaTiO3 系の誘電体材料では、結晶粒径が大きく、
薄層化が困難であった。一方、薄層化できたとしても積
層セラミックコンデンサにおいては、誘電体層中の結晶
粒径が小さくなり、サイズ効果により比誘電率が低下す
ることが問題となっていた。また薄層化に伴い、誘電体
1層当りにかかる電圧が大きくなり、特に直流成分のか
かった状態での静電容量の低下(DCバイアス特性の低
下)が問題となっていた。
【0007】これらの問題点を解決した、(PbLa)
(ZrTi)O3 系の誘電体薄膜が、特開平3−283
515号公報に開示されているが、BaTiO3 系の誘
電体材料、とりわけBaTi1-x-y Zrx Sny 3
材料の薄層化については、サイズ効果による比誘電率の
低下およびDCバイアス特性の低下について解決されて
いなかった。
【0008】また、典型的なコンデンサ材料であるBa
TiO3 系材料は1KHz程度の低周波数においては大
きな比誘電率を示し、コンデンサ材料として優れた材料
であるが、周波数分散が大きいため、高周波領域におけ
る比誘電率の減少が大きいと考えられ、高周波領域では
高誘電率材料として使えないと考えられてきた(特開平
6−77083号公報等参照)。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
点に対して検討を重ねた結果、Bサイト元素であるTi
原子をZrで1〜10モル%、Snで1〜8モル%置換
した、即ち、BaTi1-x-y Zrx Sny 3 と表した
時のxおよびyが、図1における線分A−B−C−D−
E−F−Aで囲む範囲内であり、ペロブスカイト結晶の
平均結晶粒径が0.10〜0.25μmである粒径の細
かい誘電体薄膜においても、比誘電率が大きくなり、か
つDCバイアスに対する特性も良好となり、さらに測定
周波数100MHz(室温)での比誘電率が1100以
上であることを見い出し、本発明に至った。
【0010】即ち、本発明の誘電体薄膜は、金属元素と
してBa、Ti、ZrおよびSnを含有するペロブスカ
イト型複合酸化物からなる誘電体薄膜であって、これら
の成分をBaTi1-x-y Zrx Sny 3 と表した時の
xおよびyが、図1における線分A−B−C−D−E−
F−Aで囲まれる範囲内にあり、かつ、ペロブスカイト
結晶の平均結晶粒径dが0.10〜0.25μmである
ことを特徴とする。
【0011】 また、上記誘電体薄膜は、測定周波数100MHz(室
温)での比誘電率が1100以上であることを特徴とす
る。
【0012】さらに本発明のセラミックコンデンサは、
上記誘電体薄膜の両面にそれぞれ電極を形成してなるも
のである。
【0013】
【作用】BaTiO3 系の誘電体材料においては、12
0℃、10℃、−70℃に相転移点が存在し、その近傍
で比誘電率が高くなっている。本発明の誘電体薄膜で
は、BaTiO3 のTi原子をZr原子及びSn原子に
て所定量置換することにより、3点の相転移点は室温付
近にシフトし、室温で3種類の相転移ピークが重なるこ
とにより、高い比誘電率を実現している。
【0014】また、BaTi1-A ZrA 3 とBaTi
1-B SnB 3 では、同じBサイト置換量に対して3点
の相転移点が異なる為、BaTi1-x-y Zrx Sny
3 においてxとyを調整することにより、高誘電率を保
ちながら温度特性は良好になる。
【0015】さらに薄膜中の平均結晶粒径を細かくして
いった場合、強誘電体的性質に常誘電体的性質が現れる
ために、比誘電率は多少低下するが直流電圧がかかった
状態の比誘電率の低下が抑制され、DCバイアス特性は
良好となる。
【0016】さらにまた、測定周波数100MHz(室
温)のような高周波領域においても、強誘電性の起源で
ある自発分極が消失するため自発分極に起因する誘電率
の周波数分散が小さくなり、高周波領域においても大き
な比誘電率を有する。
【0017】即ち、本発明のセラミックコンデンサで
は、誘電体薄膜の比誘電率が、測定周波数1KHzおよ
び100MHzでそれぞれ1200および1100以上
であり、静電容量の温度特性もコンデンサのJIS規格
におけるB特性を満足し、且つ直流電圧印加による静電
容量の減少率(DCバイアス特性)も5V/μmの電界
印加時に30%未満と小さいため、低周波においてだけ
でなく、バイパスコンデンサやデカップリングコンデン
