JPH09202984A - アスコルビン酸の製造方法 - Google Patents

アスコルビン酸の製造方法

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JPH09202984A
JPH09202984A JP8326517A JP32651796A JPH09202984A JP H09202984 A JPH09202984 A JP H09202984A JP 8326517 A JP8326517 A JP 8326517A JP 32651796 A JP32651796 A JP 32651796A JP H09202984 A JPH09202984 A JP H09202984A
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ascorbate
ascorbic acid
sodium
membrane
chamber
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JP8326517A
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Joachim Veits
ヨアヒム・ファイツ
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F Hoffmann La Roche AG
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F Hoffmann La Roche AG
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D307/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
    • C07D307/34Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D307/56Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D307/62Three oxygen atoms, e.g. ascorbic acid

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスコルビン酸塩からアスコルビン酸(ビタ
ミンC)を合成するための優れた電気物理的方法を提供
すること。 【解決手段】 アスコルビン酸塩から出発するアスコル
ビン酸の製造方法であって、水に溶解したアスコルビン
酸塩を、電場の影響下に、イオン選択性膜の手段により
アスコルビン酸陰イオンとカチオンに分解し、後者を互
いから空間的に分離し、次いでプロトンと水酸イオンの
同時的生成により、プロトンと該遊離アスコルビン酸陰
イオンから該アスコルビン酸を合成し、その場から空間
的に分離し、また該カチオンと水酸イオンから相当する
水酸化物を合成することを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、アスコルビン酸塩からアスコル
ビン酸(ビタミンC)を合成するための電気物理的方法
に関する。
【0002】本発明の合成方法において、水に溶解され
たアスコルビン酸塩、好適にはアスコルビン酸ナトリウ
ムは、電場の影響下で、相当するカチオン(一般的に
「カウンターイオン」と呼ばれている)、例えばナトリ
ウムイオン(Na+)とアスコルビン酸陰イオン(Asc
-)に開裂し、それらはイオン−選択性膜により隔てられ
ている酸区画と塩基区画(塩区画)にそれぞれ空間的に
分離して集められる。酸区画の中では、アスコルビン酸
陰イオンは、イオン反応でプロトン(H+)と結合しアス
コルビン酸(HAsc)を形成し、カウンターイオン
(M+)は、同様に塩基区画の中で水酸イオン(OH-)と
結合し、イオン反応の第2の生成物として相当する塩基
(MOH)を生成する。得られたアスコルビン酸と塩基
の水性溶液(水酸化物溶液)は、次いで電気物理工程が
そこで起こる装置から別々に取り出すことができる。本
