JPH0919982A - 飛散防止・省エネフィルム - Google Patents

飛散防止・省エネフィルム

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JPH0919982A
JPH0919982A JP7195986A JP19598695A JPH0919982A JP H0919982 A JPH0919982 A JP H0919982A JP 7195986 A JP7195986 A JP 7195986A JP 19598695 A JP19598695 A JP 19598695A JP H0919982 A JPH0919982 A JP H0919982A
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film
resin
energy
resin film
scattering
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JP7195986A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Matsuzaki
弘 松嵜
Masahisa Yamaguchi
正久 山口
Yasuki Suzuura
泰樹 鈴浦
Fumihiro Arakawa
文裕 荒川
Tadahiro Mazaki
忠宏 真崎
Hiroshi Yamamoto
浩 山本
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存の装置を利用して簡単な操作で、基材と
しての引き裂き強度等を向上させて、その機能性を高め
た飛散防止・省エネフィルムを提供することである。 【構成】 基材の片面に感圧型粘着剤層を設け、更に該
感圧型粘着剤層の上に離型性のオーバーコートフィルム
を貼り合わせてなる飛散防止・省エネフィルムにおい
て、基材として、少なくともショア−硬度A98以下の
樹脂のフィルムの一層を含めて積層してなるラミネート
シートを使用することを特徴とする飛散防止・省エネフ
ィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飛散防止・省エネ
フィルムに関するものであり、更に詳しくは、飛散防止
フィルムあるいは省エネルギーフィルム等に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、飛散防止フィルムとしては、種々
の形態のものが提案されているが、その代表的なものと
しては、厚さ50μm以上の透明なポリエチレンテレフ
タレートフィルムを使用し、この片面に感圧型粘着剤を
塗布し、更に離型型のオーバーコートフィルムを貼り合
わせた構成からなるものが知られている。而して、その
使用に当たっては、該オーバーコートフィルムを剥が
し、窓ガラスの内側の全面に貼りつけ、災害時において
ガラスが破壊してもその破片の飛散を防止することを目
的とするものである。また、省エネルギーフィルムとし
ては、別名、熱線カットフィルムあるいは断熱フィルム
とも称され、例えば、25ないし50μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを使用し、これにアルミニュ
ウムを薄く蒸着し、表面に保護層、裏面に感圧型粘着剤
を塗布し、あるいはこの粘着剤の中にもう一層保護層を
設けて、紫外線吸収剤や着色剤を混入させたものであっ
て、窓ガラスの内側の全面に貼りつけ、熱線のカット、
断熱等の効果を目的とするものが知られている。飛散防
止フィルムおよび省エネルギーフィルムは、多くの場
合、飛散防止・省エネフィルム等の両機能を同時に持ち
合わせていることから、飛散防止・省エネフィルムとも
称される。これらのフィルムは、冷暖房効果の向上とコ
ストの削減、紫外線カットによる家具、書籍、調度品等
の変色防止、防眩効果、プライバシーの保護、飛散防止
効果等の特徴を有し、自動車分野、建築分野等に利用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、自動車
分野、建築分野とも、製品に対する機能性の向上、ある
いはユーザーサイドのファション性の重視といった面で
の要請に対し、その要求を充足して充分にその期待を満
たしているとはいえない状況であり、市場において停滞
感がみられるものである。現在、飛散防止・省エネフィ
ルムにおいては、さらなる機能を追求して現状の打破を
ねらっているものである。このような要求に対し、例え
ば、従来のものは、単一のポリエチレンテレフタレート
フィルムからなるものであったが、このものは、いった
んフィルムに傷が入ると容易に裂けて破断するという欠
点があることから、これを多層に重ね合わせて、多層フ
