JPH09203143A - 壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造の壁板鉛直部の 接合方法 - Google Patents

壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造の壁板鉛直部の 接合方法

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JPH09203143A
JPH09203143A JP1276196A JP1276196A JPH09203143A JP H09203143 A JPH09203143 A JP H09203143A JP 1276196 A JP1276196 A JP 1276196A JP 1276196 A JP1276196 A JP 1276196A JP H09203143 A JPH09203143 A JP H09203143A
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joint
loop
wall
core
bar
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Yoshiharu Iida
良春 飯田
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TOKYU KOKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】壁板鉛直部の接合で溶接作業を行わずに容易に
埋込み部材同士の連結を可能とする。 【解決手段】壁板1の側面に形成するシャーコッタ用の
凹部2から突設する埋込み部材同士を連結し、鉛直接合
部にジョイントコンクリートを充填して接合する壁式プ
レキャスト鉄筋コンクリート造の壁板鉛直部の接合方法
において、埋込み部材は、鉛直面内にループを形成する
ループ継手筋3であって、重合するループ継手筋3のコ
ア内部90に、コ字状または環状に加工したコア補強筋
5を配してジョイントコンクリート6を打設し、鉛直接
合部を構築する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シャーコッタ用
の凹部から突設する埋込み部材同士を連結して接合する
壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造の壁板鉛直部の接
合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】壁板同士を接合する鉛直接合部には、剪
断力を伝達するため複数のシャーコッタが配設される
が、引張力に対しても抵抗し得るようにシャーコッタ内
に接続部材を設けている。この鉛直接合部の従来の接合
方法を図13及び図14に基づき説明する。図13は壁
板同士を一直線上で接続する場合の鉛直接合部の断面
図、図14は同正面図である。
【0003】プレキャストコンクリート製の壁板101
の端部にはシャーコッタを形成するために所定間隔で凹
部102が設けられ、この凹部102の側面からは連結
用の差筋103が突設していた。このような壁板を接続
する場合には両壁板101,101を突き合わせて立設
し、鉛直接合部に縦筋104を配置して対向する差筋1
03,103に直線状の添筋105aを溶接し、ジョイ
ントコンクリート106を打設して両者を連結してい
た。
【0004】また、3枚の壁板が接続する場合には図1
5及び図15に示すように突設する3本の差筋103を
連結するため直線状の添筋105aとL字形状の添筋1
05bとを用い、コーナー部を形成する2枚の壁板同士
を接続する場合には図16及び図17に示すように曲折
して突設する差筋103,103にへの字形状の添筋1
05cを溶接していた。また、図18及び図19に示す
ように添筋を用いず差筋103,103同士を直接溶接
したり、図20及び図21に示すように差筋103,1
03同士の溶接と添筋105aの溶接とを併用する場合
もあったが、従来の接合方法では何れの場合にあっても
差筋を溶接することで連結するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶接を行う場
合には、特殊な技能工が必要で、しかも天候により工程
が大幅に左右され、工事費も高くなる欠点があった。ま
