JPH09203849A - カメラのレンズ鏡胴 - Google Patents

カメラのレンズ鏡胴

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JPH09203849A
JPH09203849A JP8010593A JP1059396A JPH09203849A JP H09203849 A JPH09203849 A JP H09203849A JP 8010593 A JP8010593 A JP 8010593A JP 1059396 A JP1059396 A JP 1059396A JP H09203849 A JPH09203849 A JP H09203849A
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feed screw
cam ring
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lens barrel
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眞一 鈴木
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    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/04Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボールを使うため、ねじりピッチが小さくで
きず、ネジでの減速比が十分取れないために、モータか
ら送りネジまでの減速系が大きくなる。 【解決手段】 送りネジ駆動機構において、送りネジ3
0は正規の駆動範囲Aをネジ部30aとし、その両側に
ネジが切られていない空走部30bを設けてなり、さら
に、被駆動部材である送りネジフォロア32に付勢バネ
33,35によって常時、ネジとの係合方向に付勢力を
付与することにより、カム環5が正規の駆動範囲Aを越
して行き過ぎ領域Bに至ったときにも、ネジの食い込み
を防止するようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バリフォーカル光
学系を用いたレンズ鏡胴、特にズーミング動作及びフォ
ーカシング動作を内蔵のモータ等の駆動源によって行わ
せるようにしたレンズ駆動系の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的なズームレンズ鏡胴においては、
鏡胴内に装備された複数のレンズ群をズーミング専用及
びフォーカシング専用に分けて、それぞれの役割を固定
し、各レンズ群を動作させるための環体や固定筒等に、
操作環の操作をレンズ群の動きに変換するズームカム及
び直進溝を形成し、このズームカム及び直進溝の組み合
わせにより、ズーミングとフォーカシングを行うメカニ
ズム構成を採用しているが、この場合、ズーム比の増大
を図ったり、至近距離までのフォーカシング可能なレン
ズを実現することが不可能であった。
【0003】これに対し、バリフォーカル光学系を用い
たレンズ鏡胴は、ズーミング用レンズ群を同時にフォー
カシング用にも利用できるようにして、ズーム比の増大
及び至近距離までのフォーカシングを可能とするもので
あって、ズームカムとフォーカスカムとの組み合わせに
よる機構を採用しており、この機構ではズームカムの回
転によりズーミングを行い、フォーカスカムの光軸方向
の直進移動によりフォーカシングを行う。
【0004】この場合、図14に示すように、ズームカ
ムzとフォーカスカムfとを共に展開状態において直線
状に形成したものが考えられるが、これでは短焦点(ワ
イド)側と、長焦点(テレ)側との間のいずれのズーム位
置においても、カムの移動量とレンズの移動量の比が同
じであるため、フォーカシングを行う際に、フォーカス
カム環の繰出量が変化してしまい、実用に供することが
できない。
【0005】したがって、バリフォーカル光学系におい
ては、フォーカシングを行う際には、ある被写体に対す
る所定のレンズ群の無限遠からの繰出量はズーム位置に
