JP2017082527A - プレキャストコンクリート板の接合構造および接合方法 - Google Patents

プレキャストコンクリート板の接合構造および接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】地震時の応答の遅れを低減できる、プレキャストコンクリート板の接合構造を提供すること。【解決手段】プレキャストコンクリート板の接合構造は、壁板1A、1B同士を接合する。一対の壁板1A、1Bの接合面10には、一対の環状のコッター筋20A、20Bが互いに対向して設けられ、一対のコッター筋20A、20B同士は、重ねて配置され、この重なった部分は、環状の挿通部23となっている。この挿通部23には、ピン33が挿通される。【選択図】図2

Description

本発明は、プレキャストコンクリート板同士を接合する接合構造および接合方法に関する。
従来より、壁式構造の建物では、工期を短縮するために、プレキャストコンクリート造の壁板を予め製作し、この壁板を現場に運搬して互いに接合することが行われている。この壁板同士は、例えば、特許文献1に示すような構造で接合されている。
図15は、特許文献1の接合構造を適用したプレキャストコンクリート板の接合構造100の水平断面図および立面図である。
プレキャストコンクリート板の接合構造100は、プレキャストコンクリート造の壁板101、102同士を接合するものである。壁板101、102の接合面には、互いに対向する環状のコッター筋103、104が設けられており、これらコッター筋103、104は、ジョイント部材105により連結されている。ジョイント部材105は、略コの字形状であり、略平行に配置された脚部106と、脚部106同士を連結する連結部107と、を備える。
プレキャストコンクリートの接合構造100では、ジョイント部材105の一対の脚部106を、それぞれ、環状のコッター筋103、104の内側に差し込むことで、このジョイント部材105をコッター筋103、104の間に架け渡している。
この状態で、壁板101、102同士の間には、コンクリート108が打設されている。
特開2004−003231号公報
しかしながら、以上の構造では、以下のような問題がある。
上述のように、ジョイント部材105をコッター筋103、104の間に架け渡す際、ジョイント部材105の脚部106をコッター筋103、104の内側に差し込むが、この状態では、脚部106とコッター筋103、104との間に隙間dが生じており、この隙間dには、コンクリートが充填されている。
したがって、例えば、地震動により、壁板101、102が離れる方向に力が作用する場合、壁板101、102同士の接合部に作用する引張力は、一方のコッター筋103から、コンクリート体を介してジョイント部材105に伝達され、さらにこのジョイント部材105から、コンクリート体を介して他方のコッター筋104に伝達されることになる。そのため、実際には、地震時の応答に多少の遅れが生じていた。
本発明は、地震時の応答の遅れを低減できる、プレキャストコンクリート板の接合構造および接合方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載のプレキャストコンクリート板の接合構造は、一対のプレキャストコンクリート造のプレキャストコンクリート板(例えば、後述の壁板1A、1B、1F、床板1G、1H、1I)同士を接合する接合構造であって、前記一対のプレキャストコンクリート板の接合面(例えば、後述の接合面10)には、少なくとも一対の環状のコッター筋(例えば、後述のコッター筋20A、20B、20F、20G、20H、20I)が互いに対向して設けられ、当該一対のコッター筋同士は、重ねて配置され、当該重なった部分は、環状の挿通部(例えば、後述の挿通部23)となっており、当該挿通部には、ピン(例えば、後述のピン33)が挿通されることを特徴とする。
この発明によれば、一対のコッター筋同士を重ねて配置し、この重ねた部分である挿通部にピンを挿通したので、これらプレキャストコンクリート板同士の接合部に作用する引張力は、一方のコッター筋から、ピンを介して、直接、他方のコッター筋に伝達され、コッター筋同士を強固に連結される。
よって、地震動により、プレキャストコンクリート板同士が離れる方向や、プレキャストコンクリート板同士がずれる方向に力が作用しても、接合部を確実に補強して、地震時の応答の遅れを低減できる。
