JPH09217287A - マルチストランドスチールコード - Google Patents
マルチストランドスチールコードInfo
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- JPH09217287A JPH09217287A JP8299364A JP29936496A JPH09217287A JP H09217287 A JPH09217287 A JP H09217287A JP 8299364 A JP8299364 A JP 8299364A JP 29936496 A JP29936496 A JP 29936496A JP H09217287 A JPH09217287 A JP H09217287A
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Abstract
となく製造されるマルチストランドスチールコードを提
供する。 【解決手段】 スチールコード(10)が、互いに撚り
合わされた八本以上のストランド(12、14)から成
り、各ストランドは、前記スチールコード内でほぼ同じ
コード撚り方向とほぼ同じコード撚りピッチとを有し、
且つ、これらのストランドは、互いに撚り合わされた二
乃至五本の素線(16、18)から構成されている。
Description
た多数のストランドから成るスチールコード、すなわち
マルチストランドスチールコード(multi-strand steel
cord) に関する。
チールコードはゴムタイヤ、コンベヤーベルト、伝動ベ
ルト等のエラストマー製品を補強する標準コードであっ
た。しかし、比較的細い素線とその結果得られる高いレ
ベルの疲れ強さ(fatigue resistance)或いはその高い引
張強さとのゆえにマルチストランドスチールコードが真
に必要とされた分野を除いて、より大径の、且つ、より
少数の素線から成る、より簡易な構造を望む一般的傾向
によってマルチストランドスチールコードは駆逐され
た。現在、オフロードタイヤのような重荷重タイヤ、コ
ンベヤーベルト、タイミングベルト、伝動ベルト等を補
強する場合にはマルチストランドスチールコードが尚一
般に使用されている。大抵のマルチストランドスチール
コードの製造には費用がかかり、その最終工程を要約す
ると下記の如くである。 (a)素線を繰り出し、素線の最終直径が得られるまで
湿式伸線法で素線を伸線し、このように引き抜き加工し
た素線を巻き取る。 (b)引き抜き加工された素線を繰り出し、該素線を個
々のストランドに撚りあげ、できたストランドを巻き取
る。 (c)前記ストランドを繰り出し、該ストランドを最終
コードに撚りあげ、できたコードを巻き取る。 特に上記工程(b)は最終コードの個々のストランドに
対して別々に行わなければならず、例えば、7×19型
コードの場合には七回行わねばならず、マルチストラン
ドスチールコード製造工程の生産性と効率とに対し悪影
響を与えている。
のストランドを製造する独立した工程(b)を省略で
き、一般的に使用されている7×7型コード、7×19
型コード、7×31型コード等のマルチストランドスチ
ールコードを代替できる新たな系列のマルチストランド
スチールコードを提供することである。
本以上のストランドから成るスチールコードが、本発明
に準拠して得られる。各ストランドは、ほぼ同じコード
撚り方向と、ほぼ同じコード撚りピッチとを有する。前
記ストランドは各々、互いに撚り合わされた二乃至五本
の個別の素線から成っている。「コード撚りピッチ」と
いう用語は、最終コード内で当該ストランドが360度
回転するのに必要な軸方向距離を表す。後述する如く、
各ストランドが同じコード撚り方向と同じコード撚りピ
ッチとを有することにより、マルチストランドスチール
コードを経済的且つ高効率的方法で製造することができ
る。また各ストランドが二乃至五本だけの個別の素線で
構成されており、従って中心素線すなわち心線がないの
で、個々のストランド内での、中心素線移動(core fila
ment migration) の問題を経験することなくマルチスト
ランドスチールコードを製造することができる。
ストランドにおける個々のスチール素線は、同じストラ
ンド撚り方向と、ほぼ同じストランド撚りピッチとを有
する。用語「ストランド撚りピッチ」は最終コードのス
トランド内で1本の素線が360度回転するのに必要な
軸方向距離を表す。