発明の方法の結果として得られる主生成物アスコルビン
酸と一緒に得られる副生成物MOHは、それ自体有用な
物質であり、あらゆる場合に用いることができる。とり
わけ、イオン−選択性膜の特性及び用いられている電極
の特性に従い種々の実施態様を有する工程において、プ
ロトンは、主として二つの異なる方法で得ることができ
る。
【0003】a)双極性膜での電気的に誘導された水分
解(これは電気透析である)及び b)単極性又は双極性電極で起こる電気透析から。
【0004】したがって、本発明は、アスコルビン酸
塩、好適にはアスコルビン酸ナトリウムから出発するア
スコルビン酸の製造方法であって、水に溶解したアスコ
ルビン酸塩を、電場の影響下に、イオン選択性膜の手段
により、アスコルビン酸陰のイオンとカチオンに分解
し、後者を互いから空間的に分離し、次いでプロトンと
水酸イオンの同時的生成により、プロトンと該遊離アス
コルビン酸陰イオンから該アスコルビン酸を合成し、そ
の場から空間的に分離し、また該カチオンと水酸イオン
から相当する水酸化物を合成することを特徴とする方法
に関する。次いで、この方法で合成されたアスコルビン
酸、及び所望ならば水酸化物をそれぞれの水溶液から単
離することができる。
【0005】上述したように、本発明による方法は、電
気透析又は電気分解のいずれかの手段により実現するこ
とができる。
【0006】単極性及び双極性膜による電気透析並びに
単極性及び双極性膜による電気分解の両方が、知られて
いる。例えば、有機酸を得るために、単極性及び/又は
双極性膜による電気透析を用いることは、PCT公開特
許WO92/11080号に詳細に記載されている。し
かしながら、該公開特許は、カルボン酸の塩、特にギ酸
アルカリ金属塩(ギ酸ナトリウム)及び酢酸アルカリ金
属塩のみを処理している。更に、電気透析によるアスコ
ルビン酸の精製が、ドイツ公開特許3621781号に
記載されている。この公開特許には、塩は、アスコルビ
ン酸の酸転位の場合での中和により形成されるアスコル
ビン酸か、又は塩基転位の場合に酸によりアスコルビン
酸ナトリウムからの遊離後に存在するアスコルビン酸か
ら除かれる。両方の場合に、塩の流れはアスコルビン酸
に加えて得られる。
【0007】先行技術と反対に、本発明の方法は、アス
コルビン酸ばかりでなく、それから空間的に分離して、
相当する水酸化物、例えば水酸化ナトリウムも生成す
る。更に、塩は、本発明の方法を実施することで生成し
ない。
【0008】従来、アスコルビン酸ナトリウムのアスコ
ルビン酸への転換は、イオン交換樹脂の手段により工業
的規模で行われていた。この方法では、ナトリウムイオ
ンは、交換樹脂上に存在するプロトンで交換され、そし
てこの方法では、アスコルビン酸はその塩から遊離され
ている。樹脂の能力が消費された場合、その能力は、酸
で再生されなければならず、その酸は過剰に用いられな
けばならない。この方法では、続いて中和及び処理され
るべき酸性塩は、不要の生成物として形成され、それは
余分の出費及び経費をもたらす。
【0009】ここに記載した発明の利点は、アスコルビ
ン酸塩、好適には、アスコルビン酸ナトリウムは、付加
的な化学物質を用いることなくアスコルビン酸へ変換さ
れることである。更に、あらゆる場所で有用物質として
用いることのできる水酸化物が、副生成物として得られ
る。
【0010】本発明による方法の特徴としての、互いか
らカチオン〔例えば、ナトリウムイオン(Na+)〕とア
スコルビン酸塩イオン(Asc-)の空間的分離、並びに
同時に該方法の実施態様が、後述の図に示されており、
そこでは、Aは(単極)アニオン交換膜を表し、Bは双
極性膜を表し、そしてKはカチオン交換膜を表す。
【0011】双極性膜を用いる電気透析は、3−室系
(図1)又は2−室系(図2)のどちらかで行うことが
できる。
【0012】もしプロトンが電極で生成されるならば、
3−室系が、用いられる(図3及び図4)。
【0013】図1、2及び4で示される場合に、図5、
6及び7で示される3−室集成装置又は2−室集成装置
の多数を、電極対の間に配列することができる。
【0014】本発明は、今、上記の図1〜7を参照して
詳細に説明される。
