JP2009186529A - レンズ鏡筒の進退カム機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】基礎軌跡を同じくする前後一対の部分カム溝と該前後の部分カム溝に係合する前後一対のカムフォロアを備えた進退カム機構において、前後のカム係合部相互の精度管理の容易さと、個々のカム溝とカムフォロアにおける精密な案内性能とを両立させる。
【解決手段】基礎軌跡が同一で各々の前方一部と後方一部が存在しないように短尺としてカム環端面に開口された前方カム溝と後方カム溝のそれぞれに、対応するカムフォロアを精密に案内する通常溝幅領域と、これより幅広の幅広領域を設け、前方カム溝と後方カム溝の一方からカムフォロアが離脱される被駆動部材の前方移動端と後方移動端では、他方のカム溝の通常溝幅領域に対応のカムフォロアが位置するようにし、被駆動部材の前方移動端と後方移動端の間では、前方カム溝と後方カム溝の一方の通常溝幅領域に対応のカムフォロアを係合させ、他方のカム溝の幅広領域に対応のカムフォロアを遊嵌させることを特徴としたレンズ鏡筒の進退カム機構。
【選択図】図6

Description

本発明はレンズ鏡筒の進退カム機構に関する。
出願人は、レンズ鏡筒内の被駆動部材であるレンズ群などの移動量を犠牲にすることなくカム環の光軸方向長さを短くできる進退カム機構を、特許文献1で提案した。このカム機構は、カム環に、同一の基礎軌跡を有する複数のカム溝を少なくとも光軸方向に位置を異ならせて形成するとともに、この複数のカム溝のいずれも、少なくとも前方一部と後方一部のいずれかが存在しないように短尺として該カム溝をカム環端面に開口させたこと、直進移動環に、この複数のカム溝にそれぞれ係合する複数のカムフォロアを少なくとも光軸方向に位置を異ならせて形成したこと、そして直進移動環の前方移動端と後方移動端の少なくとも一方では、複数のカム溝の一部からカムフォロアが外れ、他のカムフォロアとカム溝が係合を維持することを特徴としている。
特開2004-85932
レンズ鏡筒における進退カム機構では、安定性確保の観点から、撮影光軸を囲む周方向に位置を異ならせて複数のカム溝とカムフォロアを備えることが多い。例えば、特許文献1の発明を適用して、周方向に位置を異ならせて3箇所設けたそれぞれのカム溝を基礎軌跡同一の前後2つの部分カム溝により構成した場合、カム環の周面上には少なくとも6本の部分カム溝が存在することになる。そして、直進移動環には、これら6本の部分カム溝に係合可能な6つのカムフォロアが設けられる。ところで、特許文献1の進退カム機構では、前方移動端と後方移動端の中間位置に直進移動環が位置するときに、前後で対をなすカムフォロアが対応する前後の部分カム溝に対して同時に係合する可能性を排除していないため、上記の例では、6つのカムフォロアが6つの部分カム溝に対して同時に係合している状態が生じ得る。一般に、カム機構においては、同時に係合するカム溝とカムフォロアの数が多くなるほど、全体的な精度管理が難しくなる。すなわち、カム機構において精密な移動を行わせるためには係合関係にある個々のカム溝とカムフォロアの嵌合精度を高めればよいが、そうすると、他のカム溝及びカムフォロアとの間での相対的な精度誤差の許容量が少なくなる。その一方で、特許文献1の進退カム機構では、一部のカムフォロアが対応の部分カム溝から外れた状態でも残る部分カム溝とカムフォロアの間でガタなどの不具合を生じないように、個々の部分カム溝とカムフォロアの係合精度は厳密であることが要求される。つまり、個々のカム溝とカムフォロアでの嵌合精度を高めつつ、前後で対をなすカム溝及びカムフォロア相互での精度管理は容易にしたいという、相反する要求があった。そこで本発明は、光軸方向位置の異なる前後の部分カム溝を用いてカム環の光軸方向長さの短縮を図りつつ、カム溝とカムフォロアに関する精度管理の容易さと、精密な案内性能とを両立させた進退カム機構を提供することを目的とする。
本発明は、カム溝を周面に有するカム環と、カム溝に係合するカムフォロアを有しカム環に対して光軸方向に相対移動可能に支持された、撮影光学系の少なくとも一部を支持する被駆動部材とを有し、該被駆動部材とカム環との相対回転に従って被駆動部材を撮影光学系の光軸方向に前後移動させるレンズ鏡筒の進退カム機構において、カム環に、同一の基礎軌跡を有する前後一対のカム溝を光軸方向に位置を異ならせて形成するとともに、前方カム溝の前方一部と後方カム溝の後方一部が存在しないように短尺として各カム溝をカム環端面に開口させたこと、被駆動部材に、前方カム溝と後方カム溝にそれぞれ係合する前後一対のカムフォロアを光軸方向に位置を異ならせて形成したこと、被駆動部材の前方移動端では、前方カムフォロアが前方カム溝から外れて後方カム溝と後方カムフォロアのみが係合し、後方移動端では、後方カムフォロアが後方カム溝から外れて前方カム溝と前方カムフォロアのみが係合すること、及び、前方カム溝と後方カム溝のそれぞれに、対応するカムフォロアを精密に案内する通常溝幅領域と該通常溝幅領域より幅広の幅広領域を設け、前方カム溝と後方カム溝の一方からカムフォロアが離脱した状態では他方のカム溝の通常溝幅領域に対応のカムフォロアが位置し、かつ被駆動部材の前方移動端と後方移動端の間では、前方カム溝と後方カム溝の一方の通常溝幅領域に対応のカムフォロアが係合するとき、他方のカム溝の幅広領域に対して対応のカムフォロアが遊嵌することを特徴としている。
カム環には、前方カム溝と後方カム溝を1グループとする、複数のカム溝グループを周方向に位置を異ならせて形成し、被駆動部材に、前方カムフォロアと後方カムフォロアを1グループとする、複数のカムフォロアグループを周方向に位置を異ならせて形成すると、被駆動部材の偏心を抑制して支持精度を高めることができる。
撮影光学系がズーム撮影光学系である場合、前方カム溝と後方カム溝のそれぞれにおけるズーム撮影域の途中に、通常溝幅領域と幅広領域の境界部を位置させてもよい。
前方カム溝や後方カム溝におけるカム環端面への開口部を幅広領域によって形成することが好ましい。これにより、カム溝外に離脱した状態のカムフォロアをスムーズにカム溝内へ進入させることができる。
カム環にはさらに、前方カム溝及び後方カム溝とは光軸方向及び周方向に位置を異ならせて、該前方カム溝と後方カム溝と同一の基礎軌跡を有する補助カム溝を形成してもよい。例えば、カム環の周面上に、基礎軌跡が通りながら実際の前方カム溝または後方カム溝が存在しないカム溝欠如部分が存在しており、このカム溝欠如部分に対応のカムフォロアが位置するとき、該カムフォロアとは別の補助カムフォロアが補助カム溝に係合してガイドされるように構成するとよい。さらに、この補助カム溝が前方カム溝または後方カム溝との交差領域を有し、該前方カム溝または後方カム溝に係合するカムフォロアが補助カム溝との交差領域を通るとき、補助カムフォロアとは別の第2の補助カムフォロアを係合させてガイドする第2の補助カム溝をカム環に形成してもよい。