よって異なるため、図15に示すように、フォーカスカ
ム環の繰出量xが一定となるようにカム形状を決める必
要がある。このようなカム形状とすると、カムの移動量
は図15(A)に示すワイド側での移動量y1と、図15
(B)に示すテレ側での移動量y2とで変化するが、フォー
カスカム環の移動量は、ワイド側とテレ側との間のいず
れのズーム位置においても、通常のズームレンズと同様
に一定となる。
【0006】図16はバリフォーカル光学系の基本的な
メカニズム構成として、フォーカシングブロックの動き
を示している。この図において、ズームカム環51は回
転、固定筒52は固定、フォーカスカム環53は光軸方
向に進退動作を行う。54はレンズ移動枠であって、該
レンズ移動枠54に設けられた案内ピン55がズームカ
ム環51のカム溝、及びフォーカスカム環53のカム溝
に亙って係合している。また、pはフォーカシングに伴
うワイドでの2群繰り出し量、qはフォーカシングに伴
うテレでの2群繰り出し量であって、一般的にはq>p
となっている。
【0007】図17は、従来のバリフォーカル光学系レ
ンズ鏡胴におけるフォーカシング機構の一例を示してい
る。この図に示すレンズ鏡胴では、内径部にヘリコイド
ネジ56aが、また、外径部にヘリコイドギア56bを
有するヘリコイド筒56を回転のみ可能に保持し、ヘリ
コイドネジ56aをフォーカスカム環57に設けられた
ネジ57aと結合する。このフォーカスカム環57のネ
ジ57aはフォーカスカム環57の端部全周に亙って設
けられている。一方、ヘリコイドギア56bをフォーカ
ス減速ギア列58の一つのギア58aに噛合させてお
り、さらに、フォーカス減速ギア列58の入力側をマニ
ュアルフォーカス環(図示せず)と、オートフォーカス
(以下、AFと呼ぶ)用モータ59にそれぞれ結合したも
のが知られている。
【0008】上記従来構成においては、フォーカス操作
環(図示せず)の回転操作あるいはAF用モータ59の
回転駆動が、フォーカス減速ギア列58で減速されてヘ
リコイド筒56に伝達され、このヘリコイド筒56の回
転によってヘリコイドネジ56aに結合するフォーカス
カム環57が直進駆動される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来構成においては、大径のヘリコイド筒56を
初めとする重量の大きい減速ギア列を必要とするなど、
図18に示すように、ギア減速系の占める比率が大きい
減速系となっているため、必然的にサイズが大きくな
り、小型、軽量化を図ることが困難である。また、ギア
減速系は複数のギアを組み合わせた構成となるため、部
品点数が多く、重量が増大するうえ、これを駆動するた
めにはトルクの大きい大型のモータが必要となるなど、
コスト面での問題点もあった。
【0010】さらに、フォーカスカム環57のネジ57
aとヘリコイドネジ56aとの駆動端での噛み込みを防
止するために、例えば固定筒やフォーカス操作環にフォ
ーカスストッパ(図示せず)を設けて、フォーカス操作
環の回転範囲を規制する等の対策を施す必要があり、部
品点数や作業工数の増大を伴う一因となっていた。
【0011】このようなヘリコイドを用いたレンズ駆動
機構の問題点を解決するものとして、従来、例えば図1
9(A)に示すような送りネジ60を用いたものが提案さ
れている。このレンズ駆動機構では、レンズを終端まで
駆動したときの送りネジ60の噛み込みを防止する必要
が生じるため、送りネジ60を案内するガイド筒61に
周壁を貫通する装入孔61aを設け、この装入孔61a
に装入したボール62を送りネジ60の谷部上で転動す
るように組み込み、さらにガイド筒61上に設けた板バ
ネ63によってボール62を送りネジ60に圧接させる
ように構成していた。
【0012】このような構成では、図19(B)に示すよ
うに、送りネジ60が駆動端まで進んだ後、更に駆動し
続けたときは、ボール62が送りネジ60の無ネジ部6
0aに乗り上げ、板バネ63のバネ付勢力に抗して装入
孔61aの外側へ押し出され、これによって噛み込みが
防止される。
【0013】しかしながら、上記送りネジ60による従
来のレンズ駆動機構では、ネジの噛み込み防止構造中に
ボールを用いているため、送りネジ60のねじりピッチ