1型のコードに対する好適な代替品を提供する為、本発
明のマルチストランドスチールコードにおけるストラン
ド数は少なくとも八本であり、九本、十二本、十五本、
……とすることができる。しかしながら、好適な構成は
十二、十九、或は二十七本のストランドから成り、これ
らはそれぞれ12×n型コード、19×n型コード及び
27×n型コードと表示される。ここで、nは各ストラ
ンド内の素線数であり、二乃至五本の範囲内にある。1
2×n型コードは三本の中心部ストランドと九本の外側
ストランドとを有する。19×n型コードは一本の中心
ストランドと、六本の中間部ストランドと、十二本の外
側ストランドとを有する。27×n型コードは三本の中
心部ストランドと、九本の中間部ストランドと、十五本
の外側ストランドとを有する。
ランドがコードからとび出すのを防ぐためには、中心部
ストランドが外側ストランドの及び、又は中間部ストラ
ンドの外径より大きい外径を有することが望ましい。
じでも反対でも構わない。後述の説明で明らかになるよ
うに、ストランド撚り方向がコード撚り方向と等しいマ
ルチストランドスチールコードは、効率の高い方法で製
造することができる。ストランド撚りピッチは、コード
撚りピッチと等しくても、或は異なっていても構わな
い。
エラストマー製品の補強に好適であるが、このことはマ
ルチストランドスチールコードが下記性質を単独に、ま
たは組合わせて有することを意味する。 ・素線直径は0.04mm(例えばタイミングベルト補
強用)から1.1mm(例えばコンベヤーベルト用)の
範囲にある。 ・スチールの組成は、通常0.60%の最小炭素含有
量、0.20乃至0.90%のマンガンと0.10乃至
0.90%のシリコンとを含み、硫黄、燐含有量はそれ
ぞれ好ましくは0.03%未満とする。クロム、硼素、
コバルト、ニッケル等の付加的成分を付加することがで
きる。 ・素線は場合に応じて、亜鉛等による耐食被覆で覆う
か、または、エラストマー材料に対する付着力を増す黄
銅、青銅等の被覆を施している。
トマー製品補強分野以外で他の用途に応用することもで
きる。その様な場合には、本発明のマルチストランドス
チールコードをポリアミド等の合成材料で被覆すること
も可能である。
更に詳細に説明する。
ルコード10の横断面を示す。該コード10は三本の中
心部ストランド12と九本の外側ストランド14とから
成っている。中心部ストランド12と外側ストランド1
4とは、各々二本の素線16のみから構成されている。
また中心部ストランド12と外側ストランド14とは、
最終コード10内で、各々同じコード撚りピッチと、同
じコード撚り方向とを有している。直径0.20mmの
素線を用いた例として: 12×2×0.20 コード撚りピッチ = 10mm コード撚り方向 = Z ストランド撚りピッチ = 10mm ストランド撚り方向 = S 12×2×0.20 コード撚りピッチ = 20mm コード撚り方向 = S ストランド撚りピッチ = 10mm ストランド撚り方向 = S
ルコード10の横断面を示す。スチールコード10は三
本の中心部ストランド12と、九本の外側ストランド1
4とから成っている。中心部ストランド12の素線18
の外径が外側ストランド14の素線16の外径より大き
いので、中心部ストランド12の外径は外側ストランド
14の外径より幾分大きくなっている。下記に一例を示
す。0.175及び0.15は使用素線の直径(mm)
を示す。 3×3×0.175 | 9×3×0.15 コード撚りピッチ(mm)及び撚り方向 = 8mmZ ストランド撚りピッチ(mm)及び撚り方向 = 8m
mS
2と九本の外側ストランド14とから成る、他の実施例
のコードの横断面を示す。中心部ストランド12が三本
の素線18で構成されているが、外側ストランド14が
二本の素線16のみで構成されているので、中心部スト
ランド12の外径は外側ストランド14の外径より大き
くなっている。中心部ストランド12の素線18の外径
と外側ストランド14の素線16の外径とは同じであ
る。直径0.15mmの素線を用いた例としては: 3×3×0.15 | 9×2×0.15 コード撚りピッチ(mm)及び撚り方向 = 16mm
S ストランド撚りピッチ(mm)及び撚り方向 = 8m
mS
ルコード10の横断面を示す。コード10は一本の中心
部ストランド12、六本の中間部ストランド20及び十
二本の外側ストランド14から成っている。各ストラン