また、従来のようなジョイント部材ではなく、ピンを用いてコッター筋同士を接合したので、従来に比べて鉄筋量を削減できる。
請求項2に記載のプレキャストコンクリート板の接合構造は、前記一対のコッター筋は、鉛直方向に設けられ、前記ピンは、水平方向に延びることを特徴とする。
請求項3に記載のプレキャストコンクリート板の接合構造は、平面視で略T字形状に配置された3つのプレキャストコンクリート板同士を接合する接合構造であって、前記3つのプレキャストコンクリート板は、互いに対向して配置された一対の第1の壁板(例えば、後述の壁板1C、1D)と、当該第1の壁板に交差して配置された第2の壁板(例えば、後述の壁板1E)と、で構成され、前記第1の壁板同士の接合面(例えば、後述の接合面10)には、少なくとも一対の環状のコッター筋(例えば、後述のコッター筋20C、20D)が互いに対向して設けられ、前記壁板のコッター筋同士は、重ねて配置され、当該重なった部分は、環状の挿通部(例えば、後述の挿通部23)となっており、当該挿通部には、第1のピン(例えば、後述のピン33A)が挿通され、前記第2の壁板には、第2のピン(例えば、後述のピン33B)が挿通されるコッター筋(例えば、後述のコッター筋20E)が設けられ、前記第1の壁板のコッター筋と前記第2のピンとの間には、環状の接合部材(例えば、後述の接合部材40)が係止されることを特徴とする。
この発明によれば、請求項1と同様の効果がある。
請求項4に記載のプレキャストコンクリート板の接合方法は、一対のプレキャストコンクリート造のプレキャストコンクリート板同士を接合する方法であって、前記一対のプレキャストコンクリート板の接合面に一対の環状のコッター筋を設けて、当該一対のコッター筋のうち少なくとも一方(例えば、後述のコッター筋20B)を、前記プレキャストコンクリート板の延出方向に対して傾斜させておき、前記一対のプレキャストコンクリート板を、前記一対のコッター筋同士が互いに対向するように配置する工程(例えば、後述のステップS1)と、前記傾斜したコッター筋を折り曲げて、前記一対のコッター筋同士を重ねて、当該重なった部分を環状の挿通部とする工程(例えば、後述のステップS2)と、当該挿通部にピンを挿通する工程(例えば、後述のステップS3)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、請求項1の効果に加えて、以下のような効果がある。
すなわち、一対のコッター筋のうち少なくとも一方を、プレキャストコンクリート板の延出方向に対して傾斜させておき、この状態で、一対のプレキャストコンクリート板を配置した。したがって、プレキャストコンクリート板を配置する際に、コッター筋同士が干渉しないから、プレキャストコンクリート板の設置作業が容易となる。
請求項5に記載のプレキャストコンクリート板の接合方法は、前記挿通部にピンを挿通する工程では、支持部(例えば、後述の延出部31、連結部32)と、当該支持部に取り付けられたピン(例えば、後述のピン33)と、を有するピン部材(例えば、後述のピン部材30)を用いて、当該ピン部材の支持部を前記挿通部に当接して配置することで、前記ピンを前記挿通部に挿通することを特徴とする。
この発明によれば、ピン部材の支持部を挿通部に当接して配置することで、ピンを挿通部に挿通したので、ピンの取付けが容易となり、工期を短縮できる。
本発明によれば、地震動により、プレキャストコンクリート板同士が離れる方向や、プレキャストコンクリート板同士がずれる方向に力が作用しても、接合部を確実に補強して、地震時の応答の遅れを低減できる。また、従来のようなジョイント部材ではなく、ピンを用いてコッター筋同士を接合したので、従来に比べて鉄筋量を削減できる。