【0015】図1: 3−室系中での双極性膜を用いる
電気透析により、アスコルビン酸ナトリウムからアスコ
ルビン酸の製造
【0016】ナトリウムイオンとアスコルビン酸陰イオ
ンは、それを通して流れるアスコルビン酸ナトリウムを
有する室−2から、電場の影響下に移動し、次いでイオ
ン選択性膜の助けにより空間的に分離される。この過程
で、ナトリウムイオンは、カチオン交換膜を経て陽極の
方向へ移動し、結果としてそれらが双極性膜により生成
した水酸イオンと反応し水酸化ナトリウムを生成する塩
基回路(circuit)1に入る。アスコルビン酸陰イオン
は、アニオン交換膜を経て、陰極の方向へ移動し、結果
として酸回路3に入り、そこでそれらは双極性膜により
生成したプロトンと反応し、アスコルビン酸を生成す
る。この電極循環システム(室4及び5)は、それらを
通して流れる塩溶液を有する。
【0017】図5に従い、いかなる数の3−室組み合わ
せ集合(塩基、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビ
ン酸)も、電極対の間に配置することができる。
【0018】図2: 2−室系中での双極性膜を用いる
電気透析により、アスコルビン酸ナトリウムからアスコ
ルビン酸の製造
【0019】ナトリウムイオンは、それを通して流れる
アスコルビン酸ナトリウムを有する室−1から、電場の
影響下に移動する。電気的中性は、室−1で、全てのナ
トリウムイオンが交換されるか、又は双極性膜により生
成したプロトンにより置き換えられることにより維持さ
れる。
【0020】この過程で、ナトリウムイオンは、カチオ
ン交換膜を経て陽極の方向へ移動し、結果としてそれら
が双極性膜により生成した水酸イオンと反応し水酸化ナ
トリウムを生成する塩基回路2に入る。アスコルビン酸
陰イオンは、双極性膜により生成したプロトンと酸回路
1で反応し、アスコルビン酸を生成する。この電極循環
(circulation)システム(室4及び5)は、それらを通
して流れる水酸化ナトリウム溶液、又は塩溶液をそれぞ
れ有する。
【0021】図6に従い、いかなる数の2−室組み合わ
せ集合(塩基、アスコルビン酸)も、電極対の間に配置
することができる。
【0022】図3: 3−室系中での双極性膜を用いる
電気透析により、アスコルビン酸ナトリウムからアスコ
ルビン酸の製造
【0023】ナトリウムイオンは、それを通して流れる
アスコルビン酸ナトリウムを有する室−3から、電場の
影響下に分離される。電気的中性は、室−3で、全ての
ナトリウムイオンが交換されるか、又は双極性膜により
生成したプロトンにより置き換えられることにより維持
される。この過程で、ナトリウムイオンは、カチオン交
換膜を経て陽極の方向へ移動し、結果として塩基回路4
に入り、そこでそれらは陽極で生成した水酸イオンと反
応し水酸化ナトリウムを生成する。アスコルビン酸陰イ
オンは、陰極で生成したプロトンと酸回路3で反応し、
アスコルビン酸を生成する。この陽極循環システム(室
4)は、それらを通して流れて生成される塩基を有し、
一方、陰極循環システム(室5)は、それらを通して流
れる酸(例えば、硫酸)を有する。
【0024】図4: 3−室系中での単極性膜及び双極
性電極を用いる電気透析により、アスコルビン酸ナトリ
ウムからアスコルビン酸の製造
【0025】ナトリウムイオンは、それを通して流れる
アスコルビン酸ナトリウムを有する室−3から、電場の
影響下に分離される。電気的中性は、室−3で、全ての
ナトリウムイオンが交換されるか、又は双極電極(B
E)の陰極若しくは回路5の単電極で生成したプロトン
により置き換えられることにより維持される。この過程
で、生成したプロトンは、電場の影響下にカチオン交換
膜を経て酸回路3に入る。ナトリウムイオンは、カチオ
ン交換膜を経て陽極の方向へ移動し、結果として塩基回
路4に入り、そこでそれらは双極電極(BE)の陽極若
しくは回路5の単電極で生成した水酸イオンと反応し水
酸化ナトリウムを生成する。アスコルビン酸陰イオン
は、陰極で生成したプロトンと酸回路3で反応し、アス
コルビン酸を生成する。この陽極循環システム(室4)
は、それらを通して流れて生成される塩基を有し、一
