JPH09214210A - 非可逆回路素子 - Google Patents
非可逆回路素子Info
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Abstract
ことなく、軽量化,低コスト化に対応でき、また製造を
容易にできるとともに、磁場分布の強度劣化を回避でき
る非可逆回路素子を提供する。 【解決手段】 インダクタンス成分として機能する複数
本の電極ライン5a〜5cを電気的非接触状態でかつ所
定角度をなすように交差させて配置してなる中心電極部
5と、上記各電極ライン5a〜5cの入出ポートP1〜
P3に接続されるキャパシタ成分として機能する整合用
容量電極Cとをフェライト4に内蔵し、該フェライト4
の中心電極部5の交差部分に永久磁石3により直流磁界
を印加するようにしたサーキュレータ1(非可逆回路素
子)を構成する場合に、上記フェライト4の下面に該フ
ェライトより透磁率の高い磁性材料からなる磁性体部材
6を一体形成する。
Description
用される非可逆回路素子、例えばアイソレータ,サーキ
ュレータに関する。
イソレータ,サーキュレータは、信号の伝送方向のみ通
過させ、逆方向への伝送を阻止する機能を有しており、
例えば携帯電話,自動車電話等の移動通信機器に採用さ
れている。このようなサーキュレータの一例として、従
来、図15,図16に示すものがある。このサーキュレ
ータ50は、3本の中心電極51a〜51c及び整合用
容量電極(図示せず)が内蔵されたフェライト52の下
面に、上記各中心電極51a〜51cが接続される金属
端子57をインサート成形してなる樹脂ブロック53を
配置するとともに、フェライト部材52の上面に永久磁
石54を配置し、これらを金属製上ケース55,下ケー
ス56内に収納して構成されている。
脂ブロック53を用いる分だけ部品点数が増え、また各
金属端子57の接合箇所が増える分だけコストが上昇す
るとともに品質に対する信頼性が低いという問題があ
る。このような問題を解消するものとして、図13,図
14に示すようなサーキュレータ60が提案されてい
る。これはフェライト61の両縁に脚部61aを突出形
成し、該脚部61aに各中心電極51a〜51cが接続
される端子電極62を形成した構造のものである。この
構造によれば、上記樹脂ブロック53,及び金属端子の
接続を不要にできるので、低コスト化に対応できるとと
もに品質に対する信頼性を向上できる。
図12の等価回路図に示すように、インダクタンス成分
として機能する各中心電極51a〜51cの入出力ポー
トP1〜P3にキャパシタンス成分として機能する整合
容量C1〜C3を接続し、フェライト52,61に直流
磁界Hを印加することにより動作するよう構成されてい
る。
流磁界の平行度を高め、かつフェライト内での磁場分布
の均一化を図るとともに、磁場の漏れを低減するため
に、従来、フェライト52,61の下面に鉄製の下ケー
ス56を配置し、該下ケース56に同じく鉄製の上ケー
ス55を接合して閉磁路を形成するようにしている。
信機器に採用される非可逆回路素子では、その用途から
してさらなる小型化,軽量化,及び低コスト化が要請さ
れている。しかしながら、上記従来の非可逆回路素子で
は、重量物の鉄製上ケース,下ケースにより閉磁路を形
成する構造であることから、軽量化を図る上で不利とな
っており、また部品点数が増える分だけコストが上昇す
るという問題がある。また、上記従来のサーキュレータ
60では、フェライト61の両縁に脚部61aを形成す
る構造であるから、形状が複雑となって製造に手間がか
り、製造コストが上昇するという問題がある。さらに、
上記下ケース56にフェライト61を配置する際に両者
の間に空気層が形成される場合があり、この空気層によ
って磁界の反射が生じ易く、磁場分布の強度が劣化する
という問題がある。
を劣化させることなく、軽量化,低コスト化に対応で
き、また製造を容易にできるとともに、磁場分布の強度
劣化を回避できる非可逆回路素子を提供することを目的
としている。
ダクタンス成分として機能する複数本の電極ラインを電
気的非接触状態でかつ所定角度をなすように交差させて
配置してなる中心電極部と、上記各電極ラインの入出ポ
ートに接続されるキャパシタ成分として機能する整合用
容量電極とを、フェライトの一主面に、又は該フェライ
ト内に形成し、該フェライトの中心電極部の交差部分に
永久磁石により直流磁界を印加するようにした非可逆回
路素子において、上記フェライトの下面又は上面,もし
くは上下両面に該フェライトより透磁率が高く、絶縁性
を有する磁性材料からなる磁性体部材を一体形成したこ
とを特徴としている。
記磁性体部材の表面に、上記各電極ラインの入出ポート