本発明の第1実施形態に係るプレキャストコンクリート板の接合構造が適用された一対の壁板の立面図である。 前記実施形態に係る一対の壁板のコッター筋同士の接合部の拡大立面図である。 図2のA−A断面図である。 前記実施形態に係るコッター筋同士の接合部の分解斜視図である。 前記実施形態に係るコッター筋に取り付けられるピン部材の立面図である。 前記実施形態に係るコッター筋に取り付けられるピン部材の使用方法を説明するための図である。 前記実施形態に係る一対の壁板の接合部を構築する手順のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るプレキャストコンクリート板の接合構造が適用された壁板の水平断面図である。 図7のB−B断面図である。 前記実施形態に係る壁板同士の接合部を構築する手順のフローチャートである。 前記実施形態に係る壁板同士の接合部を構築する手順を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係るプレキャストコンクリート板の接合構造が適用された壁板および床板の縦断面である。 本発明の第4実施形態に係るプレキャストコンクリート板の接合構造が適用された床板の縦断面である。 本発明の変形例に係るピン部材の斜視図である。 本発明の従来例に係るプレキャストコンクリート板の接合構造の模式的な水平断面図および立面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るプレキャストコンクリート板接合構造が適用された一対の壁板1A、1Bの立面図である。
壁板1A、1Bは、プレキャストコンクリート造であり、略鉛直に配置されている。これら壁板1A、1Bの互いに対向する側面は、接合面10となっている。これら壁板1A、1Bの接合面10の間に配筋し、コンクリートを充填することにより、壁板1Aと壁板1Bとの接合部2が形成されている。
一対の壁板1A、1Bの接合面10には、鉛直方向に凹凸が形成されており、これら凹凸はシアーコッターとなっている。
壁板1A、1Bの接合面10に沿って、互いに対向する一対のコッター筋20A、20Bが複数設けられている。つまり、互いに対向する一対のコッター筋20A、20Bを一組とすると、この一組のコッター筋20A、20Bが、接合面10に沿って上下方向に所定間隔おきに複数組設けられている。
図2は、コッター筋20A、20B同士の接合部の拡大立面図であり、図3は、図2のA−A断面図である。図4は、コッター筋20A、20B同士の接合部の分解斜視図である。
各コッター筋20A、20Bは、壁板1A、1Bに沿って鉛直方向に設けられた略コの字形状であり、接合面10とともに矩形環状を構成する。これらコッター筋20A、20Bは、鉄筋材を折り曲げたものであり、壁板1A、1Bに定着して接合面10から延出しかつ互いに略平行に延びる一対の棒状の延出部21と、この延出部21の先端部同士を連結する棒状の連結部22と、を備える。
一対のコッター筋20A、20B同士は、一部が重なって配置されて、この重なった部分は、矩形環状の挿通部23となっている。
具体的には、コッター筋20A、20Bの延出部21同士は、重ねて配置され、これにより、この挿通部23は、コッター筋20Aの延出部31および連結部32、コッター筋20Bの連結部32で構成される。
また、この挿通部23には、ピン部材30が取り付けられている。
ピン部材30は、互いに略平行に延びる一対の棒状の支持部としての延出部31と、延出部31の一端側同士を連結する支持部としての連結部32と、延出部31と連結部32との角部に取り付けられた一対のピン33と、を備える。
延出部31および連結部32は、略コの字形状となっている。
一対のピン33の軸方向は、延出部31および連結部32が成す面に略垂直となっている。また、図5に示すように、連結部32と一対のピン33との間隔はpであり、一対のピン33同士の間隔はqとなっている。
このピン部材30では、連結部32とピン33との間隔pが確保されているので、図5中白抜き矢印で示すように、延出部31の端部に外側あるいは内側に力を加えることで、延出部31が弾性変形して、一対のピン33同士の間隔qが大きくなったり小さくなったりする。
一対のピン33は、ピン部材30を挿通部23の側面に配置して当接させることで、挿通部23に挿通される。
具体的には、図4に示すように、ピン部材30の延出部31は、コッター筋20Aの延出部21の側面に当接し、ピン部材30の連結部32は、コッター筋20Aの連結部22の側面に当接する。これにより、一対のピン33は、水平方向に延びて、かつ、立面視で矩形環状の挿通部23の内側の上下端に配置される。このとき、ピン部材30の延出部31が弾性変形することで、一対のピン33同士の間隔qが適宜調整され、この一対のピン33は挿通部23に嵌合する。
このとき、図6に示すように、コッター筋20A、20Bが鉛直方向に寸法rだけずれている場合でも、ピン部材30を弾性変形させて、ピン33同士の間隔をqよりも小さいq´とすることで、このようなずれに対応できる。