以上の本発明の進退カム機構によれば、光軸方向位置の異なる前後の部分カム溝を用いることによりカム環の光軸方向長さの短縮を図りつつ、各カム溝とカムフォロアの精度管理を容易にするとともに、精密な案内性能を持たせることが可能となる。
図1ないし図3は、本発明による進退カム機構を備えた沈胴式ズームレンズ鏡筒10の断面を示しており、図1は撮影を行わない収納状態、図2はズーム撮影領域のワイド端、図3はテレ端をそれぞれ示している。ズームレンズ鏡筒10は、鏡筒ハウジング20に支持されるレンズ群ブロックの後部に、CCDホルダ38に支持される撮像素子ブロックを取り付けた構造になっている。
ズームレンズ鏡筒10の光学系は、物体側から順に第1レンズ群LG1、シャッタS及び絞りA、第2レンズ群LG2、第3レンズ群LG3、ローパスフィルタ13及びCCD(撮像素子)14を備えている。この光学系は焦点距離可変のズーム光学系であり、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2を光学系の光軸Oに沿って所定の軌跡で進退させることによってズーミングを行う。また、光軸Oに沿って第3レンズ群LG3を移動させることでフォーカシングを行う。
ズームレンズ鏡筒10の光学系を構成する光学要素のうち、ローパスフィルタ13とCCD14はCCDホルダ38に保持されている。CCD14は、その撮像面と平行な平面上で互いに直交する2軸方向へ移動可能にCCDホルダ38上に支持されている。カメラに対して加わったこの2軸方向の振れの角速度に応じて、2つの像ぶれ補正モータ61、62によってCCD14を移動させることにより、CCD14で撮像される被写体像のぶれを抑制することができる。
第3レンズ群LG3を保持する3群レンズ枠21は、鏡筒ハウジング20に固定されたガイド軸22を介して光軸Oと平行な方向に移動可能に直進案内されており、AFモータ23(図4)の駆動力によって同方向に進退移動させることができる。
鏡筒ハウジング20の内側には図4に示すヘリコイド環24が支持されている。ヘリコイド環24の外周面にはズームギヤ25と噛み合うギヤが形成されており、ズームギヤ25はズームモータ26(図4)によって回転駆動されてヘリコイド環24に回転力を伝達する。図1の収納(沈胴)状態と図2のワイド端の間は、鏡筒ハウジング20とヘリコイド環24はヘリコイド結合されており、ズームモータ26を駆動させると、鏡筒ハウジング20の内周面のヘリコイド20a(図4)の案内によってヘリコイド環24が回転しながら光軸方向に移動する。一方、ワイド端とテレ端の間の撮影状態にあるときには、ヘリコイド結合が解除され、代わりに鏡筒ハウジング20の内周面に形成した周方向溝20bに対してヘリコイド環24の外面に設けた突起が係合し、ズームモータ26の駆動に応じてヘリコイド環24が光軸方向に移動せずに定位置で回転される。ヘリコイド環24の前部には、該ヘリコイド環24と共に回転及び光軸方向移動を行う第1繰出筒27が結合されている。
第1繰出筒27とヘリコイド環24の内側には、直進案内環28が支持されている。直進案内環28は、鏡筒ハウジング20の内周面に形成した直線溝20cを介して光軸方向に直進案内されており、第1繰出筒27とヘリコイド環24に対しては、相対回転は可能で光軸方向に共に移動するように係合している。
図4に示すように、直進案内環28には、内周面と外周面を貫通する貫通ガイド溝28aが形成されている。貫通ガイド溝28aは、光軸Oに対して斜行するリード溝部分と、光軸Oを囲む周方向溝部分とを有していて、カム環29の外周面に設けた外径突起29aが摺動可能に嵌まっている。外径突起29aはさらに、第1繰出筒27の内周面に形成した光軸Oと平行な回転伝達溝27aに係合しており、カム環29は第1繰出筒27と共に回転される。カム環29は、貫通ガイド溝28aのリード溝部分に外径突起29aが係合するときには、このリード溝部分の案内を受けて回転しながら第1繰出筒27及び直進案内環28に対して光軸方向に進退され、貫通ガイド溝28aの周方向溝部分に外径突起29aが係合するときには、第1繰出筒27及び直進案内環28に対して光軸方向に相対移動せずに定位置で回転する。ヘリコイド環24と同様に、収納(沈胴)状態と撮影状態の間ではカム環29が回転しながら光軸方向に進退移動され、ワイド端とテレ端の間の撮影状態ではカム環29が定位置回転される。
直進案内環28は、その内周面に形成した光軸Oと平行な直線溝28b、28c(図4)によって、第2直進案内環30と第2繰出筒31を光軸方向に直進案内している。第2直進案内環30は、前方に突出させた3つの直進案内キー30aによって2群レンズ移動枠(被駆動部材)32を光軸方向に直進案内する。2群レンズ移動枠32は、2群レンズ枠34を介して第2レンズ群LG2を支持している。2群レンズ枠34は、光軸Oと平行な軸を中心に揺動可能に2群レンズ移動枠32内に支持されている。第2繰出筒31は、内周面に形成した直進案内溝31a(図4)によって、第3繰出筒33を光軸方向へ直進案内する。第3繰出筒33は、1群レンズ枠35を介して第1レンズ群LG1を支持している。第2直進案内環30と第2繰出筒31はそれぞれ、カム環29に対して相対回転可能かつ光軸方向に一体に移動するように支持されている。
カム環29の内周面に形成した2群案内カム溝29bに対し、2群レンズ移動枠32の外周面に設けた2群用カムフォロア32aが係合している。2群レンズ移動枠32は第2直進案内環30を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環29が回転すると、2群案内カム溝29bの形状に従って、2群レンズ移動枠32すなわち第2レンズ群LG2が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
第3繰出筒33は内径方向に突出する1群用カムフォロア33aを有し、この1群用カムフォロア33aが、カム環29の外周面に形成した1群案内カム溝29cに摺動可能に嵌合している。第3繰出筒33は第2繰出筒31を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環29が回転すると、1群案内カム溝29cの形状に従って、第3繰出筒33すなわち第1レンズ群LG1が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間には、シャッタSと絞りAを有するシャッタユニット36が支持されている。シャッタユニット36は、2群レンズ移動枠32の内側に固定されている。