ドは四本の素線で構成されているが、中心部ストランド
12の四本の素線の外径は、中間部ストランド20及び
外側ストランド14の各素線の外径より幾分大きい。
ルコード10の横断面を示す。コード10は三本の中心
部ストランド12、九本の中間部ストランド20及び十
五本の外側ストランド14から成っている。各ストラン
ドは二本の素線で構成されているが、中心部ストランド
12の二本の素線18の外径は、中間部ストランド20
及び外側ストランド14の各素線16の外径より幾分大
きい。
は、引張強さまたは他の機械的性質を損なうことなしに
普通のマルチストランドスチールコードの代替物として
使用できる。例えば: ・49本の素線を有する普通の7×7×d型コードは、
38本の素線を有する本発明の19×2×d1 型コード
(d1 > d)、または、57本の素線を有する19×3
×d2 型コード(d2 < d)で代替できる。 ・133本の素線を有する普通の19×7×d型コード
は、135本の素線を有する本発明の27×5×d型コ
ードで代替できる。 図6は、本発明の12×3型マルチストランドスチール
コードが、どのように単一のコード製造工程で製造で
き、従って、個々のストランドを製造する多段階工程を
省略できるかを示す。
の素線16が一つの供給スプール22から、または、三
個の別個の供給スプール22から引き出される。素線1
6は変向用のプーリ23を経由し、フライヤ24を過
ぎ、案内プーリ25へと導かれる。フライヤ24が、回
転速度nRAD で回転し、素線16に一回転につき二つの
撚りを与えることによって、(仮)ストランド14が製
造される。この作業は同時に十二のセットで行われる。
十二台の供給スプール22とそれらに対応するフライヤ
24との全体セットでいわゆる回転繰出し装置(rotatin
g pay-off installation) が構成される。十二本の仮ス
トランドが組立場所(assembly point)26に集められ、
仮より装置28に導かれる。仮より装置28は、下流の
ダブルツイスタの回転速度nB の二倍速で回転する仮よ
り装置28の段階でコードが一時的に最終コード撚りピ
ッチに達するので、この仮より装置28の機能は最終コ
ードで必要とされる正確な長さのストランドを引き出す
ことである。撚られたストランドは、仮より装置28を
出た後、案内プーリ30を経由しフライヤ32と変向プ
ーリ34を過ぎて導かれ、最終的にスプール36に巻き
取られる。フライヤ32は回転速度nB で回転し、前記
撚られたストランドに一回転につき二つの撚りを与え、
マルチストランドスチールコード10の最終コード撚り
ピッチ及び(回転フライヤ24と一緒に)最終ストラン
ド撚りピッチを決定する。
印38の方向に2000rpmの回転速度nB で回転す
る(Zよりを与える)。 ・回転繰出し装置のフライヤ24は、矢印40の方向に
4000rpm(=2×nB ) の回転速度nRAD で回転
する(Sよりを与える)。その結果、下記特性を有する
12×3型マルチストランドコードができる。 ・コード撚りピッチ(mm)及び撚り方向 = Xmm
S ・ストランド撚りピッチ(mm)及び撚り方向 = X
mmZ、 これはフライヤ24によりストランドに与
えられる撚りの半分は、最終コード製造工程における下
流のフライヤ32により相殺されているからである。
8の反対方向に1000rpmの回転速度nB で回転す
る(Sよりを与える)。 ・回転繰出し装置のフライヤ24は、矢印40の方向に
2000rpm(=2×nB )の回転速度nRAD で回転
する(同じくSよりを与える)。その結果、下記特性を
有する12×3型マルチストランドコードができる。 ・コード撚りピッチ(mm)及び撚り方向 = 2Xm
mS、 これはこのフライヤ32が第一例のフライヤ
32の半分の速度で回転するからである。 ・ストランド撚りピッチ(mm)及び撚り方向 = X
mmS、 これは回転繰出し装置のフライヤ24によ
る撚りと、ダブルツイスタのフライヤ32による撚りと
が加算されているからである。
トランドコードの有益な実施例を示すものである。もし
もコード撚り方向とストランド撚り方向とが等しけれ
ば、回転繰出し装置のフライヤで生ずる撚りはダブルツ
イスタのフライヤで生ずる撚りに加えられ、その結果、
最終の撚りが、最小の撚りエネルギーで得られる(第二
例の回転速度と、第一例の遥かに高速な回転速度を比較
されたい)。
ブルツイスタのフライヤによる撚りによって100%相