サのようなIC等の高周波回路用のコンデンサとして優
れたセラミックコンデンサを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明においては、BaTi
1-x-y Zrx Sny 3 と表した時、xとyが図1に示
した関係にあり、しかも平均結晶粒径dが0.10〜
0.25μmを満足するものである。
【0019】ここでxとyが図1に示した線分A−B−
C−D−E−F−Aで囲まれる範囲内としたのは、図1
において線分B−C−D−Eよりも上方にある場合に
は、−25〜85℃において静電容量の温度変化率が±
8%よりも大きくなるからである。また、線分E−Fよ
りも右側にある場合、即ち、xが0.10よりも大きい
場合には比誘電率が1200よりも小さくなるからであ
る。さらに、線分A−Bよりも左側にある場合、即ちx
が0.01よりも小さい場合には、DCバイアスに対す
る比誘電率の変化率が30%よりも大きくなる傾向にあ
るからである。さらにまた、線分F−Aよりも下方にあ
る場合、即ちyが0.01よりも小さい場合には、Ba
TiO3 のサイズ効果により比誘電率が小さくなる傾向
にあるからである。本発明においては、xとyとの関係
が、図1における線分A−B−D−G−Aで囲まれる範
囲内にあることが、比誘電率が大きく、静電容量の温度
特性およびDCバイアス特性を向上するという点から望
ましい。ここで、点G(x,y)は(0.05,0.0
1)である。
【0020】また、平均結晶粒径dを0.10〜0.2
5μmとしたのは、平均結晶粒径dが0.10よりも小
さい場合には比誘電率が小さく、その温度特性も悪くな
るからである。また、平均結晶粒径dが0.25μmよ
りも大きくなると、DCバイアスに対する比誘電率の変
化率が大きくなるからである。平均結晶粒径dは、比誘
電率の向上という点から0.14〜0.25μmである
ことが望ましい。
【0021】本発明の誘電体薄膜の膜厚は、耐絶縁性お
よび膜の均質性という観点から、5μm以下、特には、
0.3〜2μmが望ましい。
【0022】本発明の誘電体薄膜は、該誘電体薄膜の上
下面に電極を形成して薄膜コンデンサを形成したり、ま
た、誘電体薄膜と電極層を交互に積層して積層コンデン
サを形成したりして用いられる。
【0023】本発明の誘電体薄膜は、先ず、金属元素と
してBa,Ti,Zr,Snを含有するペロブスカイト
型複合酸化物であって、これらの成分をBaTi1-x-y
Zrx Sny 3 と表した時のx及びyの値が図1の線
分で囲まれる範囲内の原料溶液を作製し、この溶液を基
板上に塗布した後、熱処理乾燥し、塗布と熱処理を繰り
返して所望厚さの膜を形成し、焼成することにより得ら
れる。
【0024】即ち、本発明の誘電体薄膜は、各成分の組
成の制御、膜厚、微粒領域(0.05〜1μm)での結
晶粒径の制御が比較的容易な、以下のような方法で形成
することが望ましい。
【0025】先ず、Ba,Ti,Zr,Snの各金属イ
オンを含有する有機酸塩,無機塩,あるいは金属アルコ
キシドのような有機金属化合物を出発原料とし、BaT
1- x-y Zrx Sny 3 におけるx及びyの範囲が図
1の線分の範囲内を満足する組成となるように混合し、
原料溶液を調製する。次に、この原料溶液を基板上に塗
布する。溶液の塗布はスピンコーティング,ディップコ
ーティングなどの種々の方法により行うことができる。
また、Ba(Ti,Zr)O3 およびBa(Ti,S
n)O3 溶液を別々に作製し、交互に塗布することに
り、所望の組成に調製しても良い。
【0026】次に、こうして基板上に塗布された塗膜か
ら有機物を取り除くために大気中で200〜600℃で
5秒〜2分間熱処理を行い、この後、結晶化するために
大気中で700〜900℃で30秒〜10分間結晶化用
熱処理を行う。これらの塗布〜結晶化用熱処理の一連の
プロセスを繰り返すことにより所望の膜厚の誘電体薄膜
を得、最後に0.10〜0.25μmの平均結晶粒径を
得るために酸素含有雰囲気中で1050〜1140℃で
10分間〜3時間焼成を行い、5μm以下、例えば、膜
厚0.3〜2μmの本発明の誘電体薄膜を得る。平均結
晶粒径は焼成温度や焼成時間により制御できる。
【0027】本発明においては、不可避不純物として、
Sr,Ca,Na等が1重量%以下で混入する場合があ
るが、特性には影響はない。