以上の構造からなるレンズ鏡筒ブロック11は次のように動作する。図1に示す鏡筒収納状態においてカメラに設けたメインスイッチがオンされると、ズームモータ26が鏡筒繰出方向に駆動される。ズームモータ26によりズームギヤ25が回転駆動され、ヘリコイド環24と第1繰出筒27が鏡筒ハウジング20のヘリコイド20aにガイドされて前方へ回転繰出される。直進案内環28は、第1繰出筒27及びヘリコイド環24と共に前方に直進移動する。このとき、第1繰出筒27から回転力が付与されるカム環29は、直進案内環28の前方への直進移動分と、該直進案内環28との間に設けたリード構造(貫通ガイド溝28aのリード溝部分と外径突起29a)による繰出分との合成移動を行う。ヘリコイド環24とカム環29が前方の所定位置まで繰り出されると、それぞれの回転繰出構造(ヘリコイド、リード)の機能が解除されて、光軸方向の定位置で回転のみ行うようになる。
カム環29が回転すると、その内側では、第2直進案内環30を介して直進案内された2群レンズ移動枠32が、2群用カムフォロア32aと2群案内カム溝29bの関係によって光軸方向に所定の軌跡で移動される。2群レンズ枠34は、鏡筒収納状態では図1のように光軸Oから第2レンズ群LG2を離脱させる位置に保持され、2群レンズ移動枠32が前方へ繰り出されると揺動して第2レンズ群LG2を光軸O上に移動させる。また、カム環29が回転すると、該カム環29の外側では、第2繰出筒31を介して直進案内された第3繰出筒33が、1群用カムフォロア33aと1群案内カム溝29cの関係によって光軸方向に所定の軌跡で移動される。
すなわち、鏡筒収納状態からの第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の繰出量はそれぞれ、前者が、鏡筒ハウジング20に対するカム環29の前方移動量と、該カム環29に対する第3繰出筒33のカム繰出量との合算値として決まり、後者が、鏡筒ハウジング20に対するカム環29の前方移動量と、該カム環29に対する2群レンズ移動枠32のカム繰出量との合算値として決まる。ズーミングは、この第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2が互いの空気間隔を変化させながら撮影光軸O上を移動することにより行われる。図1の収納状態から鏡筒繰出を行うと、まず図2に示すワイド端の繰出状態になり、さらにズームモータ26を鏡筒繰出方向に駆動させると、図3に示すテレ端の繰出状態となる。テレ端とワイド端の間のズーム領域では、ヘリコイド環24、第1繰出筒27及びカム環29は、前述の定位置回転のみを行い、光軸方向へは進退しない。メインスイッチをオフすると、ズームモータ26が鏡筒収納方向に駆動され、ズームレンズ鏡筒10は上記の繰出動作とは逆の収納動作を行い、図1の収納状態になる。
また、ワイド端からテレ端までの撮影可能状態にあるとき、測距手段によって得られた被写体距離情報に応じてAFモータ23を駆動することにより、第3レンズ群LG3を支持する3群レンズ枠21が光軸Oに沿って移動してフォーカシングが実行される。
図6は、カム環29を平面状に展開して、内周面に形成した2群案内カム溝29bの軌跡と形状を示したものである。この2群案内カム溝29bは、2群レンズ移動枠32に所要の移動を与えるための基礎軌跡Qを有している。基礎軌跡とは、レンズ鏡筒の完成状態において前述の収納位置からズーム領域まで2群移動枠32を移動させる通常使用領域(ズーム領域と収納用領域)と、レンズ鏡筒の組立分解時に用いる組立分解用領域とを含む概念上のカム溝形状である。通常使用領域とは、言い換えれば、カム機構によって2群レンズ移動枠32の移動が制御されうる領域のことであり、カム機構の分解組立用領域と区別する意味で用いられている。また、ズーム領域とは、通常使用領域の中でも特にワイド端とテレ端の間の移動を制御するための領域であり、収納用領域と区別する意味で用いられている。
図6から分かるように、この基礎軌跡Qの光軸方向(図6の上下方向)に占める形成領域H1は、同方向へのカム環29の長さH2を上回っている。すなわち、基礎軌跡全体を含む1本の長尺のカム溝をカム環の周面に単純に形成するという手法では、カム環29上に必要十分なカム溝を得ることはできない。以下に説明するように、本実施形態の進退カム機構は、カム環29の光軸方向長さを増大させることなく、2群レンズ移動枠32の必要な移動量を確保することができる。
図6に示すように、2群案内カム溝29bは、光軸方向に位置を異ならせた前方カム溝CFと後方カム溝CRの2種類からなっている。前方カム溝CFと後方カム溝CRはいずれも、同形状の基礎軌跡Qをトレースして形成されたカム溝であるが、それぞれが基礎軌跡Q全域をカバーしているのではなく、前方カム溝CFと後方カム溝CRでは基礎軌跡Q上に占める領域が異なっている。基礎軌跡Qは、クランク状をなす光軸方向最前方の第1領域Q1と、この第1領域Q1から光軸方向後方の変曲点QPへ向かう第2領域Q2と、変曲点QPから前方へ向かう第3領域Q3と、第3領域Q3の先のカム溝終端部までの第4領域Q4とを含んでいる。前方カム溝CFは、この基礎軌跡Qのうち、第1領域Q1の全体と第2領域Q2の前方側の一部とを欠く態様で、カム環29の前方に位置を寄せて形成されており、第2領域Q2の途中位置に、カム環29の前端面に連通する前方開口部R1を有している。一方、後方カム溝CRは、第2変曲点QPを挟む第2領域Q2と第3領域Q3の一部を欠く態様で、カム環29の後方に位置を寄せて形成されており、第2領域Q2の途中位置と第3領域Q3の途中位置に、それぞれカム環29の後端面へ連通する後方開口部R2、R3を有し、さらに第1領域Q1の前端部に、カム環29の前端面へ連通する前方開口部R4を有している。前方カム溝CFにおいて欠落している基礎軌跡Q上の領域は後方カム溝CRに含まれており、逆に、後方カム溝CRにおいて欠落している基礎軌跡Q上の領域は前方カム溝CFに含まれている。つまり、前後で対をなす前方カム溝CFと後方カム溝CRを合わせれば、基礎軌跡Qの全域が含まれていることになる。カム環29の内周面には、前方カム溝CFと後方カム溝CRがそれぞれ、周方向に位置を異ならせて3つずつ設けられている。
2群案内カム溝29bに係合する2群レンズ移動枠32側の2群用カムフォロア32aも、光軸方向に位置を異ならせた一対の前方カムフォロアNFと後方カムフォロアNRを1グループとして構成されており、前方カムフォロアNFは前方カム溝CFに係合し、後方カムフォロアNRは後方カム溝CRに係合するように相互位置が定められている。前方カムフォロアNFと後方カムフォロアNRの径は略等しい。2群レンズ移動枠32の外周面には、前方カムフォロアNFと後方カムフォロアNRがそれぞれ、周方向に位置を異ならせて3つずつ設けられている。なお、図6ないし図11において2群用カムフォロア32aの後に付した「X」は図1の鏡筒収納状態のときの2群用カムフォロア32aの位置を示し、同じく「W」はズーム撮影域のワイド端、「T」はテレ端のときの2群用カムフォロア32aの位置を示している。