ィルムにすることによって、引き裂き強度、耐貫通性能
等を向上してその機能性を高めた製品が提案されてい
る。このものは、その機能性を高めてはいるが、少なく
とも5層以上、好ましくは13層以上に積層するもので
あり、その製造工程の管理が煩雑であるという問題点を
有するものである。そこで本発明の目的は、既存の装置
等を使用して簡単な操作で、基材としての引き裂き強度
等を向上させて、その機能性を高めた飛散防止・省エネ
フィルムを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく鋭意研究した結果、衝撃吸収性に極めて優
れているショア−硬度A98以下の樹脂のフィルムに着
目し、少なくとも該フィルムの一層を含めて合成樹脂の
フィルムと積層してラミネートシートを製造し、これを
飛散防止・省エネフィルムの基材として使用したとこ
ろ、耐衝撃性、引き裂き強度等において極めて優れ、か
つ透明性に富み、その機能性を著しく高めた飛散防止・
省エネフィルムを製造することができることを見出し
て、本発明を完成したものである。
【0005】すなわち、本発明は、基材の片面に感圧型
粘着剤層を設け、更に該感圧型粘着剤層の上に離型性の
オーバーコートフィルムを貼り合わせてなる飛散防止・
省エネフィルムにおいて、基材として、少なくともショ
ア−硬度A98以下の樹脂のフィルムの一層を含めて積
層したラミネートシートを使用することを特徴とする飛
散防止・省エネフィルムに関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、ショア−硬度A98以
下の樹脂のフィルムが衝撃吸収性、柔軟性、突き刺し性
等の特性に極めて優れているということに着目し、これ
に合成樹脂のフィルムが有する耐伸長性、寸法安定性等
の特性とを組み合わせてラミネートシートを構成し、こ
れを飛散防止・省エネフィルム用の基材として使用する
ものであり、その結果、耐衝撃性、引き裂き強度等に優
れ、該ラミネートシートに切り込みが発生してもそこか
ら容易に引き裂かれることがない飛散防止・省エネフィ
ルムを得ることができるものである。
【0007】上記の本発明について以下に更に詳しく説
明する。まず、本発明にかかる飛散防止・省エネフィル
ムの製造法およびその構成についてその1例を挙げて図
面を用いて説明する。図1は、本発明にかかる飛散防止
・省エネフィルムを構成する基材としてのラミネートシ
ートの概略を示す断面図である。図1に示すように、シ
ョア−硬度A98以下の樹脂のフィルム1と合成樹脂の
フィルム2との少なくとも二層以上を交互に重ね合わ
せ、更にその層間を接着剤層3等を介して積層して、ラ
ミネートシート4を製造する。次に、図2は、本発明に
かかる飛散防止・省エネフィルムの概略を示す断面図で
ある。図2に示すように、上記で製造したラミネートシ
ート4の片面に感圧型粘着剤層5を設け、更に該感圧型
粘着剤層5を介して離型性のオーバーコートフィルム6
を形成して、本発明にかかる飛散防止・省エネフィルム
Xを製造するものである。
【0008】まず、上記の本発明において、ショア−硬
度A98以下の樹脂のフィルムについて説明すると、通
常、合成樹脂のフィルムは、衝撃を受けた場合、伸長破
壊を起こして破壊するものである。しかし、ショア−硬
度A98以下の樹脂のフィルムは、衝撃を受けた場合、
該フィルムが、衝撃吸収性、柔軟性、突き刺し性等の特
性に優れていることから、フィルムが伸長すると共に衝
撃エネルギーを内部に吸収し、それを吸収、拡散しつつ
そのエネルギーを弱めつつ破壊するものであり、一般の
合成樹脂のフィルムに比較して衝撃破壊強度が極めて大
きいものである。これに対し、合成樹脂のフィルムは、
耐伸長性、寸法安定性等に優れ、衝撃を受けた場合、衝
撃破壊強度が低く、伸長破壊を起こすより先に脆弱破壊
を起こして、衝撃を受けた直後に破壊してしまうもので
ある。本発明は、ショア−硬度A98以下の樹脂のフィ
ルムが有する上記のような衝撃破壊強度が極めて大であ
るという特性を利用して飛散防止・省エネフィルムを構
成するものである。
【0009】本発明において、ショア−硬度A98以下
の樹脂のフィルムとしては、具体的には、例えば、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマ−、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロックコポリマ−、スチ
レン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマ
−等のポリスチレン系熱可塑性エラストマ−、エチレン
−プロピレンブロックコポリマ−等のポリオレフィン系
熱可塑性エラストマ−、ポリウレタン−ポリエステル
系、または、−ポリエ−テル系等からなるポリウレタン