が接続される端子電極を形成したことを特徴としてい
る。
て、上記フェライト,永久磁石,磁性体部材が、フェラ
イトより透磁率の高い磁性材料により形成された磁性体
ヨーク内に収納されていることを特徴としている。
図に基づいて説明する。図1ないし図3は、本発明の一
実施形態によるサーキュレータを説明するための図であ
り、図1〜図3はそれぞれサーキュレータの分解斜視
図,斜視図,組付け状態を示す断面図である。
ータであり、これは箱状の鉄製ケース2の内面に円板状
の永久磁石3を配置し、該永久磁石3の下面に例えば、
YIG(イットリウム・アイアンガーネット)やCaB
aG(カルシウムバナジウムガーネット)からなる直方
体状のフェライト4を配置するとともに、該フェライト
4に上記永久磁石3により直流磁界を印加して構成され
ており、基本的な構造及び動作は従来と同様である。
蔵されており、該中心電極部5はインダクタンス成分と
して機能する3本の電極ライン5a〜5cを互いに電気
的絶縁状態でかつ120度ごとに交差させた構造となっ
ている。またフェライト4の内には上記各電極ライン5
a〜5cの入出力ポートP1〜P3に接続された整合用
容量電極C・・が内蔵されており、該各電極ライン5a
〜5cの入出ポートP1〜P3及びアースG1〜G3は
それぞれフェライト4の下面に導出されている。
空洞部を形成し、該空洞部内に各電極ライン5a〜5c
及び容量電極Cを形成したキャビティ構造のものであ
る。ここで、上記フェライト構造には、上記フェライト
4の上面,又は下面に各電極ライン5a〜5cをパター
ン形成したもの、あるいは上記フェライト4を複数のフ
ェライトシートより構成し、該シートに各電極ライン5
a〜5cを形成し、このフェライトシートを積層して一
体化したものを採用することも可能である。
直方体状の例えば、Ni−ZnフェライトまたはMn−
Znフェライト等の磁性体部材6が一体焼成で接続形成
されており、該磁性体部材6と上記ケース2とにより磁
気閉回路が構成されている。この磁性体部材6は、上記
YIG(透磁率1.5〜2)やCaBaG(透磁率1.
5〜2)からなるフェライト4より透磁率の高い磁性材
料例えば、Ni−ZnフェライトやMn−Znフェライ
トにより構成されており、100程度の透磁率のものが
採用されている。また上記磁性体部材6の左右側面には
端子電極7・・が形成されており、該各端子電極7には
上記入出ポートP1〜P3及びアースG1〜G3が接続
されている。
る。本サーキュレータ1によれば、フェライト4の下面
に該フェライトより透磁率の高い磁性体部材6を一体形
成したので、該磁性体部材6により永久磁石3からの磁
場分布を均一化でき、さらには該磁性体部材6と鉄製ケ
ース2により磁場の漏れを防止する閉磁路が形成され、
周辺回路への影響を低減できる。その結果、非可逆特性
を確保しながら従来の下ケースを不要にでき、それだけ
部品点数を削減できコストを低減できるとともに、軽量
化に対応できる。また、上記フェライト4に磁性体部材
6を一体形成したので、該フェライト4と磁性体部材6
との間に空気層が存在することはなく、磁界の反射によ
る磁場分布の強度劣化を防止できる。さらに上記磁性体
部材6の側面に端子電極7を形成したので、従来の脚部
を省略して直方体形状とすることができ、それだけ製造
が容易となり、この点からもコストを低減できる。
したので、従来の樹脂ブロックを不要にでき、この点か
らもコストを低減できる。さらに上記磁性体部材6の厚
さは適宜設定することができ、例えば従来の下ケースと
同等の厚さに設定することにより小型化に対応できる。
度補償素子としても機能することから、温度特性の劣化
を回避することができる。
施の形態を説明するための図であり、図中、図3と同一
符号は同一又は相当部分を示す。
部材6を一体形成するとともに、フェライト4の上面に
第2磁性体部材10を一体形成した例である。この実施
形態では、フェライト4の両面に磁性体部材6,10を
一体形成したので、直流磁界の平行度,及び磁場分布を
さらに向上させることができる。
体部材6を一体形成するとともに、該フェライト4の上
面に永久磁石3を一体化した例であり、図5(b)は、
フェライト4の下面及び上面にそれぞれ磁性体部材6,
10を一体形成するとともに、該磁性体部材10の上面
に永久磁石3を一体化した例である。この実施形態で
は、フェライト4に永久磁石3を一体化したので、部品
点数をさらに削減でき、コストを低減できるとともに組
付け時の作業性を向上できる。
い磁性材料により磁性体上ヨーク11,下ヨーク12を
形成し、該ヨーク11,12内に永久磁石3,フェライ
ト4,及び磁性体部材6を収納して構成した例であり、