図7は、図1の鏡筒収納状態での2群案内カム溝29bと2群用カムフォロア32aの関係を示している。収納位置では、2群用カムフォロア32aは2群案内カム溝29bの基礎軌跡Qのうち第4領域Q4内に位置される。前方カム溝CFと後方カム溝CRはいずれも第4領域Q4を含んでいるため、前方カムフォロアNFと後方カムフォロアNRの両方とも、対応する前方カム溝CFと後方カム溝CR内に位置している。
図7の収納状態から鏡筒繰出方向(同図右方)へカム環29を回転させると、前方カムフォロアNFと後方カムフォロアNRはそれぞれ、前方カム溝CFと後方カム溝CRの形状に従って、各カム溝の第3領域Q3上を変曲点QPに向かって光軸方向後方へ移動する。後方カム溝CRは変曲点QPを含む光軸方向後方の一部領域が存在しないため、この移動の途中で、後方カムフォロアNRが、カム環29の後端面に開口する後方開口部R3を通って後方カム溝CRから外れる。一方、前方カム溝CFの光軸方向の後方領域は欠落せずに全て存在しているので、前方カムフォロアNFは前方カム溝CFとの係合を保っており、後方カムフォロアNRが外れた後は、該前方カムフォロアNFと前方カム溝CFの係合関係のみによって2群レンズ移動枠32が移動される。
図8は、図2のワイド端における2群案内カム溝29bと2群用カムフォロア32aの関係を示している。ワイド端における基礎軌跡Q上での2群用カムフォロア32aの位置は、変曲点QPを若干超えた第2領域Q2内に定められる。このとき、後方カムフォロアNRは後方カム溝CRから離脱しているが、該後方カムフォロアNRと対をなす前方カムフォロアNFが前方カム溝CFとの係合関係を保っているので、該後方カムフォロアNRも基礎軌跡Q上から逸脱してはいない。
図8のワイド端から鏡筒繰出方向(同図右方)へカム環29を回転させると、前方カムフォロアNFは対応する前方カム溝CFにガイドされて、第1領域Q1側に向かって第2領域Q2上を光軸方向前方へ移動する。この移動に伴って、後方カム溝CRから離脱している後方カムフォロアNRも第2領域Q2上を移動し、やがて後方開口部R2に達すると再び後方カム溝CRに進入する。この再進入後は、前方カムフォロアNFと後方カムフォロアNRの両方が各カム溝11a-1、11a-2内に位置する。しかし、前方カム溝CFは光軸方向前方の一部領域を欠いて形成されているため、後方カムフォロアNRが後方カム溝CRに再進入してからしばらく後に、前方カムフォロアNFが、カム環29の前端面に開口する前方開口部R1を通って前方カム溝CFから前方へ離脱する。一方、後方カム溝CRは光軸方向の前方領域は欠落せずに全て形成されているので、後方カムフォロアNRは後方カム溝CRとの係合を維持しており、前方カムフォロアNFが外れた後は、該後方カムフォロアNRと後方カム溝CRの係合関係のみによって2群レンズ移動枠32が移動される。
図9は、図3のテレ端における2群案内カム溝29bと2群用カムフォロア32aの関係を示している。テレ端では、2群用カムフォロア32aの位置は、基礎軌跡Q上における第2領域Q2の前端部付近(第1領域Q1の近傍位置)に定められる。前述の通り、この段階で前方カムフォロアNFは前方カム溝CFから離脱しているが、該前方カムフォロアNFと対をなす後方カムフォロアNRが後方カム溝CRとの係合関係を保っているので、前方カムフォロアNFも基礎軌跡Q上から逸脱してはいない。
テレ端からさらに繰出方向にカム環29を回転させると、後方カムフォロアNRが基礎軌跡Qの第1領域Q1に入り、後方カム溝CRにおける前方開口部R4の背後位置に達する。この時点で前方カムフォロアNFは既に前方カム溝CFから外れており、カム環29に対して2群レンズ移動枠32を光軸方向前方に相対移動させることによって、後方カムフォロアNRも後方カム溝CRの前方開口部R4から離脱させ、カム環29と2群レンズ移動枠32を分解することができる。すなわち、基礎軌跡Qの第1領域Q1は、カム環29と2群レンズ移動枠32の分解(または組み立て)用の領域である。ズームレンズ鏡筒10の通常の使用状態では、この第1領域Q1まで2群用カムフォロア32aが移動されることはない。
以上のように、カム環29には、同一の基礎軌跡を有する一対の前方カム溝CFと後方カム溝CRを光軸方向に位置を異ならせて形成し、この一対の前方カム溝CFと後方カム溝CRを、それぞれ個別には基礎軌跡Qの一部を含まないようにカム環29の前端面と後端面に開口させると共に、相互には基礎軌跡Q全域をカバーするように形成した。そして、カム環29に対する2群レンズ移動枠32の前方への移動端では、後方に位置する後方カムフォロアNRと後方カム溝CRのみを係合させ、後方の移動端では、前方に位置する前方カムフォロアNFと前方カム溝CFのみを係合させるようにした。これにより、2群レンズ移動枠32の光軸方向への移動量を、同方向へのカム環29の長さよりも大きくすることが可能となった。つまり、第2レンズ群LG2の光軸方向への移動量を確保しつつ、カム環29の光軸方向長さを小さくすることができる。
本実施形態のカム環29と2群レンズ移動枠32の間の進退カム機構は、さらに次の特徴を有している。図6に示すCF-Z、CR-Zはそれぞれ、2群案内カム溝29bを構成する前方カム溝CFと後方カム溝CRにおけるワイド端Wからテレ端Tまでのズーム領域(撮影領域)を示している。このズーム領域CF-Z、CR-Zにおいて前方カム溝CFと後方カム溝CRはそれぞれ、対応する前方カムフォロアNFと後方カムフォロアNRがガタなく係合する通常溝幅領域CF-G、CR-Gと、通常溝幅領域より幅広に形成されて各カムフォロアNF、NRが若干の遊びをもって進入(遊嵌)する幅広領域CF-M、CR-Mとを有している。前方カム溝CFと後方カム溝CRのズーム領域CF-Z、CR-Zはさらに、基礎軌跡Q上に位置するものの実際にはカム溝が形成されていない溝外領域CF-K、CR-Kを含んでいる。
前方カム溝CFのズーム領域CF-Zでは、ワイド端位置Wから基礎軌跡Qの第2領域Q2のほぼ全域に亘って通常溝幅領域CF-Gとされ、カム環29の前端面に開口する前方開口部R1の近傍の一部領域が幅広領域CF-Mになっている。この幅広領域CF-Mの前端部である前方開口部R1からテレ端位置Tまでは、カム溝が存在しない溝外領域CF-Kである。後方カム溝CRのズーム領域CR-Zでは、ワイド端位置Wから後方開口部R2まではカム溝が存在しない溝外領域CR-Kであり、後方開口部R2から基礎軌跡Qの第2領域Q2の途中位置までが幅広領域CR-Mで、この幅広領域CR-Mからテレ端位置Tまでが通常溝幅領域CR-Gになっている。