【0028】また、得られた誘電体薄膜は、BaTi
1-x-y Zrx Sny 3 で表される結晶相の他に、Ba
(Ti,Zr)O3 、Ba(Ti,Sn)O3 が析出し
ていても良い。
【0029】また、誘電体薄膜を挟持する電極として
は、厚さ0.05μm以上の配向した白金(Pt)、金
(Au)、パラジウム(Pd)薄膜等があり、これらの
うちでも配向した白金(Pt)と金(Au)薄膜が最適
である。Pt、Auは膜との反応性が小さく、また酸化
されにくい為、膜との界面に低誘電率相が形成されにく
い為である。膜厚を0.05μm以上としたのは0.0
5μm未満であると高周波領域における等価直列抵抗が
大きくなるためである。配向した白金(Pt)薄膜と
は、配向性または単結晶的白金(Pt)薄膜であり、配
向性を有するPt薄膜とは、3つの結晶軸のうち一つの
軸が膜表面に近似的に垂直な方向に揃った膜であり、単
結晶的Pt薄膜とは3つの結晶軸が全て揃った膜であ
る。このような電極は、スパッタ蒸着やレーザ蒸着法等
物理的蒸着において、電極が形成される基板温度を45
0℃以上とすることにより得られるもので、これらのう
ちでも、基板温度を450℃以上としたスパッタ蒸着が
望ましい。
【0030】また、金属薄膜を蒸着する基板としては、
アルミナ、サファイア、MgO単結晶、SrTiO3
結晶、チタン被覆シリコン、もしくは銅(Cu)、ニッ
ケル(Ni)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、ステン
レススティール(Fe)薄膜もしくは薄板が望ましい。
特に、薄膜との反応性が小さく、安価で、硬度が大き
く、かつ、金属薄膜の結晶性という点からアルミナ、サ
ファイアが望ましく、高周波領域における低抵抗化の点
で銅(Cu)薄板もしくは銅(Cu)薄膜が望ましい。
【0031】
【実施例】出発原料であるテトラ−イソ−プロポキシチ
タン、テトラ−n−プロポキシジルコニウム及びテトラ
−イソ−プロポキシスズを、溶媒である2−メトキシエ
タノールに溶かし、それぞれ0.4M(mol/l)濃
度のチタン溶液、ジルコニウム溶液及びスズ溶液を作製
した。また金属バリウムを、溶媒である2−メトキシエ
タノールに溶解させ、0.4M濃度のバリウム溶液を作
製した。これらの4種の溶液を、BaTi1-x-y Zrx
Sny 3 と表した時のx及びyが表1の値となるよう
に混合し、原料溶液を調製した。
【0032】ついで、これら各原料溶液を白金(Pt)
基板上にそれぞれスピンコートし、得られた塗膜に対し
て大気中300℃で1分間熱処理乾燥を行い、この後、
大気中750℃で5分間結晶化用熱処理を行った。この
ようなスピンコートによる溶液の塗布から結晶化用熱処
理までの一連のプロセスを30回繰り返し行い、膜厚が
0.8μmの薄膜を形成し、酸素雰囲気中1050〜1
140℃で1時間焼成を行い、膜厚0.6μmで表1の
平均結晶粒径dを有する誘電体薄膜を得た。
【0033】得られた誘電体薄膜をX線回折測定(XR
D)により分析を行ったところ、いずれもペロブスカイ
ト型酸化物のピークが確認された。また誘電体薄膜を走
査電子顕微鏡(SEM)により観察し、平均結晶粒径を
測定した。さらに、誘電特性の評価は、誘電体薄膜上に
Auを蒸着して上部電極とし、下部電極であるPt層と
平板コンデンサを形成することにより行った。測定はL
CRメーターによって行い、測定周波数f=1kHz、
印加電圧Vrms =100mVとした。室温での比誘電率
(K)、誘電損失(DF)および−25℃と85℃の静
電容量の変化率を測定し、これらの結果を表1に示す。
【0034】尚、−25℃の静電容量の変化率(%)
は、−25℃の静電容量をC-25 とし、25℃の静電容
量をC25とした時、(C-25 −C25)×100/C25
求め、85℃の静電容量の変化率(%)は、85℃の静
電容量をC85とし、25℃の静電容量をC25とした時、
(C85−C25)×100/C25で求めた。またDCバイ
アス特性を、電圧を印加しない場合の静電容量C0 、5
V/μmの電圧を印加したときの静電容量C1 とした時
に、(C0 −C1 )/C0 ×100で求め、表1に記載
した。
【0035】また、インピーダンスアナライザ(ヒュウ
レットパッカード社製HP4291A,フィクスチャー
HP16092A)を用いて1MHz〜1.8GHzに
おける特性評価をおこなった。インピーダンスー周波数