方、陰極循環システム(室5)は、それらを通して流れ
る酸(例えば、硫酸)を有する。
【0026】図7に従い、いかなる数の3−室組み合わ
せ集合(塩基、アスコルビン酸、酸)も、電極対の間に
配置することができる。
【0027】本発明の範囲内において、特にアスコルビ
ン酸ナトリムに限定しない限り、用語「アスコルビン酸
塩」は、特にアスコルビン酸アルカリ金属(M+)塩、ア
スコルビン酸四級アンモニウム塩(NR4 +)、ここでM
+ は、特にリチウム、ナトリウム又はカルシウムイオン
を表し、イオン:HNR3 +又はNR4 +のそれぞれのR
は、特に直鎖又は分岐鎖アルキル基、特に低級アルキル
基、例えばC1 −C4 アルキル基、好適にはメチルであ
る。アスコルビン酸ナトリウムは、好適にはアスコルビ
ン酸塩として用いられる。
【0028】本発明の方法で用いられるアスコルビン酸
塩水溶液は、一般的に溶媒に対して約15〜約45重量
/重量−%(W/W −%)、好適には約25〜約35W/W
−%である。いずれの場合にも、カチオンの性質及び他
の方法条件、例えば温度を考慮して、この濃度は、もし
可能ならば、アスコルビン酸塩が溶液外で結晶しないよ
うに選ばれるべきである。
【0029】アニオン又はカチオンイオン交換膜(単極
性膜)と双極性膜の両方が、本発明の方法で用いるため
のイオン−選択性膜として適切である。アニオン交換膜
(関連図の「A」)は、一般に、1価アニオンを透過し
うるが、1価カチオンを透過しない選択性の、強、中、
又は弱塩基性膜である。そのような膜の例は、旭ガラス
株式会社(日本)から供給される、Selemion(商標)A
SV、AMV、AAV及びASV膜、徳山ソーダ株式会
社(日本)から供給されるNeosepta(商標)ACV膜、
Ionics Inc.,(Watertown, Mass., USA)から供給される
いくつかの膜、特にこの会社から供給されるIONIC
S 204−UZL−386膜である。一方、カチオン
交換膜(関連図の「K」)は、例えばリン酸基又は硫酸
基を含み、選択透過性であり、かつ用いるpHで低電気
抵抗性である、中又は強酸性膜である。更に、それら
は、1価カチオンを透過させるが、1価アニオンを透過
させない。関連の例は、徳山ソーダ株式会社のCMX膜
及びCMB膜、旭ガラス株式会社のCMV膜、DuPont d
e Nemours (USA)から供給されるNafion(商標)11
0、324、350及び450膜、及び米国特許4,7
38,764(chlandaet al.)号に記載されているカチ
オン交換膜である。双極性膜(関連図の「B」)は、カ
チオン(+)膜とアニオン膜(−)を持ち、前者は1価
カチオンを透過し、後者は1価アニオンを透過する。更
に、カチオン膜はアニオンを通さず、アニオン膜はカチ
オンを通さない。双極性膜の例は、WSI Technologies I
nc.,(St.Louis, Mo, USA)から供給されるWSI膜、Fu
Ma-Tech (Germany)から供給されるFBI膜及び米国特
許2,829,095、4,024,043、4,08
2,835及び4,116,889号に記載されている
双極性膜である。
【0030】本発明の方法が実施される、理想的な電流
密度又は電圧は、それぞれの場合に、多くの他のパラメ
ーター、例えばアスコルビン酸塩水溶液の濃度、用いら
れる膜の型及び数、並びに一般的にはそれらの配列及び
面積(とりわけ、室密度、例えば互いからの膜の距
離)、並びにこの方法が実施される温度に依存し、その
ために限界の値は、容易には決定することができない。
しかしながら、本発明の方法の今までの研究結果から、
この電流密度は、ほぼ約50〜約200mA/cm2の範囲で
あると確認することができる。実際に、最適の方法が確
立されるまでアスコルビン酸の生成速度を測定しながら
電流密度を変化させることが有効であることが証明され
ている。
【0031】アスコルビン酸は、顕著に熱に敏感であ
り、それほど上昇していない温度でさえ、約40℃から
分解がはじまるので、本発明の方法は、好都合には約4
0℃より低い温度で行われるが、経済的理由からは約1
