JPH09207884A - ヨットのマスト起倒装置 - Google Patents

ヨットのマスト起倒装置

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JPH09207884A
JPH09207884A JP8018955A JP1895596A JPH09207884A JP H09207884 A JPH09207884 A JP H09207884A JP 8018955 A JP8018955 A JP 8018955A JP 1895596 A JP1895596 A JP 1895596A JP H09207884 A JPH09207884 A JP H09207884A
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JP
Japan
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mast
boom
raising
yacht
drive
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Application number
JP8018955A
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English (en)
Inventor
Makoto Tachikawa
誠 立川
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マストの起立状態を確実にロっクして保持する
ことができ、しかもこのロック機構の構造が簡単であ
り、低コストのヨットのマスト起倒装置を提供する。 【解決手段】水平面内で揺動可能に船体に取付けられた
ブーム6と、該ブーム6によって垂直面内で起倒可能に
支持されたマスト7と、該マスト7を起倒駆動するマス
ト駆動機構30とを備え、マスト7を倒置位置と起立位
置との間で起倒可能としたヨット1のマスト起倒装置に
おいて、上記マスト7が上記マスト駆動機構30により
起立位置に駆動されたときに該マスト7をブーム6に対
して自動的にロックするロック機構31を設けたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、水平面内で揺動可
能に船体に取付けられたブームと、該ブームによって垂
直面内で起倒可能に支持されたマストと、該マストを起
倒駆動するマスト駆動機構とを備え、マストを倒置位置
と起立位置との間で起倒可能としたヨットのマスト起倒
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マストをブームによって起倒可能に支持
し、ヨットの陸上保管時等にはマストをブームに沿うよ
うに倒しておき、海上を走行する場合にはマストを起立
させるようにしたマスト起倒装置を備えたヨットが考え
られている。
【0003】このようなマスト起倒装置として、例え
ば、マストに連結されたロープを船体上に設けられた支
点を介して引き込むことによってマストを起立させ、ま
たロープを緩めることによってマストを倒すように構成
することが考えられる。また油圧シリンダ機構によって
自動的にマストを起倒させることも考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記マスト
の起倒装置は、ロープの張力によってマストを起立状態
に保持するものであるから、ロープが切断したり弛んだ
りした場合にはマストが倒れてしまうことが懸念され
る。また油圧の洩れによっても同様のことが懸念され
る。
【0005】本発明は、ロープの切断,油圧の洩れがあ
ってもマストを起立状態に確実に保持することができる
ヨットのマスト起倒装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、水平
面内で揺動可能に船体に取付けられたブームと、該ブー
ムによって垂直面内で起倒可能に支持されたマストと、
該マストを起倒駆動するマスト駆動機構とを備え、マス
トを倒置位置と起立位置との間で起倒可能としたヨット
のマスト起倒装置において、上記マストが上記マスト駆