系熱可塑性エラストマ−、ポリエステル−ポリエ−テル
系、または、−ポリエステル系からなるポリエステル系
熱可塑性エラストマ−、ポリアミド−ポリエステル系、
または、−ポリエ−テル系からなるポリアミド系熱可塑
性エラストマ−、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリエチレン系樹脂、その他等からなるフィル
ムを使用することができる。
【0010】本発明において、ショア−硬度A98以下
の樹脂のフィルムの厚さとしては、少なくとも0.5μ
m以上であることが好ましく、0.5μm未満である
と、衝撃破壊強度がフィルムの厚さに比例することか
ら、充分な衝撃破壊強度を得ることが困難であり、結果
として、引き裂き強度に優れ、その機能性を高めた飛散
防止・省エネフィルムを製造することが困難になって好
ましくない。ショア−硬度A98以下の樹脂のフィルム
の厚さとしては、飛散防止・省エネフィルムの使用目的
等によって適宜に設定することができるが、5μmない
し200μm、望ましくは、10μmないし100μm
が好ましい。なお、本発明において、ショア−硬度A9
8以上の樹脂のフィルムを使用すると、フィルムが硬
く、衝撃吸収効果が得られず、充分な衝撃破壊強度がえ
られないことから好ましくない。また、本発明におい
て、樹脂のフィルムとしては、ショア−硬度A5以上、
好ましくは、ショア−硬度A10以上である樹脂のフィ
ルムを使用することが望ましい。上記において、ショア
−硬度A5未満である樹脂のフィルムを使用すると、フ
ィルムが軟らか過ぎて本発明の所期の目的を達成するこ
とができず好ましくないものである。本発明おいて、シ
ョア−硬度とは、米国、Shore社製の硬さ試験機を
用いて測定した硬度である。特に、本発明でいうショア
−硬度Aとは、JIS−A型の試験機を用いた場合の硬
度である。
【0011】次に、本発明において、上記のショア−硬
度A98以下の樹脂のフィルムに積層する合成樹脂のフ
ィルムとしては、該ショア−硬度A98以下の樹脂のフ
ィルムが衝撃を受けた場合、該ショア−硬度A98以下
の樹脂のフィルムの伸長破壊を抑制するために使用する
ものであり、比較的に剛性に富み、上記のショア−硬度
A98以下の樹脂のフィルムが衝撃を受けたときその伸
長を剛性で受け止めてその伸長を抑制する性質を有する
合成樹脂のフィルムであることが好ましい。具体的に
は、耐伸長性を有し、寸法安定性に富み、衝撃を受けた
場合、伸長破壊より先に脆弱破壊を起こす性質を有する
樹脂のフィルムを使用することができ、例えば、ポリエ
チレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ(4−メチ
ル−ペンテン−1)系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポ
リビニルブチラール、ポリアクリロニトリル系樹脂、酢
酸セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ
フェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルエーテルケ
トン系樹脂系樹脂等の公知の樹脂のフィルムないしシー
トを使用することができる。
【0012】本発明では、衝撃破壊強度に優れたショア
−硬度A98以下の樹脂のフィルムと、これより耐伸長
性、寸法安定性に優れた合成樹脂のフィルムとを交互に
積層することによって、ショア−硬度A98以下の樹脂
のフィルムの伸長性と合成樹脂のフィルムの剛性に基づ
く伸長阻止性とにより衝撃エネルギーを分散して引き裂
き強度等に優れたラミネートシートを製造することがで
きるものと推定するものである。
【0013】上記の合成樹脂のフィルムの厚さとして
は、少なくとも0.5μm以上であることが好ましく、
0.5μm未満であると、ショア−硬度A98以下の樹
脂のフィルムの伸長阻止性が弱く、ショア−硬度A98
以下の樹脂のフィルムの伸長により破壊して、結果とし
て、引き裂き強度に優れ、その機能性を高めた飛散防止
・省エネフィルムを製造することが困難になって望まし
くない。合成樹脂のフィルムの厚さとしては、飛散防止
・省エネフィルムの使用目的等によって適宜に設定する
ことができるが、5μmないし300μm、望ましく
は、10μmないし200μm位が好ましい。また、本
発明においては、上記の合成樹脂のフィルムは、未延伸
のフィルム、あるいは一軸方向または二軸方向等に延伸
したフィルムのいずれでもよい。
【0014】ところで、本発明においては、上記の合成
樹脂のフィルムとしては、上記に挙げた樹脂のフィルム
の中でも、剛性、耐伸長性、寸法安定性、透明性、積層
適性等の観点から、特に、ポリエステル系樹脂、ポリ
