JP2012058694A - レンズ鏡筒 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝撃に強く、スムーズなズーム動作が可能なレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】レンズ鏡筒は、レンズ101を保持し、少なくとも3つのフォロワピン103、104、102bを備えたレンズ保持枠102と、レンズ保持枠102を光軸方向に直進案内する案内筒700と、光軸を中心に回動してレンズ保持枠102を光軸方向に移動させるカム筒800とを有し、カム筒800には、少なくとも3つの種類の異なるカム溝800a、800b、800cが形成され、これらのカム溝のうち少なくとも2つのカム溝は所定の交差点800tにおいて交差しており、少なくとも3つのフォロワピンのうち1つのフォロワピンが交差点800tに位置するとき、他の少なくとも2つのフォロワピンは、圧縮方向において少なくとも3つの種類の異なるカム溝のうち対応するカム溝と係合している。
【選択図】図4

Description

本発明は、レンズを光軸方向に進退可能に支持するレンズ鏡筒に関する。
デジタルスチルカメラ等の光学機器では、静止画撮影だけではなくデジタルビデオカメラ等と同様に動画撮影の機能が求められる。動画撮影では、像揺れの少ないスムーズなズーム動作及び高倍率化が要求されている。しかし、レンズ鏡筒は高倍率化により重くなり、落下した場合に受ける衝撃は大きい。このため、衝撃等の外力に強いレンズ鏡筒が必要である。特許文献1には、カム溝を交差させたレンズ鏡筒が開示されている。
特開2004−258642号公報
しかしながら、特許文献1のレンズ鏡筒では、カム溝の交差位置において、フォロワピンは他方の1つのカム溝にのみ係合しており、比較的衝撃に弱い。また、カム溝の交差位置においては、フォロワピンを駆動するカム溝が変移するため、スムーズなズーム動作が困難である。
そこで本発明は、衝撃に強く、スムーズなズーム動作が可能なレンズ鏡筒を提供する。
本発明の一側面としてのレンズ鏡筒は、レンズを保持し、少なくとも3つのフォロワピンを備えたレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠の内周側に設けられ、該レンズ保持枠を光軸方向に直進案内する案内筒と、前記案内筒の外周側に設けられ、光軸を中心に回動して前記レンズ保持枠を前記光軸方向に移動させるカム筒とを有し、前記カム筒には、少なくとも3つの種類の異なるカム溝が形成され、該カム溝のうち少なくとも2つのカム溝は所定の交差点において交差しており、前記少なくとも3つのフォロワピンのうち1つのフォロワピンが前記交差点に位置するとき、他の少なくとも2つのフォロワピンは、圧縮方向において前記少なくとも3つの種類の異なるカム溝のうち対応するカム溝と係合している。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、衝撃に強く、スムーズなズーム動作が可能なレンズ鏡筒を提供することができる。
本実施例におけるレンズ鏡筒の断面図である。 本実施例におけるレンズ保持枠ユニットの斜視図である。 本実施例におけるカム筒の斜視図である。 本実施例におけるカム筒の外径展開図である。 本実施例におけるフォロワピン及びその周辺の拡大図である。 図4中のZ−Z断面図である。 本実施例におけるレンズ鏡筒のレンズ保持枠スリット部の断面図である。 フォロワピン103付近の拡大図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本実施例におけるレンズ鏡筒について説明する。図1は、本実施例におけるレンズ鏡筒の断面図である。図2は、本実施例におけるレンズ保持枠ユニットの斜視図である。なお本実施例では、スチルカメラに適用されるレンズ鏡筒について説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、ビデオカメラ等の他の光学機器に組み込まれる各種のレンズ鏡筒にも広く適用可能である。
101はレンズ(第1レンズ群)、102はレンズ101を保持するためのレンズ保持枠(1群筒)である。レンズ保持枠102には、周方向における3箇所に、スリット部102a及びフォロワピン保持部102dが形成されている。103はフォロワピンであり、レンズ保持枠102の周方向における3箇所に固定されている。フォロワピン103は、カム溝800aに当接して係合する部分であるフォロワピン係合部103aを備える。104は補助フォロワピンであり、レンズ保持枠102の周方向3箇所に固定されている。102bは補助フォロワピンである。補助フォロワピン102bは、レンズ保持枠102の外観部(レンズ鏡筒外観部)において、レンズ保持枠102に一体形成されている。このため、レンズ保持枠102と別体に構成する場合に必要な取り付け穴が不要である。このように、レンズ保持枠102は、フォロワピン103、及び、補助フォロワピン104、102bの少なくとも3つのフォロワピンを有する。第1レンズ群、レンズ保持枠102、フォロワピン103、及び、補助フォロワピン102b、104により、レンズ保持枠ユニット100(1群ユニット)が構成される。