を小さくすることができない。このため、送りネジ60
による減速比を十分取ることができないため、AF用モ
ータから送りネジ60までの減速系におけるギアによる
減速の比率が、ネジによる減速の比率よりも遙かに大き
くなってしまい、抜本的な解決策とはなり得なかった。
【0014】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、減速比を大きくとることができる
というネジの特性を生かしつつ、駆動端でのネジの噛み
込みを防止して、ネジによる減速系の比率が大きく、有
効な小型軽量化及び低コスト化を図ることが可能なカメ
ラのレンズ鏡胴を提供することを目的とするものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、ズームカム環とフォーカスカム環とによ
って、レンズをズーミング時、フォーカシング時のいず
れにおいても機械的に駆動するバリフォーカルのメカニ
カル補正構造を有するレンズ鏡胴において、前記ズーム
カム環とフォーカスカム環とのいずれか一方が光軸方向
に直進するカム環であり、該直進するカム環が、駆動源
により回転駆動される送りネジによって繰り出されるよ
うに構成されたものとしている。
【0016】このように送りネジによって直接カム環を
繰り出すことができる構成とすることで、部品点数を削
減し、省スペース、低コスト化を実現することができ、
また、カム環の低トルクでの駆動を実現することがで
き、低出力の安価な電磁モータに減速系を加え、フォー
カス駆動を行うことが可能となる。
【0017】上記構成において、前記送りネジによって
繰り出されるカム環が、フォーカス環である場合、低ト
ルクで駆動可能となり、低出力の安価な電磁モータに減
速系を加えるだけでフォーカス駆動が可能となる。
【0018】また、前記送りネジの正規の駆動範囲外に
空走部を設け、該空走部をネジが切られていない軸部と
して構成することにより、正規の駆動領域を超えて駆動
しようとしたときに、雌ねじ側はネジのない領域に進入
して、噛み込みを発生しない。この場合、前記送りネジ
によって駆動されるカム環構成部材を、空走部におい
て、ネジが係合する方向に付勢されるように構成するこ
とにより、正規の駆動領域を超えて駆動し、雌ねじ側が
ネジのない領域に進入した状態から、逆転を行うと、再
度ネジを係合することができる。
【0019】さらに、前記送りネジによって繰り出され
るカム環の正規の駆動範囲を検出するための電気スイッ
チ等からなる検出部を設けることにより、直ぐに係合状
態に復帰する作業に入ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るカメラのレン
ズ鏡胴の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態のレンズ鏡胴を装着したカメラの外観
を示している。この図に示すカメラCは、複数種の撮影
用レンズが着脱自在な一眼レフカメラであって、AF機
能、AE機能を備えており、そのボディ1のほぼ中央に
はレンズ鏡胴装着用マウント部2が形成されている。ま
た、図示してはいないが、ボディ1内には、カメラ及び
レンズの駆動系、表示系及び測光系等に電源を供給する
電源電池が着脱交換可能に内装されている。
【0021】図2及び図3は、レンズ鏡胴Lの断面を示
しており、図2はレンズの焦点距離がワイド端に設定さ
れている状態を、図3はレンズの焦点距離がテレ端に設
定されている状態をそれぞれ示している。これらの図に
示した本実施形態のレンズ鏡胴Lは、レンズをズーミン
グ時、フォーカシング時のいずれにおいても機械的に駆
動するバリフォーカルのメカニカル補正構造を有するも
のである。3は固定筒であって、この固定筒1には図4
(B)の展開図に示すように、2群及び3群案内ローラ1
3,14の移動を許す逃げ孔3aが形成されているとと
もに、後述する終端検知スイッチ39のブラシ40が臨
むブラシ窓3bが形成されている。
【0022】固定筒3の外径側には、ズームカム環4
が、該固定筒3に光軸方向の移動を規制され、且つ、回
転のみ可能な状態で係合保持された状態で配設されてい