た、溶接箇所の耐力が溶接工の技能により異なる恐れも
あり、品質の管理が煩雑となる欠点もあった。また、複
数の差筋103を1本の縦筋104との関係で、その突
出角度を調整したり、個別に加工した添筋を用意して溶
接しなければならないため、その接合作業が難しくなる
欠点もあった。
【0006】この発明は、上記課題を解決し、壁板鉛直
部の接合で溶接作業を行わずに容易に埋込み部材同士の
連結を可能とする壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造
の壁板鉛直部の接合方法を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、請求項1記載の発明の壁式プレ
キャスト鉄筋コンクリート造の壁板鉛直部の接合方法
は、壁板の側面に形成するシャーコッタ用の凹部から突
設する埋込み部材同士を連結し、鉛直接合部にジョイン
トコンクリートを充填して接合する壁式プレキャスト鉄
筋コンクリート造の壁板鉛直部の接合方法において、前
記埋込み部材は、鉛直面内にループを形成するループ継
手筋であって、重合するループ継手筋のコア内部に、コ
字状または環状に加工したコア補強筋を配してジョイン
トコンクリートを打設し、鉛直接合部を構築することを
特徴としている。重合するループ継手筋のコア内部に配
置されるコア補強筋は、ループ継手筋に掛渡して配設で
きるように、鉄筋をコ字状や環状に加工したものを用い
ており、ループ継手筋を重合してジョイントコンクリー
トを打設すると、ループに囲まれたコアコンクリートが
形成され、コアコンクリートはコア内部に配設するコア
補強筋により一体化が図られ、重合するループ継手筋間
に若干の離れがあっても一体に挙動する。このため、壁
体に作用する水平方向の引張力はループ継手筋及びコア
コンクリートを介して隣接する壁板のループ継手筋に伝
達され、コアコンクリートによりループ継手筋同士が連
結した状態になる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の壁
式プレキャスト鉄筋コンクリート造の壁板鉛直部の接合
方法において、同一直線上に配設する1組の壁板のルー
プ継手筋を重合し、交差する別の壁板のループ継手筋に
は長円状の添接ループ筋を添接重合するとともに、この
添接ループ筋を重合するループ継手筋のコア内部にコア
補強筋を配してジョイントコンクリートを打設すること
を特徴としている。壁板が交差してループ継手筋の重合
が果たせない場合には、同一直線上に配設する1組の壁
板のループ継手筋を重合し、交差する別の壁板のループ
継手筋には長円状の添接ループ筋を添接重合し、この添
接ループ筋を重合するループ継手筋のコア内部にコア補
強筋を配してジョイントコンクリートを打設すると、ル
ープに囲まれたコアコンクリートが形成される。コアコ
ンクリートは内部に配設する添接ループ筋及びコア補強
筋により一体化が図られ、重合するループ継手筋間に若
干の離れがあっても一体に挙動する。このため、壁板に
作用する水平方向の引張力はループ継手筋及びコアコン
クリートを介して隣接する壁板のループ継手筋に伝達さ
れ、コアコンクリートによりループ継手筋同士が連結し
た状態になる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を添
付図面に基づき説明する。図1は壁板同士を一直線上で
接続する場合の鉛直接合部の正面図、図2は図1のII−
II断面、図3は図1のIII-III断面、図4は図1のIV
−IV断面図、図5はコア補強筋の他の実施例を示す
図、図6はコア補強筋のさらに他の実施例を示す図であ
る。
【0010】プレキャスト鉄筋コンクリート製の壁板1
の端部にはシャーコッタを形成するために所定間隔で凹
部2が設けられ、この凹部2の側面2aには鉛直面内に
ループを形成するループ継手筋3が突設する。壁板1を
突き合わせて立設した後、ループ継手筋3,3の間に縦
筋4を配筋する。そして、ループ継手筋3,3の重合部
であるコア内部90に、コ字状に加工したコア補強筋5
を掛渡し、ジョイントコンクリート6を打設して鉛直接
合部を構築する。ループ継手筋3,3に囲まれてコア補
強筋5で補強されたコアコンクリートは、ループ継手筋
3に作用する引張力を受け、これを重合する別のループ
継手筋3に伝達する。
【0011】このため、コア補強筋5はループ中心部に