図6(b)は、上記同様の上ヨーク11,下ヨーク12
内に永久磁石3,フェライト4及び磁性体部材6,10
を収納して構成されている。本実施形態では、上記磁性
材料からなる上ヨーク11,下ヨーク12により磁気閉
回路を形成したので、鉄製の上ケース及び下ケースの両
方が不要にとなり、軽量化,及び低コスト化をさらに向
上できる。
により小さい磁性体部材13を一体形成した場合であ
り、図7(b)は、フェライト4の下面にこれより大き
い磁性体部材14を一体形成した場合である。また、上
記フェライト,磁性体部材,永久磁石の形状については
特に限定するものではなく、円形,多角形等の何れの形
状を採用してもよい。
レータを例にとったが、本発明は、1つのポートに終端
抵抗を接続してなるアイソレータにも勿論適用でき、こ
の場合においても上記同様の効果が得られる。
確認するために行った実験結果を説明するための図であ
る。
性体部材(透磁率数100)を一体形成してなる本実施
形態のサーキュレータを採用し、これの磁場分布,及び
磁場曲線を測定して行った(図8,図9参照)。この磁
場曲線は、フェライトの下面0から厚さ方向における
0.1mmA´,0.5mmB´,0.9mmC´の各
箇所の磁力を測定した。なお、鉄製ケースは厚さ0.2
mm、内径3mmとし、永久磁石及びフェライトの厚さ
は1.0mmとした。また、比較するためにフェライト
の下面に鉄製下ケース(透磁率約10000)を配置し
てなる従来のサーキュレータを採用し、これについても
同様の条件にて測定した(図10,図11参照)。な
お、この場合、従来のサーキュレータを採用するにあた
っては、フェライトと鉄製下ケースとを完全に密着さ
せ、両者の間に空気層がない理想的な状態として測定し
た。
サーキュレータは直流磁界の平行度,磁場分布とも従来
とほとんど同様である。またフェライトの磁場曲線にお
いても従来の鉄製下ケースに代わる磁性体部材を採用し
た場合の、フェライトへの磁場強度,分布は、従来構造
の理想的な状態とほとんど差がなく、サーキュレータの
磁気回路を構成する上での問題は全くないといえる。
逆回路素子によれば、フェライトの下面,上面に該フェ
ライトより透磁率の高い磁性材料からなる磁性体部材を
一体形成したので、磁界の平行度及び磁場分布を劣化さ
せることなく、軽量化,低コスト化に対応できる効果が
あるとともに、製造を容易にしてコストをさらに低減で
きる効果がある。また上記フェライトと磁性体部材との
間に空気層は存在しないので、磁界の反射による磁場分
布の強度劣化を防止できる効果がある。
面に各電極ラインの入出ポートが接続される端子電極を
形成したので、従来の樹脂ブロックを不要にできるとと
もに接合箇所を削減でき、この点からもコストを低減で
きる効果がある。
磁石,磁性体部材を、フェライトより透磁率の高い磁性
材料により形成された磁気閉回路を構成するヨーク内に
収納したので、この場合には上下両方の鉄製ケースを不
要にでき、軽量化,低コスト化をさらに向上できる効果
がある。
明するための分解斜視図である。
である。
ある。
図である。
図である。
ある。
験結果を示す特性図である。
る。
レータの分解斜視図である。
る。
逆回路素子) 3 永久磁石 4 フェライト 5 中心電極部 5a〜5c 電極ライン 6,10,13,14 磁性体部材 7 端子電極 11,12 磁性体ヨーク C 整合用容量電極 P1〜P3 入出力ポート
Claims (3)
- 【請求項1】 インダクタンス成分として機能する複数
本の電極ラインを電気的非接触状態でかつ所定角度をな
すように交差させて配置してなる中心電極部と、上記各
電極ラインの入出ポートに接続されるキャパシタ成分と
して機能する整合用容量電極とを、フェライトの一主面
に、又は該フェライト内に形成し、該フェライトの中心
電極部の交差部分に永久磁石により直流磁界を印加する
ようにした非可逆回路素子において、上記フェライトの
下面又は上面,もしくは上下両面に該フェライトより透
磁率が高く、絶縁性を有する磁性材料からなる磁性体部
材を一体形成したことを特徴とする非可逆回路素子。 - 【請求項2】 請求項1において、上記磁性体部材の表
面に、上記各電極ラインの入出ポートが接続される端子
電極を形成したことを特徴とする非可逆回路素子。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、上記フェライ
ト,永久磁石,磁性体部材が、フェライトより透磁率の
高い磁性材料により形成された磁性体ヨーク内に収納さ
れていることを特徴とする非可逆回路素子。
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