JP5901008B2 - 壁板接合構造 - Google Patents
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Description
すなわち、壁板同士の接合面には、互いに対向する一組の端部ループ筋が上下方向に複数組設けられている。
また、この閉鎖型ループ筋と端部ループ筋とで形成されたそれぞれの2つの環状部のそれぞれの中に、縦鉄筋が挿通されている。
また、壁板が離れる方向に水平力が作用すると、この水平力は、端部ループ筋、縦鉄筋、閉鎖型ループ筋、縦鉄筋、端部ループ筋、の順に伝達される。よって、水平耐力を決定する影響因子が多くなるため、水平耐力にばらつきが生じやすい、という問題があった。
また、壁板が離れる方向に水平力が作用すると、この水平力は、ループ筋、接合部材、ループ筋、の順に伝達される。よって、従来に比べて、水平耐力を決定する影響因子を少なくでき、水平耐力のばらつきを低減できる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る壁板接合構造が適用された一対の壁板1A、1Bの斜視図である。
壁板1A、1Bは、プレキャストコンクリート造の壁板であり、一直線上に配置されている。これら壁板1A、1Bの略鉛直方向に延びる端面は、互いに対向する接合面10となっている。これら壁板1A、1Bの接合面10の間に配筋し、コンクリートを充填することにより、壁板1Aと壁板1Bとの接合部2が形成されている。
一対の壁板1A、1Bの接合面10には、複数のシアーコッター11が上下方向に形成されている。
また、壁板1A、1Bの接合面10の略同じ高さには、互いに対向するループ筋12がコッター筋として設けられている。ループ筋12の先端側は略U字形状であり、これらループ筋12は、接合面10とともに環状を構成する。
同じ高さのループ筋12を一組とすると、この一組のループ筋12は、上下方向に所定間隔おきに複数組設けられている。
また、壁板1A、1Bの互いに対向するループ筋12の各組には、縦鉄筋20を挟み込んで一対の接合部材30が取り付けられている。
接合部材30は、略コの字形状に加工された鉄筋材であり、棒状の本体31と、この本体31の両端側から互いに略平行に延びる一対の棒状の挿通部32A、32Bと、を備える。
上述の縦鉄筋20は、一対の接合部材30の本体31の間に挟み込まれている。
一対の挿通部32A、32Bは、壁板1A、1Bの一段下のループ筋12まで延びて、これら一段下のループ筋12に挿通される。ここで、これら一対の挿通部32A、32Bの先端部は、一段下に位置する一対の接合部材30の本体31の間に挟み込まれている。
まず、縦鉄筋20を配置し、次に、略コの字形状の接合部材30を上段から下段に向かって取り付けてゆく。このとき、一対の接合部材30の本体31で、縦鉄筋20および一段上の挿通部32A、32Bの先端部を挟み込むとともに、これら接合部材30の挿通部32A、32Bを一組のループ筋12のそれぞれに挿通する。これにより、接合部材30の本体31が一組のループ筋12に跨って配置される。その後、壁板1A、1Bの間に型枠を建て込んで、コンクリートを上から流し込んで打設する。
(1)接合部材30を、本体31とこの本体31から延びる挿通部32A、32Bとで一体に構成された略コの字形状とする。そして、接合部材30の挿通部32A、32Bを一組のループ筋12のそれぞれに挿通することで、接合部材30の本体31を一組のループ筋12に跨って配置する。
よって、接合部材30の挿通部32A、32Bをループ筋12に挿通するだけで、接合部材30をループ筋12同士の間に確実に取り付けできるので、従来のように閉鎖型ループ筋を配置した後に縦鉄筋を挿通する場合に比べて、施工性を向上できる。
また、壁板1A、1Bが離れる方向に水平力が作用すると、この水平力は、一方のループ筋12、接合部材30、他方のループ筋12、の順に伝達される。よって、従来に比べて、水平耐力を決定する影響因子を少なくでき、水平耐力のばらつきを低減できる。
図6は、本発明の第2実施形態に係る壁板接合構造が適用された壁板1C、1D、1Eの水平断面図である。
本実施形態では、3つの壁板1C〜1Eが略T字形状に配置され、壁板1C〜1Eの端面同士が接合される点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、壁板1C〜1Eは、一直線上に配置された一対の壁板1C、1Dと、これら一対の壁板1C、1Dに略直交して配置された壁板1Eと、で構成される。
図7は、本発明の第3実施形態に係る壁板接合構造が適用された壁板1F、1G、1Hの水平断面図である。
本実施形態では、3つの壁板1F〜1Hが略T字形状に配置され、壁板1F、1Gの端面が壁板1Hの側面に接合される点が、第1実施形態と異なる。
これにより、壁板1Fの端面は、壁板1Hの側面に接合され、壁板1Gの端面は、壁板1Hの反対側の側面に接合される。
また、縦鉄筋20は、壁板1A、1Bの間の隙間でかつループ筋12の外側に配置されている。
(6)ループ筋の先端側は略U字形状であるため、接合部材30の本体31の長さを適宜設定することにより、接合部材30の挿通部32A、32Bを一組のループ筋12のそれぞれに挿通するだけで、接合部材30をループ筋12に結束しなくても、接合部材30を自動的にループ筋12の中心線上に配置できる。