前述の通り、ワイド端では、後方カムフォロアNRは後方カム溝CRから後方に離脱しているので、2群レンズ移動枠32の位置を制御するのは前方カムフォロアNFと前方カム溝CFの係合関係である。ここで、ワイド端位置において前方カムフォロアNFが係合するのは前方カム溝CFの通常溝幅領域CF-Gであるため、前方カムフォロアNFと前方カム溝CFの間にガタを生じずに精密に2群レンズ移動枠32の位置を定めることができる。
ワイド端からテレ端側に向けてカム環29が回転されると、前方カムフォロアNFが前方カム溝CF内の通常溝幅領域CF-Gを前方に移動する。一方、後方カムフォロアNRが、後方開口部R2内を通して後方カム溝CRに入り該後方カム溝CR内を前方に移動されるが、このときの後方カムフォロアNRの移動領域は後方カム溝CRの幅広領域CR-Mであり、後方カムフォロアNRは後方カム溝CRに対して遊嵌した状態にある。よって、前後のカムフォロアNF、NRが対応する前後のカム溝CF、CR内に同時に位置する状態でありつつも、2群レンズ移動枠32に対する実質的な位置制御は、前方カム溝CFの通常溝幅領域CF-Gと前方カムフォロアNFの係合によって行われ、後方カム溝CRと後方カムフォロアNRは、この前方カム溝CFと前方カムフォロアNFによる案内に干渉しない。
さらにテレ端方向へ向けて図10の位置までカム環29が回転されると、前方カムフォロアNFが前方カム溝CF内の幅広領域CF-Mに接近し、後方カムフォロアNRが後方カム溝CR内の通常溝幅領域CR-Gに接近する。そして、図10の位置からさらにテレ端方向にカム環29が回転されると、図11に示すように、前方カムフォロアNFが通常溝幅領域CF-Gから幅広領域CF-M内に移動されて、前方カム溝CFに対して前方カムフォロアNFが遊嵌した状態になる。一方、後方カムフォロアNRは、幅広領域CR-Mから出て通常溝幅領域CR-Gに係合して、後方カム溝CRに対するガタが除去された状態になる。これにより、2群レンズ移動枠32に対する実質的な位置制御が、通常溝幅領域CR-Gで係合する後方カム溝CRと後方カムフォロアNRによって行われるようになる。つまり、2群レンズ移動枠32の位置制御の主体が、前方カム溝CF側から後方カム溝CR側に切り替わっている。この切り替えが滑らかに行われるように、前方カム溝CFと後方カム溝CRにはそれぞれ、通常溝幅領域CF-G、CR-Gと幅広領域CF-M、CR-Mの間に、溝幅を徐々に変化させる幅移行部(幅徐変部)CF-V、CR-Vを備えている。また、ズームレンズ鏡筒10はワイド端からテレ端までの間にカム環29を停止させる複数の焦点距離ステップを有しているが、通常溝幅領域CF-G、CR-Gと幅広領域CF-M、CR-Mの境界である幅移行部CF-V、CR-Vは焦点距離ステップとして使用しない(カムフォロアNF、NRを停止させない)ように設定されている。そのため、カム溝の溝幅が途中で変化していても、撮影性能に実質的な影響は及ばない。
図11の状態からさらにテレ端方向にカム環29が回転されると、前方開口部R1を通して前方カム溝CFが前方カムフォロアNFから離脱される。一方、図9のテレ端位置に至るまで、後方カムフォロアNRの係合対象は後方カム溝CRの通常溝幅領域CR-Gであるため、テレ端までガタを生じずに精密に2群レンズ移動枠32の位置を定めることができる。
以上のように本実施形態の進退カム機構では、前方カム溝CFと後方カム溝CRにそれぞれ通常溝幅領域CF-G、CR-Gと幅広領域CF-M、CR-Mを設けて溝幅に変化を持たせ、一方のカム溝の通常溝幅領域に対してカムフォロアが係合しているとき、他方のカム溝では幅広領域にカムフォロアが遊嵌している、もしくは他方のカム溝からカムフォロアが離脱しているように構成されている。すなわち、前後で対をなす前方カム溝CFと後方カム溝CR(前方カムフォロアNFと後方カムフォロアNR)を備えつつ、2群レンズ移動枠32に対する実質的で精密な位置制御を行うのは常にそのいずれか一方である。このように構成することで、前方カム溝CFと後方カム溝CR(前方カムフォロアNFと後方カムフォロアNR)の両方で同時相互的に厳密な精度管理を行う必要がなくなり、個々のカム溝(通常溝幅領域)とカムフォロアによる案内精度を高めつつ、カム機構全体としての精度管理を容易にすることができる。
なお、鏡筒収納状態では、前方カムフォロアNFと後方カムフォロアNRの両方が対応する前方カム溝CFと後方カム溝CR内に位置するが、このとき各カムフォロアNF、NRが位置するカム溝CF、CRの収納用領域はいずれも、図7に示すように、各カムフォロアNF、NRを遊嵌させる幅広領域CF-M、CR-Mとして形成されている。鏡筒収納状態では撮影が行われず、撮影時ほどの厳密な位置精度が要求されないため、前後両方のカム溝CF、CRを幅広領域CF-M、CR-Mとしても問題はない。そして、前後のカム溝CF、CRが幅広領域CF-M、CR-Mであるため、カムフォロアとの嵌合精度に関する許容範囲が大きく、精度管理が容易になる。
図7に示すように、前方カム溝CFは、収容用領域を含む終端部(第4領域Q4)から基礎軌跡Qの変曲点QPの近傍に至るまでが幅広領域CF-Mとして形成されており、それよりも先が通常溝幅領域CF-Gとして形成されている。この幅広領域CF-Mと通常溝幅領域CF-Gの間には、前述したズーム領域CF-Z内の幅移行部CF-Vと同様に、溝幅を徐々に変化させる幅移行部CF-Vが形成されている。図7の収納状態からカム環29が繰り出し方向に回転されると、後方カムフォロアNRが、後方開口部R3を通して後方カム溝CRの後方に離脱する。この間、前方カムフォロアNFは前方カム溝CFの幅広領域CF-M内を移動し続けるため、前後のカムフォロアNF、NRがいずれも対応するカム溝CF、CRの通常溝幅領域CF-G、CR-Gに係合しない状態が続く。但し、この状態はズームレンズ鏡筒10の収納状態からズーム領域への移行の途中で生じるものであり、この間は撮影が行われないため、撮影性能に実質的な影響を及ぼすことはない。そして、図8に示すワイド端撮影状態になる前には、前方カムフォロアNFが前方カム溝CFの通常溝幅領域CF-Gに係合されて、再び精密な位置制御がなされる。
前後のカム溝CF、CRにおける幅広領域CF-M、CR-Mはまた、鏡筒使用状態において離脱したカムフォロアNF、NRを、対応するカム溝にスムーズに再係合させる機能を有する。前述のように、図7の鏡筒収納状態と図9のテレ端の間の鏡筒使用域において、前方カムフォロアNFは前方開口部R1を通して前方カム溝CF内に挿脱され、後方カムフォロアNRは後方開口部R2、R3を通して後方カム溝CR内に挿脱される。そして、図6及び図7に示すように、いずれのカム溝CF、CRにおいても、これらの開口部R1、R2及びR3に臨む部分が幅広領域CF-M、CR-Mとして形成されている。換言すれば、各カムフォロアNF、NRが開口部R1、R2及びR3を通して対応のカム溝CF、CR内に進入するとき、その進入部が通常溝幅領域CF-G、CR-Gではなく必ず幅広領域CF-M、CR-Mになっている。より詳細には、後方カム溝CRにおいては、幅広領域CR-M内がさらに、通常溝幅領域CR-Gよりわずかに幅広のM1領域と、これより幅広のM2領域との2段階に溝幅が分けられていて、最も幅広のM2領域が後方開口部R2、R3に臨むようになっている。また、前方カム溝CFにおいても、基礎軌跡Qの第4領域Q4(収納用領域)から第3領域Q3に亘る幅広領域CF-M(M1)と、前方開口部R1に臨む幅広領域CF-M(M2)では、後者の溝幅の方が広く形成されている。このように構成することで、離脱状態にあるカムフォロアNF、NRがカム溝CF、CRに対して進入するときに、若干の精度誤差があっても、カムフォロアがカム環端面に当て付くなどの不具合を生じさせずにスムーズに進入させることができる。