動機構により起立位置に駆動されたときに該マストをブ
ームに対してロックするマストロック機構を設けたこと
を特徴とするものである。
【0007】請求項2の発明は、請求項1のヨットのマ
スト起倒装置において、上記駆動機構が油圧シリンダ機
構により構成されており、上記マストロック機構が、マ
スト側,ブーム側の何れか一方に形成された被係止部と
何れか他方に設けられ上記被係止部に係脱可能な係止爪
とから構成されていることを特徴とするものである。
【0008】請求項3の発明は、請求項2のヨットのマ
スト起倒装置において、上記係止爪の上記被係止部への
係合状態を解除するロック解除機構が設けられているこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を添付
図面を参照しつつ説明する。図1〜図23は本発明の一
実施形態装置説明するための図であり、図1,図2は該
実施形態装置を備えたヨットの概略側面図,平面図であ
る。図中、ヨット1は、船体5の船底の後尾にラダー2
を、略中央部にバラストキール3を、該バラストキール
3の後側に船内エンジン4で駆動されるスクリュウ4a
をそれぞれ備えている。また船体5の上方にはブーム6
が水平面内で揺動可能に配設され、該ブーム6の前端に
はマスト7が垂直面内で起倒可能に支持されており、該
マスト7とブーム6との間にはメインセール8が張設さ
れている。
【0010】そして本実施形態のヨット1は、上記マス
ト7を垂直面内で起倒駆動するマスト起倒機構30と、
上記ブーム6を水平面内で揺動駆動するブーム駆動機構
20とを有する操帆装置10を備えている。
【0011】上記ブーム駆動機構20は、図3に示すよ
うに、パイプ製の支持部材22の上端部に固着された軸
受筒26により上記ブーム6の下面に固着された駆動筒
25aを軸受26aを介して回動自在に支持し、該駆動
筒25aに自在継手24を介して接続され、上記支持部
材22内に挿通された伝達ロッド25bの下端部を自在
継手23を介して駆動源21Aのピニオン軸21aに接
続した構造を有している。
【0012】上記支持部材22の下端部は船底5dに膨
出形成された支持ボス部5aにボルト締め等により固着
され、上記軸受筒26は船室Aの天井壁5bに膨出形成
された支持ボス部5cにボルト締め等により固着されて
いる。このようにして上記支持部材22及び軸受筒26
は船体5に対して、上記ブーム6,マスト7の重量,風
圧による曲げ荷重(曲げモーメント)に耐える上で有利
な構造でもって強固に支持されている。
【0013】ここで駆動源21Aの配置については、図
23に示すように構成しても良い。この例では、軸受筒
26の下端部を上記天井壁5bの支持ボス部5c上面に
固定し、上記駆動源21Aを該支持ボス部5cの下面に
固定している。このように構成した場合には、船室A内
にブーム駆動機構構成部品が位置しないので、船室A内
空間を有効に使用することができる利点がある。なお、
上記駆動源21Aを天井壁5bの下面に配置することも
可能である。
【0014】図4,図5は上記駆動源21Aの詳細構造
を示す。該駆動源21Aは以下の構造を有するラック・
ピニオン式のものである。ハウジング21gを略水平方
向に貫通する1本の筒体からなるシリンダ21内にラッ
ク21bを摺動自在に挿入配置し、該ラック21bの両
端部にピストン21c,21cを一体形成し、これらの
ピストン21c,21cとシリンダ21の両端部に螺着
された端板28で一対の油圧室21d,21dを形成す
る。
【0015】そして上記ラック21bにボルト21fで
着脱可能に固定されたラック歯21b′に上記ピニオン
軸21aの下端部に形成されたピニオンギヤ21eを噛
合させる。なお上記ピニオン軸21aは上下一対のベア
リング27a,27bを介して上記ハウジング21gで
軸支されている。
【0016】また、上記ラック21bには、上記各油圧
室21dと相手油圧室21dとをそれぞれ連通する2つ
の通路21iが形成されており、該各通路21iにはリ
リーフバルブ21hが設けられている。これにより、油
圧室21dの内圧が異常に上昇することを防止してい
る。28aは上記油圧室21dに作動油を供給する給油