る。このズームカム環4には、図4(A)に示すように、
2群及び3群案内ローラ13,14が係合するズームカ
ム溝4aが形成されている。
【0023】また、固定筒3の内径側には、フォーカス
カム環5が光軸方向にのみ移動可能で回転を規制された
状態で配設されている。このフォーカスカム環5には、
図4(C)に示すように、2群及び3群案内ローラ13,
14が係合するフォーカスカム溝5aが形成されてお
り、後述する終端検知スイッチ39のフレキシブル基板
41が装着されている。なお、同図中の想像線図は、フ
ォーカスカム環5が近接端に位置した状態を、実線図
は、無限遠端に位置した状態をそれぞれ示し、該フォー
カスカム環5は光軸方向に一定の範囲で直進駆動され
る。
【0024】6は手動によるフォーカシングを行う際に
回転操作するフォーカス操作環であって、鏡胴の最外周
手前側に設けられている。なお、図示してはいないが、
このフォーカス操作環6には、後述するフォーカス駆動
用モータ21を駆動制御するためのパルス信号発生手段
が設けられている。7はズーミングを行う際に回転操作
するズーム操作環であって、鏡胴の最外周遠端側に設け
られており、第1ズーム連動レバー8aを介してズーム
カム環4を連動回転させるとともに、第2連動レバー8
bを介して後述する4群カム環16を連動回転させる。
【0025】9〜12は1群〜4群の移動枠であって、
それぞれ対応するレンズ群G1〜G4を固定保持してい
る。2群移動枠10には2群案内ローラ13が設けられ
ており、また、3群移動枠11には外径側に3群案内ロ
ーラ14が設けられている。これら2群案内ローラ13
及び3群案内ローラ14は共に対応するズームカム溝4
aと、フォーカスカム溝5aとに亙って係合させてあ
る。4群移動枠12には外径側に4群案内ローラ15が
設けられており、該4群案内ローラ15が4群カム環1
6に形成されたカム溝16aに係合させてある。また、
3群移動枠11には、絞り機構17が装備されている。
【0026】上記光学系において、1〜4群のレンズG
1〜G4の無限遠端でのズーミング時の移動軌跡を、図
5の実線で示す。また、近接端での2群レンズG2の移
動軌跡を図5の点線で示す。このように、2群レンズG
2が主としてフォーカシングに寄与している。
【0027】ところで、上記光学系の構成を限られた出
力のモータで駆動するためには、モータの出力軸と、光
学系の入力端間において、一定以上の減速を行うことが
必要となる。この減速機構は、モータの出力軸につなが
るギア列と、光学系の入力端につながるネジとの組み合
わせが一般的であるが、減速比の考え方として、ギアに
よる減速の比率を少なくし、ネジによる減速の比率を大
きくするようにすれば、ギア列の減少につながるうえ、
ネジによる減速は、ネジのピッチを小さくすることによ
り簡単に達成することができ、スペースをとらないの
で、スペースの節約に有効であり、これによりスペース
効率が上がり、レンズ鏡胴Lの全体形状の小型コンパク
ト化が可能となる。
【0028】しかしながら、従来の減速機構では、前掲
の図18に示したように、モータの出力はギアによる減
速が大きく、ネジによる減速が小さくするしかなかっ
た。これに対し、本実施形態では、次に述べる構成によ
って図6に示すように、ギアによる減速は小さく、ネジ
による減速が大きくできるようにしている。
【0029】図7〜図11は光学系のフォーカス駆動機
構18を示し、図7は側面を、図8は正面を、図9はネ
ジ駆動部20の詳細を、図10はフォーカスカム環5と
の結合関係を、図11は鏡胴内における配置状態をそれ
ぞれ示している。図7及び図8に示すようにフォーカス
駆動機構18は、ギア駆動部19とネジ駆動部20とに
より構成されている。
【0030】ギア駆動部19は、駆動源としてのフォー
カス駆動用モータ21と、このモータ21の出力軸とネ
ジ駆動部20間に介装される減速ギア列22とをハウジ
ング23内に組み込んでなるもので、減速ギア列22
は、モータ出力軸に設けられたウォーム24、ウォーム
24に噛合するウォームギア25、ウォームギア25と
同軸で小径の第1中間ギア26、第1中間ギア26と噛
合する大径の第2中間ギア27、第2中間ギア27と同