200は2群ユニットである。201は第2レンズ群であり、202は2群筒である。第2レンズ群201及び2群筒202により2群ユニット200が構成される。300は絞り・シャッタユニットである。400は3群ユニットである。401は第3レンズ群、402は第3レンズ群保持部材、403は第3レンズ群保持部材402を光軸直交方向へ駆動させるための駆動ユニットである。404は、第3レンズ群保持部材402及び駆動ユニット403を保持する3群ベース部材である。第3レンズ群401、第3レンズ群保持部材402、駆動ユニット403、及び、3群ベース部材404により3群ユニット400が構成される。
600は4群ユニットである。601は第4レンズ群であり、602は第4レンズ群601を保持する第4レンズ群保持部材である。第4レンズ群601及び第4レンズ群保持部材602により4群ユニット600が構成される。700は、レンズ保持枠102の内周側に設けられた案内筒である。案内筒700は、鏡筒地板1000に固定され、レンズ保持枠102を光軸方向に直進案内する。702は、案内筒700に設けられたフォロワピンであり、その先端部は球R形状を有する。フォロワピン702は、カム溝800cの径方向において弾性的に係合可能に構成されている。
800はカム筒である。カム筒800は、案内筒700の外周側に設けられ、案内筒700に対して(光軸を中心に)回動してレンズ保持枠102を光軸方向に移動させるように構成されている。カム筒800の外周側には、フォロワピン103のフォロワピン係合部103aが当接して係合するカム溝800a、及び、補助フォロワピン104が当接して係合するカム溝800bが形成されている。カム溝800a、800bは同一軌跡を有し、補助フォロワピン104とカム溝800bとの間には、所定の隙間が設けられている。フォロワピン103は、カム筒800に形成されたカム溝800aと係合している。フォロワピン103は、チャージされてカム溝800aに組み込まれているため、スリット部102aによってフォロワピン保持部102dが弾性部を構成する。フォロワピン保持部102dが弾性部を構成することにより、フォロワピン103がカム溝800aに対して光軸とは垂直方向に付勢される。このため、特別に付勢部材を用いることなくフォロワピン103をカム溝800aへ付勢することができる。
カム筒800の内周側面には、カム溝800dが形成されており、フォロワピン702の先端の球R形状部は、カム溝800dのカム底面と当接している。カム溝800dには、フォロワピン702がカム筒800の径方向において係合し、かつ、光軸方向である互いに異なる2方向において当接する。901は第5レンズ群であり、902は第5レンズ群901を保持する第5レンズ群保持部材である。第5レンズ群901及び第5レンズ群保持部材902により、5群ユニットが構成される。1000は鏡筒地板である。1003はCCDやCMOS等の撮像素子であり、鏡筒地板1000に取り付けられている。10000はレンズ鏡筒を覆うカメラ外装部品である。
図3は、本実施例におけるカム筒800の斜視図である。カム筒800の外周側には、カム溝800a、及び、補助カム溝800b、800c、すなわち3つの種類の異なるカム溝、が形成されている。フォロワピン103は、カム筒800に形成されたカム溝800aと係合する。補助フォロワピン104は、カム筒800に形成された補助カム溝800bと係合する。また、補助フォロワピン102bは、カム筒800に形成された補助カム溝800cと係合する。また、カム筒800の外周側にはギア部800jが設けられている。また、カムピン(不図示)を組み込むための穴部800k、フォロワピン702(ピン部材)を組み込むための穴部800mが設けられている。