口、28bは油圧室21d内が負圧になるのを防止する
バルブである。なお、上記駆動源21Aは上記ハウジン
ク21gに形成されたフランジ部21g′を船底5d内
面にボルト締めすることにより船体5に固定されてい
る。
【0017】上記駆動源21Aでは、油圧を油圧室21
d,21dのいずれか一方にかけることによって、ラッ
ク21bが左右いずれか一方に移動し、これによりピニ
オン21eが所定角度回転され、このピニオン21eの
回転が上記伝達ロッド25b,駆動筒25aを介してブ
ーム6に伝達され、その結果ブーム6が所定角度揺動す
るようになっている。
【0018】上記駆動源21Aによれば、図24に示す
ような従来の駆動源a、即ち、シリンダをラックbの左
ピストン用左シリンダdと右ピストン用右シリンダeと
いうように別個独立のもので構成した場合に比べて、シ
リンダの芯出しが容易確実であり、また構造が簡単であ
るという利点がある。
【0019】ここで上記駆動源21Aには各種の変形例
が採用可能である。図6はいわゆるダブルラック方式の
例である。この駆動源21Bは、ピニン軸21aの下端
部に設けられたピニオンギヤ21jの左右に一対のラッ
ク単体21k,21kを配置し、これらのラック単体2
1k,21kを収容するケーシング21tの右側面にに
シリンダ単体21m,21mを並列配置してボルト締め
固定し、該各シリンダ単体21m内に摺動自在に配置さ
れた各ピストン21nをピストンロッド21uを介して
上記ラック単体21kに接続した構造を有している。
【0020】この駆動源21Bでは、シリンダ単体21
m,21mの一方にピストン21nの前進向きの油圧を
かけ、他方に後退向きの油圧をかけることにより、ラッ
ク単体21k,21kが逆方向に移動してピニオン21
jを同方向に回転駆動するので、大きな回転力が得られ
る利点がある。
【0021】また上記駆動源21Bでは、シリンダ単体
21m,21mをケーシング21tの同じ右側に配置し
たので、例えば左,右に配置する場合に比較して左右方
向の寸法を短くでき、装置を小型化できる利点がある。
【0022】図7に示す駆動源21Cは、ラック・ピニ
オンに代えてチェン・スプロケット式としたものであ
る。即ち、ケーシング21tの一側に一対のシリンダ単
体21p,21pを並列配置し、各ピストン21q,2
1qをピストンロッド21uを介してチェーン21rに
接続し、このチェーン21rを上記ピニオン軸21aの
下端に固着されたスプロケット21sに巻き回した構造
を有している。
【0023】上記駆動源21cは、ラック・ピニオン式
に比較して構造が簡単であり、しかも図6の駆動源に比
較してさらに小型に構成できる利点がある。
【0024】上記マスト駆動機構30は、図9に示すよ
うに、ブーム6の先端部で支持ピン6bにより回動自在
に支持されたマスト7の下端部にアーム部7aを延長形
成し、該アーム部7aに、上記ブーム6に支持ピン6a
で軸支されたシリンダ30aのピストンロッド30bを
連結ピン30cで回動可能に連結した構造を有してい
る。なお、上記アーム部7a,シリンダ30aはブーム
6内に配設されており、図9はブーム6を断面した状態
を示している。
【0025】上記油圧シリンダ30aが前進駆動され、
ピストンロッド30bが延びるとマスト7は倒され、油
圧シリンダ30aが後退駆動され、ピストンロッド30
bがシリンダ内に入るとマスト7は起立されるようにな
っている。なお、マスト駆動機構としては、自動式,あ
るいは油圧式のものに限らず、手動式あるいはメカニカ
ル式のものとしてもよい。
【0026】また上記マスト駆動機構30は、マスト7
とブーム6との連結部に、該マスト7が起立位置に駆動
されたときに該マスト7をブーム6に対して自動的にロ
ックするマストロック機構31と、該ロックを自動的に
解除するロック解除機構32とをを備えている。
【0027】上記マストロック機構31は、図10に示
すように、マスト7の側壁に被係止凹部31aを凹設
し、ブーム6側に係止爪31bを枢軸31dを介して回
動可能に枢支して上記被係止凹部31aに係脱可能とす
るとともに、スプリング31eで係合方向に付勢した構
造となっている。なお、33はマスト7を倒置側に付勢
するばねである。
【0028】また上記ロック解除機構32は上記マスト