以下、壁板1A、1Bの接合部2を構築する手順について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、壁板1A、1Bを用意する。このとき、壁板1A、1Bのコッター筋20A、20Bは、壁板1A、1Bの延出方向に略平行とする。
ステップS1では、一対の壁板1A、1Bを、コッター筋20A、20B同士が互いに対向するように配置する。このとき、コッター筋20Bを折り曲げることで、一対のコッター筋20A、20B同士を重ねて、環状の挿通部23を形成する。
ステップS2では、ピン部材30を挿通部23の側面に当接して配置することで、ピン33を挿通部23に挿通する。
ステップS3では、壁板1A、1B同士の間に型枠を建て込んで、コンクリートを打設する。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)一対のコッター筋20A、20B同士を重ねて配置し、この重ねた部分である挿通部23にピン33を挿通したので、これら壁板1A、1B同士の接合部2に作用する引張力は、一方のコッター筋20Aから、ピン33を介して、直接、他方のコッター筋20Bに伝達され、コッター筋20A、20B同士を強固に連結される。
よって、地震動により、壁板1A、1B同士が離れる方向や、壁板1A、1B同士がずれる方向に力が作用しても、接合部2を確実に補強して、地震時の応答の遅れを低減できる。
また、従来のようなジョイント部材ではなく、ピン33を用いてコッター筋20A、20B同士を接合したので、従来に比べて鉄筋量を削減できる。
(2)ピン部材30の延出部31および連結部32を挿通部23の側面に配置することで、ピン33を挿通部23に挿通したので、ピン33の取付けが容易となり、工期を短縮できる。
〔第2実施形態〕
図8は、本発明の第2実施形態に係るプレキャストコンクリート板接合構造が適用された壁板1C、1D、1Eの水平断面図である。図9は、図8のB−B断面図である。
本実施形態では、第1の壁板としての壁板1C、1D、および第2の壁板としての壁板1Eが平面視で略T字形状に配置され、これら壁板1C、1D、1Eの端面同士が接合される点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、壁板1C、1D、1Eは、互いに対向して配置された一対の壁板1C、1Dと、これら一対の壁板1C、1Dに略直交して配置された壁板1Eと、で構成される。
壁板1C、1D、1Eは、壁板1A、1Bと同様の構造であり、互いに対向する一組のコッター筋20C、20D、20Eが鉛直方向に複数組設けられている。
このうち、一対のコッター筋20C、20D同士は、互いに対向しており、一部が重なって配置されて、この重なった部分は、矩形環状の挿通部23となっている。
この挿通部23には、第1ピン部材30Aが取り付けられている。この第1ピン部材30Aは、ピン部材30と同様の構成である。第1ピン部材30Aを挿通部23の側面に配置することで、第1のピンとしての一対のピン33Aが挿通部23に挿通される。
壁板1Eのコッター筋20Eには、第2ピン部材30Bが取り付けられている。この第2ピン部材30Bは、ピン部材30と同様の構成である。第2ピン部材30Bをコッター筋20Eの側面に配置することで、第2のピンとしての一対のピン33Bがコッター筋20Eに挿通される。
また、壁板1C、1Dのコッター筋20C、20Dと、第2ピン部材30Bのピン33Bとの間には、接合部材40が係止される。
具体的には、接合部材40は、環状であり、壁板1C、1Dのコッター筋20C、20Dおよび一対のピン33Bが挿通される。
以下、壁板1C、1D、1E同士の接合部2を構築する手順について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
初期状態として、図11に示すように、壁板1C、1Dのコッター筋20C、20Dに、接合部材40を通しておく。
ステップS11では、図11に示すように、壁板1C、1Dおよび壁板1Eを配置し、一対の壁板1C、1Dのコッター筋20C、20D同士を重ねて、環状の挿通部23を形成する。
ステップS12では、図11中矢印Pで示すように、第1ピン部材30Aを挿通部23の側面に取り付けることで、ピン33Aを挿通部23に挿通する。