図12から図16は、本発明の異なる実施形態を示している。図12に展開形状を示すカム環40は、内周面に6本のカム溝41を有している。このカム溝41は、先の実施形態の6本の2群案内カム溝29bと同様に、同一形状の基礎軌跡40Q上に形成されていて、光軸方向に位置を異ならせた前方カム溝41Fと後方カム溝41Rの2種類からなっている。図13に示すレンズ移動枠42は、図示しないレンズ群を保持しており、カム溝41に係合する6つのカムフォロア43が外周面に形成されている。カムフォロア43は、先の実施形態の6つの2群用カムフォロア32aと同様に、光軸方向に位置を異ならせた前方カムフォロア43Fと後方カムフォロア43Rの2種類からなっている。レンズ移動枠42には光軸と平行なガイド面を持つ直進案内溝44が形成され、直進案内溝44に対して直進案内環45の直進案内キー46が係合している。直進案内環45は回転が規制されており、直進案内環45と直進案内キー46の係合関係によって、レンズ移動枠42は回転が規制されて光軸方向の直進移動のみ可能にガイドされている。なお、図14ないし図16では、レンズ移動枠42と直進案内環45のうち、カム環40の下側に位置して実際には見えない部分についても、破線などで区別せず実線で示している。
前方カムフォロア43Fは前方カム溝41Fに係合し、後方カムフォロア43Rは後方カム溝41Rに係合している。図中の基礎軌跡40Q上における「X」、「W」、「T」はそれぞれ、鏡筒収納状態、ズーム撮影域のワイド端、ズーム撮影域のテレ端のときのカムフォロア43の位置を示している。図12から分かるように、前方カム溝41Fは、基礎軌跡40Qのうち、ズーム撮影域の途中からテレ端側にかけての前方の一部領域が存在していない。一方、後方カム溝41Rは、基礎軌跡40Qのうち、鏡筒収納域からワイド端を超えてズーム撮影域の途中に至るまでの後方の一部領域が存在していない。そして、前方カム溝41Fから前方に前方カムフォロア43Fが離脱した状態では後方カム溝41Rに後方カムフォロア43Rが係合し、後方カム溝41Rから後方に後方カムフォロア43Rが離脱した状態では前方カム溝41Fに前方カムフォロア43Fが係合する関係となっている。
また、前方カム溝41Fは、前方カムフォロア43Fを精密にガイドする通常溝幅領域41F-Gと、該通常溝幅領域41F-Gより幅広の幅広領域41F-Mを有している。同様に、後方カム溝41Rは、後方カムフォロア43Rを精密にガイドする通常溝幅領域41R-Gと、該通常溝幅領域41R-Gより幅広の幅広領域41R-Mを有している。それぞれの通常溝幅領域と幅広領域の間は、幅徐変部によって滑らかに接続されている。
以上の構造において、ワイド端(W)では、後方カムフォロア43Rが後方カム溝41Rから後方に離脱している一方、前方カムフォロア43Fが前方カム溝41Fの通常溝幅領域41F-Gに係合している。ワイド端からテレ端(T)側にカム環40が回転駆動されると、やがて前方カムフォロア43Fはカム環40前端側の幅広領域41F-Mを経て前方カム溝41Fから前方に離脱するが、その前に後方カムフォロア43Rがカム環40後端側の幅広領域41R-Mを経て後方カム溝41R内に進入して、通常溝幅領域41R-Gにガイドされるようになる。これによりワイド端からテレ端までのズーム撮影域の全体に亘って、レンズ移動枠42の光軸後方位置を精密に制御することができる。
鏡筒収納位置(X)では、後方カムフォロア43Rは後方カム溝41Rのうちカム環40の後端面に開放された部分に位置しているが、前方カムフォロア43Fが前方カム溝41Fの通常溝幅領域41F-Gに係合しており、レンズ移動枠42の光軸後方位置が精密に制御されている。また、鏡筒収納位置からズーム撮影域に移行する間は、後方カムフォロア43Rが後方カム溝41Rから後方に離脱し、前方カムフォロア43Fは前方カム溝41Fに対して、幅広領域41F-Mを通過してから再び通常溝幅領域41F-G内に入る。鏡筒収納位置とズーム撮影域の間は撮影が行われないので、撮影時のような厳密な精度管理が不要であり、前方カムフォロア43Fに対するガイドを幅広領域41F-Mで行うことで、カム環40の回転負荷を抑えることができる。
以上の前方カム溝41Fと後方カム溝41Rの関係は、先の実施形態の2群案内カム溝29bの前方カム溝CFと後方カム溝CRと概ね同様である。但し、カム環40の内周面には、先の実施形態の2群レンズ枠34に相当するレンズ枠の一部を鏡筒収納状態で進入させるための凹部40aが形成されていて、3つの後方カム溝41Rのうち1つがこの凹部40aの形成領域と重なっているため、当該後方カム溝41Rには、カム環40の周面上にありながら実際にはカム溝が形成されていない欠如部分41R-Eがある。カム環40には、この後方カム溝41Rの欠如部分41R-Eを補完する補助カム溝47と第2の補助カム溝48が形成されている。なお、第2の補助カム溝48と隣接する後方カム溝41Rとの境界部分を分かりやすくするために、図12などの展開図の一部にハッチングを付している。
レンズ移動枠42の外周面には、補助カム溝47に係合する補助カムフォロア49と、第2の補助カム溝48に係合する第2の補助カムフォロア50が設けられている。カム溝41とカムフォロア43の関係と同様に、図中の「XX」、「WW」、「TT」はそれぞれ、鏡筒収納状態、ズーム撮影域のワイド端、ズーム撮影域のテレ端のときの補助カムフォロア49と第2の補助カムフォロア50の位置を示している。
補助カム溝47と第2の補助カム溝48は、カム溝41と同じく基礎軌跡40Qをトレースした形状をなし、前方カム溝41F及び後方カム溝41Rに対して光軸方向と周方向(回転方向)のいずれにも位置を異ならせ、かつ凹部40aとも重ならないように形成されている。補助カム溝47は、後方カム溝41Rと同様に、基礎軌跡40Qのうち鏡筒収納位置(XX)からワイド端(WW)を超えてズーム撮影域の途中に至るまでの後方一部が存在しない短尺カム溝として形成されている。一方、第2の補助カム溝48もワイド端(WW)を含む基礎軌跡40Qの後方一部が存在しない短尺カム溝である点は補助カム溝47と共通しているが、補助カム溝47よりも若干光軸方向前方に位置しており、鏡筒収納領域(XX)はカム環40の後端部側に開放されていない。また、補助カム溝47と第2の補助カム溝48はそれぞれ、対応する補助カムフォロア49及び第2の補助カムフォロア50を精密にガイドする通常溝幅領域47-G、48-Gと、補助カムフォロア49及び第2の補助カムフォロア50を遊嵌させる幅広領域47-M、48-Mを有している。