軸で小径の第3中間ギア28、及び第3中間ギア28に
噛合する大径の第4中間ギア29の4段減速構成となっ
ており、最終段の第4中間ギア28と同軸に、カム環構
成部材としてのネジ駆動部20の送りネジ30が設けら
れている。
【0031】図9に示すように、ハウジング23には送
りネジ30のボス31が回転自在に保持されている。そ
して、送りネジ30は、正規の駆動範囲Aを包含する長
さのネジ部30aを中央部に有するとともに、このネジ
部30aの両側にネジが切られていない軸部からなる空
走部30bを有するもので、この送りネジ30には、ネ
ジ部30aに螺合するナット様の送りネジフォロア32
が設けられている。
【0032】送りネジ30の先端には、送りネジフォロ
ア32の端面に当接する第1付勢バネ33が介装されて
いる。34は第1付勢バネ33のバネ受けリングであっ
て、送りネジ30の先端に取り付けられている。また、
送りネジ30の基端には、ボス31の端面に受け止めら
れ、送りネジフォロア32のもう一つの端面と当接する
第2付勢バネ35が介装されている。これら第1、第2
付勢バネ33,35の存在により、送りネジフォロア3
2は空走部30bにおいて、ネジが係合する方向に付勢
される。
【0033】さらに、ボス31と第4中間ギア29間に
は、衝撃吸収バネ36が介装されており、この衝撃吸収
バネ36によって、送りネジ30に加わる衝撃を緩和
し、故障や破損の発生を防止するようにしている。
【0034】送りネジフォロア32はフォーカスカム環
5と一体に結合されている。この結合形態としては例え
ば図10(A)に示すように、フォーカスカム環5の周壁
の一部に切欠部37を設け、この切欠部37の所定部位
に該カム環5の厚みを利用して切欠部37の幅方向に跨
がる形状の送りネジフォロア32を一体に形成する。こ
のように切欠部37を設けて、ネジ駆動部20を設ける
ようにすれば、有効な省スペース化を図ることができ
る。
【0035】また、別の態様としては、図10(B)に示
すように、フォーカスカム環5に設けた切欠部37に臨
んで片持ち状の送りネジフォロア32を一体に形成す
る。あるいは図10(C)に示すように、図10(B)に示
したものと同様の形態の送りネジフォロア32を別体に
形成し、これをフォーカスカム環5の切欠部37にネジ
38によって片持ち状に止着する。この場合、送りネジ
フォロア32のネジ頭38aが嵌入される孔を長孔32
aとし、ネジ38の止着状態において、光軸方向への遊
びはないが、光軸方向と直交する方向へは調整可能とし
て、部材間の誤差を長孔32aで吸収することができる
ようにしてもよい。あるいは、図10(D)に示すよう
にネジ38の頭部とネジフォロア32をかん合状態と
し、光軸方向への遊びはないが、径方向の部品誤差を吸
収できるようにしてもよい。
【0036】このような構成のフォーカス駆動機構18
は図11に示すように、鏡胴L内に組み込まれ、フォー
カスカム環5を正規の駆動範囲内で光軸方向に直進する
形で繰り出すように動作するが、本実施形態では、この
フォーカスカム環5の正規の駆動範囲を検出するための
電気スイッチからなる検出部を備えている。
【0037】図12は検出部としての終端検知スイッチ
39を示している。この終端検知スイッチ39は、前述
のように固定筒3のブラシ窓3cに臨んで取り付けられ
たブラシ40と、終端検知スイッチ39の周面に光軸方
向に沿って装着されたフレキシブル基板41とにより構
成されており、フォーカス駆動機構18の送りネジフォ
ロア32の無限大端と近端とを検出する。
【0038】同図中、破線(I)は最近接側のメカ外れ位
置を、(II)は最近接側のスイッチON位置を、(III)は最
近接位置をそれぞれ示している。また、(IV)は光学無限
位置を、(V)は光学無限側のスイッチON位置を、(VI)
は光学無限側のメカ外れ位置をそれぞれ示している。そ
して、最近接位置(III)と光学無限位置(IV)の間隔は、図
9に示したネジ部30a上の正規駆動範囲Aに対応して
おり、最近接側のメカ外れ位置(I)から最近接位置(II
I)まで、及び光学無限位置(IV)から光学無限側のメカ外
れ位置(VI)までは、それぞれ図9に示したネジ部30a