(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リアラミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂またはポリア
クリルニトリル系樹脂のフィルムないしシートを使用す
ることが好ましい。上記のポリエステル系樹脂のフィル
ムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリ
テトラメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂
のフィルムないしシートを使用することができる。その
他、通常のジカルボン酸またはそのエステル誘導体とジ
ヒドロオキシ化合物との反応生成物等からなるポリエス
テル系樹脂のフィルムないしシートを使用することがで
きる。
【0015】また、上記において、ポリ(メタ)アクリ
ル系樹脂のフィルムないしシートとしては、例えば、ポ
リアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチ
ル−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチ
レン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共
重合体等のエチレン−アクリル酸誘導体または−メタク
リル酸誘導体との共重合体等のポリ(メタ)アクリル系
樹脂からなるフィルムないしシートを使用することがで
きる。
【0016】また、上記において、ポリカーボネート系
樹脂のフィルムないしシートとしては、例えば、ポリカ
−ボネ−ト、ポリカ−ボネ−トとポリエ−テル、ポリス
チレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド若し
くは高シロキサンの一種以上との共重合体、更にはポリ
カ−ボネ−トとポリオレフィン、ポリメタクリル酸メチ
ル、アクリルニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体
若しくはポリアミドの一種以上とのブレンド物からなる
フィルムないしシートを使用することができる。
【0017】また、上記において、ポリアラミド系樹脂
のフィルムないしシートとしては、例えば、パラフェニ
レンジアミンとテレフタル酸ジクロリドとの反応によっ
て得られるパラ系アラミドのフィルムないしシ−トを使
用することができる。また、上記のモノマ−中にクロラ
イド等のハロゲンが置換してある置換体でもよく、ま
た、パラフェニレンジアミンとテレフタル酸ジクロリド
とを反応させる際に、メタフェニレンジアミン、イソフ
タル酸ジクロリド等を添加して変性してもよい、更にま
た、メタ系アラミドをパラ系アラミドに組み合わせて使
用することもできる。
【0018】また、上記において、ポリ塩化ビニル系樹
脂のフィルムないしシートとしては、例えば、ポリ塩化
ビニル、高重合ポリ塩化ビニル、架橋または分岐構造を
導入したポリ塩化ビニル、またはこれらのポリ塩化ビニ
ル系樹脂の一種とニトリルゴム、ポリウレタン若しくは
ポリエステル等のゴム弾性を有するポリマ−とのブレン
ド物、更には、上記のポリ塩化ビニル系樹脂の一種とポ
リアルキレンオキシド、ポリカ−ボネ−ト、トリブロッ
クシロキサン若しくはポリエチレンとのブレンド物から
なるフィルムないしシートを使用することができる。
【0019】また、上記において、ポリアクリルニトリ
ル系樹脂のフィルムないしシートとしては、例えば、ポ
リアクリルニトリル、アクリルニトリル−ブタジェン−
スチレンとの共重合体、アクリルニトリル−スチレン共
重合体からなるフィルムないしシートを使用することが
できる。
【0020】ところで、本発明においては、上記のショ
ア−硬度A98以下の樹脂のフィルム、またはそれと積
層する合成樹脂のフィルムの製造に際しては、必要なら
ば、公知の添加剤、例えば、可塑剤、熱安定剤、帯電防
止剤、滑剤、紫外線吸収剤、充填剤、その他等を任意に
添加し、混練して製膜化してもよい。
【0021】次に、本発明において、ショア−硬度A9
8以下の樹脂のフィルムと合成樹脂のフィルムを積層す
る方法としては、包装材料を製造するときに使用する通
常の積層方法と同様な方法で行うことができる。例え
ば、ドライラミネーション(無溶剤型、ワックスホット
メルト型等も含む)、ウェットラミネーション、押し出
しラミネーション、インフレーションラミネート法等の
方法で行うことができる。あるいは、ロールコーティン
グ法(グラビアダイレクトコート、斜線版リバースコー
ト、コンマコート等)、ナイフエッジコーティング法、
ダイコーティング法、スプレイコーティング法等の通常
のコーティング法等でも行いえる。而して、本発明にお