0℃を越える温度である。好適には、この方法は、約1
5℃から約25℃までの範囲内で実施される。
【0032】更に、本発明の方法は、例えば好適なアス
コルビン酸塩、すなわちアスコルビン酸ナトリウムを用
い、厳密であるべき場合でも、膜の特性及び配列、並び
に用いられる電極に関連して多くの好適な実施態様を有
する:
【0033】(i)この方法は、プロトンと水酸イオン
が、双極性膜で電気的に誘導された水分解により解離さ
れ、次いで空間的に互いから離れてアスコルビン酸陰イ
オンとナトリウムイオンと反応し、アスコルビン酸と水
酸化ナトリウムをそれぞれ生成させる。この実施態様
は、例えば上記、かつ適切な説明で与えられている図1
及び2(更に特定的に、図5及び6)により説明するこ
とできるような電気透析である。好適には、本発明の方
法の実施態様は、それぞれ塩基室、アスコルビン酸ナト
リウム室及びアスコルビン酸室を含むように数多くの3
−室集成が、電極対の間に互いの背後に、例えば図5か
ら見ることができるように、配列される方法で実施され
る。
【0034】(ii)この方法は、水溶液中のアスコルビ
ン酸ナトリウムのナトリウムイオンが、双極性膜での電
気的に誘導された水分解の結果として解離したプロトン
により置き換え又は入れ換えられ、電場の影響下に、カ
チオン交換膜を経て隣接する回路へ移動し、そこでそれ
らは双極性膜で生成した水酸イオンと反応し、水酸化ナ
トリウムを生成するような方法で実施される。この実施
態様は、また例えば図2及び適切な説明で示されている
ように、電気透析である。好適には、本発明の方法の実
施態様は、それぞれ塩基室及びアスコルビン酸室を含む
ように数多くの−室集成が、電極対の間に互いの背後
に、例えば図6から見ることができるように、配列され
る方法で実施される。
【0035】(iii)この方法は、水溶液中のアスコルビ
ン酸ナトリウムのナトリウムイオンが、双極性膜での電
気的に誘導された水分解の結果として解離したプロトン
により置き換え又は入れ換えられ、カチオン交換膜で解
離された水酸イオンと反応し、カチオン交換膜により空
間的に分離された室中で水酸化ナトリウムを生成するよ
うな方法で実施される。この実施態様は、また例えば図
4及び適切な説明で示されているように、電気透析であ
る。好適には、本発明の実施態様は、それぞれ塩基室、
アスコルビン酸室及び酸室を含むように数多くの−室集
成が、電極対の間に互いの背後に、例えば図7から見る
ことができるように、配列される方法で実施される。
【0036】本発明は、以下の実施例で説明されてい
る。
【0037】
【実施例】
電気透析の実施 アスコルビン酸ナトリウムの約300gを脱イオン水に
溶解し、最終的にアスコルビン酸ナトリムの30W/W −
%溶液を得た。これを回路1(下記図8参照)に移し、
5Aの電流強度で循環(30リットル/h)させた。生成
物回路の伝導率が、約1.7〜2.2mS/cm に低下する
まで、転換を続けた。電極循環回路2は、アスコルビン
酸ナトリウムの0.1モル当量で実施(約40リットル
/h)した。水酸化ナトリウム回路3は、伝導率20mS/c
m で開始(約20リットル/h)した。回路1〜3は、外
部冷却回路で冷却した。
【0038】この方法で粗生アスコルビン酸ナトリウム
により全体で約200の電気透析を実施し、アスコルビ
ン酸ナトリウムの量は、1バッチ当たり約270〜35
0gの範囲であった。
【0039】最終伝導率が約2mS/cm に達した後に、電
気透析を終了し、アスコルビン酸水溶液(約22〜25
W/W −%)を回路1(容器)から移動し、更に加工処理
した。
【0040】残留ナトリウム(約500ppm)を取り除
き、標準処理を実施した後、それぞれの場合に明細書に
従いアスコルビン酸を単離した。
【0041】電気透析に関連するデータ この電気透析は、GOEMA(Vaihingen/Enz, German
y)社から供給される商業モデル(2−室系)で実施し
た。室の厚さは、2mmであり、構成単位はそれぞれの場
合に36cm2 の面積(=全面積144cm2)を有する4対
のセルから構成されている。膜として、CMX膜(徳山
ソーダ株式会社、日本)をカチオン交換膜として用い、