連結鉄筋部5aが位置するようにコ字状としているが、
容易に掛渡すことができる構成であれば、図5に示すよ
うに一部にループ継手筋3に挿入可能な隙間95を有す
る方形環状のものでもよいし、図6に示すように一部に
ループ継手筋3に挿入可能な隙間95を有する円形環状
のものでもよい。
【0012】このように壁板1同士を一直線上で接合す
る場合、ループ継手筋3,3を重合することで鉛直接合
部を形成することができるが、その他の一例を図7及び
図8に説明する。図7はコーナー部を形成する2枚の壁
板の断面図、図8はT字形に接続する2枚の壁板の断面
図である。何れの断面図においても壁板1の端部に所定
間隔で凹部2を設け、その側面2aよりループ継手筋3
を突設する。壁板1を突き合わせて立設した後、ループ
継手筋3,3の間に縦筋4を配筋する。そして、ループ
継手筋3,3の重合部であるコア内部90に、コ字状に
加工したコア補強筋5を掛渡して配し、ジョイントコン
クリート6を打設して鉛直接合部を構築する。この実施
例においても、図5及び図6に示すような環状に加工し
たコア補強筋5を掛渡して配し、ジョイントコンクリー
ト6を打設して鉛直接合部を構築してもよい。
【0013】以上説明した接合方法は、2枚の壁板を接
合する場合であるが、3枚以上の壁板を1点で接合する
場合には交差する壁板のループ継手筋を他のループ継手
筋と重ね合わすことができない。このようなケースの鉛
直接合部の接合方法を図9乃至図11に基づき説明す
る。図9は3枚の壁板がT字形に接続する場合の断面
図、図10及び図11は各々図9のX−X断面、XI−XI断
面を示す断面図である。
【0014】同一直線上に配設する1組の壁板11,1
1のループ継手筋13,13は重合するように突設する
が、これらに直交する壁板21のループ継手筋23は建
て込み上の都合により、接合中心まで突設することがで
きない。このため、ループ継手筋23には建て込み後に
長円状の添接ループ筋7を結束線等で取り付け、この添
接ループ筋7の先端を重合するループ継手筋13,13
内に貫入し、コア内部90にコア補強筋5を掛渡して配
し、ジョイントコンクリート6を打設する。
【0015】添接ループ筋7は一端をループ継手筋23
と添接重合し、他端を鉛直接合部に定着する構造で、ル
ープ継手筋13,13内のコア補強も兼ねている。この
ように添接ループ筋7を用いる鉛直接合部の他の実施形
態を図12に説明する。図12は十字形に接続する4枚
の壁板の断面図を示す。この場合には、同一直線上に配
設する1組の壁板31,31のループ継手筋33,33
を重合するように突設し、これらに直交する1組の壁板
41,41のループ継手筋43,43は添接ループ筋7
で添接重合する。添接ループ筋7は重合するループ継手
筋33,33内を貫通することになる。
【0016】ループ継手筋及び添接ループ筋を用いるこ
とで鉄筋の継手を形成し十分な定着耐力を実現する接合
方法は、従来の鉛直接合部に差筋を突設させ、これに添
筋を当て相互に溶接することにより通し鉄筋を形成し、
引張力の伝達を図っていた施工法とは異なり、この通し
鉄筋を配置しなくとも引張力の伝達が図れることにな
り、従来必要だった通し鉄筋の溶接作業が不要となる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、請求
項1記載の発明は、重合するループ継手筋のコア内部に
配置されるコア補強筋を、ループ継手筋に掛渡して配設
できるように、鉄筋をコ字状や環状に加工したものを用
いており、 ループ継手筋を重合してジョイントコンク
リートを打設すると、ループに囲まれたコアコンクリー
トが形成され、コアコンクリートはコア内部に配設する
コア補強筋により一体化が図られ、コアコンクリートに
よりループ継手筋同士が連結した状態になり、溶接作業
が不要となる。従って、天候による工程の遅延や、特殊
技能工によるコスト高、溶接耐力のばらつき等、溶接に
起因する欠点を解消することができる。また、コア内部
にコア補強筋を配するのでループ継手筋の定着効果と継
手性能効果を上げることができる。
【0018】請求項2記載の発明は、壁板が交差してル
ープ継手筋の重合が果たせない場合には、同一直線上に
配設する1組の壁板のループ継手筋を重合し、交差する
別の壁板のループ継手筋には長円状の添接ループ筋を連
結し、この添接ループ筋を重合するループ継手筋のコア
内部にコア補強筋を配してジョイントコンクリートを打