補助カム溝47と第2の補助カム溝48の溝幅はいずれもカム溝41の溝幅より狭くなっている。例えば、補助カム溝47は、テレ端(T)よりも若干前方の位置で前方カム溝41Fと交差しているが、この交差部分においても幅広領域47-Mが幅広領域41F-Mよりも幅狭である。
図14ないし図16を参照して、補助カム溝47と第2の補助カム溝48の作用を説明する。図14は鏡筒収納状態を示しており、前述のように3つの前方カムフォロア43Fが前方カム溝41Fの通常溝幅領域41F-Gに係合していると同時に、第2の補助カムフォロア50が第2の補助カム溝48の通常溝幅領域48-Gに係合している。このとき3つの後方カムフォロア43Rと補助カムフォロア49はそれぞれ、後方カム溝41Rと補助カム溝47のうちカム環40後端側への開放領域に位置している。
鏡筒収納状態から繰出方向にカム環40を回転させると、前方カムフォロア43Fが前方カム溝41F内を移動して、3つの前方カムフォロア43Fのうち1つが前方カム溝41Fと補助カム溝47の交差部分を通る。前述の通り、当該交差部分では前方カム溝41F(幅広領域41F-M)が補助カム溝47(幅広領域47-M)よりも幅広であるから、前方カムフォロア43Fが前方カム溝41Fから脱落して補助カム溝47側に進入するおそれはない。但し、よりスムーズな動作を達成するために、前方カム溝41Fと補助カム溝47の交差部分の近傍位置では、第2の補助カムフォロア50が第2の補助カム溝48の通常溝幅領域48-Gによって案内されている。
鏡筒繰出方向への回転が継続されると、やがて幅広領域48-Mを通って第2の補助カムフォロア50が第2の補助カム溝48から後方に離脱する。そして、ワイド端では、補助カムフォロア49と第2の補助カムフォロア50のいずれも対応する補助カム溝47と第2の補助カム溝48から後方に離脱した状態にあり、3つのカムフォロア43と前方カム溝41Fの係合によってレンズ移動枠42の光軸方向位置が制御される。
ワイド端からさらに鏡筒繰出方向へカム環40を回転駆動させると、前述の通り、ワイド端からテレ端へのズーム撮影域の途中で、前方カムフォロア43Fが前方カム溝41Fの前方へ離脱し、代わって後方カムフォロア43Rが後方カム溝41Rの通常溝幅領域41R-Gに係合される。ここで、図15に示すように、1つの後方カムフォロア43Rについては、カム環40における凹部40aの形成領域(後方カム溝41Rの欠如部分41R-E)を通るため、残る2つの後方カムフォロア43Rよりも後方カム溝41R(通常溝幅領域41R-G)に係合するタイミングが遅れる。このとき、係合タイミングが遅れる一組の後方カムフォロア43Rと後方カム溝41Rに代わって、凹部40aの近傍に形成された補助カム溝47の通常溝幅領域47-Gに対して補助カムフォロア49が係合することによって、レンズ移動枠42を周方向の3箇所で支持する状態が維持される。図15の状態からさらに鏡筒繰出方向へカム環40を回転駆動させると、図16のように、凹部40a(欠如部分41R-E)のために係合が遅れていた3つ目の後方カムフォロア43Rが後方カム溝41R(通常溝幅領域41R-G)に係合し、代わりに補助カムフォロア49が補助カム溝47内で通常溝幅領域47-Gから幅広領域47-Mに移行する。
すなわち、鏡筒収納状態からズーム撮影域の全域において、レンズ移動枠42は常に少なくとも周方向位置の異なる3つのカムフォロアと3つのカム溝の係合関係によって支持されている。特にズーム撮影域において、ワイド端付近では、3組の前方カム溝41F(通常溝幅領域41F-G)と前方カムフォロア43Fが係合関係し、テレ端付近では、3組の後方カム溝41R(通常溝幅領域41R-G)と後方カムフォロア43Rが係合し、その中間部分では、2組の後方カム溝41R(通常溝幅領域41R-G)及び後方カムフォロア43Rと、1組の補助カム溝47(通常溝幅領域47-G)及び補助カムフォロア49が係合する態様で支持部分が切り替わっている。これにより、後方カム溝41Rの一部が凹部40aによる欠如部分41R-Eとなっていても、倒れなどを生じることなく高精度にレンズ移動枠42の支持及びガイドを行うことができる。なお、図15及び図16に示すように、ズーム撮影域では第2の補助カムフォロア50が第2の補助カム溝48内に入るが、ズーム撮影域に対応した第2の補助カム溝48の形成領域は全て、第2の補助カムフォロア50を遊嵌させる幅広領域48-Mになっているため、隣接する後方カム溝41R(通常溝幅領域41R-G)と後方カムフォロア43Rによるガイド機能が優先される。
以上の第2の実施形態から分かるように、本発明の進退カム機構において、前後でペアをなす前方カム溝41Fと後方カム41Rの態様によっては、追加的に補助カム溝48(49)を設けてもよい。補助カム溝48は、欠如部分41R-Eを有する後方カム溝41Rを補完する一本で足りるので、カム環40上に占めるスペースは比較的小さくて済む。また、実施形態では補助カム溝48が前方カム溝41Fと交差しているが、こうした交差部分を有さない場合、第2の補助カム溝48を省略することも可能である。
以上、図示実施形態に基づき説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、図示実施形態では、2群案内カム溝29b(CF、CR)と2群用カムフォロア32a(NF、NR)、カム溝41(41F、41R)とカムフォロア43(43F、43R)はそれぞれ、周方向に位置を異ならせて3グループ形成されているが、周方向におけるカム溝グループやカムフォロアグループの数は任意に選択することができる。
また、図示実施形態では、カム環29(40)が回転繰出され、このカム環29(40)による被駆動部材である2群レンズ移動枠32(レンズ移動枠42)が光軸方向に直進案内された関係にあるが、例えば、カム環を回転しない部材とし、被駆動部材を、該カム環に対して回転しながら光軸方向に移動される回転繰出部材とすることも可能である。