ステップS13では、図11中矢印Qで示すように、第2ピン部材30Bを壁板1Eのコッター筋20Eの側面に取り付けることで、ピン33Bをコッター筋20Eに挿通する。
ステップS14では、図11中矢印Rで示すように、接合部材40をスライドさせて、壁板1C、1Bのコッター筋20C、20Dと、第2ピン部材30Bのピン33Bとの間に係止する。
ステップS15では、壁板1C、1D、1Eの間に型枠を建て込んで、コンクリートを打設する。
本実施形態によれば、上述の(1)、(2)と同様の効果がある。
〔第3実施形態〕
図12は、本発明の第3実施形態に係るプレキャストコンクリート板接合構造が適用された壁板1Fおよび床板1Gの縦断面である。
本実施形態では、2つの壁板1Fおよび床板1Gが略L字形状に配置され、壁板1Fの上端部の側面が床板1Gの側面に接合される点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、壁板1Fには、格子状かつダブル配筋された壁筋およびひび割れ防止筋としての鉄筋3が設けられている。
また、壁板1F上端部の床板1G側には、切欠きが形成されており、この切欠きの内壁面である接合面10には、コッター筋20Fが設けられている。コッター筋20Fは、鉄筋を側面視で略L字形状に折り曲げて形成され、このコッター筋20Fの定着部60は、鉛直方向に延びて、壁板1Fの鉄筋3同士の間に定着している。
床板1Gには、格子状の鉄筋4が設けられている。
床板1Gの接合面10には、コッター筋20Gが設けられている。コッター筋20Gは、鉄筋を側面視でクランク状に折り曲げて形成され、定着部として、床板1Gの鉄筋4に沿って水平方向に延びる水平定着部70と、水平定着部70の先端から斜め上方に延びる傾斜定着部71と、を備える。
床板1Gを製作する際、図12中破線で示すように、コッター筋20Gを折り曲げ箇所Sで折り曲げることなく、傾斜定着部71の延長線上に配置しておく。これにより、コッター筋20Gは、床板1Gの延出方向に対して斜め上方に傾斜している。
そして、壁板1Fと床板1Gとの接合部2を構築する際には、壁板1Fおよび床板1Gを配置した後、折り曲げ箇所Sでコッター筋20Fを折り曲げるとともに、折り曲げ箇所Sでコッター筋20Gを折り曲げてコッター筋20Fに重ねて、ピン部材30を取り付ける。
本実施形態によれば、上述の(1)、(2)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(3)床板1Gを配置する際、床板1Gを上方から吊り下ろすが、コッター筋20Gが床板1Gの延出方向に略平行である場合、コッター筋20Gがコッター筋20Fに干渉してしまう。
そこで、本実施形態では、コッター筋20Gを床板1Gの延出方向に対して斜め上方に傾斜させておき、この状態で、床板1Gを配置した。したがって、床板1Gを配置する際に、コッター筋20Gがコッター筋20Fに干渉しないので、床板1Gの設置作業が容易となる。
(4)コッター筋を床板の延出方向に傾斜して配置する場合、コッター筋を床板の延出方向に略平行に打ち込むと、コッター筋を一度折り曲げて延出方向に対して傾斜させて、この状態でプレキャストコンクリート板を配置して、その後、傾斜させたコッター筋を再度折り曲げることになる。この場合、コッター筋を2回折り曲げるので、コッター筋の強度が低下するおそれがあった。
そこで、本実施形態では、予め、コッター筋20Gを傾斜定着部71の延長線上に配置して、プレキャストコンクリート板1Gの延出方向に対して傾斜するように打ち込んだ。よって、プレキャストコンクリート板1Gを配置した後、コッター筋20Gを折り曲げ箇所Sで1回折り曲げるだけでよいので、コッター筋20Gの強度が低下するのを抑制できる。
〔第4実施形態〕
図13は、本発明の第4実施形態に係るプレキャストコンクリート板接合構造が適用された床板1H、1Iの縦断面である。
本実施形態では、床板1H、1Iのコッター筋20H、20I同士を接合するものである。
ここで、床板1H、1Iは、床板1Gと同様の構造となっている。
床板1H、1Iを製作する際、図13中破線で示すように、コッター筋20H、20Iを傾斜定着部71の延長線上に配置しておく。
そして、床板1H、1Iの接合部2を構築する際には、床板1H、1Iを配置した後、折り曲げ箇所Sでコッター筋20H、20Iを折り曲げて、コッター筋20H、20I同士を重ねて、ピン部材30を取り付ける。