いては、上記のような方法を任意に組み合わせても差し
支えない。
【0022】上記の積層に際しては、例えば、有機チタ
ン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコー
ト剤(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系アンカーコ
ート剤等のラミネート用アンカーコート剤、あるいはポ
リウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ
系接着剤、マインイミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接
着剤、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系接着剤、
ポリアクリル系接着剤等の溶融型接着剤、ポリ酢酸ビニ
ルエマルジョン、ポリアクリル系樹脂エマルジョン等の
エマルジョン系接着剤、紫外線あるいは電子線硬化型接
着剤等の各種の接着剤を使用することができる。なお、
本発明においては、樹脂のフィルムがそれ自身で熱溶融
等によって自己接着するものである場合には、上記のよ
うな接着剤を使用することなく積層してラミネートシー
トを製造することができ、この場合には、それ自身を接
着剤としてみなしてもよい。上記の接着剤層の厚さとし
ては、0.01μm以上、好ましくは、0.5μmない
し70μm位が望ましい。而して、接着剤層が、0.0
1μm未満であると、充分な密着強度を得ることができ
ず、層間で剥離等の現象を起こして好ましくなく、ま
た、接着剤層が、70μm以上であると、ラミネートシ
ートの柔軟性、透明性等が低下して好ましくないもので
ある。また、本発明においては、積層する前に、フィル
ムの面に、予め、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の
公知の前処理を施すこともできる。
【0023】本発明においては、ショア−硬度A98以
下の樹脂のフィルムと合成樹脂のフィルムとを交互に積
層してラミネートシートを製造するものであるが、合成
樹脂のフィルムとしては、同種ないし異種のフィルムを
組み合わせて使用してもよい。また、本発明において、
積層する枚数としては、少なくとも2層以上であること
が必要であり、好ましくは、2ないし5層位が望まし
い。上記において、6層以上の積層は、製造工程の管理
の煩雑さがともない好ましくはないものである。
【0024】次にまた、本発明において、感圧型粘着剤
層を構成する粘着剤としては、合成樹脂、ゴム系ポリマ
ー等をビヒクルの主成分とし、これに粘着性を付与する
目的で粘着付与剤樹脂、粘着調製の目的で軟化剤、その
他、充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤等を公
知の添加剤を任意に添加して調製した粘着剤を使用する
ことができる。
【0025】上記において、合成樹脂としては、例え
ば、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニ
ルブチラール等)、ポリビニルイソブチルエーテル、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系
樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体等の熱可塑性樹脂
を使用することができる。
【0026】また、上記において、ゴム系ポリマーとし
ては、例えば、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジ
エンゴム、ポリイソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブ
チルゴム、塩素化ゴム等のゴム(エラストマー)系ポリ
マーを使用することができる。
【0027】また、上記において、粘着付与剤樹脂とし
ては、例えば、ロジン、エステルガム、ポリテルペン系
樹脂、ポリオレフィン系石油樹脂、クマロン、インデン
樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系
樹脂等を使用することができる。
【0028】また、上記において、軟化剤としては、例
えば、各種の可塑剤、ロジン油、ワックス、各種のポリ
マーの低重合物、植物油、その他等を使用することがで
きる。
【0029】而して、本発明において、粘着剤層の形成
は、例えば、ラミネートシートの片面に塗布ないし印刷
法等によって形成することができ、あるいは離型性のオ
ーバーコートフィルムの上に塗布ないし印刷法等によっ
て粘着剤層を形成し、該粘着剤層面をラミネートシート
に重ね合わせてその両者を貼り合わせて形成することも