上の行き過ぎ領域Bに対応している。そして、スイッチ
ON位置(II)(V)は行き過ぎ領域Bの中間部に設定され
ている。
【0039】図13はフォーカシングに関わるレンズ鏡
胴Lとボディ1間の電気的接続構成を示している。この
図において、42はレンズ鏡胴L側の制御用回路、43
はボディ1側の制御用回路、44,45はI/Oであ
る。
【0040】次に、上記構成の動作を説明する。まず、
具体的構成の動作に先立ち、バリフォーカルのメカ補正
について説明する。本実施例のズームレンズ鏡胴では、
前述のようにインターナルフォーカス(第2群フォーカ
ス)を採用しているため、バリフォーカル光学系となっ
ており、これをカム形状の工夫によりメカ的に補正する
ことで、通常のズームレンズとして構成している。
【0041】次に、本実施例の具体的動作を説明する
と、まず、ズーミング時においては、ズーム操作環7を
手動により回転操作する。この回転は第1ズーム連動レ
バー8を介してズームカム環4に伝達される。ズームカ
ム環4が回転すると、2群案内ローラ13及び3群案内
ローラ14を介して1群移動枠9、2群移動枠10及び
3群移動枠11が駆動される。また、ズーム操作環7の
回転は第2ズーム連動レバー8bを介して4群カム環1
6に伝達される。ズームカム環4と同様に4群カム環1
6が回転すると、4群案内ローラ13を介して4群移動
枠12が駆動される。
【0042】次に、フォーカシング時の動作について説
明する。まず、オートフォーカス時においては、図12
に示すボディ1側の制御用回路43から制御信号が出力
され、この制御信号をI/O44,45を通じて受け取
ったレンズ鏡胴L側の制御用回路42を経てフォーカス
駆動用モータ21の駆動が制御される。なお、このモー
タ21の駆動電源は、レンズ鏡胴Lをボディ1に接続し
たときに、ボディ1側から供給される。
【0043】このモータ21の回転は、減速ギア列22
で減速されて送りネジ30に伝達される。そして、送り
ネジ30の回転によって、送りネジフォロア32が該送
りネジ30のピッチで直進駆動され、これによりフォー
カスカム環5が送りネジフォロア32と一体に光軸方向
へ直進駆動される。このフォーカスカム環5の動きは2
群案内ローラ13を介して2群移動枠10に伝達され、
該2群移動枠10の動きを主として自動焦点調節が行わ
れる。
【0044】また、フォーカス操作環6を回転操作する
ことによって行うフォーカス操作時には、フォーカス操
作環6を回転させたときに、前述した不図示のパルス信
号発生手段から駆動制御パルス信号が発生し、ボディ1
側制御用回路43に与えられる。
【0045】そして、この駆動制御パルス信号に基づく
ボディ1側制御用回路43の制御動作によってフォーカ
ス駆動用モータ21が駆動され、以下、オートフォーカ
ス時と同様に、減速ギア列22を介して送りネジ30が
回転し、送りネジフォロア32が送りネジ30のピッチ
で駆動され、これによって送りネジフォロア32と一体
のフォーカスカム環5が駆動され、このフォーカスカム
環5の動きが2群案内ローラ13を介して2群移動枠1
0に伝達され、焦点調節が行われる。
【0046】以上のようなフォーカシング時の各部の動
作において、フォーカス駆動機構18の動作及び制御形
態をより詳細に説明すると、送りネジ30上の送りネジ
フォロア32の終端位置検出は、図12に示した終端検
知スイッチ39の検出動作に基づいて行われる。終端検
知スイッチ39は、ブラシ40とフレキシブル基板41
との相対移動によって一定のパルス数を検出したとき、
終端検出信号をボディ1側制御用回路43に送り、これ
によってモータ21の回転方向が切り替え制御される。
なお、終端検知スイッチ39が発生する信号ビット数は
2ビットであり、最近接側と光学無限側とを判別できる
ようになっている。
【0047】送りネジフォロア32が、近接側から光学
無限側へと向かって行き過ぎ領域Bに達したときは、設
定されたパルス数に基づいて光学無限側スイッチON位
置(V)を検出し、その位置でスイッチONとなり、これ
によって送りネジ30と送りネジフォロア32の係合外
れを検出する。逆に、光学無限側から近接側へと向かっ
て行き過ぎ領域Bに達したときも、同じく設定されたパ