特性の測定により、100MHz(室温)における等価
直列容量を評価し、比誘電率を求めた。これらの結果を
表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1から判るように、図1の点A、B、
C、D、E、F、Aの線分で囲まれる本発明の誘電体薄
膜は、1KHzおよび100MHz(室温)における比
誘電率はそれぞれ1200および1100以上の高誘電
率を有し、静電容量の温度変化率も±8%以下と小さ
く、また誘電損失も2.76%以下と小さいことが判
る。
【0038】また0.10μm未満の粒径の試料(N
o.27,29)では、1KHzにおける比誘電率は1
200未満であるか、100MHzの比誘電率が110
0未満となってしまう。
【0039】また、本発明では、DCバイアスに対する
静電容量の変化は、5V/μm印加時においても30%
未満の低下であり、1KHzおよび100MHz(室
温)における比誘電率はそれぞれ1200および110
0以上であり、静電容量の温度変化率は±8%未満であ
るのに対し、比較例ではいずれも1KHzにおける比誘
電率は1200未満であるか、100MHzの比誘電率
が1100未満となってしまう。また、静電容量の温度
変化率も±10%を越えるか、DCバイアスを印加する
ことによる静電容量の減少が大きいことが判る。
【0040】さらに、本発明者は、粉体を原料として作
製した平均結晶粒径が10μmで、膜厚が20μmの従
来のBaTi1-x-y Zrx Sny 3 (xが0.05、
yが0.05)の焼結体を作製し、上記と同様にして比
誘電率、DCバイアスに対する静電容量の変化率を測定
したところ、1KHzにおける比誘電率が15000と
高いが、DCバイアス5V/μm印加による静電容量が
70%の低下であり、しかも、静電容量の温度特性はJ
IS規格のF特性を満足する程度、即ち、−25〜85
℃において−30〜+85%程度であった。また、10
0MHzの比誘電率は10500であった。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の誘電体薄
膜は、1KHzのような低周波領域において比誘電率が
比較的大きく、静電容量の温度変化率が小さく、DCバ
イアス特性も良好であるだけでなく、測定周波数100
MHzのような高周波領域においても比誘電率が大きい
ため、素子の小型化を図ることができるとともに、IC
まわりのデカップリングコンデンサ等の高周波領域に用
いられるコンデンサとしての実用化を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体薄膜の組成式BaTi1-x-y
x Sny 3 において、横軸にx、縦軸にyを記載し
た図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属元素としてBa、Ti、ZrおよびS
    nを含有するペロブスカイト型複合酸化物からなる誘電
    体薄膜であって、これらの成分を BaTi1-x-y Zrx Sny 3 と表した時のxおよびyが、図1における線分A−B−
    C−D−E−F−Aで囲まれる範囲内にあり、かつ、ペ
    ロブスカイト結晶の平均結晶粒径dが0.10〜0.2
    5μmであることを特徴とする誘電体薄膜。
  2. 【請求項2】測定周波数100MHz(室温)での比誘
    電率が1100以上であることを特徴とする請求項1記
    載の誘電体薄膜。
  3. 【請求項3】請求項1記載の誘電体薄膜の両面にそれぞ
    れ電極を形成してなることを特徴とするセラミックコン
    デンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005210090A (ja) * 2003-12-30 2005-08-04 E I Du Pont De Nemours & Co セラミック上の薄膜コンデンサー
JP2011243719A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Seiko Epson Corp 圧電素子、液滴噴射ヘッドおよび液滴噴射装置

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