ロック機構31の下側に配設されており、該ロック解除
機構32は、図11に示すように、モータ32aの駆動
ギヤ32bにより上記枢軸31dに形成された枢軸側ギ
ヤ32cをロック解除側に回転させることによって、係
止爪31bを被係止凹部31aから離脱させて、ロック
を解除するようになっている。なお、上記駆動モータ3
2aはマスト7を起立側にばね33が所定値以上圧縮さ
れるように付勢したとき、又は専用のスイッチをオンに
したときに起動され、ロック解除を行う。なお、ロック
解除機構32は、上述した自動式のものに限らず、係止
爪31bのロックを解除するためのロック解除レバー等
を設けた手動式としてもよい。
【0029】また本実施形態装置には、マスト7の起倒
角度を検出するマスト角度検出センサ40(図12参
照)と、ブーム6の角度位置を検出するブーム角度検出
センサ42(図13参照)と、ブーム6の揺動可能角度
範囲内に位置する生体を検出する生体検出センサ44
(図14参照)とを備えている。
【0030】ここで、上記マスト角度検出センサ40と
しては、マスト7が所定角度起立したときにマスト7の
外面に当接してオンされるリミットスイッチが採用で
き、ブーム角度検出センサ42としては、船体5の上面
におけるブーム6の所定回転角度位置に、ブーム6に向
けて左右2箇所取付けられた反射型の光センサが採用で
き、また生体検出センサ44としては、検出領域内にお
いて、生体から発する赤外線を検出する赤外線感知セン
サを採用することができる。
【0031】そして本実施形態装置のコントローラ12
は、検出されたマスト角度θが所定角度以下のときには
ブーム駆動機構20によるブーム6の駆動を停止するブ
ーム駆動制御手段として、また検出されたブーム角度が
マスト7を中心とする所定角度範囲外のときにはマスト
駆動機構30によるマスト7の倒置位置への駆動を停止
するマスト駆動制御手段として、さらに生体が検出され
たときにはブーム駆動機構20によりブーム6の揺動を
停止するブーム駆動機構制御手段として機能する。
【0032】次に、油圧回路を図15に基づいて説明す
る。符号90は供給電源、13は油圧パワーユニット、
70は油圧制御ユニット、30は油圧シリンダ30aを
含む上記マスト駆動機構、20は駆動源21Aを含む上
記ブーム駆動機構である。
【0033】上記供給電源90はDC電源(バッテリ)
91,極性切換リレー92,及びPWM電源11を備え
ている。
【0034】また上記油圧パワーユニット13は、モー
タ13aで駆動されるポンプ13b,一対のリリーフバ
ルブ13c,13c,圧力保持用のシャトルバルブ13
dを備えている。また油圧制御ユニット70は、切換弁
70a,流量制御弁70b,70c,70d,及び緊急
用の手動切換弁70eを備えている。
【0035】次に、制御回路を図16に基づいて説明す
る。DC電源91はコントローラ12に供給されるとと
もに、極性切換リレー92を介してPWM電源11に供
給されている。そしてコントローラ12は、マスト角度
検出センサ40からのマスト7の起倒角度検出信号,ブ
ーム角度検出センサ42からのブーム6の角度位置検出
信号,及び生体検出センサ44からのブーム6の揺動可
能角度範囲内に位置する生体の検出信号が入力され、操
作レバー15からのマスト起倒モード又は操帆モードに
おける操作信号に応じて、切換弁70a,上記極性切換
リレー92,及びPWM電源11を制御する。
【0036】図18,図19は操作レバー15の傾き角
度とPWM出力との関係を示す。図18の操帆モードに
おいては、操作レバー15を中立位置Nから右側に傾け
るとブームが右側に揺動し、左側に傾けるとブームが左
側に揺動し、その傾き角度が大きいほどブーム6の揺動
速度が速くなるように上記PWM電源11を制御する。
ます図19の起倒モードにおいては、操作レバー15を
前方に傾けるとマストが起立し、後方に傾けるとマスト
が倒れるようにPWM電源を制御する。なお、マストの
起立,倒置完了が検出されると、それ以降は操作レバー
15を前後に倒してもマストは動かない。
【0037】即ち、上記操作レバー15はブームの揺
動,マストの起倒の切り替えスイッチを兼ねており、該