ルス数に基づいて最近接側スイッチON位置(II)を検出
し、その位置でスイッチONとなり、これによって送り
ネジ30と送りネジフォロア32の係合外れを検出す
る。なお、上記の順序は入れ替わり不可である。
【0048】このように、終端検知スイッチ39の検出
動作によりモータ21が停止するため、行き過ぎ領域ま
で送りネジフォロア32及びフォーカスカム環5が駆動
されることが防止される。しかしながら、終端検知スイ
ッチ39の機械的動作部分にゴミが付着すること等によ
って検出不能の事態を招く場合が考えられる。このよう
な場合、送りネジフォロア32は行き過ぎ領域Bに進入
し、そのまま最近接側メカ外れ位置(I)または光学無限
側メカ外れ位置(VI)まで進んでしまう虞れがあり、これ
を防止するために本実施形態では、機械的に行き過ぎ領
域Bに進入した送りネジフォロア32を正規駆動範囲A
に戻すように構成している。
【0049】すなわち、図9に戻って、送りネジフォロ
ア32は、送りネジ30の基端寄り側のネジ部端位置a
で、光学無限位置(IV)に位置させ、送りネジ30の先端
寄り側のネジ部端位置bが、最近接位置(III)となる。
そして、最近接位置(III)と光学無限位置(IV)間の正規
駆動範囲Aでの焦点調節が行われている範囲では、送り
ネジフォロア32が送りネジ30のネジ部30a上で動
作することになる。
【0050】これに対し、AF機能使用時及びマニュア
ル操作時のいずれにおいても、正規駆動範囲Aを越して
送りネジフォロア32が移動する事態が発生したとき
は、送りネジフォロア32は行き過ぎ領域Bに至ってし
まうが、この場合、送りネジフォロア32は、送りネジ
30のネジ部30aの両側の空走部30bに位置するこ
とになる。しかし、この空走部30bにはネジが存在し
ないため、送りネジ30と送りネジフォロア32は、ネ
ジどうしの食い込みを発生することなく、送りネジ30
のみが空転し続けることになる。
【0051】この送りネジ30の空転駆動は、一定時間
経過したところで、ボディ1側に設けられたタイマ(図
示せず)の動作によってフォーカス駆動用モータ21が
停止されることにより停止し、その後、ボディ1側制御
用回路43の制御動作によって、モータ21が逆転し、
反転方向に送りネジ30が駆動される。一方、送りネジ
フォロア32は第1付勢バネ33または第2付勢バネ3
5の付勢力によって、常時送りネジ30のネジ部30a
にネジ係合する方向に付勢されているため、送りネジ3
0の反転動作によってネジが再び係合し、正規駆動範囲
Aで正常動作できる状態に戻る。
【0052】なお、本実施形態では正規駆動範囲Aは4.
2mm、行き過ぎ領域Bはそれぞれ2.3mmに設定されてい
る。また、直進するカム環として、フォーカスカム環5
に適用しているが、本発明ではこれに限定されるもので
はない。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
よるときは、直進するカム環が、駆動源により回転駆動
される送りネジによって繰り出されるように構成してい
るので、省スペース化を図ることができるとともに、部
品点数を削減して低コスト化を実現することができる。
【0054】請求項2によるときは、送りネジによって
繰り出されるカム環をフォーカスカム環としたことによ
り、低トルクで駆動可能となり、低出力の安価な電磁モ
ータに減速系を加えるだけでフォーカス駆動が可能とな
る。
【0055】請求項3によるときは、送りネジを、正規
の駆動範囲外に空走部を有し、該空走部はネジが切られ
ていない軸部に構成しているので、正規の駆動領域を超
えて駆動しようとしたときに、雌ねじ側はネジのない領
域に進入して、ネジの噛み込みが発生することを確実に
防止することができる。
【0056】請求項4によるときは、送りネジによって
駆動されるカム環構成部材を、空走部において、ネジが
係合する方向に付勢されているものとしたので、正規の
駆動領域を超えて駆動し、雌ねじ側がネジのない領域に
進入した状態から、逆転を行うと、再度ネジを係合する
ことができるものとなった。
【0057】請求項5によるときは、送りネジによって
繰り出されるカム環の正規の駆動範囲を検出するための