WSI膜又はFBI膜(それぞれWSI Technologies In
c., St. Louis, Mo. USA 又はFuma-Tech, Germany)を
双極性膜として用いた。混合酸化金属電極を電極として
用いた。
【0042】 他のデータ 電流強度 5.0アンペア(一定) 電圧 28〜44ボルト 膜面積 144cm2 生成速度 120〜128gAsc/h 回収 98.5〜99.5% (アスコルビン酸塩に対して) 残留Na(Asc 中) 約500ppm (平均値)
【0043】電流効率は、92〜98%範囲、主として
95%であった。
【0044】図8は、アスコルビン酸ナトリウムのアス
コルビン酸への転換が行われる電気透析装置の図であ
る。
【0045】表1に、アスコルビン酸ナトリウムの電気
透析に対しての時間の関数としての測定値(電圧、伝導
率)を示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】電気透析の代表的グラフを図9に示した。
電圧及び伝導率を時間に対してプロットした。
【図面の簡単な説明】
【図1】3−室系中での双極性膜を用いる電気透析によ
る、アスコルビン酸ナトリウムからアスコルビン酸の製
造の模式図である。
【図2】2−室系中での双極性膜を用いる電気透析によ
る、アスコルビン酸ナトリウムからアスコルビン酸の製
造の模式図である。
【図3】3−室系中での単極性膜を用いる電気透析によ
る、アスコルビン酸ナトリウムからアスコルビン酸の製
造の模式図である。
【図4】3−室系中での単極性膜及び双極性電極を用い
る電気透析による、アスコルビン酸ナトリウムからアス
コルビン酸の製造の模式図である。
【図5】a)、図1のために記述した3−室集成の複数
の配置図である。
【図6】a)、図2のために記述した2−室集成の複数
の配置図である。
【図7】b)、図4のために記述した3−室集成の複数
の配置図である。
【図8】4対のセルからなる電気透析単位である。
【図9】電圧及び伝導率を時間に対してプロットした電
気透析グラフである。
【符号の説明】
K:カチオン交換膜 B:双極性膜 回路1:NaAsc(HAsc)回路(生成物回路) 回路2:電極循環回路(〜0.1M NaOH) 回路3:NaOH回路(生成物回路)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】双極性膜での図1のために記述した3−室集成
の複数の配置図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】双極性膜での図2のために記述した2−室集成
の複数の配置図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】単極性又は双極性電極での図4のために記述し
た3−室集成の複数の配置図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスコルビン酸塩から出発するアスコル
    ビン酸の製造方法であって、 水に溶解したアスコルビン酸塩を、電場の影響下に、イ
    オン選択性膜の手段によりアスコルビン酸陰イオンとカ
    チオンに分解し、後者を互いから空間的に分離し、次い
    でプロトンと水酸イオンの同時的生成により、プロトン
    と該遊離アスコルビン酸陰イオンから該アスコルビン酸
    を合成し、その場から空間的に分離し、、また該カチオ
    ンと水酸イオンから相当する水酸化物を合成することを
    特徴とする方法。
JP8326517A 1995-12-14 1996-12-06 アスコルビン酸の製造方法 Pending JPH09202984A (ja)

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CH354095 1995-12-14

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US (1) US5702579A (ja)
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