図4は、本実施例におけるカム筒800の外径展開図である。フォロワピン103は、カム溝800aと補助カム溝800bとが交差する交差点800t(カム溝交差位置)において、カム溝800aと係合している。このとき、補助フォロワピン102b、104は、光軸に沿って撮像素子1003の方向にカム溝が存在する位置で、それぞれ補助カム溝800c、800bと係合している。これは、補助フォロワピン102b又は補助フォロワピン104のいずれかがカム溝交差位置で係合しても同様である。すなわち、少なくとも3つのフォロワピンのうち1つのフォロワピンが交差点に位置するとき、他の少なくとも2つのフォロワピンは、レンズ鏡筒の圧縮方向において、対応するカム溝と係合している。このような構成により、カム溝(補助カム溝)が交差する鏡筒でもフォロワピン(補助フォロワピン)がカム溝から脱落しにくくなり、衝撃に強いレンズ鏡筒を実現することができる。800pは、補助カム溝800cのリフト終了点である。このように、補助カム溝800c(カム溝のうち少なくとも1つ)は、リフト途中で終了している。補助カム溝800cのリフト終了点800p付近では、カム溝800aと補助カム溝800bとは互いに交差しない。このため、補助カム溝800cをリフト途中で終了させた場合でも、レンズ鏡筒の強度に影響を与えない。
図5は、本実施例におけるレンズ鏡筒のフォロワピン103及びその周辺の拡大図である。図5は、通常の駆動時において、レンズ保持枠102が衝撃を受けていない場合のフォロワピン103の状態を示している。図5に示されるように、レンズ保持枠102が衝撃を受けていない場合、フォロワピン103はカム筒800のカム溝800aに係合されている。フォロワピン103のフォロワピン係合部103aは、球形状となっている。ここで、球形状とは、厳密な球形状だけではなく実質的に球形状と評価できる形状(略球形状)も含まれる。
カム筒800において、8001はカム溝800aの底側部であり、8002はカム溝800aの開放側部である。カム溝800aの底側部8001のテーパ角αは、カム溝800aの開放側部8002のテーパ角βよりも大きくなるように設定されている(α>β)。すなわちカム溝800aは、テーパ角α(第1テーパ角)を有する底側部8001、及び、テーパ角αよりも小さいテーパ角β(第2テーパ角)を有する開放側部8002を備える(α>β)。
図5に示されるように、フォロワピン係合部103aは、通常の駆動時、すなわちレンズ保持枠102が衝撃を受けていない場合、フォロワピン保持部102dの弾性力(矢印で示された弾性力)によってカム溝800aの底側部8001とのみ接触する。すなわち、フォロワピン103は、レンズ保持枠102が衝撃を受けていない場合には、カム溝800aの開放側部8002に当接せずに底側部8001に当接する。
図6は、図4中のZ−Z断面図であり、カム溝800aと補助カム溝800bとの交差位置(交差点800t)を示す。補助カム溝800bは、カム溝800aの開放側部8002と交差している。一方、補助カム溝800bは、カム溝800aの底側部8001とは交差しない。または、補助カム溝800bは、底側部8001の一部においてのみカム溝800aと交差している。すなわち、カム溝800bは、フォロワピン係合部103aとカム溝800aの底側部8001との接触部分では交差していない。フォロワピン103は、カム溝800aが他のカム溝(補助カム溝)と交差した場合でも、ズーム動作に影響を与えないように構成されている。レンズ保持枠102には、前述のようにスリット部102aが形成されている。フォロワピン103は、チャージされてカム溝800aに組み込まれているため、フォロワピン保持部102dはスリット部102aによって弾性部を構成する。フォロワピン保持部102bが弾性部として機能することにより、フォロワピン103はカム溝800aに対して光軸に対して垂直方向に付勢される。このため、他の付勢部材を用いることなくカム溝800aへの付勢が可能となる。
図7は、レンズ保持枠102をスリット部102aで切断してレンズ101側から見た断面図である。スリット部102aは、レンズ保持枠102に120度間隔で3箇所に配置されている。フォロワピン保持部102dは、フォロワピン103付近の強度を保つため、肉厚になっている。フォロワピン保持部102dを肉厚にすることにより、衝撃を受けたときの変形や破損を抑制する。
フォロワピン保持部102dからスリット端部102fに至るまでの部分は、なだらかな曲線で結ばれており、衝撃を受けた場合に局部的に応力が集中しないように構成されている。フォロワピン保持部102dからスリット端部102fに至るまでのなだらかな曲線は、6箇所とも略同一な曲線である。またフォロワピン保持部102dは、スリット部102aの両端部に近づくにつれて、適切な弾性力を確保するために薄肉となっている。フォロワピン103は、3箇所とも均等な付勢力で、カム溝800aと係合するように構成されている。
レンズ保持枠102の3箇所にあるスリット部102aの間には、カム溝800bと係合する補助フォロワピン104が補助フォロワピン保持部102eにより保持されている。補助フォロワピン104は、通常の駆動時にはカム溝800bとは接触しない。補助フォロワピン104は、レンズ保持枠102が衝撃を受けた場合にのみ、カム溝800bと接触する。補助フォロワピン保持部102eは、強度を保つため、肉厚に構成されている。レンズ保持枠102は、カム筒800が回動してフォロワピン103を駆動することにより、ガタ無く光軸方向に直進駆動される。