本実施形態によれば、上述の(1)〜(4)と同様の効果がある。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の各実施形態では、2本のピン33を略コの字形状の延出部31および連結部32に取り付けたピン部材30、30A、30Bを用いたが、これに限らず、例えば、図14に示すように、複数本ここでは6本のピン33を直線状に延びる棒状の支持部34に取り付けたピン部材30Cを用いてもよい。このピン部材30Cを用いることで、鉛直方向に配置された3つの挿通部23に、ピン33を一度に挿通することができ、施工性が向上する。
また、上述の第1、2実施形態では、壁板1A〜1Eのコッター筋20A〜20Eを、壁板1A〜1Eの延出方向に略平行に配置したが、これに限らず、床板1G〜1Iのように、コッター筋を、壁板の延出方向に対して斜めに配置してもよい。
また、コッター筋の上下に重なった延出部同士を互いに溶接固定してもよい。このようにすれば、コッター筋同士をより強固に一体化でき、地震時の応答性能をより向上できる。
1A、1B、1C、1D、1E、1F…壁板
1G、1H、1I…床板
2…接合部
3、4…鉄筋
10…接合面
20A、20B、20C、20D、20E…コッター筋
20F、20G、20H、20I…コッター筋
21…延出部
22…連結部
23…挿通部
30…ピン部材
30A…第1ピン部材
30B…第2ピン部材
30C…ピン部材
31…延出部
32…連結部
33…ピン
33A…ピン(第1のピン)
33B…ピン(第2のピン)
34…支持部
40…接合部材
60…定着部
70…水平定着部
71…傾斜定着部

Claims (5)

  1. 一対のプレキャストコンクリート造のプレキャストコンクリート板同士を接合する接合構造であって、
    前記一対のプレキャストコンクリート板の接合面には、少なくとも一対のコッター筋が互いに対向して設けられ、
    当該一対のコッター筋同士は、重ねて配置され、当該重なった部分は、環状の挿通部となっており、
    当該挿通部には、ピンが挿通されることを特徴とするプレキャストコンクリート板の接合構造。
  2. 前記一対のコッター筋は、鉛直方向に設けられ、
    前記ピンは、水平方向に延びることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート板の接合構造。
  3. 平面視で略T字形状に配置された3つのプレキャストコンクリート板同士を接合する接合構造であって、
    前記3つのプレキャストコンクリート板は、互いに対向して配置された一対の第1の壁板と、当該第1の壁板に交差して配置された第2の壁板と、で構成され、
    前記第1の壁板同士の接合面には、少なくとも一対の環状のコッター筋が互いに対向して設けられ、
    当該コッター筋同士は、重ねて配置され、当該重なった部分は、環状の挿通部となっており、
    当該挿通部には、第1のピンが挿通され、
    前記第2の壁板には、第2のピンが挿通されるコッター筋が設けられ、
    前記第1の壁板のコッター筋と前記第2のピンとの間には、環状の接合部材が係止されることを特徴とするプレキャストコンクリート板の接合構造。
  4. 一対のプレキャストコンクリート造のプレキャストコンクリート板同士を接合する接合方法であって、
    前記一対のプレキャストコンクリート板の接合面に一対の環状のコッター筋を設けて、当該一対のコッター筋のうち少なくとも一方を、前記プレキャストコンクリート板の延出方向に対して傾斜させておき、
    前記一対のプレキャストコンクリート板を、前記一対のコッター筋同士が互いに対向するように配置する工程と、
    前記傾斜したコッター筋を折り曲げて、前記一対のコッター筋同士を重ねて、当該重なった部分を環状の挿通部とする工程と、
    当該挿通部にピンを挿通する工程と、を備えることを特徴とするプレキャストコンクリート板の接合方法。
  5. 前記挿通部にピンを挿通する工程では、
    支持部と、当該支持部に取り付けられたピンと、を有するピン部材を用いて、
    当該ピン部材の支持部を前記挿通部に当接して配置することで、前記ピンを前記挿通部に挿通することを特徴とする請求項4に記載のプレキャストコンクリート板の接合方法。
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