レバー15を左右に回動させるとブームが揺動し、前後
に回動させるとマストが起倒する。また操作レバー15
から手を離すと該レバー15は中立位置に戻る。
【0038】図20,図21は上記操作レバー15の操
作速度(高・中・低)とPWMによる駆動電圧の立ち上
がり/下がり特性を示す。即ち、操帆速度が高(H)ほ
ど立ち上がり/下がりを緩やかにし、操帆速度が低
(L)ほど速くすることを示している。このようにする
ことにより、起動/停止(ON/OFF)時の慣性力が
過大になるのを防止して駆動メカニズムに無理な負荷が
かかるのを防止できる。
【0039】次に、図22のフローチャートを参照しつ
つ、本実施形態装置の動作を説明する。先ず、船室A内
に配設された選択スイッチ(ブームに設けても良い)に
よってマスト起倒モードか操帆モードかの選択が行わ
れ、マスト起倒モードが選択された場合には、上記切換
弁70aが図15と逆側に切換られるとともに、ブーム
6が船体中心線を挟んだ所定角度内にあるかどうかがブ
ーム角度検出センサ42からの検出信号により判断され
(ステップ101,102)、ブーム6が所定の角度範
囲内にない場合にはマスト7の起倒動作は行われない。
【0040】そしてブーム6が所定角度範囲内にある場
合に、起倒切換スイッチ、即ち操作レバー15の位置が
判断され、該スイッチが倒置側にある場合、即ち操作レ
バー15が後方に倒されている場合には、モータ13a
がポンプ13bを倒置方向に回転駆動し、マスト7が倒
置位置に達するまでマスト起倒シリンダ30aの倒置側
に油圧が供給され、倒置位置に達し、操作レバー15の
位置が中央に復帰されるとモータ13aが停止される
(ステップ103〜ステップ107)。
【0041】上記ステップ103で起倒切換スイッチが
起立側にある場合、即ち操作レバー15が前方に倒され
た場合には、モータ13aがポンプ13bをマスト7が
起立するまで起立方向に回転駆動し、また上記起倒切換
スイッチが中央に位置するとモータ回転が停止される
(ステップ103,108,109)
【0042】ステップ101において、船室A内の選択
スイッチによって操帆モードが選択されると、上記切換
弁70aが図15の状態に切換られ、マスト検出センサ
40によってマスト7が起立状態にあるがどうかが判別
され(ステップ101,110参照)、マスト7が起立
位置に無い場合には操帆動作は行われない。
【0043】マスト7が起立位置にあると判別される
と、操作レバー15の位置が左右いずれの側にあるかど
うかが判別され、右側にある場合には、生体検出センサ
44によって人間が揺動可能領域に存在するかどうかが
判別され、存在する場合には、警告が発せられ、モータ
13aが停止される(ステップ111〜ステップ114
参照)。
【0044】人間が存在しない場合には、操作レバー1
5の傾き角度に応じたPWM出力によりモータ13aが
ブーム右側揺動方向に駆動回転され、メインセール8が
予め想定された位置に達するまで操帆シリンダ21の右
揺動側に作動油が供給され、セールが想定された位置に
達すると、操作レバー15の位置が中央に復帰されてモ
ータ13aが停止される(ステップ112,115,1
16,117,106,107参照)。なお、上記操作
レバー15が大きいほど動作速度が速くなる。
【0045】ステップ111において、操作レバー15
が左側にある場合には、人間が揺動可能領域に検出され
ると,警告,モータ13a停止が行われ、検出されない
場合には操作レバー15の傾き角度に応じて操帆シリン
ダ21の左揺動側への作動油供給が行われる(ステップ
111,118,119,114,120〜122,1
06,107参照)。
【0046】本実施形態では、ブーム6を支持する支持
部材22の下端部を船底5dの支持ボス部5aに固定す
るとともに、伝達部材25bを介してブーム6を揺動駆
動する駆動源21Aを船底5dに固定したので、ブーム
6の支持剛性を向上できるとともに、船体5の重心が低
くなり、安定性を向上できる。
【0047】支持部材22の下端部を船室5bの天井部
5cに固定するとともに、駆動源21Aを該天井部5c
に固定した場合には、船室5b内にブーム駆動機構の各
部材が配設されることがなく、船室5b内を有効に使用
することができる。。