図8は、本実施例におけるレンズ鏡筒のフォロワピン103及びその周辺の拡大図であり、レンズ保持枠102が衝撃を受けたフォロワピン103の状態を示す。図8に示されるように、レンズ保持枠102が衝撃(矢印で示された衝撃力)を受けると、フォロワピン103はスリット部102dを押し上げながら底側部8001から脱落して開放側部8002と接触する。すなわち、フォロワピン103は、レンズ保持枠102が衝撃を受けた場合には、カム溝800aの底側部8001に当接せずに開放側部8002に当接する。
上述のように、底側部8001のテーパ角αは、開放側部8002のテーパ角βよりも大きい(α>β)。また、フォロワピン係合部103aの形状は、略球形状である。このため、フォロワピン103は、底側部8001から脱落しやすく打痕が付きづらい。フォロワピン103に伝わった衝撃力は、最終的に開放側部8002により受けることになる。従って、開放側部8002において打痕が付きやすい。このとき、通常の駆動時においてフォロワピン103は開放側部8002と接触していないため、打痕による振動がレンズ保持枠102に伝わることはない。
本実施例のレンズ鏡筒では、1つのフォロワピンがカム溝の交差点に位置するとき、他の2つのフォロワピンは、光軸に沿って撮像素子の方向(レンズ鏡筒の圧縮方向)において、少なくとも3つの種類の異なるカム溝のうち対応するカム溝と係合している。このため、レンズ鏡筒が衝撃を受けた場合にフォロワピンが交差点に存在しても、他の2つのカム溝で衝撃を受ける。この結果、衝撃に強いレンズ鏡筒を提供することができる。また、フォロワピンが当接して駆動されるカム溝の接触部(底側部)は、カム溝と他のカム溝が交差しても分断されない。このため、フォロワピンは常に同一のカム溝の接触部に当接しながら駆動される。この結果、スムーズなズーム動作が可能なレンズ鏡筒を提供することができる。また、少なくとも2種類のカム溝が交差しない領域では、他のカム溝のリフトを途中で終了することができる。この結果、小型なレンズ鏡筒を提供することができる。また、レンズ鏡筒を駆動する際に、光軸方向から見てレンズ鏡筒の外観部に配置されるフォロワピンは、レンズ保持枠と一体形成されている。このため、フォロワピンを別体構成とする場合に必要な取り付け穴が不要となる。この結果、デザイン性を損なわないレンズ鏡筒を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
101…レンズ、102…レンズ保持枠、102b…補助フォロワピン、103…フォロワピン、104…補助フォロワピン、700…案内筒、800…カム筒、800a…カム溝、800b…補助カム溝、800c…補助カム溝

Claims (4)

  1. レンズを保持し、少なくとも3つのフォロワピンを備えたレンズ保持枠と、
    前記レンズ保持枠の内周側に設けられ、該レンズ保持枠を光軸方向に直進案内する案内筒と、
    前記案内筒の外周側に設けられ、光軸を中心に回動して前記レンズ保持枠を前記光軸方向に移動させるカム筒と、を有し、
    前記カム筒には、少なくとも3つの種類の異なるカム溝が形成され、該カム溝のうち少なくとも2つのカム溝は所定の交差点において交差しており、
    前記少なくとも3つのフォロワピンのうち1つのフォロワピンが前記交差点に位置するとき、他の少なくとも2つのフォロワピンは、圧縮方向において前記少なくとも3つの種類の異なるカム溝のうち対応するカム溝と係合している、
    ことを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記カム溝のうち少なくとも1つは、対応する前記フォロワピンと接触して第1テーパ角を有する底側部、及び、第1テーパ角よりも小さい第2テーパ角を有する開放側部を備え、
    前記フォロワピンは、前記カム溝の前記底側部において当接し、
    前記カム溝は、前記交差点において、前記開放側部にて他のカム溝と交差し、前記底側部にて該他のカム溝とは交差しないことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  3. 前記カム溝のうち少なくとも1つは、リフト途中で終了していることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ鏡筒。
  4. 前記少なくとも3つのフォロワピンのうち、レンズ鏡筒を駆動する際に光軸方向から見て該レンズ鏡筒の外観部に配置されるフォロワピンは、前記レンズ保持枠と一体形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
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