本発明による進退カム機構を備える沈胴式ズームレンズ鏡筒の収納状態を示す断面図である。 同ズームレンズ鏡筒のワイド端撮影状態の断面図である。 同ズームレンズ鏡筒のテレ端撮影状態の断面図である。 ズームレンズ鏡筒の主要な構成部材の一部を示す分解斜視図である。 ズームレンズ鏡筒の主要な構成部材の一部を示す分解斜視図である。 ズームレンズ鏡筒のカム環の展開平面図である。 鏡筒収納状態における進退カム機構を示す、カム環、2群レンズ移動環及び第2直進案内環の展開平面図である。 ワイド端撮影状態における進退カム機構を示す、カム環、2群レンズ移動環及び第2直進案内環の展開平面図である。 テレ端撮影状態における進退カム機構を示す、カム環、2群レンズ移動環及び第2直進案内環の展開平面図である。 ワイド端とテレ端の間のズーム領域において、前後のカムフォロアがそれぞれカム溝のズーム域内における通常溝幅領域と幅広領域の境界部近辺に位置している状態を示す、カム環、2群レンズ移動環及び第2直進案内環の展開平面図である。 ワイド端とテレ端の間のズーム領域において、前後のカムフォロアがそれぞれ図10とは関係を逆にしてカム溝の通常溝幅領域と幅広領域の内部に位置している状態を示す、カム環、2群レンズ移動環及び第2直進案内環の展開平面図である。 第2の実施形態におけるカム環の展開平面図である。 第2の実施形態におけるレンズ移動枠と直進案内環の展開平面図である。 第2の実施形態における鏡筒収納状態を示す、カム環、レンズ移動環及び直進案内環の展開平面図である。 第2の実施形態におけるズーム撮影域の途中で、後方カムフォロアのひとつがカム環に形成した凹部と重なる位置にあって後方カム溝から外れている状態を示す、カム環、レンズ移動環及び直進案内環の展開平面図である。 図15の状態からさらに鏡筒繰出方向の動作が行われ、外れていた最後の後方カムフォロアが後方カム溝に係合した状態を示す、カム環、レンズ移動環及び直進案内環の展開平面図である。
符号の説明
10 ズームレンズ鏡筒
13 ローパスフィルタ
14 CCD(撮像素子)
20 鏡筒ハウジング
24 ヘリコイド環
27 第1繰出筒
28 直進案内環
29 カム環
29b 2群案内カム溝
30 第2直進案内環
31 第2繰出筒
32 2群レンズ移動枠(被駆動部材)
32a 2群用カムフォロア
33 第3繰出筒
40 カム環
40a 凹部
40Q カム環上のカム溝の基礎軌跡
41 カム溝
41F 前方カム溝
41F-G 通常溝幅領域
41F-M 幅広領域
41R 後方カム溝
41R-G 通常溝幅領域
41R-M 幅広領域
41R-E 欠如部分
42 レンズ移動枠
43 カムフォロア
43F 前方カムフォロア
43R 後方カムフォロア
45 直進案内環
47 補助カム溝
47-G 通常溝幅領域
47-M 幅広領域
48 第2の補助カム溝
48-G 通常溝幅領域
48-M 幅広領域
49 補助カムフォロア
50 第2の補助カムフォロア
CF 前方カム溝
CF-G 前方カム溝の通常溝幅領域
CF-K 溝外領域
CF-M 前方カム溝の幅広領域
CF-V 前方カム溝の幅移行部(幅徐変部)
CF-Z 前方カム溝のズーム領域
CR 後方カム溝
CR-G 後方カム溝の通常溝幅領域
CR-K 溝外領域
CR-M 後方カム溝の幅広領域
CR-V 後方カム溝の幅移行部(幅徐変部)
CR-Z 後方カム溝のズーム領域
LG1 第1レンズ群
LG2 第2レンズ群
LG3 第3レンズ群
NF 前方カムフォロア
NR 後方カムフォロア
Q 2群案内カム溝の基礎軌跡
R1 R4 前方開口部
R2 R3 後方開口部

Claims (7)

  1. カム溝を周面に有するカム環と、上記カム溝に係合するカムフォロアを有し上記カム環に対し光軸方向に相対移動可能に支持された、撮影光学系の少なくとも一部を支持する被駆動部材とを有し、該被駆動部材とカム環との相対回転に従って被駆動部材を撮影光学系の光軸方向に前後移動させるレンズ鏡筒の進退カム機構において、
    カム環に、同一の基礎軌跡を有する前後一対のカム溝を光軸方向に位置を異ならせて形成するとともに、前方カム溝の前方一部と後方カム溝の後方一部が存在しないように短尺として各カム溝をカム環端面に開口させたこと;
    被駆動部材に、上記前方カム溝と後方カム溝にそれぞれ係合する前後一対のカムフォロアを光軸方向に位置を異ならせて形成したこと;
    被駆動部材の前方移動端では、前方カムフォロアが前方カム溝から外れて後方カム溝と後方カムフォロアのみが係合し、後方移動端では、後方カムフォロアが後方カム溝から外れて前方カム溝と前方カムフォロアのみが係合すること;及び
    前方カム溝と後方カム溝のそれぞれに、対応するカムフォロアを精密に案内する通常溝幅領域と該通常溝幅領域より幅広の幅広領域を設け、前方カム溝と後方カム溝の一方からカムフォロアが離脱した状態では他方のカム溝の通常溝幅領域に対応のカムフォロアが位置し、かつ被駆動部材の上記前方移動端と後方移動端の間では、前方カム溝と後方カム溝の一方の通常溝幅領域に対応のカムフォロアが係合するとき、他方のカム溝の幅広領域に対して対応のカムフォロアが遊嵌すること;
    を特徴とするレンズ鏡筒の進退カム機構。
  2. 請求項1記載のレンズ鏡筒の進退カム機構において、
    カム環に、上記前方カム溝と後方カム溝を1グループとする、複数のカム溝グループを周方向に位置を異ならせて形成し、
    被駆動部材に、上記前方カムフォロアと後方カムフォロアを1グループとする、複数のカムフォロアグループを周方向に位置を異ならせて形成したレンズ鏡筒の進退カム機構。
  3. 請求項1または2記載のレンズ鏡筒の進退カム機構において、上記撮影光学系はズーム撮影光学系であり、前方カム溝と後方カム溝のそれぞれにおけるズーム撮影域の途中に上記通常溝幅領域と幅広領域の境界部が位置しているレンズ鏡筒の進退カム機構。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載のレンズ鏡筒の進退カム機構において、上記前方カム溝と後方カム溝のカム環端面への開口部が上記幅広領域によって形成されているレンズ鏡筒の進退カム機構。
  5. 請求項1ないし3のいずれか1項記載のレンズ鏡筒の進退カム機構において、上記カム環に、上記前方カム溝及び後方カム溝とは光軸方向及び周方向に位置を異ならせて、該前方カム溝と後方カム溝と同一の基礎軌跡を有する補助カム溝を有するレンズ鏡筒の進退カム機構。
  6. 請求項5項記載のレンズ鏡筒の進退カム機構において、上記カム環の周面上に、上記基礎軌跡が通りながら上記前方カム溝または後方カム溝が存在しないカム溝欠如部分が存在し、該カム溝欠如部分に上記カムフォロアが位置するとき、該カムフォロアとは別の補助カムフォロアが上記補助カム溝に係合するレンズ鏡筒の進退カム機構。
  7. 請求項6記載のレンズ鏡筒の進退カム機構において、上記補助カム溝は上記前方カム溝または後方カム溝との交差領域を有し、該前方カム溝または後方カム溝に係合するカムフォロアが補助カム溝との交差領域を通るとき、上記補助カムフォロアとは別の第2の補助カムフォロアを係合させてガイドする第2の補助カム溝をカム環上に有するレンズ鏡筒の進退カム機構。
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