【0048】ブーム駆動機構の駆動源21Aををラック
・ピニオン式とし、該ラック21bを往復駆動するシリ
ンダ21を、ケーシング21g(ピニオン保持部材)を
貫通する1本の筒体で構成したので、ピニオン保持部材
の両側に2つの別個独立のシリンダを配置した場合に比
べて、軸芯を容易確実に一致させることができる。
【0049】また本実施形態装置では、マスト7の起倒
角度が所定角度以下のとき、つまりマストが完全に起立
状態にない場合には、ブーム6の揺動を停止するように
したので、マスト7が倒れたままの状態での操帆動作を
防止でき、安全かつ正確にヨットを操帆でき、更にマス
ト7及びセールの損傷を防止できる。
【0050】ブーム角度が所定角度範囲外のときにはマ
スト7の倒置位置への駆動を停止するようにしたので、
マスト7が自艇の外側に倒置されすることはなく、他艇
の邪魔になったり、接触事故を生じることを未然に防止
することができる。
【0051】さらにまた、ブーム6の揺動可能角度範囲
内の人がいる場合にはブーム6の揺動を停止するように
したので、ブーム6の損傷を防止できる。
【0052】また本実施形態では、マスト起倒機構30
とブーム駆動機構20とが共通の駆動源(油圧源)を有
しているので、構造を簡単化することができ、しかも切
り替え回路によって、何れか一方の駆動機構に切り替え
て該駆動機構のみを駆動するようにしたので、ブーム6
が駆動されているときにはマスト7は駆動されず、また
マスト7が駆動されているときにはブーム6は駆動され
ないので、両方が同時に駆動されることがなく、操作性
かつ安全性に優れている。
【0053】また操作レバー15の中立位置からの揺動
角度が大きいほどブーム6の揺動速度が大きくなるよう
にしたので、操作レバー15の操作とブーム6の揺動と
の間に違和感がなく操帆操作をスムーズに行うことがで
きる。
【0054】さらにまた本実施形態では、上記マスト7
が起立位置に駆動されたときに該マスト7をブーム6に
対して自動的にロックするマストロック機構31を設け
たので、油漏れ等によりマスト保持機能に支障が生じた
場合にもマスト7を起立状態を確実に保持することがで
きる。
【0055】この場合に、ロック機構として、マスト7
側に凹設された被係止凹部31aにブーム6側に回動自
在に支持した係止爪31bを係止させる構造としたの
で、確実なロックを簡単な構造によって実現できる。
【0056】また、上記係止爪31bの上記被係止凹部
31aの係合状態を自動的に解除するロック解除機構3
2を設けたので、マスト7のロックを簡単に解除するこ
とができ、マスト7をブーム6に対して倒置状態とする
場合の作業性を向上できる。そしてこの場合に、マスト
7とブーム6との間にばね33を配設したので、ロック
解除時に該ばね33が収縮するようにマスト7に油圧を
かけることにより、上記ロックを容易に解除することが
できる。
【0057】
【発明の効果】請求項1の発明にかかるヨットのマスト
起倒装置によれば、上記マストが起立位置に駆動された
ときに該マストをブームに対してロックするマストロッ
ク機構を設けたので、駆動機構が油圧シリンダで構成さ
れたものである場合に油漏れ等によるマスト保持機能の
喪失が発生してもマストが倒れることがなく、マストを
起立状態を確実に保持することができる効果がある。
【0058】請求項2の発明にかかるヨットのマスト起
倒装置によれば、ロック機構を被係止部と該被係止部に
係脱可能な係止爪とで構成したので、確実なロックを行
うことができできるロック機構を、簡単な構造でかつ安
価に提供することができる効果がある。
【0059】請求項3の発明にかかるヨットのマスト起
倒装置によれば、係止爪の上記被係止部への係合状態を
解除するロック解除機構を備えたので、ロックを簡単に
解除することができ、マストをブームに対して倒置状態
とする場合の作業性を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態装置を備えたヨットを示す
概略側面図である。
【図2】上記ヨットの概略平面図である。
【図3】上記実施形態装置のブーム支持状態を示す断面
側面図である。
【図4】ブーム駆動装置の駆動源の断面平面図である。