検出部を有するものとしたので、直ぐに係合状態に復帰
する作業に入ることができる。
【0058】以上要するに、本発明によれば、ネジ部で
の減速比が大きく取れるというネジ駆動メカの特徴を生
かしつつ、終端まで駆動したときの噛み込みを防止する
ことができるので、小型コンパクトで、しかも、動作信
頼性の高いレンズ鏡胴を実現することができるものとな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るレンズ鏡胴が装着
されるカメラの一例を示す斜視図。
【図2】 レンズ鏡胴のワイド状態における半截断面
図。
【図3】 そのテレ状態における半截断面図。
【図4】 ズームカム環、固定筒及びフォーカスカム環
を示す概略展開図。
【図5】 ズーム時及びフォーカス時におけるレンズの
移動軌跡を示す線図。
【図6】 本実施形態の減速系内のギアとネジの割合を
示す図。
【図7】 フォーカス駆動機構を示す側面図。
【図8】 その正面図。
【図9】 ネジ駆動部を拡大して示す側面図。
【図10】 フォーカス駆動機構とフォーカスカム環と
の結合関係を示し、(A)はその一例を示す斜視図、(B)
は他の例を示す斜視図、(C)は更に他の例を示す要部断
面図。
【図11】 フォーカス駆動機構のレンズ鏡胴内におけ
る配置状態を示す概略断面図。
【図12】 終端検知スイッチの構成を示す模式図。
【図13】 レンズ鏡胴とボディの電気的接続構成を示
す模式図。
【図14】 バリフォーカル光学系の不具合例を示す模
式図。
【図15】 バリフォーカル光学系のワイド側とテレ側
の動きを説明するための模式図。
【図16】 バリフォーカル光学系のレンズの動きを説
明するための模式図。
【図17】 従来例を示す要部断面図。
【図18】 従来例の減速系内のギアとネジの割合を示
す図。
【図19】 従来の送りネジ使用のレンズ駆動機構の一
例を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 ボディ 3 固定筒 4 ズームカム環 5 フォーカスカム環 6 フォーカス操作環 7 ズーム操作環 8a 第1ズーム連動レバー 8b 第2ズーム連動レバー 9 1群移動枠 10 2群移動枠 11 3群移動枠 12 4群移動枠 13 2群案内ローラ 14 3群案内ローラ 15 4群案内ローラ 16 4群カム環 18 フォーカス駆動機構 19 ギア駆動部 20 ネジ駆動部 21 フォーカス駆動モータ 22 減速ギア列 30 送りネジ 30a ネジ部 30b 空走部 32 送りネジフォロア 33 第1付勢バネ 35 第2付勢バネ 37 切欠部 39 終端検知スイッチ L レンズ鏡胴

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ズームカム環とフォーカスカム環とによ
    って、レンズをズーミング時、フォーカシング時のいず
    れにおいても機械的に駆動するバリフォーカルのメカニ
    カル補正構造を有するレンズ鏡胴において、前記ズーム
    カム環とフォーカスカム環とのいずれか一方が光軸方向
    に直進するカム環であり、該直進するカム環が、駆動源
    により回転駆動される送りネジによって繰り出されるよ
    うに構成されていることを特徴とするカメラのレンズ鏡
    胴。
  2. 【請求項2】 送りネジによって繰り出されるカム環
    は、フォーカスカム環である請求項1に記載のカメラの
    レンズ鏡胴。
  3. 【請求項3】 送りネジは、正規の駆動範囲外に空走部
    を有し、該空走部はネジが切られていない軸部に構成さ
    れている請求項1に記載のカメラのレンズ鏡胴。
  4. 【請求項4】 送りネジによって駆動されるカム環構成
    部材は、空走部において、ネジが係合する方向に付勢さ
    れている請求項3に記載のカメラのレンズ鏡胴。
  5. 【請求項5】 送りネジによって繰り出されるカム環の
    正規の駆動範囲を検出するための検出部を有している請
    求項3に記載のカメラのレンズ鏡胴。
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