図8は、本発明の第4実施形態に係る壁板接合構造が適用された壁板1I、1Jの水平断面図である。
本実施形態では、2つの壁板1I、1Jが略L字形状に配置され、壁板1Iの端面が壁板1Jの側面に接合される点が、第1実施形態と異なる。
ここで、壁板1Iのループ筋12と壁板1Jのループ筋12とは対向しておらず、壁板1Iのループ筋12は、壁板1Jのループ筋12の側面に対向している。
これにより、壁板1Iの端面は、壁板1Jの側面に接合される。
図9は、本発明の第4実施形態に係る壁板接合構造が適用された壁板1K、1Lの水平断面図である。
本実施形態では、2つの壁板1K、1Lが略L字形状に配置され、壁板1Iの端面が壁板1Jの側面に接合される点が、第1実施形態と異なる。
これにより、壁板1Iの端面は、壁板1Jの側面に接合される。
例えば、上述の第2実施形態では、縦鉄筋20を一対の第2の接合部材50の挿通部32Bに沿って配置したが、これに限らず、図6中破線で示すように、縦鉄筋20を一対の第2の接合部材50の本体31の間に挟み込んでもよい。
2…接合部
10…接合面
11…シアーコッター
12…ループ筋
20…縦鉄筋
30、40、50…接合部材
31…本体
32A、32B…挿通部
Claims (4)
- 一対のプレキャストコンクリート造の壁板同士を接合する壁板接合構造であって、
前記一対の壁板の接合面には、互いに対向する一組のループ筋が上下方向に複数組設けられ、
前記互いに対向するループ筋の各組について、それぞれ、接合部材が取り付けられ、
当該接合部材は、棒状の本体と、当該本体の両端側から互いに略平行に延びる一対の棒状の挿通部と、を備え、
前記本体の両端側は前記一対の壁板のループ筋の上に跨って設けられ、前記接合部材の一方の挿通部は、前記一対の壁板の一方のループ筋に上から挿通され、前記接合部材の他方の挿通部は、前記一対の壁板の他方の壁板のループ筋に上から挿通され、
前記接合部材に当接して上下方向に延びる縦鉄筋が設けられ、
前記接合部材は、前記一組のループ筋について一対取り付けられ、
当該一対の接合部材は、前記縦鉄筋を挟み込んでいることを特徴とする壁板接合構造。 - 一対のプレキャストコンクリート造の壁板同士を接合する壁板接合構造であって、
前記一対の壁板の接合面には、互いに対向する一組のループ筋が上下方向に複数組設けられ、
前記互いに対向するループ筋の各組について、それぞれ、接合部材が取り付けられ、
当該接合部材は、棒状の本体と、当該本体の両端側から互いに略平行に延びる一対の棒状の挿通部と、を備え、
前記本体の両端側は前記一対の壁板のループ筋の上に跨って設けられ、前記接合部材の一方の挿通部は、前記一対の壁板の一方のループ筋に上から挿通され、前記接合部材の他方の挿通部は、前記一対の壁板の他方の壁板のループ筋に上から挿通され、
前記接合部材は、前記一組のループ筋について一対取り付けられ、
前記接合部材の挿通部に当接しかつ当該挿通部に沿って上下方向に延びる縦鉄筋が設けられることを特徴とする壁板接合構造。 - 一対のプレキャストコンクリート造の壁板同士を接合する壁板接合構造であって、
前記一対の壁板の接合面には、互いに対向する一組のループ筋が上下方向に複数組設けられ、
前記互いに対向するループ筋の各組について、それぞれ、接合部材が取り付けられ、
当該接合部材は、棒状の本体と、当該本体の両端側から互いに略平行に延びる一対の棒状の挿通部と、を備え、
前記本体の両端側は前記一対の壁板のループ筋の上に跨って設けられ、前記接合部材の一方の挿通部は、前記一対の壁板の一方のループ筋に上から挿通され、前記接合部材の他方の挿通部は、前記一対の壁板の他方の壁板のループ筋に上から挿通され、
前記接合部材に当接して上下方向に延びる縦鉄筋が設けられ、
前記接合部材は、前記一組のループ筋について一対取り付けられ、
当該一対の接合部材は、一段上に位置する一対の接合部材の挿通部を挟み込んでいることを特徴とする壁板接合構造。 - 略T字形状に配置された3つのプレキャストコンクリート造の壁板を接合する壁板接合構造であって、
前記3つの壁板は、一直線上に配置された一対の壁板と、当該一対の壁板に略直交して配置された直交壁板と、で構成され、
前記3つの壁板の接合面には、互いに対向する一組のループ筋が上下方向に複数組設けられ、
前記互いに対向するループ筋の各組について、それぞれ、第1の接合部材および第2の接合部材が取り付けられ、
当該第1の接合部材および第2の接合部材は、それぞれ、棒状の本体と、当該本体の両端側から互いに略平行に延びる一対の棒状の挿通部と、を備え、
前記第1の接合部材の本体の両端側は、前記一対の壁板のループ筋の上に架設され、前記第1の接合部材の一方の挿通部は、前記一対の壁板の一方のループ筋に上から挿通され、前記第1の接合部材の他方の挿通部は、前記一対の壁板の他方のループ筋に上から挿通され、
前記第2の接合部材の本体の両端側は、前記直交壁板のループ筋および前記第1の接合部材の本体の上に架設され、前記第2の接合部材の一方の挿通部は、前記直交壁板のループ筋に上から挿通され、
前記第1の接合部材および前記第2の接合部材のうち少なくとも一方の挿通部に当接しかつ当該挿通部に沿って上下方向に延びる縦鉄筋が設けられることを特徴とする壁板接合構造。
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