殺される事態を避けるため、回転繰出し装置のフライヤ
の回転速度nRAD は、ダブルツイスタのフライヤの回転
速度nB とはとにかく異なっている。そのような事態で
得られるスチールコードにおいては、ストランド間の差
異が無くなり、ストランド撚り方向と撚りピッチとに等
しいコード撚り方向と撚りピッチとを有する素線のみで
構成される、いわゆるコンパクトスチールコード(compa
ct steel cords) が得られる。
す。
す。
す。
す。
す。
方法を略図で示す。
Claims (15)
- 【請求項1】 スチールコード(10)であって、互い
に撚り合わされた八本以上のストランド(12、14)
から成り、前記ストランドそれぞれが前記スチールコー
ド内においてほぼ同じコード撚り方向とほぼ同じコード
撚りピッチとを有し、且つ、前記ストランドそれぞれ
が、二乃至五本の素線(16、18)が撚り合わされて
成ることを特徴とするスチールコード。 - 【請求項2】 前記ストランドすべてにおける各素線
が、同じストランド撚り方向に、同じストランド撚りピ
ッチで撚られていることを特徴とする請求項1に記載す
るスチールコード。 - 【請求項3】 前記スチールコード内のストランド数が
十二本で、三本の中心部ストランドと九本の外側ストラ
ンドとから成ることを特徴とする請求項1または2に記
載するスチールコード。 - 【請求項4】 前記外側ストランドのすべてが、ほぼ同
じ外側ストランド直径を有し、前記中心部ストランドの
少なくとも一つが前記外側ストランドのストランド直径
より大きなストランド直径を有することを特徴とする請
求項3に記載するスチールコード。 - 【請求項5】 前記外側ストランドのすべてが、ほぼ同
じ素線径の素線を有し、前記少なくとも一つの中心部ス
トランドが、前記外側ストランドの素線の素線径より大
きな直径を有する素線から成ることを特徴とする請求項
4に記載するスチールコード。 - 【請求項6】 前記外側ストランドのすべてが、同数の
素線を有し、前記少なくとも一つの中心部ストランド
が、前記外側ストランドのよりも多数の素線を有するこ
とを特徴とする請求項4または5に記載するスチールコ
ード。 - 【請求項7】 前記スチールコード内のストランド数が
十九本で、一本の中心部ストランドと、六本の中間部ス
トランドと、十二本の外側ストランドとから成ることを
特徴とする請求項1または2に記載するスチールコー
ド。 - 【請求項8】 前記中間部ストランドのすべてが、ほぼ
同じ直径を有し、前記外側ストランドのすべてが、ほぼ
同じ直径を有し、前記中心部ストランドの直径が、前記
中間部ストランドの直径より大きく、且つ、前記外側ス
トランドの直径よりも大きいことを特徴とする請求項7
に記載するスチールコード。 - 【請求項9】 前記スチールコード内のストランド数が
二十七本で、三本の中心部ストランドと、九本の中間部
ストランドと、十五本の外側ストランドとから成ること
を特徴とする請求項1または2に記載するスチールコー
ド。 - 【請求項10】 前記中間部ストランドのすべてが、ほ
ぼ同じ直径を有し、前記外側ストランドのすべてが、ほ
ぼ同じ直径を有し、少なくとも一つの前記中心部ストラ
ンドの直径が、前記中間部ストランドの直径より大き
く、且つ、前記外側ストランドの直径より大きいことを
特徴とする請求項9に記載するスチールコード。 - 【請求項11】 前記コード撚り方向が前記ストランド
撚り方向と等しいことを特徴とする請求項2乃至10の
いずれかに記載するスチールコード。 - 【請求項12】 前記コード撚り方向が前記ストランド
撚り方向と反対であることを特徴とする請求項2乃至1
0のいずれかに記載するスチールコード。 - 【請求項13】 前記コード撚りピッチが前記ストラン
ド撚りピッチとほぼ等しいことを特徴とする請求項2乃
至12のいずれかに記載するスチールコード。 - 【請求項14】 前記コード撚りピッチが前記ストラン
ド撚りピッチと異なることを特徴とする請求項2乃至1
2のいずれかに記載するスチールコード。 - 【請求項15】 幾つかの前記ストランドにおいて前記
素線が、他のストランドにおけるストランド撚り方向ま
たはストランド撚りピッチとは異なるストランド撚り方
向またはストランド撚りピッチで撚られていることを特
徴とする請求項1に記載するスチールコード。
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