できる。
【0030】また、上記において、離型性のオーバーコ
ートフィルムとしては、公知のもの、例えば、ポリエス
テルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、セロハン、その他の樹
脂のフィルム、あるいは離型紙、合成紙等を使用するこ
とができる。
【0031】以上の説明で明らかなように、本発明にか
かる飛散防止・省エネフィルムは、前述の図2に示すよ
うに、ショア−硬度A98以下の樹脂のフィルム1と合
成樹脂のフィルム2との少なくとも二層以上を交互に重
ね合わせ、更にその層間を接着剤層3等を介して積層し
て、ラミネートシート4を製造し、次に、上記で製造し
たラミネートシート4の片面に感圧型粘着剤層5を設
け、更に該感圧型粘着剤層5を介して離型性のオーバー
コートフィルム6を形成した構成からなるものである。
而して、その使用に当たっては、図3に示すように、離
型性のオーバーコートフィルム6を引き剥がして、感圧
型粘着剤層4を介して、ガラス等の基板7に貼り合わせ
て、飛散防止・省エネフィルムとして使用するものであ
る。
【0032】なお、本発明においては、図示しないが、
必要ならば、上記の飛散防止・省エネフィルムにおい
て、表面保護層としての樹脂のハードコート層を形成し
てもよく、また、紫外線カット、熱線カット等のため
に、アルミニュウム等の薄い蒸着膜、紫外線吸収剤等を
含む樹脂層、あるいは着色剤を含む樹脂層等を任意に形
成してもよい。例えば、アルミニュウム等の薄い蒸着膜
を設ける例について説明すると、上記で製造したラミネ
ートシートの片面の全面あるいは部分的に、アルミニュ
ウム等の金属による蒸着膜を形成するものである。而し
て、上記の蒸着膜は、飛散防止・省エネフィルムにマッ
ジクミラー的要素を組み込む際に使用されるものであ
り、片面よりは視認性を持たせ、他方からの視認性を抑
制する機能等を発揮させるために使用されるものであ
る。上記において、蒸着膜を構成する金属としては、例
えば、アルミニュウム、鉄、ニッケル、銅等の金属を使
用することができ、その厚さとしては、10Åないし5
000Å位が好ましく、これにより、片面は、視認性を
有し、他面は、視認性を制御するものである。
【0033】また、本発明において、上記の飛散防止・
省エネフィルムは、窓ガラス等に貼り合わせた場合、透
明性を要求されることがある。而して、本発明において
は、ショア−硬度A98以下の樹脂のフィルムと、合成
樹脂のフィルムとを積層する場合、該ショア−硬度A9
8以下の樹脂のフィルムの一層と合成樹脂のフィルムの
一層とを一積層単位としたラミネートシートの場合、全
光線透過率は、約20%以上の透過率を有して透明性に
富むものである。特に、本発明においては、ショア−硬
度A98以下の樹脂のフィルムの一層と、ポリエステル
系樹脂のフィルム、ポリ(メタ)アクリル系樹脂のフィ
ルム、ポリカーボネート系樹脂、ポリアラミド系樹脂、
ポリ塩化ビニル系樹脂またはポリアクリルニトリル系樹
脂のフィルムないしシートの一層とを積層単位してなる
ラミネートシートの場合、その全光線透過率が30%以
上であり、極めて透明性に富むものであり、視認性の低
下等は認められないものである。
【0034】
【実施例】次に本発明について具体的な例を挙げて更に
詳しく説明する。 実施例1 厚さ50μmのポリエチレンテレフタレ−トフィルム
(帝人株式会社製)の片面にグラビアダイレクトコ−ト
法によりイソシアネ−ト系2液硬化型接着剤(武田薬品
株式会社製、タケラック515、AR−50)を厚さ2
μmコ−ティングし、次いで該接着剤層面に厚さ50μ
mのポリウレタン系熱可塑性エラストマ−フィルム(オ
ザキ軽化学株式会社製)をドライラミネ−ション法によ
り貼り合わせて、ラミネ−トシ−トを製造した。次に、
別に用意した厚さ25μmの離型性二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルムの離型性処理面側にアクリル
樹脂系粘着剤を厚さ10μmとなるようにコンマコ−ト
法によりコ−ティングした粘着フィルムの粘着剤層面
に、上記で製造したラミネ−トシ−トを圧着して飛散防
止・省エネフィルムを製造した。上記で得た飛散防止・
省エネフィルムを、その離型性ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを引き剥がして窓ガラスに貼り合わせて飛
散防止フィルムとして使用した。なお、その機械的強度
においては、縦横とも均一で、かつフィルムに切り込み
を入れてもそこから容易に一方向に引き裂かれることは
なかった。
【0035】実施例2 ショア−硬度A98以下の樹脂のフィルムとして、厚さ
50μmのポリオレフィン系エラストマ−のフィルム
(昭和デンコ−株式会社製)を使用し、その他は、上記