設すると、ループに囲まれたコアコンクリートが形成さ
れる。コアコンクリートはコア内部に配設する添接ルー
プ筋及びコア補強筋により一体化が図られ、コアコンク
リートによりループ継手筋同士が連結した状態になり、
溶接作業が不要となる。従って、天候による工程の遅延
や、特殊技能工によるコスト高、溶接耐力のばらつき
等、溶接に起因する欠点を解消することができる。ま
た、添接ループ筋を用いてループ継手筋を延長するの
で、3枚以上の壁板を1点で接合する場合にも適用可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】壁板同士を一直線上で接続する場合の鉛直接合
部の正面図である。
【図2】図1のII−II断面を示す断面図である。
【図3】図1のIII−III断面を示す断面図である。
【図4】図1のIV−IV断面を示す断面図である。
【図5】コア補強筋の他の実施例を示す図である。
【図6】コア補強筋のさらに他の実施例を示す図であ
る。
【図7】コーナー部を形成する2枚の壁板の断面図であ
る。
【図8】T字形に接続する2枚の壁板の断面図である。
【図9】3枚の壁板がT字形に接続する場合の断面図で
ある。
【図10】図9のX−X断面を示す断面図である。
【図11】図9のXI−XI断面を示す断面図である。
【図12】十字形に接続する4枚の壁板の断面図であ
る。
【図13】従来の一直線上で接続する2枚の壁板の鉛直
接合部の断面図である。
【図14】従来の一直線上で接続する2枚の壁板の鉛直
接合部の正面図である。
【図15】従来のT字形に接続する3枚の壁板の断面図
である。
【図16】図15のXVI−XVI断面を示す断面図である。
【図17】従来のコーナー部を形成する2枚の壁板の断
面図である。
【図18】図17のXVIII−XVIII断面を示す断面図で
ある。
【図19】従来のT字形に接続する2枚の壁板の断面図
である。
【図20】図19のXX−XX断面を示す断面図である。
【図21】従来の十字形に接続する4枚の壁板の断面図
である。
【図22】図21のXXII−XXII断面を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 壁板 2 凹部 2a 側面 3 ループ継手筋 4 縦筋 5 コア補強筋 6 ジョイントコンクリート 90 コア内部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 2/56 621 E04B 2/56 621A 621R 621S 1/04 1/04 E 1/61 1/60 503K 504D 505B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】壁板の側面に形成するシャーコッタ用の凹
    部から突設する埋込み部材同士を連結し、鉛直接合部に
    ジョイントコンクリートを充填して接合する壁式プレキ
    ャスト鉄筋コンクリート造の壁板鉛直部の接合方法にお
    いて、前記埋込み部材は、鉛直面内にループを形成する
    ループ継手筋であって、重合するループ継手筋のコア内
    部に、コ字状または環状に加工したコア補強筋を配して
    ジョイントコンクリートを打設し、鉛直接合部を構築す
    ることを特徴とする壁式プレキャスト鉄筋コンクリート
    造の壁板鉛直部の接合方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の壁式プレキャスト鉄筋コン
    クリート造の壁板鉛直部の接合方法において、同一直線
    上に配設する1組の壁板のループ継手筋を重合し、交差
    する別の壁板のループ継手筋には長円状の添接ループ筋
    を添接重合するとともに、この添接ループ筋を重合する
    ループ継手筋のコア内部にコア補強筋を配してジョイン
    トコンクリートを打設することを特徴とする壁式プレキ
    ャスト鉄筋コンクリート造の壁板鉛直部の接合方法。
JP1276196A 1996-01-29 1996-01-29 壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造の壁板鉛直部の 接合方法 Pending JPH09203143A (ja)

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