【図5】上記駆動源の断面正面図(図4のV−V線断面
図)である。
【図6】上記駆動源の変形例を示す断面平面図である。
【図7】上記駆動源の他の変形例を示す断面平面図であ
る。
【図8】上記実施形態装置におけるマストの起立状態と
倒置状態を示す説明図である。
【図9】上記実施形態装置のマスト駆動装置部分を示す
概略構成図である。
【図10】上記実施形態装置のマストロック機構の断面
平面図である。
【図11】上記実施形態装置のロック解除機構の断面平
面図である。
【図12】上記実施形態装置のマスト角度検出センサの
配置を示す説明図である。
【図13】上記実施形態装置のマストの起倒可能角度範
囲を示す説明図である。
【図14】上記実施形態装置の生体検出領域を示す説明
図である。
【図15】上記実施形態装置の油圧回路図である。
【図16】上記実施形態装置の制御系統図である。
【図17】上記実施形態装置の操作レバーの傾き角度を
示す説明図である。
【図18】上記実施形態装置の操帆モードにおける操作
レバーの傾き角度とPWM出力との関係を示す特性図で
ある。
【図19】上記実施形態装置の倒置モードにおける操作
レバーの傾き角度とPWM出力との関係を示す特性図で
ある。
【図20】上記実施形態装置の駆動電圧特性図である。
【図21】上記実施形態装置の操帆速度特性図である。
【図22】上記実施形態装置の動作を示すフローチャー
ト図である。
【図23】上記実施形態装置におけるブーム駆動機構の
駆動源の配置位置の変形例を示す概略側面図である。
【図24】従来のラック・ピニオン式駆動源の断面平面
図である。
【符号の説明】
1 ヨット 6 ブーム 7 マスト 30 マスト起倒機構 31 ロック機構 31a 被係止凹部 31b 係止爪 32 ロック解除機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平面内で揺動可能に船体に取付けられ
    たブームと、該ブームによって垂直面内で起倒可能に支
    持されたマストと、該マストを起倒駆動するマスト駆動
    機構とを備え、マストを倒置位置と起立位置との間で起
    倒可能としたヨットのマスト起倒装置において、上記マ
    ストが上記駆動機構により起立位置に駆動されたときに
    該マストをブームに対してロックするマストロック機構
    を設けたことを特徴とするヨットのマスト起倒装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記マスト駆動機構
    が油圧シリンダ機構によって構成され、上記マストロッ
    ク機構が、マスト側,ブーム側の何れか一方に形成され
    た被係止部と、何れか他方に設けられ上記被係止部に係
    脱可能な係止爪とを備えていることを特徴とするヨット
    のマスト起倒装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上記係止爪の上記被
    係止部への係合状態を解除するロック解除機構を備えた
    ことを特徴とするヨットのマスト起倒装置。
JP8018955A 1996-02-05 1996-02-05 ヨットのマスト起倒装置 Withdrawn JPH09207884A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180065160A (ko) * 2016-12-07 2018-06-18 모터웰 주식회사 페트병을 부력체로 사용하는 모듈형 모형 선박
CN109649579A (zh) * 2017-12-22 2019-04-19 泰州口岸船舶有限公司 一种液压式桅杆升降装置
KR102392876B1 (ko) * 2020-11-12 2022-04-29 동명대학교 산학협력단 수상 로봇
KR102392878B1 (ko) * 2020-11-12 2022-04-29 동명대학교 산학협력단 요트용 절첩식 세일
KR20230082349A (ko) * 2021-12-01 2023-06-08 원린수 이벤트 체험용 선박

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