の実施例1に記載した方法と同様に行って同様な結果を
得た。
【0036】実施例3 ショア−硬度A98以下の樹脂のフィルムとして、厚さ
50μmのポリ塩化ビニルフィルム(三菱化学株式会社
製)を使用し、その他は、上記の実施例1に記載した方
法と同様に行って同様な結果を得た。
【0037】実施例4 ショア−硬度A98以下の樹脂のフィルムとして、厚さ
50μmの低密度ポリエチレンフィルム(旭化成工業株
式会社製)を使用し、その他は、上記の実施例1に記載
した方法と同様に行って同様な結果を得た。
【0038】比較例1 厚さ25μmの離型性二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
−トフィルムの離型性処理面側にアクリル樹脂系粘着剤
を厚さ10μmとなるようにコンマコ−ト法によりコ−
ティングした粘着フィルムの粘着剤層面に、厚さ100
μmのポリエチレンテレフタレ−トフィルム(帝人株式
会社製)を圧着して飛散防止・省エネフィルムを製造し
た。 上記で得た飛散防止・省エネフィルムを、その離型性ポ
リエチレンテレフタレートフィルムを引き剥がして窓ガ
ラスに貼り合わせて飛散防止フィルムとして使用した。
【0039】実験例 上記の実施例1ないし実施例4、および比較例1におい
て製造した飛散防止・省エネフィルムについて、その飛
散防止性を測定した。飛散防止性のテストは、厚さ3m
mの透明ガラスに上記の実施例1ないし4、および比較
例1で得た飛散防止・省エネフィルムをその離型性のオ
ーバーコートフィルムを引き剥がして貼り合わせ、下記
の条件にて落錐試験を行い、その時の飛散防止性を目視
にて観察して5段階評価した。 落錐試験 落下高さ 2m 落錐物荷重 3Kg(鉄球) 試験片面積 100mmΦ 評価方法 ガラス破片 レベル 0個 1 1〜5個 2 5〜20個 3 20〜50個 4 50個以上 5 上記の実験の結果について下記の表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】上記の表1より明らかなように、実施例1
ないし4のものは、比較例1に比べ飛散防止性に優れて
いた。
【0042】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、ショア−硬度A98以下の樹脂のフィルムが有する
特性を利用し、これに合成樹脂のフィルムが有する剛
性、耐伸長性、寸法安定性等の特性を組み合わせてラミ
ネートシートを構成し、これを飛散防止・省エネフィル
ム用の基材として使用するものであり、その結果、耐衝
撃性、引き裂き強度に優れ、該ラミネートシートに切り
込みが発生してもそこから容易に引き裂かれることがな
い飛散防止・省エネフィルムを得ることができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】飛散防止・省エネフィルム用基材としてのラミ
ネートシートの層構成の概略を示す断面図である。
【図2】飛散防止・省エネフィルムの層構成の概略を示
す断面図である。
【図3】飛散防止・省エネフィルムの使用例における層
構成の概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ショア−硬度A98以下の樹脂のフィルム 2 合成樹脂のフィルム 3 接着剤層 4 基材 5 感圧型粘着剤層 6 離型性のオーバーコートフィルム 7 ガラス X 飛散防止・省エネフィルム
フロントページの続き (72)発明者 荒川 文裕 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 真崎 忠宏 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 山本 浩 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の片面に感圧型粘着剤層を設け、更
    に該感圧型粘着剤層の上に離型性のオーバーコートフィ
    ルムを貼り合わせてなる飛散防止・省エネフィルムにお
    いて、基材として、少なくともショア−硬度A98以下
    の樹脂のフィルムの一層を含めて積層したラミネートシ
    ートを使用することを特徴とする飛散防止・省エネフィ
    ルム
  2. 【請求項2】 ラミネートシートが、少なくともショア
    −硬度A98以下の樹脂のフィルムと耐伸長性を有し、
    寸法安定性に富む合成樹脂のフィルムとの少なくとも二
    層以上を交互に積層してなるラミネートシートであるこ
    とを特徴とする上記の請求項1に記載する飛散防止・省
    エネフィルム。
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